JP2010070755A - ポリオルガノシロキサンの製造方法、ポリオルガノシロキサン、その硬化物及び積層体 - Google Patents

ポリオルガノシロキサンの製造方法、ポリオルガノシロキサン、その硬化物及び積層体 Download PDF

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有希子 加藤
Masanori Suzuki
正法 鈴木
Akira Motonaga
彰 元永
Hideaki Kuwano
英昭 桑野
Mina Nomura
美菜 野村
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Abstract

【課題】ハードコート層の物性を損なう分子を系中に発生させず、構造制御されたポリオルガノシロキサンを簡便に得ることが可能なポリオルガノシロキサンの製造方法を提供する。
【解決手段】アルコキシシランを、該アルコキシシランの加水分解性基に対して1.0〜5.0モル倍の水を使用し、該アルコキシシラン及び水に不溶な塩基性固体触媒の存在下、加水分解縮合するポリオルガノシロキサンの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、比較的低分子量で、分子量分布が制御され、良好な物性を示すハードコート層を作製可能なポリオルガノシロキサンの製造方法に関するものである。
ポリオルガノシロキサン合成時に、系に不溶な固体酸触媒を添加する方法は知られている(特許文献1、2参照)。
特許文献1では、陽イオン交換樹脂の存在下、加水分解縮合時に水を段階的に添加することで、ゲル化を生じさせることなく、保存安定性に優れており、かつ反応性基を有する水希釈可能なポリオルガノシロキサンを製造する手法が開示されている。特許文献2では、水を含有しない陽イオン交換樹脂の存在下、トリアルコキシシラン1モルに対して1.5モル倍以下の水を用いて加水分解縮合を行うことで、トリアルコキシシランの中程度の分子量の縮合物を安定して製造する方法が提案されている。
一方、ポリオルガノシロキサン合成時に、系に不溶な固体触媒の存在下、加水分解縮合する方法が提案されている(特許文献3参照)。この中で、系に不溶な塩基性固体触媒を用いてポリオルガノシロキサンを合成している。
特開平09−20826号公報 特開平10−292048号公報 特開平06−32903号公報
しかし、ポリオルガノシロキサン合成時に酸を添加した場合、アルコキシシランのアルコキシ基の加水分解、それによって生じたシラノール基の縮合の速度比が変化し、構造や分子量分布が不均一になる傾向が見られる。さらに、このようにして合成したポリオルガノシロキサンを用いてハードコート層を作製した場合、良好な被膜物性は発現されない。
一方、ポリオルガノシロキサン合成時に塩基を添加した場合、前記方法では使用する水の量が少ないため、数平均分子量が大きくなりすぎる。一方、未反応のトリアルコキシシランが多く残り、反応性の高いシラノール基が少ないポリオルガノシロキサンが生成する。この方法で製造したポリオルガノシロキサンを光硬化型のハードコートの原料として用いた場合には、耐擦傷性等において良好な性能のハードコート層が得られない。
本発明者らは、このような従来方法の欠点を克服し、ハードコート層の物性を損なうような分子を系中に発生させず、構造制御されたポリオルガノシロキサンを簡便に得ることができる方法を開発するため、鋭意研究を重ねた結果、アルコキシシランを出発原料として、アルコキシシランの加水分解性基に対して1.0〜5.0モル倍の水を用いて系に不溶な塩基性固体触媒を添加することによりその目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明に至った。
即ち、本発明に係るポリオルガノシロキサンの製造方法は、下記式(1)で示されるアルコキシシランを、該アルコキシシランの加水分解性基に対して1.0〜5.0モル倍の水を使用し、該アルコキシシラン及び水に不溶な塩基性固体触媒の存在下、加水分解縮合することを特徴とする。
1 nSi(OR24-n (1)
(式(1)中、R1は炭素数1〜10の置換又は無置換のアルキル基、炭素数5〜10の置換又は無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基、不飽和基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基又はハロゲン基を有する基からなる群から選ばれる1種の基;R2は炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは0〜3の整数である。R1が複数ある場合、複数のR1は互いに同一であっても、少なくとも1つが異なっていてもよい。R2が複数ある場合、複数のR2は互いに同一であっても、少なくとも1つが異なっていてもよい。)。
本発明に係るポリオルガノシロキサンの製造方法は、
前述の製造方法であって、GPC法により測定された重量平均分子量(ポリスチレン換算)が300以上、4,500以下であり、
かつGPCクロマトグラムの最大ピークにおける強度(a)と、GPCクロマトグラムの分子量(ポリスチレン換算)550〜650の範囲に相当する強度の最大値(b)との強度比(b/a)が、0.35以上、0.75以下であるポリオルガノシロキサンの製造方法であることを特徴とする。
本発明に係るポリオルガノシロキサンは、前記式(1)で示されるアルコキシシランの加水分解縮合物であるポリオルガノシロキサンにおいて、
GPC法により測定された重量平均分子量(ポリスチレン換算)が300以上、4,500以下であり、
かつGPCクロマトグラムの最大ピークにおける強度(a)と、GPCクロマトグラムの分子量(ポリスチレン換算)550〜650の範囲に相当する強度の最大値(b)との強度比(b/a)が、0.35以上、0.75以下であることを特徴とする。
本発明に係る組成物は、前記ポリオルガノシロキサンと硬化触媒とを含有することを特徴とする。
本発明に係る硬化物は、前記組成物の硬化物であることを特徴とする。
本発明に係る硬化方法は、前記組成物を熱及び活性エネルギー線の少なくとも一方で硬化させることを特徴とする。
本発明に係る積層体は、基材の表面に前記硬化物からなるハードコート層を有することを特徴とする。
本発明におけるポリオルガノシロキサンの製造方法は、操作方法が極めて簡便であるにもかかわらず、得られるポリオルガノシロキサンは高度に分子量分布と構造が制御されており、これを用いて作製したハードコート層は外観、耐擦傷性、耐摩耗性などの諸物性に優れる。
実施例1において得られたポリオルガノシロキサンのGPCチャートを示した図である。 比較例1において得られたポリオルガノシロキサンのGPCチャートを示した図である。 比較例2において得られたポリオルガノシロキサンのGPCチャートを示した図である。 実施例2において得られたポリオルガノシロキサンのGPCチャートを示した図である。 実施例3において得られたポリオルガノシロキサンのGPCチャートを示した図である。 実施例4において得られたポリオルガノシロキサンのGPCチャートを示した図である。 実施例5において得られたポリオルガノシロキサンのGPCチャートを示した図である。 比較例3において得られたポリオルガノシロキサンのGPCチャートを示した図である。
(ポリオルガノシロキサンの製造方法)
本発明におけるポリオルガノシロキサンの製造方法は、下記式(1)で示されるアルコキシシランを、該アルコキシシランの加水分解性基に対して1.0〜5.0モル倍の水を使用し、該アルコキシシラン及び水に不溶な塩基性固体触媒の存在下、加水分解縮合する。
1 nSi(OR24-n (1)
(式(1)中、R1は炭素数1〜10の置換又は無置換のアルキル基、炭素数5〜10の置換又は無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基、不飽和基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基又はハロゲン基を有する基からなる群から選ばれる1種の基;R2は炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは0〜3の整数である。R1が複数ある場合、複数のR1は互いに同一であっても、少なくとも1つが異なっていてもよい。R2が複数ある場合、複数のR2は互いに同一であっても、少なくとも1つが異なっていてもよい。)
(アルコキシシラン)
本発明において、アルコキシシランとしては、前記式(1)に示すものを用いる。
1の炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。また、R1の炭素数1〜10の置換アルキル基としては、前記炭素数1〜10のアルキル基に、置換基として、ハロゲン基等を有するアルキル基が挙げられる。
1の炭素数5〜10のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基などが挙げられる。また、R1の炭素数5〜10の置換シクロアルキル基としては、前記炭素数5〜10のシクロアルキル基に、置換基として、ハロゲン基等を有するシクロアルキル基が挙げられる。
1の炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基としては、フェニル基、トリル基などが挙げられる。
1の不飽和基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基又はハロゲン基を有する基としては、特に限定はされないが、容易かつ安価に入手または製造できる点で、下記式(2)〜(10)で示される基から選ばれる少なくとも1種の基を含む一価の有機基が好ましい。
(式(2)〜(10)中、R3は水素原子又はメチル基;R4は炭素数1〜10の二価の有機基;R5は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10アリール基又は炭素数1〜10のアシル基である)。
4の具体例としては、たとえば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、置換プロピレン基、置換ブチレン基、置換ヘキシレン基、ペンタメチレン基、ヘプタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、エチルエチレン基、2−メチルテトラメチレン基、3−メチルテトラメチレン基などの直鎖状または分岐状の炭素数1〜10の、アルキレン基および置換アルキレン基、炭素数6〜10のフェニレン基および置換フェニレン基、−CH2CHR7−(OCH2CHR7m−(m=1〜4、R7=HまたはCH3)のように例示されたアルキレン基における炭素鎖が任意の位置で酸素原子により中断された炭素数1〜15のオキシアルキレン基等の基、−(CH2k−NH−(CH2l−(k、l=1〜3)で示される基、が挙げられる。
前記式(2)で示される基を有するアルコキシシランの具体例は、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルフェニルジメトキシシラン等である。
前記式(3)で示される基を有するアルコキシシランの具体例は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン等である。
前記式(4)で示される基を有するアルコキシシランの具体例は、1−ヘキセニルトリメトキシシラン、1−オクテニルトリメトキシシラン、ビニロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ビニルフェニルトリメトキシシラン、3−(ビニルベンジルアミノプロピル)トリメトキシシラン等である。
前記式(5)で示される基を有するアルコキシシランの具体例は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン等である。
前記式(6)で示される基を有するアルコキシシランの具体例は、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン等である。
前記式(7)で示される基を有するアルコキシシランの具体例は、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−(トリエトキシシリルプロピル)尿素等である。
前記式(8)で示される基を有するアルコキシシランの具体例は、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−アミノメチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等である。
前記式(9)で示される基を有するアルコキシシランの具体例は、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等である。
前記式(10)で示される基を有するアルコキシシランの具体例は、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロエチルトリメトキシシラン、クロロメチルジメチルエトキシシラン、クロロメチルメトキシジメチルシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、クロロプロピルトリエトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン等である。
2の炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
前記式(1)の具体例としては、前記式(2)〜(10)で示される基を有するアルコキシシランの具体例以外にも、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等が挙げられる。これらは単独で使用することができ、あるいは、2種以上併用することができる。
前記式(1)で示されるアルコキシシランのうち、n=0または1であるアルコキシシランは、加水分解縮合速度が速く、容易に入手できるため好ましい。特に、加水分解縮合速度が速く、生成したR2OHを系外に容易に除去できる点で、R2がメチル基またはエチル基であるものが好ましい。
(塩基性固体触媒)
本発明で用いられる塩基性固体触媒は、塩基性固体触媒成分がアルコキシシラン及び水に不溶である。塩基性固体触媒成分は、反応生成物及び後述する溶媒や添加剤のいずれにも不溶であるものが好ましい。このような塩基性固体触媒を使用することにより、最終的に得られるポリオルガノシロキサンから塩基性固体触媒を分離できるため、ポリオルガノシロキサンの保存安定性を良好に維持することができる。このような塩基性固体触媒の具体例として、以下のものが例示される。
陰イオン交換樹脂:「ダイヤイオンSAシリーズ」、「ダイヤイオンPAシリーズ」、「ダイヤイオンHPAシリーズ」、「ダイヤイオンWAシリーズ」(以上、三菱化学(株)製)、「アンバーライトIRA400J CL」、「アンバーライトIRA400T CL」、「アンバーライト4400 CL」、「アンバーライト402J CL」、「アンバーライト402BL CL」、「アンバーライトIRA404J CL」、「アンバーライトIRA458RF CL」、「アンバーライトIRA900J CL」、「アンバーライトIRA904 CL」、「アンバーライトIRA958 CL」、「アンバーライトIRA410J CL」、「アンバーライトIRA411 CL」、「アンバーライトIRA910CT CL」、「アンバーライトIRA478RF CL」、「アンバーライトIRA67」、「アンバーライトIRA96SB」、「アンバーライトXT6050RF」、「アンバーライトXE583」、「アンバーライトIRA45」(以上、ローム・アンド・ハース社製)、「Muromac A202」、「Muromac XSA−2613」、「Muromac A2002」、「Muromac A2004」、「Muromac A203T」、「Muromac A7002」、「Muromac XMA−4613」、「Muromac A2012」、「Muromac A212」、「Muromac XSB−2613」、「Muromac XSB−4613」、「Muromac A302」、「Muromac WMT−7624」、「Muromac A418」、「Muromac A415」、「Muromac XSB−4222」(以上、ムロマチテクノス(株)社製)、「DOWEX MARATHON A」、「DOWEX MONOSPHERE 550A」、「DOWEX MONOSPHERE MSA」、「DOWEX MARATHON A2」、「DOWEX MSA−2」、「DOWEX66」、「DOWEX MONOSPHERE WBA」、「DOWEX 1×2」、「DOWEX 1×4」、「DOWEX 1×8」(以上、米国ダウ・ケミカル社製)など塩基性の官能基が担持されているものが挙げられる。なお、Cl-型のものはイオン交換を行うことでOH-型として用いる。架橋度や形態は特に限定しない。
単元系金属酸化物:アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgO、BaOなどが挙げられる。
これらは単独で使用することができ、あるいは、2種以上併用することができる。
これらの塩基性固体触媒は、固定床中に設置し反応を流通式に行うこともできるし、バッチ式に行うこともできる。塩基性固体触媒の使用量は、特に限定されないが、アルコキシシランに対して0.1〜20質量%が好ましい。
(水の添加量)
本発明において、加水分解縮合に用いる水の量は、前記アルコキシシランの加水分解性基に対して1.0〜5.0モル倍とする。水の量を前記範囲内とすることにより、得られるポリオルガノシロキサンをハードコート原料として用い、ハードコート層を形成した場合に、耐擦傷性において良好な性能を得ることができる。好ましくは1.5〜2.5モル倍である。用いる水は好ましくはイオン交換水である。
(溶媒・反応温度)
加水分解反応は従来一般に行われる方法をもって実施でき、無溶媒下に、または、不活性な溶媒中で行われる。前記溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類、アセトニトリルなどのニトリル類等を用いることができる。また、溶媒は、沸点が100℃以下のものが好ましい。反応温度および時間は、原料の種類によっても異なるが、通常、室温〜150℃、好ましくは50〜100℃の温度で、10分から24時間の範囲で行うことが好ましい。高温下あるいは長時間反応を行うと、アルコキシシランの有する不飽和基の重合やエポキシ基の開環が生じるため好ましくない。反応時の圧力は、1×10-3〜1atmの範囲が好ましい。
(添加剤)
この反応系においては、重合禁止剤を添加してもさしつかえない。これは、アルコキシシランとして不飽和基を有するものを用いた場合、アルコキシシランの有する不飽和基が重合するのを防ぐのに有効であって、具体的にはハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等が使用できる。
(ポリオルガノシロキサン)
本発明のポリオルガノシロキサンは、前記ポリオルガノシロキサンの製造方法等により製造されるポリオルガノシロキサンであって、
GPC法により測定された重量平均分子量(ポリスチレン換算)が300以上、4,500以下であり、
かつGPCクロマトグラムの最大ピークにおける強度(a)と、GPCクロマトグラムの分子量(ポリスチレン換算)550〜650の範囲に相当する強度の最大値(b)との強度比(b/a)が、0.35以上、0.75以下である。
本発明のポリオルガノシロキサンの重量平均分子量(ポリスチレン換算)は4,500以下である。重量平均分子量が4,500以下であることによって、ポリオルガノシロキサンを含む組成物の硬化物からなるハードコート層の外観が良好となる。好ましくは2,000以下である。2,000以下であることによって、ハードコート層の耐擦傷性が良好となる。
その下限は300以上である。300以上であることによってポリオルガノシロキサンを含む組成物の硬化物からなるハードコート層の耐クラック性が良好となる。
また、本発明のポリオルガノシロキサンのGPCクロマトグラムの最大ピークにおける強度(a)と、GPCクロマトグラムの分子量(ポリスチレン換算)550〜650の範囲に相当する強度の最大値(b)との強度比(b/a)は、0.35以上、0.75以下である。強度比が0.75以下であることによってポリオルガノシロキサンを含む組成物の硬化物からなるハードコート層の耐擦傷性、耐クラック性が良好となる。好ましくは0.70以下である。強度比の下限は0.35以上である。0.35以上であることによってポリオルガノシロキサンを含む組成物の硬化物からなるハードコート層の耐クラック性が良好となる。
なお、GPCクロマトグラムの最大ピークにおける強度(a)については、得られた測定結果における基準線からのピーク高さを測定した。また、GPCクロマトグラムの分子量(ポリスチレン換算)550〜650の範囲に相当する強度の最大値(b)については、該当する範囲における基準線からの最大高さを測定した。
(組成物)
本発明の組成物は前記ポリオルガノシロキサンを含み、さらに硬化触媒を含むことが好ましい。
(硬化触媒)
前記硬化触媒としては、アンモニウム、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウムなどのpH調整剤または可視光線、紫外線、熱線、電子線などの活性エネルギー線によりカチオン重合反応を起こす活性エネルギー線感応性酸発生剤を用いることができる。この中でも、可視光線、紫外線により酸を発生する光感応性カチオン重合開始剤、熱線により酸を発生する熱感応性カチオン重合開始剤が好ましい。中でも、活性が高い点、プラスチック材料に熱劣化を与えない点から、光感応性カチオン重合開始剤がより好ましい。
前記活性エネルギー線感応性酸発生剤としては、例えば、ジフェニルヨードニウム系化合物、トリフェニルホスホニウム系化合物、芳香族スルホニウム系化合物、ジアゾジスルホン系化合物等が挙げられる。具体例としては、上市されている「イルガキュア250」(チバ・ジャパン(株)製、商品名)、「アデカオプトマーSP−150」、「アデカオプトマーSP−170」((株)ADEKA製、商品名)、「サイラキュアUVI−6970」、「サイラキュアUVI−6974」、「サイラキュア6990」、「サイラキュアUVI6950」、「サイラキュアUVI6992」(米国ユニオンカーバイド社製、商品名)、「サイラキュアUVI6992」(ダウケミカル日本(株)製、商品名)、「DAICAT II」(ダイセル化学工業社製、商品名)、「UVAC1591」(ダイセル・サイテック(株)社製、商品名)、「CI−2734」、「CI−2855」、「CI−2823」および「CI−2758」(以上、日本曹達(株)製、商品名)、「サンエイドSI−60L」、「SI−80L」、「SI−85L」、「SI−100L」、「SI−110L」、「SI−145L」、「SI−150L」、「SI−160L」、「SI−180L」、「SI−15H」、「SI−20H」、「SI−25H」、「SI−40H」、「SI−50H」(三新化学工業(株)製、商品名)、「CPI−100P」、「CPI−101A」(サンアプロ(株)、商品名)、「MPI−103」、「MPI−105」、「MPI−109」(みどり化学(株)製、商品名)等が挙げられる。これらの活性エネルギー線感応性酸発生剤は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
前記光感応性カチオン重合開始剤としては、例えば、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩、オキソニウム塩、アンモニウム塩化合物等が挙げられる。具体例としては、「イルガキュア250」(チバ・ジャパン(株)製、商品名)、「アデカオプトマーSP−150」、「アデカオプトマーSP−170」(以上、(株)ADEKA製、商品名)、「サイラキュアUVI−6970」、「サイラキュアUVI−6974」、「サイラキュア6990」、「サイラキュアUVI6950」、「サイラキュアUVI6992」(以上、米国ユニオンカーバイド社製、商品名)、「DICAT II」(ダイセル化学工業社製、商品名)、「UVAC1591」(ダイセル・サイテック(株)社製、商品名)、「CI−2734」、「CI−2855」、「CI−2823」、「CI−2758」(以上、日本曹達(株)製、商品名)などが挙げられる。これらの光感応性カチオン重合開始剤は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
前記活性エネルギー線感応性酸発生剤の配合量は、特に限定されないが、前記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲内が好ましい。0.01質量部以上であれば、活性エネルギー線の照射によって充分に硬化し、良好なハードコート層が得られる傾向にある。また、10質量部以下であれば、硬化して得られるハードコート層の物性について、特に着色がなく、表面硬度や耐擦傷性が良好となる傾向にある。さらに、硬化性が良好である点、良好な性能のハードコート層が得られる点から、その配合量は0.05〜5質量部の範囲内が好ましい。
(有機溶媒)
また、本発明で使用する組成物は、固形分濃度調整、分散安定性向上、塗布性向上、基材への密着性向上等を目的として、有機溶媒を含有してもよい。
前記有機溶媒としては、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、セロソルブ類及び芳香族化合物類が挙げられる。
有機溶媒の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ベンジルアルコール、2−メトキシエチルアルコール、2−エトキシエチルアルコール、2−プロポキシエチルアルコール、2−ブトキシエチルアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロピルアルコール、1−エトキシ−2−プロピルアルコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、グリセリンエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−フェノキシエチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンゼン、トルエン及びキシレンが挙げられる。これらの有機溶媒は1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
有機溶剤の配合量は、ポリオルガノシロキサン100質量部に対して0〜1,000質量部が好ましく、0〜100質量部がより好ましい。有機溶剤の配合量が1,000質量部以下で、固形分が低くなりすぎて塗膜が薄くなることが生じ難く、耐擦傷性が良好なハードコート層が得られる傾向にある。
本発明の組成物には、本発明の効果を妨げない範囲内で、他の反応性化合物を含有させることもできる。具体的には、カチオン重合可能な、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物などが挙げられる。さらに、ラジカル重合性二重結合基含有モノマー、光感応性ラジカル重合開始剤、高分子化合物を含有してもよい。
さらに、本発明で使用する組成物には、その他、必要に応じて、ポリマー微粒子、コロイド状シリカ、コロイド状金属、光増感剤(例えば、アントラセン系化合物、チオキサントン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタレン系化合物、ピレン系化合物等)、充填剤、染料、顔料、顔料分散剤、流動調整剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、熱感応性ラジカル重合開始剤、熱感応性カチオン重合開始剤などを配合してもよい。
(エポキシ化合物)
前記エポキシ化合物は、分子内にエポキシ基を含有するものであれば特に限定されない。その具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,6−ジグリシジルフェニルエーテル、ソルビトールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリシジルアミン、ジグリシジルベンジルアミン、フタル酸ジグリシジルエステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ブタジエンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキセンカルボン酸とエチレングリコールとのジエステル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンオールエポキシドグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とエチレンオキサイドとの付加物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などを挙げることができる。中でも、硬化速度が速く、得られるハードコート層の耐擦傷性が良好な点から、分子内に2個以上のエポキシ基を含有する芳香族エポキシ化合物が好ましい。エポキシ化合物は1種類を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(ビニルエーテル化合物)
前記ビニルエーテル化合物は、分子内にビニルエーテル基を含有する化合物である。ビニルエーテル化合物の具体例としては、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,9−ノナンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、などを挙げることができる。ビニルエーテル化合物は1種類を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(ラジカル重合性二重結合含有モノマー)
前記ラジカル重合性二重結合含有モノマーは、ラジカル重合性二重結合を有していればその構造は特に限定されない。
特に、重合速度の速い点から、分子内にアクリロイル基又はメタクリロイル基を含有する単官能又は多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
単官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フォスフォエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−プロパン、ビス[4−(メタ)アクリロイルチオフェニル]スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル]−スルフィド、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニルプロパン]、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
中でも、硬化性が良好な点、得られるハードコート層の耐擦傷性が優れている点から、多官能(メタ)アクリレートがより好ましい。ラジカル重合性二重結合含有モノマーは、1種類を単独で使用してもよいし、数種類を混合して使用してもよい。
(光感応性ラジカル重合開始剤)
光感応性ラジカル重合開始剤は、可視光線や紫外線等の活性エネルギー線に感応して活性ラジカル種を発生し、ラジカル重合性二重結合含有モノマーの重合を開始する成分である。光感応性ラジカル重合開始剤の具体例としては、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。中でも、メチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドが硬化速度の点からより好ましい。これらの光感応性ラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
光感応性ラジカル重合開始剤の配合量は、特に限定されないが、ラジカル重合性二重結合含有モノマー100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲内が好ましい。この配合量が0.01質量部以上であると、活性エネルギー線照射による硬化速度の点から好ましく、10質量部以下であると、得られるハードコート層の耐擦傷性の点から好ましい。より好ましくは、0.05〜5質量部の範囲内である。
(高分子化合物)
本発明の組成物は、さらに高分子化合物を含有することが好ましい。高分子化合物を配合することで、ハードコート層に柔軟性が付与され、クラックの発生が抑制される。高分子化合物としては、例えば、アクリル系ポリマー、ビニル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ポリジアルキルシロキサン(シリコーン樹脂)等が挙げられる。中でも、エーテル系ポリマーは好適に用いることができ、具体的にはポリエチレングリコールが挙げられる。
高分子化合物の配合量は、特に限定されないが、ポリオルガノシロキサン100質量部に対して、0〜50質量部の範囲内が好ましく、1〜10質量部の範囲内がより好ましい。
(コロイド状シリカ)
前記コロイド状シリカとしては、例えば、シリカ微粒子が水に均一分散した水性シリカゾル及び分散溶媒に均一分散したオルガノシリカゾルが挙げられる。前記分散溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル等のグリコールエーテルが挙げられる。分散溶媒は1種で又は2種以上を併用して使用できる。
コロイド状シリカの数平均粒子径は5〜200nmが好ましい。数平均粒子径5nm以上のコロイド状シリカを使用することで、ハードコート層に耐擦傷性と硬度を付与できる。また、数平均粒子径200nm以下のコロイド状シリカを使用することで、ハードコート層の透明性の低下を抑制できる。コロイド状シリカの数平均粒子径は、好ましくは10〜100nmである。なお、数平均粒子径の測定法としては、例えば、電子顕微鏡観察による方法が挙げられる。
(ハードコート層/積層体作製方法)
(基材)
本発明の組成物は、塗装材やインキ材等として基材の表面に塗布された後に、熱又は活性エネルギー線の照射により硬化される。
本発明に使用される基材としては、例えば、金属板、金属缶等の金属材料、紙、木質材等の天然材料、セラミック等の無機質材、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等のプラスチック成形物、PET、ポリオレフィン等のフィルム及び電着塗装板、ラミネート板等の複合材料が挙げられる。
本発明の組成物を基材の表面に塗布する方法としては、例えば、スプレー法、ロールコーター法、グラビアコーター法、フレキソ法、スクリーン法、スピンコーター法、フローコーター法、静電塗装法等の公知の方法が挙げられる。
(硬化方法)
本発明の硬化方法においては、基材の表面に塗布された本発明の組成物を熱及び活性エネルギー線の少なくとも一方で硬化させる。これによりハードコート層が形成される。
加熱方法としては、例えば、赤外線ヒーターによる照射法及び熱風による循環加熱法が挙げられる。
加熱温度としては、例えば、組成物の温度が50〜120℃となる温度が好ましい。また、加熱時間としては、30秒〜3,600分が好ましい。より好ましくは、1分〜360分、さらに好ましくは5分〜180分である。
本発明に使用される活性エネルギー線としては、例えば、真空紫外線、紫外線及び可視光線が挙げられる。
活性エネルギー線の具体例としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、白熱電球、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、ガリウムランプ、エキシマーレーザー及び太陽光を光源とする光が挙げられる。
これらの中でも、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯及びメタルハライドランプを光源とした光が好ましい。
活性エネルギー線は1種を単独で、又は2種以上を併用できる。
活性エネルギー線の照射時間、照射エネルギー照射量としては、例えば、紫外線を照射する場合においては、積算光量が100〜5,000mJ/cm2の範囲が好ましい。
本発明においては、組成物を活性エネルギー線照射により硬化する際に、必要に応じて加熱硬化と併用することができる。
加熱硬化を併用する際の加熱時期としては、必要に応じて、活性エネルギー線照射前、活性エネルギー線照射と同時又は活性エネルギー線照射後のいずれかの時期から選ばれる少なくとも1時期を選択することができる。
活性エネルギー線照射前に加熱する場合の加熱時間は1〜20分間、活性エネルギー線照射と同時に加熱する場合の加熱時間は0.2〜10分間、及び活性エネルギー線照射後に加熱する場合の加熱時間は1〜60分間が好ましい。
本発明においては、ハードコート層の厚みは特に限定されないが、通常、0.5〜100μm程度である。
(積層体)
本発明の積層体は、本発明の組成物の硬化物からなるハードコート層が基材の表面に積層されたものであり、用途に応じて適正な基材を選択することにより種々の用途に適用することができる。
以下、本発明の実施例について詳細に述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の記載において「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を示す。
[GPC測定方法]
GPCの測定条件は下記の通りとする。
溶離液:THF
流速:1.0mL/min
温度:40℃
カラム:
・TSK:guard column HXL−L (サイズ:6.0×40)
・TSKgel:GMHXL (サイズ:7.8×300)
・TSKgel:GMHXL (サイズ:7.8×300)
・TSKgel:G1000HXL (サイズ:7.8×300)。
[ハードコート層の評価]
ハードコート層の評価は、以下の方法により行った。
(1)外観
表面にハードコート層を形成させたアクリル板の積層体の透明性、クラック及び白化の有無を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:透明で、クラック及び白化も認められなかった。
×:不透明な部分が認められた、又はクラック若しくは白化が認められた。
(2)耐擦傷性
表面にハードコート層を形成させたアクリル板の積層体のハードコート層を有する表面を#0000のスチールウールで9.8×104Paの圧力を加えて10往復擦り、1×1cmの範囲に生じたキズの本数により以下の基準で評価した。
A:キズ0本(光沢面あり)
B:キズ1〜9本(光沢面あり)
C+:キズ10〜49本(光沢面あり)
C−:キズ50〜99本(光沢面あり)
D:キズ100本以上(光沢面あり)
E:光沢面が消失。
また、JIS K7136に準じて、その前後でヘイズ値を測定し、ヘイズ値の増加分をΔHzとして評価した。
(3)鉛筆硬度
ハードコート層の鉛筆硬度をJIS−K5600(鉛筆引っかき試験)に準じて評価した。
(4)基材密着性
アクリル板の積層体の表面のハードコート層に、カミソリの刃で1mm間隔に縦横11本ずつのアクリル板の表面まで達する切れ目を入れて100個のマス目を作り、セロハンテープを良く密着させた後、45度手前方向に急激に剥がし、ハードコート層が剥離せずに残存したマス目数を計測して、以下の基準で評価した。
○:剥離したマス目がない(密着性良好)。
△:剥離したマス目が1〜5個(密着性中程度)。
×:剥離したマス目が6個以上(密着性不良)。
[実施例1]
(ポリオルガノシロキサンの合成)
攪拌機付き反応容器中に、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量136.2)18.0g:0.132モル、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量198.3)2.0g:0.0101モル、イソプロピルアルコール15.0g、水(分子量18.02)15.4g:0.855モルを混合し、攪拌して均一な溶液とした。
即ち、アルコキシシランの加水分解性基に対して0.855/((0.132+0.0101)×3(官能))=2.0モル倍の水を使用した。
これに、1M NaOH水溶液でイオン交換してOH-型とした陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製、商品名:「ダイヤイオンPA−316」)を0.050g添加した後、攪拌しつつ80℃で3時間加熱し、加水分解・縮合を行い、陰イオン交換樹脂を濾紙で自然濾過して除去することで固形分濃度20%のポリオルガノシロキサン溶液を得た。得られたポリオルガノシロキサンの重量平均分子量をGPCで測定したところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は約1,500であった。得られたポリオルガノシロキサンのGPCチャートを図1に示す。なお、このポリオルガノシロキサン溶液をO1と呼ぶ。
なお、本発明において、固形分濃度とは、完全に加水分解・縮合した場合に得られるポリオルガノシロキサンを溶液全体に対して算出した質量分率を意味する。
(活性エネルギー線硬化性組成物の調製)
実施例1で得られたポリオルガノシロキサンの固形分濃度20質量%溶液(O1)50.0部(固形分として10.0部)に、硬化触媒として「SI−100L」(商品名、三新化学工業(株)製)の50質量%γ−ブチロラクトン溶液0.2部(固形分として0.1部)、溶媒としてγ−ブチロラクトン4.0部、プロピレングリコールモノメチルエーテル4.0部、レベリング剤としてシリコーン系界面活性剤(東レダウコーニング(株)製、商品名:「L−7001」)0.01部を混合し、活性エネルギー線硬化性用組成物とした。
(活性エネルギー線硬化性組成物膜の形成)
前記活性エネルギー線硬化性組成物を、長さ10cm、幅5cm、厚さ3mmのアクリル板(三菱レイヨン(株)製、商品名:「アクリライトEX」)上に適量滴下し、バーコーティング法(バーコーターNo.26使用)にて乾燥後の厚みが4〜5μmになるように塗布し、60℃で約10分乾燥した。これにより、アクリル板上に活性エネルギー線硬化性組成物膜を形成した。
(積層体の形成)
さらに、コンベアを備えた120W/cmの高圧水銀ランプ((株)オーク製作所製、紫外線照射装置、商品名:「ハンディーUV−1200、QRU−2161型」)を用いて、前記活性エネルギー線硬化性組成物膜に対し積算光量1,000mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで、熱風乾燥機にて90℃で10分間加熱し、アクリル板の表面にハードコート層を形成し、アクリル板の積層体を得た。積算光量は、紫外線光量計((株)オーク製作所製、商品名:「UV−351型」)を用いて測定した。紫外線照射によるサンプルの最高温度は33℃であった。
(ハードコート層の評価)
得られたハードコート層を前記評価方法により評価した。評価結果を表1に示す。得られたハードコート層は外観、耐擦傷性、鉛筆硬度、基材密着性のいずれも良好であった。
[比較例1]
(ポリオルガノシロキサンの合成)
攪拌機付き反応容器中に、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量136.2)36.0g、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量198.3)4.0g、イソプロピルアルコール30.0g、水30.8gを混合し、攪拌して均一な溶液とした。さらに、攪拌しつつ80℃で9時間加熱し加水分解・縮合を行い、固形分濃度20%のポリオルガノシロキサン溶液を得た。さらに、GPCにより重量平均分子量を測定したところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は約1,200であった。得られたポリオルガノシロキサンのGPCチャートを図2に示す。なお、このポリオルガノシロキサン溶液をP1と呼ぶ。
ポリオルガノシロキサン溶液としてP1を用いる以外は、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性組成物の調製、活性エネルギー線硬化性組成物膜の形成、紫外線照射による膜の硬化、ハードコート層の評価を実施した。結果を表2に示す。
[比較例2]
(ポリオルガノシロキサンの合成)
メチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量136.2)18.0g、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量198.3)2.0g、イソプロピルアルコール15.0g、水15.4gを混合し、攪拌して均一な溶液とした。これに、陽イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製、商品名:「Amberlyst 15DRY」)を0.5g添加した後、攪拌しつつ80℃で3時間加熱し加水分解・縮合を行い、イオン交換樹脂を濾紙で自然濾過して除去することで固形分濃度20%のポリオルガノシロキサン溶液を得た。得られたポリオルガノシロキサンの重量平均分子量をGPCによって測定したところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は約2,000であった。得られたポリオルガノシロキサンのGPCチャートを図3に示す。なお、このポリオルガノシロキサン溶液をP2と呼ぶ。
ポリオルガノシロキサン溶液としてP2を用いる以外は、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性組成物の調製、活性エネルギー線硬化性組成物膜の形成、紫外線照射による膜の硬化、ハードコート層の評価を実施した。結果を表2に示す。
[実施例2〜5、比較例3、4]
アルコキシシランの種類及び量、固体触媒の種類及び量、溶媒の種類及び量、水の量、反応温度及び時間を表3、4に示すようにしたこと以外は実施例1と同様にして、ポリオルガノシロキサン溶液O2〜O5、P3、P4を得た。P4以外のGPCチャートを図4〜8に示す。
さらに、表5、6に示す組成にて硬化性組成物を調製し、表1、2に示す硬化方法を採用したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物膜の形成、膜の硬化、ハードコート層の評価等を実施した。結果を表1、2に示す。
表3、4中の固体触媒の説明
「アンバーライトIRA96SB」:ローム・アンド・ハース社製イオン交換樹脂
「Muromac A203T」:ムロマチテクノス(株)製陰イオン交換樹脂
「DOWEX MARATHON A」:米国ダウ・ケミカル社製陰イオン交換樹脂
「Muromac A2004」:ムロマチテクノス(株)製陰イオン交換樹脂
「DOWEX MONOSPHERE 550A」:米国ダウ・ケミカル社製陰イオン交換樹脂
表5、6中の配合物の説明
<表面修飾コロイダルシリカC1>
攪拌子及びコンデンサーを備えた500mlナス型フラスコに、コロイド状シリカとしてイソプロピルアルコール分散コロイダルシリカ(商品名:「スノーテックスIPA−ST−L」、日産化学工業(株)製)50.0g、アルコキシシランとしてメチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量136.2)3.4g:0.025モル、及び、イオン交換水2.7g:0.15モル、溶媒としてイソプロピルアルコール27.3gを仕込んだ。これを、ウォーターバスを用いて80℃で3時間、加熱・攪拌して加水分解・縮合を行い、メチルトリメトキシシラン表面修飾コロイダルシリカ(C1)を得た。
<アクリルビーズレジン>
三菱レイヨン(株)社製「BR−83」。
<硬化触媒>
「MPI−105」:みどり化学(株)製活性エネルギー線感応性酸発生剤
「イルガキュア250」:チバ・ジャパン(株)製活性エネルギー線感応性酸発生剤
「サイラキュアUVI6992」:米国ユニオンカーバイド社製活性エネルギー線感応性酸発生剤
「アデカオプトマーSP−150」:(株)ADEKA製活性エネルギー線感応性酸発生剤。

Claims (11)

  1. 下記式(1)で示されるアルコキシシランを、該アルコキシシランの加水分解性基に対して1.0〜5.0モル倍の水を使用し、該アルコキシシラン及び水に不溶な塩基性固体触媒の存在下、加水分解縮合するポリオルガノシロキサンの製造方法。
    1 nSi(OR24-n (1)
    (式(1)中、R1は炭素数1〜10の置換又は無置換のアルキル基、炭素数5〜10の置換又は無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基、不飽和基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基又はハロゲン基を有する基からなる群から選ばれる1種の基;R2は炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは0〜3の整数である。R1が複数ある場合、複数のR1は互いに同一であっても、少なくとも1つが異なっていてもよい。R2が複数ある場合、複数のR2は互いに同一であっても、少なくとも1つが異なっていてもよい。)
  2. 請求項1に記載のポリオルガノシロキサンの製造方法であって、
    GPC法により測定された重量平均分子量(ポリスチレン換算)が300以上、4,500以下であり、
    かつGPCクロマトグラムの最大ピークにおける強度(a)と、GPCクロマトグラムの分子量(ポリスチレン換算)550〜650の範囲に相当する強度の最大値(b)との強度比(b/a)が、0.35以上、0.75以下であるポリオルガノシロキサンの製造方法。
  3. 請求項1に記載の製造方法によってポリオルガノシロキサンを得て、そのポリオルガノシロキサンと硬化触媒とを混合する組成物の製造方法。
  4. 請求項1に記載の製造方法によってポリオルガノシロキサンを得て、そのポリオルガノシロキサンと熱または光感応性カチオン重合開始剤とを混合する組成物の製造方法。
  5. 請求項4に記載の製造方法によって得た組成物を、熱及び活性エネルギー線の少なくとも一方で硬化させる硬化方法。
  6. 請求項4に記載の製造方法によって組成物を得て、その組成物を基材に塗布して硬化させるハードコート層を有する積層体の製造方法。
  7. 下記式(1)で示されるアルコキシシランの加水分解縮合物であるポリオルガノシロキサンにおいて、
    GPC法により測定された重量平均分子量(ポリスチレン換算)が300以上、4,500以下であり、
    かつGPCクロマトグラムの最大ピークにおける強度(a)と、GPCクロマトグラムの分子量(ポリスチレン換算)550〜650の範囲に相当する強度の最大値(b)との強度比(b/a)が、0.35以上、0.75以下であることを特徴とするポリオルガノシロキサン。
    1 nSi(OR24-n (1)
    (式(1)中、R1は炭素数1〜10の置換又は無置換のアルキル基、炭素数5〜10の置換又は無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基、不飽和基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基又はハロゲン基を有する基からなる群から選ばれる1種の基;R2は炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは0〜3の整数である。R1が複数ある場合、複数のR1は互いに同一であっても、少なくとも1つが異なっていてもよい。R2が複数ある場合、複数のR2は互いに同一であっても、少なくとも1つが異なっていてもよい。)
  8. 請求項7に記載のポリオルガノシロキサンと硬化触媒とを含有する組成物。
  9. 請求項8に記載の組成物の硬化物。
  10. 請求項8に記載の組成物を、熱及び活性エネルギー線の少なくとも一方で硬化させる硬化方法。
  11. 基材の表面に請求項9に記載の硬化物からなるハードコート層を有する積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013036000A (ja) * 2011-08-11 2013-02-21 Shin-Etsu Chemical Co Ltd アミノ官能性ポリシロキサンの製造方法

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