JP2010069849A - 光情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録レーザパワーが約5〜7mWと比較的低い状態であっても、反射率(初期反射率)が高く、高い信号変調度と高いC/N比を有しており、且つ生産性に優れ、記録信号の保存性にも優れた光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】本発明の光情報記録媒体は、レーザ光の照射によって記録マークが形成される記録層を備えた光情報記録媒体であって、前記記録層は、Niおよび/またはCoを合計で20〜50%含むIn−Ni合金、In−Co合金またはIn−Ni−Co合金であり、この記録層に隣接して有機色素材料薄膜が形成されたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光の照射によって記録マークが形成される記録層(光記録層)を備えた光情報記録媒体に関するものである。
光情報記録媒体(光ディスク)は、記録再生方式により、読取り専用型、追記型および書換え型の3種類に大別される。このうち追記型の光ディスクでは、主に、レーザ光を照射し、発生する熱による記録層の物性の変化を利用してデータを記録するものである(例えば、特許文献1)。追記型の光ディスクは、情報の記録はできるが消去や書換えを行なうことはできない。このような特性を利用し、追記型の光ディスクは、データの修正や変更を行うことのない文書ファイルや画像ファイルなどの保存に用いられ、例えば、CD−RやDVD−R等が知られている。
追記型の光ディスクに用いられる記録層材料としては、例えば、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、アゾ系色素等の有機色素材料が知られている。有機色素材料にレーザ光を照射すると、色素の熱吸収によって色素や基板が分解、溶融、蒸発されるなどして記録マークが形成される。
一方、記録層材料として、Te薄膜、Te合金膜、金属多層構造、金属酸化物等の無機材料薄膜を使用し、この薄膜(記録膜)にレーザ光を照射して、局所的に記録マーク(穴、ピットなど)を形成することにより記録を行なう方法(穴開け方式)が提案されている。
穴開け方式によれば、2層以下の無機材料薄膜で記録膜を形成できるため、コストや生産性の点で有利である。しかしながら、穴開け方式では、記録膜である無機材料薄膜の融点以上に温度を高めて穴やピットなどを開けることが必要であり、必然的に高いレーザパワーが要求される。レーザパワーが高くなると、穴やピットなどを開けた部分に、レーザ光の照射によって溶融した膜が水滴状態で残存し易くなる。このような水滴状の溶融膜が存在すると、記録マーク部分の反射率の変化が阻害され、信号の変調度が上がらないという問題がある。
上記の問題を解決するため、種々の記録膜が開示されている。例えば、特許文献2にはBiやInを含む厚さ1〜8nm程度のSn−Cu基合金、特許文献3には、記録特性に優れたSn−Bi合金にSnやBiよりも酸化されやすい被酸化性物質を添加した記録膜が開示されている。また特許文献4には、所定量のNiやCoを含有させたIn合金を記録膜として使用することが提案されている。
特開2005−103896号公報 特開平2−117887号公報 特開2001−180114号公報 特許第4110194号公報
近年、記録情報の高密度化に対応するため、青紫色レーザなどの短波長レーザを用いた光情報記録媒体の技術開発が活発に行なわれている。光情報記録媒体用記録膜に要求される特性としては、記録膜からの反射率を高いレベルで維持しながら、記録レーザパワーが約5〜7mWと低くても記録感度に優れており、更には耐久性にも優れていることが挙げられる。
記録感度の指標としては、例えば、C/N比(carrier to noise ratio、キャリアとノイズの出力レベルの比)が高いこと、変調度が大きいこと、ジッタ値が低いこと、などが挙げられる。高C/N比は、読み取り時の信号が強くバックグラウンドのノイズが小さいことを意味している。低ジッタは、再生信号位置のばらつきが小さいことを意味している。あるいは、信号変調度を指標とする場合は、信号変調度が高いことは、記録信号の強度が大きく、再生安定性が高いことを示している。
こうした要求特性を考慮して、従来の記録層の材料(以下、「記録層材料」と呼ぶことがある)を見た場合に、夫々若干の問題を有している。例えば、有機色素材料を記録層材料として用いた場合には、良好な記録感度を得るためには記録に使用するレーザ光の波長に対して十分な吸収率を確保する必要があり、有機色素材料の吸収端をレーザ波長に近づける結果、記録特性の波長依存性が大きくなり、レーザの固体差による特性の変動が大きくなり易いという問題がある。また再生レーザの波長は、記録レーザの波長と同一であるため、再生安定性の点でも問題のあるものとなる。
一方、無機材料を記録層材料として用いた場合には、記録層材料の微小な変化を利用するものとなり、光学的に変化を増幅させるために層構造が複雑になるため、大型の生産設備が不可欠なものとなる。
In合金やSn合金を記録層として使用する場合には、液相領域を利用して記録を実行するものであるので、再生時のレーザパワーでは記録層材料が融点に達しないため、記録マークの変形の恐れがなく、また記録層に穴を開けることを原理としているので、記録部分と未記録部分の反射率差が大きくなり、記録層のみで十分な変調度が得られるというメリットがある。しかしながら、In合金やSn合金を記録膜として使用する場合には、記録マークを形成するのに比較的高い記録レーザパワーが必要であるという問題がある。
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的は、記録レーザパワーが約5〜7mWと比較的低い状態であっても、反射率(初期反射率)が高く、高い信号変調度と高いC/N比を有しており、且つ生産性に優れ、記録信号の保存性にも優れた光情報記録媒体を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る光情報記録媒体は、レーザ光の照射によって記録マークが形成される記録層を備えた光情報記録媒体であって、前記記録層は、Niおよび/またはCoを20〜50%(「原子%」の意味、化学成分については以下同じ)含むIn−Ni合金、In−Co合金またはIn−Ni−Co合金であり、この記録層に隣接して有機色素材料薄膜が形成されたものである点に要旨を有するものである。
本発明の光情報記録媒体において、記録層の厚みは2〜15nmであることが好ましい。また、本発明の光情報記録媒体の具体的な構成として、基板上に、前記有機色素材料薄膜、前記記録層および透明保護層が、当該記載順に順次積層して形成されたものが挙げられる。
本発明によれば、記録層としてNiおよび/またはCoを合計で20〜50%含むIn−Ni合金、In−Co合金またはIn−Ni−Co合金とすると共に、この記録層に隣接して有機色素材料薄膜を形成する構成としたので、記録レーザパワーが約5〜7mWと比較的低い状態であっても、反射率(初期反射率)が高く、高い信号変調度と高いC/N比を有しており、且つ生産性に優れ、記録信号の保存性にも優れた光情報記録媒体を提供することができた。
本発明者は、上記目的に適う光情報記録媒体を提供するため、様々な角度から検討した。その結果、Inに所定量のNiおよび/またはCoを含むIn−Ni合金、In−Co合金またはIn−Ni−Co合金を記録層材料とし、これに隣接して有機色素材料薄膜を形成した構成とすれば、所期の目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
本明細書において、「記録感度に優れる」とは、後記する実施例の欄で詳述するC/N比と信号変調度を指標とし、約5〜7mWの低い記録レーザパワーであっても、信号変調度が0.5以上(50%以上)と高く、且つ、C/N比が45dB以上と高いものを意味する。以下では、上記のように信号変調度が0.5以上(50%以上)と高いものを、単に「高信号変調度」と呼び、上記のようにC/N比が45dB以上と高いものを、単に「高C/N比」と呼ぶ場合がある。
本発明の光情報記録媒体では、Inに所定量のNiやCoを含むIn−Ni合金、In−Co合金またはIn−Ni−Co合金(以下、これらを総括して「In基合金」と呼ぶことがある)を記録層とし、これに隣接して有機色素材料薄膜を形成した構成としたものである。即ち、In基合金や有機色素材料薄膜は、夫々単独では記録層材料として用いられることは知られており、その場合にはいずれも問題を含むものとなっていたのであるが、これらを組み合わせることによって、予想されない効果が発揮されたのである。
このように記録層に隣接して有機色素材料薄膜を形成した積層構造とすることによって、記録感度を向上させることができる。これは、有機色素材料薄膜と積層したものとすると、In基合金との屈折率差のために、レーザ光の反射率が大きくなり、In基合金からなる記録層単層で得られる反射率を得るために必要な記録層厚さを小さくすることができ、熱容量が低減できるためである。
また、特にIn基合金を記録層とする穴開け方式の記録では、有機色素材料薄膜と記録層の表面エネルギー差を大きく保つことができるため、穴開けが容易となる。
これに対して、記録層に隣接する層として、酸化物や窒化物等の誘電体を選択した場合には、誘電体は有機色素材料に比べて高い熱伝導率を持つことになるので、記録層により吸収されたレーザ光の熱が誘電体層によって拡散され、記録のための必要な熱が十分得られず、記録感度が低下することになる。
本発明の光情報記録媒体においては、In基合金を記録層材料として用いるものである。その理由は低融点で且つ環境負荷が小さい(毒性が低い)からである。記録層の反射率のみに着目すると、InよりもAl、Ag、Cuなどの方がやや優れているが、レーザ光照射による記録マークの形成性はInの方が格段に優れている。これは、Inの融点が約156.6℃であり、Al(融点は約660℃)、Ag(融点は約962℃)、Cu(融点は約1085℃)に比べて格段に低いため、In基合金の薄膜はレーザ光の照射により低温でも容易に溶融もしくは変形し、低いレーザパワーでも優れた記録特性を発揮するためと考えられる。特に本発明の光情報記録媒体では、青紫色レーザを用いる次世代型光ディスクに適用することを主に想定しており、この場合、Al基合金などでは記録マークの形成が困難になる恐れがあるので、In基合金を採用することにした。また、Inは、耐久性に優れていることも知られている。よって、本発明では、Inをベース金属として用いることにした。
また、合金元素として、In中にNiおよび/またはCoを含むIn基合金(In−Ni合金、In−Co合金またはIn−Ni−Co合金)を選択した理由は、Niおよび/またはCoの添加により、Inの上記作用を維持しつつ、Inの欠点(C/N比の低下など)を改善するためである。Inは低融点のため、In単独の純Inを用いると、C/N比が低下し、また記録層が粗く表面平滑性にも劣るため、実用性に劣る。これに対し、In中にNiおよび/またはCoを含む合金を用いれば、In本来の特性を活かしつつ、その欠点である低C/N比や、記録層の表面平滑性不足などを改善することができ、その技術的意義が認められたので、本出願人は先に出願している(前記特許文献4)。
本発明の光情報記録媒体において、記録層材料として用いるIn基合金は、所定量のNiやCoを含有するものである。In基合金中に含有されるNiやCoは、In基合金の表面張力を向上させることによって濡れ性を改善し、更にIn基合金の耐久性の向上に寄与する元素である。このような作用を有効に発揮させるため、NiやCoを20%以上含有させる。但し、過剰に含有させると、融点が上昇して記録感度が悪化するため、これらの含有量(単独または合計)の上限を50%とした(残部は実質的にIn)。記録感度および耐久性の両方を高めるためには、これらの含有量は35%以上、45%以下であることが好ましい。尚、本発明の記録層材料として用いるIn基合金には、必要に応じて、Sn,Bi等を19%以下含有させてもよい。これによって、感度向上やジッタ低減の効果が得られる。
本発明の光情報記録媒体においては、記録層の厚さは、2〜15nm程度であることが好ましい。換言すれば、上記構成を採用することによって、記録層の厚さを比較的薄くしても良好な特性が得られるものとなる。記録層の厚さが2nm未満では、十分な反射率を得ることが難しくなり、15nmを超えると、記録層の熱容量が大きくなるため、記録感度が低下することになる。記録層のより好ましい厚さは、3nm以上、12nm以下である。
本発明に用いられるIn基合金薄膜は、例えば、スパッタリング法、蒸着法などによって成膜することができるが、スパッタリング法が好ましい。本発明で用いるIn以外の合金元素(Niおよび/またはCo)は、熱平衡状態ではInに対し固有の固溶限を有しているが、スパッタリング法によって薄膜を形成すると、上記合金元素がInマトリックス中に均一に分散するので、膜質が均質化し、安定した光学特性や耐環境性などが得られ易いからである。またスパッタリング法に使用するスパッタリングターゲットは、合金ターゲットを用いることが望ましい。
上記記録層を形成するために用いるスパッタリングターゲットの組成は、基本的に、前述した記録層に用いられるIn−Ni合金、In−Co合金またはIn−Ni−Co合金の組成と同じであり、このようなスパッタリングターゲットを用いることにより、スパッタリングによって成膜される記録層についても、同様の成分組成を容易に実現できる。
本発明の光情報記録媒体は、上記のIn基合金記録層に隣接して、有機色素材料によって薄膜が形成されたものであるが、用いる有機色素材料としては、例えばシアニン系化合物、アゾ系化合物、若しくはその金属錯体化合物等を用いることができる。これらの有機色素材料は、CD−RやDVD−Rで記録層材料として広く用いられており、夫々のCDやDVDのレーザ光波長に合わせた吸収を持つように設計されているが、本発明では色素の光学特性を利用して反射率を向上させるものであるので、記録媒体の反射率、記録信号の変調度を確保するという観点からして、記録層に隣接する有機色素材料薄膜は、記録に使用するレーザ光の波長に対して吸収が小さく、透過率が高いことが好ましく、記録再生レーザ光の波長は有機色素材料薄膜の吸収波長と離れて使用することが好ましい。
上記のような有機色素材料薄膜は、例えば有機色素材料を有機溶媒に溶解し、スピンコート法により塗布することによって容易に形成することができる。このとき用いる有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、テトラフルオロプロパノール、ジクロルエタン、ベンゼン等が挙げられる。
上記のようにして形成される有機色素材料薄膜の厚さは、2〜20nm程度であることが好ましい。有機色素材料薄膜の厚さが2nm未満では、感度向上の効果が十分でなく、20nmを超えるとノイズ上昇が顕著となる。有機色素材料薄膜のより好ましい厚さは、2nm以上、10nm以下である。
本発明の光情報記録媒体の構成としては、上記のような記録層、およびこの記録層に隣接して形成される有機色素材料薄膜以外については、通常の光情報記録媒体の構成を有しておれば良く、その構成については限定されるものではないが、具体的な構成例としては、案内溝を持つ基板上に、前記有機色素材料薄膜、前記記録層および透明保護層が、当該記載順に順次(基板側から透明保護層になるにつれて)積層して形成されたものが挙げられる。また必要によって、反射率の調整のために、有機色素材料薄膜と基板との間に、Ag,Al若しくはこれらの合金からなる反射層を形成することもできる。
こうした構成の光情報記録媒体に表面側(透明保護層側)から記録再生レーザを入射することで、高い反射率を維持しつつ、記録部分の反射率を低下させることができる。また、本発明の光情報記録媒体では、記録層や有機色素材料薄膜は容易に形成できることによって生産性も良好になる。
記録のために照射するレーザ光の波長は、350〜1000nmの範囲であることが好ましい。レーザ光の波長350nm未満では、カバー層(光透過層)などによる光吸収が顕著となり、光記録層への書込み・読出しが困難になる。一方、レーザ光の波長が1000nmを超えて過大になると、レーザ光のスポットサイズが大きくなり、記録密度が低下するため、光記録層への記録マークの形成が困難になる。レーザ光のより好ましい波長は350nm以上、660nm以下であり、更に好ましくは380nm以上、650nm以下である。
尚、本発明の光情報記録媒体で用いる基板の素材としては、湿熱耐久性、機械的耐久性等に優れたものであれば限定されず、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等が好ましい。また、本発明の光情報記録媒体で用いることのある透明保護層の素材としては、光透過性が高く、耐久性の高いものが好ましく、例えばポリカーボネート樹脂、紫外線硬化樹脂等が好ましい。この透明保護層としては、SiO2やSiN等の誘電体や、Ti,Mo等の金属を同時に使用しても良い。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは本発明の技術的範囲に包含される。
[比較例1]
(1)光情報記録媒体の作製法
ポリカーボネート基板(厚さ:1.1mm、トラックピッチ:0.32μm、溝幅:0.18μm、溝深さ:40nmのBD基板)の表面に、DCマグネトロンスパッタリング装置(エリコン社製「Cuber−star」)を用いて、下記条件にてIn−26%Co−12%Ni−4%Sn合金(記録層)を約10nm成膜した。その後、紫外線硬化樹脂(日本化薬社製「BRD−130」)を塗布し、約100μmの透明保護層を形成し、光情報記録媒体を作成した。
(スパッタリング条件)
スパッタガス:Arガス
到達真空度 :1×10-3Pa以下
スパッタガス総圧:0.2Pa
DCスパッタ成膜パワー:0.6kW
スパッタリングターゲット:In−Ni−Co―Sn合金ターゲットを使用
(2)光情報記録媒体の評価法
このようにして得られた光情報記録媒体について、反射率(初期反射率)、ノイズ上昇量、信号強度(C/N比)および信号変調度を、下記の方法で測定した。
(2−1)反射率の測定
光ディスク評価装置(パルステック工業社製「ODU−1000」、記録レーザ波長:405nm、NA(開口数):0.85)を用い、波長:405nmでの反射率を測定した。
(2−2)ノイズ上昇量の測定
反射率の測定に用いたのと同じ光ディスク評価装置、およびスペクトラムアナライザー(アドバンテスト社製「R3131A」)を使用し、周波数:4.12MHzの条件にてノイズ上昇量を測定した。
(2−3)信号強度(C/N比)の測定
上記の光ディスク評価装置、およびスペクトラムアナライザーを使用し、記録レーザパワー(記録パワー):4mW〜7mWの範囲において線速4.92m/sで長さ0.60μmの記録マーク(25GBのBlu−ray Discの8T信号に相当)を繰り返して形成し、再生レーザパワー0.3mWにおける信号読み取り時の4.12MHz周波数成分の信号強度をキャリアC(単位dB)とし、その前後の周波数成分の信号強度のノイズN(単位dB)とし、キャリア/ノイズ(C/N比)比(単位dB)を測定した。
(2−4)信号変調度の測定
上記で用いたのと同じ光ディスク評価装置、およびデジタルオシロスコープ(横河電機社製「DL1640L」)を用い、上記と同様にして記録マークを繰り返して形成し、再生レーザパワー0.3mWにおける信号読み取り時の強度を測定し、以下のようにして信号変調度を算出した。尚、約6〜7mWの記録レーザパワーでの信号変調度が0.5以上のものを合格とした。信号変調度が高いことは、間接的にジッタ値が低いことを意味している。
信号変調度(比)
=(信号強度の最大値−信号強度の最小値)/(信号強度の最大値)
[実施例1]
(1)光情報記録媒体の作製法
比較例1に示したポリカーボネート基板(厚さ:1.1mm、トラックピッチ:0.32μm、溝幅:0.18μm、溝深さ:40nmのBD基板)の表面に、有機色素材料(アゾ系化合物)をスピンコート法によって約20nm形成し、その表面に比較例1と同様にして、In−26%Co−12%Ni−4%Sn合金(記録層)を約10nm成膜した。その後、紫外線硬化樹脂(日本化薬社製「BRD−130」)を塗布し、約100μmの透明保護層を形成し、光情報記録媒体を作製した。
このようにして得られた光情報記録媒体について、反射率(初期反射率)、ノイズ上昇量、信号強度(C/N比)および信号変調度を、比較例1と同様にして評価した。
上記比較例1および実施例1における測定結果を、下記表1に一括して示す。また、これらの結果に基づき、記録パワーとノイズ上昇量の関係を図1に、記録パワーとC/N比の関係を図2に、記録パワーと信号変調度の関係を図3に夫々示す。
Figure 2010069849
これらの結果から、次のように考察できる。即ち、有機色素材料薄膜を記録層の下地層として導入することによって、記録層の膜厚を増加させることなく反射率を向上させることができ、記録感度を低下させずに読み取り時の安定性を向上できることが分かる。また、記録時のノイズ上昇量を抑制できることが分かる(図1)。このため、信号強度であるC/N比を大きくすることができる(図2)。更に、5mWで0.5以上の十分な信号変調度を持ち(図3)、有機色素材料薄膜を導入することで、更に高い信号変調度を確保できることが分かる。
比較例1および実施例1について、記録パワーとノイズ上昇量の関係を示すグラフである。 比較例1および実施例1について、記録パワーとC/N比の関係を示すグラフである。 比較例1および実施例1について、記録パワーと信号変調度の関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. レーザ光の照射によって記録マークが形成される記録層を備えた光情報記録媒体であって、前記記録層は、Niおよび/またはCoを合計で20〜50%(「原子%」の意味、化学成分については以下同じ)含むIn−Ni合金、In−Co合金またはIn−Ni−Co合金であり、この記録層に隣接して有機色素材料薄膜が形成されたものであることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 前記記録層の厚みは2〜15nmである請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 基板上に、前記有機色素材料薄膜、前記記録層および透明保護層が、当該記載順に順次積層して形成されたものである請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
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