JP2010071446A - 防振装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】互いに非相溶性を有する第一、第二液体を含有する封入液を所定の比率で液室内に封入させることを目的とする。
【解決手段】振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒11、および他方に連結される内筒12と、外筒11と内筒12とを弾性的に連結する弾性体13と、外筒11内の液室17を、弾性体13を壁面の一部とする一方側の主液室14と他方側の副液室15とに区画する仕切り部材16と、を備えるとともに、主液室14と副液室15とを連通する制限通路24が形成され、液室17に、互いに非相溶性を有する第一液体L1及び第二液体L2を少なくとも含有する封入液が封入された液体封入型の防振装置10の製造方法であって、第一液体L1中で第二液体L2を分散させて乳化された封入液Lを液室17に封入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車や産業機械等に適用され、エンジン等の振動発生部の振動を吸収および減衰する防振装置の製造方法に関する。
上記した防振装置として、従来、例えば下記特許文献1に示されているように、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される外筒と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される内筒と、外筒及び内筒を弾性的に連結するとともに外筒の軸方向一方側の開口部を閉塞する弾性体と、外筒の軸方向他方側の開口部を閉塞するダイヤフラムと、外筒の内部に形成された液室を、弾性体を隔壁の一部とする主液室とダイヤフラムを隔壁の一部とする副液室とに区画する仕切り部材と、を備える構成が知られている。上記した液室には、比重が異なる非相溶性の二種以上の液体で構成された封入液が封入されている。また、上記した仕切り部材には、主液室と副液室とを連通する制限通路が形成されており、この制限通路を通って上記した封入液が主液室と副液室との間で往来可能となっている。
ところで、防振装置の製造方法として、従来から、防振装置を液中で組み立てる方法がある。この方法は、まず、外筒、内筒及び弾性体を一体化させて防振装置本体を作成する工程を行う。次に、防振装置本体を、封入液を貯留したプールの中に入れ、このプール内(封入液中)で防振装置本体に仕切り部材及びダイヤフラムをそれぞれ組み付ける工程を行う。これにより、液室内に空気が混入することなく封入液を封入させることができる。
また、防振装置の製造方法として、従来から、組み立てられた防振装置の液室に封入液を真空注入する方法がある。この方法は、まず、外筒、内筒及び弾性体を一体化させて防振装置本体を作成する工程を行う。次に、防振装置本体に仕切り部材及びダイヤフラムをそれぞれ組み付ける工程を行う。次に、組み立てられた防振装置の液室を真空引きし、その後、封入液が貯留された密封タンクと液室とを連通させることで、真空状態の液室に封入液を注入する工程を行う。これにより、液室内に空気が混入することなく封入液を封入させることができる。
特許第2860701号公報
しかしながら、封入液が非相溶性の二種以上の液体で構成されている場合、上記した前者の製造方法では、封入液に含有された複数の液体がプール内で分離されてしまうため、所定の比率の封入液を液室内に封入させることが難しいという問題がある。
一方、上記した後者の製造方法では、二種以上の液体をそれぞれ別々に真空注入しようとすると、蒸気圧の高い方の液体が注入時に蒸発する場合があるため、所定の比率の封入液を液室内に封入させることが難しいという問題がある。また、非相溶性の二種以上の液体を混合させた状態で密封タンクに貯留させて真空注入しようとすると、封入液に含有された複数の液体が密封タンク内で分離されてしまうため、所定の比率の封入液を液室内に封入させることが難しいという問題がある。
このように、上記した従来の製造方法で製造された防振装置は、液室に封入された封入液の比率にばらつきが生じ易く、その結果、防振装置の性能が安定しないという問題が存在する。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、互いに非相溶性を有する第一液体及び第二液体を含有する封入液を所定の比率で液室内に封入させることができ、防振装置の性能安定性を向上させることができる防振装置の製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る防振装置の製造方法は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒、および他方に連結される内筒と、前記外筒と前記内筒とを弾性的に連結する弾性体と、前記外筒内の液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備えるとともに、前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路が形成され、前記液室に、互いに非相溶性を有する第一液体及び第二液体を少なくとも含有する封入液が封入された液体封入型の防振装置の製造方法であって、前記第一液体中で前記第二液体を分散させて乳化された前記封入液を前記液室に封入することを特徴としている。
このような特徴により、液室に封入液を封入する際、第一液体中に第二液体が均等に分散された状態となるので、液室内に所定比率の封入液が封入される。なお、ここでいう「乳化」とは、第二液体を微粒子にして第一液体中に分散させることをいい、第一液体と第二液体とが2つの層に分離しないことをいう。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、前記外筒、前記内筒及び前記弾性体を一体化させて防振装置本体を作成する防振装置本体作成工程と、乳化された前記封入液中において、少なくとも前記仕切り部材を前記防振装置本体に組み付け、前記液室に前記封入液を封入する液中組立工程と、を備えることを特徴としている。
これにより、液中組立工程の際に用いる封入液は、第一液体中に第二液体が均等に分散された状態となるので、その封入液中で液中組立工程を行うことで、液室内に所定比率の封入液が封入される。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、前記封入液に界面活性剤を混入して乳化させることが好ましい。
これにより、上記のように乳化された封入液が安定する。すなわち、界面活性剤が混入された封入液は、時間が経過しても第一液体と第二液体とが分離せず、第一液体中に第二液体が微粒子となって均等に分散された状態が維持される。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、前記封入液が、前記第一液体を60重量%以上99.9重量%以下含有し、第二液体を0.1重量%以上40重量%以下含有していることが好ましい。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、前記第一液体はエチレングリコール単体若しくはエチレングリコールとプロピレングリコールとを含有し、前記第二液体はシリコーンオイル若しくはフッ素オイルを含有することが好ましい。
これにより、防振装置の減衰効果が低減されることがない。
本発明に係る防振装置の製造方法によれば、互いに非相溶性を有する第一液体及び第二液体を含有する封入液を所定の比率で液室内に封入させることができ、これにより、液室に封入された封入液における第二液体の含有比率のばらつきを抑えることができ、防振装置の性能安定性を向上させることができる。
以下、本発明に係る防振装置の製造方法の実施の形態について、図面に基いて説明する。
まず、本実施の形態における防振装置10の構成について、図1に基いて説明する。
本実施の形態における防振装置10は、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される筒状の外筒11と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される内筒12と、これらの外筒11と内筒12とを弾性的に連結する弾性体13と、外筒11の内部に形成された液室17を後述する主液室14と副液室15とに区画する仕切り部材16と、を備えている。
なお、これらの各部材はそれぞれ、上面視円形状若しくは円環状に形成されるとともに、中心軸線Oを共通軸にして同軸上に配置されている。
そして、この防振装置10が例えば自動車に装着された場合、内筒12が振動発生部としてのエンジンに連結される一方、外筒11が図示されないブラケット等を介して振動受部としての車体に連結されることにより、エンジンの振動を車体に伝達するのを抑えられるようになっている。
内筒12は柱状に形成されるとともに、外筒11における前記中心軸線O方向の一端開口部に配置されている。また、内筒12の軸方向一端部は、外筒11における前記中心軸線O方向の一端開口面よりも前記中心軸線O方向の外方に突出されており、内筒12の一端面には雌ねじ部が形成されている。弾性体13は、加硫ゴムからなる弾性体であり、外筒11の一端開口部と内筒12の外周面とに接着されて、外筒11を前記中心軸線O方向の一端側から閉塞している。なお、弾性体13としては、ゴム以外にも合成樹脂等からなる弾性体を用いることも可能である。
さらに、外筒11における前記中心軸線O方向の他端開口部にはダイヤフラム19が配設されている。このダイヤフラム19は上面視円形状に形成されるとともに、前記中心軸線O方向の他端側に向けて開口した逆椀状体となっている。詳しく説明すると、ダイヤフラム19は、円環状のダイヤフラムリング19aと、このダイヤフラムリング19aの内側に張設された膜状のダイヤフラムゴム19bと、を備えている。ダイヤフラムゴム19bの外周縁部は、全周にわたってダイヤフラムリング19aの内周面に加硫接着されている。そして、ダイヤフラムリング19aが、外筒11の前記他端開口部内に嵌合されることにより、ダイヤフラム19は外筒11を前記中心軸線O方向の他端側から閉塞している。
以上の構成において、外筒11の内部のうち、ダイヤフラム19と弾性体13との間に位置する部分が、これらのダイヤフラム19および弾性体13によって液密に閉塞され、後述する封入液Lが充填された液室17となっている。そして、この液室17は、仕切り部材16によって、弾性体13を隔壁の一部に有しこの弾性体13の変形により内容積が変化する主液室14と、ダイヤフラム19を隔壁の一部に有しこのダイヤフラム19の変形により内容積が変化する副液室15と、に区画されている。
ここで、仕切り部材16の外周面側と外筒11の内周面側との間には、外筒11の周方向に沿って延びる制限通路24が形成されている。
図示の例では、仕切り部材16は、円環状の仕切り部材本体16bと、円環状の仕切り部材本体16bの内側に張設されたメンブラン16aと、を備えている。仕切り部材本体16bは、樹脂製の部材であり、その外周面には、前記制限通路24となる周溝が形成されている。制限通路24は、外筒11の内周面に被覆されたゴム膜18によって、仕切り部材16の径方向の外側から閉塞されている。なお、ゴム膜18は弾性体13と一体に形成され、外筒11の内周面は弾性体13およびゴム膜18により全域にわたって覆われている。また、メンブラン16aは、円板状のゴム製の部材であり、その外縁部が円環状の仕切り部材本体16bの内周面に加硫接着され、このメンブラン16aによって円環状の仕切り部材本体16bの内側が閉塞している。
さらに、本実施形態では、この防振装置10は、主液室14が鉛直方向上側に位置しかつ副液室15が鉛直方向下側に位置するように取り付けられて用いられる圧縮式となっている。
そして、本実施形態では、前記封入液Lは、非相溶性を有する、つまり互いに不溶な第一液体L1および第二液体L2を含有している。第二液体L2は、第一液体L2よりも封入液L中に含まれる重量比率が小さくなっている。また、第二液体L2は、少なくとも−30℃以上100℃以下の温度範囲で、第一液体L1よりも蒸気圧が高く、且つ蒸発潜熱が小さくなっている。例えば、第二液体L2の蒸気圧は第一液体L1の蒸気圧の2倍以上とされ、また第一液体L1の1kg当たりの蒸発潜熱は、第二液体L2の1kg当たりの蒸発潜熱の2倍以上となっている。なお、第二液体L2は、第一液体L1よりも粘度が低くなっている。
以上のような第一液体L1としては、例えばエチレングリコールとプロピレングリコールとを含有するもの若しくはエチレングリコール単体等が挙げられ、また第二液体L2としては、例えばシリコーンオイル若しくはフッ素オイル等が挙げられる。また、前記封入液Lは、第一液体L1を60重量%以上99.9重量%以下含有し、第二液体L2を0.1重量%以上40重量%以下含有している。好ましくは、前記封入液Lは、第一液体L1を80重量%以上99重量%以下含有し、第二液体L2を1重量%以上20重量%以下含有している。例えば、封入液L中に、第一液体L1が80cc〜200cc含まれ、第二液体L2は0.5cc〜5cc含まれている。
さらに、前記封入液Lは、第一液体L1中に第二液体L2が微粒子となって均等に分散された乳化状態となっている。
次に、上記した構成からなる防振装置10の製造方法の実施の形態について説明する。
まず、外筒11、内筒12及び弾性体13を一体化させて防振装置本体20を作成する防振装置本体作成工程を行う。
具体的に説明すると、まず、弾性体13及びゴム膜18を形成するための図示せぬ金型(防振装置本体金型)の中に外筒11及び内筒12をそれぞれ所定位置に配置するとともに、外筒11の内周面及び内筒12の外周面にそれぞれ接着下地処理を施した後に接着剤を塗布する。その後、上記した防振装置本体金型の中に未加硫ゴムを射出して弾性体13を成形するとともに、弾性体13と一体にゴム膜18をそれぞれ成形する。続いて、これらの弾性体13等に硫黄ガス、圧力及び熱をそれぞれ加えて弾性体13等を加硫する。この際、弾性体13が、外筒11の内周面及び内筒12の下部の外周面にそれぞれ接着されるとともに、ゴム膜18が外筒11の内周面に接着される。そして、上記した防振装置本体金型を取り外すことにより、防振装置本体20が形成される。
また、円環状の仕切り部材本体16bの内側にメンブラン16aを形成して仕切り部材16を作成する仕切り部材作成工程を行う。
具体的に説明すると、メンブラン16aを形成するための図示せぬ金型(メンブラン金型)の中に仕切り部材本体16bを所定位置に配置するとともに、仕切り部材本体16bの内周面に接着下地処理を施した後に接着剤を塗布する。その後、上記したメンブラン金型の中に未加硫ゴムを射出してメンブラン16aを成形する。続いて、このメンブラン16aに硫黄ガス、圧力及び熱をそれぞれ加えてメンブラン16aを加硫する。この際、メンブラン16aの外周部が仕切り部材本体16bの内周面に接着される。そして、上記したメンブラン金型を取り外すことにより、仕切り部材本体16bの内側にメンブラン16aが張設された仕切り部材16が形成される。
また、ダイヤフラムリング19aの内側にダイヤフラムゴム19bを形成してダイヤフラム19を作成するダイヤフラム作成工程を行う。
具体的に説明すると、ダイヤフラムゴム19bを形成するための図示せぬ金型(ダイヤフラム金型)の中にダイヤフラムリング19aを所定位置に配置するとともに、ダイヤフラムリング19aの内周面に接着下地処理を施した後に接着剤を塗布する。その後、上記したダイヤフラム金型の中に未加硫ゴムを射出してダイヤフラムゴム19bを成形する。続いて、このダイヤフラムゴム19bに硫黄ガス、圧力及び熱をそれぞれ加えてダイヤフラムゴム19bを加硫する。この際、ダイヤフラムゴム19bの外周面がダイヤフラムリング19aの内周面に接着される。そして、上記したダイヤフラム金型を取り外すことにより、ダイヤフラムリング19aの内側にダイヤフラムゴム19bが張設されたダイヤフラム19が形成される。
次に、封入液L中において、上記した仕切り部材16及びダイヤフラム19を防振装置本体20にそれぞれ組み付け、液室17に封入液Lを封入する液中組立工程を行う。
具体的に説明すると、図2に示すように、まず、第一液体L1中に第二液体L2が微粒子となって分散された乳化状態の封入液Lを製造し、その封入液Lをプール50に供給して貯留する。
乳化状態の封入液Lを製造する設備には、第一液体L1を貯留する第一タンク51と、第二液体L2を貯留する第二タンク52と、第一液体L1に対して第二液体L2を微粒子化にして分散させる乳化装置53と、が備えられている。第一タンク51に設けられた流出口51aは、連通管54を介して第一高圧ポンプ55の吸込口55aに接続されており、第一高圧ポンプ55の吐出口55bは、連通管56を介して乳化装置53の第一流入口53aに接続されている。一方、第二タンク52に設けられた流出口52aは、連通管57を介して第二高圧ポンプ58の吸込口58aに接続されており、第二高圧ポンプ58の吐出口58bは、連通管59を介して乳化装置53の第二流入口53bに接続されている。そして、乳化装置53の吐出口53cは、連通管60を介してプール50の流入口50aに接続されている。
上記した構成の設備によって乳化状態の封入液Lを製造する際、第一、第二高圧ポンプ55,58をそれぞれ駆動させる。これにより、第一タンク51内の第一液体L1が、連通管54,56を通って所定圧力にて乳化装置53に供給されるとともに、第二タンク52内の第二液体L2が連通管57,59を通って所定圧力にて乳化装置53に供給される。このとき、乳化装置53に供給する第一液体L1及び第二液体L2の比率が、液室17に封入する封入液Lの所望比率と等しくなるように、第一、第二液体L1,L2の供給量を調整する。
乳化装置53では、攪拌による乱流や超音波による振動、さらに第二液体L2の装置内壁面への衝突や第一、第二液体L1,L2同士の急激な衝突等によって、第二液体L2が微粒子となって第一液体L1中に分散し、乳化された封入液Lが製造される。そして、この乳化状態の封入液Lは、連通管60を通ってプール50内に供給される。なお、乳化装置53において、上記した封入液L(第一液体L1、第二液体L2)に界面活性剤を添加することが好ましい。なお、界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル等を用いることが可能である。
続いて、上記した封入液Lが貯留されたプール50の中に防振装置本体20を沈める。このとき、防振装置本体20は、内筒12側(外筒11の一端開口部側)を下向きにして配置する。また、外筒11内に空気が残留しないように防振装置本体20をプール50内で適宜揺動させる。
続いて、プール50内に仕切り部材16を投入し、封入液L中において、外筒11の内側に仕切り部材16を嵌合させて防振装置本体20に仕切り部材16を組み付ける。このとき、仕切り部材16は、制限通路24内やメンブラン16aの下側などに空気が残留しないようにプール50内で適宜揺動させた後、防振装置本体20に組み付ける。
続いて、プール50内にダイヤフラム19を投入し、封入液L中において、外筒11の他端開口部の内側にダイヤフラム19を嵌合させて防振装置本体20にダイヤフラム19を組み付ける。このとき、ダイヤフラム19は、ダイヤフラムゴム19bの下側などに空気が残留しないようにプール50内で適宜揺動させた後、防振装置本体20に組み付ける。
その後、封入液L中において、外筒11の他端側の端部を全周に亘って径方向内側に屈曲させて外筒11とダイヤフラムリング19aとをカシメ固定する。そして、組み立てられた防振装置10をプール50内から取り出し、防振装置10の表面を洗浄して防振装置10の表面に付着した封入液Lを洗い流す。
以上により、第一液体L1と第二液体L2とを含有する封入液Lが液室17内に封入された防振装置10が完成する。
上記した防振装置10の製造方法によれば、プール50内に貯留された封入液Lは、所定比率の第二液体L2が微粒子となって第一液体L1中に分散された乳化状態となっているので、互いに非相溶性を有する第一液体L1及び第二液体L2を含有する封入液Lを所定の比率で液室17内に封入させることができる。これにより、液室17内の封入液Lにおける第二液体L2の含有比率のばらつきを抑えることができ、防振装置10の性能安定性を向上させることができる。
また、上記した封入液Lは、第一液体L1を60重量%以上99.9重量%以下含有し、第二液体L2を0.1重量%以上40重量%以下含有しており、前記第一液体L1はエチレングリコール単体若しくはエチレングリコールとプロピレングリコールとを含有し、前記第二液体L2はシリコーンオイル若しくはフッ素オイルを含有しているため、防振装置10の減衰効果が低減されることがない。このため、防振装置10の減衰機能を維持したまま、防振装置10の性能安定性を向上させることができる。
また、プール50に貯留された封入液Lは、水溶性のエチレングリコール等の第一液体L1に対して油系の第二液体L2(シリコーンオイルやフッ素オイル)が微粒子となって分散されており、この封入液L中で液中組立工程を行うので、防振装置10の表面に油系の第二液体L2(シリコーンオイルやフッ素オイル)が付着しにくくなり、防振装置10の表面を洗浄する際、水で容易に洗い流すことが可能である。
以上、本発明に係る防振装置の製造方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、第一液体L1および第二液体L2は、前述したものに限らず、非相溶性を有する液体であれば適宜変更可能である。例えば、第二液体L2が、第一液体L2と比較して蒸気圧や蒸発潜熱が同等若しくは低くなっていてもよく、また、第一液体L2と比較して粘度が同等若しくは高くなっていてもよい。また、上記した実施の形態では、封入液L中に含まれる第二液体L2の重量比率が第一液体L1の重量比率よりも小さくなっているが、第二液体L2の重量比率を第一液体L1の重量比率と同等若しくは大きくすることも可能である。
また、上記した実施の形態では、防振装置10を封入液L中で組み立てる方法で防振装置10を製造しているが、本発明は、組み立てられた防振装置10の液室17に封入液Lを真空注入する製造方法であってもよい。詳しく説明すると、上述した実施の形態と同様に、外筒11、内筒12及び弾性体13を一体化させて防振装置本体20を作成する防振装置本体作成工程、円環状の仕切り部材本体16bの内側にメンブラン16aを形成して仕切り部材16を作成する仕切り部材作成工程、及び、ダイヤフラムリング19aの内側にダイヤフラムゴム19bを形成してダイヤフラム19を作成するダイヤフラム作成工程をそれぞれ行う。上述した実施の形態と同様の方法で製造された乳化状態の封入液Lを収容する密封タンクを用意する。そして、組み立てられた防振装置10の液室17を真空引きし、その後、前記した密封タンクと液室17とを連通させることで、真空状態の液室17に乳化状態の封入液Lを注入する。これにより、所望の比率の封入液Lを液室17に封入させることができる。
また、防振装置10として圧縮式を示したが、主液室14が鉛直方向下側に位置しかつ副液室15が鉛直方向上側に位置するように取り付けられて用いられる吊り下げ式の防振装置にも適用可能である。
さらに、封入液Lに含有される液体は、二種類の液体(第一液体L1、第二液体L2)に限らず、三種類以上の液体を含有する封入液Lであってもよい。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、車両のエンジンマウントを製造する場合に限定されるものではなく、エンジンマウント以外に防振装置に適用することも可能である。例えば、建設機械に搭載された発電機のマウントを製造する場合にも適用することも可能であり、或いは、工場等に設置される機械のマウントを製造する場合にも適用することも可能である。
また、上記した実施の形態では、外筒11の他端開口部にダイヤフラム19(ダイヤフラムリング19a)がカシメ固定されているが、本発明は、ダイヤフラム19が外筒11にカシメ固定された構成に限定されず、例えば、ダイヤフラム19が外筒11に止め具等によって固定されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、仕切り部材16に制限通路24が形成されているが、本発明は、仕切り部材16以外に制限通路24が形成されていてもよい。例えば、外筒11の一部に溝加工して制限通路を形成してもよく、或いは、ダイヤフラムリング19a等のカシメ部分の一部に溝加工して制限通路を形成してもよい。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施の形態を説明するための防振装置の断面図である。 本発明の実施の形態を説明するための防振装置の液中組立工程を表した断面図である。
符号の説明
10 防振装置
11 外筒
12 内筒
13 弾性体
14 主液室
15 副液室
16 仕切り部材
17 液室
20 防振装置本体
24 制限通路
L 封入液
L1 第一液体
L2 第二液体

Claims (5)

  1. 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒、および他方に連結される内筒と、
    前記外筒と前記内筒とを弾性的に連結する弾性体と、
    前記外筒内の液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備えるとともに、
    前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路が形成され、
    前記液室に、互いに非相溶性を有する第一液体及び第二液体を少なくとも含有する封入液が封入された液体封入型の防振装置の製造方法であって、
    前記第一液体中で前記第二液体を分散させて乳化された前記封入液を前記液室に封入することを特徴とする防振装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の防振装置の製造方法において、
    前記外筒、前記内筒及び前記弾性体を一体化させて防振装置本体を作成する防振装置本体作成工程と、
    乳化された前記封入液中において、少なくとも前記仕切り部材を前記防振装置本体に組み付け、前記液室に前記封入液を封入する液中組立工程と、
    を備えることを特徴とする防振装置の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の防振装置の製造方法において、
    前記封入液に界面活性剤を混入して乳化させることを特徴とする防振装置の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の防振装置の製造方法において、
    前記封入液は、前記第一液体を60重量%以上99.9重量%以下含有し、第二液体を0.1重量%以上40重量%以下含有していることを特徴とする防振装置の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の防振装置の製造方法において、
    前記第一液体はエチレングリコール単体若しくはエチレングリコールとプロピレングリコールとを含有し、前記第二液体はシリコーンオイル若しくはフッ素オイルを含有することを特徴とする防振装置の製造方法。
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