JP2010071446A - 防振装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒11、および他方に連結される内筒12と、外筒11と内筒12とを弾性的に連結する弾性体13と、外筒11内の液室17を、弾性体13を壁面の一部とする一方側の主液室14と他方側の副液室15とに区画する仕切り部材16と、を備えるとともに、主液室14と副液室15とを連通する制限通路24が形成され、液室17に、互いに非相溶性を有する第一液体L1及び第二液体L2を少なくとも含有する封入液が封入された液体封入型の防振装置10の製造方法であって、第一液体L1中で第二液体L2を分散させて乳化された封入液Lを液室17に封入する。
【選択図】図1
Description
一方、上記した後者の製造方法では、二種以上の液体をそれぞれ別々に真空注入しようとすると、蒸気圧の高い方の液体が注入時に蒸発する場合があるため、所定の比率の封入液を液室内に封入させることが難しいという問題がある。また、非相溶性の二種以上の液体を混合させた状態で密封タンクに貯留させて真空注入しようとすると、封入液に含有された複数の液体が密封タンク内で分離されてしまうため、所定の比率の封入液を液室内に封入させることが難しいという問題がある。
このように、上記した従来の製造方法で製造された防振装置は、液室に封入された封入液の比率にばらつきが生じ易く、その結果、防振装置の性能が安定しないという問題が存在する。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、前記第一液体はエチレングリコール単体若しくはエチレングリコールとプロピレングリコールとを含有し、前記第二液体はシリコーンオイル若しくはフッ素オイルを含有することが好ましい。
これにより、防振装置の減衰効果が低減されることがない。
本実施の形態における防振装置10は、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される筒状の外筒11と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される内筒12と、これらの外筒11と内筒12とを弾性的に連結する弾性体13と、外筒11の内部に形成された液室17を後述する主液室14と副液室15とに区画する仕切り部材16と、を備えている。
そして、この防振装置10が例えば自動車に装着された場合、内筒12が振動発生部としてのエンジンに連結される一方、外筒11が図示されないブラケット等を介して振動受部としての車体に連結されることにより、エンジンの振動を車体に伝達するのを抑えられるようになっている。
図示の例では、仕切り部材16は、円環状の仕切り部材本体16bと、円環状の仕切り部材本体16bの内側に張設されたメンブラン16aと、を備えている。仕切り部材本体16bは、樹脂製の部材であり、その外周面には、前記制限通路24となる周溝が形成されている。制限通路24は、外筒11の内周面に被覆されたゴム膜18によって、仕切り部材16の径方向の外側から閉塞されている。なお、ゴム膜18は弾性体13と一体に形成され、外筒11の内周面は弾性体13およびゴム膜18により全域にわたって覆われている。また、メンブラン16aは、円板状のゴム製の部材であり、その外縁部が円環状の仕切り部材本体16bの内周面に加硫接着され、このメンブラン16aによって円環状の仕切り部材本体16bの内側が閉塞している。
さらに、本実施形態では、この防振装置10は、主液室14が鉛直方向上側に位置しかつ副液室15が鉛直方向下側に位置するように取り付けられて用いられる圧縮式となっている。
さらに、前記封入液Lは、第一液体L1中に第二液体L2が微粒子となって均等に分散された乳化状態となっている。
具体的に説明すると、まず、弾性体13及びゴム膜18を形成するための図示せぬ金型(防振装置本体金型)の中に外筒11及び内筒12をそれぞれ所定位置に配置するとともに、外筒11の内周面及び内筒12の外周面にそれぞれ接着下地処理を施した後に接着剤を塗布する。その後、上記した防振装置本体金型の中に未加硫ゴムを射出して弾性体13を成形するとともに、弾性体13と一体にゴム膜18をそれぞれ成形する。続いて、これらの弾性体13等に硫黄ガス、圧力及び熱をそれぞれ加えて弾性体13等を加硫する。この際、弾性体13が、外筒11の内周面及び内筒12の下部の外周面にそれぞれ接着されるとともに、ゴム膜18が外筒11の内周面に接着される。そして、上記した防振装置本体金型を取り外すことにより、防振装置本体20が形成される。
具体的に説明すると、メンブラン16aを形成するための図示せぬ金型(メンブラン金型)の中に仕切り部材本体16bを所定位置に配置するとともに、仕切り部材本体16bの内周面に接着下地処理を施した後に接着剤を塗布する。その後、上記したメンブラン金型の中に未加硫ゴムを射出してメンブラン16aを成形する。続いて、このメンブラン16aに硫黄ガス、圧力及び熱をそれぞれ加えてメンブラン16aを加硫する。この際、メンブラン16aの外周部が仕切り部材本体16bの内周面に接着される。そして、上記したメンブラン金型を取り外すことにより、仕切り部材本体16bの内側にメンブラン16aが張設された仕切り部材16が形成される。
具体的に説明すると、ダイヤフラムゴム19bを形成するための図示せぬ金型(ダイヤフラム金型)の中にダイヤフラムリング19aを所定位置に配置するとともに、ダイヤフラムリング19aの内周面に接着下地処理を施した後に接着剤を塗布する。その後、上記したダイヤフラム金型の中に未加硫ゴムを射出してダイヤフラムゴム19bを成形する。続いて、このダイヤフラムゴム19bに硫黄ガス、圧力及び熱をそれぞれ加えてダイヤフラムゴム19bを加硫する。この際、ダイヤフラムゴム19bの外周面がダイヤフラムリング19aの内周面に接着される。そして、上記したダイヤフラム金型を取り外すことにより、ダイヤフラムリング19aの内側にダイヤフラムゴム19bが張設されたダイヤフラム19が形成される。
具体的に説明すると、図2に示すように、まず、第一液体L1中に第二液体L2が微粒子となって分散された乳化状態の封入液Lを製造し、その封入液Lをプール50に供給して貯留する。
その後、封入液L中において、外筒11の他端側の端部を全周に亘って径方向内側に屈曲させて外筒11とダイヤフラムリング19aとをカシメ固定する。そして、組み立てられた防振装置10をプール50内から取り出し、防振装置10の表面を洗浄して防振装置10の表面に付着した封入液Lを洗い流す。
以上により、第一液体L1と第二液体L2とを含有する封入液Lが液室17内に封入された防振装置10が完成する。
例えば、第一液体L1および第二液体L2は、前述したものに限らず、非相溶性を有する液体であれば適宜変更可能である。例えば、第二液体L2が、第一液体L2と比較して蒸気圧や蒸発潜熱が同等若しくは低くなっていてもよく、また、第一液体L2と比較して粘度が同等若しくは高くなっていてもよい。また、上記した実施の形態では、封入液L中に含まれる第二液体L2の重量比率が第一液体L1の重量比率よりも小さくなっているが、第二液体L2の重量比率を第一液体L1の重量比率と同等若しくは大きくすることも可能である。
さらに、封入液Lに含有される液体は、二種類の液体(第一液体L1、第二液体L2)に限らず、三種類以上の液体を含有する封入液Lであってもよい。
11 外筒
12 内筒
13 弾性体
14 主液室
15 副液室
16 仕切り部材
17 液室
20 防振装置本体
24 制限通路
L 封入液
L1 第一液体
L2 第二液体
Claims (5)
- 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒、および他方に連結される内筒と、
前記外筒と前記内筒とを弾性的に連結する弾性体と、
前記外筒内の液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備えるとともに、
前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路が形成され、
前記液室に、互いに非相溶性を有する第一液体及び第二液体を少なくとも含有する封入液が封入された液体封入型の防振装置の製造方法であって、
前記第一液体中で前記第二液体を分散させて乳化された前記封入液を前記液室に封入することを特徴とする防振装置の製造方法。 - 請求項1に記載の防振装置の製造方法において、
前記外筒、前記内筒及び前記弾性体を一体化させて防振装置本体を作成する防振装置本体作成工程と、
乳化された前記封入液中において、少なくとも前記仕切り部材を前記防振装置本体に組み付け、前記液室に前記封入液を封入する液中組立工程と、
を備えることを特徴とする防振装置の製造方法。 - 請求項1または2に記載の防振装置の製造方法において、
前記封入液に界面活性剤を混入して乳化させることを特徴とする防振装置の製造方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載の防振装置の製造方法において、
前記封入液は、前記第一液体を60重量%以上99.9重量%以下含有し、第二液体を0.1重量%以上40重量%以下含有していることを特徴とする防振装置の製造方法。 - 請求項1から4のいずれかに記載の防振装置の製造方法において、
前記第一液体はエチレングリコール単体若しくはエチレングリコールとプロピレングリコールとを含有し、前記第二液体はシリコーンオイル若しくはフッ素オイルを含有することを特徴とする防振装置の製造方法。
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CN102384206A (zh) * | 2011-09-02 | 2012-03-21 | 芜湖禾田汽车工业有限公司 | 一种汽车发动机液压悬置产品的耐腐阻尼液 |
CN105247240A (zh) * | 2013-06-03 | 2016-01-13 | 株式会社普利司通 | 隔振装置 |
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