JP2010072293A - カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ、及びカラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平均一次粒子径が10nm〜40nmであるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150とからなる有機顔料(A)、下記一般式(I)で表される繰り返し単位と(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位とを含む共重合体(B)、重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、及び有機溶剤(E)を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物(一般式(I)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数2又は3のアルキレン基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、nは1〜15の整数を表す。)。
【選択図】なし
Description
また、イメージセンサ(固体撮像素子)用途においても同様に色特性の高いものが求められるようになっている。
この方法では、顔料の一次粒子の粉砕と結晶成長が並行して起こるため、最終的に粒度分布が狭く、平均粒子径が小さいわりに表面積の小さい顔料が得られ、カラーフィルタのように微細な粒子径の顔料を高濃度に分散する必要のある用途に適した方法である。
このような問題を解決するための1つとして、例えば、ロジン又はロジン誘導体や、合成高分子化合物をソルトミリング時に添加する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
つまり、高コントラスト及び高輝度の画素部を形成することができ、且つ、優れた現像性を有するカラーフィルタ用着色組成物を実現し得る技術については未だ確立されていないのが実状である。
即ち、本発明の第1の目的は、現像性に優れると共に、コントラスト及び輝度に優れた画素部を形成しうるカラーフィルタ用着色組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、コントラスト及び輝度に優れ、更に画素欠陥が低減されたカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタの製造方法を提供することにある。
即ち、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、平均一次粒子径が10nm〜40nmであるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150とからなる有機顔料(A)、下記一般式(I)で表される繰り返し単位と(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位とを含む共重合体(B)、重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、及び有機溶剤(E)を含有することを特徴とする。
また、共重合体(B)が、n−ブチル(メタ)アクリレート及び/又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを由来とする繰り返し単位を更に含むことが好ましく、また、共重合体(B)が、ベンジル(メタ)アクリレートを由来とする繰り返し単位を更に含むことも好ましい。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、更に、分散剤(F)を含有することも好ましい態様の1つである。
また、重合性化合物(C)が、2官能性単量体と、5官能性単量体及び6官能性単量体のから選択される少なくとも1種の単量体と、と、を含むことも好ましい。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を塗布して塗膜を形成した後、該塗膜にフォトリソグラフィー法を適用して画素部を形成することを特徴とする。
本発明においては、一般式(I)で表される繰り返し単位と(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位とを含む共重合体を併用することで、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150とからなる有機顔料を含むカラーフィルタ用着色組成物の現像性を高めることができる。
この作用は明確ではないが、上記の特定構造を有する共重合体を用いることによって、カラーフィルタ用着色組成物中での顔料の凝集が軽減されると共に、一般式(I)で表される繰り返し単位中のアルキレンオキシ部位が現像液を呼び込み、非露光部の基板界面の密着性を下げ、その結果として、現像残渣が残りにくくなるものと推定する。
また、上述の理由により、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて作製されるカラーフィルタは、現像残渣に由来する画素欠陥が低減されているものと思われる。
本発明によれば、コントラスト及び輝度に優れ、更に画素欠陥が低減されたカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタの製造方法を提供することができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、平均一次粒子径が10nm〜40nmであるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150とからなる有機顔料(A)、一般式(I)で表される繰り返し単位と(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位とを含む共重合体(B)、重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、及び有機溶剤(E)を含有することを特徴とする。
以下、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を構成する各成分について、詳細に説明する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は有機顔料を含有しており、この有機顔料は、実質的にポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150との混合物からなる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物において、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン及びC.I.ピグメントイエロー150を含む有機顔料の総量は、本発明のカラーフィルタ用着色組成物中の溶剤を除いた総量に対して5質量%〜60質量%であることが好ましく、10質量%〜50質量%であることがより好ましく、最適には15質量%〜45質量%である。添加量をこの範囲とすることにより、色特性に優れ、コントラストが高く、輝度の高いカラーフィルタを得ることができる。
まず、本発明に用いるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンについて説明する。
一般に、亜鉛フタロシアニンは、フタロシアニン環中に16個の水素原子を有している。そのため、これらの水素原子を最大16個までハロゲン原子で置換することができる。例えば、これら水素原子を臭素原子と塩素原子とで置換すると、臭素原子数が0〜16個、塩素原子数が0〜16個、水素原子数が0〜16個の範囲で、理論上では合計136種類の置換体を製造できる。
本発明におけるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンは、フタロシアニン環中の水素原子を2個以上16個以下の範囲でハロゲン原子で置換したものである。ハロゲン原子としては、臭素原子、又は塩素原子が好ましい。また、置換するハロゲン原子は、全て同一であっても、それぞれ異なっていてもよい。
フタロシアニン環への置換基数を一定とした場合には、臭素原子>塩素原子の順に緑色が濃くなる。
本発明では、臭素原子を8個以上含有するポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを、特に、「ポリ臭素化亜鉛フタロシアニン」という。このポリ臭素化亜鉛フタロシアニンが、本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとしては好ましい。
この範囲の平均一次粒子径のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを用いることにより、分散性安定性や着色力に優れるカラーフィルタ用着色組成物が得られることから、この組成物を用いることで、輝度が高く、コントラストの高い画素部を形成することができる。
より具体的には、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンと、無機塩と、該無機塩を溶解しない有機溶剤と、を混練機に仕込み、その中で混練摩砕を行う。この際の混練機としては、例えば、ニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。このような粒子径の無機塩は、通常の無機塩を微粉砕することにより容易に得られる。
洗浄回数は、1回〜5回の範囲で繰り返すこともできる。
水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を用いた前記混合物の場合は、水洗することで容易に有機溶剤と無機塩を除去することができる。
また、乾燥後の粉砕は、比表面積を大きくしたり、一次粒子の平均粒子径を小さくするための操作ではなく、例えば、箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いた乾燥の場合のように、顔料がランプ状等のとなった際に、顔料を解して粉体化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕等が挙げられる。
本発明で用いるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンは顔料であるが、従来のハロゲン化銅フタロシアニンに比べて一次粒子の凝集力が弱く、より解れやすい性質を持つ。そのため、このポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを含有する本発明のカラーフィルタ用着色組成物は高コントラストの緑色画素部を形成することができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位と(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位とを含む共重合体(B)を含有する。
この共重合体(B)は、優れた顔料分散効果を発揮するため、本発明の着色組成物中において顔料の凝集を防ぎ、顔料が微細に分散した状態を維持する働きをする。この凝集防止効果は乾燥させた塗布膜中でも発揮され、現像時の残渣の低減に寄与する。また、アルキレンオキシ部位は現像液との親和性が高く、非露光部の基板界面との密着性を下げることにより、現像時の残渣の更なる低減に寄与する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物における共重合体(B)の含有量は、有機顔料の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部〜200質量部、更に好ましくは20質量部〜100質量部である。
また、R3は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表すが、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましい。また、R3がアルキル基である場合には、中でも、炭素数が1〜10であるアルキル基が好ましい。これは、R3が炭素数が1〜10のアルキル基である場合、このアルキル基が障害となり樹脂同士の接近を抑制し顔料への吸着及び/又は配向を促進するが、炭素数が10を越えるとアルキル基の立体障害効果が高くなりベンゼン環の顔料表面への吸着及び/又は配向までをも妨げてしまう場合があるためである。この現象は、R3のアルキル基の鎖長が長くなるに従い顕著となり、炭素数が20を越えるとベンゼン環の吸着及び/又は配向が極端に低下する。そのため、R3で表されるアルキル基は、炭素数が1〜20の範囲となる。
なお、R3で表されるアルキル基としては、無置換のアルキル基、又はフェニル基で置換されたアルキル基が好ましい。
更に、一般式(I)におけるnは、現像性の観点から、1〜12の範囲が好ましい。
この範囲であると、十分な現像性改良効果が得られ、また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物中の他の成分との十分な相溶性も得られる。
共重合体(B)中の(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位の含有割合は、15質量部〜50質量部が好ましく、20質量部〜40質量部であることがより好ましい。
この範囲であると、アルカリ現像液への溶解性が得るため、また、現像時の、画素部の基板からの脱落や、画素部表面の膜荒れの発生を抑制することができる。
この他の繰り返し単位を形成しうる単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ)ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)ペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートアシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、3クロロ2アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
共重合体(B)中のn−ブチル(メタ)アクリレート及び/又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを由来とする繰り返し単位の含有割合は、5質量部〜70質量部が好ましく、10質量部〜60質量部であることがより好ましい。
共重合体(B)中のベンジル(メタ)アクリレートを由来とする繰り返し単位の含有割合は、5質量部〜60質量部が好ましく、10質量部〜50質量部であることがより好ましい。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物では、本発明の効果を損なわない範囲において、前述の共重合体(B)以外の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂を併用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
また、活性エネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、モノマー、オリゴマー等の重合性化合物(C)を含有する。
本発明における重合性化合物の使用量は、前述の共重合体(B)100質量部に対して、好ましくは5質量部〜500質量部、より好ましくは20質量部〜300質量部である。この範囲であると、画素部の強度や表面平滑性が十分に得られ、アルカリ現像性が良好となるため、未露光部における基板上や遮光層上に地汚れ、膜残り等の発生が抑制される。
これらは単独で使用してもよいし、2種類以上混合して用いることもできる。
2官能性単量体の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル]プロパン、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸変性物、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、好ましくはジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸変性物が挙げられる。
これらの中でも、現像性やパターンの断面形状を良好に保つという観点で、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレートがより好ましい。また、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレートの中では、エトキシの繰り返し数が、左右の数の合計で、10から30であるものが、現像性の観点で好ましく、15から25であるものが最も好ましい。
これらの中でも、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが、溶剤耐性の観点で好ましく、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの3対7(質量比)の混合物が溶剤耐性の観点で最も好ましい。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は光重合開始剤(D)を含有する。
この光重合開始剤は、有機顔料の合計100質量部に対して、好ましくは5質量部〜200質量部、より好ましくは10質量部〜150質量部の範囲で用いることができる。
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤;
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤;
チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤;
ボレート系光重合開始剤;
カルバゾール系光重合開始剤;
イミダゾール系光重合開始剤;等が用いられる。
また、これらの光重合開始剤には、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル−9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
増感剤は、光重合開始剤100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜60質量部の量で用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は有機溶剤(E)を含有する。
有機溶剤は、有機顔料100質量部に対して、好ましくは800質量部〜4000質量部、より好ましくは1000質量部〜2500質量部の範囲で用いることができる。
これらの有機溶剤は、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、前述の共重合体(B)の他に、分散剤(F)として、顔料分散性に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きい樹脂型分散剤を添加することが好ましい。
樹脂型分散剤は、有機顔料100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜60質量部、より好ましくは0.1質量部〜40質量部の範囲で用いることができる。
酸性基としては、吸着特性に優れる点でカルボン酸基又はスルホン基が好ましく、塩基性基としては、吸着特性に優れる点でアミノ基が好ましい。
また、酸性基を有する色素誘導体と塩基性基を有する樹脂型分散剤との併用、又は、塩基性基を有する色素誘導体と酸性基を有する樹脂型分散剤との併用は、顔料への吸着特性がより一層向上するため、好ましい。
更に、幹ポリマー1分子に2分子以上の枝ポリマーがグラフト結合した分子構造を有する櫛型ポリマーが上記理由からより好ましい。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、分散後の顔料の再凝集を防止する効果を有する色素誘導体(G)を添加することが好ましい。
色素誘導体(G)の含有量は、有機顔料の合計100質量部に対して、好ましくは0.001質量部〜40質量部、更に好ましくは1質量部〜30質量部である。
Xは、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−、又は単結合を表す。
nは1〜10の整数を表す
R01、及びR02は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいフェニル基を表す。ここで、アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。なお、R01とR02とが互いに結合して、更なる窒素原子、酸素原子、或いは硫黄原子を含む複素環を形成していてもよい。この複素環は更に置換基を有していてもよい。
R04、R05、R06、及びR07は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいフェニル基を表す。ここで、アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
R08は、下記一般式(6)で表される置換基、又は下記一般式(7)で表される置換基を表す。
R09は、水酸基、アルコキシル基、下記一般式(6)で表される置換基、又は下記一般式(7)で表される置換基を表す。
スルホン酸基は、アルミニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム等の金属や、アミンと塩を形成していてもよい。
特に、酸性基を有する色素誘導体のアルミニウム塩は、処理顔料の分散効果が大きいため好適に用いられる。
(分散助剤)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、適宜、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。
分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を樹脂に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。
分散助剤は、有機顔料100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜40質量部、より好ましくは0.1質量部〜30質量部の範囲で用いることができる。
アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤;が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。
貯蔵安定剤は、顔料の合計100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜10質量部の範囲で用いることができる。
溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のエステル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が使用できる。
更に溶剤は1種に限らず、2種以上混合して用いることができ、また、上記各成分を混合して上記混合物とする際に用いてもよい。
ビーズミルを用いて顔料分散液を調製する際には、例えば、直径0.01mm〜1mm程度のガラスビーズ、チタニアビーズやジルコニアビーズ等を使用し、顔料混合液を、好ましくは冷却水等で冷却しながら混合・分散することにより実施することができる。
この場合、ビーズの充填率は、好ましくはミル容量の50%〜90%である。また処理時間は、好ましくは2時間〜50時間、より好ましくは2時間〜25時間である。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成される画素部を有するカラーフィルタである。
カラーフィルタには、少なくとも1つの赤色画素部、少なくとも1つの緑色画素部、及び少なくとも1つの青色画素部を具備する加法混色型や、減法混色型のものがあり、緑色画素部が、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成される。
赤色着色組成物には、例えばC.I.Pigment Red 7,14,41,48:1,48:2,48:3,48:4,81:1,81:2,81:3,81:4,146,168,177,178,184,185,187,200,202,208,210,246,254,255,264,270,272,279等の赤色顔料が用いられる。
赤色着色組成物には、C.I.Pigment Orange 43,71,73等の橙色顔料や、C.I.Pigment Yellow83,110,138,139,150,180,185等の黄色顔料を併用することができる。
青色着色組成物には、C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,29,30,32,37,40,42,50等の紫色顔料を併用することができる。
基板としては、可視光に対して透過率の高いガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
まず、光照射により硬化する、溶剤現像型或いはアルカリ現像型の着色レジスト材として調製した着色組成物(本発明のカラーフィルタ用着色組成物又は通常の各色着色組成物)を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2μm〜5μmとなるように塗布する。その後、必要により、乾燥された膜には、この膜と接触或いは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。露光後、溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するか、若しくは、スプレーなどにより現像液を噴霧して、膜の未硬化部を除去し所望のパターンを形成する。これと同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。
更に、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
また、紫外線に対する露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、その膜上に、水溶性或いはアルカリ可溶性樹脂、例えば、ポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管、及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート10.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸7.4部、ベンジルメタクリレート3.7部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製「アロニックスM110」)3.7部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(1)の溶液を得た。この共重合体(1)の重量平均分子量は、19,000であった。
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管、及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.0部、メタクリル酸4.3部、ベンジルメタクリレート8.0部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(2)の溶液を得た。この比較用共重合体(2)の重量平均分子量は、23,000であった。
キノフタロン系黄色顔料C.I.Pigment Yellow 138(BASF社製「パリオトールイエロー K0960−HD」)30部を、発煙硫酸(25%SO3)と硫酸から調製した101%硫酸300部中に溶解し、70℃にて8時間攪拌し、スルホン化反応を行った。反応の終点は、硫酸溶液の分光スペクトルを測定し、スペクトルの変化が見られなくなる点とした。次いで、この反応溶液を氷水3000部中に注入し、析出するスルホン化色素誘導体を濾別、水洗してスルホン化色素誘導体のペーストを得た。
得られたスルホン化色素誘導体について、LC−MASS分析を行った。HPLC(カラム:東ソー社製「ODS−100S」)にて、面積比80%を占める主ピークの分子量は、Mw=774(エレクトロンスプレー方式、マイナスモード)であり、C.I.Pigment Yellow 138のモノスルホン化誘導体の分子量と一致した。また、1H−NMRにより、下記構造のスルホン化色素誘導体であると同定された。
乾燥後の収量は334部、収率は99%であった。得られたスルホン化色素誘導体のアルミニウム塩は、下記の構造であると推測される。
(チップ製造方法)
下記の組成Aの混合物を予め充分混合した後、2本ロールミルにて練肉し、シート状物とした。このシート状物を数枚に折り畳み、再度2本ロールミルに通した。この工程を10〜40回繰り返し行った後、粉砕機で粉砕することで緑色チップを作製した。
・ポリ臭素化亜鉛フタロシアニン(平均一次粒子径25nm) 7.3部
・C.I.ピグメントイエロー150(平均一次粒子径25nm) 3.7部
・トリアジン環を含む塩基性顔料誘導体(下記構造) 1.0部
・合成例1で得られた共重合体(1)溶液 14.0部
下記の組成Bの混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.3mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5μmのフィルターで濾過し、顔料分散液を作製した。
・前述のようにして得られた緑色チップ 16.0部
・合成例1で得られた共重合体(1)溶液 2.0部
・酸性基を有する樹脂型分散剤 2.4部
(ビックケミー社製「Disperbyk−111」)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.6部
次いで、下記の組成Cの混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルターで濾過して、感光性を有する緑色着色組成物を得た。
・前述のようにして得られた顔料分散液 67.0部
・合成例1で得られた共重合体(1)溶液 5.0部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 4.0部
・光重合開始剤 1.4部
(チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガキュア907」)
・増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.2部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 22.4部
この基板を、後述する異物、色度、及び現像性の評価用基板とした。
この基板を、後述するコントラスト比の評価用基板とした。
形成された画素パターンを光学顕微鏡にて観察したところ、画素上に異物は認められなかった。
また、画素の色度をカラーアナライザーMCPD2000(大塚電子(株)製)にて評価したところ、(x,y,Y)=(0.299,0.595,59.5)であった。
露光工程において、光が照射されなかった領域(未露光部)の残渣の有無を光学顕微鏡で観察し、現像性を評価したところ、未露光部に若干量の残渣が認められたが実用上問題となるレベルではなかった。
得られた基板を2枚の偏光板で挟み、背面側から蛍光灯(波長範囲380〜780nm)で照射しつつ前面側の偏光板を回転させ、透過する光強度を輝度計LS−100(MINOLTA社製)にて最大値と最小値を測定し、その最大値を最小値で割った値として、コントラスト比を評価したところ、11,100であった。
なお、コントラスト値は10,000を超えていれば良好といえる。
実施例1において、「トリアジン環を含む塩基性顔料誘導体(前記構造)」を、合成例3で得られた「スルホン化色素誘導体のアルミニウム塩」に代え、また、「酸性基を有する樹脂型分散剤(ビックケミー社製、「Disperbyk−111」)を「塩基性基を有する樹脂型分散剤(アビシア社製、「ソルスパース24000」)に代えた以外は、実施例1と同様にして緑色着色組成物を得た。
その後、得られた緑色着色組成物を用いて、実施例1と同様にして、異物、色度、及び現像性の評価用基板と、コントラスト比の評価用基板を作製した。そして、これらの評価用基板を用いて、実施例1と同様の評価を行った。
評価の結果、画素上に異物は認められず、画素の色度は(x,y,Y)=(0.300,0.595,59.7)であった。また、未露光部には若干量の残渣が認められたが実用上問題となるレベルではなかった。コントラスト比は10,900であった。
実施例1において、「トリアジン環を含む塩基性顔料誘導体(前記構造)」を、合成例3で得られた「スルホン化色素誘導体のアルミニウム塩」に代え、また、「酸性基を有する樹脂型分散剤(ビックケミー社製、「Disperbyk−111」)を「塩基性基を有する樹脂型分散剤(アビシア社製、「ソルスパース24000」)に代え、更に、組成C中の「ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 4.0部」を「ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 3.0部、及び、A−BPE−20(新中村化学工業(株)製) 1.0部」に変更した以外は、実施例1と同様にして緑色着色組成物を得た。
なお、A−BPE−20の構造は下記の通りである。
評価の結果、画素上に異物は認められず、画素の色度は(x,y,Y)=(0.300,0.595,59.6)であった。また、未露光部に残渣は認められなかった。コントラスト比は11,100であった。
実施例1において、「合成例1で得られた共重合体(1)溶液」を「合成例2で得られた共重合体(2)溶液」に代えた以外は、実施例1と同様にして緑色着色組成物を得た。
その後、得られた緑色着色組成物を用いて、実施例1と同様にして、異物、色度、及び現像性の評価用基板と、コントラスト比の評価用基板を作製した。そして、これらの評価用基板を用いて、実施例1と同様の評価を行った。
評価の結果、画素上に異物は認められず、画素の色度は(x,y,Y)=(0.299,0.595,59.4)であったが、未露光部に実用上問題となるレベルの残渣が認められた。また、コントラスト比は10,800であった。
実施例2において、「合成例1で得られた共重合体(1)溶液」を「合成例2で得られた共重合体(2)溶液」に代えた以外は、実施例2と同様にして緑色着色組成物を得た。
その後、得られた緑色着色組成物を用いて、実施例1と同様にして、異物、色度、及び現像性の評価用基板と、コントラスト比の評価用基板を作製した。そして、これらの評価用基板を用いて、実施例1と同様の評価を行った。
評価の結果、画素上に異物は認められず、画素の色度は(x,y,Y)=(0.300,0.595,59.6)であったが、未露光部に実用上問題となるレベルの残渣が認められた。また、コントラスト比は10,700であった。
(アクリル樹脂溶液の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量26,000のアクリル樹脂の溶液を得た。これを室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、また、先に合成したアクリル樹脂の溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
なお、合成した粗製顔料中の金属の測定は、以下の方法で行った。
まず、100mlビーカーに粗製顔料0.5g、硫酸1ml、及び硝酸3mlを入れ、ガスコンロで1時間30分加熱して分解後、600℃の電気炉で4時間加熱して分解した。分解物に、塩酸5ml及び純水25ml入れて溶解し、溶解物を50mlに定容し、ICP原子発光分光分析により金属原子量を測定した。
また、粗製顔料中の塩素原子、臭素原子の数(1分子内に含まれる平均塩素数及び平均臭素数)は、No.6の濾紙に粗製顔料0.01gを包み、過酸化水素5滴を滴下して、酸素置換した燃焼フラスコ中で燃焼した。燃焼後100mlに定容し、イオンクロマトグラフ分析により測定した。
塩化アルミニウム356部及び塩化ナトリウム6部の200℃の溶融塩に、アルミニウムフタロシアニン46部を溶解し、130℃まで冷却し1時間攪拌した。反応温度を180℃に昇温し、臭素を1時間あたり10部で10時間滴下した。その後、塩素を1時間あたり0.8部で5時間導入した。この反応液を水3200部に徐々に注入した後、濾過、水洗して110.8部の粗製ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料を得た。
粗製ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料の1分子内に含まれる平均臭素原子数は14.0個、平均塩素原子数は2.0個であった。
塩化アルミニウム356部及び塩化ナトリウム6部の200℃の溶融塩に、亜鉛フタロシアニン46部を溶解し、130℃まで冷却し1時間攪拌した。反応温度を180℃に昇温し、臭素を1時間あたり10部で10時間滴下した。その後、塩素を1時間あたり0.8部で5時間導入した。この反応液を水3200部に徐々に注入した後、濾過、水洗して107.8部の粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を得た。
粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の1分子内に含まれる平均臭素原子数は14.1個、平均塩素原子数は1.9個であった。
粗製ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料100部、塩化ナトリウム100部、ジエチレングリコール50部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で2時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、フタロシアニン系緑色顔料1を得た。
粗製ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料の代わりに、粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を用いた以外は、フタロシアニン系緑色顔料1と同様の方法でフタロシアニン系緑色顔料2を得た。
下記の組成Dの混合物を均一に撹拌混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて、picoミルで10時間分散した後、5μmのフィルターで濾過し、顔料分散液を作製した。
・前記フタロシアニン系緑色顔料1 5.4部
・前記フタロシアニン系緑色顔料2 8.1部
・下記構造の塩基性基を有する色素誘導体 1.5部
・上述の方法で得られたアクリル樹脂溶液 40.0部
・ジペンタエリストリトールペンタアクリレート及びヘキサアクリレート 7.0部
(東亞合成社製「アロニックスM400」)
・シクロヘキサノン 38.0部
次いで、下記組成Eの混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルターで濾過し、着色組成物を作製した。
・上述のようにして得られた顔料分散液 53.33部
・上述の方法で得られたアクリル樹脂溶液 7.75部
・光重合開始剤 2.24部
(チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガキュア907」)
・界面活性剤(ビックケミー社製「BYK−323」) 0.03部
・貯蔵安定剤(北興化学社製「TPP」) 0.20部
・シクロへキサノン 36.45部
また、露光工程において、光が照射されなかった領域(未露光部)の残渣の有無を光学顕微鏡で観察し、現像性を評価したところ、未露光部に実用上問題となるレベルの残渣が認められた。
Claims (8)
- 前記ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンが、ポリ臭素化亜鉛フタロシアニンであることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 前記共重合体(B)が、n−ブチル(メタ)アクリレート及び/又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを由来とする繰り返し単位を更に含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 前記共重合体(B)が、ベンジル(メタ)アクリレートを由来とする繰り返し単位を更に含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 更に、分散剤(F)を含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 前記重合性化合物(C)が、2官能性単量体と、5官能性単量体及び6官能性単量体のから選択される少なくとも1種の単量体と、を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成された画素部を有することを特徴とするカラーフィルタ。
- 基板上に、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物を塗布して塗膜を形成した後、該塗膜にフォトリソグラフィー法を適用して画素部を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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