JP2010070452A - 新規トリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体とその用途 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規なトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩、並びに、それらを有効成分とする抗腫瘍剤等に関する。
悪性腫瘍とは正常の生体機構からはずれて生体内で増殖を続け、治療をしなければ宿主の死を招くような細胞群である。悪性腫瘍の治療には、外科的な切除、放射線照射、ホルモン療法又は化学療法等があり、特に悪性固形腫瘍の治療においては外科的手術が第一選択となっている。放射線療法、ホルモン療法および化学療法は、手術前又は手術後の補助療法あるいは手術による治療が不可能と判断された悪性固形腫瘍の治療に用いられるのが一般的である。ホルモン療法や化学療法等により、手術で切除する範囲を狭めたり、又、手術によって切除しきれない腫瘍を縮小・消失させ再発を予防したりする。しかしながら、手術は癌患者に対して肉体的・精神的な苦痛を与え、更に、腫瘍が転移していれば切除は広範囲にわたることとなり手技的にも困難を極めているのが現状である。化学療法が悪性固形腫瘍に対して主たる治療方法ではないのは、重篤な副作用がなく、且つ臨床上有効な抗腫瘍剤が事実上存在しなかったからである。
一方、非特許文献1には中枢神経系に作用を持つシンノリン誘導体が、非特許文献2にはモノアミンオキシダ−ゼ阻害作用を有するシンノリン誘導体が、非特許文献3にはシンノリン誘導体の合成や反応が記載されている。しかしながら、下記一般式(1)で表されるトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体についてはこれら文献には記載が無く、又、トリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体が抗腫瘍作用を有することも記載されていない。
又、特許文献1および特許文献2には抗腫瘍作用を有するトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体が記載されているが、下記一般式(1)で表される水酸基で置換されたトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体は記載が無く、その抗腫瘍活性も明らかではない。
国際公開第2004/052866号パンフレット
国際公開第2005/121105号パンフレット
Rashmi K.Shah et al.、Central Nervous System Active 5−Oxo−1,4,5,6,7,8−Hexahydrocinnolines、Journal of Medicinal Chemistry、1976、vol.19、p.508−511
Angelo Carotti et al.、Inhibition of Monoamine Oxidase−B by Condensed Pyridazines and Pyrimidines:Effects of Lipophilicity and Structure−Activity Relationships、Journal of Medicinal Chemistry、1998、vol.41、p.3812−3820
K.Nagarajan et al.、Synthesis & Reactions of 4,6,7,8−Tetrahydro−5(1H)−cinnolinones、Indian Journal of Chemistry,1986、vol.25B、p.697−708
上記のように化学療法が悪性固形腫瘍に対して主たる治療方法ではないことの理由は、悪性固形腫瘍に対する広い抗癌スペクトルを持ち、且つ重篤な副作用がない有効な抗腫瘍剤が少ないからである。従って、悪性固形腫瘍に対して優れた抗腫瘍効果を示す抗腫瘍剤が望まれている。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明者等は新規トリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体およびその薬学的に許容し得る塩を見出し、それが抗腫瘍活性を有することを見出して本発明を完成した。
即ち、本発明は、
1)下記一般式(1)
[式中、X1からX5は各々独立に水素原子若しくは水酸基を示し、且つ、少なくとも一つの基は水酸基を示し、X6は水素原子若しくは水酸基を示す]
で表されるトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩;
即ち、本発明は、
1)下記一般式(1)
で表されるトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩;
2)X1が水酸基、X2からX6が各々独立に水素原子若しくは水酸基である上記1)記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩;
3)X1が水素原子、X2が水酸基、X3からX6が各々独立に水素原子若しくは水酸基である上記1)記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩;
4)X1およびX2が水素原子、X3からX5の少なくとも一つの基が水酸基である上記1)記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩;
3)X1が水素原子、X2が水酸基、X3からX6が各々独立に水素原子若しくは水酸基である上記1)記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩;
4)X1およびX2が水素原子、X3からX5の少なくとも一つの基が水酸基である上記1)記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩;
5)一般式(1)で表される化合物が
3−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オール
7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−4,5−ジオール
7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,6−ジオール
7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,7−ジオール
7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,8−ジオール
7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,6,7−トリオール
である上記1)記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩;
3−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オール
7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−4,5−ジオール
7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,6−ジオール
7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,7−ジオール
7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,8−ジオール
7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,6,7−トリオール
である上記1)記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩;
6)上記1)〜5)のいずれか一項に記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩を有効成分とする細胞増殖阻害剤;
7)上記1)〜5)のいずれか一項に記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩を有効成分とする抗腫瘍剤;
に関する。
7)上記1)〜5)のいずれか一項に記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩を有効成分とする抗腫瘍剤;
に関する。
本発明により、腫瘍の発生の予防又は治療の際に有効に使用し得る新規なトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩、および、トリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩を有効成分とする抗腫瘍剤が提供される。
本発明は、上記一般式(1)[式中、X1からX5は各々独立に水素原子若しくは水酸基を示し、且つ、少なくとも一つの基は水酸基を示し、X6は水素原子若しくは水酸基を示す]で表されるトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩である。
中でも、一般式(1)のX1が水酸基、X2からX6が各々独立に水素原子若しくは水酸基である化合物;X1が水酸基、X2からX6が各々独立に水素原子若しくは水酸基である化合物;X1およびX2が水素原子、X3からX5の少なくとも一つの基が水酸基でX6が水素原子若しくは水酸基である化合物が好ましい。
一般式(1)で表される化合物に立体異性体が存在する場合にはそれら全ての異性体が本発明に含まれる。
一般式(1)で表される化合物としては、例えば、以下の表1に示す化合物が挙げられる。
中でも、一般式(1)のX1が水酸基、X2からX6が各々独立に水素原子若しくは水酸基である化合物;X1が水酸基、X2からX6が各々独立に水素原子若しくは水酸基である化合物;X1およびX2が水素原子、X3からX5の少なくとも一つの基が水酸基でX6が水素原子若しくは水酸基である化合物が好ましい。
一般式(1)で表される化合物に立体異性体が存在する場合にはそれら全ての異性体が本発明に含まれる。
一般式(1)で表される化合物としては、例えば、以下の表1に示す化合物が挙げられる。
中でも、3−(2−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オール、3−(4−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オール、3−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オール、3−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オール、7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−4,5−ジオール、7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,6−ジオール、7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,7−ジオール、7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,8−ジオール、7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,6,7−トリオール、7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,6,8−トリオール、7−ヒドロキシメチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,6−ジオール、7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,7,8−トリオール、7−ヒドロキシメチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,7−ジオール、7−ヒドロキシメチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,8−ジオール、3−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,6−ジオール、3−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,7−ジオール、3−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,8−ジオール、7−ヒドロキシメチル−3−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,8−ジオール、3−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,6−ジオール、3−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,7−ジオール、3−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,8−ジオール、7−ヒドロキシメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,8−ジオール、3−(2,3−ジヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オールが好ましく、3−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オール、7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−4,5−ジオール、7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,6−ジオール、7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,7−ジオール、7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,8−ジオール、7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,6,7−トリオールが特に好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物が不斉炭素を有する場合には、それらの化合物は光学活性体あるいはラセミ体として存在するが、本発明には光学活性体あるいはラセミ体、それらの混合物等が包含される。更に、上記一般式(1)で表される化合物の水和物又は溶媒和物も本発明に含まれる。
本発明における生理学的に許容される塩とは、塩酸、硫酸等の鉱酸との塩、酢酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、安息香酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩等が挙げられる。なお、これらの塩は通常の造塩反応に付すことにより容易に調製される。
本発明には、上記のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体を有効成分とする細胞増殖阻害剤および抗腫瘍剤が含まれる。
本発明の細胞増殖阻害剤および抗腫瘍剤は、トリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩を、単独又は賦形剤あるいは担体と混合し、懸濁液、乳剤、注射剤、吸入剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、経口用液剤、座剤、経皮用液剤、経皮用貼付剤、軟膏剤、経粘膜液剤、経粘膜添付剤等の製剤として、経口的に又は非経口的に投与される。賦形剤又は担体等の添加剤としては薬剤学的に許容されるものが選ばれ、その種類および組成は投与経路や投与方法により適宜決定される。例えば、注射剤の場合、食塩、グルコ−スやマンニト−ル等の糖類が望ましく、経口剤の場合、でんぷん、乳糖、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム等が望ましい。所望に応じて上記製剤中に助剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝液又はその他の通常使用される添加剤が含まれていてもよい。
本発明の細胞増殖阻害剤および抗腫瘍剤は、トリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩を、単独又は賦形剤あるいは担体と混合し、懸濁液、乳剤、注射剤、吸入剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、経口用液剤、座剤、経皮用液剤、経皮用貼付剤、軟膏剤、経粘膜液剤、経粘膜添付剤等の製剤として、経口的に又は非経口的に投与される。賦形剤又は担体等の添加剤としては薬剤学的に許容されるものが選ばれ、その種類および組成は投与経路や投与方法により適宜決定される。例えば、注射剤の場合、食塩、グルコ−スやマンニト−ル等の糖類が望ましく、経口剤の場合、でんぷん、乳糖、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム等が望ましい。所望に応じて上記製剤中に助剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝液又はその他の通常使用される添加剤が含まれていてもよい。
製剤中における本発明のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩の含量は製剤により種々異なるが、通常0.1〜100重量%、好ましくは1〜98重量%である。例えば、注射剤の場合には、通常0.1〜30重量%程度、好ましくは1〜10重量%程度がよい。添加剤とともに錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤、ドライシロップ剤等の形態で用いられる経口剤の場合には、通常5〜100重量%、好ましくは25〜98重量%である。
又、投与量は、患者の年令、性別、体重、症状、治療目的等により決定されるが、通常、非経口投与で0.001〜100mg/kg/日程度、経口投与では0.01〜500mg/kg/日程度、好ましくは0.1〜100mg/kg/日程度であり、これを1回で、あるいは2〜4回に分けて投与すればよい。
又、投与量は、患者の年令、性別、体重、症状、治療目的等により決定されるが、通常、非経口投与で0.001〜100mg/kg/日程度、経口投与では0.01〜500mg/kg/日程度、好ましくは0.1〜100mg/kg/日程度であり、これを1回で、あるいは2〜4回に分けて投与すればよい。
本発明のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体あるいはその原料となる化合物は、例えば、特許文献1に記載されている方法を適用して合成可能であり、又、下記の実施例にも合成例を示すがこれらに特に限定されるものではない。
合成方法の一つを例示する。下記一般式(2)で表されるα−ハロゲノ置換アセトフェノン誘導体は、東京化成(株)等から購入可能な化合物もあり、又、市販又は公知文献に準じた製法で入手容易なアセトフェノン誘導体を、ハロゲン化剤として、N−ハロゲノスクシンイミド、あるいは臭素、ヨウ素等のハロゲン単体若しくは過臭化臭化ピリジニウムのような塩等を用いトルエン、テトラヒドロフラン等の反応溶媒中で室温から加熱還流下の条件で反応させることで容易にハロゲン化することにより調製することもできる。
[式中、Eはハロゲン原子を示し、Xは水素原子あるいは保護されていてもよい水酸基を示す。]
[式中、Eはハロゲン原子を示し、Xは水素原子あるいは保護されていてもよい水酸基を示す。]
一方、下記一般式(5)で表される1,3−シクロヘキサンジオン誘導体には購入可能な化合物もあるが、必要に応じて下記スキームに従い、メチルビニルケトン誘導体(3)とマロン酸エステル誘導体(4)をナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコキシドあるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物の存在下、水、メタノール、エタノール等の溶媒中で室温から加熱還流下の条件で反応させることにより調製される。
[式中Rは低級アルキル基を示し、X’は水素原子あるいは保護されていてもよい水酸基を示す。]
[式中Rは低級アルキル基を示し、X’は水素原子あるいは保護されていてもよい水酸基を示す。]
又は、以下のように、レゾルシノール誘導体(6)をメタノール、テトラヒドロフラン等の有機溶媒中で白金、パラジウム等の触媒存在下水素添加することにより調製することも可能である。
[式中X’は上記と同じ意味を示す。]
[式中X’は上記と同じ意味を示す。]
上記の一般式(5)の化合物と上記の一般式(2)の化合物をジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール等の有機溶媒中、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の塩基存在下、室温から加熱還流下の条件で反応させ、下記一般式(7)で表される化合物へ導く。
[式中、X、X’は上記と同じ意味を示す。]
[式中、X、X’は上記と同じ意味を示す。]
一般式(7)で表される化合物をメタノール、エタノール等の有機溶媒中トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下、塩酸ヒドラジンと室温から加熱還流下の条件で反応させ、一般式(8)で表される4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−シンノリン−5−オン誘導体を得る。
[式中、X、X’は上記と同じ意味を示す。]
[式中、X、X’は上記と同じ意味を示す。]
次いで該化合物に、例えば、パラジウム、白金等の金属触媒存在又は非存在下、ピリジン、トリエチルアミン、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸又はテトラヒドロフラン等の有機溶媒中で加熱還流することによる酸化、アセトン、メタノール、テトラヒドロフランあるいはそれらの混合溶媒中、硝酸アンモニウムセリウム(IV)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン等の酸化剤による酸化に付し、下記一般式(9)で表わされる化合物を得る。
[式中、X、X’は上記と同じ意味を示す。]
[式中、X、X’は上記と同じ意味を示す。]
更に、一般式(9)で表される化合物をテトラヒドロフラン、メタノール、エタノール等の有機溶媒中、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウムあるいはリチウムトリ−tert−ブトキシアルミノヒドリド等の還元剤を氷冷下から室温で反応させ一般式(10)で表される化合物へと導くことができる。
[式中、X、X’は上記と同じ意味を示す。]
[式中、X、X’は上記と同じ意味を示す。]
一般式(10)で表される化合物を、必要に応じて水酸基の脱保護を行い、本発明のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体を製造し得る。更に、一般式(10)で表される化合物に公知の反応を応用して本発明の誘導体へ導くこともできる。例えば、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、二クロム酸カリウム等の酸化剤による直接酸化によりN−オキシド化合物、あるいはカルボニル基や水酸基が導入された化合物とし、必要に応じて転移反応や還元反応に付して水酸基を導入する方法、脱水等によって得られるオレフィン体あるいはそのエポキシ化物をハロヒドリン反応、ヒドロホウ素化反応や加水分解反応等に付し水酸基を導入する方法等により、次いで必要に応じて水酸基等の脱保護を行うことにより、本発明の上記一般式(1)で表されるトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体へ導くことができる。
又、特許文献1および2等に記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体を酵素等を用いた変換や生物体に投与しその代謝物として得ることにより本発明のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体へ導くことも可能である。
得られた反応混合物から目的物を単離、精製するには、定法による溶媒抽出、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等が適宜用いられる。
以下、実施例として本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
本実施例において、ESIとはElectron Spray Ionizationの略であり、分子量測定におけるイオン化法の1つであり、POSは正イオン、NEGは負イオンを測定することを意味する。
本実施例において、ESIとはElectron Spray Ionizationの略であり、分子量測定におけるイオン化法の1つであり、POSは正イオン、NEGは負イオンを測定することを意味する。
実施例1 (5,7−cis)−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,8−ジオールの合成(化合物No.1、2)
特許文献1に記載されている方法で調製されるcis−7−メチル−1−オキシ−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オ−ル(432mg、1.33mmol)を、氷冷下、無水トリフルオロ酢酸(2mL)に溶解し、そのまま2時間攪拌した。原料が消失したことを確認した後、反応液を減圧濃縮して得られる残渣をメタノール(5mL)に溶解し、氷冷下、炭酸カリウム(200mg、1.44mmol)を加え室温で1時間反応させた。反応液に水(5mL)、酢酸エチル(20mL)を加え分液し、得られた有機層を飽和食塩水(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し得られる有機層を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=30/1)で精製し目的化合物として低極性成分(183.0mg、42.3%)および高極性成分(150.0mg、34.7%)を白色結晶として得た。
特許文献1に記載されている方法で調製されるcis−7−メチル−1−オキシ−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オ−ル(432mg、1.33mmol)を、氷冷下、無水トリフルオロ酢酸(2mL)に溶解し、そのまま2時間攪拌した。原料が消失したことを確認した後、反応液を減圧濃縮して得られる残渣をメタノール(5mL)に溶解し、氷冷下、炭酸カリウム(200mg、1.44mmol)を加え室温で1時間反応させた。反応液に水(5mL)、酢酸エチル(20mL)を加え分液し、得られた有機層を飽和食塩水(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し得られる有機層を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=30/1)で精製し目的化合物として低極性成分(183.0mg、42.3%)および高極性成分(150.0mg、34.7%)を白色結晶として得た。
低極性成分(化合物No.1)
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CD3OD)
1.29(3H、d、J=6.6Hz)、
1.59(1H、q、J=12.1Hz)、
1.96−2.09(1H、m)、
2.25(1H、dq、J=2.8、12.8Hz)、
4.55(1H、d、J=9.5Hz)、
4.88−5.00(1H、m)、
7.76(1H、t、J=7.8Hz)、
7.83(1H、d、J=7.9Hz)、
8.23(1H、s)、
8.33(1H、d、J=7.9Hz)、
8.42(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CD3OD)
1.29(3H、d、J=6.6Hz)、
1.59(1H、q、J=12.1Hz)、
1.96−2.09(1H、m)、
2.25(1H、dq、J=2.8、12.8Hz)、
4.55(1H、d、J=9.5Hz)、
4.88−5.00(1H、m)、
7.76(1H、t、J=7.8Hz)、
7.83(1H、d、J=7.9Hz)、
8.23(1H、s)、
8.33(1H、d、J=7.9Hz)、
8.42(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
高極性成分(化合物No.2)
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CD3OD)
1.24(3H、d、J=6.8Hz)、
1.87−1.98(1H、m)、
1.95(1H、d、J=9.0Hz)、
2.01−2.12(1H、m)、
4.76−4.80(1H、m)、
4.87(1H、t、J=3.1Hz)、
7.77(1H、t、J=7.8Hz)、
7.84(1H、d、J=7.9Hz)、
8.31(1H、d、J=0.7Hz)、
8.33(1H、d、J=7.7Hz)、
8.43(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CD3OD)
1.24(3H、d、J=6.8Hz)、
1.87−1.98(1H、m)、
1.95(1H、d、J=9.0Hz)、
2.01−2.12(1H、m)、
4.76−4.80(1H、m)、
4.87(1H、t、J=3.1Hz)、
7.77(1H、t、J=7.8Hz)、
7.84(1H、d、J=7.9Hz)、
8.31(1H、d、J=0.7Hz)、
8.33(1H、d、J=7.7Hz)、
8.43(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
実施例2 (5,7−trans)−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,8−ジオールの合成(化合物No.3、4)
実施例1におけるcis−7−メチル−1−オキシ−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オ−ルの替わりにtrans体(45.8mg、0.14mmol)を原料に用い、実施例1と同様に処理することで、目的化合物として低極性成分(4.0mg、8.7%)および高極性成分(10.0mg、21.8%)を白色結晶として得た。
実施例1におけるcis−7−メチル−1−オキシ−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オ−ルの替わりにtrans体(45.8mg、0.14mmol)を原料に用い、実施例1と同様に処理することで、目的化合物として低極性成分(4.0mg、8.7%)および高極性成分(10.0mg、21.8%)を白色結晶として得た。
低極性成分(化合物No.3)
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CD3OD)
1.10(3H、d、J=6.8Hz)、
1.81(1H、ddd、J=5.0、9.2、14.1Hz)、
2.03(1H、ddd、J=3.7、5.9、14.1Hz)、
2.17−2.30(1H、m)、
4.45(1H、d、J=7.5Hz)、
4.75−4.86(1H、m)、
7.67(1H、t、J=7.8Hz)、
7.74(1H、d、J=7.6Hz)、
8.10(1H、s)
8.25(1H、d、J=7.9Hz)、
8.34(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CD3OD)
1.10(3H、d、J=6.8Hz)、
1.81(1H、ddd、J=5.0、9.2、14.1Hz)、
2.03(1H、ddd、J=3.7、5.9、14.1Hz)、
2.17−2.30(1H、m)、
4.45(1H、d、J=7.5Hz)、
4.75−4.86(1H、m)、
7.67(1H、t、J=7.8Hz)、
7.74(1H、d、J=7.6Hz)、
8.10(1H、s)
8.25(1H、d、J=7.9Hz)、
8.34(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
高極性成分(化合物No.4)
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CD3OD)
1.11(3H、d、J=7.0Hz)、
1.71(1H、dt、J=3.4、13.9Hz)、
2.08(1H、ddd、J=5.0、11.9、14.1Hz)、
2.20−2.33(1H、m)、
4.86(1H、t、J=4.1Hz)、
7.67(1H、t、J=7.8Hz)、
7.74(1H、d、J=7.9Hz)、
8.12(1H、s)
8.25(1H、d、J=7.9Hz)、
8.34(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CD3OD)
1.11(3H、d、J=7.0Hz)、
1.71(1H、dt、J=3.4、13.9Hz)、
2.08(1H、ddd、J=5.0、11.9、14.1Hz)、
2.20−2.33(1H、m)、
4.86(1H、t、J=4.1Hz)、
7.67(1H、t、J=7.8Hz)、
7.74(1H、d、J=7.9Hz)、
8.12(1H、s)
8.25(1H、d、J=7.9Hz)、
8.34(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
参考例1 5−クロロ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリンの合成
特許文献1に記載されている方法で調製される7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オ−ル(835.9mg、2.71mmol)のピリジン(3mL)溶液中に、氷冷下、メタンスルホニルクロリド(0.25mL、3.25mmol)を加え室温で一晩反応させた。反応終了後、1規定塩酸(3mL)を加え反応をクエンチし、酢酸エチル(20mL)および蒸留水(10mL)を加え分液した。得られた有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し目的化合物(790.0mg、89.0%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.18(3H、d、J=6.6Hz)、
1.95(1H、ddd、J=4.4、11.5、14.7Hz)、
2.32(1H、ddd、J=2.7、4.6、14.7Hz)、
2.74(1H、dd、J=11.5、18.0Hz)、
3.51(1H、ddd、J=1.7、4.8、17.8Hz)、
5.30−5.33(1H、m)、
7.66(1H、t、J=7.8Hz)、
7.75(1H、d、J=7.9Hz)、
8.29(1H、d、J=7.9Hz)、
8.34(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 327 [M+H]+
特許文献1に記載されている方法で調製される7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オ−ル(835.9mg、2.71mmol)のピリジン(3mL)溶液中に、氷冷下、メタンスルホニルクロリド(0.25mL、3.25mmol)を加え室温で一晩反応させた。反応終了後、1規定塩酸(3mL)を加え反応をクエンチし、酢酸エチル(20mL)および蒸留水(10mL)を加え分液した。得られた有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し目的化合物(790.0mg、89.0%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.18(3H、d、J=6.6Hz)、
1.95(1H、ddd、J=4.4、11.5、14.7Hz)、
2.32(1H、ddd、J=2.7、4.6、14.7Hz)、
2.74(1H、dd、J=11.5、18.0Hz)、
3.51(1H、ddd、J=1.7、4.8、17.8Hz)、
5.30−5.33(1H、m)、
7.66(1H、t、J=7.8Hz)、
7.75(1H、d、J=7.9Hz)、
8.29(1H、d、J=7.9Hz)、
8.34(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 327 [M+H]+
参考例2 7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−7,8−ジヒドロシンノリンの合成
参考例1で得られた5−クロロ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン(760mg、2.33mmol)のメチルエチルケトン(23mL)溶液に、窒素雰囲気下で炭酸カリウム(965mg、6.98mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(26mg、0.02mmol)を加え、加熱還流下3時間反応した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(100mL)を加え濾過した有機層を減圧濃縮して目的化合物(632.0mg、93.4%)を茶褐色固体として得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.22(3H、d、J=7.0Hz)、
2.81−2.92(1H、m)、
3.37(1H、dd、J=6.7、16.0Hz)、
6.32(1H、dd、J=3.7,9.5Hz)、
6.47(1H、dd、J=1.8、9.5Hz)、
7.41(1H、s)、
7.64(1H、t、J=7.8Hz)、
7.73(1H、d、J=7.9Hz)、
8.27(1H、d、J=7.9Hz)、
8.30(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 291 [M+H]+
参考例1で得られた5−クロロ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン(760mg、2.33mmol)のメチルエチルケトン(23mL)溶液に、窒素雰囲気下で炭酸カリウム(965mg、6.98mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(26mg、0.02mmol)を加え、加熱還流下3時間反応した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(100mL)を加え濾過した有機層を減圧濃縮して目的化合物(632.0mg、93.4%)を茶褐色固体として得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.22(3H、d、J=7.0Hz)、
2.81−2.92(1H、m)、
3.37(1H、dd、J=6.7、16.0Hz)、
6.32(1H、dd、J=3.7,9.5Hz)、
6.47(1H、dd、J=1.8、9.5Hz)、
7.41(1H、s)、
7.64(1H、t、J=7.8Hz)、
7.73(1H、d、J=7.9Hz)、
8.27(1H、d、J=7.9Hz)、
8.30(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 291 [M+H]+
実施例3 (5,6−cis)−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,6−ジオールの合成(化合物No.5、6)
過ヨウ素酸ナトリウム(698mg、3.27mmol)を蒸留水(1.64ml)に懸濁させ、2規定硫酸(0.43mL)を加え、5分間攪拌した。氷冷下、0.1mol塩化ルテニウム水溶液(0.218mL)を加え、5分攪拌した後、酢酸エチル(3mL)およびアセトニトリル(6mL)を加え更に10分攪拌した。反応液に、参考例2で得られた7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−7,8−ジヒドロシンノリン(632mg、2.18mmol)の酢酸エチル(3mL)溶液を加え、氷冷下、1時間反応させた。酢酸エチル(15mL)、飽和重曹水(10mL)および飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(5mL)を加え分液した。有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=15/1)で精製し、目的化合物として低極性成分(45.0mg、6.3%)および高極性成分(30.0mg、4.2%)を白色結晶として得た。
過ヨウ素酸ナトリウム(698mg、3.27mmol)を蒸留水(1.64ml)に懸濁させ、2規定硫酸(0.43mL)を加え、5分間攪拌した。氷冷下、0.1mol塩化ルテニウム水溶液(0.218mL)を加え、5分攪拌した後、酢酸エチル(3mL)およびアセトニトリル(6mL)を加え更に10分攪拌した。反応液に、参考例2で得られた7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−7,8−ジヒドロシンノリン(632mg、2.18mmol)の酢酸エチル(3mL)溶液を加え、氷冷下、1時間反応させた。酢酸エチル(15mL)、飽和重曹水(10mL)および飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(5mL)を加え分液した。有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=15/1)で精製し、目的化合物として低極性成分(45.0mg、6.3%)および高極性成分(30.0mg、4.2%)を白色結晶として得た。
低極性成分(化合物No.5)
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.18(3H、d、J=7.1Hz)、
2.42−2.49(1H、m)、
2.83(1H、brs)、
2.87(1H、dd、J=6.8、17.8Hz)、
3.51(1H、dd、J=5.6、17.7Hz)、
3.52(1H、brs)、
3.92−4.01(1H、m)、
4.81(1H、brs)、
7.62(1H、t、J=7.8Hz)、
7.73(1H、d、J=7.9Hz)、
8.03(1H、s)、
8.25(1H、d、J=7.7Hz)、
8.30(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.18(3H、d、J=7.1Hz)、
2.42−2.49(1H、m)、
2.83(1H、brs)、
2.87(1H、dd、J=6.8、17.8Hz)、
3.51(1H、dd、J=5.6、17.7Hz)、
3.52(1H、brs)、
3.92−4.01(1H、m)、
4.81(1H、brs)、
7.62(1H、t、J=7.8Hz)、
7.73(1H、d、J=7.9Hz)、
8.03(1H、s)、
8.25(1H、d、J=7.7Hz)、
8.30(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
高極性成分(化合物No.6)
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.30(3H、d、J=6.8Hz)、
2.16−2.27(1H、m)、
2.34(1H、d、J=3.7Hz)、
3.05(1H、dd、J=11.4、18.1Hz)、
3.06(1H、d、J=9.0Hz)、
3.26(1H、dd、J=5.9、17.9Hz)、
4.16(1H、s)、
4.77(1H、d、J=6.4Hz)、
7.64(1H、t、J=7.8Hz)、
7.73(1H、d、J=7.9Hz)、
8.14(1H、d、J=1.1Hz)、
8.29(1H、d、J=7.9Hz)、
8.35(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.30(3H、d、J=6.8Hz)、
2.16−2.27(1H、m)、
2.34(1H、d、J=3.7Hz)、
3.05(1H、dd、J=11.4、18.1Hz)、
3.06(1H、d、J=9.0Hz)、
3.26(1H、dd、J=5.9、17.9Hz)、
4.16(1H、s)、
4.77(1H、d、J=6.4Hz)、
7.64(1H、t、J=7.8Hz)、
7.73(1H、d、J=7.9Hz)、
8.14(1H、d、J=1.1Hz)、
8.29(1H、d、J=7.9Hz)、
8.35(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
参考例3 3−ヒドロキシ−5−メチル−2−[2−(3−トリフルオロメチルフェニル)アセチル]シクロヘキサ−2−エノンの合成
窒素雰囲気下、3−トリフルオロメチルフェニル酢酸(2.04g、10mmol)の酢酸エチル(60mL)溶液に、氷冷下、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.48g、12mmol)および5−メチル−1,3−シクロヘキサンジオン(1.51g、12mmol)を加え30分間撹拌した後、室温で更に終夜反応させた。反応終了後、反応液を冷却して生じる結晶を濾別し、得られた有機層を5%炭酸カリウム水溶液(100mL)、飽和食塩水(100mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をアセトニトリル(41mL)に溶解し、トリエチルアミン(6mL)およびアセトンシアンヒドリン(0.1mL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣を酢酸エチル(60mL)に溶解し、氷冷下、1規定塩酸を加えpHを2に調整する。分液後、有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜2/1)で精製し目的化合物(3.65g、77.0%)を白色結晶として得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.10(3H、d、J=6.2Hz)、
2.16−2.30(3H、complex)、
2.41(1H、dd、J=11.0、17.9Hz)、
2.59(1H、dd、J=2.0、12.5Hz)、
2.69−2.76(1H、m)、
4.44(1H,s)、
7.40−7.55(4H、complex)
MS(ESI,POS)
m/z 313 [M+H]+
窒素雰囲気下、3−トリフルオロメチルフェニル酢酸(2.04g、10mmol)の酢酸エチル(60mL)溶液に、氷冷下、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.48g、12mmol)および5−メチル−1,3−シクロヘキサンジオン(1.51g、12mmol)を加え30分間撹拌した後、室温で更に終夜反応させた。反応終了後、反応液を冷却して生じる結晶を濾別し、得られた有機層を5%炭酸カリウム水溶液(100mL)、飽和食塩水(100mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をアセトニトリル(41mL)に溶解し、トリエチルアミン(6mL)およびアセトンシアンヒドリン(0.1mL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣を酢酸エチル(60mL)に溶解し、氷冷下、1規定塩酸を加えpHを2に調整する。分液後、有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜2/1)で精製し目的化合物(3.65g、77.0%)を白色結晶として得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.10(3H、d、J=6.2Hz)、
2.16−2.30(3H、complex)、
2.41(1H、dd、J=11.0、17.9Hz)、
2.59(1H、dd、J=2.0、12.5Hz)、
2.69−2.76(1H、m)、
4.44(1H,s)、
7.40−7.55(4H、complex)
MS(ESI,POS)
m/z 313 [M+H]+
参考例4 6−メチル−3−(3−トリフルオロメチルベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[d]イソキサゾリ−4−オンの合成
参考例3で得られた3−ヒドロキシ−5−メチル−2−[2−(3−トリフルオロメチルフェニル)アセチル]シクロヘキサ−2−エノン(3.57g、11.4mmol)のメタノール(30mL)溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(794mg、11.4mmol)および水酸化カリウム(639mg、11.4mmol)のメタノール(30mL)溶液を加え、室温で2時間反応した。不溶物を濾別し、減圧濃縮後得られた残渣に酢酸エチル(140mL)および蒸留水(100mL)を加え、更に、2規定塩酸を加えてpHを2に調整し分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜2/1)で精製し目的化合物(3.13g、89.0%)を黄色オイルとして得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.19(3H、d、J=6.6Hz)、
2.24(1H、dd、J=11.2,16.3Hz)、
2.39−2.52(1H、m)、
2.49−2.59(1H、m)、
2.62(1H、dd、J=10.1,17.6Hz)、
3.05−3.14(1H、m)、
4.26(2H、s)、
7.40(1H、t、J=7.7Hz)、
7.48(1H、d、J=8.1Hz)、
7.59(1H、d、J=7.7Hz)、
7.62(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 310 [M+H]+
参考例3で得られた3−ヒドロキシ−5−メチル−2−[2−(3−トリフルオロメチルフェニル)アセチル]シクロヘキサ−2−エノン(3.57g、11.4mmol)のメタノール(30mL)溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(794mg、11.4mmol)および水酸化カリウム(639mg、11.4mmol)のメタノール(30mL)溶液を加え、室温で2時間反応した。不溶物を濾別し、減圧濃縮後得られた残渣に酢酸エチル(140mL)および蒸留水(100mL)を加え、更に、2規定塩酸を加えてpHを2に調整し分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜2/1)で精製し目的化合物(3.13g、89.0%)を黄色オイルとして得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.19(3H、d、J=6.6Hz)、
2.24(1H、dd、J=11.2,16.3Hz)、
2.39−2.52(1H、m)、
2.49−2.59(1H、m)、
2.62(1H、dd、J=10.1,17.6Hz)、
3.05−3.14(1H、m)、
4.26(2H、s)、
7.40(1H、t、J=7.7Hz)、
7.48(1H、d、J=8.1Hz)、
7.59(1H、d、J=7.7Hz)、
7.62(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 310 [M+H]+
参考例5 6−メチル−3−(3−トリフルオロメチルベンゾイル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[d]イソキサゾリ−4−オンの合成
参考例4で得られた6−メチル−3−(3−トリフルオロメチルベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[d]イソキサゾリ−4−オン(2.8g、9.05mmol)の酢酸(23mL)溶液に、二クロム酸ナトリウム二水和物(8.36g、28.05mmol)を加え3時間加熱還流した。反応液に、蒸留水(300mL)および酢酸エチル(500mL)を加え抽出し、飽和食塩水(300mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜2/1)で精製し目的化合物(345mg、11.8%)を結晶として得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.26(3H、d、J=6.6Hz)、
2.35(1H、d、J=11.2、16.3Hz)、
2.52−2.63(1H、m)、
2.65(1H、ddd、J=0.9,3.8,16.1Hz)、
2.77(1H、dd、J=9.8、17.8Hz)、
3.26(1H、dd、J=4.9、17.2Hz)、
7.66(1H、t、J=7.9Hz)、
7.91(1H、d、J=7.9Hz)、
8.22(1H、d、J=7.9Hz)、
8.28(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 324 [M+H]+
参考例4で得られた6−メチル−3−(3−トリフルオロメチルベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[d]イソキサゾリ−4−オン(2.8g、9.05mmol)の酢酸(23mL)溶液に、二クロム酸ナトリウム二水和物(8.36g、28.05mmol)を加え3時間加熱還流した。反応液に、蒸留水(300mL)および酢酸エチル(500mL)を加え抽出し、飽和食塩水(300mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜2/1)で精製し目的化合物(345mg、11.8%)を結晶として得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.26(3H、d、J=6.6Hz)、
2.35(1H、d、J=11.2、16.3Hz)、
2.52−2.63(1H、m)、
2.65(1H、ddd、J=0.9,3.8,16.1Hz)、
2.77(1H、dd、J=9.8、17.8Hz)、
3.26(1H、dd、J=4.9、17.2Hz)、
7.66(1H、t、J=7.9Hz)、
7.91(1H、d、J=7.9Hz)、
8.22(1H、d、J=7.9Hz)、
8.28(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 324 [M+H]+
参考例6 1−(2−ヒドロキシ−4−メチル−6−オキソ−シクロヘキサ−1−エンイル)−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)−エタン−1,2−ジオンの合成
参考例5で得られた6−メチル−3−(3−トリフルオロメチルベンゾイル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[d]イソキサゾリ−4−オン(951mg、2.94mmol)のエタノール(20mL)溶液に蒸留水(1mL)を加え、窒素置換した後に、酸化白金(42mg)を加えた。反応系内を水素で置換し、室温で40分間水素添加反応を行った。反応終了後触媒を濾別し、溶媒を減圧濃縮して得られる残渣にエタノール(14mL)および水酸化ナトリウム水溶液(14mL)を加え室温で26時間反応した。蒸留水(100mL)および5規定塩酸を加え、pHを2.5に調整した。酢酸エチル(240mL)を加え、抽出した有機層を飽和食塩水(150mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1〜1/2)で精製し目的化合物(548mg、57.1%)を結晶として得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3+CD3OD=3/1)
1.09(3H,brs)、
2.16−2.34(3H、complex)、
2.56(2H、brs、J=12.3Hz)、
7.56(1H、brt、J=7.2Hz)、
7.77(1H、brd、J=7.5Hz)、
7.95(1H、brd、J=7.7Hz)、
8.04(1H、brs)
MS(ESI,POS)
m/z 327 [M+H]+
参考例5で得られた6−メチル−3−(3−トリフルオロメチルベンゾイル)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[d]イソキサゾリ−4−オン(951mg、2.94mmol)のエタノール(20mL)溶液に蒸留水(1mL)を加え、窒素置換した後に、酸化白金(42mg)を加えた。反応系内を水素で置換し、室温で40分間水素添加反応を行った。反応終了後触媒を濾別し、溶媒を減圧濃縮して得られる残渣にエタノール(14mL)および水酸化ナトリウム水溶液(14mL)を加え室温で26時間反応した。蒸留水(100mL)および5規定塩酸を加え、pHを2.5に調整した。酢酸エチル(240mL)を加え、抽出した有機層を飽和食塩水(150mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1〜1/2)で精製し目的化合物(548mg、57.1%)を結晶として得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3+CD3OD=3/1)
1.09(3H,brs)、
2.16−2.34(3H、complex)、
2.56(2H、brs、J=12.3Hz)、
7.56(1H、brt、J=7.2Hz)、
7.77(1H、brd、J=7.5Hz)、
7.95(1H、brd、J=7.7Hz)、
8.04(1H、brs)
MS(ESI,POS)
m/z 327 [M+H]+
参考例7 4−ヒドロキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−7,8−ジヒドロ−6H−シンノリン−5−オンの合成
参考例6で得られた1−(2−ヒドロキシ−4−メチル−6−オキソ−シクロヘキサ−1−エンイル)−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)−エタン−1,2−ジオン(548mg、1.68mmol)のエタノール(15mL)溶液に、ヒドラジン1水和物(0.092mL)を加え、室温で4時間反応させた。反応液を減圧濃縮し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/アセトン=3/1〜2/1)で精製した。得られた中間体に4規定塩化水素/ジオキサン(3mL)を加え、室温で15分間反応した。反応液を減圧濃縮し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/アセトン=3/1〜1/1)で精製し目的化合物(131mg、24.2%)を結晶として得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3+CD3OD=1/1)
1.21(3H、t、J=6.4Hz)、
2.33(1H、dd、J=11.7、16.1Hz)、
2.37−2、50(1H、m)、
2.63−2.72(1H、m)、
2.70(1H、dd、J=10.5、16.8Hz)、
2.95−3.04(1H、m)、
7.58(1H、t、J=7.9Hz)、
7.70(1H、d、J=7.9Hz)、
8.28(1H、d、J=7.9Hz)、
8.37(1H、s)
参考例6で得られた1−(2−ヒドロキシ−4−メチル−6−オキソ−シクロヘキサ−1−エンイル)−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)−エタン−1,2−ジオン(548mg、1.68mmol)のエタノール(15mL)溶液に、ヒドラジン1水和物(0.092mL)を加え、室温で4時間反応させた。反応液を減圧濃縮し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/アセトン=3/1〜2/1)で精製した。得られた中間体に4規定塩化水素/ジオキサン(3mL)を加え、室温で15分間反応した。反応液を減圧濃縮し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/アセトン=3/1〜1/1)で精製し目的化合物(131mg、24.2%)を結晶として得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3+CD3OD=1/1)
1.21(3H、t、J=6.4Hz)、
2.33(1H、dd、J=11.7、16.1Hz)、
2.37−2、50(1H、m)、
2.63−2.72(1H、m)、
2.70(1H、dd、J=10.5、16.8Hz)、
2.95−3.04(1H、m)、
7.58(1H、t、J=7.9Hz)、
7.70(1H、d、J=7.9Hz)、
8.28(1H、d、J=7.9Hz)、
8.37(1H、s)
13C−NMR(100MHzFT、TMS、CDCl3+CD3OD=1/1)
20.95、28.95、34.10、47.34、117.81,126.53、126.89、129.16、130.74、133.10、134.94、157.70、159.26、168.70、196.00
MS(ESI,POS)
m/z 323 [M+H]+
20.95、28.95、34.10、47.34、117.81,126.53、126.89、129.16、130.74、133.10、134.94、157.70、159.26、168.70、196.00
MS(ESI,POS)
m/z 323 [M+H]+
実施例4 7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−4,5−ジオールの合成(化合物No.11)
参考例7で得られた4−ヒドロキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−7,8−ジヒドロ−6H−シンノリン−5−オン(104mg、0.32mmol)をエタノール(15mL)に懸濁し、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(12.2mg、0.32mmol)を加え、室温で30分反応させた。反応液を減圧濃縮した後、酢酸エチル(15mL)および1規定硫酸水素カリウム水溶液(5mL)を加え、有機層を抽出し、飽和食塩水(10mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製し目的化合物(72mg、68.9%)を結晶として得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.16(3H、d、J=6.6Hz)、
1.48(1H、m)、
2.27−2.35(1H、m)、
2.43(1H、ddd、J=1.5、11.4、16.5Hz)、
2.63(1H、ddd、J=1.5、4.8、16.7Hz)、
5.06−5.10(1H、m)、
7.55(1H、t、J=8.1Hz)、
7.67(1H、d、J=7.7Hz)、
8.30−8.35(2H、complex)、
10.2−10.6(1H、brs)
MS(ESI、POS)
m/z 325 [M+H]+
参考例7で得られた4−ヒドロキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−7,8−ジヒドロ−6H−シンノリン−5−オン(104mg、0.32mmol)をエタノール(15mL)に懸濁し、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(12.2mg、0.32mmol)を加え、室温で30分反応させた。反応液を減圧濃縮した後、酢酸エチル(15mL)および1規定硫酸水素カリウム水溶液(5mL)を加え、有機層を抽出し、飽和食塩水(10mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製し目的化合物(72mg、68.9%)を結晶として得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.16(3H、d、J=6.6Hz)、
1.48(1H、m)、
2.27−2.35(1H、m)、
2.43(1H、ddd、J=1.5、11.4、16.5Hz)、
2.63(1H、ddd、J=1.5、4.8、16.7Hz)、
5.06−5.10(1H、m)、
7.55(1H、t、J=8.1Hz)、
7.67(1H、d、J=7.7Hz)、
8.30−8.35(2H、complex)、
10.2−10.6(1H、brs)
MS(ESI、POS)
m/z 325 [M+H]+
参考例8 (5,7−cis)−5−アセチルオキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリンの合成
特許文献1に記載されている方法で調製される(5,7−cis)−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オ−ル(3580mg、11.61mmol)を氷冷下、ピリジン(30mL)に溶解し、無水酢酸(4.5mL)を加え2.5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製し目的化合物を(4100.0mg)得た。
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
特許文献1に記載されている方法で調製される(5,7−cis)−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オ−ル(3580mg、11.61mmol)を氷冷下、ピリジン(30mL)に溶解し、無水酢酸(4.5mL)を加え2.5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製し目的化合物を(4100.0mg)得た。
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
参考例9 (5,7−cis)−5−アセチルオキシ−7−メチル−1−オキシ−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリンの合成
参考例8で得られた(5,7−cis)−5−アセチルオキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン(4100mg、11.61mmol)を氷冷下、ジクロロメタン(30mL)に溶解した後、メタ−クロロ過安息香酸(3300mg、17.42mmol)を加え2時間攪拌した。反応液にジクロロメタン(200mL)と飽和重曹水(100mL)を加え分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧濃縮して残渣を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し目的化合物を(4120.0mg)得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.23(3H、d、J=6.4Hz)、
1.47(1H、m)、
2.10(1H、m)、
2.25(3H、s)、
2.32(1H、m)、
2.46(1H、dd、J=11.2、19.2Hz)、
3.27(1H、dd、J=5.6、19.2Hz)、
5.99(1H、dd、J=5.6、10.8Hz)、
7.35(1H、s)、
7.63(1H、t、J=7.9Hz)、
7.75(1H、d、J=7.7Hz)、
8.13(1H、d、J=7.9Hz)、
8.22(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 367 [M+H]+
参考例8で得られた(5,7−cis)−5−アセチルオキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン(4100mg、11.61mmol)を氷冷下、ジクロロメタン(30mL)に溶解した後、メタ−クロロ過安息香酸(3300mg、17.42mmol)を加え2時間攪拌した。反応液にジクロロメタン(200mL)と飽和重曹水(100mL)を加え分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、減圧濃縮して残渣を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し目的化合物を(4120.0mg)得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.23(3H、d、J=6.4Hz)、
1.47(1H、m)、
2.10(1H、m)、
2.25(3H、s)、
2.32(1H、m)、
2.46(1H、dd、J=11.2、19.2Hz)、
3.27(1H、dd、J=5.6、19.2Hz)、
5.99(1H、dd、J=5.6、10.8Hz)、
7.35(1H、s)、
7.63(1H、t、J=7.9Hz)、
7.75(1H、d、J=7.7Hz)、
8.13(1H、d、J=7.9Hz)、
8.22(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 367 [M+H]+
参考例10 (5,7−cis)−5−アセチルオキシ−8−ヒドロキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリンの合成
氷冷下、参考例9で得られた(5,7−cis)−5−アセチルオキシ−7−メチル−1−オキシ−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン(3320mg、9.06mmol)に無水トリフルオロ酢酸(12mL)をゆっくり滴下した後、10℃で1時間攪拌した。反応液を濃縮し、氷冷下、メタノール(30mL)とトリエチルアミン(2.4mL)を順次ゆっくり加えた。室温で30分間攪拌後、蒸留水(150mL)を加え酢酸エチル(150mL)と分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し減圧濃縮して残渣を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、目的化合物として低極性成分(725mg)、高極性成分(552mg)およびそれらの混合物(1738mg)を得た。
氷冷下、参考例9で得られた(5,7−cis)−5−アセチルオキシ−7−メチル−1−オキシ−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン(3320mg、9.06mmol)に無水トリフルオロ酢酸(12mL)をゆっくり滴下した後、10℃で1時間攪拌した。反応液を濃縮し、氷冷下、メタノール(30mL)とトリエチルアミン(2.4mL)を順次ゆっくり加えた。室温で30分間攪拌後、蒸留水(150mL)を加え酢酸エチル(150mL)と分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し減圧濃縮して残渣を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、目的化合物として低極性成分(725mg)、高極性成分(552mg)およびそれらの混合物(1738mg)を得た。
低極性成分
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.35(3H、d、J=6.6Hz)、
1.68(1H、m)、
2.11(1H、m)、
2.23(3H、s)、
2.39(1H、ddd、J=2.6、6.0、9.0Hz)、
4.29(1H、brs)、
4.63(1H、d、J=10.1Hz)、
6.07(1H、dd、J=6.0、10.6Hz)、
7.68(1H、t、J=7.7Hz)、
7.72(1H、d、J=1.1Hz)、
7.78(1H、d、J=7.7Hz)
8.23(1H、d、J=7.9Hz)、
8.34(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 367 [M+H]+
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.35(3H、d、J=6.6Hz)、
1.68(1H、m)、
2.11(1H、m)、
2.23(3H、s)、
2.39(1H、ddd、J=2.6、6.0、9.0Hz)、
4.29(1H、brs)、
4.63(1H、d、J=10.1Hz)、
6.07(1H、dd、J=6.0、10.6Hz)、
7.68(1H、t、J=7.7Hz)、
7.72(1H、d、J=1.1Hz)、
7.78(1H、d、J=7.7Hz)
8.23(1H、d、J=7.9Hz)、
8.34(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 367 [M+H]+
高極性成分
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.26(3H、d、J=7.0Hz)、
2.06(1H、m)、
2.14−2.24(2H、m)、
2.24(3H、s)、
5.04(1H、d、J=3.7Hz)、
6.00(1H、dd、J=6.4、9.9Hz)、
7.66(1H、t、J=7.7Hz)、
7.75(1H、s)、
7.77(1H、d、J=7.1Hz)、
8.22(1H、d、J=7.7Hz)、
8.32(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 367 [M+H]+
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.26(3H、d、J=7.0Hz)、
2.06(1H、m)、
2.14−2.24(2H、m)、
2.24(3H、s)、
5.04(1H、d、J=3.7Hz)、
6.00(1H、dd、J=6.4、9.9Hz)、
7.66(1H、t、J=7.7Hz)、
7.75(1H、s)、
7.77(1H、d、J=7.1Hz)、
8.22(1H、d、J=7.7Hz)、
8.32(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 367 [M+H]+
参考例11 5−アセチルオキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6−ジヒドロシンノリンの合成
参考例10で得られた(5,7−cis)−5−アセチルオキシ−8−ヒドロキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン(734mg、2.0mmol)のテトラヒドロフラン(8mL)溶液に窒素雰囲気下、Burgess試薬〔(メトキシカルボニルスルファモイル)トリエチルアンモニウムヒドロキシド、525mg、2.2mmol〕のテトラヒドロフラン(4mL)溶液を10分間で加え、55℃で16時間反応した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(30mL)と蒸留水(30mL)を加え分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し減圧濃縮して目的の粗化合物を(878mg)得た。本化合物は精製すること無く次の反応に用いた。
MS(ESI,POS)
m/z 349 [M+H]+
参考例10で得られた(5,7−cis)−5−アセチルオキシ−8−ヒドロキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン(734mg、2.0mmol)のテトラヒドロフラン(8mL)溶液に窒素雰囲気下、Burgess試薬〔(メトキシカルボニルスルファモイル)トリエチルアンモニウムヒドロキシド、525mg、2.2mmol〕のテトラヒドロフラン(4mL)溶液を10分間で加え、55℃で16時間反応した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(30mL)と蒸留水(30mL)を加え分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し減圧濃縮して目的の粗化合物を(878mg)得た。本化合物は精製すること無く次の反応に用いた。
MS(ESI,POS)
m/z 349 [M+H]+
参考例12 5−アセチルオキシ−7−ブロモ−8−ヒドロキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラドロシンノリンの合成
氷冷下、参考例11で得られた5−アセチルオキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6−ジヒドロシンノリン(878mg)のテトラヒドロフラン(80mL)溶液に窒素雰囲気下、蒸留水(20mL)、N−ブロモアセトアミド(276mg、2.0mmol)と濃塩酸(10滴)を加え攪拌した。1時間後にN−ブロモアセトアミド(332mg、2.4mmol)と濃塩酸(10滴)を再び加え5時間、攪拌した。反応液に酢酸エチル(80mL)、蒸留水(20mL)および飽和重曹水(20mL)を加え分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し減圧濃縮して残渣を得た。これを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し目的化合物を(475mg)を得た。
MS(ESI,POS)
m/z 447 [M+H]+
氷冷下、参考例11で得られた5−アセチルオキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6−ジヒドロシンノリン(878mg)のテトラヒドロフラン(80mL)溶液に窒素雰囲気下、蒸留水(20mL)、N−ブロモアセトアミド(276mg、2.0mmol)と濃塩酸(10滴)を加え攪拌した。1時間後にN−ブロモアセトアミド(332mg、2.4mmol)と濃塩酸(10滴)を再び加え5時間、攪拌した。反応液に酢酸エチル(80mL)、蒸留水(20mL)および飽和重曹水(20mL)を加え分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し減圧濃縮して残渣を得た。これを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し目的化合物を(475mg)を得た。
MS(ESI,POS)
m/z 447 [M+H]+
参考例13 7,8−エポキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラドロシンノリン−5−オールの合成
氷冷下、参考例12で得られた5−アセチルオキシ−7−ブロモ−8−ヒドロキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラドロシンノリン(475mg)のテトラヒドロフラン(18mL)溶液に窒素雰囲気下、ナトリウムメトキシド(116mg、2.14mmol)を加え攪拌した。1.5時間後、反応液にナトリウムメトキシド(100mg、1.80mmol)を再び加え、更に20分攪拌した。反応液に酢酸エチル(20mL)、蒸留水(20mL)を加え1規定の塩酸で水層がpH7.5になるよう調整した後、分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し減圧濃縮して残渣を得た。これを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=30/1)で精製し、目的化合物として高極性成分(28mg、0.08mmol)と低極性成分(42mg、0.13mmol)を得た。
氷冷下、参考例12で得られた5−アセチルオキシ−7−ブロモ−8−ヒドロキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラドロシンノリン(475mg)のテトラヒドロフラン(18mL)溶液に窒素雰囲気下、ナトリウムメトキシド(116mg、2.14mmol)を加え攪拌した。1.5時間後、反応液にナトリウムメトキシド(100mg、1.80mmol)を再び加え、更に20分攪拌した。反応液に酢酸エチル(20mL)、蒸留水(20mL)を加え1規定の塩酸で水層がpH7.5になるよう調整した後、分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し減圧濃縮して残渣を得た。これを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=30/1)で精製し、目的化合物として高極性成分(28mg、0.08mmol)と低極性成分(42mg、0.13mmol)を得た。
低極性成分
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.71(3H、s)、
2.10(1H、dd、J=4.2、15.8Hz)、
2.76(1H、dd、J=6.9、13.9Hz)、
3.30(1H、d、J=12.1Hz、OH)、
4.51(1H、s)、
4.73(1H、dd、J=2.2、11.5Hz)、
7.67(1H、t、J=7.8Hz)、
7.80(1H、d、J=7.7Hz)、
7.83(1H、s)、
8.29(1H、d、J=7.6Hz)、
8.38(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 323 [M+H]+
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.71(3H、s)、
2.10(1H、dd、J=4.2、15.8Hz)、
2.76(1H、dd、J=6.9、13.9Hz)、
3.30(1H、d、J=12.1Hz、OH)、
4.51(1H、s)、
4.73(1H、dd、J=2.2、11.5Hz)、
7.67(1H、t、J=7.8Hz)、
7.80(1H、d、J=7.7Hz)、
7.83(1H、s)、
8.29(1H、d、J=7.6Hz)、
8.38(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 323 [M+H]+
高極性成分
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.64(3H、s)、
1.91(1H、dd,J=11.4、13.9Hz)、
2.75(1H、d、J=7.0、13.9Hz)、
4.35(1H,s)、
5.04(1H、dd、J=6.8、10.8Hz)、
7.66(1H、t、J=7.7Hz)、
7.79(1H、d、J=7.7Hz)、
7.82(1H、s)、
8.30(1H、d、J=7.6Hz)、
8.36(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 323 [M+H]+
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
1.64(3H、s)、
1.91(1H、dd,J=11.4、13.9Hz)、
2.75(1H、d、J=7.0、13.9Hz)、
4.35(1H,s)、
5.04(1H、dd、J=6.8、10.8Hz)、
7.66(1H、t、J=7.7Hz)、
7.79(1H、d、J=7.7Hz)、
7.82(1H、s)、
8.30(1H、d、J=7.6Hz)、
8.36(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 323 [M+H]+
実施例5 7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,7−ジオールの合成(化合物No.12,13)
窒素雰囲気下、−20℃の水素化リチウムアルミニウム(33mg、0.86mmol)のテトラヒドロフラン(12mL)溶液に、参考例13で得られた7,8−エポキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラドロシンノリン−5−オール(232mg、0.72mmol)のテトラヒドロフラン(6mL)溶液を滴下した後、室温で攪拌した。4時間後、氷冷し水素化リチウムアルミニウム(22mg、0.56mmol)を再び加え1時間、室温で攪拌した。氷冷後、1規定塩酸を加え反応をクエンチし、酢酸エチル(100mL)と蒸留水(50mL)を加え分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜酢酸エチル)およびセファデックスLH−20(メタノール)で精製し目的化合物として低極性成分(36mg、化合物No.12)と高極性成分(6.2mg、化合物No.13)を得た。
窒素雰囲気下、−20℃の水素化リチウムアルミニウム(33mg、0.86mmol)のテトラヒドロフラン(12mL)溶液に、参考例13で得られた7,8−エポキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラドロシンノリン−5−オール(232mg、0.72mmol)のテトラヒドロフラン(6mL)溶液を滴下した後、室温で攪拌した。4時間後、氷冷し水素化リチウムアルミニウム(22mg、0.56mmol)を再び加え1時間、室温で攪拌した。氷冷後、1規定塩酸を加え反応をクエンチし、酢酸エチル(100mL)と蒸留水(50mL)を加え分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜酢酸エチル)およびセファデックスLH−20(メタノール)で精製し目的化合物として低極性成分(36mg、化合物No.12)と高極性成分(6.2mg、化合物No.13)を得た。
低極性成分(化合物No.12)
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3:CD3OD=4:1)
1.49(3H、s)、
2.09(1H、dd、J=5.3、14.1Hz)、
2.26(1H、ddd、J=1.8、3.9、13.9Hz)、
3.11(1H、d、J=17.6)、
3.39(1H、dd、J=1.7、17.2Hz)、
4.85(1H、t,J=4.6Hz)、
7.68(1H、t、J=7.9Hz)、
7.76(1H、d、J=7.7Hz)、
8.08(1H、s)、
8.26(1H、d、J=7.7Hz)、
8.34(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3:CD3OD=4:1)
1.49(3H、s)、
2.09(1H、dd、J=5.3、14.1Hz)、
2.26(1H、ddd、J=1.8、3.9、13.9Hz)、
3.11(1H、d、J=17.6)、
3.39(1H、dd、J=1.7、17.2Hz)、
4.85(1H、t,J=4.6Hz)、
7.68(1H、t、J=7.9Hz)、
7.76(1H、d、J=7.7Hz)、
8.08(1H、s)、
8.26(1H、d、J=7.7Hz)、
8.34(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
高極性成分(化合物No.13)
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3:CD3OD=4:1)
1.49(3H、s)、
1.76(1H、dd、J=11.4、13.0Hz)、
2.36(1H、ddd、J=2.4、6.0,8.4Hz)、
3.11(1H、d、J=18.0Hz)、
3.30(1H、dd、J=2.2、18.0Hz)、
5.06(1H、dd、J=6.0、11.2Hz)、
7.67(1H、t、J=7.9Hz)、
7.75(1H、d、J=7.7Hz)、
8.20(1H、s)、
8.27(1H、d、J=7.7Hz)、
8.33(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3:CD3OD=4:1)
1.49(3H、s)、
1.76(1H、dd、J=11.4、13.0Hz)、
2.36(1H、ddd、J=2.4、6.0,8.4Hz)、
3.11(1H、d、J=18.0Hz)、
3.30(1H、dd、J=2.2、18.0Hz)、
5.06(1H、dd、J=6.0、11.2Hz)、
7.67(1H、t、J=7.9Hz)、
7.75(1H、d、J=7.7Hz)、
8.20(1H、s)、
8.27(1H、d、J=7.7Hz)、
8.33(1H、s)
MS(ESI,POS)
m/z 325 [M+H]+
参考例14 3−メトキシメトキシ−5−トリフルオロメチル安息香酸の合成
3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル安息香酸(2.00g、9.70mmol)をジメチルホルムアミド(8mL)に溶解し、氷冷下、ジイソプロピルエチルアミン(5mL、28.7mmol)とメトキシメチルクロリド(2.2mL、29.0mmol)を加え、室温で終夜反応させた。反応液に1規定水酸化ナトリウム水溶液および水酸化ナトリウムを加え、塩基性条件下(pH10以上)で7時間反応させた。反応液に1規定および5規定塩酸と飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、pH8に調整した。酢酸エチルを加え、抽出した有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、蒸留水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、有機層を減圧濃縮し、目的化合物(1.78g、73.5%)を得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
3.44(3H、s)、
5.17(2H、s)、
7.39(1H、s)、
7.81(1H、s)、
7.87(1H、s)
MS(ESI、NEG)
m/z 249 [M−H]−
3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル安息香酸(2.00g、9.70mmol)をジメチルホルムアミド(8mL)に溶解し、氷冷下、ジイソプロピルエチルアミン(5mL、28.7mmol)とメトキシメチルクロリド(2.2mL、29.0mmol)を加え、室温で終夜反応させた。反応液に1規定水酸化ナトリウム水溶液および水酸化ナトリウムを加え、塩基性条件下(pH10以上)で7時間反応させた。反応液に1規定および5規定塩酸と飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、pH8に調整した。酢酸エチルを加え、抽出した有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、蒸留水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、有機層を減圧濃縮し、目的化合物(1.78g、73.5%)を得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
3.44(3H、s)、
5.17(2H、s)、
7.39(1H、s)、
7.81(1H、s)、
7.87(1H、s)
MS(ESI、NEG)
m/z 249 [M−H]−
参考例15 N−メトキシ−3−メトキシメトキシ−N−メチル−5−トリフルオロメチルベンズアミドの合成
参考例14で得られた3−メトキシメトキシ−5−トリフルオロメチル安息香酸(1.44g、5.77mmol)、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(619mg、6.34mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(1.1mL、6.37mmol)を加えた後、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド・n水和物(DMT−MM、2.23g)を加え、室温で終夜反応させた。反応液に蒸留水を加えた後、酢酸エチルを加え有機層を抽出した。抽出した有機層を1規定水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、有機層を減圧濃縮し、目的化合物(1.55g、91.6%)を得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
3.37(3H、s)、
3.49(3H、s)、
3.58(3H、s)、
5.23(2H、s)、
7.37(1H、s)、
7.54(1H、s)、
7.59(1H、s)
MS(ESI、POS)
m/z 294 [M+H]+
参考例14で得られた3−メトキシメトキシ−5−トリフルオロメチル安息香酸(1.44g、5.77mmol)、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(619mg、6.34mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(1.1mL、6.37mmol)を加えた後、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド・n水和物(DMT−MM、2.23g)を加え、室温で終夜反応させた。反応液に蒸留水を加えた後、酢酸エチルを加え有機層を抽出した。抽出した有機層を1規定水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、有機層を減圧濃縮し、目的化合物(1.55g、91.6%)を得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
3.37(3H、s)、
3.49(3H、s)、
3.58(3H、s)、
5.23(2H、s)、
7.37(1H、s)、
7.54(1H、s)、
7.59(1H、s)
MS(ESI、POS)
m/z 294 [M+H]+
参考例16 3−メトキシメトキシ−5−トリフルオロメチルアセトフェノンの合成
アルゴン雰囲気下、参考例15で得られたN−メトキシ−3−メトキシメトキシ−N−メチル−5−トリフルオロメチルベンズアミド(1.55g、5.29mmol)のテトラヒドロフラン(6mL)溶液に、氷冷下、臭化メチルマグネシウム(0.96規定テトラヒドロフラン溶液、6.1mL)を加え、30分反応させた。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルを加え有機層を抽出した。抽出した有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製し目的化合物(1.13g、85.8%)を得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
2.63(3H、s)、
3.50(3H、s)、
5.26(2H、s)、
7.48(1H、s)、
7.78(1H、s)、
7.83(1H、s)
MS(ESI、POS)
m/z 249 [M+H]+
アルゴン雰囲気下、参考例15で得られたN−メトキシ−3−メトキシメトキシ−N−メチル−5−トリフルオロメチルベンズアミド(1.55g、5.29mmol)のテトラヒドロフラン(6mL)溶液に、氷冷下、臭化メチルマグネシウム(0.96規定テトラヒドロフラン溶液、6.1mL)を加え、30分反応させた。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルを加え有機層を抽出した。抽出した有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製し目的化合物(1.13g、85.8%)を得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
2.63(3H、s)、
3.50(3H、s)、
5.26(2H、s)、
7.48(1H、s)、
7.78(1H、s)、
7.83(1H、s)
MS(ESI、POS)
m/z 249 [M+H]+
参考例17 2−ブロモ−3’−メトキシメトキシ−5’−トリフルオロメチルアセトフェノンの合成
参考例16で得られた3−メトキシメトキシ−5−トリフルオロメチルアセトフェノン(1.12g、4.51mmol)のジイソプロピルエーテル(4.5mL)溶液を10℃前後に保ち、臭素(0.32mL、6.33mmol)を20分かけて滴下した後、10℃で2時間反応させた。反応液に氷を投入した後、室温で30分撹拌した。ジイソプロピルエーテルを加え、有機層を抽出した。抽出した有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム=1/1、ヘキサン/酢酸エチル=1/5)で精製し目的化合物(1.24g、96.9%)を得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
4.44(2H、s)、
5.62(1H、s)、
7.35(1H、s)、
7.64(1H、s)、
7.78(1H、s)
MS(ESI、NEG)
m/z 295,297 [M−H]−
参考例16で得られた3−メトキシメトキシ−5−トリフルオロメチルアセトフェノン(1.12g、4.51mmol)のジイソプロピルエーテル(4.5mL)溶液を10℃前後に保ち、臭素(0.32mL、6.33mmol)を20分かけて滴下した後、10℃で2時間反応させた。反応液に氷を投入した後、室温で30分撹拌した。ジイソプロピルエーテルを加え、有機層を抽出した。抽出した有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム=1/1、ヘキサン/酢酸エチル=1/5)で精製し目的化合物(1.24g、96.9%)を得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CDCl3)
4.44(2H、s)、
5.62(1H、s)、
7.35(1H、s)、
7.64(1H、s)、
7.78(1H、s)
MS(ESI、NEG)
m/z 295,297 [M−H]−
参考例18 3−ヒドロキシ−5−メチル−2−[2−オキソ−2−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−エチル]シクロヘキサ−2−エノンの合成
参考例17で得られた2−ブロモ−3’−メトキシメトキシ−5’−トリフルオロメチルアセトフェノン(488mg、1.73mmol)および5−メチル−1,3−シクロヘキサンジオン(218mg、1.73mmol)のクロロホルム(3.5mL)溶液に、氷冷下、炭酸カリウム(359mg、2.60mmol)を加え、室温で3時間半反応させた。反応液に蒸留水を加えた後、1規定塩酸を加えpH1に調整した。酢酸エチル(50mL)とクロロホルム(10mL)を加え、有機層を抽出した。抽出した有機層を蒸留水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣に酢酸エチル(2mL)およびヘキサン(4mL)を加え室温で終夜懸濁撹拌を行った。結晶を濾取して目的の化合物(295mg、52.0%)を得た。
MS(ESI、POS)
m/z 329 [M+H]+
参考例17で得られた2−ブロモ−3’−メトキシメトキシ−5’−トリフルオロメチルアセトフェノン(488mg、1.73mmol)および5−メチル−1,3−シクロヘキサンジオン(218mg、1.73mmol)のクロロホルム(3.5mL)溶液に、氷冷下、炭酸カリウム(359mg、2.60mmol)を加え、室温で3時間半反応させた。反応液に蒸留水を加えた後、1規定塩酸を加えpH1に調整した。酢酸エチル(50mL)とクロロホルム(10mL)を加え、有機層を抽出した。抽出した有機層を蒸留水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣に酢酸エチル(2mL)およびヘキサン(4mL)を加え室温で終夜懸濁撹拌を行った。結晶を濾取して目的の化合物(295mg、52.0%)を得た。
MS(ESI、POS)
m/z 329 [M+H]+
参考例19 3−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−4,6,7,8−テトラヒドロ−1H−シンノリン−5−オンの合成
参考例18で得られた3−ヒドロキシ−5−メチル−2−[2−オキソ−2−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−エチル]シクロヘキサ−2−エノン(229mg、0.70mmol)のエタノール(3.5mL)溶液にトリエチルアミン(0.195mL、1.40mmol)および塩酸ヒドラジン(73.3mg、0.70mmol)を加え、室温で40分反応させた。反応液を濃縮後、酢酸エチルおよび蒸留水を加え、有機層を抽出した。抽出した有機層を蒸留水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して目的化合物を含む粗生成物(261mg)を得た。
MS(ESI、POS)
m/z 325 [M+H]+
参考例18で得られた3−ヒドロキシ−5−メチル−2−[2−オキソ−2−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−エチル]シクロヘキサ−2−エノン(229mg、0.70mmol)のエタノール(3.5mL)溶液にトリエチルアミン(0.195mL、1.40mmol)および塩酸ヒドラジン(73.3mg、0.70mmol)を加え、室温で40分反応させた。反応液を濃縮後、酢酸エチルおよび蒸留水を加え、有機層を抽出した。抽出した有機層を蒸留水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して目的化合物を含む粗生成物(261mg)を得た。
MS(ESI、POS)
m/z 325 [M+H]+
参考例20 3−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−シンノリン−5−オンの合成
参考例19で得られた粗生成物(261mg)の酢酸(5mL)溶液を、80℃で14時間加熱撹拌した。反応液にトルエン(5mL)を加え減圧濃縮した。得られた残渣に酢酸エチル(1.5mL)を加え、室温で終夜懸濁撹拌を行った。結晶を濾取して目的の化合物(150mg)を得た。
MS(ESI、POS)
m/z 323 [M+H]+
参考例19で得られた粗生成物(261mg)の酢酸(5mL)溶液を、80℃で14時間加熱撹拌した。反応液にトルエン(5mL)を加え減圧濃縮した。得られた残渣に酢酸エチル(1.5mL)を加え、室温で終夜懸濁撹拌を行った。結晶を濾取して目的の化合物(150mg)を得た。
MS(ESI、POS)
m/z 323 [M+H]+
実施例6 3−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オール(化合物No.9)の合成
3−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−シンノリン−5−オン(100mg、0.31mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、−30℃から−60℃冷却下、リチウムトリ−tert−ブトキシアルミノヒドリド(224mg、0.82mmol)を3回に分けて加え、2時間半反応させた。反応液に1規定塩酸(2.2mL)を加え、室温とした後、蒸留水および酢酸エチルを加え、有機層を抽出した。抽出した有機層を蒸留水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=1/15)で精製し目的化合物(46.8mg、46.6%)を得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、DMSO−d6)
1.13(3H、d、J=6.6Hz)、
1.36(1H、q、J=12.0Hz)、
2.00−2.10(1H、m)、
2.10−2.15(1H、m)、
2.63(1H、dd、J=11.4,17.4Hz)、
3.21(1H、ddd、J=1.5,5.0,17.4Hz)、
4.74(1H、dd、J=5.5,11.0Hz)、
5.83(1H、bs)、
7.19(1H、s)、
7.80(1H、s)、
7.81(1H、s)、
8.16(1H、s)、
10.47(1H、bs)
MS(ESI、POS)
m/z 325 [M+H]+
3−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−シンノリン−5−オン(100mg、0.31mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、−30℃から−60℃冷却下、リチウムトリ−tert−ブトキシアルミノヒドリド(224mg、0.82mmol)を3回に分けて加え、2時間半反応させた。反応液に1規定塩酸(2.2mL)を加え、室温とした後、蒸留水および酢酸エチルを加え、有機層を抽出した。抽出した有機層を蒸留水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、有機層を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=1/15)で精製し目的化合物(46.8mg、46.6%)を得た。
1H−NMR(400MHzFT、TMS、DMSO−d6)
1.13(3H、d、J=6.6Hz)、
1.36(1H、q、J=12.0Hz)、
2.00−2.10(1H、m)、
2.10−2.15(1H、m)、
2.63(1H、dd、J=11.4,17.4Hz)、
3.21(1H、ddd、J=1.5,5.0,17.4Hz)、
4.74(1H、dd、J=5.5,11.0Hz)、
5.83(1H、bs)、
7.19(1H、s)、
7.80(1H、s)、
7.81(1H、s)、
8.16(1H、s)、
10.47(1H、bs)
MS(ESI、POS)
m/z 325 [M+H]+
実施例7 7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,6,7−トリオールの調製(化合物No.18)
特許文献2に記載の方法で調製される(5S,7S)−5−(3−カルボキシプロパノイル)オキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリンを0.5%CMC(カルボキシメチルセルロース)溶液に懸濁させ、SD系雌性ラット(日本チャールスリバー(株)より購入)100匹に投与量100mg/kgで1日1回又は2回で25日間経口投与した。投与後24時間で排泄予測される尿量(約10mL/匹)と等量の0.1Mリン酸二水素ナトリウムを加えた容器への自然排泄尿を回収した。得られた尿試料のうち約15Lを用いて、倍量のジエチルエーテル/ヘキサン混液(7:3)を加えて20分間攪拌し有機層を採取した。この抽出操作を二回行った。有機層を集め溶媒を留去後、アセトニトリルで再溶解し、別の容器に移してアセトニトリルを留去した。得られた抽出物をメタノールで再溶解後、等量の超純水を加えて50%メタノール溶液にし、全量の1/1000の酢酸を添加し加圧ろ過後得られた溶液をLCの注入試料とした。LC/MS(LCMS−QP8000αシリーズ,(株)島津製作所)を用いて目的物質のプロトン化分子イオンおよびUV210nmのクロマトグラムをモニタリングして分取を行ない、分取後分画の溶媒を留去し、目的物質約22mgを得た。
特許文献2に記載の方法で調製される(5S,7S)−5−(3−カルボキシプロパノイル)オキシ−7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリンを0.5%CMC(カルボキシメチルセルロース)溶液に懸濁させ、SD系雌性ラット(日本チャールスリバー(株)より購入)100匹に投与量100mg/kgで1日1回又は2回で25日間経口投与した。投与後24時間で排泄予測される尿量(約10mL/匹)と等量の0.1Mリン酸二水素ナトリウムを加えた容器への自然排泄尿を回収した。得られた尿試料のうち約15Lを用いて、倍量のジエチルエーテル/ヘキサン混液(7:3)を加えて20分間攪拌し有機層を採取した。この抽出操作を二回行った。有機層を集め溶媒を留去後、アセトニトリルで再溶解し、別の容器に移してアセトニトリルを留去した。得られた抽出物をメタノールで再溶解後、等量の超純水を加えて50%メタノール溶液にし、全量の1/1000の酢酸を添加し加圧ろ過後得られた溶液をLCの注入試料とした。LC/MS(LCMS−QP8000αシリーズ,(株)島津製作所)を用いて目的物質のプロトン化分子イオンおよびUV210nmのクロマトグラムをモニタリングして分取を行ない、分取後分画の溶媒を留去し、目的物質約22mgを得た。
[LC条件]
分析カラム:CAPCELL PAK C18 MG II (20mmi.d.×150mm,5μm,(株)資生堂)
ガードカラム:PREP Guard Cartridge,ODS−3 Inertsil
移動相A:超純水/酢酸(1000:1)混液
移動相B:アセトニトリル/酢酸(1000:1)混液
グラジェント:
時間(分) 0.0 95.0 96.0 105.0 106.0 120.0
B濃度(%) 10 35 90 90 10 Stop
流速:10.0mL/分
試料注入量:4mL
試料注入間隔:120分/試料
分析カラム:CAPCELL PAK C18 MG II (20mmi.d.×150mm,5μm,(株)資生堂)
ガードカラム:PREP Guard Cartridge,ODS−3 Inertsil
移動相A:超純水/酢酸(1000:1)混液
移動相B:アセトニトリル/酢酸(1000:1)混液
グラジェント:
時間(分) 0.0 95.0 96.0 105.0 106.0 120.0
B濃度(%) 10 35 90 90 10 Stop
流速:10.0mL/分
試料注入量:4mL
試料注入間隔:120分/試料
1H−NMR(400MHzFT、TMS、CD3OD)
1.50(3H、s)、
3.09(1H、d、J=17.9Hz)、
3.29(1H、d、J=17.9Hz)、
3.29−3.33(1H、m)、
5.10(1H、d、J=3.5Hz)、
7.71−7.79(1H、m)、
7.79−7.85(1H、m)、
8.27−8.35(1H、m)、
8.40(1H、s)
m/z 341 [M+H]+
1.50(3H、s)、
3.09(1H、d、J=17.9Hz)、
3.29(1H、d、J=17.9Hz)、
3.29−3.33(1H、m)、
5.10(1H、d、J=3.5Hz)、
7.71−7.79(1H、m)、
7.79−7.85(1H、m)、
8.27−8.35(1H、m)、
8.40(1H、s)
m/z 341 [M+H]+
[試験例] 乳癌細胞MCF−7に対するin vitro抗腫瘍効果
2000個の乳癌細胞MCF−7を10%血清添加のRPMI 1640培地(旭テクノグラス社)を用い96穴プレートに播種した。細胞を37℃、5%CO2/95%Airの条件下で24時間培養後、実施例1の低極性成分(化合物No.1)、実施例3の低極性成分(化合物No.5)、実施例6(化合物No.9)、実施例5の高極性成分(化合物No.13)および実施例7(化合物No.18)の各化合物を添加し、更に3日間培養した。細胞を0.05%のMethylene Blue溶液で染色し、660nMの吸光度をマイクロプレートリーダー(Benchmark Plus・BIO RAD製)で測定した。増殖抑制率は下記式で求め、用量反応曲線から50%細胞増殖阻害濃度を求め、表2に示す。
増殖抑制率=(対照群の吸光度−薬剤添加群の吸光度)÷対照群の吸光度×100
2000個の乳癌細胞MCF−7を10%血清添加のRPMI 1640培地(旭テクノグラス社)を用い96穴プレートに播種した。細胞を37℃、5%CO2/95%Airの条件下で24時間培養後、実施例1の低極性成分(化合物No.1)、実施例3の低極性成分(化合物No.5)、実施例6(化合物No.9)、実施例5の高極性成分(化合物No.13)および実施例7(化合物No.18)の各化合物を添加し、更に3日間培養した。細胞を0.05%のMethylene Blue溶液で染色し、660nMの吸光度をマイクロプレートリーダー(Benchmark Plus・BIO RAD製)で測定した。増殖抑制率は下記式で求め、用量反応曲線から50%細胞増殖阻害濃度を求め、表2に示す。
増殖抑制率=(対照群の吸光度−薬剤添加群の吸光度)÷対照群の吸光度×100
表2から明らかなように、本発明の化合物No.1、5、9、13および18は乳癌細胞の増殖を抑制する抗腫瘍作用を示すことが証明された。
[試験例2]
4種の乳癌細胞MCF−7、SK−BR−3、H460およびHs0578Tと1種の肺癌細胞T−47Dに対するin vitro抗腫瘍効果
2000個のMCF−7、6000個のSK−BR−3,1500個のH460,3000個のHs0578T、4000個のT−47Dの各乳癌細胞を10%血清添加のRPMI 1640培地(旭テクノグラス社)を用い96穴プレートに播種した。各細胞を37℃、5%CO2/95%Airの条件下で24時間培養後、実施例6(化合物No.9)の化合物を添加し、更に3日間培養した。細胞を0.05%のMethylene Blue溶液で染色し、660nMの吸光度をマイクロプレートリーダー(Benchmark Plus、BIO RAD製)で測定した。増殖抑制率は下記式で求め、用量反応曲線から50%細胞増殖阻害濃度を求め、表3に示す。
増殖抑制率=(対照群の吸光度−薬剤添加群の吸光度)÷対照群の吸光度×100
4種の乳癌細胞MCF−7、SK−BR−3、H460およびHs0578Tと1種の肺癌細胞T−47Dに対するin vitro抗腫瘍効果
2000個のMCF−7、6000個のSK−BR−3,1500個のH460,3000個のHs0578T、4000個のT−47Dの各乳癌細胞を10%血清添加のRPMI 1640培地(旭テクノグラス社)を用い96穴プレートに播種した。各細胞を37℃、5%CO2/95%Airの条件下で24時間培養後、実施例6(化合物No.9)の化合物を添加し、更に3日間培養した。細胞を0.05%のMethylene Blue溶液で染色し、660nMの吸光度をマイクロプレートリーダー(Benchmark Plus、BIO RAD製)で測定した。増殖抑制率は下記式で求め、用量反応曲線から50%細胞増殖阻害濃度を求め、表3に示す。
増殖抑制率=(対照群の吸光度−薬剤添加群の吸光度)÷対照群の吸光度×100
表3から明らかなように、実施例6(化合物No.9)の化合物は4種の乳癌細胞および1種の肺癌細胞の増殖を抑制する抗腫瘍効果を有している。
Claims (7)
- X1が水酸基、X2からX6が各々独立に水素原子若しくは水酸基である請求項1記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩。
- X1が水素原子、X2が水酸基、X3からX6が各々独立に水素原子若しくは水酸基である請求項1記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩。
- X1およびX2が水素原子、X3からX5の少なくとも一つの基が水酸基である請求項1記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩。
- 一般式(1)で表される化合物が
3−(3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5−オール
7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−4,5−ジオール
7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,6−ジオール
7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,7−ジオール
7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,8−ジオール
7−メチル−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロシンノリン−5,6,7−トリオール
である請求項1記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩を有効成分とする細胞増殖阻害剤。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のトリフルオロメチルフェニルテトラヒドロシンノリン誘導体又はその生理学的に許容される塩を有効成分とする抗腫瘍剤。
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