JP2010069378A - インクジェット塗工装置およびインクジェットヘッドの評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェットヘッドのノズル先端部に係る劣化の程度を評価する方法を提供し、インクジェットヘッドの交換時期を使用者に適切に報知することが可能なインクジェット塗工装置を提供すること。
【解決手段】基材上の所定の位置に、インクジェットヘッドからインクを吐出して、パターンを形成するインクジェット塗工装置において、ノズル先端部の表面に撥液層を有するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドを少なくとも1つ装着出来るヘッドユニットと、前記基材を搬送するステージと、前記インクジェットヘッドのノズル先端部の表面をクリーニングするクリーニング装置と、ノズル先端部の表面状態を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により得られたノズル先端部の表面画像を処理して、前記インクジェットヘッドの劣化の程度を評価する手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

インクジェット塗工装置に関し、装置メンテナンス性の向上に寄与するインクジェットヘッドの評価方法に関する。
パーソナルコンピューターやデジタルカメラ等の普及により、速く手軽にそれらが持っている情報を被記録媒体に記録する方法として、インクを微粒子化して吐出ノズルの小さな吐出孔から吐出させて被記録媒体に所定の記録を行うようにしたインクジェット記録方式が盛んに使われるようになっている。そしてこのようなインクジェット記録方式を採用した情報記録装置が広く使用されている。
また、インクジェット記録方式は、その記録に用いられるインクジェットヘッドの吐出ノズルより噴出させる記録用材料として、顔料インク等の液状のものはもとより、微細化した固体なども使用することが可能であることや、被記録媒体へ非接触方式で記録が可能であることなどから、紙への記録以外にも大型ディスプレイ部品や電子基板製作等への利用へとその応用範囲が幅広く考えられるようになっている。
さらに、デジタルカメラ等の画像記録装置の記録容量増加にともない、最近はより鮮明な画像を記録することが可能となり、インクジェットヘッドもその画像を鮮明に再現できることが求められてきている。そのためインクジェットヘッドにおいては、その記録に用いられる吐出ノズルの吐出孔やインクを構成する顔料の微細化を進め、さらには吐出量などの制御が劇的に進歩したことで、ピコリットル単位の微細な液滴による高精細な記録が可能となっている。
インクジェットヘッドの吐出ノズルは口径が数ミクロン程度の吐出孔を有しており、その内部には例えば圧電素子が配置され、この圧電素子にパルス電圧を加えてその形状を変形させることにより、インクをその吐出孔より吐出させて記録を行うが、インク滴噴射後、ノズル表面がインクの付着によって汚れてしまうと、引き続き吐出される噴射インクの液滴の直進性が阻害さる。これによりインク着弾位置がずれてしまうことや、終には乾燥したインクが吐出孔を塞いで吐出孔からインクが吐出しなくなること等により、印字品質が低下してしまう。このような傾向は、吐出ノズルの口径が小さくなるほど顕著となっている。
このため、ノズル先端部の表面に撥液層を設け、不要なインクの停留を防ぐことが行われている。撥液層には、例えばフッ素を含む重合体を用い、ディッピング等の方法で均一に塗布される。また、ノズル表面をワイピングにより定期的にクリーニングすることで、ノズル表面を常に一定の状態に保つ方法が広く採用されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、インクジェットヘッドの吐出ノズルの寿命は、吐出液滴の数で数十億drop〜百億dropであることが知られているが、クリーニングによりノズル表面を物理的にワイピングするため、長期間にわたる使用で、クリーニング回数が蓄積してくると、インクジェットヘッドの表面に設けられている撥液層が侵食されてしまい、ノズル表面のインクが十分にワイピングできなくなってしまうことにより、実際はノズルに使用されている圧電素子の劣化より早い時期に性能低下が起こる。これによりノズル表面のインク停留を十分に防げなくなってしまい、印字品質が低下してしまう。
図2は、インクジェットヘッドのノズル先端部の表面の劣化状態を模式的に示す断面図である。インクジェットヘッド1にノズル孔2が配置されている。ノズル孔2の先端部の表面には、ノズル孔を囲む周囲一帯に撥液層3aが形成され、インクの正常な吐出を助けている。しかしながら、繰り返しのワイピングによって正常な撥液層3aが侵食されて、撥液層3bのように何らかのダメージを受けた異常部分を有するようになると、クリーニング後のインクの広がりがそれまで無視できるレベルであったものが、インク4のようにノズル孔先端部の周辺に広がってしまう。そうなると、インク吐出の際に、ノズル孔周囲に広がったインクの影響を受け、吐出インクの直進性が阻害され、印字品質の低下を招く。
印字品質の低下を防ぐためには、基本的にはインクジェットヘッドの交換が必要である。しかし、ヘッドを交換しようとすると、装置の稼働を止める必要があり、ヘッド交換が必要であると判明する時期が急であればあるほど、またヘッドを搭載する装置が大規模になればなるほど、装置の稼働を止める時間が長くなり、生産効率を大幅に低下させる。このため、ヘッドの交換時期をあらかじめ知っておくことが望まれる。
この問題に対する方法として、例えば特許文献2に開示されているように、ヘッドのクリーニング回数をカウントしておき、これとインクジェットヘッドの撥液層のクリーニング耐久回数との比較によって、インクジェットヘッド交換時期を知る方法がある。
しかしながら、この方法による交換時期の報知は、ノズル表面のクリーニング回数と期待されるクリーニング耐久回数との比較によってもたらされるものである。すなわち、ヘッド毎の情報を持っていないため、ヘッドによっては実際にはもっと早く交換が必要であったり、逆にまだ交換する必要のないヘッドに対して交換時期と報知してしまったりなど、不適切な報知が生じてしまう問題がある。
特開2001-199076号公報 特許第3255313号公報
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、インクジェットヘッドのノズル先端部に係る劣化の程度を評価する方法を提供し、インクジェットヘッドの交換時期を使用者に適切に報知することが可能なインクジェット塗工装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、基材上の所定の位置に、インクジェットヘッドからインクを吐出して、パターンを形成するインクジェット塗工装置において、ノズル先端部の表面に撥液層を有するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドを少なくとも1つ装着出来るヘッドユニットと、前記基材を搬送するステージと、前記インクジェットヘッドのノズル先端部の表面をクリーニングするクリーニング装置と、ノズル先端部の表面状態を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により得られたノズル先端部の表面画像を処理して、前記インクジェットヘッドの劣化の程度を評価する手段と、を備えることを特徴としたインクジェット塗工装置である。
さらに請求項2記載の発明は、前記撮像手段を用いて撮像されたノズル先端部の表面画像を二値化することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット塗工装置である。
またさらに、請求項3記載の発明は、前記撮像手段を用いて撮像されたノズル先端部の表面画像の中の所定の範囲のみを二値化することを特徴とする請求項1または2に記載の
インクジェット塗工装置である。
またさらに、請求項4記載の発明は、前記インクジェットヘッドの、ノズル位置を記憶する手段を有することを特徴とした請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット塗工装置である。
またさらに、請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット塗工装置を用いて、前記インクジェットヘッドの劣化の程度を評価するに際して、インクジェットヘッドのノズル先端部の表面に付着しているインクの広がりの大きさを指標とすることを特徴とするインクジェットヘッドの評価方法である。
またさらに、請求項6記載の発明は、前記インクジェットヘッドの交換時期を判断する基準として、前記インクの広がりの大きさを指標とすることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッドの評価方法である。
またさらに、請求項7記載の発明は、請求項6に記載のインクジェットヘッドの評価方法により、前記インクジェットヘッドを交換時期と判断した場合に、使用者に警告として報知する手段を有することを特徴とするインクジェット塗工装置である。
またさらに、請求項8記載の発明は、前記撮像手段が前記クリーニング装置と移動軸を共有することを特徴とする請求項1〜4または請求項7のいずれかに記載のインクジェット塗工装置である。
請求項1の発明によれば、インクジェットヘッドのノズル先端部の表面の状態を撮像する撮像手段により得られた画像を用いて、前記インクジェットヘッドの劣化の程度が評価できるので、ヘッドごとのノズル先端部の表面の状態を捉えることができ、すなわち、ヘッド個体差を早期に把握しておくことができる。その結果、ヘッドの交換時期に至る前に、交換時期を予測することができ、ヘッド交換計画の精度を高める。例えば、インクジェット塗工装置を使った生産計画の中にヘッド交換の項目を組み込むことができるので、生産中の印字品質低下トラブルによるヘッド交換という事態を防止することができ、時間の無駄も不良品の無駄も無くすることができる。
また請求項2の発明によれば、ノズル先端部の画像を二値化することにより、撥液層の劣化の程度が定量的に評価し易くなるばかりでなく、ノズル表面に付着した異物を明確に表すことができるので、ヘッド交換には至らない不具合の回復にも役立つ情報を与えることができる。
また請求項3の発明によれば、撮像手段により得られた画像のうち所定の範囲を二値化することにより、必要な部分のみの二値化画像を得ることができ、二値化処理に要する時間および、必要なリソースを削減することができる。
また請求項4の発明によれば、ヘッドのノズル位置を記憶しておくことにより、使用者がインクジェットヘッドのノズル先端部の表面の撮像したい位置を探さずに済み、作業時間を短縮することができる。また、ヘッド交換に至るまでの繰り返しの撮像と画像処理を伴う評価により、インクジェットヘッドの劣化の程度の変化を緻密に評価することに役立てられる。さらに、ヘッド交換後に、取り外したヘッドの劣化とワイピング工程の詳細との関連を詳細に調査し、今後の改善に生かす上でも、ノズル位置の情報が役立てられる。
また請求項5の発明によれば、インクジェットヘッドの劣化の程度の指標として、イン
クジェットヘッドのノズル先端部の表面に付着したインクの広がりの大きさを用いることで、簡単な基準による評価の標準化が図られる。
また、請求項6の発明によれば、ヘッド交換のタイミングを決める基準として、インクジェットヘッドのノズル先端部の表面に付着したインクの広がりの大きさを用いることで、印字品質が低下する限界を狙った最適のタイミングで、ヘッドを交換する時期を示すことができる。
また、請求項7の発明によれば、一定の基準に基づいてヘッドの交換時期を判断した場合に、その結果を見逃すこと無く確実に伝える手段を装置に備えているので、安定な生産装置として寄与させられる。
また、請求項8の発明によれば、撮像手段がクリーニング装置と移動軸を共有するので、ヘッドクリーニング後にスムーズにノズル先端部表面の撮像に移れることで、装置移動時間の短縮ができること、および撮像手段のために別途移動軸を設ける必要がないため、装置構造の簡素化を図ることができる。
以下に、本発明の装置について、インクジェットカラーフィルタ作製装置を例にとって図を交えて説明する。
図1は、本発明のインクジェット塗工装置の全体配置を模式的に示す概観斜視図である。図中5はインクジェットヘッド1を一個以上装着したヘッドユニットを表す。カラーフィルタを作製するため、R,G,B各色のヘッドが併設されている。ヘッドユニット5はガイドレール(図示しない)に接続されており、図中X軸方向に動作しつつインク液滴を吐出することにより、描画塗工を行う。また、ヘッドユニット5はその位置を検出するためのリニアスケール(図示しない)が備わっており、パルスモータにより、細かい動作が可能である。さらに、ヘッドユニット5はZ軸方向にも動作することにより、ヘッドから吐出される液滴の飛翔距離を調整することも可能である。
また、図中7はインクジェットヘッド1から吐出されるインクにより画像パターンが形成される基材8を固定するためのステージである。ステージ7は、X軸方向およびそれと直行するY軸方向に動作することができ、さらにXY平面はZ軸の周りに回転可能とすることにより、ステージ7の上に置かれた基材8に予め設けられた隔壁パターンとヘッドユニット5の該当する方向を平行にして位置合わせすることができ、ステージ7を駆動系(図示しない)によりY軸方向に動作させることで、上記のヘッドユニット5の動きと合わせて、描画塗工を行うことができる。また、ステージ7のY軸方向の位置を検出するためのリニアスケール(図示しない)が備わっており、パルスモータにより細かい動作が可能である。
また、ステージ7は、図示されていないが吸着機構を備えており、ステージ7に置かれた基材8を固定することが可能である。この基材8上には、上述の隔壁パターン(ブラックマトリクス)が形成されていて、ステージ7がY軸方向に動くことによって、ヘッドユニット5内のインクジェットヘッド1から吐出されるインクを基材8上の隔壁パターン内に選択的に塗工する。
また、図中10は、前記インクジェットヘッド1のノズル先端部の表面をクリーニングするためのクリーニング装置である。クリーニング装置10は、汚れたヘッド表面をワイピングするためのワイピングユニットとして機能するものであり、ヘッドの吐出性回復のために行う液出しのインクを受ける受け皿(図示せず)と、ノズル表面を撮像するための
撮像手段として有するCCDカメラ11とともに、メンテステーション9に設置される。メンテステーション9は、ヘッドユニット5の描画塗工の工程以外のタイミングで、ヘッドユニットの下方をY軸方向に随時動くことにより、ヘッドユニット5に関わる保守機能を総合的に請け負うものである。
なお、本発明の実施形態において、前記撮像手段としてのCCDカメラは前記クリーニング手段としてのワイピングユニットと、メンテステーションを共有し、移動軸を共有するようにすれば、ヘッドクリーニング後、スムーズにノズル表面の撮像に移れるため、工程時間の短縮が図れ、クリーニング手段とは別に撮像手段のために専用の移動軸を設ける必要がないため、装置構造の簡素化を図ることが出来る。
CCDカメラ11は、インクジェットヘッド1のノズル先端部の表面(図では下面)と対向するように、図では上向きに取り付けられている。ノズル先端部の表面撮像の際には、ヘッドユニット5がZ軸方向の最適な位置を取ってX軸方向に動き、CCDカメラ11がY軸方向に動くことによって、各ヘッドのノズル表面を順次撮像することができる。上記の撮像を実施する前に、インクジェットヘッド1のノズル先端部の表面をワイピングによるクリーニングをしておくことにより、均一な条件での撮像を可能にする。なお、撮像手段として、本発明の実施形態においては、CCDカメラを使用するが、これに限定されるものではない。一般に、固体撮像装置が小型軽量で高精細のものを利用しやすいので、本発明の構成要素として適している。
メンテステーション9はY軸方向にパルスモータによって動くことが出来る。後述のメインコントローラ12によってヘッドユニット5をメンテステーション9の上方位置まで動かした後、メンテステーション9をY軸方向に動かすことによって、液出しやワイピング及び、インクジェットヘッド1のノズル先端部の表面の撮像を行うことができる。メンテステーション9による上記の各機能を行う場合に、ヘッドユニット5のX軸方向及びZ軸方向の動きを同期させることは言うまでも無い。また、インクジェットヘッド1のノズル先端部の表面をカメラで撮像するかどうかは使用者が任意に選択でき、例えば、ワイピング回数100回に1回のみ撮像を行うといった設定も可能である。
また、本発明のインクジェット塗工装置は、描画塗工を行う制御手段及び、ヘッドユニット5、ステージ7、メンテステーション9の動作を制御するためのメインコントローラ12を有している。このメインコントローラ12に連結して、ヘッドを駆動制御するためのヘッドパラメータ情報と吐出パターン情報を格納する、インクジェット制御ボード13が設置される。塗工を行う際にインクジェット制御ボード13から各ノズルに吐出パターン情報が転送され、描画を行うことが可能である。図1中の破線で上記の制御/連結関係を示す。
また、メインコントローラ12は、ヘッドユニット5やステージ7、及びメンテステーション9を動かすために、パルスを発生させる装置を有する。これにより使用者がヘッドユニット5やステージ7、メンテステーション9を各軸方向任意の座標に動かすことを可能としている。さらに、任意の位置座標を記憶させておく記憶装置も備えている。使用者はメインコントローラ12を操作することにより、ヘッドユニット5やステージ7、メンテステーション9を作業に最適な座標まで動作させ、各種動作を行う。もちろんこの動作は自動化してもかまわない。
また、メインコントローラ12は、インクジェットヘッド1のノズル先端部の表面をCCDカメラ11で撮像した画像を取り込んで表示するモニタと、取り込んだ画像を二値化し、参照画像と比較する処理部を有している。参照画像としては、ヘッド未使用時に撮像した、ノズル先端部の孔近傍の表面画像を用いる。
使用者はCCDカメラ11で取り込んだ画像について、モニタで確認しながら所定の範囲で二値化を行うことができる。例えば、撮像範囲がヘッドのノズル先端部の孔を3つ含む長大な範囲であるとき、そのうち3つのノズル先端部の孔の近傍のみについて二値化を行う等である。もちろん、撮像範囲すべてを二値化処理することもできる。二値化処理によって、ノズル先端部の孔付近のインク広がりを明確に捕らえることができる。この二値化処理は、市販の画像処理ソフトを組み込んで行っても構わない。
図3は、CCDカメラ11によって撮像された、インクジェットヘッド1のノズル先端部の孔周りのインク広がりの様子を模式的に示す平面図である。図中2がノズル孔を表し、インクジェットヘッド1のノズル先端部の表面には撥液層3があり、ノズル孔2の先端部の回りをインクが取り囲んでいる様子を示す。撥液層3はインクジェットヘッド1のノズル先端部の表面のワイピング回数が蓄積することによって、徐々に侵食される。これによりインクジェットヘッド1のノズル先端部の表面が徐々に撥液性を失うため、ワイピングによるクリーニングを行った後もノズル孔2の先端部の近傍のインクはクリーニングされず、インク広がり14や15として残ってしまう。ワイピング回数が蓄積してくると、最初はインク広がり14と小さかったものが、撥液層の侵食により拡大して、インク広がり15のように大きくなってしまう。
上記のインク広がりの大きさを定量化するために円で近似したものがインク広がりの近似円16である。インク広がりの近似円16の面積を未使用のヘッドのノズル孔面積と比較することで、上記インクジェットヘッドの撥液層に関する劣化の程度を評価することができる。なお、近似円の大きさを直径として比較することも、上記のように面積として比較することも実質的な内容は変わるものではない。さらに、近似円に代えて、二値化したインク広がりの画像の最大径を読み取って、比較することも可能であり、具体的な手段は、上記に限定されるものではない。上記の評価の結果により、ヘッド交換すべきかどうかを使用者に知らせることができる。なお、インク広がりの円近似も、市販の画像処理ソフトを組み込んで行ってかまわない。
なお、本発明のインクジェット塗工装置においては、使用するインクジェットヘッドに配置される各ノズルの配列状態を、記憶情報として保存することができる。ヘッドパラメータ情報の一環としてインクジェット制御ボード13に格納し、メインコントローラ12の働きに対応して随時、その情報を利用する。前記のとおり撮像されたノズル孔2のそれぞれの位置関係を、上記の記憶情報と対応させて、個別のノズル近傍の撥液層に関する劣化の程度を評価することができるので、注目しているノズル近傍の撮像を選択的に速やかに行うことができるだけでなく、ヘッド交換後の不良解析やワイピング工程の解析と改善にも役立てることができる。
本発明のインクジェット塗工装置にインクジェットヘッドの劣化の程度を評価する手段を持たせることは、メインコントローラ12にその制御機構を組み込むことで実施できるが、使用者の判断を制御の途中に随時適用させることもできる。
図4に、本発明におけるヘッド寿命判定を含めたインクジェットヘッドの劣化の程度を評価するためのフロー図を示す。塗工装置で複数回塗工を行った(S2)後、ヘッドユニット5をメンテステーション9の上方に移動させ、ノズルのメンテナンスを行う。具体的にはワイピングによるクリーニングを行う(S3)。メンテナンス後、CCDカメラ11にてノズル孔近傍表面の撮像を行い(S4)、ノズル先端部の表面の様子を画像として得る。得られた画像は、メインコントローラ12で二値化処理を行う(S5)。二値化した画像の、ノズル先端部の表面のインクの広がりを円として近似し、面積を求める(S6)。得られた面積があらかじめ設定した面積(例えば、ノズル孔面積の整数倍)以上(S7)の場合は、撮像したノズルを含むヘッドは交換時期が来ているとして、使用者に警告として報知する(S8)。警告として報知する手段としては、例えば、文字表示、ランプ表示、音声表現等の種々の形態を取れる。ヘッド交換の警告時期に達していなければ、そのまま次の塗工に移る(S2)。警告が出た場合、使用者はヘッド交換をする必要があるかどうかを、改めて判断する(S9)。交換時期だと判断するためのインク広がりの設定面積を小さく設定しておき、広がり面積の設定値越えを意図的に早めに発生させれば(S7)、直ちにはヘッド交換を行わない判断をして(S9)、次の塗工に移ることが出来る(S2)。インク広がり面積をどの程度まで許容するかは、作製するカラーフィルタに要求される着弾精度などにより、使用者が自由に設定できる。
上記の撮像は、当然ながら複数の視野からの情報を順次取り込んで処理するものであるが、必要とするインクジェットヘッドの評価領域は適宜決めれば良い。また、多くの情報の取り扱いについては、評価領域の中で、最大のインク広がり面積を有する部分に注目して、上記の、自由に設定できるインク広がり面積の許容値と較べて判断することが通常であるが、実際の運用においては、種々の処理方法が考えられる。例えば、不良判定のレベルに達しないインク広がりではあるが、その半分の広がりを超えた箇所が多い場合に、その箇所の数を設定して、判定する方法もある。
以下に、本発明の実施例を示す。
実施形態で示した塗工装置を用いて、カラーフィルタの描画塗工、および、インクジェットヘッドのノズル先端部の表面の劣化状態を評価した例を示す。
まず、インクジェット制御ボード13にヘッドを駆動制御するためのヘッドパラメータ情報と吐出パターン情報を格納する。
次いで、ガラス基板をステージ7に配置した上で,メインコントローラ12を操作し、ヘッドユニット5とステージ7を動作させ、カラーフィルタの描画塗工を行う。この動作を100回繰り返した後、ヘッドユニット5をメンテステーション9の上方に移動させ、ヘッドのクリーニングを行う。ヘッドクリーニング後は再びヘッドユニットを動作させ、カラーフィルタ描画塗工を行う。
ヘッドクリーニングを10回行った後、CCDカメラ11にて、ノズル先端部の表面の撮像を行う。なお、ノズル先端部の表面の撮像インターバルは、使用者が自由に設定することが出来る。メインコントローラなどの記憶容量に余裕があれば、撮像するインターバルをもっと短くしても良いし、反対に長くしても構わない。
撮像した画像について、二値化を行い、ノズル表面のインク広がりを円として近似し面積を求める。今回は,撥液層劣化によるインク広がり面積が、ノズル孔面積の9倍を超えていればヘッド交換を判断すべき時期が来ているとして、使用者に通知するように設定した。
以上により、ノズル表面の撥液層の劣化をいち早く知ることができ、着弾がずれるなどの印字品質低下の要因となる現象が起こる前にヘッド交換時期を前もって知ることができるため、ヘッド交換を生産計画の中に組み込むことができ、突然印字品質が低下する事態を防ぐことができた。
本発明のインクジェット塗工装置の全体配置を模式的に示す概観斜視図である。 インクジェットヘッドのノズル先端部の表面の劣化状態を模式的に示す断面図である。 インクジェットヘッドのノズル先端部の孔周りのインク広がりの様子を模式的に示す平面図である。 本発明におけるインクジェットヘッドの劣化の程度を評価するためのフローを示すフロー図である。
符号の説明
1・・・インクジェットヘッド
2・・・ノズル孔
3、3a・・・撥液層
3b・・・撥液層の異常部分
4・・・インク
5・・・ヘッドユニット
7・・・ステージ
8・・・基材
9・・・メンテステーション
10・・・クリーニング装置
11・・・CCDカメラ(撮像手段)
12・・・メインコントローラ
13・・・インクジェット制御ボード
14・・・インク広がり(小)
15・・・インク広がり(大)
16・・・インク広がりの近似円

Claims (8)

  1. 基材上の所定の位置に、インクジェットヘッドからインクを吐出して、パターンを形成するインクジェット塗工装置において、ノズル先端部の表面に撥液層を有するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドを少なくとも1つ装着出来るヘッドユニットと、前記基材を搬送するステージと、前記インクジェットヘッドのノズル先端部の表面をクリーニングするクリーニング装置と、ノズル先端部の表面状態を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により得られたノズル先端部の表面画像を処理して、前記インクジェットヘッドの劣化の程度を評価する手段と、を備えることを特徴としたインクジェット塗工装置。
  2. 前記撮像手段を用いて撮像されたノズル先端部の表面画像を二値化することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット塗工装置。
  3. 前記撮像手段を用いて撮像されたノズル先端部の表面画像の中の所定の範囲のみを二値化することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット塗工装置。
  4. 前記インクジェットヘッドの、ノズル位置を記憶する手段を有することを特徴とした請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット塗工装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット塗工装置を用いて、前記インクジェットヘッドの劣化の程度を評価するに際して、インクジェットヘッドのノズル先端部の表面に付着しているインクの広がりの大きさを指標とすることを特徴とするインクジェットヘッドの評価方法。
  6. 前記インクジェットヘッドの交換時期を判断する基準として、前記インクの広がりの大きさを指標とすることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッドの評価方法。
  7. 請求項6に記載のインクジェットヘッドの評価方法により、前記インクジェットヘッドを交換時期と判断した場合に、使用者に警告として報知する手段を有することを特徴とするインクジェット塗工装置。
  8. 前記撮像手段が前記クリーニング装置と移動軸を共有することを特徴とする請求項1〜4または請求項7のいずれかに記載のインクジェット塗工装置。
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