JP2010073502A - 筒型電池用封口ガスケット及びそれ用の成形金型、筒型アルカリ電池 - Google Patents

筒型電池用封口ガスケット及びそれ用の成形金型、筒型アルカリ電池 Download PDF

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行由 村上
Yuji Tsuchida
雄治 土田
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Abstract

【課題】外周リブ部及びダンパー機能部の表面にボイドやウェルドがなく、電解液の液漏れを確実に防止することができる筒型電池用封口ガスケットを提供すること。
【解決手段】封口ガスケット23は、成形金型40を用いて成形された射出成形部品である。封口ガスケット23は、負極集電子が挿通されるボス部26と、ガスケット表面23a側に延びる外周リブ部27と、ボス部26と外周リブ部27との間をつなぐ平板部28とを備える。成形金型40の固定型42は、同心円状に配置された複数の分割片44〜47からなる。ダンパー機能部31の内周面31aを成形する領域の延長上、ダンパー機能部31の外周面31bを成形する領域の延長上及び外周リブ部27の外周面27aを成形する領域の延長上となる部位に、固定型42における割位置P1〜P3が設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、筒型電池用封口ガスケットを成形するための成形金型、成形金型を用いて成形される筒型電池用封口ガスケット、その封口ガスケットを備える筒型アルカリ電池に関するものである。
一般に、筒型アルカリ電池は、有底筒状の正極缶と、その正極缶内に収納されるリング状の正極合剤と、正極缶の中心部に配置されるゲル状負極合剤と、正極合剤とゲル状負極合剤との間に介在される有底筒状のセパレータと、正極缶の開口部に装着される集電体とを備えている。集電体は、負極端子板、負極集電子、及び封口ガスケットを含んで構成されており、負極端子板は、封口ガスケットを介して正極缶の開口部を封止している。
図4は、筒型アルカリ電池に用いられる封口ガスケット60の従来例を示している。図4に示されるように、封口ガスケット60は、負極集電子が挿通される中央孔61を有するボス部62と、ガスケット表面60a側(図4では上側)に延びる外周リブ部63と、ボス部62と外周リブ部63との間をつなぐ平板部64とを備える。そして、封口ガスケット60の平板部64において、ボス部寄りの位置に、板厚が薄い破断誘起用薄肉部65(安全弁)が形成されている。アルカリ電池内において、ガスの発生により内圧が高まった場合には、その圧力上昇により封口ガスケット60の破断誘起用薄肉部65を破断させてガスを外部に放出する。これにより、電池の破裂を防止している。
また、封口ガスケット60の平板部64において、外周リブ部寄りの位置に、ガスケット裏面60b側(図4では下側)に突出する屈曲した形状のダンパー機能部66が形成されている。このダンパー機能部66は、正極缶の開口部を封止する際に、破断誘起用薄肉部65に加わる応力を吸収する役割を果たす。従って、ダンパー機能部66は、応力吸収を行うために撓やかに形成する必要があり、板厚が薄く設定されている。さらに、外周リブ部63は、正極缶との密閉性を確保する必要があるため、板厚が厚く設定されている。なお、このような構成の封口ガスケット60は、例えば特許文献1に開示されている。
図5は、上記構成の封口ガスケット60を成形するための成形金型70を示している。成形金型70は、移動型71と固定型72とを備え、固定型72は同心円状に配置された複数の分割片74,75,76からなる。固定型72における分割片74,75,76の割位置P1,P2は、ダンパー機能部66に対応した位置に設定されている。また、固定型72は、ボス部62を成形する箇所にて開口するゲート77を有している。
特開2008−97859号公報
ところで、成形時における金型内での樹脂の流動性の向上を考えると、射出成形品の板厚は一定であること(即ち金型間にある成形空間の大きさが一定であること)が好ましい。しかしながら、上述した封口ガスケット60では、平板部64の途中に薄肉のダンパー機能部66を形成し、その外側に厚肉の外周リブ部63を形成する必要があり、射出成形時において樹脂は,幅狭の成形空間を介してガスケット外周部の成形空間まで流動することになる。この場合、金型内部のガスの逃がしを効率よく行うことができず、ガスの巻き込みによってダンパー機能部66及び外周リブ部63の表面にボイドやウェルドが発生してしまう。そして、このような成形不具合の発生した封口ガスケット60を使用して電池を構成すると、特に外周リブ部63の表面のボイドやウェルドが原因となり、長期保存時に電解液の液漏れが起きる場合がある。なお、ダンパー機能部66が設けられていない封口ガスケットにおいても同様であり、上記成形不具合の発生した封口ガスケット60を使用して電池を構成すると、長期保存時に電解液の液漏れが起きる場合がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、外周リブ部及びダンパー機能部の表面にボイドやウェルドを発生させずに筒型電池用封口ガスケットを成形することができる筒型電池用封口ガスケット用の成形金型を提供することにある。また、別の目的は、外周リブ部及びダンパー機能部の表面にボイドやウェルドがないため、それを使用して電池を構成した場合に電解液の液漏れを確実に防止することができる筒型電池用封口ガスケットを提供することにある。さらに、別の目的は、上記筒型電池用封口ガスケットを備えた信頼性の高い筒型アルカリ電池を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、合成樹脂を材料として成形された射出成形部品であり、負極集電子が挿通される中央孔を有するボス部と、ガスケット表面側に延びる外周リブ部と、前記ボス部と前記外周リブ部との間をつなぐ平板部とを備え、前記平板部において前記ボス部寄りの位置に、破断誘起用薄肉部が形成され、前記平板部において前記外周リブ部寄りの位置に、ガスケット裏面側に突出する屈曲した形状のダンパー機能部が形成された筒型電池用封口ガスケットを成形するための成形金型であって、前記ガスケット表面側を成形するための第1成形面を有する移動型と、前記移動型と対向配置され、前記ガスケット裏面側を成形するための第2成形面を有する固定型とにより構成され、前記固定型が、同心円状に配置された複数の分割片からなり、前記ダンパー機能部の内周面を成形する領域の延長上、前記ダンパー機能部の外周面を成形する領域の延長上及び前記外周リブ部の外周面を成形する領域の延長上となる部位に割位置が設定されていることを特徴とする筒型電池用封口ガスケット用の成形金型をその要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、成形金型の固定型が同心円状に配置された複数の分割片からなり、それら分割片の割位置がダンパー機能部の内周面を成形する領域の延長上、ダンパー機能部の外周面を成形する領域の延長上及び外周リブ部の外周面を成形する領域の延長上となる部位に設定されている。このように成形金型を構成すると、筒型電池用封口ガスケットの射出成形時において、各分割片の割位置からのガス抜きが促進されることになり、ダンパー機能部及び外周リブ部にガス巻き込みによりボイドやウェルドが発生するといった問題を回避することができる。
請求項2に記載の発明は、成形金型を用いかつ合成樹脂を材料として成形された射出成形部品であり、負極集電子が挿通される中央孔を有するボス部と、ガスケット表面側に延びる外周リブ部と、前記ボス部と前記外周リブ部との間をつなぐ平板部とを備えた筒型電池用封口ガスケットであって、前記成形金型が、前記ガスケット表面側を成形するための第1成形面を有する移動型と、前記移動型と対向配置され、ガスケット裏面側を成形するための第2成形面を有する固定型とにより構成され、前記固定型が、同心円状に配置された複数の分割片からなり、前記外周リブ部の外周面を成形する領域の延長上となる部位に割位置が設定されていることを特徴とする筒型電池用封口ガスケットをその要旨とする。
請求項2に記載の発明によれば、成形金型の固定型が同心円状に配置された複数の分割片からなり、それら分割片の割位置が外周リブ部の外周面を成形する領域の延長上となる部位に設定されている。そして、その成形金型を用いて筒型電池用封口ガスケットが射出成形される。この場合、各分割片の割位置からガス抜きを効率よく行うことができ、外周リブ部の表面にボイドやウェルドが発生するといった問題を回避することができる。
請求項3に記載の発明は、成形金型を用いかつ合成樹脂を材料として成形された射出成形部品であり、負極集電子が挿通される中央孔を有するボス部と、ガスケット表面側に延びる外周リブ部と、前記ボス部と前記外周リブ部との間をつなぐ平板部とを備え、前記平板部において前記ボス部寄りの位置に、破断誘起用薄肉部が形成され、前記平板部において前記外周リブ部寄りの位置に、ガスケット裏面側に突出する屈曲した形状のダンパー機能部が形成された筒型電池用封口ガスケットであって、前記成形金型が、前記ガスケット表面側を成形するための第1成形面を有する移動型と、前記移動型と対向配置され、前記ガスケット裏面側を成形するための第2成形面を有する固定型とにより構成され、前記固定型が、同心円状に配置された複数の分割片からなり、前記ダンパー機能部の内周面を成形する領域の延長上、前記ダンパー機能部の外周面を成形する領域の延長上及び前記外周リブ部の外周面を成形する領域の延長上となる部位に割位置が設定されていることを特徴とする筒型電池用封口ガスケットをその要旨とする。
請求項3に記載の発明によれば、成形金型の固定型が同心円状に配置された複数の分割片からなり、それら分割片の割位置がダンパー機能部の内周面を成形する領域の延長上、ダンパー機能部の外周面を成形する領域の延長上及び外周リブ部の外周面を成形する領域の延長上となる部位に設定されている。そして、その成形金型を用いて筒型電池用封口ガスケットが射出成形される。この場合、各分割片の割位置からガス抜きを効率よく行うことができ、ダンパー機能部及び外周リブ部の表面にボイドやウェルドが存在しない封口ガスケットとすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記ダンパー機能部の厚さは、前記外周リブ部の厚さの60%以下であることをその要旨とする。
請求項4に記載の発明によれば、ダンパー機能部の厚さが外周リブ部に比べて十部に薄く形成されているので、撓やかなダンパー機能部とすることができ、破断誘起用薄肉部に加わる応力をダンパー機能部で確実に吸収することができる。また、外周リブ部が相対的に厚く形成されているので、筒型電池の密閉性を十分に確保することができる。
請求項5に記載の筒型電池用封口ガスケットは、請求項2乃至4のいずれか1項において、ポリアミド樹脂からなることをその要旨とする。
請求項5に記載の発明によれば、ポリアミド樹脂を用いているので、耐薬品性、柔軟性、強靭性、密着性、耐熱性等に優れた高品質の封口ガスケットを成形することができる。
請求項6に記載の筒型電池用封口ガスケットは、請求項2乃至5のいずれか1項において、ポリアミド樹脂からなる射出成形品及びその射出成形時に生じたランナーを粉砕し再生材として用いて成形されたものであることをその要旨とする。
通常、ポリアミド樹脂の再生材を用いた射出成形では、樹脂の流動性低下が避けられず、ガスの巻き込みによるボイドやウェルドの発生率が高まるため、高品質の成形品を得ることが困難である。しかしながら、請求項6に記載の発明によれば、ガス抜き効率がよくボイドやウェルドを発生させにくい成形金型を使用していることから、本来廃棄されていた樹脂材料を再利用して高品質の成形品を得ることが可能となる。よって、材料費を低減することができ、封口ガスケットの低コスト化を達成しやすくなるばかりでなく、環境にも優しい技術確立も可能となる。
請求項7に記載の発明は、請求項2乃至6のいずれか1項に記載の筒型電池用封口ガスケットを備えたことを特徴とする筒型アルカリ電池をその要旨とする。
請求項7に記載の発明によれば、ボイドやウェルドがない筒型電池用封口ガスケットを用いて、筒型アルカリ電池を確実に封口することができる。従って、筒型アルカリ電池を長期間保存した場合でも、電解液の液漏れを防止することができ、筒型アルカリ電池の信頼性を高めることができる。
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によると、外周リブ部及びダンパー機能部の表面にボイドやウェルドを発生させずに筒型電池用封口ガスケットを成形することができる。また、請求項2乃至6のいずれかに記載の発明によると、外周リブ部及びダンパー機能部の表面にボイドやウェルドがないため、それを使用して電池を構成した場合に電解液の液漏れを確実に防止することができる。さらに、請求項7に記載の発明によると、電解液の液漏れを確実に防止することができ、筒型アルカリ電池の信頼性を高めることができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施の形態における筒型アルカリ電池10の概略構成を示す断面図である。なお、本実施の形態の筒型アルカリ電池10は、LR6タイプ(単3形)の電池である。
図1に示されるように、筒型アルカリ電池10は、有底筒状の正極缶11と、その正極缶11の内面に沿って嵌着されたリング状の正極合剤12と、正極合剤12の内側に挿入される有底筒状のセパレータ13と、正極缶11の中心部となるセパレータ13の中空部に配置されるゲル状負極合剤14と、正極缶11の開口部に装着される集電体16とを備える。
正極缶11は、ニッケルメッキ鋼板を有底筒状にプレス成形することで作製され、その底部の中央に正極端子18が突設されている。また、正極合剤12は、電解二酸化マンガン、黒鉛、水酸化カリウム、及びバインダーを混合した正極合剤粉を整粒した後、円筒状にプレス成形することで作製される。
セパレータ13は、ビニロン・レーヨン不織布やポリオレフィン・レーヨン不織布などのセパレータ原紙を円筒状に巻回し、重なり合う部分を熱融着させることで作製される。
ゲル状負極合剤14は、水と酸化亜鉛と水酸化カリウムとを混ぜて溶解し、ポリアクリル酸などのゲル化剤と亜鉛粉とを混合することで作製される。
集電体16は、負極端子板21、負極集電子22、及び封口ガスケット23を含んで構成されている。正極缶11の開口部付近には、集電体16を載置するためのビード部24が形成されている。そして、そのビード部24上に集電体16を載置した状態で、正極缶11の開口部にカール及び絞り加工を施すことにより、正極缶11が封口されている。
集電体16は、真鍮を用いて棒状に形成された負極集電子22をその基端側の頭部で負極端子板21に抵抗溶接するとともに、負極集電子22の首部に封口ガスケット23を嵌着することで、形成されている。そして、負極集電子22の先端側がゲル状負極合剤14に挿入されている。
負極端子板21は、正極缶11と同じくニッケルメッキ鋼板をプレス成形することで作製され、封口ガスケット23を介して正極缶11の開口部を封口している。封口ガスケット23は、樹脂材料を用いて射出成形することで作製される。封口ガスケット23の形成材料としては、6,12ナイロン樹脂、6,10ナイロン樹脂、6,6ナイロン樹脂などのポリアミド樹脂が好適である。さらに、ポリアミド樹脂の射出成形品及びその射出成形時に生じたランナーを粉砕し再生材として用いて封口ガスケット23を成形してもよい。
封口ガスケット23は、負極集電子22が挿通される中央孔25を有するボス部26と、ガスケット表面23a側(図1では上側)に延びる外周リブ部27と、ボス部26と外周リブ部27との間をつなぐ平板部28とを備える。封口ガスケット23において、これらボス部26、外周リブ部27及び平板部28は、同心状に一体形成されている。そして、封口ガスケット23の平板部28において、ボス部寄りの位置に、板厚が薄い破断誘起用薄肉部30が形成されている。破断誘起用薄肉部30は、防爆安全弁として機能する部位であって、電池内圧が異常上昇したときに破断することにより、電池内圧を外部へ逃がして電池10の破裂を防止する。
封口ガスケット23の平板部28において、外周リブ部寄りの位置に、ガスケット裏面23b側(図1では下側)に突出する屈曲した形状のダンパー機能部31が形成されている。本実施の形態のダンパー機能部31は、直角に屈曲したクランク形状をなし、ダンパー機能部31の内周面31a及び外周面31bは、封口ガスケット23の軸心(ボス部26の軸心)と平行となるよう設けられている。さらに、外周リブ部27の外周面27aも封口ガスケット23の軸心と平行となるよう設けられている。
ダンパー機能部31は、破断誘起用薄肉部30に加わる応力を確実に吸収するべく撓やかなものとするため、他の部位に比べて板厚が薄く設定されている。また、外周リブ部27は、正極缶11との密閉性を確保するため、他の部位に比べて板厚が厚く設定されている。具体的には、外周リブ部27の板厚は0.5mm程度であり、ダンパー機能部31の板厚は0.3mm程度である。なお、ダンパー機能部31の厚さは、外周リブ部27の厚さの60%以下となるよう設定することが好ましい。ただし、ダンパー機能部31に所定の機械的強度を付与するため、及び、成形時における樹脂の流動性維持のために、当該厚さを外周リブ部27の厚さの50%以上(好ましくは55%以上)となるように設定しておくことがさらによい。
上述した本実施の形態の封口ガスケット23の外形形状は、図4に示す従来の封口ガスケット60と同じ形状であり、封口ガスケット23を射出成形するための金型が従来と異なる。
図2は、本実施の形態の封口ガスケット23を成形するための成形金型40を示している。成形金型40は、ガスケット表面23a側を成形するための第1成形面41aを有する移動型41と、移動型41と対向配置され、ガスケット裏面23b側を成形するための第2成形面42aを有する固定型42とにより構成されている。
固定型42は、同心円状に配置された複数のリング状の分割片44,45,46,47からなり、ダンパー機能部31の内周面31aを成形する領域の延長上、ダンパー機能部31の外周面31bを成形する領域の延長上及び外周リブ部27の外周面27aを成形する領域の延長上となる部位に割位置P1,P2,P3が設定されている。固定型42の割位置P1〜P3は、固定型42の軸心L1(封口ガスケット23のボス部26の軸心)と平行となるよう設けられている。また、固定型42は、ボス部26を成形する箇所にて開口するゲート49を有している。そして、固定型42のゲート49を通して成形金型40内に樹脂材料が充填され、封口ガスケット23が成形される。この封口ガスケット23の成形時において、固定型42の割位置P1〜P3からガスの逃がし(ガス抜き)が効率よく行われることにより、ガスの巻き込みによるボイドやウェルドの発生が抑制される。なお、成形後の封口ガスケット23において、固定型42の割位置P1〜P3に対応する箇所には、0.1mmよりも薄いバリ(図示略)が部分的に形成されうる。このようなバリは、集電体及び電池作製上は勿論、製品性能上も何ら問題ないが、その発生位置を確認することによって、固定型42の割位置P1〜P3がどこにあったかを事後的に把握することができる。
本発明者らは、図2の成形金型40を用いて封口ガスケット23の連続成形を行い、各封口ガスケット23の外観検査評価を行い、ボイド・ウェルドの発生状況を調査した。なおここでは、10時間の連続成形において、抜取間隔を1回/h、抜取数を3000個/回とした条件で、評価を行った。表1に、その評価結果を示す。また、比較例として、図5に示す従来の成形金型70を用いて封口ガスケット60の連続成形を行った場合の評価結果を表2に示す。
Figure 2010073502
Figure 2010073502
従来の成形金型70を用いた場合では、ボイドやウェルドの発生率が0.5%であった。これに対して、本実施の形態の成形金型40を用いた場合では、ボイドやウェルドの発生率が0%となり、この種の成形不具合を完全になくすことができた。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の場合、成形金型40の固定型42において、ダンパー機能部31の内周面31aを成形する領域の延長上、ダンパー機能部31の外周面31bを成形する領域の延長上及び外周リブ部27の外周面27aを成形する領域の延長上となる部位に割位置P1〜P3が設定されているので、封口ガスケット23の成形時のガス抜きを効率よく行うことができる。このため、封口ガスケット23のダンパー機能部31及び外周リブ部27の表面にボイドやウェルドが発生することを防止することができる。従って、このような高品質の封口ガスケット23を使用して製造された筒型アルカリ電池10を長期間保存した場合でも、電解液の液漏れを確実に防止することができ、筒型アルカリ電池10の信頼性を高めることができる。
(2)本実施の形態の封口ガスケット23では、ボイドやウェルドの発生率を0%とすることができる。従って、封口ガスケット23の製品歩留まりを向上することができ、筒型アルカリ電池10の製造コストを低減することができる。
(3)本実施の形態の封口ガスケット23では、ダンパー機能部31の厚さが、外周リブ部27の厚さの60%となるよう設定されている。従って、ダンパー機能部31及び外周リブ部27の両方につきそれらが機能するのに適切な厚さを付与することができる。よって、正極缶11の開口部を封止する際に、破断誘起用薄肉部30に加わる応力をダンパー機能部31で確実に吸収することができる。
(4)本実施の形態の封口ガスケット23は、ポリアミド樹脂を用いているので、耐薬品性、柔軟性、強靭性、密着性、耐熱性等に優れた高品質のガスケットを成形することができる。従って、筒型アルカリ電池10における電解液の液漏れを確実に防止することができ、アルカリ電池10の信頼性をより高めることができる。
(5)本実施の形態の場合、ポリアミド樹脂からなる射出成形品及びその射出成形時に生じたランナーを粉砕して得られた再生材を用いて封口ガスケット23を成形することにより、材料費を低減することができる。また、従来の成形金型70を使用して封口ガスケット60を成形する場合に再生材を用いると、樹脂の流動性が低下するため、ガスの巻き込みによるボイドやウェルドの発生率が高まる。これに対して、本実施の形態の成形金型40を用いると、発生したガスを固定型42の割位置P1〜P3から確実に逃がすことができ、ボイドやウェルドの発生率を低減することができる。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態において、封口ガスケット23には、ダンパー機能部31が設けられていたが、ダンパー機能部31が設けられていない封口ガスケットに本発明を具体化してもよい。図3には、その封口ガスケット230を成形するための成形金型50を示している。図3の成形金型50も、移動型51と固定型52とにより構成されている。固定型52は、同心円状に配置された2つの分割片54,55からなり、外周リブ部27の外周面27aを成形する領域の延長上に割位置P4が設定されている。このように割位置P4を設定することにより、ガスの逃がしを効率よく行うことができ、外周リブ部27の表面におけるボイドやウェルドの発生を抑制することができる。
・上記実施の形態では、LR6タイプ(単3形)の筒型アルカリ電池10に具体化したが、LR20タイプ(単1形)やLR14タイプ(単2形)の筒型アルカリ電池に具体化してもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)前記固定型は、前記ボス部を成形するための箇所にて開口するゲートを有することを特徴とする請求項1に記載の筒型電池用封口ガスケット用の成形金型。
(2)前記固定型における割位置は、前記ボス部の軸線と平行となるよう設けられていることを特徴とする請求項1に記載の筒型電池用封口ガスケット用の成形金型。
本発明を具体化した一実施の形態の筒型アルカリ電池を示す断面図。 一実施の形態における封口ガスケットの成形金型を示す断面図。 別の実施の形態における封口ガスケットの成形金型を示す断面図。 従来の封口ガスケットを示す断面図。 従来の封口ガスケットの成形金型を示す断面図。
符号の説明
10…筒型アルカリ電池
22…負極集電子
23,230…筒型電池用封口ガスケットとしての封口ガスケット
23a…ガスケット表面
23b…ガスケット裏面
25…中央孔
26…ボス部
27…外周リブ部
27a…外周リブ部の外周面
28…平板部
30…破断誘起用薄肉部
31…ダンパー機能部
31a…ダンパー機能部の内周面
31b…ダンパー機能部の外周面
40,50…成形金型
41,51…移動型
41a…第1成形面
42,52…固定型
42a…第2成形面
44〜47,54,55…分割片
P1〜P4…割位置

Claims (7)

  1. 合成樹脂を材料として成形された射出成形部品であり、負極集電子が挿通される中央孔を有するボス部と、ガスケット表面側に延びる外周リブ部と、前記ボス部と前記外周リブ部との間をつなぐ平板部とを備え、前記平板部において前記ボス部寄りの位置に、破断誘起用薄肉部が形成され、前記平板部において前記外周リブ部寄りの位置に、ガスケット裏面側に突出する屈曲した形状のダンパー機能部が形成された筒型電池用封口ガスケットを成形するための成形金型であって、
    前記ガスケット表面側を成形するための第1成形面を有する移動型と、前記移動型と対向配置され、前記ガスケット裏面側を成形するための第2成形面を有する固定型とにより構成され、
    前記固定型が、同心円状に配置された複数の分割片からなり、前記ダンパー機能部の内周面を成形する領域の延長上、前記ダンパー機能部の外周面を成形する領域の延長上及び前記外周リブ部の外周面を成形する領域の延長上となる部位に割位置が設定されている
    ことを特徴とする筒型電池用封口ガスケット用の成形金型。
  2. 成形金型を用いかつ合成樹脂を材料として成形された射出成形部品であり、負極集電子が挿通される中央孔を有するボス部と、ガスケット表面側に延びる外周リブ部と、前記ボス部と前記外周リブ部との間をつなぐ平板部とを備えた筒型電池用封口ガスケットであって、
    前記成形金型が、前記ガスケット表面側を成形するための第1成形面を有する移動型と、前記移動型と対向配置され、ガスケット裏面側を成形するための第2成形面を有する固定型とにより構成され、
    前記固定型が、同心円状に配置された複数の分割片からなり、前記外周リブ部の外周面を成形する領域の延長上となる部位に割位置が設定されている
    ことを特徴とする筒型電池用封口ガスケット。
  3. 成形金型を用いかつ合成樹脂を材料として成形された射出成形部品であり、負極集電子が挿通される中央孔を有するボス部と、ガスケット表面側に延びる外周リブ部と、前記ボス部と前記外周リブ部との間をつなぐ平板部とを備え、前記平板部において前記ボス部寄りの位置に、破断誘起用薄肉部が形成され、前記平板部において前記外周リブ部寄りの位置に、ガスケット裏面側に突出する屈曲した形状のダンパー機能部が形成された筒型電池用封口ガスケットであって、
    前記成形金型が、前記ガスケット表面側を成形するための第1成形面を有する移動型と、前記移動型と対向配置され、前記ガスケット裏面側を成形するための第2成形面を有する固定型とにより構成され、
    前記固定型が、同心円状に配置された複数の分割片からなり、前記ダンパー機能部の内周面を成形する領域の延長上、前記ダンパー機能部の外周面を成形する領域の延長上及び前記外周リブ部の外周面を成形する領域の延長上となる部位に割位置が設定されている
    ことを特徴とする筒型電池用封口ガスケット。
  4. 前記ダンパー機能部の厚さは、前記外周リブ部の厚さの60%以下であることを特徴とする請求項3に記載の筒型電池用封口ガスケット。
  5. ポリアミド樹脂からなることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の筒型電池用封口ガスケット。
  6. ポリアミド樹脂からなる射出成形品及びその射出成形時に生じたランナーを粉砕し再生材として用いて成形されたものであることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の筒型電池用封口ガスケット。
  7. 請求項2乃至6のいずれか1項に記載の筒型電池用封口ガスケットを備えたことを特徴とする筒型アルカリ電池。
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