JP2010070061A - 車両走行支援装置 - Google Patents

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【課題】走行中の障害物を回避する際に、十分な安全性を確保すると共に、適切な走行支援を行うことができる車両走行支援装置を提供する。
【解決手段】物体領域設定部17が、障害物検出部12及び二輪車判定部13により障害物として二輪車が検出された場合に、障害物の高さに基づいて物体領域Aを設定する。障害物が二輪車の場合は、転倒することによって必要とされる物体領域Aが増大する可能性があるが、障害物の高さに基づいて物体領域Aを設定することによって、転倒の可能性も考慮して安全性を確保することができる。また、障害物の高さに基づいて、転倒の可能性も考慮した必要最低限度の物体領域Aを設定することができるため、必要以上に広い物体領域Aを確保することを防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の走行を支援する車両走行支援装置に関する。
従来、車両の走行支援を行うものとして、例えば特開2007−253745号公報に記載されるように、自車両が走行している道路及び道路の境界部を検出する道路境界検出部と、自車両の前方の道路上に存在する障害物を検出する障害物検出部と、道路の延びる方向と自車両の進行方向が成す姿勢角度、道路上における自車両の位置及び自車両の速度を検出する自車両情報検出部と、自車両情報検出部で検出した自車両情報に基づいて道路上で障害物を回避するための操作量を算出する回避操作量算出部を備えるものが知られている。
特開2007−253745号公報
ここで、オートバイや自転車などの二輪車は、他の障害物に比べて走行時の挙動が不安定でありその予測をすることも困難である。例えば、路面が凍結している場合などは転倒しやすく、また、自転車ではこぎ始めや上り坂道の走行中などに大きな駆動力が必要とされるため車体がふらついて転倒する可能性がある。
二輪車とすれ違う場合、あるいは二輪車を追い越す場面においては、走行支援を行う際に上述のような挙動の不安定性を考慮した横車間距離を確保する必要がある。一方、障害物との接触を考慮して必要以上の横車間距離を確保するような走行支援を行った場合、例えば、道幅が狭くて設定された横車間距離を確保できない道路を走行している際に、二輪車を追い越すような運転制御ができない。このような場合は、設定された横車間距離を確保できるようになるまでの間、二輪車と同じ速度で追従するような制御をしなくてはならず、走行時間が増大してしまう可能性があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、走行中の障害物を回避する際に、十分な安全性を確保すると共に、適切な走行支援を行うことができる車両走行支援装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両走行支援装置は、車両周辺に存在する物体を検出する物体検出手段と、物体の周りに物体領域を設定する物体領域設定手段と、物体領域への進入を回避するように車両の運転制御を行う運転制御手段と、を備え、物体領域設定手段は、物体検出手段により物体として二輪車が検出された場合に、物体の高さに基づいて物体領域を設定することを特徴とする。
この車両走行支援装置では、物体領域設定手段が、物体検出手段により物体として二輪車が検出された場合に、物体の高さに基づいて物体領域を設定している。物体が二輪車の場合は、転倒などによって必要とされる物体領域が増大する可能性があるが、障害物の高さに基づいて物体領域を設定することによって、転倒の可能性も考慮して十分な安全性を確保することができる。また、物体の高さに基づいて設定を行うことによって、転倒の可能性も考慮した必要最低限度の物体領域を確保することができるため、必要以上に大きい物体領域を確保することを防止することができる。以上によって、物体が二輪車であった場合であっても、走行中の物体を回避する際に、十分な安全性を確保すると共に、適切な走行支援を行うことができる。
本発明に係る車両走行支援装置において、物体領域設定手段は、物体検出手段により物体として二輪車が検出された場合に、少なくとも物体の高さを車幅方向に加算して物体領域を設定することが好ましい。これによれば、物体領域の幅を設定する場合に、単に物体の高さを加算するだけの簡単な処理で十分な安全性が確保された物体領域を設定できるため、計算処理の負荷を低減することができる。
本発明に係る車両走行支援装置において、物体領域設定手段は、物体検出手段により物体として二輪車が検出された場合に、物体のふらつき幅に基づいて物体領域を設定することが好ましい。二輪車は他の物体に比べて特にふらつきが生じ易いため、物体のふらつき幅に基づいて物体領域を設定することによって、一層安全性を確保することができる。
本発明に係る車両走行支援装置において、物体領域設定手段は、物体検出手段により物体として二輪車が検出された場合に、物体のふらつき幅の半分の距離を車幅方向に加算して物体領域を設定することが好ましい。これによれば、物体領域を設定する場合に、単にふらつき幅の半分の距離を加算するだけの簡単な処理で十分な安全性が確保された物体領域を設定できるため、計算処理の負荷を低減することができる。
本発明によれば、走行中の障害物を回避する際に、十分な安全性を確保すると共に、適切な走行支援を行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る車両走行支援装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る車両走行支援装置1の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る車両走行支援装置1のブロック構成を示した図である。図1に示すように、車両走行支援装置1は、ECU(Electronic Control Unit)2、撮像部3、GPS装置4、車速センサ6、加速度センサ7、操舵角センサ8、走行駆動部9、及び制動部11を備えている。
撮像部3は、車両前方に存在するオートバイ、自転車などの二輪車や車両や歩行者などの障害物、あるいは自車両が走行している道路の白線の画像など、自車両前方の画像を取得する機能を有するものであり、自車両の前面の中央に取り付けられたCCDカラーカメラ等によって構成される。撮像部3は、撮影した画像情報をECU2へ出力する機能を有する。
GPS装置4は、自車両の現在の走行位置における位置情報や、自車両の走行位置周辺に関する地図情報を取得する機能を有し、例えば、衛星から発信された電波を受信するGPS受信機から構成される。GPS装置4は、取得した位置情報や地図情報をECU2へ出力する機能を有する。
車速センサ6は、自車両速度情報を取得する機能を有し、例えば、車輪に設けられて、車輪の回転数を計測するセンサなどが用いられる。車速センサ6は、取得した自車両速度情報をECU2へ出力する機能を有する。
加速度センサ7は、自車両加速度情報を取得する機能を有し、例えば、圧電素子等を用いて構成された公知のデバイスを利用することができる。加速度センサ7は、取得した自車両加速度情報をECU2へ出力する機能を有する。
操舵角センサ8は、自車両のステアリングシャフトの回転角と回転方向、すなわち操舵角と操舵方向を取得する機能を有し、例えば、ステアリングシャフト内に設けられたロータリーエンコーダなどが用いられる。操舵角センサ8は、取得した操舵角と操舵方向に関する情報をECU2へ出力する機能を有する。
走行駆動部9は、車両の走行駆動を行う機能を有し、例えばスロットルモータやインジェクタなどにより構成される。この走行駆動部9は、ECU2の走行駆動信号を受けて作動し、その走行駆動信号に応じた車両走行駆動を実行する機能を有する。
制動部11は、車両の制動を行う機能を有し、例えばブレーキ油圧を調整する電磁弁やブレーキ油圧を生成するポンプモータにより構成される。この制動部11は、ECU2の制動指令信号を受けて作動し、その制動指令信号に応じた車両制動を実行する機能を有する。
ECU2は、装置全体の制御を行う電子制御ユニットであり、例えばCPUを主体として構成され、ROM、RAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などを備えている。このECU2は、障害物検出部(物体検出手段)12、二輪車判定部13、自車両進路算出部14、二輪車情報取得部16、物体領域設定部(物体領域設定手段)17、横車間距離算出部18、回避判定部19、及び運転制御部(運転制御手段)21を有している。
障害物検出部12は、撮像部3から入力された画像情報に基づいて自車両の前方に存在する障害物(物体)を検出する機能を有している。障害物検出部12は、画像情報を公知の方法で画像処理を行うことによって、障害物を検出することができる。また、障害物検出部12は、検出した障害物に関する情報を二輪車判定部13へ出力する機能を有している。
二輪車判定部13は、撮像部3から入力された画像情報と障害物検出部12から入力された情報に基づき、障害物検出部12で検出された障害物が、オートバイや自転車などの二輪車であるか否かを判定する機能を有している。二輪車判定部13では、検出された車両前方の障害物の画像情報を更に画像処理することによって、二輪車の特徴に基づいて当該障害物が二輪車であるか否かを判定する。また、二輪車判定部13は、判定結果を自車両進路算出部14と、二輪車情報取得部16と、物体領域設定部17と、横車間距離算出部18と、回避判定部19とへ出力する機能を有している。
二輪車情報取得部16は、撮像部3から入力された画像情報に基づいて、検出した自車両前方の二輪車のふらつき幅や、障害物の高さ(すなわち二輪車の運転者の頭の頂部の高さ)を取得すると共に、二輪車の走行位置、二輪車の進行方向、及び二輪車の走行速度などを取得する機能を有している。二輪車情報取得部16は、具体的には、撮像部3から入力された画像情報を画像処理して、上述の情報を算出することによって各情報を取得する。二輪車のふらつき幅と高さについての詳細な説明は後述する。この二輪車情報取得部16は、取得した二輪車情報を自車両進路算出部14と、物体領域設定部17と、横車間距離算出部18とに出力する機能を有している。
自車両進路算出部14は、二輪車判定部13によって自車両前方の障害物が二輪車であると判定された場合に、車速センサ6から入力された自車両車速情報、加速度センサ7から入力された自車両加速度情報、操舵角センサ8から入力された操舵角及び操舵方向に関する情報、二輪車情報取得部16から入力された二輪車の走行位置、二輪車の進行方向、二輪車の走行速度、及び撮像部3から入力された画像情報や、GPS装置4から入力された自車両の位置情報や自車両周辺の地図情報に基づいて、障害物として検出された前方の二輪車を回避する場合における自車両の予想進路を地図上で算出する機能を有している。
自車両進路算出部14は、具体的には、前方からの二輪車とすれ違う際や前方の二輪車を追い越す際に、自車両が複数の車線を有している道路を走行している場合は、他の走行車両との関係で車線変更して二輪車を回避するような進路を算出し、あるいは、片側一車線の道路を走行している場合は、道路の中央線からはみ出ないように二輪車を回避するような進路を算出する。自車両進路算出部14は、自車両速度情報、自車両加速度情報、操舵角及び操舵方向に関する情報のみならず、自車両の二輪車の走行位置、二輪車の進行方向、二輪車の走行速度も考慮して予想進路を算出することができる。自車両進路算出部14は、算出した予想進路を横車間距離算出部18、運転制御部21へ出力する機能を有している。
物体領域設定部17は、二輪車情報取得部16から入力された二輪車情報に基づいて、当該二輪車についての物体領域を算出する機能を有している。物体領域は、自車両が二輪車を追い越し又はすれ違う際に、安全性を確保するため進入を回避すべき領域である。物体領域の自車両側の車幅方向の距離を安全領域Sとする。また、物体領域設定部17は、算出した物体領域を回避判定部19へ出力する機能を有している。
ここで、二輪車の物体領域の幅、すなわち安全距離Sについて、図2を参照して説明する。図2は、二輪車の安全距離を示す図であり、車両と二輪車を正面から見た図である。二輪車のふらつき幅とは、例えば、自転車のこぎ始めや上り坂道の走行中などにおいて生じる車体の左右のふらつきの大きさであり、図2に示すように、Δxで示される。このふらつき幅Δxは、撮像部3から入力された画像情報に基づいて算出することができる。本実施形態では、二輪車は中心線から幅方向に均等にふらつくものとし、ふらつき幅Δxが得られた場合、その振幅はΔx/2で与えられるものとする。また、障害物の高さ、すなわち地面から二輪車の運転手Dの頭の頂点までの高さをhとすると、二輪車が車両M側に転倒した場合は、障害物の端部、すなわち運転手の頭の頂点は、転倒位置から幅方向へhの位置に配置されることなる。
車両Mが二輪車の横を通過する際に二輪車が転倒しても、二輪車の運転手Dが車両Mに接触しないようにするために、二輪車の中心線と車両Mの端部との間で確保すべき距離を安全距離Sとすると、この安全距離Sは、少なくとも、二輪車がふらつき幅の車両M側の端部位置で転倒した場合における二輪車の運転手Dの頭の頂点と、転倒前の二輪車の中心線との間の距離であるΔx/2+hよりも大きくなければならない。このように、障害物として検出された二輪車の安全距離の最小値は、S=Δx/2+hと示される。なお、Sは、安全率を考慮してS=Δx/2+hよりも大きい値を任意に設定することができる。
図1へ戻り、横車間距離算出部18は、自車両進路算出部14から入力された自車両の予想進路と二輪車情報取得部16から入力された二輪車の走行位置に基づいて、予想進路を通過する場合における、二輪車の中心線と自車両の二輪車側の端部との間の横車間距離SDを算出する機能を有している。この横車間距離SDは、自車両が予想進路を通過して二輪車と隣接する位置に来た場合における横車間距離によって与えられる(図2参照)。横車間距離算出部18は、算出した横車間距離SDを回避判定部19へ出力する機能を有している。
回避判定部19は、物体領域設定部17から入力された物体領域Aの幅(安全距離S)と、横車間距離算出部18から入力された横車間距離SDとに基づいて、自車両が物体領域Aへ進入しないように二輪車の追い越しやすれ違いができるか否かを判定する機能を有している。回避判定部19は、具体的には、自車両が予想進路を通過して二輪車に隣接した場合における横車間距離SDと、安全距離Sとを比較し、横車間距離SDが安全距離Sよりも大きい場合は、安全に二輪車を回避可能と判定する。この回避判定部19は、判定結果を運転制御部21へ出力する機能を有している。
運転制御部21は、回避判定部19から入力された判定結果に基づいて、自車両進路算出部14から入力された予想進路を通過するように、走行駆動部9及び制動部11に制御信号を出力する機能を有している。運転制御部21は、例えば、二輪車を追い越す場合において、物体領域Aへの進入を回避しながら二輪車を追い越す(回避)することができると判定された場合は、予想進路を通過するように制御信号を出力し、物体領域Aへの進入を回避しながら二輪車を追い越すことができないと判定された場合は、二輪車を回避することなく、二輪車と同じ速度で走行するように制御信号を出力する。
次に、図3を参照して、本実施形態に係る車両走行支援装置1の動作について説明する。図3は、本実施形態に係る車両走行支援装置1における車両走行支援処理を示すフローチャートである。
本実施形態においては、自車両が自動運転モードに設定されている状態で片側一車線の道路を走行しているときに、前方の二輪車を追い越す場合の制御について説明する。この処理は、ECU2において、自動運転を行っている間、所定のタイミングで繰り返し実行される。
図3に示すように、車両走行支援装置1は、障害物の検出処理から処理を開始する(S10)。S10の処理は、障害物検出部12で実行され、撮像部3から入力された画像情報を画像処理することによって、車両前方に存在する障害物を検出する処理である。S10の処理が終了すると、二輪車判定処理へ移行する(S12)。
S12の処理は、二輪車判定部13で実行され、S10で検出された障害物がオートバイや自転車などの二輪車であるか否かを判定する処理である。S12において、検出された障害物が二輪車ではないと判定されると、図3の処理は終了し、再びS10の処理へ戻る。なお、このとき、通常の障害物回避処理を行ってもよい。一方、S12において、検出された障害物が二輪車であると判定されると、二輪車情報取得処理へ移行する(S14)。
S14の処理は、二輪車情報取得部16で実行され、撮像部3から入力された画像情報に基づいて、検出した自車両前方の二輪車のふらつき幅や、障害物の高さを取得すると共に、二輪車の走行位置、二輪車の進行方向、及び二輪車の走行速度などを取得する処理である。S14の処理が終了すると、自車両進路算出処理へ移行する(S16)。
S16の処理は、自車両進路算出部14で実行され、車速センサ6から入力された自車両車速情報、加速度センサ7から入力された自車両加速度情報、操舵角センサ8から入力された操舵角及び操舵方向に関する情報、二輪車情報取得部16から入力された二輪車の走行位置、二輪車の進行方向、二輪車の走行速度、及び撮像部3から入力された画像情報や、GPS装置4から入力された自車両の位置情報や自車両周辺の地図情報に基づいて、障害物として検出された前方の二輪車を回避する場合における自車両の予想進路を地図上で算出する処理である。
図4は、二輪車を回避するための予想経路Lを示す図である。S16の処理では、図4に示すように、片側一車線の道路内で二輪車Bを回避するように、予想進路Lを算出する。この予想進路Lは、回避時に中央線Cを超えないような進路とされており、本実施形態では、対向車線を走行する車両との接触を回避するための安全性を考慮し、自車両が二輪車と横並びになったときに、中央線Cから所定間隔を確保できるような経路とする。S16の処理が終了すると、物体領域設定処理へ移行する(S18)。
S18の処理は、物体領域設定部17で実行され、S14で取得した二輪車情報に基づいて、障害物として検出された二輪車についての物体領域Aを算出する処理である。本実施形態では、物体領域Aの幅として、二輪車Bの安全距離の最小値を設定するものとする。すなわち、図4に示すように、二輪車Bのふらつき幅をΔxとし、障害物の高さをhとした場合、物体領域Aの自車両側の幅である安全距離Sは、ふらつき幅の半分の距離と障害物の高さhとを加算し、S=Δx/2+hで与えられる。なお、本実施形態において、物体領域Aは、二輪車Bの幅方向にのみ設定されるものとする。S18の処理が終了すると、横車間距離算出処理へ移行する(S20)。
S20の処理は、横車間距離算出部18で実行され、S16で算出した自車両の予想進路LとS14で取得した二輪車の走行位置に基づいて、横車間距離SDを算出する処理である。
図5及び図6は、物体領域Aの幅(安全距離S)と横車間距離SDとの関係を示す図である。横車間距離SDは、図5及び図6に示されるように、自車両が予想進路Lを通過して、二輪車と自車両が横並びになったときの、二輪車の中心線と自車両の二輪車側の端部との間の距離で与えられる。S20の処理が終了すると、回避判定処理へ移行する(S22)。
S22の処理は、回避判定部19で実行され、S18で算出した物体領域Aの幅である安全距離Sと、S20で算出した横車間距離SDとに基づいて、自車両が物体領域Aに進入しないように二輪車を回避することができるか否かを判定する処理である。
このS22の処理では、図5に示すように、横車間距離SDが安全距離S以上である場合は、自車両が物体領域Aに進入しないように二輪車を回避することができると判定される。また、図6に示すように、横車間距離SDが安全距離Sよりも小さい場合は、自車両が物体領域Aに進入しないように二輪車を回避することができないと判定される。
S22の処理において、自車両が物体領域Aに進入しないように二輪車を回避することができると判定された場合は、追越制御処理へ移行する(S24)。S24の処理は、運転制御部21で実行され、前方の二輪車を回避するように運転制御を行う処理である。具体的には、S16で算出した予想進路Lを通過するように、走行駆動部9及び制動部11に制御信号を出力する処理である。S24の処理が終了すると、図3の処理は終了し、再びS10の処理へ戻る。
一方、S22の処理において、自車両が物体領域Aに進入しないように二輪車を回避することができないと判定された場合は、追従制御処理へ移行する(S26)。S26の処理は、運転制御部21で実行され、前方の二輪車に追従するように運転制御を行う処理である。具体的には、二輪車と同じ速度で走行するように、走行駆動部9及び制動部11に制御信号を出力する処理である。S26の処理が終了すると、図3の処理は終了し、再びS10の処理へ戻る。
以上のように、本実施形態に係る車両走行支援装置1によれば、物体領域設定部17が、障害物検出部12及び二輪車判定部13により障害物として二輪車が検出された場合に、障害物の高さに基づいて物体領域Aを設定している。障害物が二輪車の場合は、転倒することによって必要とされる物体領域Aが増大する可能性があるが、障害物の高さに基づいて物体領域Aを設定することによって、転倒の可能性も考慮して安全性を確保することができる。また、障害物の高さに基づいて、転倒の可能性も考慮した必要最低限度の物体領域Aを設定することができるため、必要以上に大きい物体領域Aを確保することを防止することができる。以上によって、障害物が二輪車であった場合であっても、走行中の障害物を回避する際に、十分な安全性を確保すると共に、適切な走行支援を行うことができる。
また、本発明に係る車両走行支援装置1において、物体領域設定部17は、障害物検出部12により障害物として二輪車が検出された場合に、物体領域Aの幅に障害物の高さを加算している。これによれば、物体領域Aを設定する場合に、単に障害物の高さを加算させるだけの簡単な処理で十分な安全性が確保された物体領域Aを設定できるため、計算処理の負荷を低減することができる。
また、本発明に係る車両走行支援装置1において、物体領域設定部17は、障害物検出部12により障害物として二輪車が検出された場合に、障害物のふらつき幅Δxに基づいて物体領域Aを設定している。二輪車は他の障害物に比べて特にふらつきが生じ易いため、障害物のふらつき幅Δxに基づいて物体領域Aを設定することによって、一層安全性を確保することができる。
また、本発明に係る車両走行支援装置1において、物体領域設定部17は、障害物検出部12により障害物として二輪車が検出された場合に、物体領域Aの幅に障害物のふらつき幅Δxの半分の距離を加算している。これによれば、物体領域Aを設定する場合に、単にふらつき幅Δxの半分の距離を加算させるだけの簡単な処理で十分な安全性が確保された物体領域Aを設定できるため、計算処理の負荷を低減することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は、必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態では、自動運転モードにしている場合について説明したが、自動運転モードになっている場合のみならず、通常の運転モードにおいて二輪車の回避時に上述のような運転支援制御を行ってもよい。
また、本実施形態では、ふらつき幅Δxの半分の距離と障害物の高さhを単に加算した値を安全距離Sとしたが、これに更に所定距離を加算させたり、所定の安全係数を掛けあわせることによって、更に大きな安全距離を設定してもよい。あるいはふらつき幅を加算させず、障害物の高さhのみに基づいて安全距離を設定してもよい。
また、本実施形態では、物体領域Aを二輪車の幅方向にのみ設定したが、更に、二輪車の前後方向にまで拡大して設定してもよい。また、図5及び図6において長方形状の物体領域Aを設定したが、二輪車を取り囲むような円形状の物体領域を設定してもよい。
本実施形態に係る車両走行支援装置のブロック構成を示した図である。 二輪車の安全距離を示す図であり、車両と二輪車を正面から見た図である。 本実施形態に係る車両走行支援装置における車両走行支援処理を示すフローチャートである。 二輪車を回避するための予想経路を示す図である。 物体領域と横車間距離との関係を示す図である。 物体領域と横車間距離との関係を示す図である。
符号の説明
1…車両走行支援装置、12…障害物検出部(物体検出手段)、17…物体領域設定部(物体領域設定手段)、21…運転制御部(運転制御手段)。

Claims (4)

  1. 車両周辺に存在する物体を検出する物体検出手段と、
    前記物体の周りに物体領域を設定する物体領域設定手段と、
    前記物体領域への進入を回避するように車両の運転制御を行う運転制御手段と、を備え、
    前記物体領域設定手段は、前記物体検出手段により前記物体として二輪車が検出された場合に、前記物体の高さに基づいて前記物体領域を設定することを特徴とする車両走行支援装置。
  2. 前記物体領域設定手段は、前記物体検出手段により前記物体として前記二輪車が検出された場合に、前記物体の高さを車幅方向に加算して前記物体領域を設定することを特徴とする請求項1記載の車両走行支援装置。
  3. 前記物体領域設定手段は、前記物体検出手段により前記物体として前記二輪車が検出された場合に、前記物体のふらつき幅に基づいて前記物体領域を設定することを特徴とする請求項1又は2記載の車両走行支援装置。
  4. 前記物体領域設定手段は、前記物体検出手段により前記物体として前記二輪車が検出された場合に、前記物体のふらつき幅の半分の距離を車幅方向に加算して前記物体領域を設定することを特徴とする請求項3記載の車両走行支援装置。
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