JP2010068687A - コアに卜ロイダル状の巻線を備えた回転電機用固定子および回転電機の制御装置 - Google Patents

コアに卜ロイダル状の巻線を備えた回転電機用固定子および回転電機の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】卜ロイダル状の巻線を備えた回転電機において固定子を固定するためのリング部材に発生する渦電流損および回転子における渦電流損を低減することのできる技術を提供すること。
【解決手段】回転電機用固定子1は、固定子巻線3がコア2に卜ロイダル状に巻回されており、コア2は、周方向に分割された複数の分割コア6から成り、分割コア6は、固定子巻線3の巻回部7を有する領域として設けられた周方向部8と、周方向部8から外径側に延出された領域として設けられて複数の分割コア6を外径側から固定するリング部材4に当接する係止部9と、周方向部8から内径側に延出された領域として設けられたティース部10とを有し、分割コア6の係止部9を包囲して電気的な閉回路を形成する短絡環(閉回路部材)20が当該係止部9に設けられたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、コアに卜ロイダル状の巻線を備えた回転電機の技術に関し、特にトロイダルモータに関する技術である。
トロイダルモータの分野では、巻線を高密度に装着させて単位体積当たりの出力を高めるために、トロイダル状に巻線が巻回される円環状のコアを、周方向に分割された断片(分割コア)を組み合わせて形成することがなされている。この場合、例えば、ステータ(stator:固定子)のコアを径方向に突出させて、被固定部材と勘合させる場合がある。
従来、被固定部材として磁性材が採用された円筒に、組み合わされた各分割コアを嵌入してコアの外周側の突出部を円筒に固着させた固定子が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の固定子は、18個の突出部とその間で巻線が巻回される磁性体とを組み合わせてコアが形成されており、コアの120度おきの3個の突出部だけが円筒に当接しており、これらの間の120度分の領域において順番に巻回される6箇所の巻線に流れる電流の向きと大きさが、周方向に沿った順に、3組とも等しいものとされている。これにより、固定子で発生した磁束が突出部同士で短絡することを防止している。
特開2006−271161号公報(段落0080−0093、図5)
通常、組み合わされた各分割コアを保持する被固定部材の材料について、その機械的強度や焼入れ温度等に耐えるための耐熱性を考慮すると、被固定部材には金属材料が用いられる。しかしながら、被固定部材に金属材料を用いると、コアの突出部において発生した漏洩磁束は、被固定部材を通過し、その結果、渦電流損を発生させ、被固定部材が発熱してしまう。なお、渦電流損は、磁束密度変化が起こることによって生じる渦電流による損失である。さらに、コアの突出部において発生した漏洩磁束は、回転子(ロータ:rotor)と鎖交する磁束に対して影響を与えることになる。そのため、漏洩磁束の変化が、ロータと鎖交する磁束を変化させ、その結果、ロータにおける渦電流損をも発生させ、ロータが発熱してしまうという問題があった。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、卜ロイダル状の巻線を備えた回転電機において固定子の各分割コアを保持する被固定部材に発生する渦電流損及びロータにおいて発生する渦電流損を低減することのできる技術を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために創案されたものであり、本発明のうち請求項1に記載の回転電機用固定子は、固定子巻線がコアに卜ロイダル状に巻回された回転電機用固定子であって、前記コアが、周方向に分割された複数の分割コアから成り、前記分割コアが、前記固定子巻線が巻回される巻回部を有する領域として設けられた周方向部と、前記周方向部から外径側に延出された領域として設けられて前記複数の分割コアを外径側から固定する被固定部材に当接する係止部と、前記周方向部から内径側に延出された領域として設けられたティース部とを有し、前記分割コアの係止部を包囲して電気的な閉回路を形成する閉回路部材が当該係止部に設けられたことを特徴とする。
かかる構成によれば、回転電機用固定子は、分割コアの係止部を包囲する閉回路部材を備えているので、分割コアの周方向部に巻回された固定子巻線に通電されたときに発生する磁束のうち、分割コアの係止部へと漏洩する磁束は閉回路部材を貫くので、この閉回路部材には、漏洩磁束を打ち消す方向に磁束を生じさせるように誘導起電力が生じる。したがって、分割コアの係止部における漏洩磁束を低減することができる。このように漏洩磁束が低減されるので、被固定部材に発生する渦電流損を低減することができ、ひいては、ロータにおいて発生する渦電流損を低減することができる。
また、請求項2に記載の回転電機用固定子は、固定子巻線がコアに卜ロイダル状に巻回された回転電機用固定子であって、前記コアが、周方向に分割された複数の分割コアから成り、前記分割コアが、前記固定子巻線が巻回される巻回部を有する領域として設けられた周方向部と、前記周方向部から外径側に延出された領域として設けられて前記複数の分割コアを外径側から固定する被固定部材に当接する係止部と、前記周方向部から内径側に延出された領域として設けられたティース部とを有し、前記分割コアの係止部を包囲するように漏洩磁束検出用コイルおよび打消磁束発生用コイルが設けられ、前記漏洩磁束検出用コイルが、前記係止部における漏洩磁束を検知すると共に前記検知した漏洩磁束に対応した電圧を出力し、前記打消磁束発生用コイルが、前記検知された漏洩磁束を打ち消すための打消磁束を発生させるための電圧が印加されることを特徴とする。
かかる構成によれば、回転電機用固定子は、分割コアの係止部を包囲する漏洩磁束検出用コイルおよび打消磁束発生用コイルを備えているので、分割コアの周方向部に巻回された固定子巻線に通電されたときに発生する磁束のうち、分割コアの係止部へと漏洩する磁束は漏洩磁束検出用コイルおよび打消磁束発生用コイルを貫く。漏洩磁束検出用コイルは、このとき検知した漏洩磁束に対応した電圧として、漏洩磁束を打ち消す方向に磁束を生じさせるような誘導起電力を出力する。これに対応した電圧が打消磁束発生用コイルに印加されると、打消磁束発生用コイルは、打消磁束を発生させる。したがって、分割コアの係止部における漏洩磁束を打ち消すことができる。このように漏洩磁束がキャンセルされるので、被固定部材に発生する渦電流損を低減することができ、ひいては、ロータにおいて発生する渦電流損を低減することができる。
また、請求項3に記載の回転電機の制御装置は、請求項2に記載の回転電機用固定子を備える回転電機の制御装置であって、前記打消磁束発生用コイルに供給する電圧の目標値を算出する目標電圧算出手段と、前記算出された目標値の電圧を電源から前記打消磁束発生用コイルに供給する目標電圧供給手段とを備え、前記目標電圧算出手段が、前記目標値の電圧が供給されたときに前記漏洩磁束検出用コイルで検知される漏洩磁束に対応した電圧値の入力を受け付け、前記受け付けた電圧値と、当該目標値との差異を低減するようにフィードバック制御又はフォードフォワード制御により前記目標値を算出することを特徴とする。
かかる構成によれば、回転電機の制御装置は、目標電圧供給手段によって打消磁束発生用コイルに供給する電圧の目標値を、目標電圧算出手段によってフィードバック制御又はフォードフォワード制御により算出する。したがって、打消磁束発生用コイルにおいて漏洩磁束をキャンセルするために必要な打消磁束を発生するような最小限の電圧を打消磁束発生用コイルに供給することができる。そのため、打消磁束発生用コイルにおける電力損失を最小限に低減することができる。
また、請求項4に記載の回転電機の制御装置は、請求項3に記載の回転電機の制御装置において、前記目標電圧算出手段が、前記打消磁束発生用コイルで発生する打消磁束の値が前記漏洩磁束検出用コイルで検知される漏洩磁束の値を超えないように前記目標値を算出することを特徴とする。
かかる構成によれば、回転電機の制御装置は、目標電圧算出手段によって、打消磁束発生用コイルに供給する電圧の目標値を算出する際に、発生させようとする打消磁束の値が実際に検知された漏洩磁束の値を超えない範囲で電圧の目標値を算出する。したがって、打消磁束の値が漏洩磁束の値を超えることで、かえってロータと鎖交する磁束に影響を与えてロータにおける渦電流損を増加させるような事態を回避することができる
また、請求項5に記載の回転電機の制御装置は、請求項3または請求項4に記載の回転電機の制御装置において、前記目標電圧算出手段が、前記目標値に対応した打消磁束の値を算出すると共に、前記入力として受け付けた電圧値から前記漏洩磁束検出用コイルで検知される漏洩磁束の値を算出し、前記算出された漏洩磁束の値と、前記算出された打消磁束の値との差異を低減するようにフィードバック制御又はフィードフォワード制御により前記打消磁束の値を算出した結果を用いて前記打消磁束発生用コイルに供給する電圧の目標値を算出することを特徴とする。
かかる構成によれば、回転電機の制御装置は、目標電圧算出手段によって、入力として受け付けた電圧値に対応した漏洩磁束を算出するので、検知された時点の漏洩磁束を正確に求めることができる。そのため、フィードバック制御又はフィードフォワード制御により算出した打消磁束を用いることで、漏洩磁束をキャンセルするような磁束を発生させるために供給される電圧の目標値を正確に算出することができる。
また、請求項6に記載の回転電機の制御装置は、請求項2に記載の回転電機用固定子を備える回転電機の制御装置であって、前記漏洩磁束検出用コイルで所定期間に亘って検知される漏洩磁束に対応した電圧値の入力を受け付け、前記受け付けた電圧値をフーリエ変換することで、前記漏洩磁束に対応した電圧の位相、周波数、及び、振幅を算出する漏洩磁束成分分析手段と、前記固定子巻線に供給される電圧の周波数と、前記受け付けた電圧値と、前記算出された位相に基づいて、位相反転された電圧を前記打消磁束発生用コイルに供給するための制御信号を生成する打消制御信号生成手段と、前記生成された制御信号に基づいて、直流電源から前記位相を反転させた電圧を生成して前記打消磁束発生用コイルに供給する打消磁束用インバータと、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、回転電機の制御装置は、漏洩磁束成分分析手段によって、漏洩磁束に対応した電圧の位相、周波数、及び、振幅を算出する。ここで、漏洩磁束に対応した電圧の変化と、漏洩磁束の変化とは同期しているので、漏洩磁束成分分析手段は、漏洩磁束に対応した電圧の周波数空間における位相を算出することで、漏洩磁束の周波数空間における位相を求めることができる。そして、制御装置において、打消制御信号生成手段は、固定子巻線に供給される電圧の周波数と、漏洩磁束に対応した電圧値と、算出された位相に基づいて、位相反転された電圧を打消磁束発生用コイルに供給するための制御信号を生成する。ここで、生成する制御信号のうち打消磁束用インバータに対する制御信号はオンオフ信号である。そして、制御装置は、打消磁束用インバータによって、漏洩磁束に対応した電圧の変化に比べて位相反転された電圧を打消磁束発生用コイルに供給する。したがって、打消磁束発生用コイルにおいて発生する打消磁束の位相は、漏洩磁束検出用コイルにおいて検知される漏洩磁束の位相と反転したものとなる。その結果、分割コアの係止部における漏洩磁束は、キャンセルする。また、かかる構成によれば、制御装置は、漏洩磁束検出用コイルで所定期間に亘って検知される漏洩磁束に対応した電圧値の入力を受け付けて位相反転させることができる。したがって、回転電機の定常運転状態などの回転負荷が大きく変化しないときには、リアルタイムで検出した磁束をフィードバックしなくてもよいので、フィードバック制御によるCPU負荷や、メモリにアクセスするための負荷等を低減できる。
本発明によれば、回転電機用固定子は、固定子巻線に通電されたときに発生する磁束のうち分割コアの係止部における漏洩磁束を低減することができる。したがって、各分割コアを保持する被固定部材を貫く漏洩磁束が減少するので当該被固定部材にて発生する渦電流損を低減することができる。
また、本発明によれば、回転電機の制御装置は、回転電機用固定子の分割コアの係止部を包囲する漏洩磁束検出用コイルを用いて検出された漏洩磁束を打ち消すような電圧を、分割コアの係止部を包囲する打消磁束発生用コイルに供給することができる。したがって、分割コアの係止部における漏洩磁束がキャンセルされるので、各分割コアを保持する被固定部材に発生する渦電流損を低減することができ、ひいては、ロータにおいて発生する渦電流損を低減することができる。
以下、図面を参照して本発明の回転電機用固定子および回転電機の制御装置を実施するための最良の形態(以下「実施形態」という)について詳細に説明する。説明の都合上、まず、回転電機用固定子の第1および第2実施形態を説明し、次いで、第2実施形態の回転電機用固定子に対応した制御装置の第1および第2実施形態を順次説明することとする。以下では、回転電機は、トロイダルモータであるものとする。
(回転電機用固定子の第1実施形態)
図1ないし図4を適宜参照して、回転電機用固定子の第1実施形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る回転電機用固定子を回転軸方向から視た構成図、図2は図1に示した回転電機用固定子を構成する分割コアを示す斜視図である。また、図3は分割コアの他の例を示す斜視図であり、図4は分割コアにコイルを巻回した状態を示す斜視図である。
図1に示すように、固定子(回転電機用固定子)1は、コア2と、固定子巻線3と、リング部材(被固定部材)4とを備え、コア2の内周側において不図示の回転軸を中心にロータ(回転子)5を回転させるため、固定子巻線3がコア2に卜ロイダル状に巻回されている。コア2は、周方向に分割された複数の分割コア6から成る。図1に示す例では、コア2は、18個の分割コア6を備えている。
<分割コアの構成>
分割コア6は、図2に示すように、ロータ5の回転軸方向に所定の長さを有している。この分割コア6は、例えば、磁性材料粉末の圧縮成形、樹脂結合、または焼結等により形成されるものである。なお、分割コア6の代わりに、図3に示すように、例えば珪素鋼板からなる分割コア6aを用いることもできる。分割コア6aは、ロータ5の回転軸方向の長さが分割コア6よりも短いだけで、回転軸方向から視た場合、分割コア6と同様の形状である。このため、分割コア6aを複数積層して1つの分割コア6を構成して固定子1に用いることもできる。
分割コア6は、その機能により径方向に形式的に3区分することができ、巻回部7を有した周方向部8と、係止部9と、ティース部10とを有している。
周方向部(ヨーク部)8には、両隣に接する分割コア6とそれぞれ嵌合する2つの嵌合部として、凹部11と凸部12とが形成されており、凹部11と凸部12との間に配置された巻回部7には、三相巻線である固定子巻線3が巻回される。なお、固定子巻線3の巻数は、図1に示す巻数に限定されず、任意である。また、凹部11および凸部12の形状は、図1に示すような矩形に限定されず、互いに嵌合可能な形状であればよい。
係止部(接合部)9は、周方向部8から外径側に延出された領域として設けられており、コア2を保持する保持部材としてのリング部材4に当接する。リング部材4は複数の分割コア6を外径側から保持するものである。係止部9は、周方向部8から外径側に突出しているので、図1に示すようにコア2がリング部材4に保持された状態では、隣接する2つの分割コア6において、2つの係止部9の間には、スロット13が形成される。
ティース部10は、周方向部8から内径側に延出された領域として設けられている。ティース部10は、周方向部8から内径側に突出しているので、図1に示すようにコア2がリング部材4に保持された状態では、隣接する2つの分割コア6において、2つのティース部10の間には、スロット14が形成される。
各分割コア6に巻回された固定子巻線3は、その分割コア6の巻回部7の周りのスロット13,14に配置されている。また、隣り合うスロット13,13の間には、分割コア6の係止部9を包囲して電気的な閉回路を形成する短絡環(閉回路部材)20が配置されている。ここで、包囲とは、分割コア6の周方向において係止部9の周りを取り囲むことであり、係止部9の表面に短絡環20の内側の全体が接触してもよいし、短絡環20の内側の一部が浮いてもよい。また、短絡環20は、係止部9の表面との間に他の部材を介装することで係止部9の表面に接触しないように固定されてもよい。1つの分割コア6に固定子巻線3および短絡環20が配設された状態の一例を図4(a)および図4(b)に示す。図4(a)は斜視図、図4(b)はロータ5の回転軸方向から視た正面図である。
<短絡環>
短絡環20は、分割コア6の係止部9における漏洩磁束による変動磁場が通過する位置に設けられている。短絡環20は、分割コア6等の周囲の部材から絶縁された導電体である。短絡環20を構成する材料は、例えば、Au、Al、Cu、Cu合金等の導電性を有した金属または合金である。また、金属材料以外でもカーボンなどの導電率の高い材料であってもよい。短絡環20は、係止部9を囲むことのできる形状であればどのような形状でもよく、囲む際の形状は円形である必要はない。図4には、短絡環20の一例として、線状部材を係止部9を囲むように略矩形に折り曲げて一周させ、この線状部材の両端部を接合したものを示した。
<固定子の組み立て>
固定子1は、各分割コア6を組み合わせてコア2を形成する第1段階と、コア2をリング部材4に嵌入する第2段階とにより組み立てられる。第1段階では、各分割コア6に固定子巻線3を巻装し、かつ、短絡環20を装着した後に、各分割コア6を周方向に繋ぎ合わせる。このとき、分割コア6の周方向部8に設けられた凸部12が、隣接する分割コア6の凹部11に嵌入され、密接した状態となる。そして、第2段階では、固定子巻線3および短絡環20が配設されたコア2を、焼き嵌めにより、その外径に適合するリング部材4に嵌入する。組み立てられた固定子1は、図示しないトロイダルモータ筐体(ケース)において、ロータ5を所定の空隙を介して外囲するように配置される。
なお、第1段階では、各分割コア6に固定子巻線3を巻装した後、各分割コア6を周方向に繋ぎ合わせてから、短絡環20を装着してもよい。また、第2段階では、リング部材4に圧入するようにしてもよい。
<短絡環20の作用>
固定子1に備えられた短絡環20の作用について、図5を参照(適宜図1ないし図4参照)して説明する。図5は、本発明の第1実施形態に係る回転電機用固定子で発生する漏洩磁束を打ち消す打消磁束の説明図である。
ロータ5を回転させるために固定子巻線3に電圧を印加すると、固定子巻線3を貫くように、また、ロータ5と鎖交するように、周方向に磁路を形成する主磁束Fsと、径方向に磁路を形成する主磁束Frと、が発生する。このとき、分割コア6の係止部9において、漏洩磁束52が発生する。図5に示すように、漏洩磁束52がケース側に向かって短絡環20の内側を貫くと、この漏洩磁束52の変化に応じて漏洩磁束52を打ち消すように短絡環20に誘導起電力が発生するので、短絡環20には符号53で示すように矢印の向きに電流が流れる。このときの打消磁束54は、ロータ側に向かう。
ここで、ロータ5と鎖交する方向の磁束について図6のグラフを参照して説明する。図6のグラフの横軸は、時間を示し、縦軸は、ロータ5と鎖交する方向の磁束としての主磁束Fs,Frと漏洩磁束52との合計の磁束(ここでは、ロータ5と鎖交する方向の磁束という)を示している。固定子1に仮に短絡環20が設けられていなければ、漏洩磁束52は大きくなったり小さくなったり変化するので、ロータ5と鎖交する方向の磁束は、図6のグラフに破線で示すように時々刻々と変動する。一方、第1実施形態の固定子1は、係止部9に短絡環20を設けているので、漏洩磁束52が打消磁束54に打ち消されるので、ロータ5と鎖交する方向の磁束は、図6のグラフに実線で示すように時間的に平均化される。なお、図6は、ロータ5と鎖交する方向の磁束の変動を説明する概念図であって、正確な磁束量を示すものではない。
第1実施形態の回転電機用固定子1によれば、固定子巻線3から係止部9へと漏洩する漏洩磁束52を、係止部9に設けた短絡環20により、簡単な構成でキャンセルすることができる。したがって、リング部材(被固定部材)4に発生する渦電流損を低減することができ、ひいては、ロータ5において発生する渦電流損を低減することができる。
(回転電機用固定子の第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係る回転電機用固定子で発生する漏洩磁束を打ち消す打消磁束の説明図である。図7と図5との相違点は、第2実施形態の回転電機用固定子(固定子)1Aは、分割コア6の係止部9に、図5に示した短絡環20に代えて、1次コイル(打消磁束発生用コイル)71と、2次コイル(漏洩磁束検出用コイル)72とを設けた点である。したがって、第1実施形態の固定子1と同じ構成には同じ符号を付し、同じ構成の説明および図示を省略する。なお、図1と図4において、短絡環20に代えて、1次コイル71と2次コイル72とを設けたものが固定子1Aである。また、第2実施形態において、図2および図3については、そのまま第1実施形態と共通である。
1次コイル71および2次コイル72は、分割コア6の係止部9における漏洩磁束による変動磁場が通過する位置に設けられている。図7では、一例として、1次コイル71をロータ側に配し、2次コイル72をケース側に配した。なお、1次コイル71をケース側に配し、2次コイル72をロータ側に配してもよい。
1次コイル71は、係止部9を包囲しており、漏洩磁束を検知すると共に、検知した漏洩磁束に対応した電圧を出力する。2次コイル72は、係止部9を包囲しており、1次コイル71で検知された漏洩磁束を打ち消すための打消磁束を発生させるための電圧が印加される。1次コイル71および2次コイル72は、制御装置(図8および図9参照)に接続されている。1次コイル71は、漏洩磁束に対応した電圧を制御装置に出力し、2次コイル72は、制御装置から電圧を印加されて打消磁束を発生する。
第2実施形態の固定子1Aによれば、固定子巻線3から係止部9へと漏洩する漏洩磁束52を2次コイル72により検出し、その漏洩磁束52を打ち消すことのできるだけの電流を1次コイル71に流すことによって漏洩磁束52をキャンセルできる。その結果、リング部材(被固定部材)4に発生する渦電流損を低減することができ、ひいては、ロータ5において発生する渦電流損を低減することができる。
第1実施形態の固定子1では短絡環20が漏洩磁束52をパッシブにキャンセルしたのに対して、第2実施形態の固定子1Aでは、1次コイル71および2次コイル72と共に、制御装置を利用することで、漏洩磁束52をアクティブにキャンセルすることができる。以下では、制御装置の各実施形態を説明する。
(回転電機の制御装置の第1実施形態)
図8は、本発明の第1実施形態に係る回転電機の制御装置の構成を示すブロック図である。制御装置100は、固定子1Aを備える回転電機の制御装置であって、図8に示すように、モード切替手段110と、回転用電力供給手段120と、目標電圧算出手段130と、目標電圧供給手段140と、電源200とを備えている。
モード切替手段110は、回転モードを切り替えるための回転指令の入力を受け付け、受け付けた回転指令に応じて切り替えたモードを示す制御信号を、目標電圧算出手段130および目標電圧供給手段140に出力するものである。ここで、回転モードは、例えば、ロータ5の回転開始、停止、低速、高速、速度変更のモードを含むことができる。
回転用電力供給手段120は、モード切替手段110からの制御信号に基づいて、ロータ5を作動させるための電圧を電源200から固定子巻線3に供給するものである。
目標電圧算出手段130は、1次コイル71に供給する電圧の目標値を算出するものである。算出された目標値は、目標電圧供給手段140に出力される。
目標電圧供給手段140は、目標電圧算出手段130で算出された目標値の電圧を電源200から1次コイル71に供給するものである。
前記目標電圧算出手段130は、目標電圧供給手段140から目標値の電圧が1次コイル71に供給されたときに、2次コイル72で検知される漏洩磁束に対応した電圧値の入力を受け付け、受け付けた電圧値と、当該目標値との差異を低減するようにフィードバック制御により電圧の目標値を算出する。なお、差異を低減させる手法は公知のアルゴリズムを利用できる。例えば、最小値問題の解法に用いられる、ラグランジェ未定乗数法等の線形計画法や、ペナルティ法等の非線形計画法を用いることができる。
また、目標電圧算出手段130は、1次コイル71で発生する打消磁束の値が2次コイル72で検知される漏洩磁束の値を超えないように電圧の目標値を算出することとした。
また、目標電圧算出手段130は、漏洩磁束算出手段131と、打消磁束算出手段132と、フィードバック制御手段133とを備えることとした。
漏洩磁束算出手段131は、2次コイル72で検知される漏洩磁束に対応した電圧として受け付けた電圧値から2次コイル72で検知される漏洩磁束の値を算出する。算出された漏洩磁束の値は、打消磁束算出手段132およびフィードバック制御手段133に出力される。
打消磁束算出手段132は、電圧の目標値に対応した打消磁束の値を算出する。算出された打消磁束の値は、フィードバック制御手段133に出力される。この打消磁束算出手段132は、フィードバック制御手段133から、算出された電圧の目標値の入力を受け付ける。
フィードバック制御手段133は、漏洩磁束算出手段131で算出された漏洩磁束の値と、打消磁束算出手段132で算出された打消磁束の値との差異を低減するようにフィードバック制御を行う。このフィードバック制御手段133は、フィードバック制御により打消磁束の値を算出した結果を用いて1次コイル71に供給する電圧の目標値を算出する。また、図8に示した第1実施形態の制御装置100では、フィードバック制御手段133がフィードバック制御を行うものとして説明したが、これは一例であって、フィードフォワード制御を行うものとしてもよい。フィードフォワード制御の一例として、モータ(回転電機)の回転数・出力・電流などモータ(回転電機)固有の運転状態を把握できる状態量により打消磁束のマップを予め作成し、フィードバック制御手段133が保有し、モード切替手段110から運転状態の通知を受けることで、マップから打消磁束を抽出し、1次コイル71に供給する電圧の目標値を算出することもできる。
<制御装置と固定子との組み合わせによる作用>
次に、制御装置100と固定子1Aとの組み合わせによる作用について図7および図8を参照(適宜図1ないし図4参照参照)して説明する。
ロータ5を回転させるために固定子巻線3に電圧を印加すると、図7に示すように、固定子1Aに主磁束Fs,Frが発生し、分割コア6の係止部9では漏洩磁束52が発生する。そして、漏洩磁束52がケース側に向かって2次コイル72の内側を貫くと、漏洩磁束52により、2次コイル72に誘導起電力が発生し、発生した電圧は、制御装置100に出力される。この2次コイル72から出力された電圧は、制御装置100の目標電圧算出手段130に入力する。
そして、目標電圧算出手段130において、以下の制御を行う。すなわち、漏洩磁束算出手段131は、受け付けた電圧から、漏洩磁束52の値を算出する。そして、打消磁束算出手段132は、電圧の目標値に対応した打消磁束の値を算出する。なお、打消磁束の値の初期値は、所定のデフォルト値(例えば「0」)や漏洩磁束52の初期値と同じ値とすることができる。そして、フィードバック制御手段133は、漏洩磁束の値と、打消磁束の値との差異を低減するようにフィードバック制御を行い、算出結果の打消磁束の値を用いて1次コイル71に供給する電圧の目標値を算出する。そして、制御装置100は、目標電圧供給手段140によって、目標値の電圧を電源200から1次コイル71に供給する。
これにより、1次コイル71は、打消磁束54を発生させる。したがって、分割コア6の係止部9における漏洩磁束52を打ち消すことができる。当該漏洩磁束は、ロータ5と鎖交しないため従来においては損失となっていたが、当該漏洩磁束を低減することでリング部材(被固定部材)4で発生する渦電流損を低減することができ、さらには、当該漏洩磁束分の磁束をロータ5と鎖交する主磁束Fs、Frへと導くことができる。また、漏洩磁束成分を減少させることにより固定子巻線3から発生する磁束で主磁路を通過する主磁束Fs、Frを安定させることにもつながり、ロータ5と鎖交する磁束における不要な磁束成分(高調波ノイズ成分)が低減される。その結果、ロータ5に発生する渦電流損も低減することができる。
また、制御装置100の目標電圧算出手段130はフィードバック制御手段133によって、打消磁束の値が漏洩磁束の値を超えないように電圧の目標値を算出するので、1次コイル71で発生する打消磁束の値は、2次コイル72で検知された漏洩磁束の値を超えることはない。したがって、発生させた打消磁束54が、かえってロータ5と鎖交する磁束に影響を与えてロータ5における渦電流損を増加させるような事態を回避することができる。
第1実施形態の制御装置100によれば、固定子1Aの2次コイル72で検知した漏洩磁束をキャンセルする打消磁束54を発生させるように1次コイル71に供給する電圧の目標値をフィードバック制御により算出する。したがって、制御装置100は、1次コイル71において必要な打消磁束54を発生するような最小限の電圧を1次コイル71に供給することができる。そのため、1次コイル71における電力損失を最小限に低減することができる。
(回転電機の制御装置の第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態に係る回転電機の制御装置の構成を示すブロック図である。制御装置300は、固定子1Aを備える回転電機の制御装置であって、図9に示すように、モード切替手段310と、回転制御信号生成手段320と、直流電源330と、駆動用インバータ340と、漏洩磁束成分分析手段350と、打消制御信号生成手段360と、1次コイル用インバータ(打消磁束用インバータ)370とを備えている。
モード切替手段310は、回転モードを切り替えるための回転指令の入力を受け付け、受け付けた回転指令に応じて切り替えたモードを示す制御信号を、回転制御信号生成手段320および打消制御信号生成手段360に出力するものである。
回転制御信号生成手段320は、モード切替手段310からの制御信号に基づいて、ロータ5を作動させるための電圧を固定子巻線3に供給するための制御信号を生成するものである。
駆動用インバータ340は、回転制御信号生成手段320で生成された制御信号に基づいて、直流電源330から、ロータ5を作動させるための電圧を生成して固定子巻線3に供給するものである。駆動用インバータ340は、スイッチング素子として、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)を備える。この場合、回転制御信号生成手段320で生成された制御信号は、オンオフ信号としてIGBTのゲートに入力される。IGBTのゲート信号がオンのときに、直流電源330からの電圧が3相の固定子巻線3側に印加される。
漏洩磁束成分分析手段350は、2次コイル72で所定期間に亘って検知される漏洩磁束に対応した電圧値の入力を受け付け、受け付けた電圧値をフーリエ変換することで、漏洩磁束に対応した電圧の位相・周波数・振幅を算出するものである。受け付けた電圧値および算出された電圧の位相・周波数・振幅は、打消制御信号生成手段360に出力される。
打消制御信号生成手段360は、固定子巻線3に供給される電圧の周波数と、漏洩磁束成分分析手段350で算出した位相・周波数・振幅に基づいて、2次コイル72から受け付けた電圧の位相反転された電圧を1次コイル71に供給するための制御信号を生成するものである。ここで、固定子巻線3に供給される電圧の周波数は、モード切替手段310の制御信号に含めている。なお、固定子巻線3に供給される電圧の周波数を、回転制御信号生成手段320から、打消制御信号生成手段360に出力することもできる。
1次コイル用インバータ(打消磁束用インバータ)370は、打消制御信号生成手段36で生成された制御信号に基づいて、直流電源330から、受け付けた電圧の位相を反転させた電圧を生成して1次コイル71に供給するものである。1次コイル用インバータ370は、スイッチング素子として、例えば、IGBTを備える。この場合、打消制御信号生成手段360で生成された制御信号は、オンオフ信号としてIGBTのゲートに入力される。IGBTのゲート信号がオンのときに、直流電源330からの電圧が1次コイル71側に印加される。
<制御装置と固定子との組み合わせによる作用>
次に、制御装置300と固定子1Aとの組み合わせによるについて図7および図9を参照(適宜図1ないし図4参照)して説明する。
ロータ5を回転させるために固定子巻線3に電圧を印加すると、図7に示すように、固定子1Aに主磁束Fs、Frが発生し、分割コア6の係止部9では漏洩磁束52が発生する。そして、漏洩磁束52がケース側に向かって2次コイル72の内側を貫くと、漏洩磁束52により、2次コイル72に誘導起電力が発生し、発生した電圧は、制御装置300に出力される。このときの2次コイル72の電圧波形を図10(a)に示す。グラフの横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示している。
この2次コイル72から出力された電圧は、制御装置300の漏洩磁束成分分析手段350に入力する。漏洩磁束成分分析手段350は、受け付けた電圧から、漏洩磁束52に対応した電圧の位相・周波数・振幅を算出する。そして、打消制御信号生成手段360は、2次コイル72から受け付けた電圧の位相反転された電圧を1次コイル71に供給するための制御信号を生成する。そして、1次コイル用インバータ370は、図10(b)に示すような波形の電圧を1次コイル71に印加する。
図10(a)のグラフと、図10(b)のグラフとを比較すると、電圧の位相が反転している。つまり、2次コイル72から出力された電圧の位相に対応した漏洩磁束52の位相と、1次コイル71に印加された電圧の位相に対応した打消磁束54の位相とは、反転している。これにより、漏洩磁束52は、打消磁束54によりキャンセルされる。なお、図10は、1次コイル71および2次コイル72における電圧の位相を説明する概念図であって、正確な電圧値を示すものではない。
第2実施形態の制御装置300によれば、2次コイル72で検知された漏洩磁束に対応した電圧の位相、周波数、振幅を算出し、算出された位相に基づいて、位相反転された電圧を1次コイル71に供給することができる。したがって、1次コイル71において発生する打消磁束の位相は、2次コイル72において検知される漏洩磁束の位相と反転したものとなる。その結果、分割コア6の係止部9における漏洩磁束52は、キャンセルする。また、制御装置300によれば、トロイダルモータの定常運転状態などの回転負荷が大きく変化しないときには、リアルタイムで検出した磁束をフィードバックしなくてもよいので、フィードバック制御によるCPU負荷や、メモリにアクセスするための負荷等を低減できる。
以上、本発明の回転電機用固定子および回転電機の制御装置の好ましい実施形態についてそれぞれ説明したが、本発明は、これらについての前記した各実施形態に限定されるものではない。例えば、回転電機の制御装置は、第1実施形態と第2実施形態とを分けて説明したが、回転電機の定常運転状態においては、第2実施形態の制御を行い、それ以外の運転状態においては、第1実施形態の制御を行うことができるように、両方の機能を有してそれらの機能を運転状態に応じて切り替えるように構成してもよい。また、各実施形態では、回転電機は、トロイダルモータであるものとしたが、発電機であってもよい。
<閉回路部材のバリエーション>
また、第1実施形態の回転電機用固定子1では、短絡環(閉回路部材)20の一例を挙げたが、本発明において、閉回路部材は、短絡環20に限定されるものではなく、例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
閉回路部材は、表面を絶縁材料で被覆して形成してもよい。また、被覆を施さずに、所定の絶縁部材を介して分割コア6に装着し、また、固定子巻線3、リング部材4および隣の閉回路部材から絶縁されるように周囲に絶縁部材を配してもよい。
閉回路部材の線径は特に限定されないが、固定子巻線3よりも太い方が好ましい。
閉回路部材は、係止部9を包囲する電気的な閉回路となる部分が存在する形状であれば、その他の部分が存在していてもよい。
閉回路部材は、係止部9を包囲する断面の形状が円形である必要もない。
閉回路部材は、線状の部材で形成されることも必須ではなく、帯状の部材で形成されてもよい。
閉回路部材は、一体構造で形成されている必要はなく、例えば、係止部9を両側から挟み込む対称な2つの部材を結合して形成されたものでもよい。
閉回路部材は、内部を通過する磁束に応じて流れる電流により発生する熱を効果的に排出するために、絶縁された状態でリング部材4に接触させるか、リング部材4になるべく近付けて配置されることが好ましい。
図1には、すべての分割コア6に1つずつ短絡環(閉回路部材)を設けたが、複数の短絡環20を設けてもよい。分割コア6毎に短絡環20の個数を適宜変えてもよいが、同数又はU・V・Wなどの固定子巻線3の各相毎に同数とする(各相毎にバラつきがなければ損失発生部位の偏りもないので)ことが好ましい。
図1には、すべての分割コア6に短絡環(閉回路部材)20を設けたが、すべての分割コア6に短絡環20を設けることは必須ではない。ただし、1つおき、2つおき等の等間隔で短絡環20を設けると、回転のバランスがよいので、このように配置した複数の短絡環20を設けることが好ましい。
本発明の第1実施形態に係る回転電機用固定子を回転軸方向から視た構成図である。 図1に示した回転電機用固定子を構成する分割コアを示す斜視図である。 分割コアの他の例を示す斜視図である。 分割コアにコイルを巻回した状態を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る回転電機用固定子で発生する漏洩磁束を打ち消す打消磁束の説明図である。 本発明の第1実施形態に係る回転電機用固定子で発生する磁束の時間変化を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る回転電機用固定子で発生する漏洩磁束を打ち消す打消磁束の説明図である。 本発明の第1実施形態に係る回転電機の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る回転電機の制御装置の構成を示すブロック図である。 図9に示す1次コイルおよび2次コイルの電圧波形を示すグラフであって、(a)は2次コイル、(b)は1次コイルをそれぞれ示している。
符号の説明
1,1A 固定子(回転電機用固定子)
2 コア
3 固定子巻線
4 リング部材(被固定部材)
5 ロータ(回転子)
6,6a 分割コア
7 巻回部
8 周方向部(ヨーク部)
9 係止部(接合部)
10 ティース部
11 凹部
12 凸部
13,14 スロット
20 短絡環(閉回路部材)
71 1次コイル(打消磁束発生用コイル)
72 2次コイル(漏洩磁束検出用コイル)
100,300 制御装置
110 モード切替手段
120 回転用電力供給手段
130 目標電圧算出手段
131 漏洩磁束算出手段
132 打消磁束算出手段
133 フィードバック制御手段
140 目標電圧供給手段
200 電源
300 制御装置
310 モード切替手段
320 回転制御信号生成手段
330 直流電源
340 駆動用インバータ
350 漏洩磁束成分分析手段
360 打消制御信号生成手段
370 1次コイル用インバータ(打消磁束用インバータ)

Claims (6)

  1. 固定子巻線がコアに卜ロイダル状に巻回された回転電機用固定子であって、
    前記コアは、周方向に分割された複数の分割コアから成り、
    前記分割コアは、
    前記固定子巻線が巻回される巻回部を有する領域として設けられた周方向部と、
    前記周方向部から外径側に延出された領域として設けられて前記複数の分割コアを外径側から固定する被固定部材に当接する係止部と、
    前記周方向部から内径側に延出された領域として設けられたティース部とを有し、
    前記分割コアの係止部を包囲して電気的な閉回路を形成する閉回路部材が当該係止部に設けられたことを特徴とする回転電機用固定子。
  2. 固定子巻線がコアに卜ロイダル状に巻回された回転電機用固定子であって、
    前記コアは、周方向に分割された複数の分割コアから成り、
    前記分割コアは、
    前記固定子巻線が巻回される巻回部を有する領域として設けられた周方向部と、
    前記周方向部から外径側に延出された領域として設けられて前記複数の分割コアを外径側から固定する被固定部材に当接する係止部と、
    前記周方向部から内径側に延出された領域として設けられたティース部とを有し、
    前記分割コアの係止部を包囲するように漏洩磁束検出用コイルおよび打消磁束発生用コイルが設けられ、
    前記漏洩磁束検出用コイルは、前記係止部における漏洩磁束を検知すると共に前記検知した漏洩磁束に対応した電圧を出力し、
    前記打消磁束発生用コイルは、前記検知された漏洩磁束を打ち消すための打消磁束を発生させるための電圧が印加される、
    ことを特徴とする回転電機用固定子。
  3. 請求項2に記載の回転電機用固定子を備える回転電機の制御装置であって、
    前記打消磁束発生用コイルに供給する電圧の目標値を算出する目標電圧算出手段と、
    前記算出された目標値の電圧を電源から前記打消磁束発生用コイルに供給する目標電圧供給手段とを備え、
    前記目標電圧算出手段は、前記目標値の電圧が供給されたときに前記漏洩磁束検出用コイルで検知される漏洩磁束に対応した電圧値の入力を受け付け、前記受け付けた電圧値と、当該目標値との差異を低減するようにフィードバック制御又はフィードフォワード制御により前記目標値を算出することを特徴とする回転電機の制御装置。
  4. 前記目標電圧算出手段は、前記打消磁束発生用コイルで発生する打消磁束の値が前記漏洩磁束検出用コイルで検知される漏洩磁束の値を超えないように前記目標値を算出することを特徴とする請求項3に記載の回転電機の制御装置。
  5. 前記目標電圧算出手段は、前記目標値に対応した打消磁束の値を算出すると共に、前記入力として受け付けた電圧値から前記漏洩磁束検出用コイルで検知される漏洩磁束の値を算出し、前記算出された漏洩磁束の値と、前記算出された打消磁束の値との差異を低減するようにフィードバック制御又はフィードフォワード制御により前記打消磁束の値を算出した結果を用いて前記打消磁束発生用コイルに供給する電圧の目標値を算出することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の回転電機の制御装置。
  6. 請求項2に記載の回転電機用固定子を備える回転電機の制御装置であって、
    前記漏洩磁束検出用コイルで所定期間に亘って検知される漏洩磁束に対応した電圧値の入力を受け付け、前記受け付けた電圧値をフーリエ変換することで、前記漏洩磁束に対応した電圧の位相、周波数、及び、振幅を算出する漏洩磁束成分分析手段と、
    前記固定子巻線に供給される電圧の周波数と、前記受け付けた電圧値と、前記算出された位相に基づいて、位相反転された電圧を前記打消磁束発生用コイルに供給するための制御信号を生成する打消制御信号生成手段と、
    前記生成された制御信号に基づいて、直流電源から前記位相を反転させた電圧を生成して前記打消磁束発生用コイルに供給する打消磁束用インバータと、
    を備えることを特徴とする回転電機の制御装置。
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