JP2010070333A - 鉄塔の昇降装置 - Google Patents

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一樹 石井
Kazuhiro Kogo
一博 向後
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Abstract

【課題】基地局の鉄塔に設けられるレールを電動で昇降する装置を提供する。
【解決手段】鉄塔の梯子の近傍に設けられるI型レール6に装着される昇降装置10は、フレーム100にとりつけられる歯付プーリ110,112を有し、歯付きベルト120がかけ渡される。一方のプーリは減速機を介してモータにより駆動される。レール6のフランジ6aを挟持するガイドローラ装置130,140は昇降装置10をレール6に対して保持し、コイルスプリング182により歯付プーリとベルトはレール6のフランジ面に押圧される。リモートコントローラでモータを制御し、昇降装置10を安全に操作する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば通信用のアンテナ等を装備した鉄塔タイプの基地局、送電又は照明用の鉄塔、発変電所又は工事現場の鉄構、その他高所及び孔内作業現場等に利用される昇降装置に関する。
鉄塔タイプの基地局にあっては、最上部にアンテナ等の機器が装備されており、作業員はこの鉄塔に登って保守・点検をする必要がある。
作業員は、各種の工具の他に、交換用の部品、計測機器等を鉄塔上部に持ち上げる必要があり、重労働の作業が要求される。
送電線用の鉄塔でも同様な作業が必要となり、下記の特許文献は、動力を利用した昇降装置を開示している。
特開平10−338480号公報 特開平8−199956号公報 特開2003−171092号公報 特開平9−242452号公報
上述した特許文献1〜3は、いずれもラックレールを装備した鉄塔に利用されるものである。また、特許文献4は、バッテリを動力源としてスプロケットをレールに係合させて駆動するものである。
鉄塔タイプの基地局にあっては、垂直に設置される梯子と、梯子に平行に設けられる断面形状がI型のレール(なお、類似のものとしてH型のレールがあるが、本明細書においてはI型のレールと呼称する。)を備える。このレールは、作業員の安全ベルトを案内するためのものである。また、基地局には、100ボルトの商業電源が装備されている。
本発明の目的は、上述した鉄塔タイプの基地局特有の装備を利用した昇降装置を提供するものである。
上述した目的を達成するために、本発明の昇降装置は、基本的な手段として、フレームと、フレームに対して回転自在にとりつけられる1対の歯付プーリと、1対のプーリにかけ渡される円弧歯形歯付きベルトと、一方のプーリを駆動する減速装置付のモータにより構成される駆動装置と、1対のプーリの外側のフレームに対してロッドを介して設けられる1対のガイドローラ装置を備え、
ガイドローラ装置は、レールのフランジの裏側に当接するガイドローラを備え、
ロッドとフレームの間に設けられて駆動装置をレールのフランジに押圧するスプリングを備える。
そして、ガイドローラ装置は、平行するフランジとフランジの中央部を連結する連結板を有するレールの連結板を挟持するクランプローラを備え、1対のプーリの間に配設されてソレノイド駆動によりベルトをレールのフランジ面に押圧する補助ブレーキを備えるものである。
また、フレームの上部と下部に設けられてリモートコントロール端末からの光指令を受光する受光部を備える。
さらに、鉄塔の昇降装置をレールに対して着脱するための着脱装置であって、フレームの下端部を支持するベースと、ベースに対して立設されてガイドローラ装置が係合されるダミーレールと、レールの下端部とダミーレールの上端部を結合する治具を備えるものである。
そして、着脱装置を載置して上下位置が調整可能な調整手段を有する台車を備える。
また、鉄塔は通信用アンテナが装置される基地局用の鉄塔であって、モータは商用電源を動力源とするものである。
本発明は以上の手段を有するので、基地局の鉄塔の保守、点検を行う際に、必要な機材を容易に昇降させることができる。
基地局は、商用電源を備えているので、この商用電源を利用するので、エンジンやバッテリ等の動力源を必要としない。
また、I型のレールの下端部から昇降装置を係合し、離脱させることができ、取扱いも容易であり、作業性が確実に向上するものである。
図1は、本発明を適用する鉄塔タイプの基地局の概要を示す説明図である。
全体を符号1で示す鉄塔タイプの基地局は、鉄塔2を有し、頂部にアンテナ等が搭載されるプラットホーム5が設けられる。鉄塔2の地上には、機器を収容する室3が配設される。
鉄塔2には、プラットホーム5に昇るための梯子4が垂直方向に設置されており、この梯子4に並行して断面I型の鋼製のレール6が固定されている。このレール6は、作業員の安全ベルトを案内するためのものである。
鉄塔2には、一定高さ毎に台場7が設けてあり、作業員の休憩等に利用される。
図2は、本発明の昇降装置の要部を示す正面図、図3、図4は要部の側面図である。
全体を符号10で示す昇降装置は、フレーム100に対して回転自在に支持される1対の駆動輪110と従動輪112を備える。この駆動輪110と従動輪112は、スプロケット歯を有する、いわゆる歯付プーリであって、両輪の間にエンドレスの歯付きベルト120がかけ渡され、駆動装置が構成される。歯付きベルト120は、例えばポリウレタン材でつくられ、内周部に突起120aが形成される。
フレーム100には、モータ150と減速機160がとりつけられ、モータ150の出力は減速機160により減速されて駆動輪110に伝達される。
昇降装置10は、図2において、矢印U方向を上向きにして、レール6に案内されて上昇する。この昇降装置10は装置全体をレール6に保持するために、上下2個所にガイドローラ装置130,140を有する。レール6は、平行に配置されるフランジ6a,6bと、フランジ6a,6bの中央を連結する連結板6cを有する、いわゆるI型のレールである。
上部のガイドローラ装置130はI型のレール6のフランジ6aの内側に当接される片側2個のガイドローラ132を備える。図3に示すように、上部のガイドローラ装置130は、片側2個、合計4個のガイドローラ132を有するが、レール6の連結板6cを両側から挟む1対のクランプローラ134を備える。
下部のガイドローラ装置140も同様に、レール6のフランジ6aの内側に当接される片側2個、合計4個のガイドローラ142を有する。そして、レール6の連結板6cを挟持する1対のクランプローラ144を備える。
本発明の昇降装置は、上下2個のガイドローラ装置130,140を備え、I型レール6を確実に把持する。したがって、安全な走行が達成される。
次に、昇降装置の駆動輪110、従動輪112及び歯付きベルト120からなる駆動機構をレール6のフランジ6aの表面に押圧してクランプする構成を説明する。
上部及び下部のガイドローラ装置130,140は、左右2本のロッド180を介してフレーム100に対して支持される。ロッド180の先端にはヘッダ184がとりつけてあり、ヘッダ184とフレーム100の間には、コイルスプリング182が装備される。コイルスプリング182は、ガイドローラ装置130,140を駆動装置側に引き寄せるバネ力を常時発生させる。この構成により、駆動装置はレール6のフランジ6aの表面に確実にクランプされる。なお、コイルスプリング182のバネ力を調節するために、調整ボルト186が設けられ、ヘッダ184をコイルスプリング182側へ押圧する。
フレーム100上には、電装品の制御用基盤170が設けられ、カバー190により機器は覆われる。また、駆動輪110、従動輪112の間の歯付きベルト120の内側には補助ブレーキ200が配置される。
この補助ブレーキ200は、ソレノイドで駆動され、非常時には歯付きベルト120を内側からレール6側に押圧して昇降装置10をロックする。
この昇降装置10は、フレーム100に連結される上部に取手210がとりつけてあって、昇降装置10の運搬を容易にしている。また、フレーム100の下部には、カラビナ220がとりつけてあって、後述する荷物ラックが連結される。
フレーム100の上部には光リモコンの光を受光する上部受光部230が設けられ、下部にも下部受光部240が設けられる。この光リモコン装置を利用して本発明の昇降装置10はリモートコントロールされる。
図5は、昇降装置10に荷物ラック300を連結した状態を示す正面図、図6は側面図である。
昇降装置10は、図示しない商用電源からコードを介して100Vの電圧が供給され、モータ150が駆動される。
昇降装置に対してカラビナ220を介して連結される荷物ラック300は、荷台310と、荷台をレール6に連結する2基のガイドローラ装置320,330を備える。このガイドローラ装置320,330は、それぞれガイドローラ322,324,332,334を備えて、荷台310がレール6を把持した状態で案内する。
この荷台ラックに工具や機材を搭載して安全に鉄塔を昇降することができる。
図1に示すように、操作にあたっては台場7に先に昇った作業員Pがリモコン端末RCを用いて昇降装置10に光指令を送り、昇降装置の昇降動を行う。
図7は、本発明の昇降装置10をレール6に対して着脱する際に使用する着脱装置を示す。
全体を符号500で示す着脱装置は、ベース510とベース510に対して立設されるダミーレール520を有する。ダミーレール520は、レール6と同様の形状を有する。昇降装置10は、ガイドローラ装置130,140がダミーレール520に係合した状態で、フレーム100の下端部101がベース510上に置かれた姿勢で待機する。
レール6の下端部6Eは、地上GLから一定の高さ位置となるように設置されている。
台車600は基台620と、テーブル610を有し、リンク等で構成する高さ位置の調整装置630を備える。基台620は、車輪640を有し、移動可能である。
昇降装置10をレール6にとりつける作業は、昇降装置10を載置した台車をレール6の下部に位置決めし、調整装置630を操作してダミーレール520の上端部をレール6の下端部6Eに正対させる。
次に、治具530を用いて両レール6,520を合わせて、スプリングプランジャ540で固定する。この状態で昇降装置を駆動して昇降させる。昇降装置10はレール6に沿って上昇するので、その後に荷物ラック300をレール6の下端部6Eからレール6に係合させて、昇降装置10のカラビナに連結する。
昇降装置10をレール6から取り外す作業は、上述した作業の逆の手順で行う。
本発明の昇降装置は以上のように、鉄塔に設けられるI型レールに装着されてリモートコントロールで操作されるので、作業性が向上する。また、動力源には基地局に供給されている商用電源を利用するので、エンジンやバッテリを装備する必要がなく、装置を軽量化できる。
装置が軽量であるので、運搬も容易であり、また、着脱装置を備え、レールへの着脱も容易に行うことができる。
なお、上記実施例においては、1対の歯付プーリ(駆動輪110と従動輪112)と歯付きベルト120とにより、主たる駆動系を構成した例を説明したが、ベルト120を省略し1対のプーリをタイヤ構造に置き換えて主たる駆動系を構成することも可能である。
本発明を適用する鉄塔タイプの基地局の概要を示す説明図。 本発明の昇降装置の要部を示す正面図。 本発明の昇降装置の要部を示す側面図。 本発明の昇降装置の要部を示す側面図。 昇降装置に荷物ラックを連結した状態を示す正面図。 昇降装置に荷物ラックを連結した状態を示す側面図。 本発明の昇降装置をレールに対して着脱する際に使用する着脱装置を示す説明図。
符号の説明
1 鉄塔
4 梯子
6 レール
10 昇降装置
100 フレーム
110,112 歯付プーリ
120 歯付きベルト
130,140 ガイドローラ装置
150 モータ
160 減速機
200 補助ブレーキ
300 荷物ラック
500 着脱装置
510 ベース
520 ダミーレール
600 台車

Claims (8)

  1. 鉄塔に設けられる断面がI型のレールに案内されて昇降する昇降装置であって、
    フレームと、フレームに対して回転自在にとりつけられる1対の歯付プーリと、1対のプーリにかけ渡される円弧歯形歯付きベルトと、一方のプーリを駆動する減速装置付のモータにより構成される駆動装置と、1対のプーリの外側のフレームに対してロッドを介して設けられる1対のガイドローラ装置を備え、
    ガイドローラ装置は、レールのフランジの裏側に当接するガイドローラを備え、
    ロッドとフレームの間に設けられて駆動装置をレールのフランジに押圧するスプリングを備える、
    鉄塔の昇降装置。
  2. ガイドローラ装置は、平行するフランジとフランジの中央部を連結する連結板を有するレールの連結板を挟持するクランプローラを備える請求項1記載の鉄塔の昇降装置。
  3. 1対のプーリの間に配設されてソレノイド駆動によりベルトをレールのフランジ面に押圧する補助ブレーキを備える請求項1記載の鉄塔の昇降装置。
  4. フレームの上部と下部に設けられてリモートコントロール端末からの光指令を受光する受光部を備える請求項1記載の鉄塔の昇降装置。
  5. 請求項1記載の鉄塔の昇降装置をレールに対して着脱するための着脱装置であって、
    フレームの下端部を支持するベースと、ベースに対して立設されてガイドローラ装置が係合されるダミーレールと、レールの下端部とダミーレールの上端部を結合する治具を備える着脱装置。
  6. 着脱装置を載置して上下位置が調整可能な調整手段を有する台車を備える請求項5記載の着脱装置。
  7. 鉄塔は通信用アンテナが装置される基地局用の鉄塔であって、モータは商用電源を動力源とする請求項1記載の鉄塔の昇降装置。
  8. 鉄塔に設けられフランジを有するレールに案内されて昇降する昇降装置であって、フレームと、フレームに対して回転自在に取り付けられる駆動系と、駆動系を駆動する減速装置付のモータにより構成される駆動装置と、上記レールのフランジの裏側に当接するガイドローラを備えたガイドローラ装置と、上記フレーム及びガイドローラ装置に対して取り付けられ上記駆動系と上記ガイドローラが上記レールのフランジの両面をそれぞれ押圧付勢するように作用するスプリングを有する付勢手段とを備える鉄塔の昇降装置。
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