JP2010072293A - カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ、及びカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ、及びカラーフィルタの製造方法 Download PDF

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【課題】現像性に優れ、更に、コントラスト及び輝度に優れた画素部を形成しうるカラーフィルタ用着色組成物を提供すること。
【解決手段】平均一次粒子径が10nm〜40nmであるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150とからなる有機顔料(A)、下記一般式(I)で表される繰り返し単位と(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位とを含む共重合体(B)、重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、及び有機溶剤(E)を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物(一般式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数2又は3のアルキレン基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、nは1〜15の整数を表す。)。
Figure 2010072293

【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルタ用着色組成物、該カラーフィルタ用着色組成物を用いてなるカラーフィルタ、及び該カラーフィルタの製造方法に関する。
カラーフィルタは、有機顔料や無機顔料を分散させた顔料分散組成物に、多官能性単量体、光重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂、及びその他の成分を混合して着色感光性組成物とし、これを用いてフォトリソグラフィー法などにより着色パターンを形成することで製造されることが一般的である。
近年、カラーフィルタは、液晶表示素子(LCD)用途ではモニターのみならずテレビ(TV)へと用途が拡大する傾向にあり、この用途拡大の傾向に伴い、色度、コントラストなどにおいて高度の色特性が要求されるに至っている。
また、イメージセンサ(固体撮像素子)用途においても同様に色特性の高いものが求められるようになっている。
上記のような要求に対しては一次粒子径を微細化した顔料を用いることが有効である。顔料の一次粒子径を微細化する方法として、例えば、顔料を、室温で固体かつ水不溶性の合成樹脂、食塩等の水溶性無機塩、及び前記合成樹脂を少なくとも一部溶解する水溶性有機溶剤と共に、ニーダー等で機械的に混練した後(以下、顔料、水溶性無機塩、及び水溶性有機溶剤を含む混合物を混練することをソルトミリングと呼ぶ)、水洗により、水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
この方法では、顔料の一次粒子の粉砕と結晶成長が並行して起こるため、最終的に粒度分布が狭く、平均粒子径が小さいわりに表面積の小さい顔料が得られ、カラーフィルタのように微細な粒子径の顔料を高濃度に分散する必要のある用途に適した方法である。
しかしながら、このようにして作られた顔料は、脱塩後の乾燥過程で激しい凝集を引き起こすため、分散性及び分散安定性が良好でない場合が多い。顔料の分散性が不充分である場合には、形成された着色パターンにフリンジ(エッジ部のギザギザ)や表面凹凸が生じ、製造されるカラーフィルタの色度や寸法精度が低下したり、コントラストが著しく劣化したりするという問題がある。また、顔料の分散安定性が不充分である場合には、カラーフィルタの製造工程において、特に、着色感光性組成物の塗布工程での膜厚の均一性が低下したり、露光工程での感光感度が低下したり、現像工程でのアルカリ溶解性が低下したりするという問題が生じ易い。更に、顔料の分散安定性が悪い場合には、時間の経過に伴い、着色感光性組成物の構成成分が凝集を起こして粘度が上昇し、ポットライフが極めて短くなるという問題もある。
このような問題を解決するための1つとして、例えば、ロジン又はロジン誘導体や、合成高分子化合物をソルトミリング時に添加する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、近年においてはコントラストのみならず、輝度においても高いカラーフィルタが求められてきている。高輝度且つ高コントラストのカラーフィルタを得るための方法として、緑色画素部に従来のC.I.ピグメントグリーン36やC.Iピグメントグリーン7に変えて、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを使用する方法が提案されている(例えば、特許文献3、4参照。)。
特開平7−13016号公報 特開平8−179111号公報 特開2004−70342号公報 特開2008−19383号公報
しかしながら、上記のようにポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを用いることで、カラーフィルタのコントラストと輝度だけに着目すればある程度の改善効果が得られているものの、このカラーフィルタを作製する際、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを含有する着色感光性組成物の現像において現像残渣が発生するといった問題がある。
つまり、高コントラスト及び高輝度の画素部を形成することができ、且つ、優れた現像性を有するカラーフィルタ用着色組成物を実現し得る技術については未だ確立されていないのが実状である。
そこで、本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の第1の目的は、現像性に優れると共に、コントラスト及び輝度に優れた画素部を形成しうるカラーフィルタ用着色組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、コントラスト及び輝度に優れ、更に画素欠陥が低減されたカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタの製造方法を提供することにある。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
即ち、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、平均一次粒子径が10nm〜40nmであるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150とからなる有機顔料(A)、下記一般式(I)で表される繰り返し単位と(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位とを含む共重合体(B)、重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、及び有機溶剤(E)を含有することを特徴とする。
Figure 2010072293
上記一般式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数2又は3のアルキレン基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、nは1〜15の整数を表す。
本発明において、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンが、ポリ臭素化亜鉛フタロシアニンであることが好ましい態様である。
また、共重合体(B)が、n−ブチル(メタ)アクリレート及び/又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを由来とする繰り返し単位を更に含むことが好ましく、また、共重合体(B)が、ベンジル(メタ)アクリレートを由来とする繰り返し単位を更に含むことも好ましい。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、更に、分散剤(F)を含有することも好ましい態様の1つである。
また、重合性化合物(C)が、2官能性単量体と、5官能性単量体及び6官能性単量体のから選択される少なくとも1種の単量体と、と、を含むことも好ましい。
本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成された画素部を有することを特徴とする。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を塗布して塗膜を形成した後、該塗膜にフォトリソグラフィー法を適用して画素部を形成することを特徴とする。
一般に、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150とからなる有機顔料を含むカラーフィルタ用着色組成物には、優れた現像性を付与することが難しく、特に、現像残渣が問題となることが多いことが知られている。
本発明においては、一般式(I)で表される繰り返し単位と(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位とを含む共重合体を併用することで、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150とからなる有機顔料を含むカラーフィルタ用着色組成物の現像性を高めることができる。
この作用は明確ではないが、上記の特定構造を有する共重合体を用いることによって、カラーフィルタ用着色組成物中での顔料の凝集が軽減されると共に、一般式(I)で表される繰り返し単位中のアルキレンオキシ部位が現像液を呼び込み、非露光部の基板界面の密着性を下げ、その結果として、現像残渣が残りにくくなるものと推定する。
また、上述の理由により、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて作製されるカラーフィルタは、現像残渣に由来する画素欠陥が低減されているものと思われる。
本発明によれば、現像性に優れると共に、コントラスト及び輝度に優れた画素部を形成しうるカラーフィルタ用着色組成物を提供することができる。
本発明によれば、コントラスト及び輝度に優れ、更に画素欠陥が低減されたカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタの製造方法を提供することができる。
以下、本発明のカラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ、及びその製造方法について詳細に説明する。
<カラーフィルタ用着色組成物>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、平均一次粒子径が10nm〜40nmであるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150とからなる有機顔料(A)、一般式(I)で表される繰り返し単位と(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位とを含む共重合体(B)、重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、及び有機溶剤(E)を含有することを特徴とする。
以下、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を構成する各成分について、詳細に説明する。
〔有機顔料(A)〕
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は有機顔料を含有しており、この有機顔料は、実質的にポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150との混合物からなる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物において、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン及びC.I.ピグメントイエロー150を含む有機顔料の総量は、本発明のカラーフィルタ用着色組成物中の溶剤を除いた総量に対して5質量%〜60質量%であることが好ましく、10質量%〜50質量%であることがより好ましく、最適には15質量%〜45質量%である。添加量をこの範囲とすることにより、色特性に優れ、コントラストが高く、輝度の高いカラーフィルタを得ることができる。
なお、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン及びC.I.ピグメントイエロー150以外の有機顔料(その他の有機顔料)を含んでもよいが、この場合、その他の有機顔料の含有比率は、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン及びC.I.ピグメントイエロー150の合計質量に対して、10質量%以下が好ましく、更に好ましくは5質量%以下である。
(ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン)
まず、本発明に用いるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンについて説明する。
一般に、亜鉛フタロシアニンは、フタロシアニン環中に16個の水素原子を有している。そのため、これらの水素原子を最大16個までハロゲン原子で置換することができる。例えば、これら水素原子を臭素原子と塩素原子とで置換すると、臭素原子数が0〜16個、塩素原子数が0〜16個、水素原子数が0〜16個の範囲で、理論上では合計136種類の置換体を製造できる。
本発明におけるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンは、フタロシアニン環中の水素原子を2個以上16個以下の範囲でハロゲン原子で置換したものである。ハロゲン原子としては、臭素原子、又は塩素原子が好ましい。また、置換するハロゲン原子は、全て同一であっても、それぞれ異なっていてもよい。
フタロシアニン環への置換基数を一定とした場合には、臭素原子>塩素原子の順に緑色が濃くなる。
このようなポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンの好ましい例としては、具体的には、下記一般式(1)にて表される化合物である。
Figure 2010072293
上記一般式(1)中、X〜X16は、いずれも独立に、塩素原子、臭素原子、又は水素原子である。ただし、全てのX〜X16のうち少なくとも8つは、塩素原子、又は臭素原子である。
ここで、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンは、臭素原子を8個以上含有することが、黄味を帯びた明度の高い緑色を発色し、カラーフィルタの緑色画素部への使用に最適であるので最適である。
本発明では、臭素原子を8個以上含有するポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを、特に、「ポリ臭素化亜鉛フタロシアニン」という。このポリ臭素化亜鉛フタロシアニンが、本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとしては好ましい。
ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンの平均組成は、マススペクトロスコピーに基づく質量分析と、フラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から容易に求められる。
ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンは、例えば、クロルスルホン酸法、ハロゲン化フタロニトリル法、溶融法等のような公知の製造方法で製造できる。より具体的な製造方法については、特開2008−19383号公報、特開2007−320986号公報、及び特開2004−70342号公報等に詳細に記載されており、ここに記載の方法を本発明にも適用することができる。
本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンは、平均一次粒子径が10nm〜40nmであるものを用いることを要する。
この範囲の平均一次粒子径のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを用いることにより、分散性安定性や着色力に優れるカラーフィルタ用着色組成物が得られることから、この組成物を用いることで、輝度が高く、コントラストの高い画素部を形成することができる。
なお、本発明における平均一次粒子径とは、透過型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影し、二次元画像上の、凝集体を構成するポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンの一次粒子、100個について、その長い方の径(長径)と短い方の径(短径)の平均値を各々求め、それを平均した値である。
平均一次粒子径が10nm〜40nmである本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを得るにあたっては、いずれの方法で微粒化されたものよいが、容易に結晶成長を抑制でき、かつ、平均粒子径の比較的小さい顔料粒子が得られる点で、ソルベントソルトミリング処理を採用するのが好ましい。
このソルベントソルトミリング処理とは、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンと、無機塩と、有機溶剤と、の混合物を混練摩砕することを意味する。粒子径の大きいポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンは、予め乾式摩砕してからソルベントソルトミリング処理を行ってもよい。
より具体的には、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンと、無機塩と、該無機塩を溶解しない有機溶剤と、を混練機に仕込み、その中で混練摩砕を行う。この際の混練機としては、例えば、ニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
ソルベントソルトミリング処理に用いる無機塩としては、水溶性無機塩が好適であり、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩が挙げられる。
また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。このような粒子径の無機塩は、通常の無機塩を微粉砕することにより容易に得られる。
本発明に用いる、平均一次粒子径が10nm〜40nmであるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを得るにあたっては、ソルベントソルトミリング処理において、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンの使用量に対する無機塩の使用量を高くするのが好ましい。即ち、無機塩の使用量は、質量換算で、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン1部に対して5部〜20部とするのが好ましく、7部〜15部とするのがより好ましい。
ソルベントソルトミリング処理に用いる有機溶剤としては、結晶成長を抑制し得る有機溶剤を使用することが好ましく、このような有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適であり、例えば、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール等が挙げられる。
ソルベントソルトミリング処理における水溶性有機溶剤の使用量は、特に限定されるものではないが、質量換算でポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン1部に対して0.01部〜5部、0.8部〜2部が好ましい。
ソルベントソルトミリング処理時の温度は、30℃〜150℃が好ましく、80℃〜100℃がより好ましい。また、ソルベントソルトミリング処理の時間は、5時間〜20時間が好ましく、8時間〜18時間がより好ましい。
こうして、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン、無機塩、及び有機溶剤を主成分として含む混合物が得られるが、この混合物から有機溶剤と無機塩を除去し、必要に応じて、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを主体とする固形物を、洗浄、濾過、乾燥、粉砕等をすることにより、微細なポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン粉体を得ることができる。
前記洗浄としては、水洗、湯洗のいずれも採用できる。
洗浄回数は、1回〜5回の範囲で繰り返すこともできる。
水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を用いた前記混合物の場合は、水洗することで容易に有機溶剤と無機塩を除去することができる。
また、前記濾別、洗浄後の乾燥としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80℃〜120℃の加熱等により、顔料の脱水及び/又は脱溶剤をする回分式或いは連続式の乾燥等が挙げられる。ここで、乾燥機としては、一般に、箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライアー等があり、これらが用いられる。
また、乾燥後の粉砕は、比表面積を大きくしたり、一次粒子の平均粒子径を小さくするための操作ではなく、例えば、箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いた乾燥の場合のように、顔料がランプ状等のとなった際に、顔料を解して粉体化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕等が挙げられる。
このようにして、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンの粉体が得られる。
本発明で用いるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンは顔料であるが、従来のハロゲン化銅フタロシアニンに比べて一次粒子の凝集力が弱く、より解れやすい性質を持つ。そのため、このポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを含有する本発明のカラーフィルタ用着色組成物は高コントラストの緑色画素部を形成することができる。
本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンの一次粒子は、更に縦横のアスペクト比が1〜3であると、本発明のカラーフィルタ用着色組成物において粘度特性が向上し、流動性がより高くなる。アスペクト比を求めるには、前記したような、一次粒子の平均粒子径を求める場合と同様に、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影する。そして、二次元画像上の、凝集体を構成する一次粒子の100個につき長い方の径(長径)と、短い方の径(短径)の平均値を求め、これらの値を用いて算出する。
また、平均一次粒子径が10nm〜40nmであるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンは、例えば、上述の方法によって得ることができるが、また、大日本インキ化学工業(株)の市販品を用いることも可能である。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物においては、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150とを組み合わせて用いる。組み合わせて用いるC.I.ピグメントイエロー150の平均一次粒子径も10nm〜40nmであることが好ましい。このような平均一次粒子径を有するC.I.ピグメントイエロー150は、従来公知の方法、例えば、ニーダーや連続式の微粒化装置でソルトミリングを行うことによって、容易に得ることができる。
本発明におけるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150との併用割合は、質量換算で、前記ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン100部当たり、C.I.ピグメントイエロー150が10部〜100部とすることが好ましく、更に好ましくは15部〜90部、最適には20部〜80部である。
〔共重合体(B)〕
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位と(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位とを含む共重合体(B)を含有する。
この共重合体(B)は、優れた顔料分散効果を発揮するため、本発明の着色組成物中において顔料の凝集を防ぎ、顔料が微細に分散した状態を維持する働きをする。この凝集防止効果は乾燥させた塗布膜中でも発揮され、現像時の残渣の低減に寄与する。また、アルキレンオキシ部位は現像液との親和性が高く、非露光部の基板界面との密着性を下げることにより、現像時の残渣の更なる低減に寄与する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物における共重合体(B)の含有量は、有機顔料の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部〜200質量部、更に好ましくは20質量部〜100質量部である。
Figure 2010072293
上記一般式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数2又は3のアルキレン基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、nは1〜15の整数を表す。
上記一般式(I)で表される繰り返し単位は、側鎖に存在するベンゼン環のπ電子の効果により顔料表面への吸着及び/又は配向性が良好となる。特に、この側鎖部分が、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド構造をとる場合には、その立体的な効果も加わり、顔料に対しより良好な吸着及び/又は配向面を形成することができるため、より効果が高く好ましい。
また、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表すが、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましい。また、Rがアルキル基である場合には、中でも、炭素数が1〜10であるアルキル基が好ましい。これは、Rが炭素数が1〜10のアルキル基である場合、このアルキル基が障害となり樹脂同士の接近を抑制し顔料への吸着及び/又は配向を促進するが、炭素数が10を越えるとアルキル基の立体障害効果が高くなりベンゼン環の顔料表面への吸着及び/又は配向までをも妨げてしまう場合があるためである。この現象は、Rのアルキル基の鎖長が長くなるに従い顕著となり、炭素数が20を越えるとベンゼン環の吸着及び/又は配向が極端に低下する。そのため、Rで表されるアルキル基は、炭素数が1〜20の範囲となる。
なお、Rで表されるアルキル基としては、無置換のアルキル基、又はフェニル基で置換されたアルキル基が好ましい。
また、一般式(I)におけるRは、現像性の観点から、炭素数2のアルキレン基であることが好ましい。
更に、一般式(I)におけるnは、現像性の観点から、1〜12の範囲が好ましい。
本発明における一般式(I)で表される繰り返し単位は、下記一般式(i)で表されるエチレン性不飽和単量体を用いて、共重合体(B)中に導入される。
Figure 2010072293
上記一般式(i)中、R、R、R、及びnは、前記一般式(I)におけるR、R、R、及びnと同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(i)で表されるエチレン性不飽和単量体としては、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
共重合体(B)中の一般式(I)で表される繰り返し単位の含有割合は、0.1質量部〜50質量部が好ましく、10質量部〜35質量部であることがより好ましい。
この範囲であると、十分な現像性改良効果が得られ、また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物中の他の成分との十分な相溶性も得られる。
本発明における共重合体(B)は、前記一般式(I)で表される繰り返し単位に加え、(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位を含む。
共重合体(B)中の(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位の含有割合は、15質量部〜50質量部が好ましく、20質量部〜40質量部であることがより好ましい。
この範囲であると、アルカリ現像液への溶解性が得るため、また、現像時の、画素部の基板からの脱落や、画素部表面の膜荒れの発生を抑制することができる。
本発明における共重合体(B)は、一般式(I)で表される繰り返し単位及び(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位以外に、他の繰り返し単位を含んでいてもよい。
この他の繰り返し単位を形成しうる単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ)ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)ペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートアシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、3クロロ2アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
これらの中でも、共重合体(B)は、n−ブチル(メタ)アクリレート及び/又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを由来とする繰り返し単位を含むことが好ましい。
共重合体(B)中のn−ブチル(メタ)アクリレート及び/又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを由来とする繰り返し単位の含有割合は、5質量部〜70質量部が好ましく、10質量部〜60質量部であることがより好ましい。
また、共重合体(B)は、n−ブチル(メタ)アクリレート及び/又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを由来とする繰り返し単位に加え、或いは、これらとは別に、ベンジル(メタ)アクリレートを由来とする繰り返し単位を含むことも好ましい。
共重合体(B)中のベンジル(メタ)アクリレートを由来とする繰り返し単位の含有割合は、5質量部〜60質量部が好ましく、10質量部〜50質量部であることがより好ましい。
本発明における共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは3,000〜100,000であり、好ましくは5,000〜40,000であり、更に好ましくは7,000〜30,000である。
〔その他の樹脂〕
本発明のカラーフィルタ用着色組成物では、本発明の効果を損なわない範囲において、前述の共重合体(B)以外の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂を併用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
また、活性エネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
〔重合性化合物(C)〕
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、モノマー、オリゴマー等の重合性化合物(C)を含有する。
本発明における重合性化合物の使用量は、前述の共重合体(B)100質量部に対して、好ましくは5質量部〜500質量部、より好ましくは20質量部〜300質量部である。この範囲であると、画素部の強度や表面平滑性が十分に得られ、アルカリ現像性が良好となるため、未露光部における基板上や遮光層上に地汚れ、膜残り等の発生が抑制される。
本発明に用いられるモノマー、オリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルや、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
これらは単独で使用してもよいし、2種類以上混合して用いることもできる。
本発明においては、重合性化合物(C)として、2官能性単量体と、5官能性単量体及び6官能性単量体のから選択される少なくとも1種の単量体と、を併用することが、現像性の観点から特に好ましい。
2官能性単量体の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル]プロパン、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸変性物、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、好ましくはジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸変性物が挙げられる。
これらの中でも、現像性やパターンの断面形状を良好に保つという観点で、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレートがより好ましい。また、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレートの中では、エトキシの繰り返し数が、左右の数の合計で、10から30であるものが、現像性の観点で好ましく、15から25であるものが最も好ましい。
また、5官能性単量体又は6官能性単量体の例としては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートや、共栄社化学(株)製のUA−306H、UA−306T、UA−306I等のウレタンアクリレートが挙げられる。
これらの中でも、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが、溶剤耐性の観点で好ましく、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの3対7(質量比)の混合物が溶剤耐性の観点で最も好ましい。
また、2官能性単量体と、5官能性単量体及び/又は6官能性単量体との併用の割合は、2官能性単量体100質量部に対して5官能性単量体及び/又は6官能性単量体の割合が20質量部〜500質量部であることが、現像性及び溶剤耐性の観点から好ましい。
〔光重合開始剤(D)〕
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は光重合開始剤(D)を含有する。
この光重合開始剤は、有機顔料の合計100質量部に対して、好ましくは5質量部〜200質量部、より好ましくは10質量部〜150質量部の範囲で用いることができる。
光重合開始剤(D)としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤;
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤;
チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤;
2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤;
ボレート系光重合開始剤;
カルバゾール系光重合開始剤;
イミダゾール系光重合開始剤;等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、単独で或いは2種以上混合して用いることができる。
また、これらの光重合開始剤には、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル−9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
増感剤は、光重合開始剤100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜60質量部の量で用いることができる。
〔有機溶剤(E)〕
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は有機溶剤(E)を含有する。
有機溶剤は、有機顔料100質量部に対して、好ましくは800質量部〜4000質量部、より好ましくは1000質量部〜2500質量部の範囲で用いることができる。
有機溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの有機溶剤は、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
〔分散剤(F)〕
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、前述の共重合体(B)の他に、分散剤(F)として、顔料分散性に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きい樹脂型分散剤を添加することが好ましい。
樹脂型分散剤は、有機顔料100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜60質量部、より好ましくは0.1質量部〜40質量部の範囲で用いることができる。
樹脂型分散剤は、酸性基又は塩基性基をアンカーとして顔料の表面に吸着し、ポリマーの反発効果が有効に作用して分散安定性保持を発現することから、酸性基又は塩基性基を有するポリマーであることが好ましい。
酸性基としては、吸着特性に優れる点でカルボン酸基又はスルホン基が好ましく、塩基性基としては、吸着特性に優れる点でアミノ基が好ましい。
また、酸性基を有する色素誘導体と塩基性基を有する樹脂型分散剤との併用、又は、塩基性基を有する色素誘導体と酸性基を有する樹脂型分散剤との併用は、顔料への吸着特性がより一層向上するため、好ましい。
樹脂型分散剤として用いる酸性基又は塩基性基を有するポリマーとしては、酸性基又は塩基性基を有する幹ポリマー部に枝ポリマー部がグラフト結合した構造の櫛型ポリマーが、枝ポリマー部の優れた立体反発効果から有機溶剤可溶性をより有するため好ましい。
更に、幹ポリマー1分子に2分子以上の枝ポリマーがグラフト結合した分子構造を有する櫛型ポリマーが上記理由からより好ましい。
また、市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、又はAnti−Terra−U、203、204、又はBYK−P104、P104S、220S、又はLactimon、Lactimon−WS又はBykumen等、アビシア社製のSOLSPERSE−3000、9000、13240、13650、13940、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32600、34750、36600、38500、41000、41090、53095等、エフカケミカルズ社製のEFKA−46、47、48、452、LP4008、4009、LP4010、LP4050、LP4055、400、401、402、403、450、451、453、4540、4550、LP4560、120、150、1501、1502、1503等が挙げられる。
〔色素誘導体(G)〕
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、分散後の顔料の再凝集を防止する効果を有する色素誘導体(G)を添加することが好ましい。
色素誘導体(G)の含有量は、有機顔料の合計100質量部に対して、好ましくは0.001質量部〜40質量部、更に好ましくは1質量部〜30質量部である。
色素誘導体は、有機色素に塩基性又は酸性の置換基を導入した化合物である。有機色素には、一般に色素とは呼ばれていない淡黄色の芳香族多環化合物、例えば、ナフタレン、アントラキノン、アクリドン等も含まれる。色素誘導体としては、特開63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報、特開平9−176511公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体が有する塩基性基として具体的には、下記一般式(2)、(3)、(4)、又は(5)で表される置換基が挙げられる。特に、下記一般式(5)で表されるトリアジン環を含む塩基性基を有する色素誘導体は、顔料の分散効果が大きいため好適に用いられる。
Figure 2010072293
上記一般式(2)〜(5)中のX、n、R01〜R09、及びYは以下の通りです。
Xは、−SO−、−CO−、−CHNHCOCH−、−CH−、又は単結合を表す。
nは1〜10の整数を表す
01、及びR02は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいフェニル基を表す。ここで、アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。なお、R01とR02とが互いに結合して、更なる窒素原子、酸素原子、或いは硫黄原子を含む複素環を形成していてもよい。この複素環は更に置換基を有していてもよい。
03は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいフェニル基を表す。ここで、アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
04、R05、R06、及びR07は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいフェニル基を表す。ここで、アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
Yは、−NR−Z−NR’−、又は単結合を表す。−NR−Z−NR’−中の、R、及びR’は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいフェニル基を表す。ここで、アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。また、Zは、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基、又は置換されていてもよいフェニレン基を表す。ここでは、アルキレン基及びアルケニレン基の炭素数は1〜8が好ましい。
08は、下記一般式(6)で表される置換基、又は下記一般式(7)で表される置換基を表す。
09は、水酸基、アルコキシル基、下記一般式(6)で表される置換基、又は下記一般式(7)で表される置換基を表す。
Figure 2010072293
上記一般式(6)及び(7)において、R01〜R07、及びnは、前述したR01〜R07、及びnと同義であり、好ましい例も同様である。
また、色素誘導体が有する酸性基として具体的には、スルホン酸基、テレフタル酸モノアミドメチル基等が挙げられる。
スルホン酸基は、アルミニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム等の金属や、アミンと塩を形成していてもよい。
特に、酸性基を有する色素誘導体のアルミニウム塩は、処理顔料の分散効果が大きいため好適に用いられる。
色素誘導体を構成する有機色素としては、例えば、ジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素等が挙げられる。
〔その他の添加剤〕
(分散助剤)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、適宜、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。
分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を樹脂に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。
分散助剤は、有機顔料100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜40質量部、より好ましくは0.1質量部〜30質量部の範囲で用いることができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミンなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;
アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤;が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(貯蔵安定剤)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。
貯蔵安定剤は、顔料の合計100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜10質量部の範囲で用いることができる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸及びそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、前述した成分の混合物(有機顔料、色素誘導体、共重合体等)を2本ロールミルにより練肉してシート状物とする工程を複数回行った後、粉砕することで得られるチップを用いて調製されてもよい。ここで用いる混合物は、2本ロールミルで練肉される前に、各成分が充分に混合されて均質に分散された状態にしたものを用いるのが特に好ましい。
上記混合物を混練するのに用いられる混練機は、2本ロールミルであり、そのものをロールの回転速度比が1:1.1〜1:1.3であり、ロールの間隙が0.5mm〜3.0mmの範囲に調節して使用することが好ましい。回転速度比がこの範囲であると、剪断力がかかり、顔料の分散が十分に進行する。また、ロールの間隙がこの範囲にあると、剪断力がかかり、顔料の分散が十分に進行すると共に、混合物が2本のロール間を通過し易くなり、得られるシート状物への衝撃が抑えられ、用いる顔料によって発生する発火の危険性も低下する。
前記練肉してシート状物とする工程は、上記混合物を上記の2本ロールミルの回転している2本のロール間隙に通して、シート状物を形成させるものであるが、形成したこのシート状物を数枚に折り畳み、再度ロールミルに通すことを複数回行う。また、上記混合物をロール間隙に通して練肉する上記の方法に替えて、上記混合物を2本ロールに巻きつかせて練肉する方法も採用でき、この方法も上記の方法と同様の効果が得られる。
前記チップ製造工程は、必要に応じて溶剤の存在下で行うことができる。
溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のエステル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が使用できる。
更に溶剤は1種に限らず、2種以上混合して用いることができ、また、上記各成分を混合して上記混合物とする際に用いてもよい。
工程は、通常20℃〜120℃の温度範囲で行われる。また、2本ロールミルのロールの回転速度は、通常10r.p.m.〜50r.p.m.の範囲であり、この範囲内で2本のロールの回転速度比を上記の値に調整される。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物で使用する顔料分散液は、例えば、上記チップを有機溶剤に撹拌溶解させ、ビーズミル等のメディア分散機で分散することにより得ることができる。また、チップを用いずに上記混合物と有機溶剤をビーズミル等のメディア分散機で分散することによっても得ることができる。
ビーズミルを用いて顔料分散液を調製する際には、例えば、直径0.01mm〜1mm程度のガラスビーズ、チタニアビーズやジルコニアビーズ等を使用し、顔料混合液を、好ましくは冷却水等で冷却しながら混合・分散することにより実施することができる。
この場合、ビーズの充填率は、好ましくはミル容量の50%〜90%である。また処理時間は、好ましくは2時間〜50時間、より好ましくは2時間〜25時間である。
なお、本発明のカラーフィルタ用着色組成物はポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150を含有するが、それぞれの顔料は別々の顔料分散液として分散してもよいし、共分散を行ってもよい。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、上述の顔料分散液に、重合性化合物、光重合開始剤、溶剤、必要に応じてその他の成分等を配合することにより調製できる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、更に好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。
<カラーフィルタ、及びその製造方法>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成される画素部を有するカラーフィルタである。
カラーフィルタには、少なくとも1つの赤色画素部、少なくとも1つの緑色画素部、及び少なくとも1つの青色画素部を具備する加法混色型や、減法混色型のものがあり、緑色画素部が、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成される。
緑色画素部以外の画素部を形成する際に用いるカラーフィルタ用着色組成物としては、各色顔料、前記共重合体(B)、前記重合性化合物(C)、等を含有する通常の各色着色組成物を用いて形成することができる。
赤色着色組成物には、例えばC.I.Pigment Red 7,14,41,48:1,48:2,48:3,48:4,81:1,81:2,81:3,81:4,146,168,177,178,184,185,187,200,202,208,210,246,254,255,264,270,272,279等の赤色顔料が用いられる。
赤色着色組成物には、C.I.Pigment Orange 43,71,73等の橙色顔料や、C.I.Pigment Yellow83,110,138,139,150,180,185等の黄色顔料を併用することができる。
また、青色着色組成物には、例えば、C.I.Pigment Blue 15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64等の青色顔料が用いられる。
青色着色組成物には、C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,29,30,32,37,40,42,50等の紫色顔料を併用することができる。
本発明のカラーフィルタは、フォトリソグラフィー法を適用して、本発明のカラーフィルタ用着色組成物及び通常の各色着色組成物を用いて基板上に各色の画素部を形成することにより製造することができる。
基板としては、可視光に対して透過率の高いガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
フォトリソグラフィー法による各色画素部の形成は、下記の方法で行う。
まず、光照射により硬化する、溶剤現像型或いはアルカリ現像型の着色レジスト材として調製した着色組成物(本発明のカラーフィルタ用着色組成物又は通常の各色着色組成物)を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2μm〜5μmとなるように塗布する。その後、必要により、乾燥された膜には、この膜と接触或いは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。露光後、溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するか、若しくは、スプレーなどにより現像液を噴霧して、膜の未硬化部を除去し所望のパターンを形成する。これと同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。
更に、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
前記現像に際しては、アルカリ現像液として、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
また、紫外線に対する露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、その膜上に、水溶性或いはアルカリ可溶性樹脂、例えば、ポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、「部」及び「%」とは、「質量部」及び「質量%」を意味する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
〔合成例1:共重合体(1)の合成〕
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管、及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート10.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸7.4部、ベンジルメタクリレート3.7部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製「アロニックスM110」)3.7部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(1)の溶液を得た。この共重合体(1)の重量平均分子量は、19,000であった。
〔合成例2:比較用共重合体(2)の合成〕
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管、及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.0部、メタクリル酸4.3部、ベンジルメタクリレート8.0部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(2)の溶液を得た。この比較用共重合体(2)の重量平均分子量は、23,000であった。
〔合成例3:スルホン化色素誘導体のアルミニウム塩の合成〕
キノフタロン系黄色顔料C.I.Pigment Yellow 138(BASF社製「パリオトールイエロー K0960−HD」)30部を、発煙硫酸(25%SO)と硫酸から調製した101%硫酸300部中に溶解し、70℃にて8時間攪拌し、スルホン化反応を行った。反応の終点は、硫酸溶液の分光スペクトルを測定し、スペクトルの変化が見られなくなる点とした。次いで、この反応溶液を氷水3000部中に注入し、析出するスルホン化色素誘導体を濾別、水洗してスルホン化色素誘導体のペーストを得た。
得られたスルホン化色素誘導体について、LC−MASS分析を行った。HPLC(カラム:東ソー社製「ODS−100S」)にて、面積比80%を占める主ピークの分子量は、Mw=774(エレクトロンスプレー方式、マイナスモード)であり、C.I.Pigment Yellow 138のモノスルホン化誘導体の分子量と一致した。また、1H−NMRにより、下記構造のスルホン化色素誘導体であると同定された。
Figure 2010072293
得られたスルホン化色素誘導体のペーストを、水10000部に再分散した(pH2.5)。次いで、水酸化ナトリウム水溶液でpH11に調整して溶解し、赤い溶液とした。この溶液に、硫酸アルミニウム水溶液(液体硫酸バンド)278部を徐々に添加した。滴下した箇所から析出物が次々に現れ、添加と共にpHが低下、添加終了時にはpH3.6、ブリードは見られなかった。この析出物を含むスラリーを濾別、水洗して、C.I.Pigment Yellow 138のスルホン化誘導体のアルミニウム塩を得た。
乾燥後の収量は334部、収率は99%であった。得られたスルホン化色素誘導体のアルミニウム塩は、下記の構造であると推測される。
Figure 2010072293
[実施例1]
(チップ製造方法)
下記の組成Aの混合物を予め充分混合した後、2本ロールミルにて練肉し、シート状物とした。このシート状物を数枚に折り畳み、再度2本ロールミルに通した。この工程を10〜40回繰り返し行った後、粉砕機で粉砕することで緑色チップを作製した。
−組成A−
・ポリ臭素化亜鉛フタロシアニン(平均一次粒子径25nm) 7.3部
・C.I.ピグメントイエロー150(平均一次粒子径25nm) 3.7部
・トリアジン環を含む塩基性顔料誘導体(下記構造) 1.0部
・合成例1で得られた共重合体(1)溶液 14.0部
Figure 2010072293
(顔料分散液の製造方法)
下記の組成Bの混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.3mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5μmのフィルターで濾過し、顔料分散液を作製した。
−組成B−
・前述のようにして得られた緑色チップ 16.0部
・合成例1で得られた共重合体(1)溶液 2.0部
・酸性基を有する樹脂型分散剤 2.4部
(ビックケミー社製「Disperbyk−111」)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.6部
(緑色着色組成物の製造方法)
次いで、下記の組成Cの混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルターで濾過して、感光性を有する緑色着色組成物を得た。
−組成C−
・前述のようにして得られた顔料分散液 67.0部
・合成例1で得られた共重合体(1)溶液 5.0部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 4.0部
・光重合開始剤 1.4部
(チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガキュア907」)
・増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.2部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 22.4部
得られた緑色着色組成物を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、色濃度の指標となるy値が0.595となるようにスピンコーターを用いて2枚塗布した後、90℃のクリーンオーブン内で2分間プリベークを行って、塗膜を形成した。
次いで、この基板を室温に冷却した後、2枚の塗膜基板うち1枚を用意し、この基板の塗膜に、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して、365nm、405nm、及び436nmの各波長を含む放射線を1,000J/mの露光量で露光した。その後、この基板を23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液に1分間浸漬して、現像した後、超純水で洗浄して風乾した。更にその後、230℃で30分間ポストベークを行って、基板上に緑色のストライプ状画素パターンを形成した。
この基板を、後述する異物、色度、及び現像性の評価用基板とした。
また、もう1枚の塗膜基板の塗膜に、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介さず、365nm、405nm、及び436nmの各波長を含む放射線を1,000J/mの露光量で露光した。その後、230℃で30分間ポストベークを行って、基板上にベタ状の緑色の硬化膜を形成した。
この基板を、後述するコントラスト比の評価用基板とした。
−異物及び色度の評価−
形成された画素パターンを光学顕微鏡にて観察したところ、画素上に異物は認められなかった。
また、画素の色度をカラーアナライザーMCPD2000(大塚電子(株)製)にて評価したところ、(x,y,Y)=(0.299,0.595,59.5)であった。
−現像性の評価−
露光工程において、光が照射されなかった領域(未露光部)の残渣の有無を光学顕微鏡で観察し、現像性を評価したところ、未露光部に若干量の残渣が認められたが実用上問題となるレベルではなかった。
−コントラスト比の評価−
得られた基板を2枚の偏光板で挟み、背面側から蛍光灯(波長範囲380〜780nm)で照射しつつ前面側の偏光板を回転させ、透過する光強度を輝度計LS−100(MINOLTA社製)にて最大値と最小値を測定し、その最大値を最小値で割った値として、コントラスト比を評価したところ、11,100であった。
なお、コントラスト値は10,000を超えていれば良好といえる。
[実施例2]
実施例1において、「トリアジン環を含む塩基性顔料誘導体(前記構造)」を、合成例3で得られた「スルホン化色素誘導体のアルミニウム塩」に代え、また、「酸性基を有する樹脂型分散剤(ビックケミー社製、「Disperbyk−111」)を「塩基性基を有する樹脂型分散剤(アビシア社製、「ソルスパース24000」)に代えた以外は、実施例1と同様にして緑色着色組成物を得た。
その後、得られた緑色着色組成物を用いて、実施例1と同様にして、異物、色度、及び現像性の評価用基板と、コントラスト比の評価用基板を作製した。そして、これらの評価用基板を用いて、実施例1と同様の評価を行った。
評価の結果、画素上に異物は認められず、画素の色度は(x,y,Y)=(0.300,0.595,59.7)であった。また、未露光部には若干量の残渣が認められたが実用上問題となるレベルではなかった。コントラスト比は10,900であった。
[実施例3]
実施例1において、「トリアジン環を含む塩基性顔料誘導体(前記構造)」を、合成例3で得られた「スルホン化色素誘導体のアルミニウム塩」に代え、また、「酸性基を有する樹脂型分散剤(ビックケミー社製、「Disperbyk−111」)を「塩基性基を有する樹脂型分散剤(アビシア社製、「ソルスパース24000」)に代え、更に、組成C中の「ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 4.0部」を「ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 3.0部、及び、A−BPE−20(新中村化学工業(株)製) 1.0部」に変更した以外は、実施例1と同様にして緑色着色組成物を得た。
なお、A−BPE−20の構造は下記の通りである。
Figure 2010072293
その後、得られた緑色着色組成物を用いて、実施例1と同様にして、異物、色度、及び現像性の評価用基板と、コントラスト比の評価用基板を作製した。そして、これらの評価用基板を用いて、実施例1と同様の評価を行った。
評価の結果、画素上に異物は認められず、画素の色度は(x,y,Y)=(0.300,0.595,59.6)であった。また、未露光部に残渣は認められなかった。コントラスト比は11,100であった。
[比較例1]
実施例1において、「合成例1で得られた共重合体(1)溶液」を「合成例2で得られた共重合体(2)溶液」に代えた以外は、実施例1と同様にして緑色着色組成物を得た。
その後、得られた緑色着色組成物を用いて、実施例1と同様にして、異物、色度、及び現像性の評価用基板と、コントラスト比の評価用基板を作製した。そして、これらの評価用基板を用いて、実施例1と同様の評価を行った。
評価の結果、画素上に異物は認められず、画素の色度は(x,y,Y)=(0.299,0.595,59.4)であったが、未露光部に実用上問題となるレベルの残渣が認められた。また、コントラスト比は10,800であった。
[比較例2]
実施例2において、「合成例1で得られた共重合体(1)溶液」を「合成例2で得られた共重合体(2)溶液」に代えた以外は、実施例2と同様にして緑色着色組成物を得た。
その後、得られた緑色着色組成物を用いて、実施例1と同様にして、異物、色度、及び現像性の評価用基板と、コントラスト比の評価用基板を作製した。そして、これらの評価用基板を用いて、実施例1と同様の評価を行った。
評価の結果、画素上に異物は認められず、画素の色度は(x,y,Y)=(0.300,0.595,59.6)であったが、未露光部に実用上問題となるレベルの残渣が認められた。また、コントラスト比は10,700であった。
[比較例3]
(アクリル樹脂溶液の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量26,000のアクリル樹脂の溶液を得た。これを室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、また、先に合成したアクリル樹脂の溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
次に、粗製緑色顔料の合成法を示す。
なお、合成した粗製顔料中の金属の測定は、以下の方法で行った。
まず、100mlビーカーに粗製顔料0.5g、硫酸1ml、及び硝酸3mlを入れ、ガスコンロで1時間30分加熱して分解後、600℃の電気炉で4時間加熱して分解した。分解物に、塩酸5ml及び純水25ml入れて溶解し、溶解物を50mlに定容し、ICP原子発光分光分析により金属原子量を測定した。
また、粗製顔料中の塩素原子、臭素原子の数(1分子内に含まれる平均塩素数及び平均臭素数)は、No.6の濾紙に粗製顔料0.01gを包み、過酸化水素5滴を滴下して、酸素置換した燃焼フラスコ中で燃焼した。燃焼後100mlに定容し、イオンクロマトグラフ分析により測定した。
(粗製ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料の合成)
塩化アルミニウム356部及び塩化ナトリウム6部の200℃の溶融塩に、アルミニウムフタロシアニン46部を溶解し、130℃まで冷却し1時間攪拌した。反応温度を180℃に昇温し、臭素を1時間あたり10部で10時間滴下した。その後、塩素を1時間あたり0.8部で5時間導入した。この反応液を水3200部に徐々に注入した後、濾過、水洗して110.8部の粗製ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料を得た。
粗製ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料の1分子内に含まれる平均臭素原子数は14.0個、平均塩素原子数は2.0個であった。
(粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の合成)
塩化アルミニウム356部及び塩化ナトリウム6部の200℃の溶融塩に、亜鉛フタロシアニン46部を溶解し、130℃まで冷却し1時間攪拌した。反応温度を180℃に昇温し、臭素を1時間あたり10部で10時間滴下した。その後、塩素を1時間あたり0.8部で5時間導入した。この反応液を水3200部に徐々に注入した後、濾過、水洗して107.8部の粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を得た。
粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の1分子内に含まれる平均臭素原子数は14.1個、平均塩素原子数は1.9個であった。
続いて、下記の方法で粗製ハロゲン化金属フタロシアニン顔料を顔料化処理し、フタロシアニン系緑色顔料を製造した。
(フタロシアニン系緑色顔料1の作製)
粗製ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料100部、塩化ナトリウム100部、ジエチレングリコール50部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で2時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、フタロシアニン系緑色顔料1を得た。
(フタロシアニン系緑色顔料2の作製)
粗製ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料の代わりに、粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を用いた以外は、フタロシアニン系緑色顔料1と同様の方法でフタロシアニン系緑色顔料2を得た。
(顔料分散液の作製)
下記の組成Dの混合物を均一に撹拌混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて、picoミルで10時間分散した後、5μmのフィルターで濾過し、顔料分散液を作製した。
−組成D−
・前記フタロシアニン系緑色顔料1 5.4部
・前記フタロシアニン系緑色顔料2 8.1部
・下記構造の塩基性基を有する色素誘導体 1.5部
・上述の方法で得られたアクリル樹脂溶液 40.0部
・ジペンタエリストリトールペンタアクリレート及びヘキサアクリレート 7.0部
(東亞合成社製「アロニックスM400」)
・シクロヘキサノン 38.0部
Figure 2010072293
(緑色着色組成物の作製)
次いで、下記組成Eの混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルターで濾過し、着色組成物を作製した。
−組成E−
・上述のようにして得られた顔料分散液 53.33部
・上述の方法で得られたアクリル樹脂溶液 7.75部
・光重合開始剤 2.24部
(チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガキュア907」)
・界面活性剤(ビックケミー社製「BYK−323」) 0.03部
・貯蔵安定剤(北興化学社製「TPP」) 0.20部
・シクロへキサノン 36.45部
得られた緑色着色組成物を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、色濃度の指標となるy値が0.595となるようにスピンコーターを用いて塗布した後、90℃のクリーンオーブン内で2分間プリベークを行って、塗膜を形成した。
次いで、この基板を室温に冷却した後、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を1,000J/mの露光量で露光した。その後、この基板を23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液に1分間浸漬して、現像した後、超純水で洗浄して風乾し、更に230℃で30分間ポストベークを行って、基板上に緑色のストライプ状画素パターンを形成した。
形成された画素パターンを光学顕微鏡にて観察したところ、画素上に異物は認められなかった。
また、露光工程において、光が照射されなかった領域(未露光部)の残渣の有無を光学顕微鏡で観察し、現像性を評価したところ、未露光部に実用上問題となるレベルの残渣が認められた。
以上のように、実施例の緑色着色組成物では、異物も見られず、高輝度で、且つ、光コントラストの画素を形成しうることが分かる。また、実施例の緑色着色組成物を用いると、比較例と比べ、現像の際の現像残渣も抑制されることが分かる。

Claims (8)

  1. 平均一次粒子径が10nm〜40nmであるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150とからなる有機顔料(A)、下記一般式(I)で表される繰り返し単位と(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位とを含む共重合体(B)、重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、及び有機溶剤(E)を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
    Figure 2010072293
    (上記一般式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数2又は3のアルキレン基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、nは1〜15の整数を表す。)
  2. 前記ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンが、ポリ臭素化亜鉛フタロシアニンであることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. 前記共重合体(B)が、n−ブチル(メタ)アクリレート及び/又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを由来とする繰り返し単位を更に含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  4. 前記共重合体(B)が、ベンジル(メタ)アクリレートを由来とする繰り返し単位を更に含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  5. 更に、分散剤(F)を含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  6. 前記重合性化合物(C)が、2官能性単量体と、5官能性単量体及び6官能性単量体のから選択される少なくとも1種の単量体と、を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成された画素部を有することを特徴とするカラーフィルタ。
  8. 基板上に、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物を塗布して塗膜を形成した後、該塗膜にフォトリソグラフィー法を適用して画素部を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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