JP2010076515A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】窓曇りの発生を防止し、外気の車室内への導入を長期間防止することができる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】フロントガラス3には、曇りやすい曇り領域40と曇りにくい防曇領域41とが設定される。曇り検出装置4は、各領域40,41の曇りの有無を判断する。空調制御装置は、曇り検出装置4によって曇り領域40に曇りが有ると判定されると、DEF吹出口28から外気を吹き出させるように各部を制御する。
【選択図】図8

Description

本発明は、防曇制御と通常の空調制御とを適宜切替る車両用空調装置に関する。
従来技術の車両では、二酸化炭素(CO2)の排出規制を受けてよりいっそうの燃費低減が求められている。このような車両の低燃費化傾向およびハイブリッド(HV)車が普及すると、エンジン(E/G)の排熱量が減ることによって、車両用空調装置では暖房のための熱源の不足が懸念されている。また車両用空調装置の熱源の不足の他の原因として、窓曇り防止のために外気導入モードを用いている点がある。
このような車両用空調装置の熱源の不足を解消するための従来技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1記載の車両用空調装置では、エアコン暖房およびヒータコア暖房を併用し、熱源を2つに増やしている。また特許文献1記載の車両用空調装置では、湿度センサを用いて窓曇りを判定し、曇らない範囲で外気を導入することなく内気を循環させて暖房制御している。さらに防曇のための外気導入時は、ブロアファンの風量を低下させて、外気がヒータコアを通過する時間を長くして外気導入による車室内の温度低下を抑制している。
特開平10−203146号公報
前述の特許文献1記載の従来技術では、複数の熱源を有するので、燃費が悪くなるという問題がある。また複数の熱源を有するので、構成が複雑となり、製造コストが高くなるという問題がある。また湿度センサを用いて窓曇りを判定し、曇らない範囲で外気を導入することなく内気だけで暖房制御するが、湿度センサの個々の検出誤差を考慮する必要があり、湿度センサでは正確な曇り判定が困難である。さらに湿度センサを設置している場所だけでなく、他の曇りやすい場所までを曇らないように安全率をとると実際に曇りが生じてない場合でも外気を導入することがあり、結果的に熱源が不足する。
一方、従来の防曇技術として、窓ガラスに防曇機能を持たせた様々なガラス、たとえば親水性膜、吸水コート膜、および撥水コート膜を有するガラスがある。このようなガラスは、一定期間の防曇が可能であるが、ある限界水分量を超えると、窓曇りが発生してしまうという問題がある。また吸水コート膜を有する吸水性ガラスの場合、吸水性ガラスの表面の曇り状態を湿度センサで予測することが難しいという問題がある。したがって吸水性ガラスの場合、光学センサで直接曇り発生を検知するが、曇りの発生を予防することができず、窓曇りのリスクは大きく高まる。
そこで、本発明は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、窓曇りの発生を防止し、外気の車室内への導入を長期間防止することができる車両用空調装置を提供することを目的とする。
本発明は前述の目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、曇るまでの時間が互いに異なる少なくとも2つの領域を内面に有する窓ガラス(3)を備える車両に搭載される車両用空調装置であって、
内気導入口(14,15)と外気導入口(13)とを開閉して内気と外気との吸い込みを切り替える内外気切替手段(10)と、
内気導入口および外気導入口を通して導入される空気を車室内へ向かって送風する送風手段(11)と、
送風手段による送風空気を冷却する冷房用熱交換器(6)と、
送風手段による送風空気を加熱する暖房用熱交換器(21)と、
冷房用熱交換器および暖房用熱交換器を通過して温度調整された空気を、窓ガラスの内面に向かって吹き出すデフロスタ吹出口(28)および車室内のその他の部位に吹き出す吹出口(26,27,29,30)を含む複数の吹出口と、
複数の吹出口を開閉して吹出モードを切り替える吹出モード切替手段(31〜34)と、
窓ガラスの複数の領域のうち、曇るまでの時間が最も短い曇り領域(40)における曇りの有無を判定する判定手段(4)と、
内外気切替手段による内外気切替制御、および吹出モード切替手段による吹出モード切替制御を実行する空調制御手段と、を含み、
空調制御手段は、判定手段によって曇りが有ると判定されると、防曇制御として、デフロスタ吹出口から外気を吹き出させるように内外気切替手段および吹出モード切替手段を制御することを特徴とする車両用空調装置である。
請求項1に記載の発明に従えば、車両用空調装置が設けられる車両の窓ガラスには、曇るまでの時間が短い曇り領域と残余の領域とがある。したがって曇り領域が曇った後に残余の領域が曇るので、曇り領域が曇った時点(以下、「曇り時点」ということがある)では残余の領域が曇っていない。空調制御手段は、判定手段によって曇り領域に曇りが有ると判定されると防曇制御を実行するので、残余の領域が曇る前に防曇制御を実行することができる。これによって残余の領域が曇ることを防止することができ、曇り領域の曇りも解消することができる。このように曇りやすい曇り領域をあえて設け、曇り領域が曇ってから防曇制御を実行、すなわち外気を取り込むように制御する。曇り領域が曇っている状態では、残余の領域が曇る可能性 が高くなっているので、外気を導入することなく内気だけで空調制御を継続することは困難な状態である。このような曇りがなく内気だけの空調の継続が困難な状態のタイミングで、防曇制御を実行することができる。
従来の技術では、前述したように湿度センサによって曇りを確実に検出することは困難であり、窓ガラスが曇っていないのに外気を導入して熱源を無駄に消費することがあるが、本発明では、曇り領域が曇ってから外気を取り込む。したがって外気を導入すべきタイミングで外気を取り込むので、従来の技術の構成に比べて外気を取り込む時間を短くして、長期間にわたって内気だけで空調制御(以下、「内気化」ということがある)することができる。これによって車両用空調装置の熱源が少ない場合であっても、防曇制御による熱量の損失を抑制し、快適な車内環境を提供することができる。
また請求項2に記載の発明では、窓ガラスの複数の領域のうち曇り領域を除く残余の領域(41)には、曇るまでの時間を長くする防曇性皮膜(42)が設けられることを特徴とする。
請求項2に記載の発明に従えば、残余の領域には防曇性皮膜が設けられるので、残余の領域を曇り領域よりも曇るまでの時間を確実に長くすることができる。
さらに請求項3に記載の発明では、曇り領域には、第1の防曇性皮膜が設けられ、
残余の領域には、第1の防曇性皮膜よりも防曇性能が優れる第2の防曇性皮膜が設けられることを特徴とする。
請求項3に記載の発明に従えば、曇り領域には第1の防曇性皮膜が設けられ、残余の領域には第2の防曇性皮膜が設けられるので、残余の領域を曇り領域よりも曇るまでの時間を確実に長くすることができる。また窓ガラスには防曇性皮膜が設けられるので、防曇性皮膜がない窓ガラスに比べて、曇るまでの時間を長くすることができる。これによって防曇制御を実行する時間が短くなるので、さらに長期間内気化することができる。
さらに請求項4に記載の発明では、曇り領域は、残余の領域よりも面積が小さく、窓ガラスの周縁の一部分に設定されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明に従えば、曇り領域は、残余の領域よりも面積が小さいので、曇り領域が曇っても目立たない。したがって乗員は不快感を受けることが少なくなる。また曇り領域は窓ガラスの周縁の一部分に設定されるので、曇り領域が曇っても窓ガラスの中心の視野は確保される。これによって曇り領域が曇っても、視野が狭くなり運転に支障がでることを防ぐことができる。
さらに請求項5に記載の発明では、判定手段は、曇り領域における曇りの有無を判定し、かつ曇り領域を除く残余の領域の曇りの有無を判定し、
空調制御手段は、
判定手段によって曇り領域に曇りが有ると判定された時点から、残余の領域に曇りが有ると判定された時点までの遅れ期間よりも短い期間を余裕期間として設定し、
判定手段によって再び曇り領域に曇りが有ると判定されると、曇り領域に曇りが有ると判定された時点から余裕期間の経過後に防曇制御を実行することを特徴とする。
請求項5に記載の発明に従えば、空調制御手段は、遅れ期間よりも短い余裕期間を設定し、再び曇り領域に曇りが有ると判定されると、曇り領域に曇りが有ると判定された曇り時点から余裕期間の経過後に防曇制御を実行する。余裕期間は、遅れ期間よりも短いので、曇り時点から余裕期間までは残余の領域が曇る可能性が低いと予測される。このような余裕期間の経過後に防曇制御を実行するので、残余の領域が再び曇るより前に防曇制御を実行することができ、残余の領域が曇ることを未然に防止することができる。また曇り領域に曇りが発生してから直ちに防曇制御するよりも、余裕期間経過後に防曇制御を実行する方が、長期間内気化することができる。
さらに請求項6に記載の発明では、空調制御手段は、遅れ期間に基づいて、曇り領域に再び曇りが発生した場合に、曇り領域に再び曇りが発生した時点から残余の領域に再び曇りが発生すると予測される時点までの期間を演算し、演算した期間よりも短い期間を余裕期間として設定することを特徴とする。
請求項6に記載の発明に従えば、空調制御手段は、遅れ期間に基づいて余裕期間を演算する。このような余裕期間は、残余の領域に再び曇りが発生すると予測される時点までの期間を演算し、この期間よりも期間に設定されるので、曇り時点から余裕期間までは残余の領域が曇る可能性が低いと予測される。このように設定された余裕期間の経過後に防曇制御を実行するので、残余の領域が再び曇るよりも前に防曇制御を実行することができ、残余の領域が曇ることを未然に防止することができる。また曇り領域に曇りが発生してから直ちに防曇制御するよりも、余裕期間経過後に防曇制御を実行する方が、長期間内気化することができる。
さらに請求項7に記載の発明では、空調制御手段は、
判定手段によって余裕期間経過前に残余の領域に曇りが有ると判定されると、防曇制御を実行し、
遅れ期間に基づいて余裕期間を再び設定することを特徴とする。
請求項7に記載の発明に従えば、空調制御手段は、余裕期間経過前に残余の領域に曇りが有ると判定されると防曇制御を実行するので、残余の領域に発生した曇りを解消することができる。このように余裕期間の経過前であっても、車両を取り巻く環境、たとえば外気温の変化などによって、残余の領域に曇りが発生する場合がある。このような場合は、空調制御手段は、再び余裕期間を設定することによって、最新の車両を取り巻く環境にあわせた余裕期間に基づいて、防曇制御を実行することができる。これによって残余の領域が曇ることを可及的に防止し、長期間内気化することができる。
なお、前述の各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に関して、図1〜図8を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態の車両用空調装置1の内部構造を示す断面図である。図2は、車室内の前方を簡略化して示す斜視図である。本実施形態の車両用空調装置1は、たとえばディーゼルエンジン車やハイブリッド車のように、エンジン冷却水(温水)の温度が比較的上がりにくい低熱源車に適用される。車両用空調装置1は、車室内の温度を乗員により設定された空調要求、たとえば設定された温度を保つように自動制御するオートエアコンである。車両用空調装置1は、車室内を空調するためのエアコンユニット2と、エアコンユニット2内の送風空気から吸熱して冷却する冷媒が流動する冷凍サイクル装置(図示せず)と、フロントガラス3の曇りを検出する曇り検出装置4と、エアコンユニット2および冷凍サイクル装置を制御する空調制御装置(図示せず)と、を備えている。
先ず、冷凍サイクル装置(図示せず)に関して説明する。冷凍サイクル装置は、圧縮機の吐出側から、凝縮器、レシーバ、および膨張弁を介してエバポレータ6に冷媒が循環するように形成されたサイクルを構成している。
圧縮機は、車両に搭載されたエンジン(図示せず)によって駆動される。冷凍サイクル装置における冷媒は、圧縮機により高温高圧に圧縮され、この圧縮機から吐出された高圧ガス冷媒は凝縮器に導入され、この凝縮器においてガス冷媒は冷却用電動ファンにより送風される外気と熱交換して放熱され、凝縮される。凝縮器を通過した冷媒は、レシーバにおいて液相冷媒と気相冷媒とに分離されるとともに、液相冷媒がレシーバ内に貯留される。
レシーバからの高圧液冷媒は、膨張弁にて低圧の気液二相状態に減圧され、この減圧後の低圧冷媒はエバポレータ6に供給される。エバポレータ6は、膨張弁から供給される低圧冷媒がエバポレータ6において送風空気から吸熱して蒸発させられる。エバポレータ6は、エアコンユニット2を構成する空調ケース20の内部に収納されるので、ケース内の空気を冷却する。エバポレータ6において蒸発した後のガス冷媒は、再度圧縮機に吸入され、圧縮されることになる。
次に、エアコンユニット2に関して説明する。エアコンユニット2は、空気流を発生するブロワユニット7、およびブロワユニット7より送風された空気を温度調節して車室内へ供給する空調ユニット8を備える。空調ユニット8は、通常、車室内前方のインストルメントパネル内奥部のうち、車両左右方向の略中央部に配置される。ブロワユニット7は、通常、車室内において空調ユニット8の側方(助手席側)にオフセットして配置される。
ブロワユニット7は、内気と外気を2層状態で送風できる2層構造であり、空気導入口13〜15を有するブロワケース9と、空気導入口13〜15を開閉する吸込口切替ドア10と、ブロワケース9内に収容される2層ファン11と、2層ファン11を回転駆動するブロワモータ12を含む。空気導入口13〜15は、ブロワケース9内に外気を導入する外気導入口13と、ブロワケース9内に内気を導入する第1の内気導入口14および第2の内気導入口15が設けられている。吸込口切替ドア10は、内気導入口14,15と外気導入口13とを開閉して内気と外気との吸い込みを切り替える。
2層ファン11は、各導入口13〜15からの導入した空気を車室内へ向かって送風する送風手段である。2層ファン11は、ファン径の小さい第1のファン16とファン径の大きい第2のファン17とから成り、第1のファン16の方が第2のファン17より多くの送風空気量を発生することができる。第1のファン16および第2のファン17は、周知の遠心多翼ファン(シロッコファン)からなるものであり、1つの共通のブロワモータ12にて一体に回転駆動される。ブロワモータ12は、空調制御装置によって制御され、回転数を段階的または無段階に可変する。
ブロワケース9のスクロール部9aは、第1のファン16によって送風された空気を吐出する第1の吐出通路18と、第2のファン17によって送風された空気を吐出する第2の吐出通路19とを有している。吸込口切替ドア10は、外気導入口13と第1の内気導入口14とを切り替える内外気切替ドア10aと、第2の内気導入口15を開閉する内気用開閉ドア10bとが設けられ、吸込口モードに応じて切り替えられる。
吸込口モードは、内外気2層モード、内気循環モードおよび外気循環モードが設定されている。内外気2層モードでは、図1に示すように、内外気切替ドア10aが外気導入口13を開き、内気用開閉ドア10bが第2の内気導入口15を開くことにより、第1のファン16の回転によって外気導入口13より導入された外気が第1の吐出通路18より吐出され、第2のファン17の回転によって第2の内気導入口15より導入された内気が第2の吐出通路19より吐出される。
内気循環モードでは、内外気切替ドア10aが第1の内気導入口14を開き、内気用開閉ドア10bが第2の内気導入口15を開くことにより、第1のファン16の回転によって第1の内気導入口14より導入された内気が第1の吐出通路18より吐出され、第2のファン17の回転によって第2の内気導入口15より導入された内気が第2の吐出通路19より吐出される。
外気循環モードでは、内外気切替ドア10aが外気導入口13を開き、内気用開閉ドア10bが第2の内気導入口15を閉じることにより、第1のファン16および第2のファン17の回転によって外気導入口13より導入された外気が第1の吐出通路18および第2の吐出通路19より吐出される。
次に、空調ユニット8に関して説明する。空調ユニット8は、空気通路を形成する空調ケース20と、この空調ケース20内に収容されるエバポレータ6、ヒータコア21、A/Mドア22、および吹出口切替ドア31〜34を含む。空調ケース20は、ブロワケース9のスクロール部9aに接続され、その接続口からエバポレータ6までの間が仕切り板23によって第1の送風通路24と第2の送風通路25とに仕切られている。
第1の送風通路24は、ブロワケース9の第1の吐出通路18に連通し、第2の送風通路25はブロワケース9の第2の吐出通路19に連通して、第1の送風通路24の方が第2の送風通路25より風量および風速共に高くなる様に構成されている。
空調ケース20の空気下流端には、車室内に通じる吹出口として、FACE吹出口26、サイドFACE吹出口27、DEF(デフロスタ)吹出口28、フロントFOOT吹出口29、およびリアFOOT吹出口30が設けられている。たとえばDEF吹出口28は、車両のフロントガラス3(窓ガラス)の内面に向けて風を吹き出すためのものである。
エバポレータ6は、前述したように冷凍サイクル装置の一構成部品であり、内部を流れる低温冷媒との熱交換によってエバポレータ6を通過する空気を冷却する冷房用熱交換器である。ヒータコア21は、エバポレータ6の空気流れ下流側に、所定の間隔を開けて隣接配置されている。ヒータコア21は、エバポレータ6を通過した冷風を再加熱する暖房用熱交換器であり、その内部に高温のエンジン冷却水(温水)が流れ、この温水を熱源として空気を加熱するものである。
A/Mドア22は、ヒータコア21に隣接して設けられ、ヒータコア21を通過する空気量とヒータコア21をバイパスする空気量との割合を調節することにより、吹出空気の温度調節を行う。A/Mドア22は、第1の送風通路24を通ってエバポレータ6を通過した空気の風量割合を調節する第1のA/Mドア22aと、第2の送風通路25を通ってエバポレータ6を通過した空気の風量割合を調節する第2のA/Mドア22bとが設けられている。
吹出口切替ドア31〜34は、複数の吹出口26〜30を開閉して吹出モードを切り替える吹出モード切替手段である。吹出口切替ドア31〜34は、選択された吹出口モードに応じて各吹出口26〜30を切り替えるもので、FACEドア31、DEFドア32、フロントFOOTドア33、およびリアFOOTドア34が設けられている。
図1に示す空気の流れは、内外気2層のFOOTモード(暖房時)を示すもので、略内気のみがフロントFOOT吹出口29およびリアFOOT吹出口30より吹き出され、略外気のみがDEF吹出口28とサイドFACE吹出口27より吹き出される。この内外気2層のFOOTモードでは、DEF吹出口28とサイドFACE吹出口27より吹き出された外気によって窓ガラスの防曇性能を確保できるが、内気割合が増大するに従って防曇性能も低下する。また外気循環モードまたは内気循環モードにすることも可能である。
このようなエアコンユニット2の動作に関して説明する。ブロワモータ12の作動により第1のファン16および第2のファン17が回転すると、吸込口モードに応じて開口する空気導入口13〜15よりブロワケース9内に空気が導入され、第1の吐出通路18および第2の吐出通路19を通って空調ユニット8の空調ケース20内へ送風される。空調ケース20内に送風された空気は、第1の送風通路24および第2の送風通路25を通って、それぞれエバポレータ6を通過する際に冷却され、A/Mドア22の回転に応じて温度調節された後、吹出口モードに応じて選択された吹出口26〜30より車室内へ供給される。
次に、フロントガラス3の構成に関して説明する。図3は、フロントガラス3を簡略化して示す断面図である。図4は、フロントガラス3が水分46を吸収している状態を簡略化して示す断面図である。フロントガラス3は、曇るまでの時間が互いに異なる2つの領域を内面に有する。2つの領域のうち一方の領域は、曇るまでの時間が短い曇り領域40であり、他方の領域は、曇り領域40よりも曇るまでの時間が長い防曇領域41である。防曇領域41には、曇り領域40よりも曇るまでの時間が長い防曇性に優れる防曇性皮膜42が施される。防曇性皮膜42は、吸水性を有する皮膜である。図3に示すフロントガラス3は、防曇性皮膜42を施した防曇領域41の部分である。防曇領域41は、フロントガラス3を占める面積が曇り領域40よりも大きくなるように設定される。また曇り領域40は、フロントガラス3の周縁の一部分に設定され、本実施の形態ではルームミラー43の陰となる部分に設定される。したがって曇り領域40と防曇領域41とは隣接している。
防曇性皮膜42を施した防曇領域41は、通常のガラス44の表面に防曇性皮膜42を積層したものである。曇り領域40は、防曇性皮膜42が施されていない領域である。防曇性皮膜42は、図3に示すように内部に複数の孔として、吸水サイト45を有する。図3に示すように、防曇性皮膜42の表面に水分(水分子)46があり、これが防曇性皮膜42に付着すると、図4に示すように防曇性皮膜42の内部の吸水サイト45に水分46が取り込まれる。これによって窓曇りを防止することができる。防曇性皮膜42は、所定量水分を吸収すると飽和し、飽和後は曇りが発生する。したがって防曇性皮膜42が吸収している水分量により、曇り始めるタイミングが変化する。防曇性皮膜42は、たとえば透光性を有するセラミックによって実現される。
次に、曇り検出装置4に関して説明する。図5は、曇り検出装置4の装着状態を示す斜視図である。図6は、曇り検出装置4を拡大して示す斜視図である。図7は、曇り検出装置4の出力と時間との関係を示すグラフである。曇り検出装置4は、フロントガラス3の曇りの有無を判定する判定手段として機能する。曇り検出装置4は、発光素子(図示せず)と受光素子(図示せず)とを備え、ガラス表面での光学的な反射によってガラスの曇りの有無を検出し、検出した情報を空調制御装置に与える。曇り検出装置4は、曇りが発生すると、発光量に対し、光の散乱や透過量の変化により受光量が変化することで曇りとして検出する。
曇り検出装置4は、図5に示すように、フロントガラス3内側の運転席の乗員から見てルームミラー43の陰となる部分に設けられる。曇り検出装置4は、2つの検出領域において曇りの有無を検出する。曇り検出装置4は、第1の検出領域が防曇領域41であり、第2の検出領域が曇り領域40である。したがって曇り検出装置4は、曇り領域40と防曇領域41とが隣接する部分付近に設けられる。
図7では、縦軸が曇り検出装置4の出力(V)を示し、横軸が時間(s)を示す。曇り検出装置4の出力(V)は、受光素子が受光する受光量を電圧(V)で表したものである。曇り検出装置4は、図7に示すように、予め設定されるしきい値(V)未満であると曇りがないことを示し、しきい値以上であると曇りが発生していることを示す。曇り領域40は、防曇領域41よりも曇りやすいので、同じ環境下では、防曇領域41よりも短時間で曇りが発生することがわかる。したがって曇り領域40に先に曇りが発生し、次に防曇領域41に曇りが発生する。また曇り領域40にて曇りが検出された時点から、防曇領域41にて曇りが検出された時点までの遅れ期間の長短は、車両の環境によって異なる。湿度が多い環境では、遅れ期間は短くなり、湿度が少ない環境では、遅れ期間は長くなる。
次に、空調制御装置に関して説明する。空調制御装置は、車両用空調装置1の空調制御手段であって、エアコンユニット2および冷凍サイクル装置を制御し、空調能力を制御する。また空調制御装置は、車室内の空調要求に応じて、2層ファン11の送風量、ならびにA/Mドア22の開度を調整する。空調制御装置は、CPU、ROMおよびRAMなどを含むマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。ROMは、空調制御のための制御プログラムが記憶され、その制御プログラムに基づいて各種演算および処理を行なう。
空調制御装置には、曇り検出装置4からの情報、各種のセンサ(図示せず)、たとえば内気センサ、外気センサ、日射センサ、圧力センサ、蒸発器温度センサ、蒸発器後温度センサ、および水温センサからの各種センサ検出信号、および空調コントロールパネル(図示せず)からの操作信号が入力される。空調コントロールパネルは、車室内の運転席前方のインストルメントパネル近傍に配置され、運転手をはじめとする乗員により操作される複数のスイッチを有している。
空調コントロールパネルの複数のスイッチは、車室内の設定温度の信号を出力する温度設定スイッチや、内気循環モードと外気循環モードとをマニュアル設定する信号を出力するスイッチ、吹出口モードをマニュアル設定する信号を出力する吹出モードスイッチなどである。
次に、空調制御装置による空調制御処理に関して説明する。図8は、空調制御装置の空調制御処理を示すフローチャートである。本フローは、イグニッションスイッチがオンされて空調制御装置に電力が供給されて空調制御装置が起動されると開始される。また図8に示す処理は、外気温が低い、たとえば冬季であって、空調要求が内気循環モードのときに、短時間に繰返し実行される。
ステップa1では、曇り検出装置4からの情報に基づいて、曇り領域40に曇りが発生(VL>0)している場合、ステップa2に移り、曇りが発生していない場合、ステップa11に移る。ステップa11では、曇りが発生しやすい曇り領域40に曇りが発生していないので、防曇制御を実行することなく、空調要求に基づく通常の空調制御、たとえば内気循環モードを継続実行し、本フローを終了する。
ステップa2では、曇り領域40に曇りが発生しているので、曇り領域40が曇った回数(VLcount)を算出し、ステップa3に移る。ここで曇った回数は、車両をイグニッションスイッチがオンにされた起動状態にて曇った回数である。ステップa3では、曇った回数が2回より小さい場合、すなわち初めて曇り領域40が曇った場合、ステップa4に移り、曇った回数が2回以上である場合、ステップa5に移る。
ステップa4では、曇り検出装置4からの情報に基づいて、防曇領域41に曇りが発生(VB>0)している場合、ステップa6に移り、曇りが発生していない場合、ステップa11に移る。ステップa11では、曇り領域40では曇りが発生しているが、防曇領域41では曇りが発生していないので、防曇制御を実行することなく、前述のように通常の空調制御を実行し、本フローを終了する。
ステップa6では、曇り領域40および防曇領域41の両方に曇りが発生しているので、防曇制御を実行し、ステップa7に移る。防曇制御は、曇りを解消するための制御であって、外気を導入して、導入した外気をDEF吹出口28からフロントガラス3に吹き出すように、エアコンユニット2を制御することである。ステップa7では、曇り領域40および防曇領域41にて、曇りが解消したか否かを曇り検出装置4から与えられる情報に基づいて判断し、曇りが解消した場合、本フローを終了し、曇りが解消するまで、ステップa7を繰返す。
ステップa5では、曇った回数が2回以上であるので、曇り領域40に初めて曇りが有ると判定された第1の曇り時点から、防曇領域41に初めて曇りが有ると判定された第2の曇り時点までの遅れ期間に基づいて、曇り領域40に再び曇りが発生した場合に、曇り領域40に再び曇りが発生した第1の曇り時点から防曇領域41に再び曇りが発生すると予測される時点のまでの予測期間を演算し、演算した予測期間よりも短い期間を余裕期間として設定し、ステップa8に移る。
ステップa8では、第1の曇り時点からステップa5にて設定された余裕期間が経過した否かを判断し、経過している場合、防曇制御を実行するためにステップa6に移り、経過していない場合、ステップa9に移る。ステップa9では、余裕期間を経過していないが、防曇領域41に曇りが発生(VB>0)している場合、ステップa10に移り、曇りが発生していない場合、通常制御を実行するためにステップa11に移る。ステップa10では、余裕期間の経過前であるが防曇領域41に曇りが発生しているので、余裕期間を短く補正し、防曇制御を実行するためにステップa6に移る。
このように本フローでは、ステップa6の防曇制御が実行される場合は、3つのパターンがある。第1のパターンは、ステップa4からステップa6に移るパターンであり、初めて曇り領域40および防曇領域41の両方に曇りが発生した場合に防曇制御(ステップa6)が実行される。これによって曇り領域40および防曇領域41の曇りを解消することができる。
第2のパターンは、ステップa8からステップa6に移るパターンであり、曇り領域40に曇りが発生したのが2回目以降であり、曇り時点から余裕期間が経過した場合に防曇制御が実行される。余裕期間は、前述したように遅れ時間に基づいて設定される値であり、余裕期間を経過すると防曇領域41が曇ると予測される期間である。このような余裕期間を経過すると、直ちに防曇制御を実行することによって防曇領域41に曇りが発生することを防止することができる。
第3のパターンは、ステップa10からステップa6に移るパターンであり、曇り領域40に曇りが発生したのが2回目以降であり、曇り時点から余裕期間の経過前であるが、防曇領域41に曇りが発生した場合に防曇制御が実行される。余裕期間が経過する前であっても車両を取り巻く環境の変化によって、防曇領域41に曇りが発生する場合がある。このような場合は、曇り領域40および防曇領域41の両方に曇りが発生しているので、防曇制御が実行される。これによって曇り領域40および防曇領域41の曇りを解消することができる。
次に、ステップa5における余裕期間の設定に関して説明する。ステップa5では、遅れ期間に基づいて予測期間を演算し、予測期間に基づいて余裕期間を設定する。余裕期間は、少なくとも遅れ期間よりも短い期間に設定される。空調制御装置は、ステップa5にて、まず、曇り領域40に再び曇りが発生した場合に、曇り領域40に再び曇りが発生した第1の曇り時点から防曇領域41に再び曇りが発生すると予測される時点までの予測期間を演算する。次に、予測期間よりも短い期間を余裕期間として設定する。防曇性皮膜42は、1回水分46を取り込んで曇った場合、単に防曇領域41の曇りを解消しただけでは、防曇性皮膜42内の吸水サイト45に取り込んだ水分46が残存していることがある(図4参照)。したがって防曇制御を実行しても徐々に水を取り込んだ吸水サイト45の数が多くなるので、曇った回数が多くなるにつれて、遅れ時間が短くなる。このように余裕期間は、ステップa2にて算出される曇った回数と相関関係を有するので、曇った回数に基づいて余裕期間を補正する必要がある。余裕期間は、たとえば次式(1)によって演算される。
Tn=Tini×K …(1)
式(1)におけるTnは余裕期間であり、Tiniは遅れ期間であり、Kは補正係数である。したがって余裕期間Tnは、遅れ期間Tiniと補正係数Kとの乗算によって求めることができる。補正係数は、曇った回数によって決定される。曇った回数と補正係数との対応関係の一例を表1に示す。
Figure 2010076515
表1に示すように、曇った回数に応じて補正係数が予め設定されている。したがって、たとえば曇った回数が2回の場合、補正係数Kが0.5となるので、余裕期間Tnは、遅れ期間Tiniと補正係数Kとの乗算によって、遅れ期間Tiniの半分の期間となる。また表1に示すように、曇った回数が増加すると、補正係数が徐々に小さくなり、曇った回数が6回となると、補正係数は0となる。したがって曇った回数が6回の場合は、余裕期間がなくなることを示し、曇り領域40が曇ると防曇領域41が同時に曇る可能性が高いので、直ちに防曇制御が実行されることになる。
このような曇った回数は、曇り時点の間隔が予め定める間隔、たとえば1時間あいた場合は、0回にリセットされるように設定してもよい。このように曇り時点の間隔が大きいと、吸水サイト45内の水分46も車室内に放出されるので、防曇性皮膜42の防曇機能が回復する。したがって防曇機能が回復した防曇領域41(防曇性皮膜42)に基づいて、防曇制御を実行することができる。
以上説明したように本実施の形態の空調制御装置は、曇り領域40および防曇領域41の両方に初めて曇りが有ると曇りがなくなるまで防曇制御を実行するので、確実に各領域40,41の曇りを解消することができる(ステップa7参照)。また空調制御装置は、遅れ期間に基づいて余裕期間を演算する(ステップa5参照)。このような余裕期間は、防曇領域41に再び曇りが発生すると予測される時点の直前までとなるように演算されるので、第1の曇り時点から余裕期間までは防曇領域41が曇る可能性が低いと予測される。このように演算された余裕期間の経過後に防曇制御を実行(ステップa8参照)するので、防曇領域41が再び曇るより前に防曇制御を実行することができ、防曇領域41が曇ることを未然に防止することができる。
また曇り領域40に曇りが発生してから直ちに防曇制御するよりも、余裕期間の経過後に防曇制御を実行する方が、長期間外気を導入するこなく内気だけで空調制御を継続することができる。これによって車両用空調装置1の熱源が少ない場合であっても、防曇制御による熱量の損失を抑制し、快適な車内環境を提供することができる。また熱量の損失を抑制するので、車両の燃費を向上することができる。
また本実施の形態では、空調制御装置は、余裕期間の経過前に防曇領域41に曇りが有ると判定されると防曇制御を実行(ステップa9参照)するので、防曇領域41に発生した曇りを解消することができる。このように余裕期間の経過前であっても、車両を取り巻く環境、たとえば外気温の変化などによって、防曇領域41に曇りが発生する場合がある。このような場合は、空調制御装置は、再び余裕期間を演算(ステップa10参照)することによって、最新の車両を取り巻く環境にあわせた余裕期間に基づいて、防曇制御を実行することができる。これによって防曇領域41が曇ることを可及的に防止し、長期間内気だけで空調制御を実行することができる。
また本実施の形態では、曇り領域40は、防曇領域41よりも面積が小さいので、曇り領域40が曇っても目立たないので、乗員は曇りによる不快感を受けることが少なくなる。また曇り領域40はフロントガラス3のルームミラー43の陰となる部分に設定される。このようにフロントガラス3の周縁の一部分に曇り領域40が設定されるので、曇り領域40が曇ってもフロントガラス3の中心の視野は防曇領域41によって確保される。これによって曇り領域40が曇っても、視野が狭くなり運転に支障がでることを防ぐことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に関して、図9を用いて説明する。図9は、第2実施形態の空調制御装置の空調制御処理を示すフローチャートである。本実施の形態では、空調制御装置は、曇り領域40に曇りが発生した時点で、防曇制御を実行する点に特徴を有する。
図9に示すフローは、イグニッションスイッチがオンされて空調制御装置に電力が供給されて空調制御装置が起動されると開始される。ステップb1では、曇り検出装置4からの情報に基づいて、曇り領域40に曇りが発生(VL>0)している場合、ステップb3に移り、曇りが発生していない場合、ステップb2に移る。
ステップb2では、曇りが発生しやすい曇り領域40に曇りが発生していないので、防曇制御を実行することなく、空調要求に基づく通常の空調制御、たとえば内気循環モードを実行し、本フローを終了する。ステップb3では、曇り領域40に曇りが発生しているので、防曇制御を実行し、ステップb1に戻る。したがって曇り領域40の曇りが解消するまで、ステップb3を繰返す。
このように本実施の形態の空調制御装置は、曇り検出装置4によって曇り領域40に曇りが有ると判定されると防曇制御を実行(ステップb3参照)するので、防曇領域41が曇る前に防曇制御を実行することができる。これによって防曇領域41が曇ることを防止することができ、曇り領域40の曇りも解消することができる。このように曇りやすい曇り領域40をあえて設け、曇り領域40が曇ってから防曇制御を実行、すなわち外気を取り込むように制御する。曇り領域40が曇っている状態では、防曇領域41が曇る可能性が高くなっているので、外気を導入することなく内気だけで空調制御を継続することは困難な状態である。このような曇りがなく内気だけの空調制御の継続が困難な状態のタイミングで、防曇制御を実行することができる。
また従来の技術では、前述したように湿度センサによって曇りを確実に検出することは困難であり、フロントガラスが曇っていないのに外気を導入して熱源を無駄に消費することがあるが、本実施の形態では、曇り領域40が曇ってから外気を取り込む。したがって外気を導入すべきタイミングで外気を取り込むので、従来の技術の構成に比べて外気を取り込む時間を短くして、長期間内気だけの空調制御を実行することができる。これによって車両用空調装置1の熱源が少ない場合であっても、防曇制御による熱量の損失を抑制し、快適な車内環境を提供することができる。
また曇り検出装置4は、曇り領域40だけ曇りの有無を検出するように構成すればよく、防曇領域41の曇りの有無を検出する必要がないので、曇り検出装置4の構成を第1実施形態の曇り検出装置4に比べて簡単にすることができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
前述の第1実施形態では、曇り領域40と防曇領域41とは、フロントガラス3に両方とも設定されるが、このような構成に限ることはない。たとえば防曇領域41をフロントガラス3の全域に設定し、車両後方のリアガラスに曇り領域40を設定してもよい。リアガラスは、フロントガラス3に比べて曇りを生じ易い。このような曇り易い窓ガラスで曇りを検出することによって、車両のどの窓ガラスも常に防曇状態が維持される空調制御とすることができる。
また前述の第1実施形態では、防曇領域41にだけ防曇性皮膜42を設けたが、このような構成に限ることはなく、曇り領域40にも防曇領域41より防曇性能が劣る防曇性皮膜42を設けるように構成してもよい。換言すると、曇り領域40は、防曇領域41よりも曇るまでの時間が短い防曇性能を有する構成であってもよい。これによって曇り領域40が曇るまでの時間を、単に何ら防曇処理が施されていないガラスよりも長くすることができる。このような曇り領域40および防曇領域41であっても、前述の第1実施形態の作用および効果を達成することができる。
また前述の第1実施形態では、防曇制御は、内気循環モードから外気循環モードに切替ているが、たとえば曇り程度が高くなるに応じて外気の導入割合が多くなるように変化するようにしてもよい。
また前述の第1実施形態では、内外気2層モードを設定できる車両用空調装置1について説明したが、内外気2層モードを設定しない通常の車両用空調装置1、すなわち、仕切り板23を配置せず、空気吸込部から吹出モード切替部の入口に至るまで単一の空気通路を形成する車両用空調装置1においても本発明は実施できる
また前述の第1実施形態では、曇り領域40と防曇領域41の2つの領域がフロントガラス3に設定さるが、2つの領域に限ることはなく曇るまでの時間が異なる複数の領域を車両の窓ガラスに設定してもよい。このような複数の領域の曇りの有無を判断することによって、より高精度な防曇制御を実行することができる。
また前述の第1実施形態では、曇り検出装置4は受光素子および発光素子を用いて光学的用に曇りの有無を判定しているが、このような構成に限ることはない。曇り検出装置4は、曇りの存在を判定できる手段であればよく、たとえば撮像手段によって窓ガラスを撮像し、撮像した画像情報を解析することによって曇りの有無を判定してもよい。
また前述の第1実施形態では、余裕期間の演算は、曇った回数によって補正係数を決定しているが、補正係数は他の因子によって決定してもよい。たとえば乗員数、外気温、ガラス温度、および内気温などによって補正係数を決定し、余裕期間を演算してもよい。また余裕期間は、補正係数を用いることない他の演算式によって演算してもよい。さらに余裕期間のデータベースを予め搭載し、このようなデータベースから読み込んで余裕期間を決定してもよい。
第1実施形態の車両用空調装置1の内部構造を示す断面図である。 車室内の前方を簡略化して示す斜視図である。 フロントガラス3を簡略化して示す断面図である。 水分46を吸収しているフロントガラス3を簡略化して示す断面図である。 曇り検出装置4の装着状態を示す斜視図である。 曇り検出装置4を拡大して示す斜視図である。 曇り検出装置4の出力と時間との関係を示すグラフである。 空調制御装置の空調制御処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の空調制御装置の空調制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
3…フロントガラス(窓ガラス)
4…曇り検出装置(判定手段)
6…エバポレータ(冷房用熱交換器)
10…吸込口切替ドア(内外気切替手段)
11…2層ファン(送風手段)
13…外気導入口
14…第1の内気導入口
15…第2の内気導入口
21…ヒータコア(暖房用熱交換器)
26…FACE吹出口
27…サイドFACE吹出口
28…DEF吹出口(デフロスタ吹出口)
29…フロントFOOT吹出口
30…リアFOOT吹出口
31…FACEドア(吹出モード切替手段)
32…DEFドア(吹出モード切替手段)
33…フロントFOOTドア(吹出モード切替手段)
34…リアFOOTドア(吹出モード切替手段)
40…曇り領域
41…防曇領域(残余の領域)
42…防曇性皮膜

Claims (7)

  1. 曇るまでの時間が互いに異なる少なくとも2つの領域を内面に有する窓ガラス(3)を備える車両に搭載される車両用空調装置であって、
    内気導入口(14,15)と外気導入口(13)とを開閉して内気と外気との吸い込みを切り替える内外気切替手段(10)と、
    前記内気導入口および前記外気導入口を通して導入される空気を車室内へ向かって送風する送風手段(11)と、
    前記送風手段による送風空気を冷却する冷房用熱交換器(6)と、
    前記送風手段による送風空気を加熱する暖房用熱交換器(21)と、
    前記冷房用熱交換器および前記暖房用熱交換器を通過して温度調整された空気を、前記窓ガラスの内面に向かって吹き出すデフロスタ吹出口(28)および車室内のその他の部位に吹き出す吹出口(26,27,29,30)を含む複数の吹出口と、
    前記複数の吹出口を開閉して吹出モードを切り替える吹出モード切替手段(31〜34)と、
    前記窓ガラスの複数の領域のうち、曇るまでの時間が最も短い曇り領域(40)における曇りの有無を判定する判定手段(4)と、
    前記内外気切替手段による内外気切替制御、および前記吹出モード切替手段による吹出モード切替制御を実行する空調制御手段と、を含み、
    前記空調制御手段は、前記判定手段によって曇りが有ると判定されると、防曇制御として、前記デフロスタ吹出口から外気を吹き出させるように内外気切替手段および吹出モード切替手段を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記窓ガラスの複数の領域のうち前記曇り領域を除く残余の領域(41)には、曇るまでの時間を長くする防曇性皮膜(42)が設けられることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記曇り領域には、第1の防曇性皮膜が設けられ、
    前記残余の領域には、第1の防曇性皮膜よりも防曇性能が優れる第2の防曇性皮膜が設けられることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  4. 前記曇り領域は、前記残余の領域よりも面積が小さく、前記窓ガラスの周縁の一部分に設定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 前記判定手段は、前記曇り領域における曇りの有無を判定し、かつ前記曇り領域を除く残余の領域の曇りの有無を判定し、
    前記空調制御手段は、
    前記判定手段によって前記曇り領域に曇りが有ると判定された時点から、前記残余の領域に曇りが有ると判定された時点までの遅れ期間よりも短い期間を余裕期間として設定し、
    前記判定手段によって再び前記曇り領域に曇りが有ると判定されると、前記曇り領域に曇りが有ると判定された時点から前記余裕期間の経過後に前記防曇制御を実行することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  6. 前記空調制御手段は、前記遅れ期間に基づいて、前記曇り領域に再び曇りが発生した場合に、前記曇り領域に再び曇りが発生した時点から前記残余の領域に再び曇りが発生すると予測される時点までの期間を演算し、前記演算した期間よりも短い期間を余裕期間として設定することを特徴とする請求項5に記載の車両用空調装置。
  7. 前記空調制御手段は、
    前記判定手段によって前記余裕期間経過前に前記残余の領域に曇りが有ると判定されると、前記防曇制御を実行し、
    前記遅れ期間に基づいて前記余裕期間を再び設定することを特徴とする請求項5または6に記載の車両用空調装置。
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