JP2009220394A - インクジェット吐出検査装置 - Google Patents

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則登 三橋
Junichi Saito
純一 斉藤
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海龍 崔
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英生 淡河
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Abstract

【課題】インクジェット記録装置の吐出ノズルからインクの不正吐出による製品の記録不良が発生することを未然に、効率良く防ぐことを目的として、インクジェットの吐出検査装置を提供する。
【解決手段】インクジェット記録装置の吐出ノズルからのインク予備吐出を行うと同時に吐出検査を行う装置であって、インクジェットヘッドを一つ以上備えたヘッドユニットと、吐出検査用被記録体と、予備吐出されるインクを制御し検査用画像として被記録体上へ吐出制御する画像作成機構と、この被記録体上に記録された検査用画像を光学的に取り込むための画像情報検出部と、取り込まれた画像情報を基準画像情報と比較して両者の異同を解析、検査するための画像情報処理部と、これらの各部の動作を制御するための制御部を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録装置の吐出ノズルのメニスカス(界面張力による液滴の曲面)安定のための予備吐出およびインクの不正吐出を検査するための吐出検査装置に関する。
パーソナルコンピューターやデジタルカメラ等の普及により、早く手軽にそれらが持っている情報を被記録体に記録する方法として、インクを微粒子化して吐出ノズルの小さな吐出孔から吐出させて被記録体に所定の記録を行うようにしたインクジェット記録方式が盛んに使われるようになっている。そして、このようなインクジェット記録方式を採用した情報記録装置が広く使用されている。
また、インクジェット記録方式は、その記録に用いられるインクジェット記録装置の吐出ノズルから噴出させる記録用材料として、顔料インク等の液状のものはもとより、微細化した固体なども使用することが可能であることや、被記録体へ非接触方式で記録が可能であることなどから、紙への記録以外にも大型ディスプレイ部品や電子基板製作等への利用へと、その応用範囲が幅広くなってきている。
さらに、デジタルカメラ等の画像記録装置の記録容量増加にともない、最近はより鮮明な画像を記録することが可能となり、インクジェット記録装置もその画像を鮮明に再現できることが求められてきている。そのため、インクジェット記録装置においては、その記録に用いられる吐出ノズルの吐出孔やインクを構成する顔料の微細化を進め、さらには吐出量などの制御が劇的に進歩したことで、ピコリッターオーダーでの記録が可能となっている。
インクジェット記録装置の吐出ノズルは口径が数ミクロン程度の吐出孔を有しており、その内部には圧電素子あるいはヒーターや振動子が配置され、圧電素子の場合にはパルス電圧を加えてその形状を変形させることにより、インクをその吐出孔より吐出させて記録を行うが、インクを吐出させない状態が長く続くと、吐出孔周辺および吐出ノズル内部ではインクが乾燥してしまうことがある。インクが一部乾燥した状態で被記録体へインクの吐出を行うと、乾燥したインクが妨げとなって目標点へのインクの着弾精度が極端に悪くなって誤った場所に着弾したり、乾燥したインクが吐出孔をふさいで吐出孔からインクが吐出しなくなること等により、不正吐出が発生してしまう。不正吐出には、インクが吐出しなくなる不吐出や、インクが正しい位置に着弾しない位置精度不良のほかにも、インクの吐出量が大きく減少する等の不具合がある。
このような不正吐出の出やすさは、吐出ノズルの口径が小さくなるほど顕著となっている。このため、特に微細化したノズルで高精度の吐出制御を行う場合には、例えば、被記録体へのインク吐出前にインクの予備吐出を行うことによって上述のような不具合を解消している。
予備吐出を行うことである程度不正吐出の発生を防ぐことは可能であるが、確実に不正吐出が無くなるとは限らない。吐出ノズルの劣化や連続使用による乾燥物の固着等、予備吐出では解消されない原因があるからである。
インクジェット記録装置により連続して記録を行っている最中に不正吐出が発生した場合、不正吐出の発生を確認する手段を持っていないと、装置を停止させて点検しなければ
ならなくなり、作業効率を著しく低減させることになる。
従来は、製品となるべき被記録体にインクジェット記録方式により所定の記録を行った後、得られた記録物(製品)そのものを検査し、その結果から不正吐出の発生を検出する方法を取っている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記の不正吐出検出方法においては、不正吐出がなされた吐出ノズルに係る情報を得るため、不正吐出の状態で記録された記録物(製品)を1枚以上作成することになる。そして、たとえ後工程で不良部分を有する製品に修正をかけたとしても不良記録を後から修正することにより、例えばディスプレイ部品として作られるカラーフィルタの場合には、ムラの原因になってしまう。また、その修正に要する時間とコストが余計にかかるため、全体のロスは大きいものとなる。
特開2000−266920号公報
本発明は以上のような状況のもとになされたものであり、インクジェット記録装置の吐出ノズルからインクの不正吐出による製品の記録不良が発生することを未然に、効率良く防ぐことを課題とした、インクジェットの吐出検査装置の提供を目的とする。
以上のような課題を達成するためになされ、請求項1に記載の発明は、インクジェット記録装置の吐出ノズルからのインク予備吐出を行うと同時に吐出検査を行う装置であって、インクジェットヘッドを一つ以上備えたヘッドユニットと、吐出検査用被記録体と、予備吐出されるインクを制御し検査用画像として被記録体上へ吐出制御する画像作成機構と、この被記録体上に記録された検査用画像を光学的に取り込むための画像情報検出部と、取り込まれた画像情報を基準画像情報と比較して両者の異同を解析、検査するための画像情報処理部と、これらの各部の動作を制御するための制御部を少なくとも具備していることを特徴とする吐出検査装置である。
また、請求項2に記載の発明は、前記吐出検査用被記録体として、インクを吸収、乾燥させる受像層を被覆した透明なフィルムを使用することを特徴とする請求項1記載の吐出検査装置である。
また、請求項3に記載の発明は、前記吐出ノズルを具備するヘッドユニットと前記吐出検査用被記録体とを相対的に移動させるための移動手段を備えていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の吐出検査装置である。
さらにまた、請求項4に記載の発明は、前記画像情報処理部は、取り込まれた画像情報より検査用画像の記録に関与した吐出ノズルからの記録ドットの数を計数し、検査用画像の正常状態での記録に関与すべき吐出ノズルからの記録ドットの数と比較し、足りない場合には不正吐出が発生したものと判定する不正吐出検出手段を具備していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吐出検査装置である。
さらにまた、請求項5に記載の発明は、前記画像情報処理部は、取り込まれた画像情報より検査用画像の記録に関与した吐出ノズルからの記録ドット間の距離を測定し、その距離が規定の範囲に収まっていない場合には、不正吐出が発生したものと判定する不正吐出検出手段を具備していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吐出検査装置である。
さらにまた、請求項6に記載の発明は、前記画像情報処理部は、取り込まれた画像情報より検査用画像の記録に関与した吐出ノズルからの記録ドットの透過光濃度または反射光濃度を測定し、その値が規定の範囲に収まっていない場合には、不正吐出が発生したものと判定する不正吐出検出手段を具備していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吐出検査装置である。
さらにまた、請求項7に記載の発明は、前記不正吐出検出手段で不正吐出が発生したものと判定された場合、不正吐出に係る不良な吐出ノズルを検出する不良吐出ノズル検出手段を具備していることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の吐出検査装置である。
さらにまた、請求項8に記載の発明は、前記不正吐出検出手段で不正吐出が発生したものと判定された場合、不正吐出に係る不良な吐出ノズルのノズル番号を表示する不良吐出ノズル番号表示機構を具備していることを特徴とする請求項7に記載の吐出検査装置である。
さらにまた、請求項9に記載の発明は、前記吐出検査装置には吐出ノズルのメンテナンスのための洗浄部を有し、前記不正吐出検出手段で不正吐出が発生したものと判定された場合にノズルのメンテナンスのための洗浄を行い、かつメンテナンス終了後に再度ノズルの吐出検査が行えるようにしたことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の吐出検査装置である。
さらにまた、請求項10に記載の発明は、前記不正吐出検出手段で不正吐出が発生したものと判定された場合、その不正吐出に係る不良吐出ノズルの情報をインクジェットヘッドに入力する画像作成機構にフィードバックして、不正吐出に係る不良吐出ノズルを使用しないように変更されたパターンデータを再作成することを特徴とする請求項7または8のいずれかに記載の吐出検査装置である。
さらにまた、請求項11に記載の発明は、不良吐出ノズルの情報を画像作成機構にフィードバックして再作成されたパターンデータにより記録される画像が不適当であると判断した場合、インクジェット記録装置を停止させる停止手段を具備していることを特徴とする請求項10に記載の吐出検査装置である。
さらにまた、請求項12に記載の発明は、前記制御部は、吐出ノズルによる記録と、画像情報検出部と、画像情報処理部と、洗浄部の動作を少なくとも制御することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の吐出検査装置である。
請求項1に記載の発明によれば、本塗工を行う前に実施する予備吐出を被記録体上に検査用画像として吐出することにより、その検査用画像に含まれる画像情報を解析検査することで吐出ノズルの不正吐出を検出することができるため、予備吐出と吐出検査という不具合発生防止手段と状態確認手段の2工程を一度に行うことが出来、さらに不正吐出による不良記録の発生を未然に防ぐことが可能となる。その結果、ガラス基板等の高価な被記録体を不正吐出に基づく不良な記録によって無駄にすることがなくなり、また、不正吐出による不良記録等の修正を行う必要がなくなり、生産性を向上させ、コストを削減させることが可能となる。また、予備吐出と吐出検査を同時に行うためインクの節約が出来、なおかつ時間の短縮となるためロスを減らすことが出来る。
また、請求項2記載の発明によれば、インクを吸収する受像層が吐出されたインクをすばやく内部に吸収するため、周囲へのインク飛散や舞い上がりを防ぎノズル表面を汚すこ
とを防ぐと共に、速乾性に優れ検査用画像のにじみや広がりが起こらず鮮明な画像として記録される。その結果、検査用画像に正確なノズル情報を残すことが出来る。また、フィルムが透明体であるため、検査用画像を透過光で高コントラストの取り込みができ、誤認を防ぐことが出来る。さらに、被記録体がフィルム状であるため、収納および使用のスペースを最小限に狭めることができ、コンパクトな装置設計が可能となる。
また、請求項3記載の発明によれば、インクジェットヘッドと検査用画像を記録する被記録体が相対的に移動することにより、被記録体上に所定の検査用画像を任意に記録することが可能となる。
さらにまた、請求項4記載の発明によれば、画像情報検出部より取り込まれた画像情報から検査用画像の記録に関与した吐出ノズルの数を記録ドット数として計数し、検査用画像の正常状態での記録に関与すべき吐出ノズルの数と比較し、不足を確認するだけで、正常画像とのマッチング処理等を行わずに、迅速かつ容易に不吐出型の不正吐出の発生を検出することが出来る。
さらにまた、請求項5記載の発明によれば、吐出ノズルからの吐出状態の悪化により目標位置とズレてインクが不正吐出された場合も検出できる。あらかじめ吐出ノズルが記録した個々の記録ドット間の距離をパラメータとして持たせることにより、記録ドットの間隔を測定し、その距離が規定の範囲に納まっていない場合には、着弾位置精度不良型の不正吐出が発生したものと判定するので、ドット数のカウントでは発見されなかった異なるタイプの不良な吐出ノズルを検出することが可能である。
さらにまた、請求項6記載の発明によれば、各記録ドットの透過光濃度または反射光濃度を測定し、これらの光学濃度が規定値よりも低い場合は吐出量が少なくなっている状態であると判断でき、高い場合には吐出ノズルに特殊な異常が発生して吐出量が多くなっていると判断することが可能となるので、吐出量不良型の不正吐出も検出できる。
さらにまた、請求項7記載の発明によれば、不正吐出の発生箇所をオペレータが瞬時に確認でき、不良ノズルの状態を観察する際に容易にその場所を特定できる。
さらにまた、請求項8記載の発明によれば、どのインクジェットヘッドの何番目の吐出ノズルに不正吐出が発生しているかが分かり、その結果をフィードバックパラメータとして使用し、メンテナンスを行う場所や記録データの補正として利用することが出来る。
さらにまた、請求項9記載の発明によれば、吐出ノズルの異常が発見された場合、その異常を自動的に判断し、吐出ノズルのメンテナンスから検査までをラインを停止させることなく実施するため、メンテナンスに係る時間を短縮させることが可能となる。
さらにまた、請求項10記載の発明によれば、不正吐出が行われている吐出ノズルを省いて記録パターンデータを作成することで、高価な吐出ノズルを長期間使用することが可能となり、吐出ノズルの交換により装置を停止させなくても良くなる。
また、請求項11記載の発明によれば、不正吐出が行われている吐出ノズルを省いて記録パターンデータを作成することが通用しない程に、必要なパターンからかけ離れたパターンに変わる場合や、何度メンテナンスを行っても吐出ノズルの吐出状態に改善が見られない場合に、メンテナンスの効果が無いものと判断して装置を停止することでメンテナンスにかかる余計な時間を短縮することが可能となる。
また、請求項12記載の発明によれば、吐出ノズルの検査に関する画像記録、画像取り
込み、検査判定と吐出ノズルのメンテナンスの各工程を円滑に制御して、インクジェット記録装置の円滑な本生産での記録工程に備えることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1に、本発明のインクジェット記録装置におけるインク吐出ノズルの吐出検査装置の概略の構成を示す。図1に示す吐出検査装置は、ヘッドユニット1に設置される吐出ノズルからインクを吐出させて検査用画像を記録させるための吐出検査用被記録体、この場合は受像層フィルム3と、この受像層フィルム3上に記録された検査用画像の情報を光学的に取り込むための画像情報検出部9と、この画像情報検出部9に取り込まれた画像情報を正常な検査用画像が記録された場合に得られる基準画像情報と比較して両者の異同を解析、検査するための画像情報処理部7と、受像層フィルム3を繰出し、巻取りを行うフィルム部11と、これらの動作を制御するための制御部(図示せず)とを少なくとも具備してなるものである。
図中、1はインクジェット記録装置の一部を構成する吐出ノズルを有するヘッドユニットであり、インクジェット記録装置の本生産においても同じヘッドユニット1が本生産のための被記録体(図示せず)にインクジェット記録するものである。本発明の吐出検査装置においては、個々の吐出ノズルからインクを予備吐出させてノズルのメニスカス(界面張力による液滴の曲面)の安定を図るとともに、所定の検査用画像が受像層フィルム3上に記録される。検査用画像はヘッドユニットと接続された画像作成機構(図示せず)でパターン作成されるが、通常は画像作成機構はインクジェット記録装置の本体に組み込まれ、本発明の吐出検査装置にも使用できるように適用領域を拡大すればよい。ヘッドユニット1が具備する吐出ノズルから吐出されたインクによって記録が成される検査用画像記録部10には、受像層フィルム3がフィルム部の巻取り、繰出し動作により移動可能な状態で設置されている。吐出ノズルを具備するヘッドユニット1と受像層フィルムで例示される吐出検査用被記録体3は相対的に移動可能であり、上記のフィルムの巻取り、繰出し動作を与える機構以外にも、ヘッドユニットの機械的な移動も可能である。通常は、移動の方向を各部で異なるように、例えば、フィルムはX方向、ヘッドはY方向に設定する。
受像層フィルム3は、繰出しローラー5より数本のローラーをへて、巻取りローラー6に巻き取られるように設置されており、駆動ローラー12が回転することにより検査用画像記録部10と、画像情報検出部9を通過する。駆動ローラー12の駆動には、例えばサーボモーターを使用することで受像層フィルムの移動量を精密に制御し、画像情報検出部9における画像検出精度を向上させるようにするとよい。繰出しローラーと巻取りローラーはテンションコントローラーを使用することにより、フィルムに一定のテンションをかけ、弛みやヨレをなくし検査用画像の作成や検出精度をさらに向上させることが出来る。ヘッドユニット1の吐出ノズルからインクが受像層フィルム3に向かって吐出され、受像層フィルム3の表面に検査用画像を作成するが、このとき受像層フィルムが弛んだりよれたりしないように、繰出しローラーと巻取りローラーにテンションローラーを使用しており、検査用画像をパターンズレすることなしに受像層フィルム3上へと正確に記録することが可能となっている。
受像層フィルム3としては、一般に市販される通常のものを使用できる。例えば、透明フィルムとしてはPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、受像層としては微細な顔料を均一分散させた塗布層から成るものが使用できるが、使用するインクのタイプ、要求される画像品質、フィルム移動機構の仕様等の条件に応じて、適宜選択すればよい。
検査用画像記録部10において受像層フィルム3上に記録された検査用画像は、駆動ロ
ーラー12により画像情報検出部9のある場所へと移動される。画像情報検出部9では、画像情報検出用のカメラ2が検査用画像を画像情報として取り込み、その画像情報を画像情報処理部7へと転送する。カメラ2が検査用画像の情報を取り込む際は、照明4が点灯して受像層フィルム上に記録された検査用画像を照らすことにより、コントラストが付けられ、検査用画像の形状をはっきりと認識して取り込めるようになっている。照明4を受像層フィルムよりカメラ側に設置したり、または外光のみを利用してカメラ2が画像を取り込むこともできる。また、画像情報の取り込みに当たっては、受像層フィルム3上に記録された検査用画像が複雑かつ微細であっても、画像情報検出部の光学カメラの分解能、視野角等を適正に選択することでさまざまな形態の検査用画像に対応可能である。さらに、検査用画像の情報を取り込むためのカメラ2に走行軸を持たせることにより、カメラを走査させて画像情報を取り込むようにすれば、インクジェット記録装置の吐出ノズルの数が多くなって検査用画像の記録範囲が広くなったとしても、良好に画像情報の取り込みが可能となる。
画像情報検出部9で取り込まれた画像情報は画像情報処理部7へと転送されると、その内部で図2に示すようなフローにより不正吐出の有無を検査する。
すなわち、取り込まれた画像情報より検査用画像の記録に関与した吐出ノズルの数を記録ドット数として計数し、検査用画像の正常状態での記録に関与すべき吐出ノズルの数から期待される記録ドット数と比較し、足りない場合には不吐出型の不正吐出があったものと不正吐出検出手段が判定し、NG判断へと分岐してメンテナンスの実行を判断するための項目に移る。
また、画像情報検出部9より取り込まれた画像情報から検査用画像の記録に関与した吐出ノズルにより記録された個々の記録ドット間の距離を測定し、その距離が規定の範囲に収まっていない場合には、着弾位置精度不良型の不正吐出が発生したものと不正吐出検出手段が判定し、NG判断へと分岐してメンテナンスの実行を判断するための項目に移る。
さらには、画像情報検出部9より取り込まれた画像情報から検査用画像の記録に関与した吐出ノズルにより記録された個々の記録ドットの透過光濃度または反射光濃度といった光学濃度を測定し、規定の濃度が得られていない場合、すなわち予め定められた値以下である場合には、吐出量不良型の不正吐出が発生したものと不正吐出検出手段が判定し、NG判断へと分岐してメンテナンスの実行を判断するための項目に移る。特殊な場合として、光学濃度の上限値を超えて高い場合には、吐出ノズルに特殊な異常が発生して吐出量が多くなっていると判断し、これも一種の吐出量不良型の不正吐出となる。
そして、これらの比較の結果、問題が無い場合は検査終了となり、随時インクジェット記録装置による本生産に移行できるが、ひとつでも問題がある場合はノズルのメンテナンスを行うかどうかを予め決められたルールで選択し、吐出ノズルの洗浄を伴うメンテナンス後は再度吐出検査を行う。なお、これらの判断は自動で行って、次工程へ進めることもできるが、必要に応じて、操作者が決定するように設定しておく場合もある。
メンテナンス終了後の再検査でも不正吐出が発見されるようであれば、不正吐出を行ったノズルをデータより特定し、そのノズルデータを用いて不正吐出に関与した吐出ノズルを使用しないパターンデータを作成し、それに基づいて所望の記録を行うようにする。パターンデータの変更も不可能な場合には、NG処理として一旦は検査終了とするが、オフラインでの吐出ノズルの交換を必要に応じて行う。メンテナンスの回数やメンテナンス動作内容は適宜のものが選択可能である。吐出ノズルのメンテナンスのための洗浄動作の内容としてはウェス洗浄、加圧洗浄、吸引洗浄、粘着フィルム洗浄、アルカリ洗浄等が挙げられる。図示されていないが、上記の洗浄を行うための洗浄部がヘッドユニット1の吐出
ノズルの近傍に配置され、適宜作用させる。
また、不正吐出が発生した不良な吐出ノズルのノズル番号を不良吐出ノズル番号表示機構8に表示させる。使用中のインクジェットヘッドの不具合レベルが判り易く表示され、交換作業のタイミングを推定するのに役立ち、安定生産に寄与することができる。
画像情報検出部9で検査用画像の情報取り込みが終了した後は、検査用画像が記録された受像層フィルム3は駆動ローラー12が回転することにより巻取りローラー6側に移動し、巻取りローラー6に巻き取られて次回の検査に備える。
本発明の吐出検査装置の概略の構成を示す説明図である。 本発明の吐出検査装置の不正吐出の判定に係る検査を含むフロー図である。
符号の説明
1・・ヘッドユニット
2・・カメラ
3・・受像層フィルム(吐出検査用被記録体)
4・・照明
5・・繰出しローラー
6・・巻取りローラー
7・・画像情報処理部
8・・不良吐出ノズル番号表示機構
9・・画像情報検出部
10・・検査用画像記録部
11・・フィルム部
12・・駆動ローラー

Claims (12)

  1. インクジェット記録装置の吐出ノズルからのインク予備吐出を行うと同時に吐出検査を行う装置であって、インクジェットヘッドを一つ以上備えたヘッドユニットと、吐出検査用被記録体と、予備吐出されるインクを制御し検査用画像として被記録体上へ吐出制御する画像作成機構と、この被記録体上に記録された検査用画像を光学的に取り込むための画像情報検出部と、取り込まれた画像情報を基準画像情報と比較して両者の異同を解析、検査するための画像情報処理部と、これらの各部の動作を制御するための制御部を少なくとも具備していることを特徴とする吐出検査装置。
  2. 前記吐出検査用被記録体として、インクを吸収、乾燥させる受像層を被覆した透明なフィルムを使用することを特徴とする請求項1記載の吐出検査装置。
  3. 前記吐出ノズルを具備するヘッドユニットと前記吐出検査用被記録体とを相対的に移動させるための移動手段を備えていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の吐出検査装置。
  4. 前記画像情報処理部は、取り込まれた画像情報より検査用画像の記録に関与した吐出ノズルからの記録ドットの数を計数し、検査用画像の正常状態での記録に関与すべき吐出ノズルからの記録ドットの数と比較し、足りない場合には不正吐出が発生したものと判定する不正吐出検出手段を具備していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吐出検査装置。
  5. 前記画像情報処理部は、取り込まれた画像情報より検査用画像の記録に関与した吐出ノズルからの記録ドット間の距離を測定し、その距離が規定の範囲に収まっていない場合には、不正吐出が発生したものと判定する不正吐出検出手段を具備していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吐出検査装置。
  6. 前記画像情報処理部は、取り込まれた画像情報より検査用画像の記録に関与した吐出ノズルからの記録ドットの透過光濃度または反射光濃度を測定し、その値が規定の範囲に収まっていない場合には、不正吐出が発生したものと判定する不正吐出検出手段を具備していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吐出検査装置。
  7. 前記不正吐出検出手段で不正吐出が発生したものと判定された場合、不正吐出に係る不良な吐出ノズルを検出する不良吐出ノズル検出手段を具備していることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の吐出検査装置。
  8. 前記不正吐出検出手段で不正吐出が発生したものと判定された場合、不正吐出に係る不良な吐出ノズルのノズル番号を表示する不良吐出ノズル番号表示機構を具備していることを特徴とする請求項7に記載の吐出検査装置。
  9. 前記吐出検査装置には吐出ノズルのメンテナンスのための洗浄部を有し、前記不正吐出検出手段で不正吐出が発生したものと判定された場合にノズルのメンテナンスのための洗浄を行い、かつメンテナンス終了後に再度ノズルの吐出検査が行えるようにしたことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の吐出検査装置。
  10. 前記不正吐出検出手段で不正吐出が発生したものと判定された場合、その不正吐出に係る不良吐出ノズルの情報をインクジェットヘッドに入力する画像作成機構にフィードバックして、不正吐出に係る不良吐出ノズルを使用しないように変更されたパターンデータを再作成することを特徴とする請求項7または8のいずれかに記載の吐出検査装置。
  11. 不良吐出ノズルの情報を画像作成機構にフィードバックして再作成されたパターンデータにより記録される画像が不適当であると判断した場合、インクジェット記録装置を停止させる停止手段を具備していることを特徴とする請求項10に記載の吐出検査装置。
  12. 前記制御部は、吐出ノズルによる記録と、画像情報検出部と、画像情報処理部と、洗浄部の動作を少なくとも制御することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の吐出検査装置。
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