JP2010070510A - ルテニウム錯体の製造方法 - Google Patents

ルテニウム錯体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来製法に比べて穏やかな反応条件で、かつ、工業的に簡便にカルボキシラート錯体を製造できる方法を提供することを課題とする。
【解決手段】一般式(1)
[RuX(L)(PP)]X (1)
(式(1)中、Ruはルテニウム原子を示し、Xはハロゲン原子を示し、Lはアレーンを示し、PPは光学活性ビスホスフィンを示す。)
で示されるルテニウム化合物に、一般式(2)
1CO2M (2)
(式(2)中、Mは一価のカチオンを示し、R1はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、1−アミノアルキル基及び1−アミノ−1−フェニルアルキル基からなる群より選ばれる基を示す。)
で示されるカルボン酸塩を反応させることを特徴とする一般式(3)
Ru(OCOR12(PP) (3)
(式(3)中、R1はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、1−アミノアルキル基及び1−アミノ−1−フェニルアルキル基からなる群より選ばれる基を示し、PPは光学活性ビスホスフィンを示す。)
で示されるルテニウム錯体の製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は配位子としてカルボン酸根及び光学活性ビスホスフィンを有するルテニウム錯体(以下、カルボキシラート錯体という。)の製造方法に関する。
カルボキシラート錯体は不斉水素化反応において有用な触媒として知られている。その製法としては、(i)[RuCl(cod)]n、ホスフィン配位子(Lig)、トリエチルアミンを一晩トルエン還流下で製造したRu2Cl4(Lig)2(NEt3)とカルボン酸塩をメタノール、エタノール、t−ブタノールなどのアルコール溶媒中で20〜110℃で反応させた後、溶媒乾固を行い、再びアルコール溶媒にて抽出する方法(特許文献1)、(ii)[RuCl2(benzene)]2 とBINAPをDMF溶媒中100℃で10分間攪拌して合成したRuCl2(binap)(dmf)nを別途調整した酢酸ナトリウムのメタノール溶液にアルゴン気流下で移送し、激しく攪拌した後、脱気したトルエンと水とを加えて洗浄を繰り返した後、濃縮乾固した残渣をトルエン/ヘキサンで再結晶を行う方法 (非特許文献1)、(iii)[RuCl2(p−cymene)]2と大過剰の酢酸銀をトルエン中で反応させて得た[Ru(p−cymene)(OAc)2]とMeO−BIHEPを塩化メチレン中50℃で48時間反応を行う方法(特許文献2)などがある。
特開昭62−265293号公報 特開平3−5492号公報 J.Org.Chem.,57,4053(1992)
しかしながら、従来の方法(i)では、一晩トルエン還流下後、乾固して溶媒置換が必要である。しかも、得られた錯体は単一構造とは言いがたく、カルボキシラート錯体に変換するために40等量の酢酸ナトリウムを使用している。また、カルボキシラート錯体合成中間体を生成させるために、最終的には不要となるトリエチルアミンの添加が必要であるため、コスト的にも不利である。(ii)では、DMF溶媒中100℃で10分間という条件は工業規模での生産が不可能であることに加えて、高温で反応を行うため錯体の分解などが起こりやすい。また、更に工程を進めるに辺り溶媒を次々に添加していくために目的物に対し100容量の溶媒が必要である。(iii)潮解性があり、取り扱いにくい[Ru(p−cymene)(OAc)2]を中間体として経由することが難点であり、高価な酢酸銀を使用することもコストの点で問題である。このように、これら従来技術に共通する問題点として、操作が煩雑であることが挙げられ、それゆえにカルボキシラート錯体を製造する際に副生成物の生成や錯体の分解などを伴い、収率又は純度などの低下が避けられない。
本発明は、従来製法に比べて穏やかな反応条件で、かつ、工業的に簡便にカルボキシラート錯体を製造できる方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために検討した結果、一般式(1)
[RuX(L)(PP)]X (1)
(式(1)中、Ruはルテニウム原子を示し、Xはハロゲン原子を示し、Lはアレーンを示し、PPは光学活性ビスホスフィンを示す。)
で示されるルテニウム化合物(以下、ルテニウム化合物(1)ということがある。)を錯体製造の前駆体として用い、これにカルボン酸塩を反応させることにより、短工程、かつ、簡便に目的とするカルボキシラート錯体を製造できることを見出した。
すなわち、本発明は、一般式(1)
[RuX(L)(PP)]X (1)
(式(1)中、Ruはルテニウム原子を示し、Xはハロゲン原子を示し、Lはアレーンを示し、PPは光学活性ビスホスフィンを示す。)
で示されるルテニウム化合物に、一般式(2)
1CO2M (2)
(式(2)中、Mは一価のカチオンを示し、R1はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、1−アミノアルキル基及び1−アミノ−1−フェニルアルキル基からなる群より選ばれる基を示す。)
で示されるカルボン酸塩を反応させることを特徴とする一般式(3)
Ru(OCOR12(PP) (3)
(式(3)中、R1はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、1−アミノアルキル基及び1−アミノ−1−フェニルアルキル基からなる群より選ばれる基を示し、PPは光学活性ビスホスフィンを示す。)
で示されるルテニウム錯体の製造方法を提供する。
また、本発明は、一般式(7)
[RuX2(L)]n (7)
(式(1)中、Ruはルテニウム原子を示し、Xはハロゲン原子を示し、Lはアレーンを示し、nは2以上の自然数を示す。)
で示されるルテニウム化合物に、光学活性ビスホスフィン及び一般式(2)
1CO2M (2)
(式(2)中、Mは一価のカチオンを示し、R1はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、1−アミノアルキル基及び1−アミノ−1−フェニルアルキル基からなる群より選ばれる基を示す。)
で示されるカルボン酸塩を反応させることを特徴とする一般式(3)
Ru(OCOR12(PP) (3)
(式(3)中、R1はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、1−アミノアルキル基及び1−アミノ−1−フェニルアルキル基からなる群より選ばれる基を示し、PPは光学活性ビスホスフィンを示す。)
で示されるルテニウム錯体の製造方法を提供する。
本発明により、温和な条件で工業的に簡便な操作でカルボキシラート錯体を製造することが可能となった。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の、一般式(3)
Ru(OCOR12(PP) (3)
で示されるルテニウム錯体の製造方法は、一般式(1)
[RuX(L)(PP)]X (1)
で示されるルテニウム化合物に、一般式(2)
1CO2M (2)
で示されるカルボン酸塩(以下、カルボン酸塩(2)ということがある。)を反応させることを特徴とする。
式(1)中、Xはハロゲン原子を示し、該ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
式(1)中、Lはアレーン(arene)を示し、好ましくはアルキル基で置換されていてもよいベンゼン、より好ましくはp−シメン(p−cymene)、ベンゼン(benzene)、メシチレン(mesitylene)、トルエン(toluene)、o−,m−,p−キシレン(o−,m−,p−xylene)である。
式(1)中、PPは光学活性ビスホスフィンを示し、該光学活性ビスホスフィンとしては、例えば下記の一般式(6)で表されるものが挙げられる。
23P−Q−PR45 (6)
(式(6)中、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R2とR3とで及び/又はR4とR5とで環を形成してもよい。Qは置換基を有していてもよい二価のアリーレン基又はフェロセンジイル基を表す。)
上記式中、R2、R3、R4及びR5で表される、置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基などが挙げられる。これらアリール基は1又は2以上の置換基を有していてもよく、該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、複素環基などが挙げられる。
アリール基の置換基としてのアルキル基としては、直鎖状又は分岐状の、例えば炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基及びt−ブチル基などが挙げられる。
アリール基の置換基としてのアルコキシ基としては、直鎖状又は分岐状の、例えば炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基及びt−ブトキシ基などが挙げられる。
アリール基の置換基としてのアリール基としては、例えば炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基などが挙げられる。
アリール基の置換基としての複素環基としては、脂肪族複素環基及び芳香族複素環基が挙げられ、脂肪族複素環基としては、例えば炭素数2〜14で、ヘテロ原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環、多環又は縮合環の脂肪族複素環基が挙げられる。脂肪族複素環基の具体例としては、例えば2−オキソピロリジル基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチエニル基などが挙げられる。一方、芳香族複素環基としては、例えば炭素数2〜15で、ヘテロ原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環式、多環式又は縮合環式の芳香族複素環基が挙げられ、具体的にはフリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、ナフチリジニル基、シンノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基などが挙げられる。
また、R2、R3、R4及びR5で表される、置換基を有していてもよいシクロアルキル基としては、5員環又は6員環のシクロアルキル基が挙げられ、好ましいシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これらシクロアルキル基の環上においては、前記アリール基の置換基として挙げたようなアルキル基又はアルコキシ基などの置換基で、1又は2以上置換されていてもよい。
また、R2、R3、R4及びR5で表される、置換基を有していてもよいアルキル基としては、直鎖状又は分岐状の、例えば炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基などが挙げられる。これらアルキル基は1又は2以上の置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
また、R2とR3とで及び/又はR4とR5とで形成してもよい環としては、R2、R3、R4及びR5が結合しているリン原子を含めた環として、四員環、五員環又は六員環の環が挙げられる。具体的な環としては、ホスフェタン環、ホスホラン環、ホスファン環、2,4−ジメチルホスフェタン環、2,4−ジエチルホスフェタン環、2,5−ジメチルホスホラン環、2,5−ジエチルホスホラン環、2,6−ジメチルホスファン環、2,6−ジエチルホスファン環などが挙げられ、これらの環は光学活性体でもよい。
また、Qで表される、置換基を有していてもよい二価のアリーレン基としては、フェニレン基、ビフェニルジイル基、ビナフタレンジイル基などが挙げられる。フェニレン基としては、o又はm−フェニレン基が挙げられ、該フェニレン基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基及びt−ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基及びt−ブトキシ基などのアルコキシ基;水酸基、アミノ基又は置換アミノ基などで置換されていてもよい。ビフェニルジイル基及びビナフタレンジイル基としては、1,1'−ビアリール−2,2'−ジイル型の構造を有するものが好ましく、該ビフェニルジイル基及びビナフタレンジイル基は、前記したようなアルキル基、アルコキシ基、例えばメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメチレンジオキシ基などのアルキレンジオキシ基、水酸基、アミノ基、置換アミノ基などで置換されていてもよい。また、フェロセンジイル基も置換基を有していてもよく、置換基としては、前記したようなアルキル基、アルコキシ基、アルキレンジオキシ基、水酸基、アミノ基、置換アミノ基などが挙げられる。
一般式(6)で表される光学活性ビスホスフィンの具体例としては、例えば公知のビスホスフィン類が挙げられ、その内の一つとして下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2010070510
(式(4)中、R6及びR7は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニル基を示すか、又はシクロペンチル基若しくはシクロヘキシル基を示す。)
上記のR6及びR7における、フェニル基の置換基としてのアルキル基としては、例えばメチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、フェニル基の置換基としてのアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、t−ブトキシ基などの直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ、フェニル基の置換基としてのハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子などが挙げられ、これら置換基は該フェニル基上に複数置換していてもよい。
6及びR7の具体例としては、例えばフェニル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、3,5−キシリル基、3,5−ジ−t−ブチルフェニル基、p−t−ブチルフェニル基、p−メトキシフェニル基、3,5−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
また、一般式(4)で表される化合物の基本骨格であるビナフチル環は、置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、例えばメチル基、t−ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基;トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリアルキルシリル基及びトリフェニルシリル基などのトリアリールシリル基が挙げられる。
また、一般式(6)で表される光学活性ビスホスフィンの他の具体例としては、下記一般式(5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2010070510
(式(5)中、R8及びR9は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニル基を示すか、又はシクロペンチル基若しくはシクロヘキシル基を示し、R10、R11、R13及びR14は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基及びジアルキルアミノ基からなる群より選ばれる基を示し、R12及びR15は、それぞれ独立して、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基及びジアルキルアミノ基からなる群より選ばれる基を示し、R10、R11及びR12のうちの2つの基は一緒になって置換基を有していてもよいメチレン鎖又は置換基を有していてもよい(ポリ)メチレンジオキシ基を形成していてもよく、R13、R14及びR15のうちの2つの基は一緒になって置換基を有していてもよいメチレン鎖又は置換基を有していてもよい(ポリ)メチレンジオキシ基を形成していてもよく、R12及びR15は一緒になって置換基を有していてもよいメチレン鎖又は置換基を有していてもよい(ポリ)メチレンジオキシ基を形成していてもよい。)
上記のR8及びR9における、フェニル基の置換基としてのアルキル基としては、例えばメチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、フェニル基の置換基としてのアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、t−ブトキシ基などの直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ、フェニル基の置換基としてのハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子などが挙げられ、これら置換基は該フェニル基上に複数置換していてもよい。R8及びR9の具体例としては、例えばフェニル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、3,5−キシリル基、3,5−ジ−t−ブチルフェニル基、p−t−ブチルフェニル基、p−メトキシフェニル基、3,5−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
また、R10〜R15で示されるアルキル基としては、例えばメチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、t−ブトキシ基などの直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ、アシルオキシ基としては、例えばアセトキシ基、プロパノイルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などの炭素数2〜10のアシルオキシ基が挙げられ、ハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子などが挙げられ、ハロアルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基などの炭素数1〜4のハロアルキル基が挙げられ、ジアルキルアミノ基としては、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などが挙げられる。
10、R11及びR12のうちの2つの基で置換基を有していてもよいメチレン鎖を形成する場合、並びにR13、R14及びR15のうちの2つの基で置換基を有していてもよいメチレン鎖を形成する場合のメチレン鎖としては、例えば炭素数3〜5のメチレン鎖が好ましく、具体的にはトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基などが挙げられる。また、該置換基を有していてもよいメチレン鎖における置換基としては、アルキル基及びハロゲン原子などが挙げられ、その具体例としては、例えば炭素数1〜6の前記したようなアルキル基及びフッ素原子などが挙げられる。
また、R10、R11及びR12のうちの2つの基で置換基を有していてもよい(ポリ)メチレンジオキシ基を形成する場合、並びにR13、R14及びR15のうちの2つの基で置換基を有していてもよい(ポリ)メチレンジオキシ基を形成する場合の(ポリ)メチレンジオキシ基の具体例としては、例えばメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメチレンジオキシ基などが挙げられる。また、該(ポリ)メチレンジオキシ基に置換する置換基としては、アルキル基及びハロゲン原子などが挙げられ、その具体例としては、例えば炭素数1〜6の前記したようなアルキル基及びフッ素原子などが挙げられる。
一般式(4)及び(5)で示される光学活性ビスホスフィン化合物の具体例としては、例えば2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、2,2’−ビス[ジ(p−トリル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル(Tol−BINAP)、2,2’−ビス[ジ(m−トリル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ジ(3,5−キシリル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル(DM−BINAP)、2,2’−ビス[ジ(p−t−ブチルフェニル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ジ(p−メトキシフェニル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ジ(3,5−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェニル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ジ(シクロペンチル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ジ(シクロヘキシル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1、1’−ビナフチル(H8−BINAP)、2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジ−m−トリルホスフィノ)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1、1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1、1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジ−p−t−ブチルフェニルホスフィノ)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジ−p−メトキシフェニルホスフィノ)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジ−p−クロロフェニルホスフィノ)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジシクロペンチルホスフィノ)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル、((4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール)−5、5’−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(SEGPHOS)、(4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール)−5、5’−ジイル)ビス(ジ(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン)(DM−SEGPHOS)、((4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール)−5、5’−ジイル)ビス(ジ(3,5−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェニル)ホスフィン)(DTBM−SEGPHOS)、((4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール)−5、5’−ジイル)ビス(ジ(4−メトキシフェニル)ホスフィン)、((4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール)−5、5’−ジイル)ビス(ジシクロヘキシルホスフィン)、((4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール)−5、5’−ジイル)ビス(ビス(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフィン)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−4,4’,6,6’−テトラメチル−5,5’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビス(ジ−p−メトキシフェニルホスフィノ)−4,4’,6,6’−テトラメチル−5,5’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−4,4’,6,6’−テトラ(トリフルオロメチル)−5,5’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−4,6−ジ(トリフルオロメチル)−4’,6’−ジメチル−5’−メトキシ−1,1’−ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−ジフェニルホスフィノ−4,4’,6,6’−テトラメチル−5,5’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−6,6’−ジメチル−1,1−ビフェニル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−4,4’,6,6’−テトラメチル−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−3,3’,6,6’−テトラメチル−1,1’−ビフェニル)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−4,4’−ジフルオロ−6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビス(ジ−o−トリルホスフィノ)−6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビス(ジ−m−フルオロフェニルホスフィノ)−6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、1,11−ビス(ジフェニルホスフィノ)−5,7−ジヒドロベンゾ[c,e]オキセピン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−5,5’,6,6’−テトラメトキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−4,4’,5,5’,6,6’−ヘキサメトキシ−1,1’−ビフェニル、1,2−ビス(2,5−ジメチルホスホラノ)ベンゼン、1,2−ビス(2,5−ジエチルホスホラノ)ベンゼン、1,2−ビス(2,5−ジイソプロピルホスホラノ)ベンゼン、1−(2,5−ジメチルホスホラノ)−2−(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、1,1’−ビス(2,4−ジエチルホスフォタノ)フェロセンなどが挙げられる。
上記以外にも、本発明で用いることのできる光学活性ビスホスフィン化合物の具体例としては、N,N−ジメチル−1−[1’,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルアミン、2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1−シクロヘキシル−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、2,3−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス[(o−メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]エタン、1,2−ビス(2,5−ジメチルホスホラノ)エタン、N,N’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−N,N’−ビス(1−フェニルエチル)エチレンジアミン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、2,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、シクロヘキシルアニシルメチルホスフィン(CAMP)、2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−5−ノルボルネン(NORPHOS)、3,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1−ベンジルピロリジン(DEGPHOS)、1−[1’,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルアルコール(BPPFOH)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ジシクロペンタン(BICP)などが挙げられる。
本発明の製造方法に用いられるルテニウム化合物(1)としては、好ましくは[RuX(arene)(PP)]X(式中、XはCl、Br及びIからなる群より選ばれ、areneはp−cymene、benzene、mesitylene、toluene、o−xylene、m−xylene及びp−xyleneからなる群より選ばれ、PPはBINAP、TOL−BINAP、H8−BINAP、DM−BINAP、SEGPHOS、DM−SEGPHOS及びDTBM−SEGPHOSからなる群より選ばれる。)であり、より好ましくは[RuCl(p−cymene)(PP)]Cl、[RuBr(p−cymene)(PP)]Br、[RuI(p−cymene)(PP)]I、[RuCl(benzene)(PP)]Cl、[RuBr(benzene)(PP)]Br、[RuI(benzene)(PP)]I、[RuCl(mesitylene)(PP)]Cl、[RuBr(mesitylene)(PP)]Br、[RuI(mesitylene)(PP)]I、[RuCl(toluene)(PP)]Cl、[RuBr(toluene)(PP)]Br、[RuI(toluene)(PP)]I、[RuCl(o−xylene)(PP)]Cl、[RuBr(o−xylene)(PP)]Br、[RuI(o−xylene)(PP)]I、[RuCl(m−xylene)(PP)]Cl、[RuBr(m−xylene)(PP)]Br、[RuI(m−xylene)(PP)]I、[RuCl(p−xylene)(PP)]Cl、[RuBr(p−xylene)(PP)]Br、[RuI(p−xylene)(PP)]Iである。ここで、PPは光学活性ビスホスフィンを示す。具体的には、[RuCl(p−cymene)((R)−binap)]Cl、[RuBr(p−cymene)((R)−binap)]Br、[RuI(p−cymene)((R)−binap)]I、[RuCl(mesitylene)((R)−binap)]Cl、[RuBr(mesitylene)((R)−binap)]Br、[RuI(mesitylene)((R)−binap)]I、[RuCl(toluene)((R)−binap)]Cl、[RuBr(toluene)((R)−binap)]Br、[RuI(toluene)((R)−binap)]I、[RuCl(o−xylene)((R)−binap)]Cl、[RuBr(o−xylene)((R)−binap)]Br、[RuI(o−xylene)((R)−binap)]I、[RuCl(m−xylene)((R)−binap)]Cl、[RuBr(m−xylene)((R)−binap)]Br、[RuI(m−xylene)((R)−binap)]I、[RuCl(p−xylene)((R)−binap)]Cl、[RuBr(p−xylene)((R)−binap)]Br、[RuI(p−xylene)((R)−binap)]I、[RuCl(p−cymene) ((R)−tol−binap)]Cl、 [RuCl(benzene)((R)−tol−binap)]Cl、[RuCl(mesitylene)((R)−tol−binap)]Cl、[RuCl(toluene)((R)−tol−binap)]Cl、[RuCl(o−xylene)((R)−tol−binap)]Cl、[RuCl(m−xylene)((R)−tol−binap)]Cl、[RuCl(p−xylene)((R)−tol−binap)]Cl、[RuCl(p−cymene)((R)−H8−binap)]Cl、[RuCl(benzene)((R)−H8−binap)]Cl、[RuCl(mestilene)((R)−H8−binap)]Cl、[RuCl(toluene)((R)−H8−binap)]Cl、[RuCl(o−xylene)((R)−H8−binap)]Cl、[RuCl(m−xylene)((R)−H8−binap)]Cl、[RuCl(p−xylene)((R)−H8−binap)]Cl、[RuCl(p−cymene)((R)−dm−binap)]Cl、[RuCl(benzene)((R)−dm−binap)]Cl、[RuCl(mesitylene)((R)−dm−binap)]Cl、[RuCl(toluene)((R)−dm−binap)]Cl、[RuCl(o−xylene)((R)−dm−binap)]Cl、[RuCl(m−xylene)((R)−dm−binap)]Cl、[RuCl(p−xylene)((R)−dm−binap)]Cl、[RuCl(p−cymene)((R)−segphos)]Cl、[RuCl(benzene)((R)−segphos)]Cl、[RuCl(mesitylene)((R)−segphos)]Cl、[RuCl(toluene)((R)−segphos)]Cl、[RuCl(o−xylene)((R)−segphos)]Cl、[RuCl(m−xylene)((R)−segphos)]Cl、[RuCl(p−xylene)((R)−segphos)]Cl、[RuCl(p−cymene)((R)−dm−segphos)]Cl、[RuCl(benzene)((R)−dm−segphos)]Cl、[RuCl(mesitylene)((R)−dm−segphos)]Cl、[RuCl(toluene)((R)−dm−segphos)]Cl、[RuCl(o−xylene)((R)−dm−segphos)]Cl、[RuCl(m−xylene)((R)−dm−segphos)]Cl、[RuCl(p−xylene)((R)−dm−segphos)]Cl、[RuCl(p−cymene)((R)−dtbm−segphos)]Cl、[RuCl(benzene)((R)−dtbm−segphos)]Cl、[RuCl(mesitylene)((R)−dtbm−segphos)]Cl、[RuCl(toluene)((R)−dtbm−segphos)]Cl、[RuCl(o−xylene)((R)−dtbm−segphos)]Cl、[RuCl(m−xylene)((R)−dtbm−segphos)]Cl、[RuCl(p−xylene)((R)−dtbm−segphos)]Clなどが挙げられる。この中でも好ましいのは[RuCl(p−cymene)((R)−binap)]Cl、[RuCl(p−cymene) ((R)−tol−binap)]Cl、[RuCl(p−cymene)((R)−H8−binap)]Cl、[RuCl(p−cymene)((R)−dm−binap)]Cl、[RuCl(p−cymene)((R)−segphos)]Cl、[RuCl(p−cymene)((R)−dm−segphos)]Cl、[RuCl(p−cymene)((R)−dtbm−segphos)]Clである。なお、上記の例示においては、絶対配置が(R)体の光学活性ビスホスフィンのみ例示されているが、(S)体の光学活性ビスホスフィンを用いたルテニウム化合物(1)も同様に使用することができる。
式(2)中、Mは一価のカチオンを示す。一価のカチオンとしては、例えばアルカリ金属又はアンモニウム(NH4)が挙げられ、アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムなどが好ましく、ナトリウムがより好ましい。
式(2)中、R1はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、1−アミノアルキル基及び1−アミノ−1−フェニルアルキル基からなる群より選ばれる基を示す。
式(2)においてR1で示されるアルキル基としては、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルキル基が挙げられる。R1で示される具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
式(2)においてR1で示されるハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐状のハロゲン化アルキル基が挙げられる。R1で示される具体的なハロゲン化アルキル基としては、例えばフルオロメチル基、クロロメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基などのモノ又はポリハロゲン化アルキル基が挙げられる。
式(2)においてR1で示される置換基を有していてもよいフェニル基の置換基としては、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖又は分岐状のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基などの炭素数1〜4の直鎖又は分岐状のアルコキシ基、トリフルオロメチル基などの炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基、塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子、ニトロ基などが挙げられる。
式(2)においてR1で示される1−アミノアルキル基のアルキル基としては、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐状のアルキル基が挙げられる。R1で示される具体的な1−アミノアルキル基としては、例えばアミノメチル基、1−アミノエチル基、1−アミノプロピル基、1−アミノブチル基などが挙げられる。
式(2)においてR1で示される1−アミノ−1−フェニルアルキル基のアルキル基としては、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐状のアルキル基が挙げられる。R1で示される具体的な1−アミノ−1−フェニルアルキル基としては、例えばアミノフェニルメチル基、1−アミノ−1−フェニルエチル基、1−アミノ−1−フェニルプロピル基、1−アミノ−1−フェニルブチル基などが挙げられる。
本発明の製造方法に用いられる具体的なカルボン酸塩(2)としては、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酪酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸アンモニウム、イソ酪酸ナトリウム、吉草酸ナトリウム、モノクロル酢酸ナトリウム、モノヨード酢酸ナトリウム、ジクロルプロピオン酸ナトリウム、トリクロロ酢酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸ナトリウム、トリメチル酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸アンモニウム、4−メチル安息香酸ナトリウム、4−メトキシ安息香酸ナトリウム、4−トリフルオロメチル安息香酸ナトリウム、2−クロロ安息香酸ナトリウム、2,6−ジクロロ安息香酸ナトリウム、4−フルオロ安息香酸ナトリウム、4−ニトロ安息香酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記製造方法におけるカルボン酸塩(2)の使用量は、ルテニウム化合物(1)中のルテニウム原子1モルに対して通常2モル以上、好ましくは2〜10モル、より好ましくは2〜3モルである。
前記製造方法において、カルボキシラート錯体(一般式(3))を製造するためには、溶媒中でルテニウム化合物(1)とカルボン酸塩(2)とを反応させればよい。
溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどの配位性溶媒などが挙げられる。
溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は、特に制限はないが、中性配位子に対して通常1〜100重量部であり、好ましくは5〜20重量部である。
前記製造方法においては、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
反応温度は通常30℃以上、好ましくは40〜80℃である。
反応終了後、反応混合物から濾過、濃縮、抽出、洗浄、乾燥等の所望の分離操作を行うことで目的のカルボキシラート錯体(一般式(3))を得ることができる。
本発明の別の、一般式(3)
Ru(OCOR12(PP) (3)
で示されるルテニウム錯体の製造方法は、一般式(7)
[RuX2(L)]n (7)
で示されるルテニウム化合物(以下、ルテニウム化合物(7)ということがある。)に、光学活性ビスホスフィン及び一般式(2)
1CO2M (2)
で示されるカルボン酸塩を反応させることを特徴とする。
一般式(7)におけるX及びL、並びに光学活性ビスホスフィン(PP)については、一般式(1)における説明と同様である。また、一般式(2)については、先に説明したとおりである。
前記製造方法において、カルボキシラート錯体(一般式(3))を製造するためには、溶媒中でルテニウム化合物(7)と光学活性ビスホスフィン及びカルボン酸塩(2)とを反応させればよい。なお、ルテニウム化合物(7)は、例えば塩化ルテニウム(水和物)とα−フェランドレン及び1,3−又は1,4−シクロヘキサジエンなどをエタノールなどの溶媒中で加熱撹拌することなどにより容易に得ることができる。また、ルテニウム化合物(7)として、市販されているものを用いることもできる。さらに、ルテニウム化合物(7)に光学活性ビスホスフィンを反応させることによってルテニウム化合物(1)を得ることができる。
溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどの配位性溶媒などが挙げられる。好ましくは、アミド化合物以外の溶媒である。
溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は、特に制限はないが、中性配位子に対して通常1〜100重量部であり、好ましくは5〜20重量部である。
前記製造方法においては、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
反応温度は通常30℃以上、好ましくは40〜80℃である。
反応終了後、反応混合物から濾過、濃縮、抽出、洗浄、乾燥等の所望の分離操作を行うことで目的のカルボキシラート錯体(一般式(3))を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、以下の実施例では、全て脱気した溶媒を使用した。また、NMRスペクトルはバリアンテクノロジージャパンリミテッド製Mercury plus 300 4N型装置(300MHz、内部標準物質 1H:テトラメチルシラン、31P:85%リン酸水溶液)で測定した。
(実施例1)
Ru(OAc)2((R)−tol−binap)の合成
[RuCl(p−cymene)(R)−tol−binap]Cl(1g、1.1mmol)、NaOAc・3H2O(455mg、3.3mmol)、トルエン(7ml)、エタノール(2.7ml)をフラスコに入れ、46℃で2時間攪拌した。反応液の水洗を数回行い、濃縮することにより表題化合物0.8gを得た。
1H−NMR(CDCl3,δppm):1.78(6H,s),1.85(6H,s),2.39(6H,s),6.28−7.74(28H,m)
(実施例2)
Ru(OAc)2((R)−tol−binap)の合成
[RuCl2(p−cymene)]2(612mg、1mmol)、(R)−Tol−BINAP(1.4g、2mmol)をフラスコにいれ、窒素置換した。その後、トルエン(14ml)、メタノール(1.4ml)を加え、50℃で1時間攪拌した。その後、NaOAc・3H2O(0.82g、6mmol)を加えて更に2時間同温で攪拌した。反応液の水洗を数回行い、濃縮することにより表題化合物1.8gを得た。
(実施例3)
Ru(OAc)2((S)−binap)の合成
[RuCl(p−cymene)(S)−binap](1g、1.1mmol)、NaOAc・3H2O(455mg、3.3mmol)、トルエン(7ml)、メタノール(3ml)をフラスコに入れ、50℃で2時間攪拌した。反応液の水洗を数回行い、濃縮することにより表題化合物0.87gを得た。
1H−NMR(CDCl3,δppm):1.81(6H,s), 6.5−7.86(32H,m)
(実施例4)
Ru(OAc)2((S)−binap)の合成
[RuCl2(p−cymene)]2(12.3g、80mmol)、(S)−BINAP(25g、40mmol)、トルエン(240ml)、エタノール(50ml)をフラスコに入れ、45℃で1時間撹拌した。その後、NaOAc・3H2O(16g、12mmol)を加え、同温で3時間攪拌した。反応液の水洗を数回行い、溶媒を濃縮後、ヘプタンを加え、晶析し、表題化合物28.1gを得た。
(実施例5)
Ru(OAc)2((S)−binap)の合成
[RuCl2(benzene)]2(500mg、4mmol)、(S)−BINAP(1.2g、2mmol)、トルエン(12ml)、メタノール(3ml)をフラスコに入れ、50℃で1時間撹拌した。その後、NaOAc・3H2O(790mg、6mmol)を加え、同温で2時間攪拌した。反応液の水洗を数回行い、溶媒を濃縮した後に得られた残渣にヘプタンを加え、晶析して表題化合物1.6gを得た。
(実施例6)
Ru(OCOCH2CH32((S)−binap)の合成
[RuCl2(p−cymene)]2(612mg、1mmol)、(S)−BINAP(1.2g、2mmol)をフラスコに入れ、窒素置換した。その後、トルエン(12ml)、メタノール(3ml)を加え、50℃で1時間攪拌した。その後、CH3CH2CO2Na(576mg、6mmol)を加え、更に2時間同温で攪拌した。反応液の水洗を数回行い、濃縮することにより表題化合物1.7gを得た。
1H−NMR(CDCl3,δppm):0.77(6H,t,J=7.8Hz),1.97(4H,q,J = 7.5Hz)),6.42−7.72(32H,m)
(実施例7)
Ru(OAc)2((S)−segphos)の合成
[RuCl2(p−cymene)]2(612mg,1mmol)、(S)−SEGPHOS(1.22g、2mmol)、トルエン(12ml)、メタノール(3ml)をフラスコに入れ、50℃で1時間撹拌した。その後、NaOAc・3H2O(816mg、6mmol)を加え、同温で2時間攪拌した。反応液の水洗を数回行い、濃縮することにより表題化合物1.46gを得た。
1H−NMR(CDCl3,δppm):1.76(6H,s),5.37(2H,d,J=1.5Hz),5.72(2H,d,J=1.2Hz),6.25(2H,d、J=8.1Hz),6.47−6.53(2H,m),7.02−7.67(20H,m)
(実施例8)
Ru(OAc)2((S)−dm−segphos)の合成
[RuCl2(p−cymene)]2(12g,78mmol)、(S)−DM−SEGPHOS(28.3g、40mmol)、トルエン(120ml)、エタノール(24ml)をフラスコに入れ、45℃で1時間撹拌した。その後、NaOAc・3H2O(10.7g、12mmol)を加え、同温で3時間攪拌した。反応液の水洗を数回行い、溶媒を濃縮した後に得られた残渣にヘプタンを加え、晶析して表題化合物33.2gを得た。
1H−NMR(CDCl3,δppm):1.68(6H,s),2.07(12H,s),2.33(12H,s),5.31(2H,d,J=1.2Hz),5.70(2H,d,J=1.2Hz),6.29−7.25(16H,m)
(実施例9)
Ru(OAc)2((S)−dtbm−segphos)の合成
[RuCl2(p−cymene)]2(306.2mg,1mmol)、(S)−DTBM−SEGPHOS(1.2g、1mmol)、THF(12ml)、NaOAc(166mg、2mmol)をフラスコに入れ、64℃で3時間攪拌した。反応終了後、THFを濃縮した後に得られた残渣にトルエン10mlを加え、水洗を数回行い、濃縮して表題化合物1.2gを得た。
31P−NMR(CDCl3,δppm)66.63(s)
(実施例10)
Ru(OAc)2((S)−binap)の合成
[RuCl2(p−cymene)]2(1.2g、2mmol)、(S)−BINAP(2.5g、4mmol)、NaOAc・3H2O(1.6g、12mmol)をフラスコに入れ、窒素置換した。その後、トルエン(12ml)、エタノール(2ml)を加え、75℃で3時間撹拌した。反応液の水洗を数回行い、濃縮することにより表題化合物2.5gを得た。

Claims (5)

  1. 一般式(1)
    [RuX(L)(PP)]X (1)
    (式(1)中、
    Ruはルテニウム原子を示し、
    Xはハロゲン原子を示し、
    Lはアレーンを示し、
    PPは光学活性ビスホスフィンを示す。)
    で示されるルテニウム化合物に、一般式(2)
    1CO2M (2)
    (式(2)中、
    Mは一価のカチオンを示し、
    1はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、1−アミノアルキル基及び1−アミノ−1−フェニルアルキル基からなる群より選ばれる基を示す。)
    で示されるカルボン酸塩を反応させることを特徴とする一般式(3)
    Ru(OCOR12(PP) (3)
    (式(3)中、
    1はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、1−アミノアルキル基及び1−アミノ−1−フェニルアルキル基からなる群より選ばれる基を示し、
    PPは光学活性ビスホスフィンを示す。)
    で示されるルテニウム錯体の製造方法。
  2. 一般式(1)における光学活性ビスホスフィンが下記式(4)又は(5)
    Figure 2010070510
    (式(4)中、
    6及びR7は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニル基を示すか、又はシクロペンチル基若しくはシクロヘキシル基を示す。)
    Figure 2010070510
    (式(5)中、
    8及びR9は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニル基を示すか、又はシクロペンチル基若しくはシクロヘキシル基を示し、
    10、R11、R13及びR14は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基及びジアルキルアミノ基からなる群より選ばれる基を示し、
    12及びR15は、それぞれ独立して、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基及びジアルキルアミノ基からなる群より選ばれる基を示し、
    10、R11及びR12のうちの2つの基は一緒になって置換基を有していてもよいメチレン鎖又は置換基を有していてもよい(ポリ)メチレンジオキシ基を形成していてもよく、
    13、R14及びR15のうちの2つの基は一緒になって置換基を有していてもよいメチレン鎖又は置換基を有していてもよい(ポリ)メチレンジオキシ基を形成していてもよく、
    12及びR15は一緒になって置換基を有していてもよいメチレン鎖又は置換基を有していてもよい(ポリ)メチレンジオキシ基を形成していてもよい。)
    で示される光学活性ビスホスフィンである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 一般式(7)
    [RuX2(L)]n (7)
    (式(7)中、
    Ruはルテニウム原子を示し、
    Xはハロゲン原子を示し、
    Lはアレーンを示し、
    nは2以上の自然数を示す。)
    で示されるルテニウム化合物に、光学活性ビスホスフィン及び一般式(2)
    1CO2M (2)
    (式(2)中、
    Mは一価のカチオンを示し、
    1はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、1−アミノアルキル基及び1−アミノ−1−フェニルアルキル基からなる群より選ばれる基を示す。)
    で示されるカルボン酸塩を反応させることを特徴とする一般式(3)
    Ru(OCOR12(PP) (3)
    (式(3)中、
    1はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、1−アミノアルキル基及び1−アミノ−1−フェニルアルキル基からなる群より選ばれる基を示し、
    PPは光学活性ビスホスフィンを示す。)
    で示されるルテニウム錯体の製造方法。
  4. 使用される溶媒がアミド化合物以外の溶媒である、請求項3に記載の製造方法。
  5. 一般式(1)における光学活性ビスホスフィンが下記式(4)又は(5)
    Figure 2010070510
    (式(4)中、
    6及びR7は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニル基を示すか、又はシクロペンチル基若しくはシクロヘキシル基を示す。)
    Figure 2010070510
    (式(5)中、
    8及びR9は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニル基を示すか、又はシクロペンチル基若しくはシクロヘキシル基を示し、
    10、R11、R13及びR14は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基及びジアルキルアミノ基からなる群より選ばれる基を示し、
    12及びR15は、それぞれ独立して、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基及びジアルキルアミノ基からなる群より選ばれる基を示し、
    10、R11及びR12のうちの2つの基は一緒になって置換基を有していてもよいメチレン鎖又は置換基を有していてもよい(ポリ)メチレンジオキシ基を形成していてもよく、
    13、R14及びR15のうちの2つの基は一緒になって置換基を有していてもよいメチレン鎖又は置換基を有していてもよい(ポリ)メチレンジオキシ基を形成していてもよく、
    12及びR15は一緒になって置換基を有していてもよいメチレン鎖又は置換基を有していてもよい(ポリ)メチレンジオキシ基を形成していてもよい。)
    で示される光学活性ビスホスフィンである、請求項3又は4に記載の製造方法。
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