JP2010073537A - アルカリ二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】十分なマイグレーション抑制効果が得られるようにして充放電サイクル寿命が向上した長寿命のアルカリ二次電池を提供する。
【解決手段】本発明のアルカリ二次電池は、電極基板にカドミウム活物質が充填されたカドミウム負極と、電極基板に正極活物質が充填された正極と、これらのカドミウム負極と正極とを隔離するセパレータと、アルカリ電解液とを外装缶内に備えるとともに、セパレータにPVP(ポリビニルピロリドン)が含浸されている。セパレータにPVPが含浸されていると、通気度が低くなって十分なマイグレーション抑制効果が得られるようになる。この場合、セパレータの通気度は5ml/cm2・s以上にすると、電池容量が低下することなく十分なマイグレーション抑制効果が得られるようになる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のアルカリ二次電池は、電極基板にカドミウム活物質が充填されたカドミウム負極と、電極基板に正極活物質が充填された正極と、これらのカドミウム負極と正極とを隔離するセパレータと、アルカリ電解液とを外装缶内に備えるとともに、セパレータにPVP(ポリビニルピロリドン)が含浸されている。セパレータにPVPが含浸されていると、通気度が低くなって十分なマイグレーション抑制効果が得られるようになる。この場合、セパレータの通気度は5ml/cm2・s以上にすると、電池容量が低下することなく十分なマイグレーション抑制効果が得られるようになる。
【選択図】 図1
Description
本発明はニッケル−カドミウム電池などのアルカリ二次電池に係わり、特に、電極基板にカドミウム活物質が充填されたカドミウム負極を備えたアルカリ二次電池に関する。
近年、大電流を必要とする電動工具等の駆動用電源として、ニッケル−カドミウム電池に代表されるアルカリ二次電池が広く用いられるようになった。ところで、ニッケル−カドミウム電池に用いられるカドミウム負極においては、ニッケル粉末を焼結して形成したニッケル焼結基板に酸化カドミウムあるいは水酸化カドミウムよりなる負極活物質を充填して作製されるものである。この種の焼結式カドミウム負極においては、ニッケル焼結基板の優れた導電性により大電流放電特性に優れるという特徴を有している。このため、大電流を必要とし、かつ高レートで放電する必要がある電動工具等の用途に適している。ところが、この種のニッケル−カドミウム電池を高レートで放電すると、電池の内部抵抗によって電池が発熱し、電池温度が上昇するという問題を生じた。
一方、この種のカドミウム負極においては、充放電されるとカドミウム活物質が錯イオン(Cd(OH)4 2-イオンになっていると考えられている)となって電解液中に溶解し、再び析出するという充放電反応を繰り返す現象が生じる。そして、電池温度が高いと電解液へのカドミウム活物質の溶解度が高まり、このような溶解析出反応が繰り返されることとなる。この場合、電解液中に溶解したカドミウム錯イオンがセパレータに移動し、セパレータの細孔内で水酸化カドミウム(Cd(OH)2)として析出する。このようなカドミウム錯イオンの移動はマイグレーションと呼ばれ、セパレータの細孔内に析出した水酸化カドミウム(Cd(OH)2)は正極と負極の間を導通させて内部短絡を生じさせるので、電池寿命が短くなる要因になっていた。
そこで、マイグレーションを防止するための種々の提案がなされるようになった。例えば、特許文献1においては,ホウ素と架橋反応を起こした高分子化合物をカドミウム負極の表面に形成することにより,マイグレーションを防止することが提案されている。また、特許文献2においては、カドミウム負極の表面にポリビニルピロリドン(PVP)および導電性粉末を含有する導電層を形成することにより、マイグレーションを防止することが提案されている。さらに、特許文献3においては、セパレータの目付を薄くすることにより、カドミウム活物質のマイグレーションによる内部短絡を防止することが提案されている。
特開平5−67465号公報
特開平6−243863号公報
WO96/20505号公報
ところが、特許文献1や特許文献2や特許文献3において提案された方法だけでは十分ではなかった。特に、特許文献1に示されるように、ホウ素と架橋反応を起こした高分子化合物をカドミウム負極の表面に形成した場合は、架橋反応した高分子がカドミウム負極の反応を阻害し、水素が発生するとともに負極の反応を阻害されたことにより電池容量が低下するという問題が生じた。
また、特許文献2に示されるように、カドミウム負極の表面にポリビニルピロリドン(PVP)などの導電層を塗布する方法においては、十分なマイグレーション抑制効果を得るために塗布量を多くした場合、カドミウム負極の反応性が低下して電池容量が減少するという問題が生じた。さらに、特許文献3に示されるように、セパレータの目付を薄くすると材料コストが高くなるという問題を生じた。
そこで、本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、セパレータを改良して、十分なマイグレーション抑制効果が得られるようにし、充放電サイクル寿命が向上した長寿命のアルカリ二次電池を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明のアルカリ二次電池は、電極基板にカドミウム活物質が充填されたカドミウム負極と、電極基板に正極活物質が充填された正極と、これらのカドミウム負極と正極とを隔離するセパレータと、アルカリ電解液とを外装缶内に備えるとともに、セパレータにPVP(ポリビニルピロリドン)が含浸されていることを特徴とする。
このように、セパレータにPVP(ポリビニルピロリドン)が含浸されていると、PVPの微多孔膜が形成されてセパレータの通気度が低くなる。これにより、十分なマイグレーション抑制効果が得られるようになる。この場合、電池容量が低下することなく、十分なマイグレーション抑制効果が得られるようにするためには、セパレータの通気度は5ml/cm2・s以上にする必要がある。
本発明においては、セパレータにPVPが含浸されてセパレータが適度の通気度になるようになされているので、十分なマイグレーション抑制効果が得られるようになる。この結果、充放電サイクル寿命が向上した長寿命のアルカリ二次電池を提供することが可能となる。
ついで、本発明のアルカリ二次電池の一実施の形態を図に基づいて以下に詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、図1は本発明のアルカリ二次電池を模式的に示す断面図である。
1.カドミウム負極板
まず、化学含浸法により、多孔度が80%のニッケル焼結基板(電極基板:厚みが0.56mmのもの)を硝酸カドミウムを主成分とする含浸液に浸漬し、乾燥した後、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬するアルカリ処理を施して、硝酸カドミウムを水酸化カドミウムに活物質化する。このような化学含浸法を所定回数(例えば8回)繰り返して、ニッケル焼結基板の空孔内に所定量のカドミウム活物質(水酸化カドミウムを主体とするカドミウム活物質)を充填して活物質充填負極板とする。
まず、化学含浸法により、多孔度が80%のニッケル焼結基板(電極基板:厚みが0.56mmのもの)を硝酸カドミウムを主成分とする含浸液に浸漬し、乾燥した後、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬するアルカリ処理を施して、硝酸カドミウムを水酸化カドミウムに活物質化する。このような化学含浸法を所定回数(例えば8回)繰り返して、ニッケル焼結基板の空孔内に所定量のカドミウム活物質(水酸化カドミウムを主体とするカドミウム活物質)を充填して活物質充填負極板とする。
ついで、得られた活物質充填負極板を水洗、乾燥した後、アルカリ水溶液(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)中で強制放電させる。この後、アルカリ水溶液中で充放電を行う化成処理を行った後、部分充電を行って所定量の予備充電(放電リザーブ)量を確保させる。これを水洗、乾燥させて、化成・予備充電済み極板とする。この後、得られた化成・予備充電済み負極板を所定の寸法(この場合は、長さが257mmで、幅が34mmになるようにした)に切断して、容量が1900mAhになるカドミウム負極板11を作製し、これをカドミウム負極板x1とする。
また、上述のようにして作製された化成・予備充電済み負極板を、ポリビニルピロリドン(PVP)粉末を10質量%含有する懸濁液に浸漬させる。ついで、この負極板を懸濁液から引き上げ、余分な溶液を絞りきった後、乾燥させる。これにより、カドミウム負極板の表面あるいはカドミウム活物質の表面にポリビニルピロリドン(PVP)の皮膜が形成されることとなる。これを所定の寸法(この場合は、長さが257mmで、幅が34mmになるようにした)に切断して、容量が1900mAhになるカドミウム負極11を作製し、これをカドミウム負極板x2,x3とする。
この場合、カドミウム負極板の表面あるいはカドミウム活物質の表面に3mg/cm2のポリビニルピロリドン(PVP)の皮膜が形成されたものをカドミウム負極板x2とし、10mg/cm2のポリビニルピロリドン(PVP)の皮膜が形成されたものをカドミウム負極板x3とする。
3.ニッケル正極
ニッケル焼結基板(電極基板;多孔度が80%で厚みが0.56mmのもの)を硝酸ニッケルを主成分とする含浸液に浸漬し、乾燥した後、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して水和後、水洗して、硝酸ニッケルを水酸化ニッケルに活物質化させる。このような化学含浸法を所定回数(例えば8回)繰り返して、ニッケル焼結基板の空孔内に所定量のニッケル活物質(水酸化ニッケルを主体とする正極活物質)が充填されたニッケル正極とする。これを所定の寸法(この場合、長さは200mmで、幅は34mmとした)に切断して、容量が1500mAhになるニッケル正極12を作製する。
ニッケル焼結基板(電極基板;多孔度が80%で厚みが0.56mmのもの)を硝酸ニッケルを主成分とする含浸液に浸漬し、乾燥した後、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して水和後、水洗して、硝酸ニッケルを水酸化ニッケルに活物質化させる。このような化学含浸法を所定回数(例えば8回)繰り返して、ニッケル焼結基板の空孔内に所定量のニッケル活物質(水酸化ニッケルを主体とする正極活物質)が充填されたニッケル正極とする。これを所定の寸法(この場合、長さは200mmで、幅は34mmとした)に切断して、容量が1500mAhになるニッケル正極12を作製する。
4.セパレータ
繊維径が15μmで、質量が80g/cm2で、通気度が70ml/cm2・sのナイロン製セパレータ13を用意し、これを未処理でそのままセパレータとして使用できるようにしたものをセパレータy1とする。また、このナイロン製セパレータ13に、通気度が5ml/cm2・sとなるようにPVP(平均分子量が360000のもの)を含浸・塗布して、PVP含浸セパレータとし、これをセパレータy2とする。
繊維径が15μmで、質量が80g/cm2で、通気度が70ml/cm2・sのナイロン製セパレータ13を用意し、これを未処理でそのままセパレータとして使用できるようにしたものをセパレータy1とする。また、このナイロン製セパレータ13に、通気度が5ml/cm2・sとなるようにPVP(平均分子量が360000のもの)を含浸・塗布して、PVP含浸セパレータとし、これをセパレータy2とする。
また、上述したナイロン製セパレータ13に、通気度が3ml/cm2・sとなるようにPVP(平均分子量が360000のもの)を含浸・塗布して、PVP含浸セパレータとし、これをセパレータy3とする。さらに、上述したナイロン製セパレータ13に、通気度が5ml/cm2・sとなるようにPVA(重合度が約1000のもの)を含浸・塗布して、PVA含浸セパレータとし、これをセパレータy4とする。
5.密閉型ニッケル−カドミウム電池
ついで、上述のようにして作製されるカドミウム負極11(x1,x2,x3)およびニッケル正極12とを用いて、図1に示されるように、セパレータ13(y1,y2,y3,y4のいずれか)を介してカドミウム負極11(y1,y2,y3,y4のいずれか)とニッケル正極12とが対向するように渦巻状に巻回して渦巻状電極群をそれぞれ作製する。ついで、渦巻状電極群の下部に延出する負極基板に負極集電体11aを抵抗溶接するとともに、渦巻状電極群の上部に延出する正極基板に正極集電体12aを抵抗溶接して渦巻状電極体をそれぞれ作製する。
ついで、上述のようにして作製されるカドミウム負極11(x1,x2,x3)およびニッケル正極12とを用いて、図1に示されるように、セパレータ13(y1,y2,y3,y4のいずれか)を介してカドミウム負極11(y1,y2,y3,y4のいずれか)とニッケル正極12とが対向するように渦巻状に巻回して渦巻状電極群をそれぞれ作製する。ついで、渦巻状電極群の下部に延出する負極基板に負極集電体11aを抵抗溶接するとともに、渦巻状電極群の上部に延出する正極基板に正極集電体12aを抵抗溶接して渦巻状電極体をそれぞれ作製する。
ついで、鉄にニッケルメッキを施した有底円筒形の金属外装缶15内に渦巻状電極体を挿入した後、負極集電体11aと金属外装缶15の底部をスポット溶接する。一方、正極キャップ17bと蓋体17aとからなる封口体17を用意し、正極集電体12aに設けられたリード部12bを蓋体底部17cに接触させて、蓋体底部17cとリード部12bとを溶接する。
この後、渦巻状電極体の上端面に防振リング14を挿入し、外装缶15の上部外周面に溝入れ加工を施して、防振リング14の上端部に環状溝部15aを形成する。この後、金属製外装缶15内に電解液(濃度が30質量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液)を注液し、封口体17を封口ガスケット16を介して外装缶15の環状溝部15aに載置するとともに、外装缶15の先端部を封口体側にカシメて封口して、公称容量が1900mAhのニッケル−カドミウム電池10(A1,A2,A3,A4,A5,A6)をそれぞれ作製する。
ここで、カドミウム負極11(x1:表面が無処理のもの)とニッケル正極12とセパレータ13(y2:通気度が5ml/cm2・sのPVP含浸セパレータ)を用いて作製した電池をニッケル−カドミウム電池A1とする。また、カドミウム負極11(x1:表面が無処理のもの)とニッケル正極12とセパレータ13(y3:通気度が3ml/cm2・sのPVP含浸セパレータ)を用いて作製した電池をニッケル−カドミウム電池A2とする。
また、カドミウム負極11(x1:表面が無処理のもの)とニッケル正極12とセパレータ13(y1:通気度が70ml/cm2・sの未処理セパレータ)を用いて作製した電池をニッケル−カドミウム電池A3とする。また、カドミウム負極11(x1:表面が無処理のもの)とニッケル正極12とセパレータ13(y4:通気度が5ml/cm2・sのPVA含浸セパレータ)を用いて作製した電池をニッケル−カドミウム電池A4とする。
また、カドミウム負極11(x2:3mg/cm2のPVPの皮膜が形成されたもの)とニッケル正極12とセパレータ13(y1:通気度が70ml/cm2・sの未処理セパレータ)を用いて作製した電池をニッケル−カドミウム電池A5とする。さらに、カドミウム負極11(x3:10mg/cm2のPVPの皮膜が形成されたもの)とニッケル正極12とセパレータ13(y1:通気度が70ml/cm2・sの未処理セパレータ)を用いて作製した電池をニッケル−カドミウム電池A6とする。
5.電池特性試験
ついで、以上のようにして得られた各ニッケル−カドミウム電池A1〜A6を用いて、これらの各電池を常温(約25℃)下で、2Aの充電電流で充電し、ピーク電圧を越えた後に電池電圧が10mV低下した時点で充電を停止(−ΔV方式)する。ついで、1時間充電を休止した後、10Aの放電電流で電池電圧が0.8Vになるまで放電させて、放電時間から1サイクル目の放電容量を求めた。ついで、このような充放電サイクルを繰り返して行ってサイクル寿命を求めると、下記の表1に示すような結果が得られた。なお、放電容量が定格容量の30%となった時点のサイクル数をサイクル寿命として求めた。
ついで、以上のようにして得られた各ニッケル−カドミウム電池A1〜A6を用いて、これらの各電池を常温(約25℃)下で、2Aの充電電流で充電し、ピーク電圧を越えた後に電池電圧が10mV低下した時点で充電を停止(−ΔV方式)する。ついで、1時間充電を休止した後、10Aの放電電流で電池電圧が0.8Vになるまで放電させて、放電時間から1サイクル目の放電容量を求めた。ついで、このような充放電サイクルを繰り返して行ってサイクル寿命を求めると、下記の表1に示すような結果が得られた。なお、放電容量が定格容量の30%となった時点のサイクル数をサイクル寿命として求めた。
上記表1の結果から明らかなように、電池A1(表面が無処理のカドミウム負極x1と通気度が5ml/cm2・sのPVP含浸セパレータy2とを用いたもの)は、放電容量が1900mAhと大きく、かつサイクル寿命が1050サイクルと大きいことが分かる。これは、通気度が5ml/cm2・sのPVP含浸セパレータy2を用いると、電池内部抵抗が増加することがなかったために、放電容量が低下しなかったと考えられる。また、PVP含浸セパレータy2を用いているので、電解液中へ溶解したカドミウム活物質がセパレータの細孔内に水酸化カドミウム(Cd(OH)2)として析出するマイグレーションが発生することがなかったために、充放電サイクルが向上したと考えられる。
これに対して、PVP含浸セパレータを用いた電池A2においては、サイクル寿命が1050サイクルと大きいのに対して、放電容量が1700mAhと低下していることが分かる。これは、電池A2は通気度が3ml/cm2・sと低下したPVP含浸セパレータy3を用いているため、電池内部抵抗が増加して放電容量が低下したためと考えられる。
また、電池A3においては、放電容量が1900mAhと大きいのに対して、サイクル寿命が500サイクルと低下していることが分かる。これは、電池A3においては表面が無処理のカドミウム負極x1を用いているとともに、通気度が70ml/cm2・sの未処理セパレータy1とを用いている。このため、電解液中へ溶解したカドミウム活物質がセパレータの細孔内に水酸化カドミウム(Cd(OH)2)として析出するマイグレーションが発生し、セパレータの細孔内に析出した水酸化カドミウム(Cd(OH)2)が正極と負極の間を導通させて内部短絡を生じさせ、充放電サイクルが短くなる要因になったと考えられる。
また、電池A4においては、放電容量が1900mAhと大きいのに対して、サイクル寿命が800サイクルと低下していることが分かる。これは、電池A4においては表面が無処理のカドミウム負極x1を用いているとともに、通気度が5ml/cm2・sのPVA含浸セパレータを用いている。このため、電解液中へ溶解したカドミウム活物質がセパレータの細孔内に水酸化カドミウム(Cd(OH)2)として析出するマイグレーションが発生し、セパレータの細孔内に析出した水酸化カドミウム(Cd(OH)2)が正極と負極の間を導通させて内部短絡を生じさせ、充放電サイクルが短くなる要因になったと考えられる。
また、電池A5においては、放電容量が1900mAhと大きいのに対して、サイクル寿命が600サイクルと低下していることが分かる。これは、電池A5においては表面に3mg/cm2のPVP皮膜が形成されたカドミウム負極x2を用い、通気度が70ml/cm2・sの未処理セパレータy1とを用いている。このため、電解液中へ溶解したカドミウム活物質がセパレータの細孔内に水酸化カドミウム(Cd(OH)2)として析出するマイグレーションが発生し、セパレータの細孔内に析出した水酸化カドミウム(Cd(OH)2)が正極と負極の間を導通させて内部短絡を生じさせ、充放電サイクルが短くなる要因になったと考えられる。
さらに、電池A6においては、サイクル寿命が1000サイクルとそれほど低下していないのに対して、放電容量は1700mAhと低下していることが分かる。これは、電池A6においては表面に10mg/cm2のPVP皮膜が形成されたカドミウム負極x3を用い、通気度が70ml/cm2・sの未処理セパレータy1とを用いている。このため、電解液中へ溶解したカドミウム活物質がセパレータの細孔内に水酸化カドミウム(Cd(OH)2)として析出するマイグレーションが発生することがなかったために、充放電サイクルがそれほど低下しなかったが、反面、負極表面に10mg/cm2のPVP皮膜が形成されているため、反応性が低下して放電容量が低下したと考えられる。
上述の結果から、サイクル寿命と放電容量を両立させるためには、表面が無処理のカドミウム負極を用いるとともに、通気度が5ml/cm2・s以上のPVP含浸セパレータを用いる必要があるということができる。
なお、上述した実施の形態においては、本発明をニッケル−カドミウム蓄電池に適用する例について説明したが、本発明はニッケル−カドミウム蓄電池以外にも、カドミウムを負極活物質とする他のアルカリ蓄電池に適用しても同様の効果が得られることは明らかである。
10…アルカリ二次電池、12…ニッケル正極、12a…正極集電体、12b…リード部、11…カドミウム負極、11a…負極集電体、13…セパレータ、14…防振リング、15…金属製外装缶、15a…環状溝部、16…封口ガスケット、17…封口体、17a…蓋体、17b…正極キャップ、17c…蓋体底部
Claims (2)
- 電極基板にカドミウム活物質が充填されたカドミウム負極と、電極基板に正極活物質が充填された正極と、これらのカドミウム負極と正極とを隔離するセパレータと、アルカリ電解液とを外装缶内に備えたアルカリ二次電池であって、
前記セパレータにPVP(ポリビニルピロリドン)が含浸されていることを特徴とするアルカリ二次電池。 - 前記PVP(ポリビニルピロリドン)が含浸されたセパレータの通気度は5ml/cm2・s以上であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ二次電池。
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WO2013127737A1 (de) * | 2012-02-27 | 2013-09-06 | Basf Se | Separatoren für elektrochemische zellen enthaltend polymerpartikel |
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WO2013127737A1 (de) * | 2012-02-27 | 2013-09-06 | Basf Se | Separatoren für elektrochemische zellen enthaltend polymerpartikel |
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