JP2010071254A - 内燃機関のシリンダブロック - Google Patents

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Abstract

【課題】マグネシウム合金の採用による軽量化をより好適な形態で実現する内燃機関のシリンダブロックを提供する。
【解決手段】シリンダ部2をアルミニウム合金製とすると共にクランクケース部3をマグネシウム合金製とした内燃機関のシリンダブロック1であり、前記シリンダ部2のクランクケース部3への取付面から突出させて連結棒17を固定すると共に、その突出部分を前記クランクケース部3のバルク部20に設けた貫通穴22に挿入し、前記クランクケース部3のバルク部20下面に配置されて、クランク軸のジャーナル40を支持する軸受け穴31を形成するクランクキャップ30の締付けボルト32を、前記貫通穴22内の連結棒17に締結して、前記シリンダ部2と前記クランクケース部3とを一体固定し、前記連結棒17の熱膨張量をクランクケース部3の熱膨張量を上限としてクランクキャップ30の締付けボルト32より大きくした。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関のシリンダブロックに関し、特に、マグネシウム合金の採用に好適な内燃機関のシリンダブロックに関するものである。
従来から内燃機関の軽量化のために、マグネシウム合金を部分的に採用したシリンダブロックが提案されている(特許文献1参照)。
これは、内燃機関のシリンダブロックを、シリンダボアを備えるシリンダ部とクランク軸を収容するスカート部(クランクケース部)とに分割するとともに、シリンダ部をアルミニウム合金製とする一方、スカート部をマグネシウム合金製としている。そして、両者をクランクキャップボルトにより固定して一体化させている。なお、シリンダ部はシリンダライナ部とシリンダ外壁部とに分割して、ヘッドボルトにより一体化させている。
特開2007-9741号公報
しかしながら、上記従来例では、クランクキャップボルトを、スカート部を貫通させてシリンダ部へ固定するものであるため、マグネシウム合金製のスカート部と鉄系材のクランクキャップボルトとの熱膨張率の違いから、高温時にクランクキャップボルトの軸力が必要以上に高くなり、シリンダライナの変形や比較的に高温強度が低いマグネシウム合金製のスカート部と他部品(クランクキャップ、シリンダ部)との合わせ面に座屈が発生しやすいという不具合が予想される。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、マグネシウム合金の採用による軽量化をより好適な形態で実現する内燃機関のシリンダブロックを提供することを目的とする。
本発明は、シリンダボアが形成されたシリンダ部とクランク軸を収容するクランクケース部とにシリンダブロックを分割形成すると共に、前記シリンダ部をアルミニウム合金製とすると共に前記クランクケース部をマグネシウム合金製とした内燃機関のシリンダブロックであり、前記シリンダ部のクランクケース部への取付面から突出させて連結棒を固定すると共に、その突出部分を前記クランクケース部のバルク部に設けた貫通穴に挿入し、前記クランクケース部のバルク部下面に配置されて、クランク軸のジャーナルを支持する軸受け部を形成するクランクキャップの締付けボルトを、前記貫通穴内の連結棒に締結して、前記シリンダ部と前記クランクケース部とを一体固定し、前記連結棒の熱膨張量をクランクケース部の熱膨張量を上限としてクランクキャップの締付けボルトより大きくしたことを特徴とする。
したがって、本発明では、シリンダ部をアルミニウム合金製とすると共に前記クランクケース部をマグネシウム合金製とし、前記シリンダ部のクランクケース部への取付面から突出させて連結棒を固定すると共に、その突出部分を前記クランクケース部のバルク部に設けた貫通穴に挿入し、前記クランクケース部のバルク部下面に配置されて、クランク軸のジャーナルを支持する軸受け部を形成するクランクキャップの締付けボルトを、前記貫通穴内の連結棒に締結して、前記シリンダ部と前記クランクケース部とを一体固定し、前記連結棒の熱膨張量をクランクケース部の熱膨張量を上限としてクランクキャップの締付けボルトより大きくした。このため、高温時でもクランクケース部の熱膨張と連結棒の熱膨張とを近づけることができ、クランクキャップの締付けボルトの軸力の増加を抑制して、シリンダライナ部の変形を低減できる。また、同様の理由により、クランクケース部と他部品(クランクキャップ、シリンダ部)との合わせ面の面圧増加を抑制して、マグネシウム合金製クランクケース部の座屈を防止することができる。
以下、本発明を直列4気筒水冷式内燃機関のシリンダブロックに具体化した一実施形態を、図1,2に基づいて説明する。図1は本発明を適用した第1実施形態の内燃機関のシリンダブロックの平面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。
図1、2において、内燃機関のシリンダブロック1は、アルミニウム合金により形成され、シリンダボア10を備えるシリンダ部2と、マグネシウム合金により形成され、クランク軸を収容するクランクケース部3(スカート部)と、に2分割され、これらを後述するように一体化して構成される。
前記シリンダ部2の上部には、ガスケット4Aを介してシリンダヘッド4が組付けられ、シリンダ部2の上部に開口した複数(図示例では8個)の雌ネジ穴5に、シリンダヘッド4を貫通させてヘッドボルト6を締結することにより、これらがシリンダ部2に固定される。シリンダヘッド4の上部には、図示しないヘッドカバーが取付けられる。また、前記クランクケース部3の下方には、図示しないオイルパンが取付けられる。
以下では、シリンダブロック1のシリンダ部2が位置する側を上方とし、クランクケース部3が位置する側を下方とする上下方向と定義し、変速機が組付けられる側(図中左側)を後方とし、その反対側を前方とする前後方向と定義し、前記前後方向と直交する水平方向を左右方向と定義する。なお、内燃機関の具体的なレイアウトや配置状態により、これらの方向は適宜変更される。
前記シリンダ部2は、前後方向に直列に配列して4つのシリンダボア10を上下方向に貫通させて備えると共に各シリンダボア10を形成するシリンダ壁同志は互いに連結されてシリンダライナ部11を構成すると共に、シリンダライナ部11を、隙間をもって取囲んで外壁を形成するブロック外壁部12を備える。前記シリンダライナ部11とブロック外壁部12とは、上下方向の中途部に配置した厚肉のミドルデッキ部13により連結されて一体構造のシリンダ部2を構成する。
前記上下方向中途部のミドルデッキ部13より上方におけるシリンダライナ部11とブロック外壁部12との間の隙間はウォータジャケット14に形成され、前記ミドルデッキ部13より下方におけるシリンダライナ部11とブロック外壁部12との間の隙間はクランクケース部3側に開口する空間部15に形成されている。前記ウォータジャケット14と空間部15とは、厚肉のミドルデッキ部13を挟んで上下方向に隔てて配置されて互いが画成されており、ウォータジャケット14はシリンダ部2の上方に開口し、空間部15はシリンダ部2の下方に開口している。なお、空間部15の隙間寸法は、ウォータジャケット14の隙間寸法より小さく形成されることにより、ミドルデッキ部13より下部のブロック外壁部12の厚さ寸法はミドルデッキ部13より上部のブロック外壁部12の厚さ寸法より厚肉となっている。
前記ウォータジャケット14を収容する上部側のブロック外壁部12には、前記シリンダボア10同士の間およびシリンダ部2の前後端の各位置においてシリンダ部2の上面に開口させて、前記ヘッドボルト6がねじ締結される複数の雌ネジ穴5が形成されている。各雌ネジ穴5の深さ寸法W1は、ウォータジャケット13の深さ寸法W2より浅く形成されている。即ち、前記雌ネジ穴5は、前記ミドルデッキ部13に達しない寸法に設定されている。
前記空間部15を収容する下部側のブロック外壁部12には、後述するクランクケース部3のバルク部20が位置する部位において、シリンダ部2の下面に開口させて、夫々2個の雌ネジ穴16が形成されている。前記2個の雌ネジ穴16は、シリンダ部2の左右方向の対称位置に配置されている。前記各雌ネジ穴16の深さ寸法V2は、前記空間部15の深さ寸法V1より浅く形成されている。即ち、前記雌ネジ穴16は、前記ミドルデッキ部13に達しない寸法に設定されている。
前記雌ネジ穴16には、アルミニウム・シリコン合金より形成した連結棒17の上端がネジ込みにより締結され、この連結棒17はシリンダ部2の下端から突出させて配置されている。前記連結棒17の下部には、下端面には開口させ且つ軸方向に延びる雌ネジ穴17Aが設けられている。連結棒17の前記突出する長さ寸法は、後述するバルク部20の上下方向寸法より短く形成されている。
前記クランクケース部3は、左右方向に配置されてクランク軸のジャーナル40を支持するための複数のバルク部20と、バルク部20の左右方向の端部同士を連結して形成されるハウジング部21と、を備える。クランクケース部3の上面は前記シリンダ部2の下面と接続される平面に形成されている。
各バルク部20には、前記連結棒17を収容する大径穴22Aを上面に開口させ、大径穴22Aに連ねて小径となった小径穴22Bを下面に開口させる段付き穴22が形成されている。また、バルク部20の下面には、当該下面に固定されるクランクキャップ30との間において、クランク軸のジャーナル40を支持する軸受け穴31が形成されている。前記クランクキャップ30には、クランクキャップボルト32が貫通する貫通穴33が形成されている。
前記シリンダ部2とクランクケース部3との連結は、前記段付き穴22の大径穴22Aをシリンダ部2の下面から突出している連結棒17に嵌合させる。次いで、前記クランクキャップ30の貫通穴33および前記バルク部20の段付き穴22の小径穴22Bを貫通させて、クランクキャップボルト32を連結棒17の雌ネジ穴17Aにねじ込むことにより、クランクキャップ30がバルク部20に締結されると共に、クランクケース部3がシリンダ部2に締結固定される。なお、シリンダ部2に対するクランクケース部3の位置決めは、図示しない位置決め手段により行われる。
前記シリンダ部2のブロック外壁部12の前記ミドルデッキ部13に連結される部位には、シリンダ部2の前後方向に貫通させてオイルメインギャラリ18が配置されており、図示しないオイルパンに配置されたオイルポンプからクランクケース部3及びシリンダ部2に設けた供給通路23を介してオイルが供給される。
前記シリンダ部2には、メインオイルギャラリ18よりミドルデッキ部13及びミドルデッキ部13の下方におけるシリンダライナ部11を経由させてクランクケース部3への取付面に開口する分岐通路19を備える。また、前記クランクケース部3には、シリンダ部2への取付面に開口されて前記シリンダ部2の分岐通路19に連通し且つバルク部20を貫通して前記クランク軸のジャーナル40を支持する軸受け穴31に開口するオイル供給通路24を備える。
このため、前記メインギャラリ18のオイルは、メインギャラリ18から分岐させて前記ミドルデッキ部13および下部シリンダライナ部11に設けた分岐通路19とクランクケース部3のバルク部20に設けたオイル供給通路24を経由させて、前記ジャーナル40の軸受け穴31に供給されるようにしている。
また、前記シリンダ部2のブロック外壁部12およびクランクケース部3のバルク部20には、シリンダヘッド4の上方に溜まったオイルをオイルパンに戻すオイル戻し通路25が形成されている。
以上の構成の内燃機関のシリンダブロック1では、シリンダ部2とクランクケース部3とを分割した構造であり、シリンダ部2とクランクケース部3との結合を、マグネシウム合金で形成したクランクケース部3と同等の熱膨張率を備えるアルミニウムニウム・シリコン合金等により形成した連結棒17を介して、クランクキャップボルト32にて締結する構造としている。即ち、構成部品の熱膨張率の関係は、鉄系の金属(Fe)よりなるクランクキャップボルト32<アルミニウム・マグネシウム合金(Al・Mg)からなる連結棒17≦マグネシウム合金(Mg)よりなるクランクケース部3としている。
その結果、高温時にクランクケース部3が熱膨張した場合でも、連結棒17が同様に熱膨張するので、クランクキャップボルト32の軸力増加を抑制でき、シリンダライナ部11の変形を低減できる。また、同様の理由により、クランクケース部3とクランクキャップ30との合せ面、及び、クランクキャップ30とクランクキャップボルト32とのボルト座面の面圧増加によるクランクケース部3の座屈を防止することができる。
また、シリンダライナ部11とブロック外壁部12とはミドルデッキ部13を介して一体となっており、ウォータジャケット14の深さ寸法W2をヘッドボルト6に対する雌ネジ穴5の深さ寸法W1より大きくしているので、ヘッドボルト6の軸力がブロック外壁部12に加わっても、ウォータジャケット14による遮断機能(ミドルデッキ部13の変形は生じない)により、シリンダライナ部11の変形を抑制することができる。
しかも、シリンダ部2の下端には、連結棒17の雌ネジ穴16とシリンダライナ部11との間に空間部15を設け、空間部15の深さ寸法V1を連結棒17の雌ネジ穴16の深さ寸法V2より大きくしているので、連結棒17のネジ部による軸力がブロック外壁部12に加わっても、空間部15による遮断機能(ミドルデッキ部13の変形は生じない)により、シリンダライナ部11の変形を抑制することができる。
以上のように、シリンダライナ部11の変形が抑制されるので、内燃機関の本体系騒音とオイル消費を低減することができる。そして、シリンダライナ部11とブロック外壁部12はミドルデッキ部13を介して一体構造としているため、シリンダ部2の剛性を高くでき、シリンダ部2の変形を抑制できる。また、シリンダライナ部11の下端にシール部材を設ける必要がないので、ウォータジャケット14よりの水漏れ発生に対する虞がない。
なお、従来例として示した特許文献1では、シリンダライナとブロック外壁部とは分割構造となっており、シリンダヘッドとブロック外壁部との間にシリンダライナ部のつば部を挟んで締結する構造としているが、シリンダライナ部は薄肉構造であるので剛性はあまり高くなく、シリンダライナ部の変形が大きくなりやすい。またシリンダライナ部の下端をシール部材でシールしているが、シール部材の劣化により水漏れが発生する虞もあった。
また、ジャーナル40には、シリンダ部2のメインギャラリ18より分岐通路19及びオイル供給通路24を経由してオイルを供給するようにしているので、シリンダ部2とクランクケース部3とが分割構造であっても、比較的簡単な経路で、ジャーナル40へ十分なオイルを供給することができる。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
(ア)シリンダボア10が形成されたシリンダ部2とクランク軸を収容するクランクケース部3とにシリンダブロック1を分割形成すると共に、前記シリンダ部2をアルミニウム合金製とすると共に前記クランクケース部3をマグネシウム合金製とした内燃機関のシリンダブロック1であり、前記シリンダ部2のクランクケース部3への取付面から突出させて連結棒17を固定すると共に、その突出部分を前記クランクケース部3のバルク部20に設けた貫通穴である段付き穴22に挿入し、前記クランクケース部3のバルク部20下面に配置されて、クランク軸のジャーナル40を支持する軸受け穴31を形成するクランクキャップ30の締付けボルト32を、前記貫通穴22内の連結棒17に締結して、前記シリンダ部2と前記クランクケース部3とを一体固定し、前記連結棒17の熱膨張量をクランクケース部3の熱膨張量を上限としてクランクキャップ30の締付けボルト32より大きくした。このため、高温時でもクランクケース部3の熱膨張と連結棒17の熱膨張とを近づけることができ、クランクキャップ30の締付けボルト32の軸力の増加を抑制して、シリンダライナ部11の変形を低減できる。また、同様の理由により、クランクケース部3と他部品(クランクキャップ30、シリンダ部2)との合わせ面の面圧増加を抑制して、マグネシウム合金製のクランクケース部3の座屈を防止することができる。
(イ)連結棒17の熱膨張率は、クランクケース部3の熱膨張率を上限としてクランクキャップ30の締付けボルト32の熱膨張率より大きく設定したアルミニウム・シリコン合金により形成されていることにより、クランクキャップ30の締付けボルト32の軸力の増加を抑制でき、シリンダライナ部11の変形を低減できる。また、同様の理由により、クランクケース部3と他部品(クランクキャップ30、シリンダ部2)との合わせ面の面圧増加によるマグネシウム合金製クランクケース部3の座屈を防止することができる。
(ウ)連結棒17の熱膨張率は、クランクケース部3の熱膨張率と同等の熱膨張率を備えるアルミニウム・シリコン合金により形成されていることにより、高温時でもクランクケース部3と連結棒17とが、ほぼ同等に熱膨張するので、クランクキャップボルト32の軸力の増加を抑制でき、シリンダライナ部11の変形を低減できる。また、クランクケース部3と他部品との合わせ面の面圧増加によるマグネシウム合金製のクランクケース部3の座屈を防止することができる。
(エ)シリンダ部2は、シリンダボア10が形成されるシリンダライナ部11と、シリンダライナ部11を取囲むブロック外壁部12と、シリンダライナ部11とブロック外壁部12とを連結するミドルデッキ部13と、から構成され、前記ミドルデッキ部13の下方におけるシリンダライナ部11とブロック外壁部12との間に空間部15を備えると共に、前記ミドルデッキ部13の上方におけるシリンダライナ部11とブロック外壁部12との間の空間をウォータジャケット14とし、前記連結棒17はブロック外壁部12に下面からネジ込み締結され、上部に連結されるシリンダヘッド4を固定するヘッドボルト6はブロック外壁部12に上面からネジ込み締結されるため、シリンダライナ部11の剛性を高くでき、シリンダの変形を抑制できる。また、シリンダライナ部11の下端をシール部材で固定する必要がなく、ウォータジャケット14よりの水漏れ発生の心配がない。
(オ)連結棒17のネジ穴の深さ寸法は、前記空間部15の深さより浅く形成されているため、連結棒17のネジ部による軸力がブロック外壁部12に加わっても、空間部15による遮断機能により、シリンダライナ部11の変形を抑制することができる。
(カ)シリンダヘッド4を固定するヘッドボルト6がねじ込まれる雌ネジ穴5の深さ寸法は、前記ウォータジャケット14の深さより浅く形成されているため、ヘッドボルト6のネジ部による軸力がブロック外壁部12に加わっても、ウォータジャケット14による遮断機能により、シリンダライナ部11の変形を抑制することができる。
(キ)シリンダ部2は、メインオイルギャラリ18よりミドルデッキ部13及びミドルデッキ部13の下方におけるシリンダライナ部11を経由させてクランクケース部3への取付面に開口する分岐通路19を備えると共に、前記クランクケース部3は、シリンダ部2への取付面に開口されて前記シリンダ部2の分岐通路19に連通し且つバルク部20を貫通して前記クランク軸のジャーナル40を支持する軸受け穴31に開口するオイル供給通路24を備えるため、シリンダ部2とクランクケース部3とが分割構造であっても、比較的簡単な経路でジャーナル40へ十分なオイルを供給することができる。
本発明の一実施形態を示す内燃機関のシリンダブロックの平面図。 図1のA−A線に沿う断面図。
符号の説明
1 シリンダブロック
2 シリンダ部
3 クランクケース部
4 シリンダヘッド
5、16 雌ネジ穴
6 ヘッドボルト
10 シリンダボア
11 シリンダライナ
12 ブロック外壁部
13 ミッドデッキ部
14 ウォータジャケット
15 空間部
17 連結棒
18 メインオイルギャラリ
19 分岐通路
20 バルク部
21 ハウジング部
22 貫通穴としての段付き穴
24 オイル供給通路
30 クランクキャップ
31 軸受け穴
32 クランクキャップボルト

Claims (7)

  1. シリンダボアが形成されたシリンダ部とクランク軸を収容するクランクケース部とにシリンダブロックを分割形成すると共に、前記シリンダ部をアルミニウム合金製とすると共に前記クランクケース部をマグネシウム合金製とした内燃機関のシリンダブロックであり、
    前記シリンダ部のクランクケース部への取付面から突出させて連結棒を固定すると共に、その突出部分を前記クランクケース部のバルク部に設けた貫通穴に挿入し、
    前記クランクケース部のバルク部下面に配置されて、クランク軸のジャーナルを支持する軸受け部を形成するクランクキャップの締付けボルトを、前記貫通穴内の連結棒に締結して、前記シリンダ部と前記クランクケース部とを一体固定し、
    前記連結棒の熱膨張量をクランクケース部の熱膨張量を上限としてクランクキャップの締付けボルトより大きくしたことを特徴とする内燃機関のシリンダブロック。
  2. 前記連結棒の熱膨張率は、クランクケース部の熱膨張率を上限としてクランクキャップの締付けボルトの熱膨張率より大きく設定したアルミニウム・シリコン合金により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のシリンダブロック。
  3. 前記連結棒の熱膨張率は、クランクケース部の熱膨張率と同等の熱膨張率を備えるアルミニウム・シリコン合金により形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関のシリンダブロック。
  4. 前記シリンダ部は、シリンダボアが形成されるシリンダライナ部と、シリンダライナ部を取囲むブロック外壁部と、シリンダライナ部とブロック外壁部とを連結するミドルデッキ部と、から構成され、
    前記ミドルデッキの下方におけるシリンダライナ部とブロック外壁部との間に空間部を備えると共に、前記ミドルデッキ部の上方におけるシリンダライナ部とブロック外壁部との間の空間をウォータジャケットとし、
    前記連結棒はブロック外壁部に下面からネジ込み締結され、上部に連結されるシリンダヘッドを固定するヘッドボルトはブロック外壁部に上面からネジ込み締結されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の内燃機関のシリンダブロック。
  5. 前記連結棒のネジ穴の深さ寸法は、前記空間部の深さより浅く形成されていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関のシリンダブロック。
  6. 前記シリンダヘッドを固定するヘッドボルトがねじ込まれる雌ネジ穴の深さ寸法は、前記ウォータジャケットの深さより浅く形成されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の内燃機関のシリンダブロック。
  7. 前記シリンダ部は、メインオイルギャラリよりミドルデッキ部及びミドルデッキ部の下方におけるシリンダライナ部を経由させてクランクケース部への取付面に開口する分岐通路を備えると共に、
    前記クランクケース部は、シリンダ部への取付面に開口されて前記シリンダ部の分岐通路に連通し且つバルク部を貫通して前記クランク軸のジャーナルを支持する軸受け部に開口するオイル供給通路を備えることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一つに記載の内燃機関のシリンダブロック。
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