JP2010071660A - 分光分析用液体セル - Google Patents

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Abstract

【課題】液体の層流を打破し栓流で液置換性のタイムラグを解消させて、液体残りなどの不具合を排除したスムーズな液置換を行うことができる分光分析用液体セルを提供する。
【解決手段】液体セル10は、テラヘルツパルス光を透過する2枚の透光性基材20,37が重ね合わされて貼着され、透光性基材の界面に液体が注入される液体流路20Aを有する。液体流路は、透光性基材20の一方の面に、テラヘルツパルス光の集光エリアCAを包含する領域に形成された直線流路部20a、曲線流路部20b、流出流路部20cより成る一本の流路であり、透光性基材37の一方の面上に形成された液体流路の入口37aおよび液体流路の出口37bに連通する導液口および流出口には、液クロマトグラフィーなどに接続するマイクロチューブ4が取付けられている。この液体セル10は、液体流路内に試料溶液を注入して、分光計測装置を用いて振動電場の時間波形などを測定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、分光分析用液体セルに関し、特にテラヘルツ周波数帯を光源とする分光計測装置などに好適に用いることができる分光分析用液体セルに関する。
近年、テラヘルツ周波数領域(0.1THz〜10THz)の光(パルス状の電磁波)を試料に照射して、試料を透過した透過光または試料から反射した反射光を検出するテラヘルツ時間領域分光法(THz−TDS:THz-Time Domain Spectroscopy)が注目されている。
THz−TDS法は、テラヘルツパルス分光計測装置を用い、テラヘルツ光(パルス状の電磁波)の時間に依存した試料の電場強度を測定し、その時間に依存した時系列データをフーリエ変換処理することにより、そのパルスを形成する電場強度や位相などの周波数依存性を得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
従来、こうしたTHz−TDS法を用いて液体(試料溶液)を測定する場合、エタノールなどパルス光の吸収が弱い溶媒を含む試料溶液に対しては、透過測定法を用いることができるが、水などパルス光の吸収が強い溶媒を含む試料溶液に対しては、透過測定法を用いることは困難であり、一般的に反射測定法が用いられている。例えば、THz光の透過性を有する三角プリズム上に試料(溶液試料)を載置して、三角プリズム底面で全反射することで発生するエバネッセント光を利用して測定する反射測定法(全反射減衰分光法)が用いられている(非特許文献1参照)。
この非特許文献1に示されるような三角プリズムを用いた反射測定法は、空気中の水分の影響を受け易く、窒素雰囲気などで用いる必要があると共に、試料溶液の置換毎に試料溶液を三角プリズム底面に完全密着させる必要があり、試料溶液の置換および測定作業に煩雑さが伴うと言う不具合が存在する。
こうした不具合を解決するために、Si基板上にコプレーナストリップライン構造をした伝送線路およびアンテナが形成されたチップ表面に検査物体を塗布して、伝送線路を伝搬するTHz電磁波との相互作用を、空気中に染み出しているエバネッセント波を用いた反射測定法で、検査物体の物性などをセンシングするセンシング装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−266908号公報 特開2006−64691号公報 西沢潤一著、「テラヘルツ波の基礎と応用」、初版、株式会社工業調査会、2005年4月1日、p.245
しかしながら、特許文献2に示されるような検査物体をチップ表面に塗布して行う反射測定法は、検査物体の濡れ性や重力などで検査物体の厚みが決定されるために、表面張力や経時変化などによって厚みを制御するのが難しく、精度が高い安定した解析結果が得られない。また、試料溶液の交換(置換)に困難さを伴う。したがって、試料溶液の置換がスムーズで測定作業が容易であると共に、高い精度のシグナルが得られる液体セルの出現が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る分光分析用液体セルは、液体の分光分析に用いられる分光分析用液体セルであって、前記分光分析用液体セルは、テラヘルツ光を透過する透光性基材が積層された積層体を含み、前記積層体の透光性基材の界面に沿って形成された液体流路を備え、前記液体流路は、直線流路部と屈折流路部、または前記直線流路部と曲線流路部を備え、前記屈折流路部は前記直線流路部に屈折して接続された直線の流路を有し、前記曲線流路部は前記直線流路部に接続された曲線の流路を有し、前記屈折流路部または前記曲線流路部の流路領域内に、前記テラヘルツ光の集光スポットを照射して用いることを特徴とする。
これによれば、液体の分光分析に用いられる分光分析用液体セルが、テラヘルツ光を透過する透光性基材が積層された界面に沿って形成された液体流路を備え、液体流路は、直線流路部と、この直線流路部に直線な流路が屈折して直線流路部に結合する屈折流路部またはこの直線流路部に曲線な流路を接続した曲線流路部と、を有する一本の流路から成り、屈折流路部または曲線流路部の流路領域内に、テラヘルツ光の集光スポットを照射して用いることにより、液体流路に注入された液体の層流(パラボリックフロー)を打破し、栓流で液置換性のタイムラグを解消させて、ダイナミック計測の精度を弱めるのを防止した分光分析用液体セルを得ることができる。すなわち、液体残りなどの不具合を排除したスムーズな注入および排出(置換)を行うことができ、測定作業が容易であると共に、高い精度のシグナルが識別して得られる分光分析用液体セルを得ることができる。
[適用例2]
上記適用例に係る分光分析用液体セルにおいて、前記屈折流路部の流路が互いに屈折して接続する折れ角θ(°)が、次の一般式(1)で表わされることが好ましい。
Figure 2010071660
但し、ηは液体の粘性係数(Pa・s)、lは前記液体流路の入口から前記液体流路の出口までの流路長(m)、P1は前記液体流路の入口での圧力(Pa)、P2は前記液体流路の出口での圧力(Pa)、tは液体が前記液体流路の入口から移動した経過時間(sec)、αは前記液体流路の幅(m)を示す。
これによれば、液体が流動する液体流路の直線流路部に対して屈折して接合する屈折流路部が、直線流路部に対して上記一般式(1)で表わされる折れ角θ(°)で屈折することにより、液体流路に注入された液体の層流(パラボリックフロー)を打破し、栓流で液置換性のタイムラグを解消させて、ダイナミック計測の精度を弱めるのを防止した分光分析用液体セルを得ることができる。
[適用例3]
上記適用例に係る分光分析用液体セルにおいて、前記分光分析用液体セルは前記液体を導入する導液口を有し、前記導液口に前記液体流路の入口が接続され、前記液体流路の入口より前記屈折流路部が屈折する屈折点までの流路長、または前記液体流路の入口より前記曲線流路部が屈曲する屈曲点までの流路長が、0(ゼロ)〜55mmであることが好ましい。
これによれば、液体流路の入口より屈折流路部が屈折する屈折点までの流路長、または液体流路の入口より曲線流路部の屈曲点までの流路長が、0〜55mmであることにより、液体流路に注入された液体の層流(パラボリックフロー)を打破し、栓流で液置換性のタイムラグを解消させて、液体残りなどの不具合を排除したスムーズな注入および排出(置換)を行うことができる分光分析用液体セルが得られる。
[適用例4]
上記適用例に係る分光分析用液体セルにおいて、前記直線流路部と、前記直線流路部に接続する前記屈折流路部または前記曲線流路部とが、実用上同じ断面形状の凹部を有する一本の流路を備え、前記流路の幅が1mm〜5mm、深さが30μm〜1mmであることが好ましい。
これによれば、液体が流動する液体流路の直線流路部と、直線流路部に接続する屈折流路部または曲線流路部とが、実用上同じ断面形状の凹部より成る一本の流路より成り、流路の幅が1mm〜5mm、深さが30μm〜1mmであることにより、液体流路に注入された液体の層流(パラボリックフロー)を打破し、栓流で液置換性のタイムラグを解消させて、液体残りなどの不具合を排除したスムーズな注入および排出(置換)を行うことができる分光分析用液体セルが得られる。
以下、本実施形態に係る分光分析用液体セルの一例を、図1に基づいて説明する。
なお、本実施形態の分光分析用液体セルは、LC分析(液体クロマトグラフィー分析)などの際に、透過測定法を用いて試料溶液の周波数依存性などの解析を行うための液体セルであり、流路構造に屈折流路部または曲線流路部を設けることにより層流(パラボリックフロー)を打破し、栓流で液置換性のタイムラグを解消させてダイナミック計測の精度を弱めるのを防止した液体セルを得ることを目的とする。
図1は、本実施形態に係る分光分析用液体セルの構成を模式的に示す説明図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は断面図である。なお、以下に示す各図面においては、説明の便宜のために各構成要素の寸法や比率を実際のものとは異ならせてある。
図1において、分光分析用液体セル(以後、液体セルと表す場合がある)1は、テラヘルツ光を透過する2枚の第1の透光性基材2および第2の透光性基材3と、マイクロチューブ4を含み構成されている。
第1の透光性基材2および第2の透光性基材3(以後、透光性基材2,3と表す)は、共にZ板水晶より成り、外形形状が長方形の平板状を成している。例えば、平面サイズ(外形サイズ)は略10mm×17mm、板厚は略1.35mmである。なお、テラヘルツ光を透過する透光性基材2,3として、水晶の他にサファイア、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ダイヤモンド、透光性セラミック、ルミセラ(登録商標、(株)村田製作所)などを用いることができる。また、これらを組み合わせて積層することもできる。
透光性基材2は、一方の面内に、液体(試料溶液)の通路となるマイクロ流路としての液体流路2Aが形成されている。透光性基材3は、長方形状の一方の短辺に開口して長辺に沿う所定長さの凹部より成る液体流路の入口3aと、他方の短辺に開口して長辺に沿う所定長さの凹部より成る液体流路の出口3bが形成されている。
そして、透光性基材2および透光性基材3の外形形状を略一致させて、透光性基材2の液体流路2Aが形成された一方面と、透光性基材3の液体流路の入口3aおよび液体流路の出口3bが形成された一方面同士を相対して重ね合わせて、接着剤(図示せず)を用いて接合されている。すなわち、透光性基材2と透光性基材3との界面に液体流路2A、液体流路の入口3aおよび液体流路の出口3bが形成されている。
透光性基材2に形成された液体流路2Aは、長方形の外形形状の一方の短辺側から長辺に沿って他方の短辺側に向かって延伸する直線流路部2aと、直線流路部2aに接続し、直線流路部2aに対して折れ角θ(°)傾いて長方形の他方の短辺側に向かって延伸する屈折流路部2bとから成る一本の流路で構成されている。すなわち、液体流路2Aは、屈折構造を備えている。なお、屈折流路部2bは、少なくとも後述する集光エリアCAの領域を通過した位置から液体流路の出口3bに向かうに従って先細りする漏斗状形状を成している。これにより、液体の置換の際に、屈折流路部2b内の液体残りなどの不具合を排除したスムーズな排出を行うことができる。
また、直線流路部2a(以後、直線部2aと表す)および屈折流路部2b(以後、屈折部2bと表す)は、幅αの凹部(溝)で形成されている。凹部の幅αは、例えば略3mmである。
液体流路の入口3aおよび液体流路の出口3bは、幅700μm、深さ700μm程度の凹部より成り、それぞれ直線部2aおよび屈折部2bに一部が重なるようにして、透光性基材2の外形形状の相対する短辺側から長辺に沿って形成されている。なお、液体流路の入口3aおよび液体流路の出口3bの短辺からの長さは、5mm程度である。
液体流路の入口3aに接続されている導液口は、直線部2aの略中心線上に位置し、直線部2aに連通すると共に、直線部2aを介して屈折部2bに液体を供給するためのマイクロチューブ4aが挿入して取付けられている。一方、液体流路の出口3bに接続されている流出口は、液体流路2Aの屈折部2bに連通すると共に、屈折部2bを通過した液体を外部に流出するためのマイクロチューブ4bが、導液口部と同様に取付けられている。
また、直線部2aは、直線部2aおよび液体流路の入口3aの略中心線上の端部(奥壁)から屈折点A1の位置まで延伸して、屈折部2bに結合している。屈折部2bは、直線部2aの略中心線上の屈折点A1から折れ角θ(°)傾いて液体流路の出口3bに向かって延伸した後、漏斗状の先細り形状に形成されている。なお、直線部2aにおける液体流路の入口3aの奥壁から屈折点A1までの流路長xは、例えば略55mmである。
この屈折点A1直後の屈折部2bの流路領域内に、後述するテラヘルツパルス分光計測装置より照射されるテラヘルツ光の集光スポットの集光エリアCA(図中に二点鎖線で示す円形内領域)が位置する。集光エリアCAの直径γは、例えば2mm程度である。また、集光エリアCAが位置する屈折点A1直後は、屈折点A1から集光エリアCAの中心B1までの距離βが略3mmである。換言すると、屈折点A1から集光エリアCAの屈折点A1側の縁までの距離が1mm程度である。
マイクロチューブ4(4a,4b)は、例えば、外径0.4mm、内径0.2mm程度のPFAやETFEなどのフッ素系プラスチックより成り、導液口部および流出口部のそれぞれの孔内に挿入されて、シリコーン系の接着剤5により透光性基材2と透光性基材3との間に接着固定されている。
このマイクロチューブ4(4a,4b)は挿入されるそれぞれの孔の奥壁とチューブ先端との間に、少なくとも液体が流動可能な広さの空間が形成される位置に、接着固定されている。この導液口および流出口に形成された空間が、液体流路2Aに液体を供給(注入)する液体流路の入口3aおよび液体流路2Aから液体を外部に流出する液体流路の出口3bとなる。したがって、液体流路2A内にマイクロチューブ4aから導液口と液体流路の入口3aとを介して注入された液体は、直線部2a、屈折部2bの順に通過して、液体流路の出口3bと流出口とを介してマイクロチューブ4bから外部に流出することができる。
なお、透光性基材2,3が積層されて形成された液体セル1は、板厚方向の両面となる透光性基材2,3の表面に、反射防止機能を備えるのが望ましい。
テラヘルツ波長域を含む広い周波数領域に対応する反射防止構造としては、底面形状が多角錐台より成る台形状の多数の微細構造の突起が、テラヘルツ波長以下の周期でアレイ状に配列して形成されたモスアイ構造を挙げることができる。突起のアスペクト比(周期に対する多角錐台の底面から頂点までの高さの比)は1.5以上であるのが好ましい。また、反射防止構造は、少なくとも集光エリアCAとなる領域に形成されていれば良い。
次に、液体流路2Aの流速分布について説明する。
先ず、広く一般的に用いられている直線構造の流路(直線流路)の場合の流速分布について説明する。
図2は、直線流路における層流の流速分布を説明する模式図である。
図2において、マイクロ流路におけるレイノズル数Reは1以下であり、円管流路の流速分布v(y)(単位:m/sec)は下記の一般式(2)に示すStokesの近似式を適用することができる。
Figure 2010071660
但し、P1は入口圧力(初期圧力、単位:Pa)、P2は出口圧力(Pa)、αは流路幅(m)、lは入口から出口までの流路長さ(m)、ηは液体の粘性係数(Pa・s)である。
このStokesの近似式(一般式(2))に基づいて、t秒後における断面形状x(y,t)は、下記の一般式(3)で表すことができる。
Figure 2010071660
但し、P1は入口圧力(初期圧力、単位:Pa)、P2は出口圧力(Pa)、αは流路幅(m)、lは入口から出口までの流路長さ(m)、ηは液体の粘性係数(Pa・s)、yは管中心からの断面位置(m)である。
一般式(3)に基づいて、例えば、入口圧力P1を100.0003×103Pa、出口圧力P2を100×103Pa、流路幅αを3mm、流路長さlを30mm、液体として純水(粘性係数ηは1.00×10-3Pa・s)を用いた場合における経過時間毎の液体の断面形状x(y,t)を図3に示す。すなわち図3は、直線流路における経過時間毎の液体の断面形状を示す説明図である。
図3は、直線流路の断面をグラフ的に示し、横軸は直線流路の入口からのx方向距離(mm)、縦軸は流路幅(mm)を表す。したがって横軸の0(ゼロ)は入口位置であり、縦軸の0(ゼロ)は円管の中心を示す。
図3において、共に実線の線図で示すa1〜a6は、この順に1秒後、1.4秒後、2秒後、2.5秒後、3秒後、4秒後における断面形状を示す。
なお、断面形状の分析領域は、図中に二点鎖線で示す円形D(中心が管中心軸上の入口からx方向流路長2mmに位置する直径2mmの円)内領域である。
次に、こうした直線流路に対して、上記液体セル1のように屈折構造の液体流路(屈折流路)を有する液体流路の流速分布について説明する。
図4は、屈折流路における流速分布を説明する模式図である。
図4において、直線流路に結合し屈折点A1で折れ角θ(°)で屈折した屈折流路は、折れ角θの断面形状における接触角度で屈折することにより、パラボリックフローの方向を最小の運動量ロスで変えることができる。なお、以後において、折れ角θ(°)と共に接触角度を接触角度θ(°)と表すことがある。
この屈折点A1を基点とする屈折流路におけるt秒後の接線の傾きは、前記一般式(3)に基づいて、「A=(P1−P2)/4ηl」と置くと、下記の一般式(4)で表すことができる。
なお、一般式(4)および以後に説明する一般式(1),(5)におけるそれぞれの数式符号は、前記一般式(3)に示したものと同じ内容であり、数式符号の説明は省略する。
Figure 2010071660
また、一般式(3),(4)より、t秒後に液体が進んだ位置での接線角度θは、前記した下記の一般式(1)で表すことができる。
Figure 2010071660
換言すれば、屈折点A1から液体が進んだ流路長β(m)の位置での接線角度θは、下記の一般式(5)で表すこともできる。
Figure 2010071660
こうした一般式(1)または一般式(5)に基づいて、屈折流路の折れ角θ(接線角度θと同じ)を設定することができる。
例えば、0.5秒後に液体(純水)が進んだ距離(x=2.5mm)における折れ角θは39°である。同様に1秒後に液体が進んだ距離(x=5mm)での折れ角θは22°、2秒後に液体が進んだ距離(x=10mm)での折れ角θは11°、10秒後に液体が進んだ距離(x=56mm)での折れ角θは2°である。こうしたとき、屈折流路を進む液体のパラボリックフロー(層流)を打破することができる。
なお、これらの値は、y=±0.5mm(流路中心から距離0.5mm)の断面位置における演算値である。
図5は、屈折流路における経過時間毎の断面形状を示す説明図である。
図5に示す経過時間毎の断面形状は、前記図3の場合と同様に、流路の断面をグラフ的に示し、横軸は流路の屈折点A1からの液体が進んだ流路長β(mm)、縦軸は流路幅(mm)を表す。したがって横軸の0(ゼロ)は屈折点A1の位置であり、縦軸の0(ゼロ)は流路の中心を示す。
図5において、共に実線の線図で示すb1〜b6は、この順に0.4秒後、1秒後、1.5秒後、2秒後、3秒後、4秒後における液体の断面形状を示す。
なお、断面形状の分析領域は、図3の場合と同様に図中に二点鎖線で示す円形D(中心が管中心軸上の屈折点A1から液体が進んだ流路長βが2mmに位置する直径2mmの円)内領域である。
線図b1〜線図b6(屈折流路における経過時間毎の断面形状)に示すように、直線流路に折れ角θ(°)で屈折した屈折流路が結合する流路構成であっても、一般式(1)または一般式(5)に基づいて折れ角θ(°)を設定することにより、パラボリックフロー(層流)を打破することができる。すなわち、液体の壁面への衝突を緩和し、衝突による液体の流れが乱れるのを防ぐことができる。したがって、折れ角θ(°)の値は、液体セル1(透光性基材2,3)の外形サイズや流路構造などを考慮して適宜設定することができる。
以上の屈折流路の結果を考慮すると、折れ角が連続した角度勾配から形成された流路構造、すなわち曲線構造の流路(曲線流路)が、より好ましい流路構造であると言える。それは、曲線は微小屈曲部の積分形であり、滑らかに屈曲されている。それゆえ、液体が速度分布なしの栓流(一定速度)で曲線流路を通過することが可能となる。
こうした曲線構造の液体流路(曲線流路)を備えた液体セルの一例を説明する。
図6は、曲線流路を備えた分光分析用液体セルの構成を模式的に示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。
なお、図6に示す液体セル10は、液体流路の正面形状以外の基本構成などは、図1に示す液体セル1と同じであり、液体流路以外の説明は省略または簡略化する。
図6において、液体セル10は、テラヘルツ光を透過する2枚の透光性基材20,37と、マイクロチューブ4を含み構成されている。
透光性基材20,37は、共にZ板水晶より成り、外形形状が長方形の平板状を成している。例えば、平面サイズ(外形サイズ)は略10mm×17mm、板厚は略1.35mmである。
透光性基材20は、一方の面内に、液体の通路となる液体流路20Aが形成されている。透光性基材37は、長方形状の一方の短辺に開口して長辺に沿う所定長さの凹部(溝)より成る液体流路の入口37aと、他方の短辺に開口して長辺に沿う所定長さの凹部より成る液体流路の出口37bが形成されている。なお、液体流路の入口37aおよび液体流路の出口37bの短辺からの長さは、5mm程度である。
そして、透光性基材20および透光性基材37の外形形状を略一致させて、透光性基材20の液体流路20Aが形成された一方面と、透光性基材37の液体流路の入口37aおよび液体流路の出口37bが形成された一方面同士を相対して重ね合わせて、接着剤(図示せず)を用いて接合されている。
透光性基材20に形成された液体流路20Aは、長方形の外形形状の一方の短辺側から長辺に沿って他方の短辺側に向かって延伸する直線流路部20a(以後、直線部20aと表す)と、直線流路部20aに接続し、半円形状の2本の曲線から形成された曲線流路部20b(以後、曲線部20bと表す)と、曲線部20bに接続し、長方形の外形形状の一方の短辺側に向かって延伸する流出流路部20c(以後、流出部20cと表す)とから成る一本の流路で構成されている。
すなわち、液体流路20Aは、曲線構造を備えている。なお、流出部20cは、長方形の外形形状の一方の短辺側に向かって延伸する流出部20cの略半分の位置から液体流路の出口37bに向かうに従って先細りする漏斗状形状を成している。液体流路20A(直線部20a、曲線部20b、流出部20c)は、幅αの凹部(溝)で形成されている。
液体流路の入口37aおよび液体流路の出口37bは、幅700μm、深さ700μm程度の凹部より成り、それぞれ直線部20aおよび流出部20cに一部が重なるようにして長辺に沿って形成されている。その液体流路の入口37aおよび液体流路の出口37bの短辺からの長さは、5mm程度である。
液体流路の入口37aに接続された導液口は、直線部20aの略中心線上に位置し、直線部20aに連通すると共に、直線部20aを介して曲線部20b内に液体を供給するためのマイクロチューブ4aが挿入して取付けられている。一方、液体流路の出口37bに接続された流出口は、流出部20cに連通すると共に、曲線部20bを通過した液体を外部に流出するためのマイクロチューブ4bが、導液口と同様に取付けられている。
この曲線部20bの流路領域内に、後述するテラヘルツパルス分光計測装置より照射されるテラヘルツ光の集光エリアCA(図中に二点鎖線で示す円形内領域)が位置する。集光エリアCAの直径は、例えば2mm程度である。
なお、液体流路20A(直線部20a、曲線部20b、流出部20c)を形成する凹部の幅αは例えば略3mmであり、直線部20aにおける液体流路の入口37aの奥壁から曲線部20bの開始中心点(屈曲点)A2までの距離は、例えば略55mmである。
こうした曲線構造の流路(曲線流路)を備えた液体セル10は、接線角度の設計(演算)を始めとして、流路構造における特別な設計を必要としない。換言すると曲線流路(曲線部)20bを備えた液体流路20Aは、曲線部20bまでの距離(直線部20aの長さ)、液体の粘性係数η、圧力差(P1、P2差)、流路幅αによらない。なお、図6中に示す集光エリアCAは、半円形状の2本の曲線から形成された曲線部20bの流路領域内に位置していれば、どこの位置であってもよい。
例えば、図7に示すような曲線構造の液体流路を備えた分光分析用液体セルであっても良い。
図7は、別の曲線流路を備えた分光分析用液体セルの構成を模式的に示す正面図である。なお、図7に示す液体セルは、透光性基材の外形サイズおよび液体流路の正面形状以外の基本構成などは、図6に示す液体セル10と同様であり、説明は省略または簡略化する。
図7において、液体セル11は、透光性基材21に形成された液体流路21Aが、透光性基材38に形成された液体流路の入口38aを介して液体流路21A内に液体を注入するための領域として機能する直線部21aと、直線部21aに結合した2本の半円形状の曲線から形成された曲線部21bと、曲線部21bに結合し、透光性基材38に形成された液体流路の出口38bを介して液体流路21A内から液体を流出するための領域として機能する漏斗状形状を成した流出部21cとから成る一本の流路で構成されている。
曲線部21bは、直線部21aにおける液体流路の入口38aの奥壁位置を半円形状より成る曲線流路の開始中心点(屈曲点)A3として形成されている。すなわち、液体流路の入口38aの奥壁と屈曲点A3とは、略一致した位置である。換言すれば、液体流路の入口38aの奥壁から屈曲点A3までの距離は、0(ゼロ)である。
なお、液体流路21A(直線部21a、曲線部21b)を形成する凹部の幅αは例えば略3mmである。また、この曲線部21bの領域内に、後述するテラヘルツパルス分光計測装置より照射されるテラヘルツ光の集光エリアCAが位置する。集光エリアCAの直径は、例えば2mm程度である。
このように液体流路21Aが形成された液体セル11は、上記した屈折流路を備えた液体セル1および曲線流路を備えた液体セル10に比べて、液体流路の長さが短いことにより、入手量の少ない液体や高価な液体など、液体の微量分析に好適に用いることができる。
次に、屈折流路を備えた液体セル1、曲線流路を備えた液体セル10および直線流路を備えた液体セル(図示せず)を含む流路構造における液交換性能について説明する。
図8は液体セルの液交換性能を透過率時間変動で示すグラフである。図9および図10は、共に図8における部分拡大グラフであり、図9は第1液注入時における液体セルの透過率時間変動を示すグラフであり、図10は第2液注入時における液体セルの透過率時間変動を示すグラフである。
なお、図示しないが、直線流路を備えた液体セルは、液体セル1における透光性基材3の相対するそれぞれの短辺に、液体流路の入口3aと液体流路の出口3bとを一直線上に配置し、液体流路の入口3aの略中心線上に幅3mmの直線流路を形成した液体セルであり、直線流路内の液体流路の入口3aの奥壁から略55mmの位置に直径2mmの集光エリアCAの縁が位置している。
また、液交換性能は、第1液として純水(透過率:5%)、第2液としてエタノール(透過率:50%)を用い、分光計測装置により透過率時間変動を測定した。
図8〜図10に示すグラフは、横軸に時間(sec)、縦軸に透過率(%)を示す。
図8〜図10において、線図d1は、直線流路を備えた液体セルにおける集光エリアCAでの透過率時間変動を示し、線図d2は屈折流路を備えた液体セル1、線図d3は曲線流路を備えた液体セル10における集光エリアCAでの透過率時間変動を示す。また、各線図は、横軸の0(ゼロ)sec時点で各液体流路内に第1液(純水)を注入し、10sec経過時点で第2液(エタノール)を注入した場合の透過率時間変動を示す。
図8および図9に示すように、各液体セルの液体流路内に注入された第1液(純水)は、注入後1sec〜2sec程度で第1液の透過率5%の値を正確に示す。
一方、図8および図10に示すように、各液体セルの液体流路内に第1液が注入された状態で第2液を注入すると、これも注入後1sec〜2sec程度で第2液(エタノール)の透過率50%の値を正確に示す。
また、液交換性能については、第1液の注入時および第2液の交換時(置換時)共に、線図d1(直線流路を備えた液体セル)に比べて、線図d2(屈折流路を備えた液体セル1)が急峻な曲線を描き、さらに線図d3(曲線流路を備えた液体セル10)が、より急峻な曲線を描いている。すなわち、液交換性能は、直線流路を備えた液体セルに比べて屈折流路を備えた液体セル1が優れ、さらに曲線流路を備えた液体セル10は、屈折流路を備えた液体セル1よりも優れる。なお、別の曲線流路を備えた液体セル10は、液体セル10と略同じ液交換性能(線図)を描く。
液交換性能に優れる液体セルは、液体の液置換性にタイムラグを生じるのを防ぎ、液体の置換を迅速に行うと共に、液体が混じり合うこともなく、高い精度のシグナルを得ることができる。また、検査物体の物性などをセンシングする際などにおいて、多数種類の液体(試料溶液)に対して一つの液体セルで対応することができる。
次に、液体セルの製造方法を説明する。なお、製造方法は、屈折流路を備えた液体セル1を製造する場合で説明する。
図11は、液体セルの製造方法を説明するための液体セルの正面模式図である。なお、図11には、液体セル1の透光性基材2の界面における態様を実線で示し、透光性基材3の界面における態様を二点鎖線で示す。また、マイクロチューブ4などの図示は省力する。したがって、液体セル1の製造方法は、図1を参照しながら図11に従って説明する。
先ず、予め切断加工された板厚が略1.35mm、平面サイズが略10mm×17mmの長方形の平板状を成した水晶板(Z板水晶)を準備する(準備工程)。この水晶板は、後に透光性基材2,3を構成する。
そして準備した水晶板は、溝加工工程に移行する。
溝加工工程では、ブラスト加工法を用いて所定形状の溝が形成される。
形成される溝は、1枚の水晶板(第1の水晶板)の一方面上に液体流路2A(直線部2a、屈折部2b)となる凹部が形成される。また、他の1枚の水晶板(第2の水晶板)の一方面上に液体流路の入口3aおよび液体流路の出口3bとなる凹部が形成される。
ブラスト加工法は、マスクを形成するマスキング工程と、ブラスト工程とを有する。
マスキング工程は、第1の水晶板の表面に感光性ドライフィルムをラミネートする。そして、感光性ドライフィルムの上面に、予め作製した液体流路2A以外の領域を除去するように形成されたマスクを重ね合わせて、感光性ドライフィルムの露光を行う。露光は、露光装置を用いて、マスク上に紫外線が照射される。第1の水晶板の表面に形成する液体流路2Aの幅は、略300μmである。
なお、第1の水晶板の加工面には、液体流路2Aとなる凹部の形成と同時に、液体流路2Aとなる凹部に掛からず、且つ第2の水晶板に形成される液体流路の入口3aおよび液体流路の出口3bとなる凹部に掛からない凹部に沿う領域2c(図中にドットで示す)に接着剤の落とし溝として機能する多数の凹部(溝)がマトリックス状に形成されている(凹部の部分拡大図を矢印先端の円内に示す)。したがって、接着剤落とし溝の深さも略100μmである。なお、接着剤落とし溝(凹部)は、後の透光性基材接合工程において、完成した透光性基材2と透光性基材3とを接着する際に、余分な接着剤を内部に落とし込んで接着剤貯めとなる。
そして、現像を行う。現像は、感光性ドライフィルムの露光が行われた第1の水晶板を、現像装置内に投入して、露光された感光性ドライフィルム上に現像液をスプレイノズルから噴射して行う。現像液としては、例えば、濃度0.1%〜0.3%程度で、液温が30℃程度の炭酸ナトリウム水溶液を用いる。これにより、第1の水晶板の表面に、液体流路2Aの流路形状に相似した形状の多数の感光性ドライフィルムが残存する。
第2の水晶板についても、表面にラミネートした感光性ドライフィルムの上面に、液体流路の入口3aおよび液体流路の出口3b以外の領域を除去するように形成されたマスクを重ね合わせて、感光性ドライフィルムの露光を行った後、第1の水晶板と同様の方法で現像を行う。なお、第2の水晶板の表面に形成する液体流路の入口3aおよび液体流路の出口3bの幅は、略700μmである。
そして、酸性水溶液によるリンスおよび乾燥を行った後、ブラスト工程に移行する。
ブラスト工程では、感光性ドライフィルムが現像された第1の水晶板および第2の水晶板を、マイクロブラスト装置を用いて、ブラスト加工が行われる。
ブラスト加工は、マイクロブラスト装置を用いて、感光性ドライフィルムが現像された第1の水晶板および第2の水晶板の表面に、ブラストノズルから圧縮空気と共に研磨剤を噴射して、残存する感光性ドライフィルム以外の領域の水晶板を脆性破壊原理により除去する。研磨剤としては、炭化ケイ素、アルミナ、ガラスビーズあるいはステンレスパウダーなどが挙げられる。また、研磨剤の粒度は、JIS1998に規定された#600〜#6000(粒子径:4μm〜25μm)程度の微粉を用いるのが好ましい。
第1の水晶板は、水晶板の表面に、0.15MP程度の噴射圧力で研磨剤を噴射しながら、移動速度50mm/sec程度で、20パスの加工を行う。これにより、第1の水晶板の表面に深さが略100μm、幅が略300μmの直線流路部2aおよび屈折流路部2bより成る液体流路2Aが形成される。
一方、第2の水晶板に対しては、水晶板の表面に、0.35MP程度の噴射圧力で研磨剤を噴射しながら、移動速度50mm/sec程度で、30パスの加工を行って、深さ700μm程度の液体流路の入口3aおよび液体流路の出口3bが形成される。
そして、マスク剥離工程に移行する。
マスク剥離工程では、ブラスト加工された第1の水晶板および第2の水晶板を25℃から50℃位の水温の水中に一時間放置し、感光性ドライフィルムを除去する。これにより、透光性基材2および透光性基材3が完成する。
そして、透光性基材接合工程に移行する。
透光性基材接合工程では、ブラスト加工法による溝加工工程(マスキング工程およびブラスト工程)において完成した透光性基材2と透光性基材3とを接合するために接着固定する。
接着固定は、透光性基材2の液体流路2Aが形成された面に、例えばスクリーン印刷法を用いて、熱硬化性接着剤を塗布する。そして、透光性基材2の熱硬化性接着剤が塗布された面に、透光性基材3の外形形状を略一致させて、液体流路の入口3aおよび液体流路の出口3bが形成された面を重ね合わせる。
その後、重ね合わされた透光性基材2と透光性基材3を、外側両面から加圧した状態で、温度が75°程度に設定した加熱炉中に、2.5時間程度投入して、熱硬化性接着剤の硬化処理を行う。
こうした接着固定の際、透光性基材同士を外側両面から加圧することによって、透光性基材2の面に塗布された余分な接着剤は、接着剤落とし溝の内部に落とし込まれて、厚さが数μm程度の硬化した接着剤層によって、透光性基材2と透光性基材3とが接着固定される。なお、接着剤として、熱硬化性接着剤に代えて、紫外線硬化接着剤を用いても良い。
そして、マイクロチューブ取付け工程に移行する。
マイクロチューブ取付け工程では、液体流路の入口3aおよび液体流路の出口3bのそれぞれの孔内に、マイクロチューブ4(4a,4b)を挿入して、シリコーン系の接着剤5により透光性基材2と透光性基材3とに接着固定する。マイクロチューブ4は、挿入されるそれぞれの孔の奥壁とチューブ先端との間に少なくとも液体が流通可能な広さの空間が形成される位置に接着固定する。
これにより、液体セル1が完成する。
なお、以上の液体セル1の製造方法において、第1の水晶板の一方面上に液体流路2Aとなる凹部を形成する溝加工工程に、ブラスト加工法を用いた場合で説明したが、ブラスト加工法に代えて、エッチング加工法を用いることができる。エッチング加工法を用いて溝加工された液体セル1は、ブラスト加工法を用いた場合に比べて加工解像度が高いので、より高い精度の液体流路2Aを形成することができる。よって、より液交換性の高い液体セル1が得られる。
以上に説明した液体セル1は、液体流路2A内に液体(試料溶液)を注入して、透過測定法により液体(試料溶液)の周波数依存性などを解析するのに用いることができる。液体セル10および液体セル11についても同様である。
次に、液体セル1(図1参照)を用いて試料溶液を測定するテラヘルツパルス分光計測装置100について説明する。
図12は、テラヘルツパルス分光計測装置の概略構成を示す模式図である。なお、テラヘルツパルス分光計測装置100には液体セル1がセットされた態様で示す。
図12において、テラヘルツパルス分光計測装置100は、試料溶液が注入された液体セル1にテラヘルツ光をパルス状に照射し、液体セル1(試料溶液)を透過したテラヘルツパルス光の電場強度の時間に依存した波形(振動電場の時間波形)を測定し、その振動電場の時間波形に基づく時系列データをフーリエ変換処理することにより、電場強度の周波数特性、分光透過率や吸収率などの周波数依存性などが得られる。
テラヘルツパルス分光計測装置100は、ポンプ・プローブ方式の分光計測装置であり、パルス光L1を射出するレーザ発生装置30と、ビームスプリッタ31と、ミラー32,41,43,44,45と、テラヘルツ光発生素子33と、集光レンズ34,46と、軸外し放物面鏡35,36と、時間遅延装置42と、テラヘルツ光検出素子47とを備えている。
また、テラヘルツパルス分光計測装置100は、テラヘルツ光検出素子47に接続する電流増幅器50と、ロックインアンプ51と、コンピュータ52と、液体セル1を保持固定するホルダー60とを備えている。
レーザ発生装置30は、フェムト秒(10-15秒)パルスレーザ光源を備え、繰り返し周期が数kHz〜数10MHz程度、パルス幅が10〜150fs程度の直線偏光のパルス光L1を放射する。
ビームスプリッタ31は、レーザ発生装置30より放射されるパルス光L1をポンプ光L2とプローブ光L11に分割する。
テラヘルツ光発生素子33は、半導体基板33aと、超半球レンズ33bなどを備えている。
半導体基板33aは、低温成長ガリウムヒ素などから成る基板上に、合金製の平行伝送線路間に微少ギャップ33cを有する光伝導アンテナが形成されており、平行伝送線路(微少ギャップ33c)間に数10Vの電圧(33d)を印加することにより、集光レンズ34を介して微少ギャップ33cに集束入射するポンプ光L2からテラヘルツ光を発生させる機能を有する。超半球レンズ33bは、半導体基板33aで発生したテラヘルツパルス光をコリメートする機能を有する。
軸外し放物面鏡35および軸外し放物面鏡36は、共に回転放物面を有する2つの凹面鏡を備えている。
軸外し放物面鏡35は、テラヘルツ光発生素子33から発したテラヘルツ光L3(パルス状)を反射して、液体セル1に向かって集束して照射する機能を有する。軸外し放物面鏡36は、液体セル1を透過したテラヘルツ光L4を反射して、テラヘルツ光検出素子47に集束して照射する機能を有する。
時間遅延装置42は、折り返しミラー42bを備えた可動ステージ42a、可動ステージ42aを図中に矢印で示すβ方向に移動するための移動装置(図示せず)などを備えている。時間遅延装置42は、ビームスプリッタ31において分割されて可動ステージ42aの折り返しミラー42bに入射するプローブ光L11に時間遅延を付与する機能を有する。
テラヘルツ光検出素子47は、テラヘルツ光発生素子33と同様に、半導体基板47aと、超半球レンズ47bを備えている。
半導体基板47aは、ガリウムヒ素などから成る基板上に、合金製の平行伝送線路間に微少ギャップ(光伝導アンテナ)47cが形成されており、平行伝送線路(微少ギャップ47c)間に微少電流計47dが接続されている。
このテラヘルツ光検出素子47は、軸外し放物面鏡36から超半球レンズ47bを介して微少ギャップ47cに集束して照射されるテラヘルツ光L4と、集光レンズ46を介してテラヘルツ光L4と反対側から光伝導アンテナ47cに集束して照射される時間遅延装置42で時間遅延されたプローブ光L12とから、微少電流計47dにおいて、テラヘルツ光L4の振動電場に比例した瞬時電流(瞬時電流波形)を計測する機能を有する。すなわち、テラヘルツ光L4の振動電場の時間波形(時間に依存した時系列データ)を計測する。
電流増幅器50は、テラヘルツ光検出素子47において検出された瞬時電流を増幅する。
ロックインアンプ51は、電流増幅器50において増幅された振動電場の時間波形のノイズ成分を減少させるために、光チョッパーの変調をかけて同期検波を行う。
コンピュータ52は、記憶回路、演算回路およびディスプレイなどを備え、ロックインアンプ51を介して検波されたテラヘルツ光L4の時間波形をフーリエ変換することによって、テラヘルツ光L4の分光透過率の周波数特性を得ることができる。
ホルダー60は、液体セル1を保持固定する着脱チャックであり、2つの保持具60aが、透光性基材2,3が重ね合わされた液体セル1を、板厚方向の両面(表裏面)側から挟み込んで保持固定する。ホルダー60は、軸外し放物面鏡35と軸外し放物面鏡36との間の、テラヘルツ光L3が略集束する位置に配設されている。
また、2つの保持具60aには、テラヘルツ光L3が通過する窓として機能する貫通孔60bがそれぞれ形成されている。それぞれの貫通孔60bは、液体セル1の集光エリアCAよりも広い大きさを有する同一形状の円形孔を成している。
ホルダー60に保持固定された液体セル1は、液体流路の入口3aに取付けられたマイクロチューブ4a(図1参照)が、例えば、液クロマトグラフィー61に接続され、液体流路の出口3bに取付けられたマイクロチューブ4b(図1参照)が廃液容器(図示せず)に接続されている。
液クロマトグラフィー61は、例えば、モータを動力源とする注射筒型のポンプを備え、移動相として液体を用い、混合物の成分を例えば分子量に基づいた成分毎に分離する装置である。この成分毎に分離した液体(試料溶液)を、液体セル1を用いて解析する試料溶液として、ポンプを稼動することによって、マイクロチューブ4aを介して液体セル1の液体流路2A内に注入したり、マイクロチューブ4bを介して廃液容器に排出したりすることができる。
次に、テラヘルツパルス分光計測装置100の動作について簡単に説明する。なお、ホルダー60には、予め液クロマトグラフィー61からマイクロチューブ4aを介して液体流路2A内に液体(試料溶液)が注入された液体セル1が保持固定される。
先ず、レーザ発生装置30からフェムト秒パルスレーザのパルス光L1が射出される。レーザ発生装置30から射出されるパルス光L1は、例えば、繰り返し周期が10MHz、パルス幅が100fsである。
そして、レーザ発生装置30から放射(射出)されたフェムト秒パルスレーザのパルス光L1は、ビームスプリッタ31に入射する。ビームスプリッタ31では、入射するパルス光L1が、ポンプ光L2とプローブ光L11に分割される。
ビームスプリッタ31で分割された一方のポンプ光L2は、ミラー32で反射された後、集光レンズ34を介してテラヘルツ光発生素子33に入射する。テラヘルツ光発生素子33に入射するポンプ光L2は、半導体基板33a上に形成され、数10Vの電圧が印加された平行伝送線路間の微少ギャップ(光伝導アンテナ)33cに集束して入射する。
テラヘルツ光発生素子33では、半導体基板33a中に光励起キャリアが生成され、微少ギャップ33c間の電圧で光励起キャリアが加速されて、瞬時電流が流れることによって、パルス幅が1ピコ秒程度のテラヘルツ光L3が放射される。
そして微少ギャップ33c間から放射されたテラヘルツ光L3(パルス状)は、超半球レンズ33bでコリメートされて、軸外し放物面鏡35に入射する。
軸外し放物面鏡35では、回転放物面を有する2つの凹面鏡によって、テラヘルツ光発生素子33から発したテラヘルツ光L3を反射して、ホルダー60に保持固定された液体セル1に向かって集束して照射する。
液体セル1に向かって集束して照射されたテラヘルツ光L3は、ホルダー60の一方の保持具に形成された貫通孔60bから液体セル1に入射して、液体セル1を透過する。この時テラヘルツ光L3は、液体セル1(液体流路2A)内に注入された液体(試料溶液)に対して集光エリアCA(図1参照)に集束して透過する。集光エリアCAの直径は、例えば、2mm程度である。
液体セル1を透過したテラヘルツ光L4(パルス状)は、試料溶液における特性情報を含んでいる。
そして、液体セル1を透過したテラヘルツ光L4は、軸外し放物面鏡36に入射する。
軸外し放物面鏡36では、回転放物面を有する2つの凹面鏡によって、液体セル1を透過したテラヘルツ光L4を反射して、テラヘルツ光検出素子47に入射する。テラヘルツ光L4は、超半球レンズ47bを介して微少ギャップ47cに集束して入射する。
一方、ビームスプリッタ31において分割されたプローブ光L11は、ミラー41で反射されて時間遅延装置42に入射する。
時間遅延装置42では、移動装置を稼動して可動ステージ42aを図中に矢印で示すβ方向に移動して、折り返しミラー42bに入射するプローブ光L11に時間遅延を付与したプローブ光L12を反射する。この時間遅延装置42において付与される時間遅延は、プローブ光L11の繰り返し周期が10MHzであることから、入射光の光路長の0.3mmの変化が、1ピコ秒の変化に相当する。
そして、時間遅延装置42において時間遅延が付与されたプローブ光L12は、ミラー43、ミラー44、ミラー45の順に順次反射された後、集光レンズ46を介してテラヘルツ光検出素子47に集束して入射する。テラヘルツ光検出素子47に入射するプローブ光L12は、半導体基板47a上に形成され、微少電流計47dが接続された平行伝送線路間の微少ギャップ(光伝導アンテナ)47cに集束して入射する。
テラヘルツ光検出素子47では、液体セル1を透過して入射するテラヘルツ光L4が光伝導アンテナ47cに入射した状態で、光伝導アンテナ47cにプローブ光L12が入射すると、プローブ光L12が入射する間、テラヘルツ光L4によって半導体基板47a中に生成された光励起キャリアが、テラヘルツ光L4に伴う振動電場で加速されて、振動電場に比例する瞬時電流が流れる。そして、この瞬時電流が微少電流計47dで計測される。すなわち、テラヘルツ光L4の振動電場の時間に依存した時系列データ(振動電場の時間波形)が計測される。
このように、テラヘルツ光検出素子47では、時間遅延によってプローブ光L12がテラヘルツ光検出素子47に到達するタイミングを変えることによって、プローブ光L12とテラヘルツ光L4の間に光学的な時間遅延を設定して、10MHzの繰り返し周期で入射するテラヘルツ光L4の振動電場の時間波形の計測が行われる。
そして、テラヘルツ光検出素子47で計測されたテラヘルツ光L4の電場強度の時間波形は、電流増幅器50に出力されて増幅された後、電流増幅器50からロックインアンプ51に出力される。
ロックインアンプ51では、電流増幅器50において増幅された振動電場の時間波形のノイズ成分を減少させるために、光チョッパーで数KHzの変調をかけて同期検波が行われる。この数KHzの変調に対してテラヘルツ光L4の繰り返し周期が10MHzであることによって、同期検波されたテラヘルツ光L4の時間波形は、連続波形として扱うことができる。
そして、同期検波されたテラヘルツ光L4の振動電場の時間波形は、コンピュータ52に出力される。
コンピュータ52では、ロックインアンプ51において同期検波されたテラヘルツ光L4の振動電場の時間波形をフーリエ変換することによって、テラヘルツ光L4の電場強度の周波数特性、分光透過率や吸収率などの周波数依存性などデータ、すなわち、試料溶液の特性情報が得られる。この後、これらの得られた周波数特性や周波数依存性などを解析することにより、試料溶液の物理的、化学的な性質を探求することができる。
また、液体セル1は、マイクロチューブ4aを液クロマトグラフィー61に接続し、テラヘルツパルス分光計測装置100のホルダー60に取付けて、液クロマトグラフィー61において成分毎に分離した液体を試料溶液として、順次、液体セル1の液体流路2A内に注入して、試料溶液の振動電場の時間波形などを測定することができる。
このように、液体セル1は、液クロマトグラフィー61に直結して使用することが可能であり、試料溶液の置換がスムーズで、しかも測定作業を容易に行うことができる。なお、この液体セル1は、こうしたテラヘルツ分析の他に、赤外分光分析やラマン分光分析などに利用することもできる。また、用いられる試料溶液としては液体であれば限定されない。例えば、有機溶剤、血液などが挙げられる。
以上の実施形態において、液体セル1,10,11において、液体流路2A,20A,21Aを形成する凹部(溝)の幅(流路幅)αが略3mmの場合で説明したが、1mm〜5mmの範囲の値であっても同じ効果が得られる。また、凹部(溝)の深さは、30μm〜1mm程度であるのが好ましい。
本実施形態に係る分光分析用液体セルの構成を模式的に示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は断面図。 直線流路における層流の流速分布を説明する模式図。 直線流路における経過時間毎の断面形状を示す説明図。 屈折流路における流速分布を説明する模式図。 屈折流路における経過時間毎の断面形状を示す説明図。 本実施形態に係る曲線流路を備えた分光分析用液体セルの構成を模式的に示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は断面図。 別の曲線流路を備えた分光分析用液体セルの構成を模式的に示す正面図。 液体セルの液交換性能を透過率時間変動で示すグラフ。 第1液注入時における液体セルの透過率時間変動を示すグラフ。 第2液注入時における液体セルの透過率時間変動を示すグラフ。 液体セルの製造方法を説明するための液体セルの正面模式図。 テラヘルツパルス分光計測装置の概略構成を示す模式図。
符号の説明
1,10,11…分光分析用液体セル(液体セル)、2,20,21…第1の透光性基材、2A,20A,21A…液体流路、2a,20a…直線流路部、2b…屈折流路部、20c,21c…屈曲流路部、3,37,38…第2の透光性基材、3a,37a,38a…液体流路の入口、3b,37b,38b…液体流路の出口、4(4a,4b)…マイクロチューブ、5…接着剤、33…テラヘルツ光発生素子、35,36…放物面鏡、42…時間遅延装置、47…テラヘルツ光検出素子、60…ホルダー、61…液クロマトグラフィー、100…テラヘルツパルス分光計測装置。

Claims (4)

  1. 液体の分光分析に用いられる分光分析用液体セルであって、
    前記分光分析用液体セルはテラヘルツ光を透過する透光性基材が積層された積層体を含み、前記積層体の透光性基材の界面に沿って形成された液体流路を備え、
    前記液体流路は、直線流路部と屈折流路部、または前記直線流路部と曲線流路部を備え、
    前記屈折流路部は前記直線流路部に屈折して接続された直線の流路を有し、
    前記曲線流路部は前記直線流路部に接続された曲線の流路を有し、
    前記屈折流路部または前記曲線流路部の流路領域内に、前記テラヘルツ光の集光スポットを照射して用いることを特徴とする分光分析用液体セル。
  2. 請求項1に記載の分光分析用液体セルであって、
    前記屈折流路部の流路が互いに屈折して接合する折れ角θ(°)が、次の一般式(1)で表わされることを特徴とする分光分析用液体セル。
    Figure 2010071660
    但し、ηは液体の粘性係数(Pa・s)、lは前記液体流路の入口から前記液体流路の出口までの流路長(m)、P1は前記液体流路の入口での圧力(Pa)、P2は前記液体流路の出口での圧力(Pa)、tは液体が前記液体流路の入口から移動した経過時間(sec)、αは前記液体流路の幅(m)を示す。
  3. 請求項1または請求項2に記載の分光分析用液体セルであって、
    前記分光分析用液体セルは前記液体を注入する導液口を有し、
    前記導液口に前記液体流路の入口が接続され、
    前記液体流路の入口より前記屈折流路部が屈折する屈折点までの流路長、または前記液体流路の入口より前記曲線流路部が屈曲する屈曲点までの流路長が、0(ゼロ)〜55mmの範囲内であることを特徴とする分光分析用液体セル。
  4. 請求項1または請求項2に記載の分光分析用液体セルであって、
    前記直線流路部と、前記直線流路部に接続する前記屈折流路部または前記曲線流路部とが、実用上同じ断面形状の凹部を有する一本の流路を備え、
    前記流路の幅が1mm〜5mm、深さが30μm〜1mmであることを特徴とする分光分析用液体セル。
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