JP2010072993A - 水冷媒圧縮システムを用いた電子装置ラックの冷却を促進するための装置および方法 - Google Patents

水冷媒圧縮システムを用いた電子装置ラックの冷却を促進するための装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電子装置ラックの冷却を促進するための装置および方法を提供すること。
【解決手段】半導体素子を含む電子装置のための冷却装置は、冷媒を貯留し、周囲圧力より低い減圧下で冷媒を蒸発させて、冷却された冷媒を生成するエバポレータと、エバポレータとバイパス管を通って連通し、冷媒の蒸気から冷媒を再生するコンデンサと、電子装置の熱交換領域に冷却された冷媒を供給して、電子装置の高温側で半導体素子を通過する空気流と熱交換を行わせ、熱交換の後の前記冷媒をコンデンサに戻す、循環ポンプおよび配管とを含み、冷媒の圧力は、空気の流れとの熱交換領域で前記周囲圧力未満に維持される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子装置の水冷技術に関し、より詳細には、本発明は、電子装置を冷却するための装置および方法、冷媒シールドされた電子装置、および電子装置を冷却するための方法に関する。
パーソナル・コンピュータ、サーバ、ワークステーションおよびメインフレーム・コンピュータなどを含む電子装置は、典型的には、その安定な性能を維持するために、マイクロプロセッサユニット(以下、MPUと参照する。)または中央演算ユニット(以下、CPUと参照する。)などの熱源を冷却するための冷却装置を必要とする。また、近年は、高性能および高クロック・レートでの電子装置の動作が求められている。そして、電子装置からの熱発生は、コンピュータ技術において、古くも今なお新しい問題を増大させている。
この問題は、ただのMPUおよび/またはCPUの熱発生であるが、数ギガ・ヘルツの動作クロックレートの最近のMPUでは、その熱発生の密度が原子炉の熱密度を超え、近い将来には、太陽の熱発生密度に達するという技術的予測がある。
熱発生問題を低減させるための一つの戦略は、MPUおよび/またはCPUをマルチコア・アーキテクチャとして、全体性能を維持しつつ単一のコア当たりの命令を低減することである。しかしながら、単一のコアのクロックレートは、性能の向上に関連してますます高くなり、熱排出とプロセッサ性能との間のトレード・オフの問題は、近年のプロセッサ技術にとって高い障壁となるものと考えられる。
さらに、最近の電子装置は、互いに協動的に動作する多数のMPUおよび/またはCPUを用いる、つまり、いわゆるグリッド・コンピューティングおよび上述したマルチコア・アーキテクチャを用いる傾向があり、たとえMPUおよび/またはCPUのクロックレートが抑制されているとは言え、単位電子装置当たりの情報処理密度が増大する。この傾向は、将来、プロセッサ間でのマルチコア・アーキテクチャまたはグリッド・コンピューティングが普及するにつれ、また電子装置に対する高性能動作が求められるにつれ、加速されると考えられる。
上述したコンピューティング環境により、インターネット・データ、検索エンジンのための情報、企業内データなどの膨大な量の情報を取り扱うデータセンタでは、多数のコンピュータ演算設備を配置し、これらを相互に協動的に動作させている。このようなデータセンタは、高性能コンピュータ演算に対する要求の高まりに対処するために、このデータセンタのコンピュータ演算性能を発達させる傾向にある。そのため、コンピュータ演算に起因する地球温暖化問題、およびデータセンタのための投資コストの低減に関連して、データセンタの熱管理が、緊急に解決しなければならない重要な問題となる。
電子装置におけるMPUおよび/またはCPUからの熱排出を解決するための他の戦略としては、適切な冷媒によるMPUおよび/またはCPUに対する直接冷却アーキテクチャが知られている。
図14は、電子装置のための空冷機構を用いた典型的な冷却システム1400を示す。図14に示す冷却システム1400は、コンピュータ・ルーム内の空気調和を行いながら電子装置を冷却するために構成されている。コンピュータ・ルームの空間内には、電子装置1440が、フロア1410上に配置されて、種々のデータを演算処理している。電子装置1440は、例えば、ワークステーション、サーバ、および/またはメインフレーム・コンピュータなどでとすることができる。
チラー・ユニット1420は、コンピュータ・ルームに設置されて、フロア1410の下に設けられた空間1450に主として、冷却された空気(以下、冷却空気と参照する。)を供給する。空間1450は、冷却空気などの流路を与える。フロア1410は、冷却空気が空間1450からコンピュータ・ルームへ上向きに通り抜けることができる複数の多孔性パネルを含む。
フロア1410上の多孔性パネル1430の位置は、電子装置1440の冷却空気の取入口の位置に依存して決定される。冷却空気は、その空気取入口、つまり低温側で互いに向き合っている電子装置の間に与えられた空間に供給される。
図15を参照すると、図15に示す冷却装置の空気の流れ1500の概略が示されている。冷却空気1570は、床下空間1595を通過し、多孔性パネル1580の位置で床下空間1595からコンピュータ・ルームへ流入する。多孔性パネル1580は、互いに低温側の面を向けて位置する電子装置の間に設置される。
冷却空気は、低温側から両方の電子装置内に引き込まれて、電子装置に組み込まれたMPUおよび/またはCPUと熱交換を行う。そして、加熱された空気1590は、両方の電子装置の高温側から放出される。その後、加熱され放出された空気1590は、上方に流れ、CRACs(つまり、コンピュータ・ルーム空気調和設備(Computing Room Air Conditioner)1510,1560)に向かって横方向に流れ、CRACs1510,1560内の空気調和部材によって冷却空気を再生する。それから、冷却空気1570は、電子装置の熱管理のために再び床下空間1595に供給される。
上述した従来の冷却装置は、冷却空気は、主に、MPUおよび/またはCPUの冷却のために用いられる。すなわち、大部分の冷却空気は、電子装置を冷却するために消費される。そして、コンピュータ・ルームの空気調和設備を個別の空気調和システムとして準備する必要がある。あるいは、コンピュータ・ルーム内の全体的な空気調和を処理するために、CARCsの冷却能力を増大させる必要がある。
これまで、情報処理装置の熱削除を扱うために、電子装置の直接冷却アーキテクチャが開発されている。例えば、特開2002−374086号公報(特許文献1)は、ラックマウント搭載型情報処理装置のための冷却装置を開示している。特許文献1に開示される構成では、水冷構成を含むラックが用いられ、ラック・キャビネットの各柱内に水の流路が与えられている。柱を通過した水は、ラックに導入され、CPU/LSIのための水冷ジャケットに導入されて、これによってラック内の要素を冷却している。
特開2005−100091号公報(特許文献2)は、水冷モジュールおよび強制空冷モジュールを共通化するためにCPU上に直接配置された冷却モジュールを開示し、これによって、空冷および水冷の両方のアーキテクチャを切り替えられるようにしている。
特開2006−285670号公報(特許文献3)は、また、情報処理用ブレードおよびブレードを含む情報処理装置を開示している。開示のブレードは、ブレード内に提供される水路を通過する水によって冷却される。CPUまたは他の熱源は、ブレードと熱交換関係をもってブレード上に設置され、熱源は、水冷されたブレードにより冷却される。
上述したように、水冷アーキテクチャは、電子装置の冷却アーキテクチャとして適していると考えられる。しかしながら、水は、水が電子装置内に浸潤した場合に電気装置の漏電を引き起こしてしまうという潜在的な欠点を有することが知られている。電子装置の筐体内に漏水が生じた場合、データセンタなどの電子装置または設備は、甚大かつ高額な被害を受けてしまう。
またこれまで、漏水を解決するために多くの試みがなされている。例えば、特公平7−117330号公報(特許文献4)は、冷却水の循環経路内に腐食性イオン除去装置を設けた冷却装置を開示している。開示の除去装置は、腐食性因子の陽イオンを選択的に除去して、冷却装置の防食性を改善している。
電子装置の冷却システムからの危険性の高い漏水を改善する試みがなされたが、配管などの腐食のメカニズムは、今なお充分に解明されてはいない。そして、腐食およびその規模は、電子装置が置かれる特定の環境に実質的に依存するため、実際上、種々の条件下における腐食に起因した問題からの保護は、今なお確実なものではない。
加えて、漏水を起こす要因としては、腐食の他にも、例えば、衝撃による割れまたは破損、ジョイント接合の緩みなどが含まれる。このため、上記要因の全てを考慮すると、上記種々の要因を解決し、不利益を克服することには困難があった。
これらの結果として、今なお効果的な冷却装置が要求されており、そのニーズは、データセンターの熱管理が提供されているとしても、デバイスおよび情報処理技術の進歩によって高性能コンピュータ演算のパラダイムが実現されるにつれて、ますます大きくなっている。さらに、今なお電子装置の排熱を克服するための高まるニーズが存在し、このため、MPUおよび/またはCPUを含む電子装置のための新規な冷却装置が望まれていた。
特開2002−374086号公報 特開2005−100091号公報 特開2006−285670号公報 特公平7−117330号公報
そして、本発明の目的は、コンピュータ演算による環境負荷を低減しつつ、水などの冷媒の漏洩を伴うことなく効率的かつ安全に、MPUおよび/またはCPU周りの熱を除去することを可能とするための装置を提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、価値のある情報を協動的に処理するために、マイクロコンピュータ、ワークステーション、サーバおよびメインフレームなど多数の電子装置が連携して配置されるデータセンタへの適用に適した、電子装置を冷却するための方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、電子装置から外部環境への熱排出を抑制し、同様に、データセンタの消費電力を抑制することによって、地球温暖化問題に貢献する冷媒シールド付き電子装置を提供することである。
上述した従来の冷却装置の問題を解決するために、本発明は、周囲大気圧に対し減圧下での水などの冷媒の潜熱冷却装置が採用された電子装置を冷却するための装置を提供する。
本発明の実施形態では、電子装置を冷却する装置を提供することができる。電子装置は、冷却された冷媒により冷やされるMPUおよびCPU、またはこれらのいずれか一方などの半導体素子を含む。冷媒は、エバポレータ内において、電子装置の周囲の大気圧に対し減圧の条件下での冷媒の蒸発潜熱によって冷却される。エバポレータ内で冷媒の蒸発が起こる時、潜熱が除去されるため、まだ液相にある冷媒が冷却されて、冷却された冷媒が用意される。
エバポレータ内の減圧は、冷媒のエバポレータとコンデンサとを連通するバイパス管により接続されるコンプレッサによって維持される。
冷却された冷媒は、例えばマイクロコンピュータ、エンタープライズ・サーバ、ワークステーションまたはメインフレーム・コンピュータなどの電子装置のケーシング、ラックおよびコンピュータ演算ノード、またはこれらの少なくとも1つの中まで延びた配管を通って循環され、電子装置から放出される空気の流れを冷やす。これによって、電子装置から放出された空気の流れが、この電子装置が置かれるコンピュータ・ルームなどの空間内の空気調和性能に対して、厳しい不利益を与えないようにすることができる。
さらに本発明によれば、冷媒は、電子装置と熱交換を行うための領域において周囲大気圧未満に維持されることができる。そして、冷媒は、予期しない冷媒の漏洩を解決するために、熱交換領域の上流に配置された流れ制御部材によって保持されてもよい。これにより、冷媒の漏洩の可能性を最小化することができる。
冷却する空気の流れと熱交換された後の冷媒は、反復的に減圧下にさらすためにエバポレータに戻されて、冷却された冷媒を再生する。
エバポレータに連通するコンデンサは、冷媒の加圧蒸気をコンプレッサの下流で受け、真空ポンプは、コンプレッサ下流の背圧を低減しつつコンデンサ内の圧力を調整する。コンデンサ内の冷媒は、冷却塔、他の適切な冷却設備または熱交換槽によって概ね室温まで冷却される。
本発明の他の実施形態では、冷媒シールド付き電子装置を提供することができる。冷媒シールド付き電子装置は、情報をコンピュータ演算するための部材、半導体素子、メモリ、入出力ユニット、バス、コンピュータ演算ユニットを保持するラックを含むコンピュータ演算ノードを含む。冷媒シールド付き電子装置は、さらに、一組の側壁を有する。この側壁は、それぞれ、その中に冷媒が通過することが可能とされる。冷媒シールド付き電子装置には、コンピュータ演算ノードおよびラックを取り囲むケーシングに、ドア式熱交換パネルが着脱可能に装着される。ドア式熱交換パネルは、冷媒を受容して、その中で冷媒の圧力が周囲大気圧未満に維持されるサーペンタイン型熱交換コイルを含む。
冷媒シールド付き電子装置は、コンピュータ演算ノード内に配置される低温区画とファンとをさらに含むことができる。低温区画は、コンピュータ演算ノードを通過する空気の流れと熱交換を行いながら冷媒によって冷却される。ファンは、コンピュータ演算ノード内の上記部材を冷却するために、コンピュータ演算ノードの中に周囲空気を流し込み、ケーシングの放出側へ向かう空気の流れを形成させる。
本発明のさらに他の実施形態は、半導体素子を含む電子装置を冷却するための方法が提供される。この方法は、
周囲圧力と比較して低い減圧を有する冷却された冷媒を生成するステップと、
電子装置の高温側にある電子装置の熱交換領域を通過する配管を介して、上記冷却された冷媒を循環させるステップと、
上記半導体素子を通過した空気の流れと上記熱交換領域で熱交換を行うステップと、
上記冷媒の蒸気から上記冷媒を再生するためのコンデンサへ上記熱交換の後の上記冷媒を戻すステップとを含み、
前記冷媒の圧力が、前記空気の流れとの熱交換領域で前記大気圧未満に維持される。
以下、本発明について、図面に示した実施形態をもって説明する。しかしながら、以下に説明される図面は、ただ本発明を説明するためのものであって、本発明に如何なる限定を与えるものではないことを理解されたい。
図1は、装置、方法およびシールド付き電子装置が実装されたデータセンタ制御システムの概略を示す。データセンタ制御システム100は、CRAC110と、複数の電子装置120〜150と、自動環境監視設備(以下、AOEMFと参照する。)160とを含む。これらの上記装置は、フロア厚板から離間してフロアパネル170上に配置され、ユーティリティ配管のための空間を形成している。フロアパネル170は、この空間を介して冷却された空気(以下、冷却空気と参照する。)を導き入れるための貫通孔が形成された区画を有していてもよい。
CRAC110は、コンピュータ・ルーム195内の空気調和およびコンピュータ・ルーム195内にある装置の熱管理を行う。CRAC110は、構内基幹空気調和システムから供給管118を介して冷却された冷媒を受け入れる。コンピュータ・ルーム195内の空気は、ファン112によりCRAC110内に導き入れられて、熱交換器114で熱交換された後、コンピュータ・ルーム195内へ戻される。
水などの冷却された冷媒は、熱交換器114内へ供給されて、CRAC110内に導き入れられた空気と熱交換を行う。そして、この熱交換のために冷媒の温度が上昇する。加熱された冷媒は、それから、本発明の冷却装置に戻されて、冷却された冷媒を再生する。冷媒は、例えば、CFC、HCFCおよびHFCなどのフレオン、または、例えば炭化水素、アンモニア、二酸化炭素、空気、水などの天然媒体など、既知の冷却媒体から選択することができる。しかしながら、人の健康への影響および地球環境の観点から、水が冷媒として最も可能性のある候補である。以下の最良の実施形態の説明では、冷媒が水であるとして、本発明を説明する。
本実施形態において、電子装置は、複数のコンピュータ演算ユニット120〜150を含む。しかしながら、これらに限定されるものでなく、ルータ、プリンタなどの他の電子装置がコンピュータ・ルーム195内に存在していてもよい。コンピュータ演算ユニットは、それぞれ、サーバ122〜126、サーバ132〜136、サーバ144〜148、サーバ152〜156を含む。各サーバは、少なくともMPU、RAMおよび/またはROMなどのメモリ、I/Oインタフェースを含み、それぞれサーバに近接して配置されたファンにより、冷却空気が、各サーバ122〜126,132〜136,144〜148,サーバ152〜156に導き入れられる。
図1に示す実施形態においては、コンピュータ演算ユニット120〜150は、異なる冷却アーキテクチャを含んでいる。図1に示す実施形態は、冷却アーキテクチャのバリエーションとしての一例であり、本発明の冷却アーキテクチャは、コンピュータ演算ユニットの間で異なっている必要はなく、他の実施形態では、図1に示すアーキテクチャから選択される1つのタイプの冷却アーキテクチャをデータセンタに導入することができる。一例として、コンピュータ演算ユニット120は、このコンピュータ演算ユニット120のケーシングまたはラックに着脱可能に装着される後部ドア式熱交換器128を含む。後部ドア式熱交換器128が用いられる場合、サーバ122〜126を通過する空気は、後部ドア式熱交換器128と熱交換された後にコンピュータ・ルーム195へ放出される。本発明の冷却装置からの冷却された水(以下、冷却水と参照する。)は、後部ドア式熱交換器128に導き入れられ、サーバ122〜126から放出された空気と熱交換された後に、冷却水を再生するために冷却装置に戻される。コンピュータ演算ユニット120の後部ドア式熱交換器128は、典型的には、サーバ120の熱負荷の概ね50%を除去する。冷却装置の構成については、詳細を後述する。
同様に、コンピュータ演算ユニット130に前部ドア式熱交換器138が配置される。前部ドア式熱交換器138は、後部ドア式熱交換器と実質的に同一構成を有し、その中に冷却水が導き入れられて、コンピュータ演算ユニット130から放出された空気と熱交換した後、加熱された水が本発明の冷却装置に戻される。上記後部ドア式熱交換器128および前部ドア式熱交換器138は、以下、通常、ドア式熱交換器(以下、DHEX(Door Heat EXchanger)として参照する。)として参照する。冷却装置およびDHEXの構成については、詳細を後述する。
コンピュータ演算ユニット140において、さらに他の実装が採用されている。コンピュータ演算ユニット140は、本明細書でサイドカーと呼ぶアーキテクチャで構成される。コンピュータ演算ユニット140は、そのコンピュータ演算ユニット140の筐体140a内に空気を囲い込む。筐体140a内のサーバラック142は、冷却装置からの水がラック142内に形成された水路を通って循環される熱交換器として構成される。サーバから放出された空気は、筐体140a内で循環し、これによって、コンピュータ演算ユニット140からの排熱は、熱収支を制御することによって本質的に遮断される。サイドカー型アーキテクチャでは、サーバの熱負荷は、コンピュータ演算ユニット140から放出された熱が筐体140a内に理想的にシールドされた場合には、概ね100%除去される可能性がある。
さらに他の実装の実施形態が、図1において提供されている。コンピュータ演算ユニット150は、複数のサーバを含む。サーバは、それぞれ、MPU158bと熱交換関係をもって配置されるコールド・プレート158aを含む。冷却装置からの冷却水は、コールド・プレート158aに導き入れられて、MPU158bを冷却し、そして、冷却装置に戻されて、冷却水が再生される。上記複数のコンピュータ演算ユニット110〜150は、一連のポンプ118b〜118eを経て水冷媒が供給されている。ポンプ118b〜118eは、それぞれ、独立した配管を介して大気圧未満で水を供給する。ポンプ118b〜118eは、好適には、ターボタイプ・ポンプ、遠心ポンプおよび/またはスクリュー・ポンプなどの非容積型ポンプから選択される。またポンプ118b〜118eは、流れ制御部材として働き、たとえ予期しない漏水が起こり、ポンプの正圧、つまり各ポンプの下流側方向の圧力が大気圧まで上昇した場合に、水の逆流を可能にする。他の実施形態では、流れ制御部材は、図1に明示するように、データセンタ制御システム100に配置することができる。流れ制御部材は、それぞれ、漏水による非常事態に対処し、水回帰管の減圧側に水を戻すために、圧力感応性バルブ194a〜eを介して熱交換部材の上流側に接続された配管192a〜192eを含む。圧力感応型バルブ194a〜194eは、コンピュータ演算ユニット120〜150内の熱交換領域における圧力上昇に対処するために、取入口側と取出口側とにわたる圧力差が、0.01MPa〜0.101325MPaの所定の圧力閾値以上になった場合に活性化される。この閾値は、特定の応用に応じて適切に設定することができ、圧力感応型バルブ194a〜194eは、コントローラ162によりコントロールすることができる。
上記コンピュータ演算ユニットについて、さらに、データセンタ制御システム100は、AOEMF160を含む。AOEMF160は、コントローラ162を含み、コンピュータ・ルーム内の周囲空気温度、サーバの温度、MPUの温度から選択される少なくとも1つの温度を、検出信号線180,190を介して検出する。コントローラ162は、本発明の冷却装置の要素の制御に検出結果をフィードバックして、所定のレベルでコンピュータ・ルーム195内の空気の調和を維持する。AOEMF160は、コンピュータ演算ユニット120〜150のいずれか1つに装着される冷却アーキテクチャを含むことができる。
ここで、図2を参照して、冷却装置200の概略構成を説明する。冷却装置200は、電子装置210と、破線の長方形で囲まれた部材を含む水冷媒圧縮型チラー・ユニット(以下、簡単にWCUと参照する。)230とを含む。電子装置210は、少なくともMPUおよび/またはCPUを含み、コンピュータ演算結果を外部に返して、変数情報を提供するか、または外部デバイスを制御する。
電子装置210は、一般的には、例えば、パーソナル・コンピュータ、サーバ、ワークステーション、メインフレーム・コンピュータ、周辺インタフェースなどのコンピュータ、またはこれらの如何なる他の組合せから選択することができ、フロア220上に配置される。フロア220は、図14に示すように、個別のA/Cシステムが既に備え付けられている場合には、その個別のA/Cシステムによって供給される冷却空気を取り入れるために、多孔性パネルを有することができる。冷却装置200は、好適には、多数のコンピュータが種々の価値のある情報を処理するために運用管理されている如何なる建物または地下トンネルのデータセンタ内に構成することができる。
電子装置210は、通常、コンピュータ演算ノード212およびファン214を含むセットを含んで構成される。ファン214は、コンピュータ・ルーム内の周囲温度の空気の流れ216を作り出し、この空気の流れは、矢印で示すようにコンピュータ演算ノード210を通って流れる。用語「コンピュータ演算ノード」は、本明細書では、コンピュータ演算において主要な役割を果たし、MPUおよび/またはCPU、メモリ、およびこれらとのインタフェースを適切なパッケージ内に取り囲む電子装置210の一部材として、参照する。電子装置がサーバである場合、複数のコンピュータ演算ノード212が、その中に取り囲まれて、サーバの要求された機能を提供する。
コンピュータ演算ノード212を通過した空気の流れは、本発明の実施形態による熱交換コイル234によって概ね周囲温度まで冷やされた後、空気の流れ218として放出される。他の実施形態では、ファン214は、電子装置210の左側(低温側)より、むしろその右側(高温側)に配置することができる。この実施形態では、ファンは、コンピュータ演算ノード212から熱交換コイル234に向かって空気を取り込み、熱交換コイルを通過させる。
熱交換コイル234は、電子装置210を貫通して延び、これによって、MPUなどとの熱交換により加熱された後の空気が、熱交換コイル234との熱交換プロセスを容易に受けるようしている。電子装置内の熱交換コイル234が延びる領域は、電子装置の熱交換領域を画定する。説明する実施形態では、熱交換コイル234は、熱い空気がコンピュータ・ルームに直接放出されないようにする機能を提供する。そして、電子装置210は、この電子装置210が配置されるデータセンタのための基幹冷却装置に、有為な追加の熱負荷を与えないと考えられる。
WCU230は、電子装置210へ供給するべく冷却水を生成する。WCU230は、冷媒として水を貯留するエバポレータ236およびコンデンサ238を含む。エバポレータ236は、大気圧または、電子装置が配置されるコンピュータ・ルーム内の周囲圧力と比較して、減圧の条件下で水を蒸発させる。コンデンサ238は、エバポレータ236と、複数のバイパス管を介して連通して配置され、エバポレータ236から転送された水蒸気を液体相に戻す。
エバポレータ236およびコンデンサ238は、連結管258により連通し、水レベル254,256を釣り合うように維持して、冷却装置を通る水の循環の水頭を安定化させている。
エバポレータ236およびコンデンサ238内の残余空間も、また、バイパス管240、244によって連通する。バイパス管240およびバイパス管244は、それぞれ、コンプレッサ242およびバイパス・バルブ246を含む。上述したように、エバポレータ236は、その中の水の蒸発潜熱によって水を冷却する冷蔵装置として動作する。冷却を目的として、エバポレータ236内の残余空間は、コンプレッサ242により排気される。バイパス・バルブ246は、バルブの開閉レベルを変化させることによってエバポレータ236内の減圧レベルを制御する。同様に、コンデンサ238は、真空ポンプ250によって、コンデンサ238に連通する配管を介して排気され、コンプレッサ242から転送される加圧水蒸気を補足するために、コンデンサ238内の残余空間の圧力を定常状態としている。
コンプレッサ242は、如何なるタイプのコンプレッサまたはポンプから選択することができる。説明する実施形態では、コンプレッサ242は、機械昇圧ポンプとすることができる。ここで、機械昇圧ポンプは、π/2ラジアンの位相差を有し、互いに近接する対照かつ同形のロータにより媒体を圧縮するものである。また、バイパス・バルブ246は、そのバルブが、制御された範囲でエバポレータ236とコンデンサ238との間で連通を与える限り、如何なるバルブを選択することができる。
エバポレータ236内の圧力は、これゆえ、減圧される。エバポレータ236内では、水の蒸発によって、液体相の水から水の潜熱が取り去られる。したがって、WCU230は、水の蒸発速度および蒸発潜熱によって、適切な温度範囲を有する冷却水を生成することができる。冷却水の温度は、0℃からコンピュータ・ルームの周囲温度までの範囲とすることができ、好適には、温度は、0℃〜25℃の範囲とすることができる。この温度は、より好適には、コンピュータ・ルームの周囲温度から低温側にオフセットして設定することができ、すなわち、データセンタの基幹A/Cシステムの特定の設定に依存して予め決定された所定のオフセット値に設定することができる。
このような所定のオフセット温度は、特定の条件に依存して設定することができ、典型的に、コンピュータ演算ユニットに対しては、所定のオフセット値は、約10℃〜約20℃の範囲とすることができる。温度差が大きいと熱交換効率が高められることから、冷却効率のためには、より低い温度が適している。しかしながら、水温が、所与の温度差を越えて低くなりすぎると、周囲の空気からの水の凝縮が起こる可能性がある。
同様に、本実施形態では、冷却装置が水用の加熱素子を含んでいないため、周囲温度よりも高い温度には到達することができない。そして、本発明は、水の凝縮を引き起こさない温度から周囲温度までの間で容易に動作することができる。コンプレッサ242、および協動制御されるバイパス・バルブ246によるエバポレータ236の排気速度は、大気からの水の凝縮を回避するために冷却水の温度を考慮して、また、典型的には0.101325MPaである大気圧より低圧に維持しつつ、水のレベルを配管232の最上部の頂点まで持ち上げる圧力差を考慮して、維持される。水の圧力条件については、の詳細を後述する。
図2の冷却装置の他の実施形態では、複数の圧力センサを配管232に配置することが可能であり、これによって、配管内の水の圧力を監視することができる。この実施形態では、冷却装置200のための制御ユニット(図示せず)は、インラインの圧力を監視し、コンプレッサ242の動作およびバルブ246の開閉レベルを制御して、動作期間の範囲の間、インラインの圧力が大気未満となるように維持する。また、AOEMF160などの制御ユニットは、インラインの圧力の揺らぎから漏水を検査し、システム管理者に警告する。
コンデンサ238内の水254は、温度調節のために冷却塔260に供給される。冷却塔260により温度調整された水冷媒は、配管262を通って循環され、コンデンサ238内に散布されて戻される。
冷却塔260は、構内基幹A/Cラインのための他の冷却塔とは個別に構成することができる。あるいは、データセンタの建物が冷却水循環型のA/Cシステムを採用している場合には、最良の実施形態に比べ冷却装置のCOPが高くなるが、冷却塔260は、構内基幹A/Cラインのために提供された冷却塔と共用させてもよい。本発明のさらに他の実施形態では、冷却塔260は、開放型水冷アーキテクチャを採用することができる。開放型水冷アーキテクチャでは、冷却塔260が貯留する水は、井戸水、河川水および/または地下水とすることができる。この水は、冷却されるか、またはデータセンタの位置における自然気候に依存していくらかの加熱が必要であれば、地熱によって加熱される。代替実施形態では、冷却塔260は、最良の実施形態に対しては総COPが低くなるが、ターボ型冷蔵装置や従来の相互膨張型冷蔵装置などの他の適した冷却設備によって置き換えることもできる。
上記WCU230は、水の蒸発潜熱によって適した温度範囲に冷却された水を作成することができる。冷却水は、その後、電子装置210内でコンピュータ演算ノードを通過する空気の流れと再び熱交換を行うために、配管232を介して電子装置210に戻される。
その後、冷却水との熱交換の後の空気の流れ218は、周囲環境に放出され、これによって、本実施形態は、コンピュータ演算により生成される熱による周囲温度に対する不利益を低減することができる。この温度の低減は、全体の熱削除を、約50%を低減する。この低減は、構内期間A/Cの冷却能力の低減に寄与して、これによって、所定のコンピュータ演算性能を仮定すると、メンテナンス・コストおよび/または運用コストは、低減される。
さらに本実施形態では、電子装置210を通過して循環する水の圧力は、上述したように、0.101325MPa未満に維持される。そして、水の圧力は、5kPa(概ね大気圧の1/20)程度まで減圧することができる。減圧の範囲は、約5kPaから大気圧未満までの範囲とすることができる。それゆえに、もし漏水が起こった場合でも、漏洩した水が直ちに熱交換コイル234の外側に出ず、漏水の問題を低減する。この目的で、本発明は、水用の流れ制御部材を含むことができる。1つの実施形態では、このような流れ制御部材は、循環ポンプ248とすることができる。この実施形態では、循環ポンプ248は、ポンピングのために一方向流れを生じさせるための翼または歯車によって圧力室または区画内で水を分離しないタイプのものから選択することができ、循環ポンプ248は、いわゆる非容積型ポンプから選択することができる。このような非容積型ポンプは、例えば、減圧条件下に好適に適合するキャンドタイプで構成されたタービン・ポンプ、遠心ポンプおよび/またはスクリュー・ポンプから選択することができる。上述の実施形態に加えて、流れ制御部材についての他の実施形態は、熱交換コイル234の上流管に配置される放水管を採用することである。放水管は、圧力感応型バルブを介してエバポレータ236に連通する。圧力感応型バルブは、大気圧未満で活性化され、これによって、熱交換コイル234内を流れる水が電子装置内に漏れることができなくなる。上記非容積型循環ポンプおよび/または放水管は、圧力感応型バルブにより活性化される。
さらに、循環ポンプ248は、例示を目的として、図2において一段で図示しているが、しかしながら、循環ポンプ248は、一連の非容積型ポンプによって置き換えて、各ポンプを低水頭とした多段ポンピングを達成することができる。多段ポンピング構成において低水頭ポンプが選択されるため、冷却水の圧力は、一段のポンピングと比較して、大気圧に対して低く維持することができる。
循環ポンプ252および循環ポンプ266は、それぞれ、矢印Cおよび矢印Dに示す方向に水を転送する役割を果たすに過ぎないため、性能を考慮して、如何なる従来タイプのものから選択することができる。
図3は、他の実施形態の冷却装置を示す。図3に示す冷却装置300は、図3に示す冷却装置とほとんど同一構成を有する。しかしながら、冷却装置300は、冷却塔370からの水が循環される熱交換槽360を含む。
第2の実施形態では、水は、配管362を介して、冷却塔370ではなく、矢印Cの方向に熱交換槽360へ循環される。水は、熱交換槽360内で冷却されて、そして、配管362に配置される散布部材を介してコンデンサ338へと戻される。
水は、図2に示す実施形態と類似のアーキテクチャで構成される循環ポンプ348によって、エバポレータ336から配管332を通って電子装置310へ供給される。それから、冷却水は、コンピュータ演算ノード312内で熱交換により空気の流れ316から熱を取り去る。冷却された空気の流れ318は、コンピュータ・ルームへ放出され、加熱された水がエバポレータ336へ戻される。その後は、冷却水の再生サイクルは、図2に示すように繰り返されることとなる。
図3の実施形態では、冷却塔370は、冷却装置のための追加の冷却塔を提供するよりも、むしろ構内基幹A/Cラインと共用することができる。共用する実施形態では、本発明の冷却装置は、矢印Dの方向に水を転送する追加の配管380を追加することによって、電子装置に追加され、構内A/Cライン用の冷却塔370に接続される。これは、構内基幹A/Cラインに対し影響が最小であると考えられる。それゆえ、図3に示す冷却装置は、データセンタが水循環型の基幹A/Cシステムを利用する場合に、さらに、データセンタに対し冷却装置の低い導入コストを与えることができる。また、図3の実施形態では、冷却塔370は、最良の実施形態に対しては総COPが低くなるが、ターボファン型冷蔵装置や既存の冷蔵装置などの他の適した冷却設備によって置き換えることもできる。この実施形態では、冷却設備は、熱交換槽360の水温を調節する。
ここで図4を参照すると、本発明による冷却機構400の実施形態の詳細が図示されている。説明する実施形態において、いわゆる「エンタープライズ・サーバ」である電子装置410は、内部に複数のコンピュータ演算ノードを包含し、それぞれのコンピュータ演算ノードは、その動作によって熱を生成する。電子装置410は、他の実施形態では、メインフレーム・コンピュータおよび/または、サーバ、メインフレーム・コンピュータ、およびこれらのインタフェース装置の如何なる組合せとすることができる。
コンピュータ・ルーム内の空気460,470は、ファン(図示せず。)の働きにより低温側から電子装置410内に取り込まれ、コンピュータ演算ノードの間を通り抜ける。電子装置410へ流れ込んだ空気は、矢印480に図示する方向に移動する空気の流れとして、加熱される。矢印480においては、基点側480aが低温側であり、先端側480bが高温側である。図4においては、矢印のハッチングの濃度によって温度分布の概略が図示されている。濃淡が明るくなるにつれ、温度が低くなる。典型的には、先端側の温度は、MPUおよび/またはCPUとの熱交換に起因して約60℃またはそれ以上となる。
図4に図示する実施形態は、熱交換コイル234または熱交換コイル334は、電子装置410の後部または前部に装着されたドア式熱交換器420の一部として構成されている。電子装置410は、多孔を有さないフロアパネル440と、多孔を有するフロアパネル450とを含むフロア上に配置される。
フロアパネル440および多孔性フロアパネル450は、ベースフロアレベル490から充分に離間して支持され、冷却用の配管などのためのユーティリティ空間として用いられる空間495を提供している。多孔性フロアパネル450は、冷却空気が空間495からコンピュータ・ルームおよび電子装置410内に流れ込むことを可能とする。またフロアには、開口430が提供され、本発明の冷却装置からの配管が通されている。
説明する構成では、開口430に通された配管により水が取り入れられ、DHEX420の本質的な部材である熱交換コイルに水用の配管が接続される。水が取り入れられて熱交換コイルを通ってDHEX420内で循環される。まさにDHEX420を通過している加熱された空気は、DHEX420の熱交換コイル内を流れる水と熱交換にさらされる。そして、加熱された空気は、適切な温度まで冷まされた後、矢印480cで示すように、コンピュータ・ルームの周囲雰囲気に放出される。
ここで、図5を参照して、本発明の他の冷却機構500を説明する。図5に図示する実施形態では、空気および水の流れについての大部分の構成は、図4に示す実施形態と同一である。図5の実施形態は、配管530内の循環の間の圧力損失に対応して加圧するためのポンプユニット535を含む。ポンプユニット535は、水の圧力を大気圧下に維持しながら、配管内の圧力損失および水頭に対抗して円滑な水の循環を確実なものとしている。
図6は、図5に概要を示したドア式熱交換器(DHEX)パネル600の詳細な斜視図を示す。図6(a)は、前方斜視図を示し、図6(b)は、後方斜視図を示す。ここで、用語「前方」は、電子装置のケーシングの外に面した側をいい、用語「後方」は、電子装置のケーシングの内部に面した側をいう。図6のDHEX600は、熱交換コイル610と、支持フレーム620と、支持リム630とを含む。熱交換コイル610は、図2および図3に示した234,334に対応する。熱交換コイル610は、DHEXパネル600の横方向および縦方向に広がるサーペンタイン構造を有し、DHEXパネル600の有効面積にわたって均一かつ効果的な熱交換を確実なものとしている。
フレーム620は、熱交換コイル610および、支持フレーム620から延びる支持リム630を確実に支持する。支持リム630は、ネジ、ボルト・ナットの組、クイック・コネクタなどの固定手段により、複数の開口640,650を介して、電子装置の部材を取り囲むコンピュータ演算ユニットの前部および/または後部に着脱可能に固定される。熱交換コイル610は、冷却領域の横縁に配置される内部配管660と連通する。この内部配管660を通って、水が熱交換コイル610から流れ、また熱交換コイル610へ流れる。
ここで図7を参照すると、DHEXパネル600の拡大構造700が示されている。図7(a)は、DHEXパネル600の平面図を示し、図7(b)は、その矢印Eの方向からの側面図を示す。図7(a)に示すように、熱交換コイル610は、冷却領域680を緻密に覆い、これによって、熱交換効率の不均一性を回避し、かつ熱交換性能を向上させている。同様に、図7(b)に示すように、熱交換コイル610は、空気の流れとの有効な熱交換領域を増大させるために、またDHEXパネル600の熱交換性能を改善するために、空気の流れの方向に沿って傾いている。
冷却水を循環させることを可能するために、配管670が内部配管660の終端からWCUに接続される。内部配管660および配管670は、溶接、はんだ付け、または鑞付けによって直接固定することができる。あるいは、内部配管660および配管670は、電子装置のメンテナンスを考慮して、適切な着脱可能なコネクタによって互いに接合される。
図8は、水冷媒シールド付き電子装置800の例示の実施形態をDHEXパネル600とともに示す。ここで、水冷媒シールド付き電子装置800では、水冷媒圧縮により作成された冷却水が、図2および図3に示した本WCU230またはWCU330により供給されている。図8に示す実施形態では、DHEXパネル600は、後部ドア式熱交換器として形成される。シールド付き電子装置800は、ケーシング810、つまりいわゆるアタッチメント・フレームを含む。ケーシング810は、ラック、コンピュータ演算ノード、および種々の配管などを取り囲んでいる。図8に図示するものと同一の構造を、熱交換パネルが配置される位置が前方であるか後方であるかと、空気の流れの方向とが異なるだけで、前方ドア式熱交換器にも適用することができる。ケーシング810内には、ラックの一組の側壁835,845と、複数のコンピュータ演算ノード(ノード#1〜ノード#N)と、DHEXパネル850とが組み込まれて、熱管理条件下においてコンピュータ演算機能を提供している。ラックは、コンピュータ演算ノード(ノード#1〜#N)をケーシング810内に安全に支持している。
例示の実施形態では、DHEXパネル850は、一方のラック終端部でヒンジ付けによりラックの後方終端に装着され、これによって、個別に後部ケーシングに組み込まれている。代替実施形態では、DHEXパネル850は、ケーシング810の一方の終端部でヒンジ付けされることによりケーシング810に組み込むこともでき、これによって、DHEXパネル850の取り扱いがケーシング810の動きに統合される。上記シールド付き電子装置800は、嵌合されたコネクタにより、冷却水がラックの側壁からコンピュータ演算ノード830に供給される。側壁は、水の流路として働きながら、水を蓄えるためのマニホールド(manifold)を提供する。ここで、図8を参照して、水冷媒シールドの冷却機構について、詳細を説明する。
第1の配管システムとして、A/C供給管870からの水が、WCUセット860内のWCU1へ導き入れられる。ここで、WCUセット860は、本発明により冷却水を再生するWCU1およびWCU2を含むものである。WCU1からの冷却水は、側壁845へ導き入れられる。側壁835,845は、同じ垂直レベルで互いに向き合う複数の接合コネクタを含む。コンピュータ演算ノード830は、公称条件下で水を漏らさないようなコネクタによって、接続配管840を介して同一の垂直レベルに位置する各コネクタに接続される。
説明する実施形態では、側壁835,845は、N個のコンピュータ演算ノードを保持し、冷却水が両方の側壁835,845からコンピュータ演算ノードへ導き入れられて、梯子状の流路を形成している。水は、例えばコンピュータ演算ノード830内部の部材と熱交換を行いながら、コンピュータ演算ノード830内を流れる。それから、水は、コンピュータ演算ノード830の外部へ流れ出し、側壁845へ導入される。その後、水は、逆方向にコンピュータ演算ノード(ノード#N−1)へ流れ、再び側壁835に導き入れられる。同様の流路が、WCU1への配管815が接続する排出位置まで提供される。水は、配管815からWCU1への排出される位置に対応する排出ポイントに到達する。
第2の配管システム2は、WCU2によって提供される。配管システム1と同様に、新しい冷却水が流れる。しかしながら、配管システム2がDHEXパネル850での熱交換のために提供されていることから、WCU2からの冷却水は、側壁835の低い位置で導き入れられる。側壁835から排出された水は、ポンプされて、DHEXパネル850での熱交換に供するために、コネクタ835aからDHEXパネル850の下部終端に装着されたコネクタ850aへとDHEXパネル850内へ導き入れられる。
DHEXパネル850に導き入れられた水は、DHEXパネル850の熱交換コイルを通って流れ、コンピュータ演算ノード830などを通過した空気の流れと熱交換を行う。それから、加熱された水は、コネクタ850bから排出されて、配管825を介して、側壁の下部終端のコネクタ845aから側壁845へ伝搬される。そして、役目を果たした水は、最終的には、側壁845に形成された排出ポートから排出され、WCU1に戻されて、戻された水から冷却された新しい水が再生される。
上述した水の流れは、配管システム1および配管システム2における圧力のバランスを考慮した1つの可能な実施形態である。しかしながら、当業者によれば、実際の事例における特定の構成を考慮して、流路の設計が調整できることが理解されるであろう。
図9は、図8に示したシールド付き電子装置800の概略的なブロック・ダイアグラム900を示す。図9に示すように、シールド付き電子装置800は、通常、長方形910内の部材を含み、このような部材は、ケーシング920と、コンピュータ演算ノード940と、およびDHEXパネル960とを含む。DHEXパネル960は、シールド付き電子装置の前方および後方またはこれらいずれかの側で、安全に保持される。DHEXパネル960は、上述したようにラックまたはケーシング920に取り付けることができる。説明する実施形態では、DHEXパネル960は、電子装置の後部側に取り付けられる。ケーシング920は、空気取込口935を有するフロントパネル930からDHEXパネル960へ延びて、コンピュータ演算ノード940などを含む部材を取り囲んでいる。WCU970は、配管980,990を介し、DHEXパネル960と連通し、これによって、空気の流れと水との熱交換を達成し、さらに、コンピュータ演算ノード940と連通している。
図9に示す実施形態では、配管システム980,990は、図9に示す実施形態に沿って設計することができる。しかしながら、WCU970は、配管システム980がDHEXパネル960へ水を供給し、配管システム990がコンピュータ演算ノード940に水を供給するというように、DHEXパネル960およびコンピュータ演算ノード940へ水を独立して供給することができる。
配管システム980は、破線で示すように、WCU970からコンピュータ演算ノード940の内側に延び、さらにWCU970へ延びて、コンピュータ演算ノード940からWCU970へ水を戻している。コンピュータ演算ノード940の内部まで延長された配管は、低温区画を提供する。これによって、ファン995によってコンピュータ演算ノード940内に取り込まれた冷却空気が、冷却空気がその中を通った時に、低温区画によって冷却される。低温区画は、配管システムが含む冷却管の配管流路として形成することができる。あるいは、低温区画は、その上にMPUなどが熱交換関係を有して配置されるコールド・プレートとして形成することができる。
ここで、図10を参照すると、コンピュータ演算ノード940の平面図が示されている。コンピュータ演算ノード940は、CPU1010、PCIバスユニット1020,I/Oユニット1030およびメモリ(DDR2規格のSRAM)など、いくつかのコンピュータ演算要素を囲い込んでいる。コンピュータ演算ノード940の内部では、冷却管が、コンピュータ演算ノード940の方向の厚み方向に、つまり、紙面の垂直方向に沿って並置されるように延び、低温区画1050を提供している。説明する実施形態では、コンピュータ演算ノード940は、複数のCPU1010と、空気冷却効率を改善するためにそれぞれのCPU1010に装着される冷却フィンとを含む。CPU1010は、いわゆるマルチコアまたはCPUグリッドアーキテクチャの協動モードで動作している。説明する実施形態では、CPU1010が8CPUノードにより実装されているが、本発明によるコンピュータ演算ノード940内に含まれるCPUまたはMPUの数に本質的な制限はない。
配管1070が低温区画1050を形成する冷却管に連通し、これによって1つのラック側壁からの水が導き入れられて、上述した熱交換スキームの後、コンピュータ演算コアからの水を他のラック側壁に戻すことができる。コンピュータ演算ノード940は、さらに、その中の要素の空冷を行いつつ、冷却空気がコンピュータ演算ノード940内部に流れるようにするためのファン1060を含む。
図11は、後部側から見たシールド付き電子装置1100の実施形態の典型的な実装を示す。説明するシールド付き電子装置1100は、価値のある社内情報、データベース情報、またはインターネット情報などを処理するためのエンタープライズ・サーバ1100として実装されている。ケーシング1110は、フロア1150の特定の位置に配置され、エンタープライズ・サーバ1100の後部終端部でDHEXパネル1120を安全に固定している。
フロア1150は、フロア1150の下に提供される空間から配管1130,1140、他のユーティリティ配管を通すための開口1160を有する。例えば、配管1130は、WCUからの冷却水を供給し、配管1140は、冷却水を再生するために役割を果たした水をWCUに戻す。また、既に構成された冷却装置を容易に用いるために、本発明の冷却装置とともに多孔性フロアを採用することができる。あるいは、コンピュータ・ルームの環境およびデータセンタの冷却性能が許すならば、本発明の冷却装置のみを導入することもできる。
ここで、図12を参照して、冷媒として水を用いた場合の冷却装置の冷却性能について説明する。図12は、入力水温についてCOP(Coefficient Of Performance)の値を出力水温に対して表された冷却性能曲線1200の結果を示す。縦座標は、COP値を表し、横座標は、出力水温を表す。実験曲線は、入力水温を表す。COP値は、下記に示す既知の式を用いて計算した:
Figure 2010072993
ここで、冷却性能(COOLING CAPACITY)は、空間内に取り囲まれる熱源により決定され、冷却消費電力(COOLING CONSUMPTION POWER)は、熱源による熱排出を処理するための電力である。したがって、高い値のCOPは、高い冷却効率を意味する。
図13に示すように、本発明の冷却装置では、出力水温が低くなるにつれて、COP値が小さくなり、また入力水温が低くなるにつれて、COP値が小さくなる。これらの観察結果は、入力水温を同じとした場合、より高温の水は、設定温度まで水を冷却するための多くの電力を必要としていることを示すものとしてある程度説明することができる。一方で、入力水温が、ターゲット出力温度である18℃よりも低い場合には、水は、入力される水を温めなければならないので、電力消費は低くなって、COP値の増加に寄与する。
上述まで説明したように、配管およびコイル周りで水が凝縮してしまうために、所与の値未満の水温は望ましくない。これに関して、水の温度は、最良の実施形態では、コンピュータ・ルームの通常の温度および湿度条件を考慮すると、約10℃から20℃の範囲とすることができる。ここで、例えば、水が18℃であることが要求されると仮定する。この場合、図13に示すように、本実施形態のCOP値は、約4.5から15以上までの範囲となる。
同様に、従来のHFCチラー・ユニットを用いる比較例では、18℃の冷却水を生成するためのCOP値は、3.5である。図12に示すCOP値が、入力および出力水温度に関連して変動しているが、冷却装置が、電子装置の冷却および/またはデータセンタの冷却に対して洗練されているため、差はかなり明瞭である。上述したように、水の凝縮を回避するために、水温は、入力水温よりも数℃低いか、または高くとも約20℃であることが望ましい。この温度範囲では、本発明の冷却装置は、電子装置において優秀な冷却効率かつ充分な冷却性能を提供することができる。
図13は、電子装置から温度を低減するための例示として他のグラフ1300示す。グラフ1300では、縦軸は、電子装置の後部終端から排気される温度(℃)を表し、横軸は、電子装置の動作を開始してからの時間(分:minutes)を表す。
図13に示すように、出力空気温度は、約10分間まで、約20℃から約60℃まで次第に上昇する。この温度は、約20℃の周囲温度に対してかなり高かった。それから、10分における動作時間では、DHEXパネルへの水循環を開始した。図13に示すように、放出される空気の流れの温度は、約60℃から約30℃まで急速に減少した。これは、コンピュータ演算ユニットの熱負荷が、従来のコンピュータ演算ユニットに対して約半分まで低減できることを意味している。
さらに、本発明者等は、本冷却装置を用いた二酸化炭素排出を改善するために簡易な試験を行った。すると、DHEXパネルは、28kVAの電子装置から背後から出てくる熱を、15kVA(約50000BTU:British Thermal Unit)までを除去できる。したがって、DHEXパネルを有する冷却装置の実装は、電力消費および二酸化炭素排出量に起因して、データセンタにおける熱問題および/またはデータセンタのメンテナンス・コストを低減することができる。
さらに、本発明は、コンピュータ演算性能を維持しつつ、また電子装置の堅牢な構造を保証しつつ、企業、政府機関および/または科学技術機関などのデータセンタなどの大規模コンピュータ演算設備のメンテナンス・コストを低減することによって、総電力消費を低減することができる。上述の傑出した利点に加えて、防食性の添加物を用いるための、また水品質を管理するためのメンテナンス・コストを回避して、これによって、長期メンテナンス・コストを低減することができる。
上述したように、これまで本発明を、特定の実施形態をもって説明してきた。しかしながら、本発明は、上述までの特定の実施形態に限定されるものではない。当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、本記述の教示に基づいて、多数の他の実施形態、追加、削除、代替の実施形態が存在することを認識するであろう。しかしながら、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
本発明の装置を含むデータセンタ制御システムにより空気調和されるコンピュータ・ルームを示す図。 冷却装置200の一般的な構成を示す図。 冷却装置の他の実施形態を示す図。 本発明による冷却機構400の詳細な実施形態を示す図。 本発明の他の冷却機構500を示す図。 ドア式熱交換器(DHEX)パネル600の概略を示す斜視図。 DHEXパネル600の拡大構造を示す図。 冷媒シールド付き電子装置800の実施形態を示す図。 図8に示すシールド付き電子装置の内部構造の概略的なブロック・ダイアグラム。 コンピュータ演算ノード940の概略を示す平面図。 後方側から見たシールド付き電子装置の典型的な実装の実施形態を示す図。 水を冷媒とした場合の冷却装置の冷却性能を示す図。 電子装置から温度を低減する例として他のグラフ1300を示す図。 電子装置のための典型的な冷却装置1400を示す図。 図14の冷却装置1400の空気の流れ1500の概略を示す図。

Claims (20)

  1. 半導体素子を含む電子装置のための冷却装置であって、前記冷却装置は、
    冷媒を貯留し、周囲圧力より低い減圧下で前記冷媒を蒸発させて、冷却された冷媒を生成するエバポレータと、
    前記エバポレータにバイパス管を通って連通し、前記冷媒の蒸気から前記冷媒を再生するコンデンサと、
    前記電子装置の熱交換領域に前記冷却された冷媒を供給して、前記電子装置の高温側で前記半導体素子を通過する空気流と熱交換を行わせ、前記熱交換の後の前記冷媒を前記コンデンサに戻し、流れ制御部材が前記熱交換領域の上流に配置される、循環ポンプおよび配管とを含み、
    前記冷媒の圧力は、前記流れ制御部材を介して前記熱交換領域で前記周囲圧力未満に維持される、冷却装置。
  2. 前記第1のバイパス管は、前記冷媒の前記蒸気を前記コンデンサに戻すためのコンプレッサを含み、前記冷却装置は、さらに、前記減圧を制御するバルブを含む第2のバイパス管を含む、請求項1に記載の冷却装置。
  3. 真空ポンプが、前記コンデンサに接続されて、前記コンデンサ内部の圧力を調整する、請求項2に記載の冷却装置。
  4. 前記コンデンサ内の前記冷媒は、冷却設備または、前記冷媒の温度を調和するための冷却設備に保持された熱交換槽へ循環される、請求項3に記載の冷却装置。
  5. 前記冷媒は、水であり、前記半導体部材は、マイクロプロセッサユニットおよび中央演算ユニット、またはこれらのいずれか一方である、請求項1に記載の冷却装置。
  6. 前記電子装置は、コンピュータによるコンピュータ演算を管理するデータセンタのコンピュータ・ルーム内に配置される、請求項1に記載の冷却装置。
  7. 前記電子装置は、コンピュータ情報処理するための半導体素子、メモリ、入出力ユニットおよびバスを含むコンピュータ演算ユニットと、前記コンピュータ演算ユニット内に配置される低温区画とを含み、前記熱交換領域は、前記電子装置に着脱可能に装着され個別に用意されたドア式熱交換パネルであり、前記冷媒の前記配管は、前記低温区画内に延びる、請求項1に記載の冷却装置。
  8. 前記冷媒は、水であり、前記水の温度は、前記冷却装置にわたって前記冷却装置の周囲温度よりも低い、請求項6に記載の冷却装置。
  9. 前記冷却装置は、検出信号線を介して、前記コンピュータ・ルーム内の周囲空気の温度、コンピュータ演算ノードの温度、前記電子装置の温度、および前記半導体素子の温度から選択される少なくとも1つの温度を検出するためのコントローラを含むコンピュータ・ルーム内の環境監視設備を含み、前記コントローラは、前記冷却装置の要素を制御して、前記冷媒の温度を10℃から前記コンピュータ・ルーム内の前記温度まで維持しつつ、前記コンピュータ・ルーム内の周囲温度を所定のレベルとする、請求項6に記載の冷却装置。
  10. 冷媒シールド付き電子装置であって、前記冷媒シールド付き電子装置は、
    コンピュータ情報処理するための部材を含むコンピュータ演算ノードであって、前記部材が、それぞれ、半導体素子、メモリ、入出力ユニットおよびバスを含む、該コンピュータ演算ノードと、
    一組の側壁を含む、前記コンピュータ演算ノードを保持するためのラックであって、前記側壁が、それぞれ、該側壁の中に前記冷媒が通過可能である、該ラックと、
    前記冷媒シールド付き電子装置に着脱可能に装着されるドア式熱交換パネルであって、前記ドア式熱交換パネルは、前記冷媒を受け入れ、前記冷媒のための流れ制御部材を介して前記冷媒の圧力が周囲圧力未満に維持されたサーペンタイン熱交換コイルを含む、該ドア式熱交換パネルと
    を含む、冷媒シールド付き電子装置。
  11. 前記コンピュータ演算ノードは、前記コンピュータ演算ノード内に配置され前記冷媒により冷却される低温区画と、ファンとを含み、前記ファンは、前記コンピュータ演算ノード内部の前記部材を冷却するために、前記コンピュータ演算ノード中へと前記ドア式熱交換パネルとに向かわせる空気の流れを引き起こす、請求項10に記載の冷媒シールド付き電子装置。
  12. 前記半導体素子を通過した後の前記空気の流れは、前記ドア式熱交換パネルを通過することで冷却された後、前記冷媒シールド付き電子装置の外に放出される、請求項11に記載の冷媒シールド付き電子装置。
  13. 前記冷媒は、水であり、前記半導体素子は、マイクロプロセッサユニットおよび中央演算ユニット、またはこれらのいずれか一方である、請求項10に記載の冷媒シールド付き電子装置。
  14. 前記冷媒シールド付き電子装置は、コンピュータによるコンピュータ演算を管理するデータセンタのコンピュータ・ルーム内に配置される、請求項10に記載の冷媒シールド付き電子装置。
  15. 半導体素子を含む電子装置を冷却するための方法であって、前記方法は、
    周囲圧力よりも低い減圧を有する冷却された冷媒を生成するステップと、
    前記電子装置の高温側にある前記電子装置の熱交換領域を通過する配管を介して、前記冷却された冷媒を循環させるステップと、
    前記半導体素子を通過した空気の流れと前記熱交換領域で熱交換を行うステップと、
    前記冷媒の蒸気から前記冷媒を再生するためのコンデンサに、前記熱交換後の前記冷媒を戻すステップとを含み、
    前記冷媒の圧力は、前記冷媒のための流れ制御部材を介して、前記熱交換領域で前記周囲圧力未満に維持される、方法。
  16. 前記方法は、さらに、前記蒸気を戻すための第1のバイパス管に接続されるコンプレッサおよび第2のバイパス管に接続されるバルブによって前記減圧を制御するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記方法は、さらに、前記コンデンサに接続された真空ポンプによって前記コンデンサ内部の圧力を調整するステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記方法は、さらに、前記冷媒の温度を調和するための冷却設備により保持される熱交換槽または冷却設備を介して、前記コンデンサ内の前記冷媒を循環させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記冷媒は、水であり、前記半導体素子は、マイクロプロセッサユニットおよび中央演算ユニット、またはこれらのいずれか一方であり、前記電子装置は、コンピュータによるコンピュータ演算を管理するデータセンタのコンピュータ・ルーム内に配置され、前記方法は、さらに、
    検出信号線を介して、前記コンピュータ・ルーム内の周囲空気温度、コンピュータ演算ノードの温度、前記電子装置の温度および前記半導体素子の温度から選択される少なくとも1つの温度を検出するステップと、
    前記冷媒の温度を10℃から前記コンピュータ・ルーム内の前記温度まで維持しつつ、前記コンピュータ・ルーム内の周囲温度を所定のレベルに制御するステップとを含む、請求項15に記載の方法。
  20. 冷媒シールド付き電子装置であって、前記冷媒シールド付き電子装置は、
    コンピュータ情報処理するための部材を含むコンピュータ演算ノードであって、前記部材が、それぞれ、半導体素子、メモリ、入出力ユニットおよびバスを含む、該コンピュータ演算ノードと、
    一組の側壁を含む、前記コンピュータ演算ノードを保持するためのラックであって、前記側壁が、それぞれ、該側壁の中に前記冷媒が通過可能である、該ラックと、
    前記冷媒シールド付き電子装置に着脱可能に装着されるドア式熱交換パネルであって、前記ドア式熱交換パネルは、前記冷媒を受け入れ、前記冷媒のための流れ制御部材を介して前記冷媒の圧力が周囲圧力未満に維持されたサーペンタイン熱交換コイルを含む、該ドア式熱交換パネルと
    を含み、
    前記コンピュータ演算ノードは、前記コンピュータ演算ノード内に配置され前記冷媒により冷却される低温区画と、ファンとを含み、前記ファンは、前記コンピュータ演算ノード内部の前記部材を冷却するために、前記コンピュータ演算ノード中へと前記ドア式熱交換パネルとに向かわせる空気の流れを引き起こし、前記冷媒は、水であり、前記半導体素子は、マイクロプロセッサユニットおよび中央演算ユニット、またはこれらのいずれか一方である、冷媒シールド付き電子装置。
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