JP2017009296A - 電磁波伝搬装置及び情報取得装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリズムで行う高効率な電磁波の伝搬において、ノイズを少なくすることができる電磁波伝搬装置等を提供する。
【解決手段】電磁波伝搬装置100は、電磁発生部11と、検出部12と、第1の回転楕円体面103と第2の回転楕円体面104を有するプリズム10と、発生部からの電磁波の一部の光路を変更する変換手段14を有する。プリズムは、第1の回転楕円体面の焦点15を含む面13と第1の回転楕円体面の焦点101を含む面と第2の回転楕円体面の焦点102を含む面を有し、発生部11と検出部12は、それぞれ、焦点101を含む面と焦点102を含む面に配置される。変換手段14は、発生部11から放射直後の電磁波の光路の方向と焦点15、101を結ぶ第1の直線とがなす角の大きさが、第1の回転楕円体面を含む面と面13の交点と焦点101とを結ぶ第2の直線と前記第1の直線とがなす角より小さくなるよう構成される。
【選択図】図1−1
【解決手段】電磁波伝搬装置100は、電磁発生部11と、検出部12と、第1の回転楕円体面103と第2の回転楕円体面104を有するプリズム10と、発生部からの電磁波の一部の光路を変更する変換手段14を有する。プリズムは、第1の回転楕円体面の焦点15を含む面13と第1の回転楕円体面の焦点101を含む面と第2の回転楕円体面の焦点102を含む面を有し、発生部11と検出部12は、それぞれ、焦点101を含む面と焦点102を含む面に配置される。変換手段14は、発生部11から放射直後の電磁波の光路の方向と焦点15、101を結ぶ第1の直線とがなす角の大きさが、第1の回転楕円体面を含む面と面13の交点と焦点101とを結ぶ第2の直線と前記第1の直線とがなす角より小さくなるよう構成される。
【選択図】図1−1
Description
本発明は、プリズムを用いてテラヘルツ波などの電磁波を導波する電磁波伝搬装置、及びそれを利用した情報取得装置に関する。
テラヘルツ波は、ミリ波帯からテラヘルツ帯(30GHz以上30THz以下)のうち少なくとも一部の周波数帯域を有する電磁波である。従来、よく用いられているテラヘルツ波の伝搬手段として、軸外し放物面鏡をテラヘルツ波光路の調整手段として使用した空間伝搬方法がある(非特許文献1参照)。軸外し放物面鏡は、コリメートされた光を集光したり、逆に発散光をコリメートしたりするものである。このテラヘルツ波の空間伝搬方法を使った装置は、市販されている部品を組上げることで簡便に作製できるが、テラヘルツ波を発生部から検出部まで導くアライメント調整が容易とは言い難い。また、温度変化や経時変化などにより光学部品が位置変動してしまうというアライメント安定性に関する難点も指摘される。さらに、テラヘルツ波の伝搬経路を構成する軸外し放物面鏡などの光学部品の大きさ等からくる制限により、装置の小型化が容易でない点も指摘される。
テラヘルツ波発生部として光伝導素子などの点光源を用いる場合、テラヘルツ波の放射方向には、アンテナなどにより指向性が或る程度付与され得るが、テラヘルツ波は発生点から広がりを持って発散する。そのため、テラヘルツ波を空間伝搬させる場合には、テラヘルツ波発生部へのSiレンズなどの装着によりテラヘルツ波を集光して用いることが多い。Siレンズ等により集光することで、発生したテラヘルツ波の大部分を、テラヘルツ波の集光手段や平行光などへの光路変換手段である軸外し放物面鏡や回転楕円体面鏡などへ効率良く結合できる。また、テラヘルツ波検出部に光伝導素子などを用いる場合も同様で、検出部への集光を効率良く行うために、Siレンズなどを装着して用いることが多い。こうした手段を用いることで、テラヘルツ波が伝搬する何れの光路を追跡しても同じ距離となる。よって、テラヘルツ波のパルス波形を乱さずに、THz−TDS装置(THz−TDS:THz−Time Domain Spectroscopy(テラヘルツ時間領域分光法))においては正確な分光情報を得ることができる。また、分光装置以外においても、発生部から発せられたテラヘルツ波を検出部まで効率良く伝搬することができる。
一方、空間伝搬による方法に対して、物質中にテラヘルツ波を伝搬させるプリズム伝搬の方法もある(特許文献1参照)。プリズム中を伝搬するテラヘルツ波を、プリズムに設けた放物面や回転楕円体面などにより反射することで、テラヘルツ波の集光やコリメート光への変換などの光路調整を行う。回転楕円体面は、回転楕円体が有する2つの焦点間を全ての経路において等距離で結合できるものである。また、プリズム伝搬による方法では、テラヘルツ波発生部と検出部を、直接、プリズムに接着などの方法で接触させて光学的に結合させることで、発生部からのテラヘルツ波を空間に取出さずに検出部に導入できる。そのため、テラヘルツ波を空間に取出す際の、大気と物質との屈折率差から生じる反射ロスを少なくできる。また、プリズムにテラヘルツ波発生部、検出部を、直接、接合するため、相対的な位置のアライメントが経時的に安定している。また、テラヘルツ波の伝搬経路をプリズムのみで構成するため、装置の小型化に役立ち、プリズムを含む装置を近づけることで、試料を動かさずにテラヘルツ波で測定することができる可搬性の高い装置を作製できるようになる。
Applied Physics Letters vol.83 p.3117 (2003)
テラヘルツ波の伝搬にプリズムを使う場合において、プリズムに発生部や検出部を、直接、接触させて結合する形態では、Siレンズなどの集光手段を使うことができない。そのため、全てのテラヘルツ波を上記放物面や回転楕円体面などの集光ないし変換手段へ結合させることは容易ではない。こうした手段へ結合されなかったテラヘルツ波は、プリズムの放物面や回転楕円体面などの集光ないし変換手段ではない面で反射されるなどして、直接、もしくは意図しない光路をたどって、検出部に結合してノイズとなる懸念がある。
そこで本発明は、テラヘルツ波などの電磁波の伝搬をプリズムで行う装置において、ノイズを低減する手段を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の電磁波伝搬装置は、電磁波を発生する発生部と、電磁波を検出する検出部と、少なくとも第1の回転楕円体面と第2の回転楕円体面とを有するプリズムと、前記発生部から発せられた電磁波の一部の光路を変更する変換手段と、を有する。前記プリズムは、前記第1の回転楕円体面の第1の焦点又は前記第1の焦点と共役な第1の共役点を含む第1の面と、前記第2の回転楕円体面の第2の焦点又は前記第2の焦点と共役な第2の共役点を含む第2の面と、前記第1の焦点と異なる前記第1の回転楕円体面の第3の焦点を含む第3の面と、を有し、前記発生部は、前記第1の面の前記1の焦点又は前記第1の共役点を含む位置に配置され、前記検出部は、前記第2の面の前記第2の焦点又は前記第2の共役点を含む位置に配置される。前記変換手段は、前記第1の焦点又は前記第1の共役点と前記第3の焦点とを結ぶ第1の直線を含む断面において、前記発生部から放射された直後の電磁波の光路の方向と前記第1の直線とがなす角の大きさが、前記第1の回転楕円体面を含む面と前記第3の面の交点と前記第1の焦点又は前記第1の共役点とを結ぶ第2の直線と前記第1の直線とがなす角より小さくなるように構成されている。
また、上記課題に鑑み、本発明の他の電磁波伝搬装置は、電磁波を発生する発生部と、電磁波を検出する検出部と、少なくとも第1の放物面と第2の放物面とを有するプリズムと、前記発生部から発せられた電磁波の一部の光路を変更する変換手段と、を有する。前記プリズムは、前記第1の放物面の焦点又は該焦点と共役な第1の共役点を含む第1の面と、前記第2の放物面の焦点又は該焦点と共役な第2の共役点を含む第2の面と、前記第1の放物面と前記第2の放物面との間にある第3の面と、を有し、前記発生部は、前記第1の面の焦点又は前記第1の共役点を含む位置に配置され、前記検出部は、前記第2の面の焦点又は前記第2の共役点を含む位置に配置される。前記変換手段は、前記第1の面の焦点又は前記第1の共役点と前記第3の面の端部とを結ぶ第1の直線を含む断面において、前記発生部から放射された直後の電磁波の光路の方向と前記第1の直線とがなす角の大きさが、前記第1の放物面の端部と前記第1の面の焦点又は前記第1の共役点とを結ぶ第2の直線と前記第1の直線とがなす角より小さくなるように構成されている。
本発明の装置の効果の一側面によれば、プリズムで行う高効率な電磁波の伝搬において、電磁波検出部で受ける信号のノイズを少なくすることができる。
下記の電磁波伝搬装置の実施形態及び実施例は、次のような構成を有する。前記変換手段は、前記第1の直線を含む断面において、前記発生部から放射された直後の電磁波の光路の方向と前記第1の直線とがなす角の大きさが、前記第2の直線と前記第1の直線とがなす角より小さくなるように構成されている。プリズムが回転楕円体面を有する構成では、第1の直線は、前記第1の焦点又は前記第1の共役点と前記第3の焦点とを結ぶ直線であり、第2の直線は、前記第1の回転楕円体面を含む面と前記第3の面の交点と前記第1の焦点又は前記第1の共役点とを結ぶ直線である。プリズムが放物面を有する構成では、第1の直線は、前記第1の面の焦点又は前記第1の共役点と前記第3の面の端部とを結ぶ直線であり、第2の直線は、前記第1の放物面の端部と前記第1の面の焦点又は前記第1の共役点とを結ぶ直線である。
より具体的には、プリズムが回転楕円体面を複数有する場合、前記変換手段は、次のようにプリズムに形成された電磁波を反射又は透過する第4の面を有する。すなわち、前記第4の面は、前記第1の直線を含む断面において、前記第4の面の端部と前記第1の焦点又は前記第1の共役点とを結んだ第3の直線と前記第1の直線とがなす角が、前記第2の直線と前記第1の直線とがなす角より大きくなるような形状を有する。或いは、前記第4の面は、前記第4の面の端部と前記第1の焦点又は前記第1の共役点とを結んだ直線が、前記第3の面と交差しないような形状を有する。或いは、前記プリズムに形成された面は、前記発生部から発せられ前記検出部で検出される前記電磁波の伝搬経路において、前記第3の焦点を通過する伝搬経路の長さと比較して、前記第3の焦点を通過しない伝搬経路の長さを長くするように形成されている。
また、プリズムが放物面を複数有する場合、前記変換手段は、次のようにプリズムに形成された面を有する。すなわち、前記プリズムに形成された面は、前記第1の直線を含む断面において、前記変換手段の面の端部と前記第1の面の焦点又は前記第1の共役点とを結んだ第3の直線と前記第1の直線とがなす角が、前記第2の直線と前記第1の直線とがなす角より大きくなるような形状を有する。或いは、前記プリズムに形成された面は、前記変換手段の面の端部と前記第1の焦点又は前記第1の共役点とを結んだ直線が、前記第3の面と交差しないような形状を有する。或いは、前記プリズムに形成された面は、前記発生部から発せられ前記検出部で検出される前記電磁波の伝搬経路において、前記第1の放物面でコリメートされる伝搬経路を含む伝搬経路以外の伝搬経路を反射もしくは透過するような形状を有する。或いは、前記プリズムに形成された面は、前記発生部から発せられ前記検出部で検出される前記電磁波の伝搬経路において、前記第1の放物面でコリメートされる伝搬経路を含む伝搬経路の長さと比較して、該伝搬経路を含まない伝搬経路の長さを長くするように形成されている。
(第1の実施形態)
第1の実施形態のテラヘルツ波伝搬装置100(以下、「装置100」と呼ぶ)の構成を、図1−1(a)を参照して説明する。装置100は、プリズム10と、テラヘルツ波を発生する発生部(発生部)11と、テラヘルツ波を検出する検出部(検出部)12を有する。
第1の実施形態のテラヘルツ波伝搬装置100(以下、「装置100」と呼ぶ)の構成を、図1−1(a)を参照して説明する。装置100は、プリズム10と、テラヘルツ波を発生する発生部(発生部)11と、テラヘルツ波を検出する検出部(検出部)12を有する。
発生部11と検出部12には光伝導素子を用いる方法が広く採用され、本実施形態でもこれを採用する。光伝導素子は、移動度が比較的大きくてキャリア寿命が数ピコ秒以下の半導体と、その上に設けられた2つの電極を有する。半導体には、高抵抗GaAs(SI−GaAs)基板上に結晶成長された半導体であるLT−GaAs膜を用いることが多い(非特許文献1参照)。また、半導体には、InGaAs、InP、GaSbなどの他の半導体結晶を用いることもできる。基板には、GaAs以外にもSi、InPなどを使用することができる。電極には、Ti/AuやAuGe/Ni/Auなどが用いられ、ダイポールやボウタイなどの形状を形成することが多い。光伝導素子を発生部11として使用する場合は、電極間に電圧を印加した状態で電極間のギャップに超短パルスレーザ光を照射する。すると、励起された光キャリアにより電流が瞬間的に電極間を流れることで、広い周波数スペクトルを有するテラヘルツ波が放射される。また、光伝導素子を検出部12として使用する場合には、電極間に電圧を印加せずに、電極間のギャップに超短パルスレーザ光の照射を行う。超短パルスレーザ光の照射によりキャリアが励起された瞬間のみ、検出部に届いたテラヘルツ波の電界強度に応じた電流が電極間に発生する。検出部12に到達する超短パルスレーザ光の到達タイミングを徐々に変え、それぞれの検出電流値をプロットすることで、検出部に届いたテラヘルツ波の時間波形を得ることができる。
超短パルスレーザ光を出力する装置としては、フェムト秒パルスレーザ装置を使用できる。ここでは、中心波長1.55μm、パルス幅50fs、繰り返し周波数50MHzのフェムト秒パルスレーザを出力するレーザ装置を用いた。しかし、波長は1.06μm帯や0.8μm帯などでもよく、また、パルス幅及び繰り返し周波数は前述の値に限らない。なお、本明細書における「フェムト秒パルスレーザ」は、パルス幅が1fs以上500fs以下の超短パルスレーザである。
光ファイバ16、17は、それぞれ、発生部11と検出部12とに接着などの方法で結合している。光ファイバ16には、発生部11へバイアス電圧を供給する不図示の電気ケーブルが備えられ、光ファイバ17には、検出部12で発生する検出信号を伝達する電気ケーブルが備えられている。ここでは、光ファイバ16、17には、発生部の発光効率や検出部の検出効率を良くするシングルモード偏波保持型ファイバを使用したが、コアにフォトニッククリスタルを用いたものや、マルチモード光ファイバを用いることもできる。また、先端がテーパー形状に加工されモードフィールド径を調整した光ファイバを発生部11と検出部12とに接着しても良い。また、レンズ機能を有するように先端が球状に加工された光ファイバや、対物レンズなどを用いて、発生部11と検出部12とに集光しても良い。
プリズム10は、発生部11からのテラヘルツ波を伝搬する。プリズム10の材料はテラヘルツ波の吸収が少ないことが望ましい。ここでは、プリズム10の材料として、テラヘルツ波のレンズ材料などとしてよく用いられ比抵抗10kΩ以上を有する高抵抗シリコンを用いた。材料には、これ以外にもゲルマニウムやSiO2、Al2O3、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、ゼオノア(登録商標)(Cyclic Olefin Copolymer)などを使用しても良い。また、プリズム10のうち、テラヘルツ波が反射される面の表面粗さは、使用するテラヘルツ波の波長の1/10以下の粗さが望ましい。より望ましくは、1/20以下の粗さが望ましい。テラヘルツ波の波長の1/10以下程度の表面粗さとすることで、テラヘルツ波に対しては反射面として働かせ、励起光の波長に対しては散乱体として作用させることができる。よって、励起光となる超短パルスレーザ光がプリズム10に入射してくる場合には、反射面で散乱させて減衰させることができる。例えば、発生部11から発せられる広帯域なテラヘルツ波で考慮すべき最短の波長が30μm(10THz)で、プリズム10の材料に、テラヘルツ波に対して屈折率3.4程度を有するシリコンを使用し、励起光に1.55μmの波長を使用する場合を考える。この場合には、プリズムの表面粗さを0.4μm程度にすることで、テラヘルツ波を反射し励起光を散乱させることができる。こうした設計は、プリズム10の焦点15へ到達する励起光の低減に有効である。もちろん、面は可視光に対して鏡面を有しても良いし、金などの金属膜によりコーティングされていても良い。プリズム10の回転楕円体で構成される反射面はテラヘルツ波の入射角により反射率が変化するため、一部を金属膜でコーティングして反射率を高める構造は、テラヘルツ波の利用効率を向上させるのに有効な手段である。
プリズム10は、回転楕円体を2つの焦点を含む平面で切り離したものをまず2つ設け、その2つのプリズムそれぞれの回転楕円体面103、104それぞれの焦点15を共有するように結合し、焦点15を含む面13を有する形状とする。面13は、好適には平面であるが、必ずしも平面である必要はない。凹状、凸状などの面であってもよいが、試料18を接触させることを考慮すれば、過度に鋭角的な凹部や凸部であるのは好ましいとは言えない。プリズム10は幾つかの部品を組み合わせたものでも良いし、一体に形成されたものでも良い。面13で共有していない回転楕円体面103、104それぞれの焦点101、102を含む位置にはそれぞれ、発生部11と検出部12とが配置される。配置に際しては、発生部11のテラヘルツ波発生点と回転楕円体面103の焦点101とが一致するように配置される。また、検出部12のテラヘルツ波検出点と回転楕円体面104の焦点102とが一致するように配置する必要がある。互いのアライメントはプリズム10にアライメントマークや、嵌合形状を設けても良い。また、面13側にある回転楕円体面103、104の焦点15に、プリズム10を透過する光を導波して、他方の焦点101、102で結合させることで焦点位置をアクティブにアライメントする方法などを用いることができる。なお、複数の回転楕円体103、104の形状やサイズは異なったものでもよい。異なる回転楕円体面103、104の焦点15を一致させていればプリズム10を構成することができる。
発生部11から発せられたテラヘルツ波はプリズム10の回転楕円体面103により反射され、面13上で焦点15を結ぶ。そのため、焦点15で反射されたテラヘルツ波は、焦点15部分の情報を有した状態で検出部12により検出される。この場合、試料18が面13の焦点15を含む部分で接触していれば、テラヘルツ波で焦点15部分の情報を取得することができる。試料18には、固体(プリズム10よりも小さい粉体などの形態でも良い)、液体などを用いることができる。例えば、薬品の成分検査、生体病理検査、食品検査、など様々な分野への適用が想定される。プリズム10を使った装置100では、試料18を面13に押し当てて測定する必要があるが、試料18が平面を有していなくても、試料18が変形できるものであれば、焦点15にてテラヘルツ波を試料18に照射することが可能である。
しかし、発生部11から発生した一部のテラヘルツ波は、回転楕円体面103で反射されずに、直接、面13に入射する可能性がある。テラヘルツ波を照射して測定する試料18が散乱体であって面13に密着される場合には、そこで散乱されたテラヘルツ波が意図しない経路を通じて検出部12の近傍に到達することがある。そのときには、焦点15以外の部分の情報を検出部12で検出することとなり、情報にノイズが含まれることとなる。図1−1(b)に、装置100を用いて得られる時間波形を示した。回転楕円体面で反射されたテラヘルツ波は同一距離の伝搬経路を通過し、検出部12に入射するために、同一のタイミングで波形22を形成することができる。しかし、上述したように、回転楕円体面103で反射されずに、直接、面13に入射し、散乱により、意図しない経路を通じて検出部12の近傍に一部のテラヘルツ波が到達することがある。この場合には、伝搬経路の距離が制御できずに時間波形22の近辺に別の波形を形成することがある。この信号の分離は難しくTHz−TDS分光情報のノイズとなってしまう。
そのため、プリズム10には、発生部11から発せられたテラヘルツ波が、直接、面13に入射する全ての光路を変更する手段として構造14が設けられている。構造14の部分の拡大図を図1−2に示した。本実施形態では、構造14は、プリズム10の一部に設けた窪みである。そして、構造14の面19の平面13側の端部19aと発生部11のテラヘルツ波発生点が位置する回転楕円体面103の焦点101とを結んだ直線が面13と交差しないようにする形状の面19を有する。図1−2では平面を有する窪みとなっているが、曲面を有する窪みであってもかまわないし、面19や面21の角度を変更して面20が消失して、面19と面21から成る窪みでも良い。面19に入射したテラヘルツ波は、反射もしくは透過しその経路が変更されることになる。構造14は、発生部11から発せられたテラヘルツ波がプリズム10の回転楕円体面103に入射する光路の一部の方向を反射もしくは透過によって変換してもかまわない。すなわち、面19の端部と発生部11のテラヘルツ波発生点が位置する回転楕円体面103の焦点101とを結んだ直線が面13と交差しない範囲であれば、面19の大きさ及び回転楕円体に対する角度は、限定されない。また、必要に応じて、構造14の面19に金属などのコーティングを施したり、構造14の窪みを金属などの材料で埋め込んだりすることも可能である。
本実施形態では、プリズム10の側面全体が回転楕円体面103であるため、面19の形状を上記の如く規定している。しかし、回転楕円体面103がプリズム10の側面の全体に亘らない場合は、面19は、次のような形状を有する、とも規定できる。すなわち、面19の端部と発生部11の発生点の焦点101とを結んだ直線が、回転楕円体面103の端部と発生部11の発生点の焦点101とを結んだ全ての直線で形成される錐体の内側にくるようにする。図3に示す後述の第3の実施形態では、このように規定している。
構造14の面19で反射されたテラヘルツ波は、回転楕円体面103で一部反射して面13の焦点15ではない位置に入射して散乱することもあり得る。面13で散乱されたテラヘルツ波は検出部12の近傍に入射しノイズを形成する可能性はある。しかし、構造14で反射されたために検出部12に到達するまでの伝搬距離が長くなっており、焦点15からのテラヘルツ波より遅延して検出部12に到達する。その結果、図1−1(b)に示したように、取得した時間波形において、焦点15からのテラヘルツ波の波形22から離れた位置にノイズ23を形成する。このノイズ23は時間的に分離しており処理で削除することができ、さらに構造14がない場合に比較して、強度も小さくなっているため、正確なTHz−TDSの分光情報取得にとって大きな害とはならない。また、構造14の面19を透過したテラヘルツ波は面20で反射され、殆どがプリズム10内に戻ることはない。戻ったテラヘルツ波についても、上記理由と同様な理由で、削除できるノイズ23となる。
本実施形態において構造14は、発生部11の近傍にのみ設けられているが、検出部12の近傍にも作製することで、さらにノイズの低減を図ることができる。また、この構造14を、プリズム10と発生部11もしくは検出部12とのアライメントマークの一部としても良い。また構造14の面19は、入射したテラヘルツ波を散乱するように、テラヘルツ波の波長に対して1/10以上、或いは1/20以上の粗さを有していても良い。構造14が発生部11のテラヘルツ波発生点が位置する回転楕円体面103の焦点101から離れると、面13の回転楕円体面103を介して焦点15に入射するテラヘルツ波以外のテラヘルツ波の光路に変化を加えるためには、構造14を大きくする必要がある。従って、本来必要となる面13内の回転楕円体面103の焦点15に到達するテラヘルツ波が、構造14によって遮られて信号が弱くなるのを防ぐために、構造14は発生部11のテラヘルツ波発生点が位置する焦点101を含む面の近傍に設けることが望ましい。
ここでは、発生部11と検出部12として光伝導素子を用いるTHz−TDS装置に使用できるテラヘルツ波伝搬装置について記述した。しかし、発生部11にRTD(Resonant Tunneling Diode、共鳴トンネルダイオード)等の発振器を用いたり、検出部12にSBD(Shottky Barier Diode、ショトキーバリアダイオード)等の検出部を用いたりすることもできる。この場合は、前述したTHz−TDSと異なり、パルス情報の取得ではないため、時間的なノイズの分離は困難であるが、プリズム内を多重反射したことによりノイズ強度が下がることとなる。
以上、装置100の構成について説明した。装置100によれば、構造14を導入することにより、テラヘルツ波に含まれるノイズを低減して試料18の情報を抽出することができる。また、プリズム10を用いることで、テラヘルツ波を空間に取り出さずに導入することができる。そのため、テラヘルツ波を空間に取り出す際に大気と物質との屈折率差から生じる反射ロスを少なくできる。また、発生部や検出部をプリズム10に、直接、接合するため、経時的にアライメントが安定している。また、テラヘルツ波の伝搬経路をプリズム10のみで構成するため、テラヘルツ波で測定する試料18に、直接、プリズム10を押し当てて測定することができ、装置の小型化に役立つ。
(第2の実施形態)
本実施形態のテラヘルツ波伝搬装置200(以下、「装置200」と呼ぶ)について、図2を参照して説明する。装置200は、プリズム24と、テラヘルツ波を発生する発生部11と、テラヘルツ波を検出する検出部12を有する。プリズム24以外の構成は第1の実施形態と同様なので、説明を省略する。
本実施形態のテラヘルツ波伝搬装置200(以下、「装置200」と呼ぶ)について、図2を参照して説明する。装置200は、プリズム24と、テラヘルツ波を発生する発生部11と、テラヘルツ波を検出する検出部12を有する。プリズム24以外の構成は第1の実施形態と同様なので、説明を省略する。
装置200でも、プリズム24の材料には第1の実施形態と同様のものを用いることができる。プリズム24は、回転楕円体を2つの焦点を含む平面で切り分けたものをまず2つ設け、その2つのプリズムを1つの焦点28を共有する形状で結合し、焦点28を含む面29を有する形状とすることで形成される。プリズム24は、幾つかの部品を組み合わせたものでも良いし、一体に形成されたものでも良い。面29で共有していない2つの回転楕円体面203、204の焦点205、206と共役な共役点201、202のそれぞれを含む面には、それぞれ、発生部11と検出部12とが配置される。
プリズム24には、構造25が設けられている。構造25は、プリズム24の一部に設けられた面26を有する窪みである。構造25によって、発生部11から発せられたテラヘルツ波は回転楕円体面203での反射を介さずに面29に入射することがなくなる。またプリズム24では、構造25により形成された反射面26を使用して回転楕円体面203、204の焦点位置205、206を、これと共役な位置に移動することにより、発生部11と検出部12とを面29とほぼ平行になるように配置できる。構造25の形状は、面26を形成できるものであれば図示した形状でなくても構わない。構造25は、発生部11から発せられたテラヘルツ波が回転楕円体面203で反射されずに、直接、面29に入射する全ての光路を塞ぐように設けられている。
発生部11から発せられたテラヘルツ波の大部分はプリズム24の回転楕円体面203により反射され、面29上で焦点28を結ぶ。そのため、焦点28で反射されたテラヘルツ波は、焦点28部分の情報を有した状態で検出部12により検出される。このプリズム24おいて、試料18が面29の焦点28を含む一部で接触していれば、テラヘルツ波を検出することにより焦点28部分の情報を取得できる。
構造25の面26で反射されなかったテラヘルツ波は、プリズム24の回転楕円体面203に、直接、入射し、面29上の焦点28に到達しないことがあり得る。これが検出部12近傍に到達すると、前述したノイズの要因となる。しかしながら、この面29の焦点28以外の場所で反射もしくは散乱されたノイズ要因となるテラヘルツ波は、プリズム24に設けられた構造27を使用することで大部分をカットすることができる。構造27は、プリズム24の一部に設けられた面30を有する窪みである。構造27に入射したテラヘルツ波は、反射もしくは透過しその経路を変更されることになる。この構造27の面30において、ノイズ要因となるテラヘルツ波は反射もしくは透過し、検出部12への到達はほぼ抑制される。検出部12へ到達した一部のものも、多重反射を繰り返した後に到達するため、図1−1(b)で示した主な時間波形22から離れた位置にノイズ23として現れることになり、ノイズを取り除くことを容易にすることができる。このように、プリズム24は、発生部11や検出部12が配置された外面以外の外面の焦点以外の場所で反射もしくは散乱された電磁波の伝搬経路を変換する面30をもつ構造27を有することができる。
また、構造25の面26で反射されたテラヘルツ波の一部には、反射後に回転楕円体面203に入射せず、発生部11が設置されている面に入射し、反射を繰り返して検出部12に到達してノイズ要因となるものもある。これらについても、前述したように、構造27によりカットされたり、多重散乱後に検出部12へ導かれたりすることとなり、削減できるノイズとできる。これにより、検出部12においては、ほぼ焦点28近傍の情報を含有したテラヘルツ波のみを検出することができる。
ここでも、第1の実施形態と同様に、RTDを用いたり、SBDを用いたりすることもでき、これらを用いたものも、前述した様に、有効な構成である。
装置200によれば、プリズム24に作製されたミラーによって、電磁波が回転楕円体面203、204の焦点位置と共役な位置に集光するように変更することにより、プリズム24の形状をよりコンパクトなものとすることができる。また、発生部11や検出部12に光ファイバ16、17を曲げなどの負担なく接続することができるようになる。その場合でも、構造25、27の導入によりノイズ情報の削減ができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態のテラヘルツ波伝搬装置300(以下、「装置300」と呼ぶ)の構成について、図3を参照して説明する。装置300は、プリズム31と、光ファイバ16を通して励起光を照射することでテラヘルツ波を発生する発生部11と、光ファイバ17を通して超短パルスレーザ光を照射することでテラヘルツ波を検出する検出部12を有する。プリズム31以外の構成は、第1の実施形態と同様なため、説明を省略する。
第3の実施形態のテラヘルツ波伝搬装置300(以下、「装置300」と呼ぶ)の構成について、図3を参照して説明する。装置300は、プリズム31と、光ファイバ16を通して励起光を照射することでテラヘルツ波を発生する発生部11と、光ファイバ17を通して超短パルスレーザ光を照射することでテラヘルツ波を検出する検出部12を有する。プリズム31以外の構成は、第1の実施形態と同様なため、説明を省略する。
装置300では、プリズム31の材料には、第1の実施形態と同様のものを用いることができる。プリズム31は2つの放物面33、34を有し、放物面33、34の焦点301、302の位置に発生部11のテラヘルツ波発生点と検出部12のテラヘルツ波検出点とがほぼ一致するように発生部11と検出部12がそれぞれ配置される。発生部11により発せられたテラヘルツ波は放物面33によりコリメートされ面35に導入されて入射する。平面である面35で反射したテラヘルツ波はコリメートした状態で放物面33に入射するように設計されている。ここでのコリメートした状態とは、放物面鏡に反射した場合に所望の位置で焦点を結ぶ状態をいう。
発生部11から発せられたテラヘルツ波はプリズム31の放物面33によりコリメートされ、面35上で反射される。放物面34で集光されたテラヘルツ波は焦点302を含む部分に設置された検出部12に入射する。そのため、面35で反射されたテラヘルツ波は、面35の部分の情報を有した状態で検出部12により検出される。この場合、検出部12で検出されるテラヘルツ波は、試料18の面35に接している部分ほぼ全ての情報を含んでいることとなる。
プリズム31では、発生部11から発せられたテラヘルツ波の内、放物面33に、直接、入射しない光路を全て塞ぐため、構造32が設けられている。構造32の形状は、放物面33の焦点301と放物面33の端部33aとを結んだ線の全てと交差するように設計されている。構造32は、プリズム31の一部に設けられた窪みであり、テラヘルツ波を反射もしくは透過する反射・透過面を有する。構造32により反射もしくは透過したテラヘルツ波は、第1及び第2の実施形態と同様に、カットされたり多重散乱後に検出部12へ導かれたりするが、削減できるノイズとすることができる。散乱されたテラヘルツ波がノイズとなる場合には、構造36を設けることで、面35で散乱された後に検出部12近傍に到達するテラヘルツ波の影響を削減することもできる。構造36も、構造32と同様にプリズム31の一部に設けられた窪みである。構造36の形状も、放物面34の焦点302と放物面34の端部34aとを結んだ線の全てと交差するように設計されている。
ここでも、第1及び第2の実施形態と同様に、RTDを用いたり、SBDを用いたりすることもでき、これらを用いたものも、散乱により発生するノイズは構造36で殆ど削減されるため、有効な構成である。
装置300によれば、第1及び第2の実施形態では、測定する試料が接触する面内で、回転楕円体面の焦点位置付近の情報のみを収集したが、プリズム31を使用することで、試料18が接触する面35内の総合した情報を取得することができるようになる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態のテラヘルツ波伝搬装置400(以下、「装置400」と呼ぶ)の構成について、図4を参照して説明する。図4(a)は装置400の構成を説明する側面図で、図4(b)は装置400の上面図である。ただし、図4(b)では内視鏡41は省略している。装置400は、第1の実施形態の構成に加えて、可視光透過材40と内視鏡41とを有する。その他、第1の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
第4の実施形態のテラヘルツ波伝搬装置400(以下、「装置400」と呼ぶ)の構成について、図4を参照して説明する。図4(a)は装置400の構成を説明する側面図で、図4(b)は装置400の上面図である。ただし、図4(b)では内視鏡41は省略している。装置400は、第1の実施形態の構成に加えて、可視光透過材40と内視鏡41とを有する。その他、第1の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
本実施形態において、一部を加工したプリズム10と、そこに嵌合する形状に加工された可視光透過材40と、が一体化しており、可視光透過材40の面13上にプリズム10の回転楕円体面103の焦点15があるようになっている。可視光透過材40にプリズム10と異なる屈折率の材料を使用した場合でも、発生部11からのテラヘルツ波が検出部12まで到達する光路長が全て同じになるように、可視光透過材40の形状は、接触面上の焦点15を中心とした半球形状が望ましい。プリズム10と可視光透過材40とは接着剤で固定されていても良いし、ケースに互いを収納することで固定することもできる。可視光透過材40にはPS(ポリスチレン)、ゼオノア(登録商標)などの有機物や、結晶石英や溶融石英、アルミナなどの無機物などを使うことができるが、テラヘルツ波に対して吸収が少ない材料を選択することが望ましい。
可視光透過材40の一部にプリズム10と接触していない箇所を設けることで、内視鏡41などの手段で、面13と試料18との接触している状態をプリズムの外部から観察できる。内視鏡41ではなく遠方からマクロレンズなどを用いて観察することもできる。また、接触面13全面を観察しにくい場合には、可視光透過材40のプリズム10と接触していない箇所に凹或いは凸をもつレンズ構造(レンズ形状に加工された窓の部分)を作製して、観察領域を増加することもできる。
第1及び第2の実施形態で示した例では、プリズムが1つの材料で構成されているために、Siなどでプリズムを構成した場合には、試料18を観察しながら同時にテラヘルツ波による測定を行うことができない。しかし本実施形態の装置400によれば、テラヘルツ波に対する吸収は少ないが可視光に対しては透過性がないような材料をプリズムの一部分に使用した場合でも、テラヘルツ波が照射されている位置を確認しながらテラヘルツ波による測定を行うことができる。また、ここでは回転楕円体面を有するプリズムを例にとって説明したが、放物面鏡を有するプリズムを使用した場合(第3の実施形態を参照)においても、同様に可視光透過材を挿入することができる。その場合には、可視光透過材にテラヘルツ波が入射する面、及び可視光透過材からテラヘルツ波が出射する面が、放物面でコリメートされるテラヘルツ波の伝搬経路に対して垂直になるようにすることで、光路長に差がないようにすることができる。
(第5の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態のテラヘルツ波伝搬装置100を使用した情報取得装置ないし測定装置に関するものである。ここでは、プリズムの外面の何れかに試料に接触させ、試料の測定を行って試料の情報を取得する。本実施形態の情報取得装置500(以下、「装置500」と呼ぶ)の構成について、図5を参照して説明する。図5は、装置500の構成図である。装置500は、THz−TDS法を用いてテラヘルツ波の時間波形を取得するテラヘルツ時間領域分光装置(THz−TDS装置)である。
本実施形態は、第1の実施形態のテラヘルツ波伝搬装置100を使用した情報取得装置ないし測定装置に関するものである。ここでは、プリズムの外面の何れかに試料に接触させ、試料の測定を行って試料の情報を取得する。本実施形態の情報取得装置500(以下、「装置500」と呼ぶ)の構成について、図5を参照して説明する。図5は、装置500の構成図である。装置500は、THz−TDS法を用いてテラヘルツ波の時間波形を取得するテラヘルツ時間領域分光装置(THz−TDS装置)である。
光源501は、励起光502としてのパルス光を出力する。光源501としては、ファイバレーザ等を使用できる。本実施形態では、励起光502は、波長1.55μm帯、パルス時間幅(パワー表示での半値全幅)30fs程度の超短パルスレーザとする。励起光502は、ビームスプリッタ503でポンプ光511とプローブ光512とに分岐される。ポンプ光511は対物レンズ507で集光された後に光ファイバ16に結合する。また、プローブ光512は第二次高調波発生部504へ入射し、プローブ光512の光路長を変化させる遅延部505を通過し、対物レンズ508で集光されて光ファイバ17に結合する。
第二次高調波発生部504に入射したプローブ光512は、第二次高調波変換過程によって波長0.8μm帯のパルスレーザとなる。第二次高調波発生部504の第二次高調波発生素子としては、PPLN結晶(Periodically Poled Lithium Niobate)等を使用できる。非線形過程で生ずる他の波長や、波長変換されずに射出してくる1.55μm帯の波長の光は、ダイクロイックミラー等(不図示)によってプローブ光から取り除かれる。
発生部11及び検出部12には、上述の各実施形態で説明した光伝導素子などを使用できる。ポンプ光511及びプローブ光512は、光ファイバ16、17を伝搬した後に発生部11及び検出部12に照射される。照射にあたっては、光ファイバ16、17を発生部11及び検出部12に、直接、ジョイントしても良いし、集光のために光ファイバ16、17をテーパー化してコア径を小さくしたり、ボールレンズなどの集光手段を介在した接続としたりしても良い。
ポンプ光511が発生部11に照射されることによりパルス状のテラヘルツ波が発生する(パルス時間幅(半値全幅)は数100fsから数ps程度)。放射されたテラヘルツ波は、上述の実施形態で説明したプリズム10を通して試料18へ照射される。試料18で反射したテラヘルツ波は、プリズム10を介して検出部12に入射する。検出部12は、試料18からのテラヘルツ波とプローブ光512とが入射するとテラヘルツ波を検出する。このとき、第二次高調波発生部504で生成される波長0.8μm帯の励起光が検出部12に入射する構成としているが、波長変換を行わない1.55um帯の励起光のままでも検出できる。光伝導素子の光伝導層で発生した光励起キャリアは、テラヘルツ波の電界によって加速され、電極間に電流を生じさせる。この電流値は、光電流が流れている時間内のテラヘルツ波の電界強度を反映している。検出部12で検出される電流は、電流電圧変換デバイスによって電圧に変換してもよい。可動式のレトロリフレクター等を含む遅延部505によってプローブ光512が検出部12に到達するまでの伝搬時間を掃引することで、テラヘルツ波の電界強度の時間波形を取得できる。
遅延部505は、プローブ光512の光路長を変化させることにより、ポンプ光511の光路長とプローブ光512の光路長との光路長差を変化させる。これにより、プローブ光512の光路長に対し、ポンプ光511とテラヘルツ波とを含めた光路長が変化するため、プローブ光512とテラヘルツ波が検出部12に到達するタイミングを変化させている。なお、プローブ光512の光路長を変化させる構成に限らず、ポンプ光511の光路長を変化させてもよい。遅延部505は、プローブ光512とテラヘルツ波が検出部12に到達するタイミングを変化させる構成であればよい。例えば、ポンプ光を出力する光源とプローブ光を出力する光源とを設けて、2つの光源から励起光が出力されるタイミングを変更する方法等が挙げられる。
処理部509は、遅延部505によるプローブ光512の伝搬時間を制御したり、試料18の情報を取得したりする。試料18の情報は、具体的には、テラヘルツ波の時間波形、時間波形から取得できるスペクトル、試料18の光学特性、試料18の層状態や形状等を指す。なお、本明細書の光学特性は、検体の複素振幅反射率、複素屈折率、複素誘電率、反射率、屈折率、吸収係数、誘電率、電気伝導率等を含むと定義する。取得した試料18の情報は、表示部510に表示される。
取得した試料18の情報から、試料18の同定等を行うことができる。また、これらの特徴を生かして、装置500は、医療及び美容、工業製品検査、食品等の分野で利用できる。また、光ファイバはフレキシブルであるため、本情報取得装置はプリズム10を試料18に近づけるようなプローブシステムの作製にも役立つ。例えば、テラヘルツ波伝搬装置が大型である場合には、測定が困難であった生体内などにまで、測定対象を拡大することができる。
以下、より具体的な実施例を説明する、
(実施例1)
本実施例では、第1の実施形態の装置100のより詳細な構成について図1を参照して説明する。本実施例の装置100は、プリズム10と、光ファイバ16を通して励起光を照射することでテラヘルツ波を発生する発生部11と、光ファイバ17を通して超短パルスレーザ光を照射することでテラヘルツ波を検出する検出部12を有する。励起光の光源には、中心波長1.55μmでパルス幅が20fs、繰り返し周波数が50MHz、パワーが200mWのパルス光を生ずるフェムト秒レーザ装置を用いた。光源が出力する励起光の偏光状態は、偏光消光比が20dB以上ある直線偏光である。
(実施例1)
本実施例では、第1の実施形態の装置100のより詳細な構成について図1を参照して説明する。本実施例の装置100は、プリズム10と、光ファイバ16を通して励起光を照射することでテラヘルツ波を発生する発生部11と、光ファイバ17を通して超短パルスレーザ光を照射することでテラヘルツ波を検出する検出部12を有する。励起光の光源には、中心波長1.55μmでパルス幅が20fs、繰り返し周波数が50MHz、パワーが200mWのパルス光を生ずるフェムト秒レーザ装置を用いた。光源が出力する励起光の偏光状態は、偏光消光比が20dB以上ある直線偏光である。
発生部11と検出部12には光伝導素子を用いた。光伝導素子は、移動度が1000〜5000cm2/Vs程度と比較的大きくて、キャリア寿命が数ピコ秒以下である低温成長GaAs膜が厚さ1μm結晶成長されたシリコン基板を有する。そして、該低温成長GaAs膜上にAuGe/Ni/Auを用い、ダイポール形状の2つの電極が形成されている。この2つの電極間に電圧を印加した状態で、電極のダイポール形状のギャップ部分に超短パルスレーザ光の照射を行った。すると、低温成長GaAs中に励起された光キャリアにより電流が瞬間的に電極間を流れることで、広い周波数スペクトルを有するテラヘルツ波を放射することができた。ここで発生部11に印加した電圧は、交流で50Vppのサイン波を用いた。検出部12として使用した光伝導素子も、発生部11と同様の構造を用いた。検出部12の電極間に電圧を印加せずに、電極のダイポール形状のギャップ部分に超短パルスレーザ光の照射を行う。超短パルスレーザ光の照射によりキャリアが励起された瞬間のみ、テラヘルツ波の電界強度に応じた電流が電極間に発生する。検出部12に到達する超短パルスレーザ光の到達タイミングを10fs程度ずつ徐々に変え、それぞれの検出電流値をプロットすることで時間波形を得ることができた。検出電流は微弱であるために電流アンプを使用して、電圧値に変換して検出した。
ここでは、光ファイバ16、17には1.55μm帯に対応したシングルモード偏波保持型ファイバを使用した。光ファイバ16、17のコアの中心と、電極のダイポール形状のギャップ部分の中心とが一致するように、直接、接着剤で接着することで、励起光を発生部11及び検出部12に導波した。プリズム10の材料として、テラヘルツ波のレンズ材料などとしてよく用いられる比抵抗10kΩ以上を有する結晶シリコンを用いた。またテラヘルツ波が反射する面を、10THzの波長30μmを基準として、シリコンの屈折率が略3.4であることを考慮して、波長の1/20程度の0.4μmの表面粗さとした。このことで、テラヘルツ波に対しては反射面として働き、励起光の波長に対しては散乱体として作用させることができた。
励起光として用いた1.55μm帯のフェムト秒レーザは、発生部11や検出部12を構成するSiやGaAsを透過してしまうので、プリズム10の焦点15に集光して試料18などに影響を与える可能性がある。しかしながら、この反射面をテラヘルツ波に対しては反射面、励起光に対しては散乱面として作用する粗さとすることで、励起光による影響を排除することができた。
プリズム10は、回転楕円体を2つの焦点を含む平面で切りとったものをまず2つ設け、その2つのプリズムを1つの焦点15を共有する形状で結合し、最後に測定の試料18を接触させる面13を有する形状とすることで形成した。面13で共有していない回転楕円体面103、104の焦点101、102を含む面にはそれぞれ、発生部11と検出部12とを配置した。配置に際しては、発生部11のテラヘルツ波発生点と回転楕円体面103の焦点101とが一致するようにアライメント配置した。また、検出部12のテラヘルツ波検出点と回転楕円体面104の焦点102とが一致するようにアライメント配置した。今回のアライメントではプリズム10に設けた構造14をアライメントマークとして使用した。
上記プリズム10には、反射面となる回転楕円体103の2つの焦点間を結ぶ線と半円柱の中心線とが一致するように断面が半円柱形状の構造14を設けた。プリズム10では、発生部11のテラヘルツ波発生点が位置する回転楕円体面103の焦点101と構造14の半円柱構造の端部(半円形の形状)とを結んだ線が、面13と交差しないようにする。このことで、発生部11から発せられたテラヘルツ波が、直接、面13に入射する伝搬経路を効率良く塞ぐことができた。構造14の形状には制限はなく、構造14を直方体の様な形状にして、発生部11から発せられたテラヘルツ波の内、プリズム10の回転楕円体面に入射しノイズとならない光路を反射もしくは透過して方向を変換してもかまわない。構造14を導入することで、プリズム10内のテラヘルツ波伝搬経路を制御し、装置100をTHz−TDS装置に導入した場合にも、得られるデータはノイズの少ないものであった。これにより、THz−TDS装置において分光情報の劣化が抑制される。
ここでも、RTDやSBDなどを用いることができ、その場合にも、ノイズとなる成分はプリズム内の多重反射により強度が下がる。これにより、分光装置以外においても、意図したプリズム集光点以外の情報を取得してしまうことが抑制され、ノイズの原因を抑えることができる。
以上、装置100の構成について説明した。装置100によれば、プリズム10を用いることで、テラヘルツ波を空間に取出さずに導入することができる。そのためテラヘルツ波を空間に取出す際に大気と物質との屈折率差から生じる反射ロスを少なくできた。またプリズム10に、直接、接合するため、経時的にアライメントが安定していた。また、テラヘルツ波の伝搬経路をプリズム10のみで構成するため装置100を小型化でき、テラヘルツ波で測定する対象の試料18に、直接、装置100を移動させて測定することができる。例えば、テラヘルツ波伝搬装置が大型である場合には測定が困難であった生体内などにまで、測定対象を拡大することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態や実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、上述の各実施形態の装置は、テラヘルツ波発生部とテラヘルツ波検出部とを有するテラヘルツ波伝搬装置であったが、用いる波長はテラヘルツ波に限定されず、可視光や赤外線などの他の波長の電磁波を用いてもよい。その場合、プリズムは、利用する電磁波をよく透過する石英、ガラス、シリコン、ゲルマニウム、サファイヤ、ダイヤモンド、ZnS、MgF2などの材料を用いて構成することが望ましい。具体例としては、波長が2μm以上の電磁波を利用する場合であれば、シリコン、ゲルマニウム、サファイヤ、ダイヤモンド、ZnS、MgF2などを使用することができ、0.4〜2μmの範囲の波長の電磁波では、石英、ガラスなどを用いることができる。また、上述の各実施形態では、テラヘルツ波を反射する回転楕円体面又は放物面等の曲面を2つ有する構成のプリズムを記載したが、これらの曲面を3つ以上有してもよく、必要に応じて追加してよい。ただし回転楕円体面の場合、プリズムに内において電磁波の伝搬経路が焦点を介して連続する様に、隣り合う回転楕円体面の一方の焦点同士の位置を一致させる必要がある。また、放物面の場合、プリズムに内において電磁波の伝搬経路をコリメート経路を含んで連続させるために、互いのコリメート経路が重なるように隣り合う放物面を配置するか、隣り合う放物面の焦点同士の位置を一致させる必要がある。
10・・プリズム、11・・発生部、12・・検出部、13・・第3の面、14・・変換手段(構造)、15、101、102・・焦点、18・・資料、19・・変換手段の面、19a・・変換手段の面の端部、100・・電磁波伝搬装置、103・・第1の回転楕円体面、104・・第2の回転楕円体面
Claims (25)
- 電磁波を伝搬する電磁波伝搬装置であって、
電磁波を発生する発生部と、電磁波を検出する検出部と、少なくとも第1の回転楕円体面と第2の回転楕円体面とを有するプリズムと、前記発生部から発せられた電磁波の一部の光路を変更する変換手段と、を有し、
前記プリズムは、前記第1の回転楕円体面の第1の焦点又は前記第1の焦点と共役な第1の共役点を含む第1の面と、前記第2の回転楕円体面の第2の焦点又は前記第2の焦点と共役な第2の共役点を含む第2の面と、前記第1の焦点と異なる前記第1の回転楕円体面の第3の焦点を含む第3の面と、を有し、
前記発生部は、前記第1の面の前記1の焦点又は前記第1の共役点を含む位置に配置され、
前記検出部は、前記第2の面の前記第2の焦点又は前記第2の共役点を含む位置に配置され、
前記変換手段は、前記第1の焦点又は前記第1の共役点と前記第3の焦点とを結ぶ第1の直線を含む断面において、前記発生部から放射された直後の電磁波の光路の方向と前記第1の直線とがなす角の大きさが、前記第1の回転楕円体面を含む面と前記第3の面の交点と前記第1の焦点又は前記第1の共役点とを結ぶ第2の直線と前記第1の直線とがなす角より小さくなるように構成されている、
ことを特徴とする電磁波伝搬装置。 - 前記変換手段は、電磁波を反射又は透過する第4の面を有し、
前記第4の面は、前記第1の焦点又は前記第1の共役点と前記第3の焦点と結ぶ第1の直線を含む断面において、前記第4の面の端部と前記第1の焦点又は前記第1の共役点とを結んだ第3の直線と前記第1の直線とがなす角が、前記第2の直線と前記第1の直線とがなす角より大きくなるような形状を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁波伝搬装置。 - 前記変換手段は、電磁波を反射又は透過する第4の面を有し、
前記第4の面は、前記第4の面の端部と前記第1の焦点又は前記第1の共役点とを結んだ直線が、前記第3の面と交差しないような形状を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁波伝搬装置。 - 前記第3の面は、前記第2の焦点と異なる前記第2の回転楕円体面の第4の焦点を含み、前記第3の焦点と前記第4の焦点とは同じ位置である
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電磁波伝搬装置。 - 前記変換手段は、前記プリズムに形成された面を有し、
前記変換手段の面は、前記発生部から発せられ前記検出部で検出される前記電磁波の伝搬経路において、前記第3の焦点を通過する伝搬経路の長さと比較して、前記第3の焦点を通過しない伝搬経路の長さを長くするように形成されている、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の電磁波伝搬装置。 - 電磁波を伝搬する電磁波伝搬装置であって、
電磁波を発生する発生部と、電磁波を検出する検出部と、少なくとも第1の放物面と第2の放物面とを有するプリズムと、前記発生部から発せられた電磁波の一部の光路を変更する変換手段と、を有し、
前記プリズムは、前記第1の放物面の焦点又は該焦点と共役な第1の共役点を含む第1の面と、前記第2の放物面の焦点又は該焦点と共役な第2の共役点を含む第2の面と、前記第1の放物面と前記第2の放物面との間にある第3の面と、を有し、
前記発生部は、前記第1の面の焦点又は前記第1の共役点を含む位置に配置され、
前記検出部は、前記第2の面の焦点又は前記第2の共役点を含む位置に配置され、
前記変換手段は、前記第1の面の焦点又は前記第1の共役点と前記第3の面の端部とを結ぶ第1の直線を含む断面において、前記発生部から放射された直後の電磁波の光路の方向と前記第1の直線とがなす角の大きさが、前記第1の放物面の端部と前記第1の面の焦点又は前記第1の共役点とを結ぶ第2の直線と前記第1の直線とがなす角より小さくなるように構成されている、
ことを特徴とする電磁波伝搬装置。 - 前記変換手段は前記プリズムに形成された面を有し、
前記変換手段の面は、前記第1の面の焦点又は前記第1の共役点と前記第3の面の端部とを結ぶ第1の直線を含む断面において、前記変換手段の面の端部と前記第1の面の焦点又は前記第1の共役点とを結んだ第3の直線と前記第1の直線とがなす角が、前記第2の直線と前記第1の直線とがなす角より大きくなるような形状を有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の電磁波伝搬装置。 - 前記変換手段は前記プリズムに形成された面を有し、
前記変換手段の面は、前記変換手段の面の端部と前記第1の面の焦点又は前記第1の共役点とを結んだ直線が、前記第3の面と交差しないような形状を有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の電磁波伝搬装置。 - 前記変換手段は前記プリズムに形成された面を有し、
前記変換手段の面は、前記発生部から発せられ前記検出部で検出される前記電磁波の伝搬経路において、前記第1の放物面でコリメートされる伝搬経路を含む伝搬経路以外の伝搬経路を反射もしくは透過するような形状を有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の電磁波伝搬装置。 - 前記変換手段は前記プリズムに形成された面を有し、
前記変換手段の面は、前記発生部から発せられ前記検出部で検出される前記電磁波の伝搬経路において、前記第1の放物面でコリメートされる伝搬経路を含む伝搬経路の長さと比較して、該伝搬経路を含まない伝搬経路の長さを長くするように形成されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の電磁波伝搬装置。 - 前記第1の回転楕円体面及び前記第2の回転楕円体面の表面粗さは、前記電磁波の波長の1/10以下の粗さである、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の電磁波伝搬装置。 - 前記第1の放物面及び前記第2の放物面の表面粗さは、前記電磁波の波長の1/10以下の粗さである、
ことを特徴とする請求項6から10の何れか1項に記載の電磁波伝搬装置。 - 前記発生部からの電磁波は、テラヘルツ波である、
ことを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の電磁波伝搬装置。 - 前記プリズムは、シリコン、ゲルマニウム、SiO2、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、ゼオノア(登録商標)の何れかを含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の電磁波伝搬装置。 - 前記プリズムの一部が可視光透過材からなり、該可視光透過材と試料との接触面を前記プリズムの外部から観察できるように構成されている、
ことを特徴とする請求項1から14の何れか1項に記載の電磁波伝搬装置。 - 前記可視光透過材は、SiO2、Al2O3、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、ゼオノア(登録商標)の何れかを含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の電磁波伝搬装置 - 前記可視光透過材は、前記試料との接触面を観察するためのレンズ形状に加工された部分を含む、
ことを特徴とする請求項15または16に記載の電磁波伝搬装置 - 前記プリズムの一部が可視光透過材からなり、該可視光透過材と試料との接触面を前記プリズムの外部から観察できるように構成され、
前記可視光透過材は、前記試料との接触面上の前記第1の回転楕円体面の第3の焦点を中心とした半球形状の部分を含む、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の電磁波伝搬装置 - 前記プリズムの一部が可視光透過材からなり、該可視光透過材と試料との接触面を前記プリズムの外部から観察できるように構成され、
前記可視光透過材は、前記第1の放物面でコリメートされる伝搬経路に対して垂直な面を有する部分を含む、
ことを特徴とする請求項6から10の何れか1項に記載の電磁波伝搬装置 - 前記第3の面は、試料を接触させる面である、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の電磁波伝搬装置。 - 前記プリズムは、前記第3の焦点以外の場所で反射もしくは散乱された電磁波の伝搬経路を変換する面を有する構造を有する、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の電磁波伝搬装置。 - 前記プリズムの第3の面は、前記第1の放物面でコリメートされる電磁波が入射する面であって試料を接触させる面である、
ことを特徴とする請求項6から10の何れか1項に記載の電磁波伝搬装置。 - 前記検出部の近傍の前記プリズムの一部に、ノイズとなる電磁波の影響を削減するための窪み構造が設けられている、
ことを特徴とする請求項1から22の何れか1項に記載の電磁波伝搬装置。 - 電磁波を測定する測定装置であって、
請求項1から23の何れか1項に記載の電磁波伝搬装置を有する、
ことを特徴とする測定装置。 - 前記電磁波伝搬装置の前記プリズムの前記面の何れかに試料に接触させ、前記試料の測定を行って試料の情報を取得する情報取得装置として構成されている、
ことを特徴とする請求項24に記載の測定装置。
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