JP2010068240A - シャッタ走行特性試験システム、シャッタ走行特性試験方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子ローリングシャッタにより駆動され得る撮像素子を用いて、特別な部材等を配設することなく、メカニカルフォーカルプレーンシャッタの走行特性の正常/不良を容易に確認し得るシャッタ走行特性試験システム等を提供する。
【解決手段】撮像面に二次元状に複数の画素が配置された撮像素子6と、撮像素子6の撮像面に光線を導くレンズ3と、レンズ3により撮像面に導かれる光線の光路上に配設され、シャッタ幕の走行方向が、撮像素子6の電子ローリングシャッタの主走査方向と交差するように配置されたメカニカルフォーカルプレーンシャッタ5と、撮像素子6を電子ローリングシャッタにより駆動制御すると同時にメカニカルフォーカルプレーンシャッタ5を駆動制御して、得られた画像信号に基づいて、メカニカルフォーカルプレーンシャッタ5の走行特性の試験を行う制御部11と、を備えたシャッタ走行特性試験システム。
【選択図】図1
【解決手段】撮像面に二次元状に複数の画素が配置された撮像素子6と、撮像素子6の撮像面に光線を導くレンズ3と、レンズ3により撮像面に導かれる光線の光路上に配設され、シャッタ幕の走行方向が、撮像素子6の電子ローリングシャッタの主走査方向と交差するように配置されたメカニカルフォーカルプレーンシャッタ5と、撮像素子6を電子ローリングシャッタにより駆動制御すると同時にメカニカルフォーカルプレーンシャッタ5を駆動制御して、得られた画像信号に基づいて、メカニカルフォーカルプレーンシャッタ5の走行特性の試験を行う制御部11と、を備えたシャッタ走行特性試験システム。
【選択図】図1
Description
本発明は、レンズからの光線をメカニカルフォーカルプレーンシャッタを介して電子ローリングシャッタにより駆動され得る撮像素子に導くようになされたシャッタ走行特性試験システム、シャッタ走行特性試験方法に関する。
近年、カメラ付き携帯電話、電子カメラ、電子ビデオカメラ等の撮像装置に搭載されることが多くなってきたCMOSタイプの撮像素子は、いわゆる電子ローリングシャッタ(以下、単に「ローリングシャッタ」という)により画像を読み出すものとなっている。
このローリングシャッタは、ライン毎(あるいは画素毎)に読み出し時刻、すなわち露光終了時刻が異なるために、移動する被写体が存在すると、1フレーム内における被写体の画像部分が歪んでしまうことが知られている。
この点について、図面を参照しながら説明する。まず、図37は、従来のCMOSタイプの撮像素子の構成を示す図である。
撮像素子106は、長辺と短辺とを有する矩形領域内に複数の光電変換素子122が長辺方向および短辺方向に沿ってマトリクス状に配列されている光電変換部121を備えている。この図37においては、光電変換部121が、光電変換素子122を縦(垂直)6×横(水平)8に配列した構成、すなわち6×8画素配列である場合を図示している。
また、撮像素子106は、光電変換部121の何れかの水平ラインを選択するための垂直走査回路124と、光電変換部121の何れかの垂直ラインを選択するための水平走査回路125と、を備えている。
さらに、撮像素子106は、各垂直ラインの終端に接続して、アンプ126、CDS(相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路)127、ADC(アナログ/デジタルコンバータ)128を備え、さらに各ADC128に接続してLVDS(低電圧差動信号(Low Voltage Differential Signaling)回路)129を備えている。
加えて、撮像素子106は、垂直走査回路124、水平走査回路125、およびLVDS129へ同期信号を出力するタイミングジェネレータ123を備えている。
すなわち、図37に示すような従来の撮像素子106は、短辺方向(垂直方向)を主走査方向とし、長辺方向(水平方向)を副走査方向として、光電変換部121から信号を読み出すものとなっている。このような構成は、走査線(電子ビーム)を用いてブラウン管に描画を行う従来のテレビジョン方式との高い整合性を備えているために、従来からビデオカメラ用の撮像素子に採用され、現在においても引き続き主流となっている。
図38は、上述したような従来の撮像素子106により被写体を撮像するときの様子を示す図である。
撮像素子106の光電変換部121上には、レンズ103により被写体OBJの光学像IOBJが結像されるようになっている。結像された光学像IOBJにより光電変換部121の各光電変換素子122において生成された電荷は、長辺方向である副走査方向Sへ副走査され、短辺方向である主走査方向へ読み出される。そして、副走査は、例えば、図38の上側の水平ラインから下側の水平ラインへ向かって順に行われる。
図39は、上述したような従来の撮像素子106により水平方向に移動する被写体を撮像したときに得られる1フレーム分の画像データ141の様子を示す図である。
まず、同一の被写体が移動していないときに撮像される1フレーム分の画像データは、本発明の実施形態に係る図9に示すようなものであったとする。一方、この被写体の光学像が、図39に示す画像データ141における右方向から左方向へ水平に移動したものとする。副走査が図39の上側の水平ラインから下側の水平ラインへ向かって順に行われた場合には、上側の水平ラインを露光したときの被写体の光学像の位置よりも、下側の水平ラインを露光したときの被写体の光学像の位置は左側に移動していることになる。従って、図39に示すような被写体像142、すなわち、被写体における垂直の線が右上から左下へ向かう斜めの線として描画される画像データ141が得られることになる。
このような歪みは、撮像素子から1画面分の画像データを読み出すのに要する時間を短くすればするほど(つまり、読み出し速度を速くすればするほど)目立たなくなるために、読み出し速度の高速化を図ることは、歪みを軽減するための方法の1つである。しかしながら、現在の最速のフレームレートは600万画素の撮像素子において30fps〜60fps程度であり、より高画素の撮像素子においてより高速なフレームレートを達成するのは技術的に容易ではない。そして、発生する歪みの程度は、被写体の移動速度、撮像装置から被写体までの距離、レンズの焦点距離、シャッタ速度などによって異なるために、現在のフレームレートでは目に見える歪みが発生するものと考えなければならない。
実際に撮影して得られた画像において歪みが発生している様子を、該画像の概要を線図化して得られた図40および図41を参照して説明する。図40および図41は、50mm(35mmフィルム換算での値)のレンズを介して、60fpsのフレームレートの従来の撮像素子により、50km/h〜80km/h程度の速度で近接して来る列車を約2mの撮影距離で流し撮りしながら、シャッタ速度1/4000secで横位置撮影および縦位置撮影を行って得られた画像の様子を示している。
まず、図40は、上述したような従来の撮像素子106により画面右方向から左方向へ移動する列車を撮影して得られた画像データの例を示す図である。
垂直の線がどの程度斜めに傾いて撮像されるかは、全画面の読み出しを行う時間(例えば、約1フレームレートの時間)に、垂直の線の光学像が撮像素子106上をどの程度水平方向に移動したかに依存している。ここに、被写体である列車は、画像の右手から左手へ向かって進行している。従って、列車の進行方向に対する左側の窓は、列車の進行方向に対する右側の窓よりも手前(撮像装置に近い位置)にある。このような撮像装置から被写体までの距離の違いに起因して、列車の進行方向に対する左側の窓は比較的斜めに傾いているのに対して、列車の進行方向に対する右側の窓はそれほど傾いていないということになる。さらに、列車の進行方向に対する左側の窓だけを見比べても、画像上の左側の窓の方が撮像装置に近い位置にあるために、画像上の右側の窓よりも大きく傾いている。このように、現在の最高のフレームレートの撮像素子を用いても、撮影して得られた画像中の被写体像には視覚的に目立つ歪みが生じてしまうことが分かる。
次に、図41は、上述したような従来の撮像素子106を縦位置にして、画面右方向から左方向へ移動する列車を撮影して得られた画像データの例を示す図である。
このときには主走査の方向と列車の進行方向とが一致していて、垂直の線は副走査の方向と一致している。従って、垂直の線が十分に細ければ、1ラインの副走査により読み出されることになり、斜めに傾くことはない。ただし、撮像装置に近い位置にある列車の部分ほど、より列車の進行方向へ延びている。すなわち、画像の歪みは図41に示す縦位置であっても、図40に示した横位置であっても同様に発生しているが、縦位置の場合には斜めに傾くことがないために歪みが目立ち難くなっている。
しかしながら、移動する被写体(特に高速に移動する被写体)を撮像するときには、被写体の移動方向が画面の長手方向になるように撮像装置を構えて撮影(例えば、流し撮り)を行うことが多い。なぜならば、被写体の移動方向が画面の短手方向になるように撮像装置を構えて撮影を行うと、画面内に被写体を捉えるチャンスが少なくなるからである。従って、従来の撮像素子では、横位置で撮影すると歪みが生じ、縦位置で撮影するとシャッタチャンスを逃すことがあるという点を解消することはできていない。また、人間の目は顔面における水平方向の左右位置にあるために、縦長の画面よりも横長の画面を観察する方が自然であり、撮像装置内に撮像素子を縦長に配設することは自然な配置に反する。特に、撮像装置がデジタルカメラである場合には、撮像素子の形状(縦横比)に直感的に合致するように、筐体が横長となる姿勢で把持されるように構成されていることが多い。従って、こうした横長の筐体内に、撮像素子だけを縦長に配設することも、直感的に自然な配置とは言い難い。
一眼レフレックスタイプのカメラにおいては、高速な幕速のメカニカルシャッタを用いてこのような歪があまり生じないようにしている。すなわち、メカニカルシャッタの幕速は、概略シンクロ速度程度であり、撮像素子のフレームレートに換算すると、一般的に125fps〜300fps程度に相当する(例えば、5msecでシャッタ開口を横切るものであれば、200fpsに相当する速さになる。)。そのために、デジタル一眼レフレックスカメラに搭載されているようなメカニカルシャッタを用いる方が、動歪みを軽減するという観点からは有利である。
しかしながら、高速な幕速を得るためには、シャッタばねとしてばね定数が大きいばねを用いる必要がある。そして、このときには、ばねをチャージするのに、例えば強力なモータが必要となったり、高負荷に対応するための大きな構造物が必要となったりするために、カメラが大型化してしまう。さらに、ばねをチャージするのに時間を要すると共に、連写時には大きな電力(例えば、10fpsの連写を達成する場合には、35W以上の電力)を要して電池を消耗してしまうことになる。このように、メカニカルシャッタを用いた連写では、1秒当たり数fps〜十数fps程度のフレームレートが上限であり、それ以上の高速連写を達成することは困難である。従って、複数枚の静止画を高速に連写しようとする場合にも、動画像を撮影しようとする場合と同様に、メカニカルシャッタを開けたままの状態にして、撮像素子のローリングシャッタを用いて行うようにすることが望ましい。また、撮像素子のローリングシャッタであれば、コンパクトタイプのカメラやカメラ付き携帯電話などに適用することも可能になるという利点がある。
そこで、例えば、特開2006−54788号公報には、CMOSタイプの撮像素子を搭載した撮像装置において、被写体の動きベクトルを検出して、検出された動きベクトルの方向に応じて主走査方向(および副走査方向)を変更することにより、上述したようなローリングシャッタに特有の動歪み現象を回避するものとなっている。
この特開2006−54788号公報に記載されたような撮像素子の構成について、図42を参照して説明する。図42は水平方向と垂直方向との何れを主走査方向とするかを切り換え可能に構成された撮像素子106Aの構成を示す図である。
この撮像素子106Aは、複数の光電変換素子122が矩形領域内に配列された光電変換部121と、光電変換部121の何れかの水平ラインを選択するための垂直走査回路124と、光電変換部121の何れかの垂直ラインを選択するための水平走査回路125と、垂直走査回路124および水平走査回路125へ同期信号を出力するタイミングジェネレータ123と、を備えている。
さらに、撮像素子106Aは、各垂直ラインの終端に接続する垂直主走査時出力部131と、各水平ラインの終端に接続する水平主走査時出力部132と、を備えている。
そして、被写体が垂直方向に移動していることが検出された場合には垂直方向が主走査方向になるように駆動が行われ、垂直主走査時時出力部131を介して信号の読み出しが行われる。また、被写体が水平方向に移動していることが検出された場合には水平方向が主走査方向になるように駆動が行われ、水平主走査時時出力部132を介して信号の読み出しが行われる。
また、撮像素子106Aの出力に接続するように、撮像素子106Aの外部に、アンプ126A、CDS127A、ADC128Aが設けられており、信号の読み出しが垂直主走査時時出力部131と水平主走査時時出力部132との何れを介して行われた場合であっても、これらを介して信号処理が行われる。
ところで、現在のCMOSタイプの撮像素子は、撮像素子内において、S/N比を上げるために、主走査方向である各列(各垂直ライン)の終端に接続するようにアナログのアンプ(カラムアンプ)を設け、さらに、高速化を図るために各列毎にカラムアンプの後段に接続するようにカラムADCを設けることが一般的である(図37に示した構成を参照)。
一方、近年、撮像装置であるカメラのマーケットシェアーが、銀塩カメラからデジタルカメラに移行している。
銀塩カメラは、写真を得るためには、記録媒体であるフィルムを購入し、撮影後に現像に出す必要があり、写真1枚当たりに相当の費用を要していた。そして、1本のフィルムに記録可能な画像の数も数十枚程度である。
これに対してデジタルカメラは、撮影後の画像データをパーソナルコンピュータ等へ移動することができるために、メモリカード等の記録媒体を一旦購入すれば、その後は記録媒体を毎回購入する必要はなく、また撮影後の現像も不要であるために、1枚の画像データを得るために要する費用は、銀塩カメラに比して圧倒的に低額である。さらに、近年の記録媒体の大容量化に伴って、1枚のメモリカード等に記録可能な画像の数は増大の一途をたどり、例えば数千枚もの画像を記録することが可能となっている。
このような状況から、1台のデジタルカメラにより所定期間(例えば、購入後1年以内)に撮影される画像の枚数は、1台の銀塩カメラにより同一期間に撮影される画像の枚数に比して、飛躍的に増加している。
一方、デジタルカメラには上述したようにメカニカルシャッタが備えられていることがあるが、特に一眼レフレックスタイプのデジタルカメラには、多くの場合、フォーカルプレーンシャッタが備えられている。
フォーカルプレーンシャッタを銀塩カメラに搭載する場合には、プロフェッショナル用途であっても10万回程度のシャッタ回数に耐え得るように設計すれば足りたが、デジタルカメラに搭載する場合には、更なるシャッタ耐性を備えることが望ましい。
しかしながら、メカニカルシャッタの場合には、シャッタ耐性を向上するのは容易ではなく、しかも多くのコストを要することになるために、現実的には10万回〜20万回程度を上限とせざるを得ない。従って、メカニカルシャッタが消耗して、設計した通りの機能を発揮できなくなる事態が増加している。
例えば、メカニカルシャッタが一切動作しない場合には、故障が発生していることをユーザレベルであっても容易に認識することができるが、シャッタの幕速が例えば遅くなるなどして露光ムラが発生している場合などには、すぐさまそれを確認することは容易ではない。
そこで、例えば特開平6−258690号公報には、シャッタの近傍に発光ダイオードおよびフォトトランジスタを配設して、先幕、後幕の走行タイミングを計測し、露光時間や各幕の走行時間を検出する技術が記載されている。
特開2006−54788号公報
特開平6−258690号公報
しかしながら、上記特開平6−258690号公報に記載されたような技術では、シャッタ幕の走行特性を試験するための特別な部材を配設する必要があるために、撮像装置のコスト高、重量の増加、サイズの増加等を招いていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、レンズからの光線を、メカニカルフォーカルプレーンシャッタを介して、電子ローリングシャッタにより駆動され得る撮像素子に導く構成において、特別な部材等を配設することなく、該シャッタの走行特性の正常/不良を容易に確認することができるシャッタ走行特性試験システム、シャッタ走行特性試験方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様によるシャッタ走行特性試験システムは、撮像面に二次元状に複数の画素が配置された撮像素子と、上記撮像素子の撮像面に光線を導くレンズと、該撮像素子を電子ローリングシャッタによる露光制御により駆動することが可能な撮像素子駆動部と、上記レンズにより上記撮像面に導かれる光線の光路上に配設され、シャッタ幕の走行方向が、上記電子ローリングシャッタの主走査方向と交差するように配置されたメカニカルフォーカルプレーンシャッタと、該メカニカルフォーカルプレーンシャッタを駆動制御するシャッタ駆動部と、上記電子ローリングシャッタと上記メカニカルフォーカルプレーンシャッタとを同時に作動させて得られた画像信号に基づいて、上記メカニカルフォーカルプレーンシャッタの走行特性の試験を行う走行特性試験部と、を具備したものである。
また、本発明の第2の態様によるシャッタ走行特性試験方法は、電子ローリングシャッタによる露光制御により駆動され得る撮像素子と、シャッタ幕の走行方向が該電子ローリングシャッタの主走査方向と交差するように配置されたメカニカルフォーカルプレーンシャッタと、を備えた撮像装置の、シャッタ走行特性試験方法であって、上記撮像素子の撮像面に光線を導きながら、上記電子ローリングシャッタと上記メカニカルフォーカルプレーンシャッタとを同時に作動させて得られた画像信号に基づいて、上記メカニカルフォーカルプレーンシャッタの走行特性の試験を行う方法である。
本発明のシャッタ走行特性試験システム、シャッタ走行特性試験方法によれば、レンズからの光線を、メカニカルフォーカルプレーンシャッタを介して、電子ローリングシャッタによる露光を行い得る撮像素子に導く構成において、特別な部材等を配設することなく、該シャッタの走行特性の正常/不良を容易に確認することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態1]
図1から図36は本発明の実施形態1を示したものであり、図1は撮像装置の構成を示すブロック図である。
図1から図36は本発明の実施形態1を示したものであり、図1は撮像装置の構成を示すブロック図である。
この撮像装置1は、レンズ3や絞り4を備えるレンズ鏡筒2と、シャッタ5と、撮像素子6と、記憶部たるメモリ7と、画像処理部8と、メモリカード9と、表示部10と、画像分析部11aを備える制御部11と、操作部12と、バッテリ13と、を備えている。
レンズ鏡筒2は、例えば、バヨネットマウント等を介して交換可能に構成されたものとなっている。従って、他の焦点距離のレンズ3を備えたレンズ鏡筒2に交換することが可能である。ただし、レンズ鏡筒2が撮像装置1に固定のタイプのものであってももちろん構わない。
レンズ3は、被写体の光学像を撮像素子6の光電変換部21(図2参照)へ結像するためのものである。このレンズ3は、焦点調節を行うためのフォーカスレンズを含んで構成されている。
絞り4は、レンズ3から撮像素子6へ向かう被写体光束の通過範囲を規定することにより、撮像素子6上に結像される被写体像の明るさを調節するためのものある。
シャッタ5は、レンズ3からの被写体光束が撮像素子6を照射する時間を制御するためのものある。このシャッタ5は、例えば、フォーカルプレーンシャッタ等のメカニカルシャッタとして構成されている。そして、本実施形態においては、シャッタ5は、単画像撮影モードにおいて静止画像を撮像するときに用いられる。一方、連写撮影モードにおいて静止画像を撮像するとき、および動画撮影モードにおいて動画像を撮像するときには、シャッタ5は開いた状態を維持し、ローリングシャッタを用いて各静止画像または各フレーム画像が撮像がされるようになっている。
撮像素子6は、例えばCMOSセンサ等の、ローリングシャッタによる露光制御に従って画像信号を出力する撮像素子として構成されたものである。ここに、ローリングシャッタとは、光電変換部21(図2参照)に配列されている複数の光電変換素子22(図2参照)の信号を読み出す際に、画素毎に時系列的に、あるいはライン単位で時系列的に、読み出すものをいう。従って、各光電変換素子22がリセットされるタイミングは、全画素が同時であっても構わないし、画素毎に時系列的、あるいはライン単位で時系列的であっても構わない。すなわち、ローリングシャッタという名称は、各光電変換素子22がリセットされるタイミングに拘束されるものではない。
メモリ7は、撮像素子6から出力される動画像を少なくとも1フレーム分記憶するフレームメモリとして構成されたものである。後述するような撮像素子6の構造に起因して、このメモリ7にフレーム画像が書き込まれる順序と、このメモリ7からフレーム画像が読み出される順序とは異なるように制御される。
画像処理部8は、撮像素子6から出力される静止画像およびメモリ7を介して出力される動画像に各種の画像処理を施すものである。また、画像処理部8は、メモリカード9から読み出した画像の処理も行うようになっている。
メモリカード9は、画像処理部8により記録用に処理された静止画像または動画像を記録する記録媒体である。このメモリカード9は、撮像装置1に着脱可能に構成されているために、撮像装置1に固有の構成でなくても構わない。
表示部10は、画像処理部8により表示用に処理された静止画像または動画像を表示するものである。すなわち、表示部10は、動画像表示部を兼ねたものとなっている。
制御部11は、レンズ鏡筒2、シャッタ5、撮像素子6、メモリ7、画像処理部8を含むこの撮像装置1の内部を統括的に制御するものであり、操作部12からの入力信号も受信するようになっている。すなわち、制御部11は、レンズ駆動部として機能し、レンズ3のフォーカスレンズを制御して合焦を行わせる。また、制御部11は、絞り制御部として機能し、露出値に基づいて絞り4を制御する。さらに、制御部11は、シャッタ駆動部として機能し、この撮像装置1が、単画像撮影モード、連写撮影モード、動画撮影モードの何れに設定されているかに応じて、シャッタ5を制御する。さらに、制御部11は、撮像素子駆動部として機能し、ローリングシャッタによる露光制御を行って、撮像素子6から画像信号を出力させる。そして、制御部11は、読出制御部として機能し、書き込み順(図1の矢印W参照)と読み出し順(図1の矢印R参照)とが異なるように、メモリ7を制御する。加えて、制御部11は、画像処理部8による画像処理の制御を行う。また、制御部11に含まれる画像分析部11aは、画像処理部8を制御しながら、後述するように画像の分析を行い、シャッタ5の動作状態に関する情報を取得する。すなわち、制御部11は、走行特性試験部としても機能するようになっている。
操作部12は、この撮像装置1に対する各種の操作入力を行うためのものである。この操作部12は、撮像装置1の電源をオン/オフするための電源スイッチ、画像の撮影指示を入力するためのレリーズスイッチ35(図4参照)、撮像装置1の動作モードを単画像撮影モード、連写撮影モード、動画撮影モード等に設定するためのモード設定スイッチ、などを含んでいる。ここに、レリーズスイッチ35は、例えば、単画像撮影モードにおける1回の押下による静止画像の撮影、連写撮影モードにおける押下状態下での複数の静止画像の連続撮影、動画撮影モードにおける1回目の押下による動画像の撮影開始および2回目の押下による動画像の撮影終了などに用いられる。
バッテリ13は、この撮像装置1の電力供給源である。
次に、図2は撮像素子6の一構成例を示す図である。なお、この図2においては、簡略化のために、光電変換部21が光電変換素子22を縦(垂直)6×横(水平)8に配列した構成、すなわち6×8画素配列である場合を図示している。
この撮像素子6は、複数の光電変換素子22を含む光電変換部21と、タイミングジェネレータ23と、垂直走査回路24と、水平走査回路25と、アンプ26と、CDS(相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路)27と、ADC(アナログ/デジタルコンバータ)28と、LVDS(低電圧差動信号(Low Voltage Differential Signaling)回路)29と、を備えている。
光電変換部21は、長辺と短辺とを有する矩形領域内に、複数の光電変換素子22が長辺方向および短辺方向に沿ってマトリクス状に配列されたものである。
また、垂直走査回路24は、光電変換部21の何れかの水平ラインを選択するためのものである。
さらに、水平走査回路25は、光電変換部21の何れかの垂直ラインを選択するためのものである。
アンプ26、CDS27、ADC28は、各水平ラインの終端に接続してそれぞれ設けられた信号処理回路である。ここに、アンプ26は、光電変換素子22から出力されたアナログ信号を増幅する増幅回路である。CDS27は、光電変換素子22から出力されたアナログ信号からリセットノイズ等を除去するための回路である。ADC28は、CDS27により処理されたアナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D変換回路である。
LVDS29は、各水平ライン毎に設けられたADC28に接続して設けられた信号処理回路である。
タイミングジェネレータ23は、走査回路を構成し、垂直走査回路24、水平走査回路25へ同期信号を出力するものである。
このように、本実施形態の図2に示すような撮像素子6は、長辺方向(水平方向)を主走査方向とし、短辺方向(垂直方向)を副走査方向として、光電変換部21から信号を読み出すものとなっている。なお、この読み出しは、タイミングジェネレータ23、垂直走査回路24、水平走査回路25の制御により行われる。これにより、垂直ライン上に配列された光電変換素子22は、同一時刻に読み出しが行われることになるために、被写体における垂直の線を撮像しても斜めの線の画像となることはない。そして、撮像素子6は、読み出した信号を内部で増幅してノイズを除去してから出力しているために、低ノイズ化を図ることも可能となっている。
このような構成は、走査線を用いてブラウン管に描画を行う従来のテレビジョン方式には合致していないために、図1に示したようにメモリ7を設けて、メモリ7への書き込み順序とメモリ7からの読み出し順序とを異ならせることにより、該テレビジョン方式に合致させるようにしている。すなわち、メモリ7への書き込み時には、撮像素子6の読み出し順序と一致するように、つまり第1列目、第2列目、第3列目、…の順序で矢印Wに示すように書き込みを行っている。一方、メモリ7からの読み出し時には、第1行目、第2行目、第3行目、…の順序で矢印Rに示すように読み出しを行っている。
このような主走査方向の変更に相当する処理を行うことにより、その後の画像処理等を、従来と同様の画像処理回路等で行うことが可能になる利点がある。
なお、静止画像についてはこのような処理を行う必要がないために、メモリ7を介することなく、撮像素子6から画像処理部8へ出力されるようにしている。しかし、これに限るものではなく、静止画に関しても動画像と同様に、主走査方向の変更に相当する処理を行うようにしても構わない。
次に、図3は撮像素子6の他の構成例を示す図である。なお、この図3においても、簡略化のために、光電変換部21が光電変換素子22を縦(垂直)6×横(水平)8に配列した構成、すなわち6×8画素配列である場合を図示している。
この撮像素子6は、図2に示した撮像素子6とほぼ同様に構成されているが、CDS27の後段であってADC28の前段にマルチプレクサ31が設けられ、ADC28の個数が図2に示した撮像素子6よりも少なく、LVDS29が省略されている点が異なっている。
この図3に示した例においては、出力がA,B,Cの3系統となっていて、マルチプレクサ31によって信号が選択されることにより、出力Aからは例えば画素1,画素4,画素7,画素10,…の順で、出力Bからは例えば画素2,画素5,画素8,画素11,…の順で、出力Cからは例えば画素3,画素6,画素9,画素12,…の順で、それぞれ信号が出力される。
このような構成を採用すれば、ADC28を行毎に設けることなく、行数の数分の1の数で済む利点がある。
次に、撮像装置1における撮像素子6の配置について図4および図5を参照して説明する。図4は撮像装置1における撮像素子6の配置を正面側から示す斜視図、図5は撮像装置1における撮像素子6の配置を背面側から示す斜視図である。これら図4および図5においては、撮像装置1がデジタルカメラである場合を例に挙げて図示している。
図4に示すように、撮像装置1の正面側中央部からは、レンズ3を備えるレンズ鏡筒2が突設されている。また、撮像装置1の上面の図4における左側には、この撮像装置1を右手で把持したときに、右手の人差指で押圧可能な位置にレリーズスイッチ35が配設されている。また、撮像装置1の筐体は、図4および図5に示すような通常の撮影姿勢において、全体として横長(垂直方向よりも水平方向の方が長い形状)に構成されたものとなっている。
続いて、図5に示すように、撮像装置1の背面側中央部には、表示部10が配設されている。この表示部10は、長辺と短辺とで構成される矩形状の表示領域を備え、通常の撮影姿勢において長辺方向が水平方向となるように配設されたLCD等の表示素子を含んで構成されている。また、撮像装置1の背面側の表示部10の上側には、光学ファインダや電子ビューファインダなどにより構成されるファインダ36が配設されている。このファインダ36による視野は、やはり、長辺と短辺とで構成される矩形状の領域において撮像の対象となる被写体を観察するものとなっている。ここに、ファインダ36は、通常の撮影姿勢において、視野の長辺方向が水平方向となるように配設されている。そして、このファインダ36も表示部の一種である。
そして、撮像素子6は、主走査方向(図1に矢印Mとして示す)である長辺方向が、撮像装置1の通常の撮影姿勢における水平方向と平行となり、かつ副走査方向(図1、図4、図5等に矢印Sとして示す)である短辺方向が、撮像装置1の通常の撮影姿勢における垂直方向と平行となるように、配置されている。
加えて、撮像素子6は、主走査方向である長辺方向が、表示部10またはファインダ36の矩形状の領域の長辺方向と平行となり、かつ副走査方向である短辺方向が、表示部10またはファインダ36の矩形状の領域の短辺方向と平行となるように、配置されている。
次に、図6は、シャッタ5の検査を行うための平行光均一照射器を撮像装置1に装着したときの様子を示す図である。
平行光均一照射器は、後述するように、シャッタ5の幕走行特性を検査する際に、平行光を撮像素子6の光電変換部21へ均一な面内照度で照射するために用いられるものとなっている。この平行光均一照射器は、例えば、焦点距離の長い(例えば400mm以上)レンズ3を備えるレンズ鏡筒2Aの前側焦点位置に、外光を遮断するカバー38を備えた点光源39を設置することにより構成される。ただしこれに限らず、平行光均一照射器としてコリメータを用いてももちろん構わない。
ここに、図6に示したような構成の平行光均一照射器を用いる場合には、レンズ鏡筒2Aに備えられた絞り4を、開放よりも2段ぐらい絞ると良い。これにより、周辺光量不足を防いで撮像素子6上における面内照度をほぼ均一にすることができる。
また、シャッタ5の検査を行うためには、光が照射された部分の信号値が撮像素子6のダイナミックレンジの中間よりも高く、光が照射されない部分の信号値が撮像素子6のダイナミックレンジの中間よりも低くなることが望ましい(何れもがダイナミックレンジの上限付近になる場合、あるいは何れもがダイナミックレンジの下限付近になる場合は、輝度の相違を検出するのがより困難になるためである)。さらに、シャッタ5に関する後述する検査項目の中には、フォーカルプレーンシャッタで構成されるシャッタ5をシンクロ速度以上で駆動したときに生じる露光スリットが必要となるが、この露光スリットの幅がなるべく細いことが検査精度を向上するために望ましい。従って、この場合には、シャッタ5を最速のシャッタ速度で駆動することになる。
具体例として、最高シャッタ速度が1/8000秒である場合に、光が照射された部分の信号値が撮像素子6のダイナミックレンジの中間よりも高くなるためには、例えば2倍のシャッタ速度、すなわち1/16000秒のシャッタ速度において適正露光が得られると良いことになる。点光源39の輝度がこの条件に合致することが望ましいが、もし合致しない場合には、撮像感度を調整するなどして条件に合うようにすると良い。
次に、図7は被写体OBJとレンズ3と撮像素子6上における被写体光像IOBJとの関係を示す図である。この図7に示す構成は、シャッタ5が開放されているとき(例えば、上述した連写撮影モード、動画撮影モードなど)、または撮像装置1にシャッタ5が設けられていないとき、に該当している。
また、図8は被写体OBJとレンズ3とシャッタ5と撮像素子6上における被写体光像IOBJとの関係を示す図である。この図8に示す構成は、シャッタ5を使用するとき(例えば、上述した単画像撮影モードなど)に該当している。
なお、図7および図8において、矢印Sは撮像素子6の副走査方向を示し、点STは走査開始点の位置を示している。
図示のように、レンズ3により撮像素子6上に結像される被写体OBJの光学像IOBJは、上下左右が反転された像となる。
図2または図3に示したような構成の撮像素子6により、図7または図8に示すような配置において被写体を撮影して得られる画像について、図9〜図11を参照して説明する。図9は静止している被写体を撮影して得られる画像の様子を示す図、図10は主走査方向と平行かつ同一方向に移動している被写体を撮影して得られる画像の様子を示す図、図11は主走査方向と平行かつ反対方向に移動している被写体を撮影して得られる画像の様子を示す図である。
静止している被写体を撮影したときに得られた画像41には、図9に示すような被写体像42が写っているものとする。
これに対して、主走査方向と平行かつ同一方向に移動している被写体の光像は、撮像素子6の光電変換部21上を、主走査方向と平行かつ反対方向に移動して行くことになる(図7、図8等も参照)。従って、被写体光像による露光が行われる垂直ライン数は、被写体が静止しているときよりも少なくなるために、得られた画像41には、図10に示すような横方向に短縮された被写体像42が写ることになる。
逆に、主走査方向と平行かつ反対方向に移動している被写体の光像は、撮像素子6の光電変換部21上を、主走査方向と平行かつ同一方向に移動して行くことになる(図7、図8等も参照)。従って、被写体光像による露光が行われる垂直ライン数は、被写体が静止しているときよりも多くなるために、得られた画像41には、図11に示すような横方向に引き延ばされた被写体像42が写ることになる。
しかしながら、何れの場合においても、図39を参照して説明した従来技術のような、被写体の垂直の線が斜めに写ることはなく、人間の視覚上、それほど違和感を憶えないで済むことになる(これに対して、図39に示したような斜めに歪む場合には、視覚上の違和感を憶える)。
次に、図12はフォーカルプレーンシャッタの動作サイクルを示す図である。
フォーカルプレーンシャッタは、光軸上における被写体側を走行する先幕FBと、光軸上における撮像素子6側を走行する後幕RBと、の2枚の幕により構成されている。なお、先幕FBおよび後幕RBは、それぞれ、例えば複数枚のシャッタ羽根により構成されたものとなっている。
まず、図12(A)は撮影前(露光前)の様子を示している。後幕RBは撮像素子6よりも上側の位置に退避しており、先幕FBは撮像素子6とレンズ鏡筒2との間を光密に覆っている。
次に、図12(B)は撮影中(露光中)の様子を示している。この図12(B)においては、シンクロ速度以上でシャッタ5が駆動されているとき、つまり、露光スリットESを介して露光が行われているときの様子を図示している。先幕FBの上端は撮像素子6の光軸上前方を下方へ向けて走行している。一方、後幕RBの下端は、露光スリットESのスリット幅だけ間隔をおいて、先幕FBの上端を追いかけるように下方へ向けて走行している。
続いて、図12(C)は、撮影(露光)が終了したときの様子を示している。先幕FBは、撮像素子6よりも下側の位置に到達している。一方、後幕RBは、撮像素子6とレンズ鏡筒2との間を光密に覆っている。
さらに、図12(D)は、シャッタチャージを行っているときの様子を示している。先幕FBおよび後幕RBは、互いに重畳する部分を有するように(光密を維持するように)連携しながら、図12(A)に示した位置へ向かって上方へ移動している。
そして、フォーカルプレーンシャッタは、図12(A)→図12(B)→図12(C)→図12(D)→図12(A)に示すようなサイクルにより動作を行うようになっている。
加えて、この図12に示す構成では、メカニカルシャッタのシャッタ幕の走行方向は、撮像素子6の主走査方向と直交する方向となっている(ただし、ここでは直交する場合を例に挙げているが、これに限るものではなく、シャッタ幕の走行方向と主走査方向とが交差していれば、後述するようなシャッタの故障確認を行うことは可能である)。そして、このような配置の下に、メカニカルシャッタと撮像素子6の電子シャッタであるローリングシャッタとを同時に動作させると、以下に説明するように、メカニカルシャッタのシャッタ幕の走行特性の良/不良を検出することが可能である。
なお、メカニカルシャッタの良/不良の確認は、出荷検査や修理サービスで行うなどの用途が考えられるが、ユーザが実施してその結果に応じて必要である場合に撮像装置1を修理に出すなどの用途への利用を妨げるものではない。
図13はシャッタの故障確認をスリット露光により行うときの様子を示す図、図14はシャッタの先幕のみを故障確認するときの様子を示す図、図15はシャッタの後幕のみを故障確認するときの様子を示す図である。
本実施形態においては、撮像装置1が第1シャッタ不良確認モードに設定されると、図13に示すようなスリット露光により、シャッタ故障の確認を行うようになっている。なお、この第1シャッタ不良確認モードは、図6に示したような平行光均一照射器を撮像装置1に取り付けた状態で行うことを前提としている。
また、撮像装置1が第2シャッタ不良確認モードに設定されると、図14に示すような動作を行って先幕のみを故障確認するとともに、図15に示すような動作を行って後幕のみを故障確認するようになっている。ここに、先幕の故障確認においては、スリット露光を行わないようになっており、先幕が走行している間は後幕は走行しない。また、後幕の故障確認においても、スリット露光を行わないようになっており、先幕が撮像素子6の光路上から退避する位置まで走行し終わった後に、後幕の走行を行う。なお、この第2シャッタ不良確認モードは、図6に示したような平行光均一照射器を撮像装置1に取り付けた状態で行うか、またはレンズ3をデフォーカスした状態で行うことを前提としている。
図16はスリット露光時の先幕および後幕の走行状態を示す図である。この図16および以下に説明する図17、図18において、縦軸は撮像素子6の垂直方向の位置を示し、横軸は時間を示している。
実線で示す先幕および点線で示す後幕の何れも、走行を開始して徐々に加速し、ある速度に達したところで撮像素子6の上端を横切り始め、その後は(幾らかの加速等を行うものの)比較的均一な速度を維持しながら撮像素子6の下端に達する。このときの、ある水平ラインにおける先幕が通過してから後幕が通過するまでの時間ETが、その水平ラインにおける露光時間である。
一方、図17は非スリット露光時の先幕および後幕の走行状態を示す図である。このときには、先幕が撮像素子6の下端に達した後に、後幕が撮像素子6の上端を横切り始めることになる。
また、図18は不良が発生しているシャッタによりスリット露光を行ったときの先幕および後幕の走行状態を示す図である。この図18に示す例においては、撮像素子6の上端付近のある水平ラインにおける露光時間ET1と、撮像素子6の下端付近のある水平ラインにおける露光時間ET2とが異なっており、撮像素子の6の上端側よりも下端側の方が明るく露光されてしまうタイプの不良が発生していることが分かる。
次に、図19は、平行光均一照射器を撮像装置1に取り付けてスリット露光を行い、かつセンサリセットからセンサリードまでの時間を1フレームの読み出し時間よりも短くしたローリングシャッタの動作を行ったときに得られる画像データの様子を、撮像素子6の背面側から示した図である。ただし、この図19に示す例は、後幕の走行特性が不良(後幕の幕速が設計値よりも遅い)となっていて、後幕が撮像素子6の下端に達する前に、ローリングシャッタの動作が終了してしまう場合の例となっている。
画像41上には、暗い画像部分の中に、露光スリットとローリングシャッタとの交差部分として得られる略斜めの明るい画像部分が露光されており、暗い画像部分と明るい画像部分との境界線の一方が先幕の走行に起因する曲線Lf、他方が後幕の走行に起因する曲線Lrである(ただし、ここでは概要のみを述べ、詳細については後述する)。
なお、シャッタ5の故障を検出する精度を向上するためには、図19における略斜めの明るい画像部分が、得られた画像データを略対角状に横切ることが望ましい。そこで、フレームレートの上限が60fps程度であるローリングシャッタを、125fps〜300fps程度のフレームレートに対応するメカニカルシャッタに合わせるために、後述するように、故障確認用のローリングシャッタ時に撮像素子6から間引き読み出しを行い、両方のシャッタ速度を近似させるようにしている。
続いて、図20はスリット露光による故障確認または先幕のみを故障確認するときの撮像素子6およびシャッタ5の駆動を示すタイミングチャートである。この図20に示すタイミング制御は、例えば制御部11により行われるものとする。
撮像を行う際には、まず、ある時刻t0においてセンサリセットパルスを撮像素子6の全光電変換素子22へ印加する。これにより、光電変換部21内の全光電変換素子22が一斉にリセットされる。
次に、先幕スタートパルスをシャッタ5へ印加する。これにより、シャッタ5の先幕の走行が開始される。
先幕スタートパルスを印加してから所定時間αが経過したところで、センサリードパルスを光電変換部21の第1列目から最終列目へ向かって順に、所定時間K間隔で順に印加していく。これにより、時間Kの間隔で各列の信号が順次読み出される。ただし、読み出しが開始された時点では、先幕はまだ光電変換部21の上端に達していないために、図19に示したように、第1列目〜数列目までの出力信号は、被写体光が撮像素子6に到達していない信号である。
また、先幕スタートパルスを印加してから、シャッタ速度に応じて定められる所定時間βが経過したところで、後幕スタートパルスをシャッタ5へ印加する。これにより、シャッタ5の後幕の走行が開始される。
先幕スタートパルスを印加してから時間Mが経過した時刻t1fにおいて、先幕が撮像素子6の上端に到達したものとする。この時点以降に撮像素子6から読み出される信号には、被写体光の到達に起因する信号値が含まれることになる。
後幕スタートパルスを印加してから時間Nが経過した時刻t1rにおいて、後幕が撮像素子6の上端に到達したものとする。
その後、先幕スタートパルスを印加してから時間Sfが経過した時刻t2fにおいて、先幕が撮像素子6の下端に到達したものとする。
さらにその後、後幕スタートパルスを印加してから時間Srが経過した時刻t2rにおいて、後幕が撮像素子6の下端に到達したものとする。
そして、センサリードパルスを印加してから時間Pが経過したところで、光電変換部21の最終列にセンサリードパルスが印加されると、1フレーム分の露光が終了する。
なお、この図20に示したタイミングにおいて、撮像素子6の上端から下端までを走行するシャッタ幕(先幕および後幕)の動作状態を、なるべく高い精度で検出するためには、後で詳しく説明するように、時間Sfと時間Pが近接し、かつ時間Srと時間Pが近接するように設定すると良い。この設定は、撮像素子6を間引き読み出しして、ローリングシャッタによる素子シャッタ時間を調整することにより行われる。
図21は、図20に示したようなタイミングの駆動により露光された画像データを撮像素子6の背面側から見たときの様子、および幾つかの垂直ラインにおいて得られた信号値の様子を示す図である。
まず、図21(D)は、画像データを示している。この図21において、実線で示す曲線Lfが先幕の走行に起因する曲線、点線で示す曲線Lrが後幕の走行に起因する曲線である。また、撮像素子6の読み出し開始点は、画像データの右下角となる。なお、図21(D)および後述する図25において、白抜き矢印は撮像素子6の主走査方向を示し、下から上へ向かう点線矢印は撮像素子6における各垂直ラインの副走査方向を示している。
次に、図21(A)は、後幕が撮像素子6の上端に到達した後の該到達時刻に近い時刻A(図20,図21(D)参照)において光電変換部21から読み出された垂直ライン(適宜、ラインAと呼ぶ)における信号値の様子を示している。ラインAと曲線Lfとが交差する点よりも下の行は、まだ被写体光が到達していないために信号値は略0(黒レベル)である。また、ラインAと曲線Lrとが交差する点よりも上の行は、露光スリットを介した被写体光の到達が既に終了して、それ以上は被写体光が到達することはないために、ほぼ一定レベルの信号値が得られる。そして、ラインA上における曲線Lfと曲線Lrとの間の部分が、ほぼリニアに信号値が増加している部分である。ここに図22は、図21(A)に対応する時刻Aにおける撮像素子6と先幕FBおよび後幕RBにより構成される露光スリットESとの位置関係を示す図である。
図21(B)は、先幕および後幕が撮像素子6の中程の行に到達した時刻B(図20,図21(D)参照)において光電変換部21から読み出された垂直ライン(適宜、ラインBと呼ぶ)における信号値の様子を示している。ラインB上における出力信号の様子は、信号値が0になる行および信号値がほぼ一定レベルになる行の位置が下方にずれた点を除いて、図21(A)を参照して説明したことと同様である。ここに図23は、図21(B)に対応する時刻Bにおける撮像素子6と先幕FBおよび後幕RBにより構成される露光スリットESとの位置関係を示す図である。
図21(C)は、先幕が撮像素子6の下端に到達した時刻C(図20,図21(D)参照)において光電変換部21から読み出された垂直ライン(適宜、ラインCと呼ぶ)における信号値の様子を示している。ラインC上における出力信号の様子は、信号値が0になる行が撮像素子6の下端にずれ、同様に、信号値がほぼ一定レベルになる行の位置が図21(B)よりもさらに下方にずれた点を除いて、図21(A)、図21(B)を参照して説明したことと同様である。ここに図24は、図21(C)に対応する時刻Cにおける撮像素子6と先幕FBおよび後幕RBにより構成される露光スリットESとの位置関係を示す図である。
そして、各垂直ライン上の、信号値が0から略リニアに増加するように変化する変曲点を検出して、これらを結ぶことにより、先幕の走行に起因する曲線Lfを検出することができる。同様に、各垂直ライン上の、信号値が略リニアに増加してほぼ一定レベルに変化する変曲点を検出して、これらを結ぶことにより、後幕の走行に起因する曲線Lrを検出することができる。
続いて、図25は、図21〜図24を参照して説明したような露光を行ったときの時間関係を、図20に基づき記載した図である。
図20を参照して説明したように、センサリードパルスの印加開始から印加終了までの時間はPである。また、垂直1ラインの読み出し時間間隔はKである。そして、走査開始点STは、背面側からみた画像データの右下角である。さらに、センサリードパルスが印加された時刻から、時間(M−α)だけ経過した時点に対応する垂直ラインが、曲線Lfの始点となる。また、センサリードパルスが印加された時刻から、時間(N+β−α)だけ経過した時点に対応する垂直ラインが、曲線Lrの始点となる。
続いて、図26は、先幕のみを故障確認するために図20に示したようなタイミングの駆動により露光して得られた画像データを、撮像素子6の背面側から見たときの様子を示す図である。だだし、先幕のみを故障確認するときには、図14を参照して説明したように、スリット露光は行わない。従って、図20に示したタイミングチャートの内の、後幕スタートパルスについては、図20とは異なり、センサリードパルスが最終列まで印加された後に、適宜の時点でシャッタ5へ印加されるようになっている。なお、先幕が撮像素子6の下端に到達するのは、図20にも示したように、時刻t2fであり、この時刻t2fにおいてセンサリードパルスが印加され読み出される垂直ラインを図26においてRfとして示す(図20にも示す)。
次に、図27は後幕のみを故障確認するときの撮像素子6およびシャッタ5の駆動を示すタイミングチャートである。この図27に示すタイミング制御は、例えば制御部11により行われるものとする。
この図27に示すタイミングの制御は、予め、先幕スタートパルスがシャッタ5へ印加されて、先幕が撮像素子6の下端に到達した後に行われることを前提としている。
先幕が撮像素子6の下端に到達した後のある時刻において、センサリセットパルスを光電変換部21の第1列目から最終列目へ向かって順に、所定時間K間隔で順に印加していく。これにより、1列毎の時系列に、光電変換素子22がリセットされる。
また、センサリセットパルスの印加開始に近い時刻に、後幕スタートパルスがシャッタ5へ印加される。
そして、センサリセットパルスが印加開始されてから、ローリングシャッタのシャッタ時間となる所定の露光時間Texが経過した時刻(後幕スタートパルスが印加されてから時間δが経過した時刻)から、センサリードパルスを光電変換部21の第1列目から最終列目へ向かって順に、所定時間K間隔で順に印加していく。これにより、時間Kの間隔で各列の信号が順次読み出される。ただし、読み出しが開始された時点では、後幕はまだ光電変換部21の上端に達していないために、後述する図28に示すように、第1列目〜数列目までの出力信号は、列内の全画素が、被写体光が撮像素子6に到達している信号である。
後幕スタートパルスを印加してから時間Nが経過した時刻t1rにおいて、後幕が撮像素子6の上端に到達したものとする。この時刻t1r以降は、後幕が撮像素子6上を走行して、撮像素子6の上端側から順次遮光を行っていくことによる信号値が略0(黒レベル)になる暗部が、後述する図28に示すように、撮像データ上に生じることになる。
その後、後幕スタートパルスを印加してから時間Srが経過した時刻t2rにおいて、後幕が撮像素子6の下端に到達したものとする。
さらにその後、センサリードパルスを印加してから時間Pが経過したところで、光電変換部21の最終列にセンサリードパルスが印加されると、1フレーム分の露光が終了する。
なお、この図27に示したタイミングにおいても、後幕の動作状態をなるべく高い精度で検出するために、後で詳しく説明するように、時間Srと時間Pが近接するように設定すると良い。
続いて、図28は、後幕のみを故障確認するために図27に示したようなタイミングの駆動により露光して得られた画像データを、撮像素子6の背面側から見たときの様子を示す図である。
図27を参照すれば分かるように、曲線Lrの始点となる垂直ラインは、センサリードパルスが印加開始された時刻から、時間(N−δ)だけ経過した時点において、センサリードパルスが印加された垂直ラインとなる。また、曲線Lrの終点となる垂直ラインは、図27にも示したように、後幕が撮像素子6の下端に到達した時刻t2rにおいて、センサリードパルスが印加された垂直ラインであり、これをRrと表記することにする(図27および図28にも図示している)。
さらに、図28において、点線で示した曲線Lrに近接して沿うように、一点鎖線で示す曲線Lbが描画されている。この曲線Lbは、信号値が略0(黒レベル)になる変曲点を結んだものである。すなわち、図28に示す画像において、曲線Lrよりも右下の部分は、露光時間Texの露光が行われた部分であり、ほぼ一定レベルの信号値となっている。従って、曲線Lrは、信号値がほぼ一定レベルから略リニアに減少する変曲点を結んだものである。後幕の走行特性を検出する際に、図28において、点線で示す曲線Lrと、一点鎖線で示す曲線Lbとの何れを用いても構わないが、画像処理的には、信号値が略0(黒レベル)から立ち上がる変曲点を結んで得られる曲線Lbを検出する方が処理が簡単である。
次に、図29は、第1シャッタ不良確認モードの動作を示すフローチャートである。この第1シャッタ不良確認モードは、図20に示したようなタイミングの制御によりスリット露光を行って、シャッタ動作の不良に起因する露光ムラが画像に生じているか否かを主に検出するものとなっている。
すなわち、撮像装置1が第1シャッタ不良確認モードに設定されてこの処理が開始されると、まず、第1シャッタ不良確認モードの処理を行うために必要な各種の設定を行う(ステップS1)。ここでは、例えば平行光均一照射器の照度に合わせた撮影感度の設定を行ったり、あるいは、メカニカルシャッタとローリングシャッタとのシャッタ速度を近似するために間引き読み出しの設定を行ったりする。
間引き読み出しの設定は、例えば、以下のように行う。
撮像素子6のフレームレートが例えば60fpsであるものとする。この場合には、1フレームの読み出しに要する時間(ブランキングを考慮に入れなければ、図20や図27に示した時間Pにほぼ相当する)は16.67msecである(撮像素子6が例えば縦2100画素×横2800画素で構成される約600万画素である場合には、垂直1ラインを読み出すに要する時間Kは(1sec/60/2800)≒6μsecとなる)。
一方、シャッタ5の先幕または後幕に関して、スタートパルスの印加後に各幕が走行完了するまでの時間SfまたはSrが、3msecである場合を考える。このときには、
メカニカルシャッタ時間<<素子シャッタ時間
となるために、間引き読み出しを行って素子シャッタ時間を短縮し、メカニカルシャッタ時間に近接させる。具体的には、垂直ラインの読み出しを5本に1本(1/5間引き)にすると、(16.67msec/5)≒3.33msecとなり、メカニカルシャッタ時間と素子シャッタ時間とを近接させることができる。なお、垂直ラインの読み出しを6本に1本(1/6間引き)にすると、(16.67msec/6)≒2.78msecとなり、近接はするものの、メカニカルシャッタ時間よりも素子シャッタ時間のほうが短くなってしまう。このときには、曲線Lf,Lrが、画像データの上端を始点として下端を終点とすることができなくなり(つまり、下端に到達することなく左端で途切れるなど)、幕の走行特性に関して取得されるデータが不十分となるために、シャッタの故障確認という観点からは望ましくない。そこで、素子シャッタ時間は、メカニカルシャッタ時間よりも長い範囲で、近接させるようにすると良い(すなわち、図20、図27を参照すれば、(Sf−M)<Pかつ(Sf−M)≒P、および(Sr−N)<Pかつ(Sr−N)≒Pが満たされるようにすると良い)。このような観点から、上記例に示したようなシャッタ時間のシャッタ5および撮像素子6を備える撮像装置1においては、シャッタ5の故障確認を行う際には1/5間引きが設定されることになる。
メカニカルシャッタ時間<<素子シャッタ時間
となるために、間引き読み出しを行って素子シャッタ時間を短縮し、メカニカルシャッタ時間に近接させる。具体的には、垂直ラインの読み出しを5本に1本(1/5間引き)にすると、(16.67msec/5)≒3.33msecとなり、メカニカルシャッタ時間と素子シャッタ時間とを近接させることができる。なお、垂直ラインの読み出しを6本に1本(1/6間引き)にすると、(16.67msec/6)≒2.78msecとなり、近接はするものの、メカニカルシャッタ時間よりも素子シャッタ時間のほうが短くなってしまう。このときには、曲線Lf,Lrが、画像データの上端を始点として下端を終点とすることができなくなり(つまり、下端に到達することなく左端で途切れるなど)、幕の走行特性に関して取得されるデータが不十分となるために、シャッタの故障確認という観点からは望ましくない。そこで、素子シャッタ時間は、メカニカルシャッタ時間よりも長い範囲で、近接させるようにすると良い(すなわち、図20、図27を参照すれば、(Sf−M)<Pかつ(Sf−M)≒P、および(Sr−N)<Pかつ(Sr−N)≒Pが満たされるようにすると良い)。このような観点から、上記例に示したようなシャッタ時間のシャッタ5および撮像素子6を備える撮像装置1においては、シャッタ5の故障確認を行う際には1/5間引きが設定されることになる。
また、他の例として、撮像素子6のフレームレートは60fpsであるが、メカニカルシャッタの幕走行時間Sf,Srが4msecである場合には、1/4間引きを行えば素子シャッタ時間が4.15msecとなる。従って、シャッタ5の故障確認を行う際には1/4間引きが設定されることになる。
ただし、間引き読み出しは、必ずしも整数分の1に限るものではない。例えば、撮像素子6のフレームレートが60fps、メカニカルシャッタの幕走行時間Sf,Srが6msecである場合を考える。このときには、1/2間引きを行えば素子シャッタ時間が8.33msecとなる(なお、1/3間引きでは素子シャッタ時間が5.56msecとなって、メカニカルシャッタ時間よりも短くなってしまう)。この8.33msecという値は、6msecの1.4倍程度であるために、このままではシャッタ5の故障確認に用いられる垂直ライン数が全ライン数の7割程度となってしまうことになる。もちろん、これでも故障確認を行うことは可能であるが、検出精度を向上するためにはより多いライン数を用いることが望ましい。そこで、比較的簡単な整数比で表される有理数を利用することを考える。具体的には、2/5間引き(このときには、5本に2本の割合で読み出すことになるために、3ラインに1本の読み出しと2ラインに1本の読み出しとを繰り返して行うことになる)を行えば、素子シャッタ時間は6.67msecとなり、メカニカルシャッタ時間よりも長い範囲で近接した値となる。従って、この場合にシャッタ5の故障確認を行うには、1/2間引きに代えて、2/5間引きを設定するようにしても良い(ただし、この場合には、図20および図26に示したRf、あるいは図27および図28に示したRrなどに基づいて、先幕または後幕が撮像素子6の上端から下端まで走行するのに要する時間を算出しようとすると、少しだけ演算が複雑になる)。
図29の説明に戻って、上述したようなステップS1の処理が終了したら、次に、図6に示したような平行光均一照射器が撮像装置1に装着されているか否かを判定する(ステップS2)。この装着の有無は、撮像装置1の制御部11が平行光均一照射器と通信等を行って自動的に判定するようにしても良いし、平行光均一照射器が装着されていることをユーザが手動で入力したか否かに基づき制御部11が判定するようにしても構わない。
ここで、平行光均一照射器が装着されていないと判定された場合には、「平行光均一照射器を装着して下さい」などの注意表示を表示部10に行って(ステップS3)、ステップS2へ戻り、平行光均一照射器が装着されるのを待機する。
こうして、ステップS2において、平行光均一照射器が装着されたと判定された場合には、図20に示したような第1のタイミングでシャッタ5および撮像素子6を駆動して露光を行い、画像データを取得する(ステップS4)。
次に、ステップS4において得られた画像データに基づいて、画像分析部11aが後述するような第1露光ムラ判定を行い、シャッタ5の動作(走行特性)が正常であるか否かを判定する(ステップS5)。
ここで、シャッタ5の動作が正常であると判定された場合には、シャッタ5による露光ムラがない場合の所定の処理(例えば、「シャッタの動作は正常です」等のメッセージを表示部10に表示するなど)を行い(ステップS6)、一方、シャッタ5の動作が正常でないと判定された場合には、シャッタ5の露光ムラが発見された場合の所定の処理(例えば、「シャッタの動作が正常でない可能性がありますので、第2シャッタ不良確認モードに設定してください」等のメッセージを表示部10に表示するなど)を行って(ステップS7)、その後にこの処理を終了する。
次に、図30は、図29のステップS5における第1露光ムラ判定の詳細を示すフローチャートである。
ここではまず、各垂直ラインにおける信号値の変曲点、すなわち、図21(A)〜図21(C)に示したような、信号値がほぼ一定レベルである部分から、信号値が略リニアに減少する部分へ移行する変曲点を検出する(ステップS11)。
続いて、各垂直ラインに対して検出された変曲点の信号値の内の最大値を検出する(ステップS12)。この最大値は、図21(D)において、曲線Lfと曲線Lrとに挟まれた弧状の領域における水平方向の幅が最も広い部分、すなわち、先幕が通過してから後幕が通過するまでの時間が最も長い部分と、曲線Lrと、が交わる部分の画素の信号値として得られる。
さらに、各垂直ラインに対して検出された変曲点の信号値の内の最小値を検出する(ステップS13)。この最小値は、図21(D)において、曲線Lfと曲線Lrとに挟まれた弧状の領域における水平方向の幅が最も狭い部分、すなわち、先幕が通過してから後幕が通過するまでの時間が最も短い部分と、曲線Lrと、が交わる部分の画素の信号値として得られる。
そして、変曲点の最大値から変曲点の最小値を減算し、減算した値が所定の上限値以下であるか否かを判定する(ステップS14)。すなわち、シャッタ幕の動作が設計値通りである場合には、均一な露光が得られ、信号値にばらつきが生じることはないはずである(言い替えれば、図21(D)において、曲線Lfと曲線Lrとに挟まれた弧状の領域における水平方向の幅は全ての水平ライン上において同一となるはずである)。そこで、信号値のばらつきの有無を判定するための閾値を所定の上限値として、この上限値以下であれば均一な露光であると見なし、上限値を超えた場合には露光ムラが生じていると判定するようにしている。
このステップS14において、減算値が所定上限値以下であると判定された場合には、シャッタ5の走行特性は正常であるとして、図29のステップS6の処理へ移行する。
一方、ステップS14において、減算値が所定上限値よりも大きいと判定された場合には、シャッタ5の走行特性は不良であるとして、図29のステップS7の処理へ移行する。
次に、図31は、第2シャッタ不良確認モードの動作を示すフローチャートである。この第2シャッタ不良確認モードは、図20に示したようなタイミングの制御(後幕スタートパルスを除く)により露光を行って先幕の走行特性(例えば幕速など)に不良がないか否かを検出するとともに、図27に示したようなタイミングの制御により露光を行って後幕の走行特性(同様に、例えば幕速など)に不良がないか否かを検出し、さらに先幕の確認に用いた画像と後幕の確認に用いた画像とを利用して露光ムラが生じているか否かを検出するものとなっている。なお、この第2シャッタ不良確認モードの処理は、面内照度が高い精度で均一となるように光を照射する必要がないために、平行光均一照射器が取り付けられていなくても、撮影に一般的に用いられるレンズ鏡筒2が取り付けられていれば該レンズ鏡筒2のレンズ3をデフォーカス状態にすることによって代用することも可能となっている。
すなわち、撮像装置1が第2シャッタ不良確認モードに設定されてこの処理が開始されると、まず、第2シャッタ不良確認モードの処理を行うために必要な各種の設定を行う(ステップS21)。ここでも、第1シャッタ不良確認モードと同様に、例えば平行光均一照射器の照度またはレンズ鏡筒2を介して入射される外光の照度に合わせた撮影感度の設定を行ったり、あるいは、メカニカルシャッタとローリングシャッタとのシャッタ速度を近似するために間引き読み出しの設定を行ったりする。
続いて、図6に示したような平行光均一照射器が撮像装置1に装着されているか否かを判定する(ステップS22)。
ここで、平行光均一照射器が装着されていないと判定された場合には、レンズ鏡筒2が撮像装置1に装着されていて、かつシャッタ不良確認を行うのに充分な光量の入射光があるか否かを判定する(ステップS23)。ここに、レンズ鏡筒2の装着の有無は、制御部11がレンズ鏡筒2に内蔵されている図示しないレンズCPU等と通信を行うことにより、自動的に判定される(ただし、手動入力に基づき判定してももちろん構わない)。また、入射光があるか否かは、シャッタ5を開いた状態にして、撮像素子6から出力される信号の信号値に基づき自動的に判定される。あるいは、撮像装置1に設けられている図示しない測光センサ等の出力に基づき自動的に判定される。
このステップS23において、レンズ鏡筒2が装着されていないか、または充分な光量の入射光がないと判定された場合には、「レンズを装着して明るい方へ向けるか、あるいは平行光均一照射器を装着して下さい」などの注意表示を表示部10に行って(ステップS24)、ステップS22へ戻り、平行光均一照射器が装着されるか、またはレンズが装着されて明るい方へ向けられるかを待機する。
また、ステップS23において、レンズ鏡筒2が装着されていて、かつ充分な光量の入射光があると判定された場合には、レンズ鏡筒2のレンズ3に含まれるフォーカスレンズを駆動して、デフォーカスとなるようにする(ステップS25)。このデフォーカスは、被写体の光学像がなるべくぼけるようにすれば良く、無限遠側へデフォーカスするか、あるいは至近側へデフォーカスするかは何れであっても構わない。
このステップS25の処理が終了するか、またはステップS22において、平行光均一照射器が装着されていると判定された場合には、図20に示したような第1のタイミング(上述したように、後幕スタートパルスの制御タイミングを除く)でシャッタ5および撮像素子6を駆動して露光を行い、画像データを取得する(ステップS26)。
次に、ステップS26において得られた画像データに基づいて、画像分析部11aが後述するような先幕判定を行い、シャッタ5の先幕の走行特性が正常であるか否かを判定する(ステップS27)。
ここで、シャッタ5の先幕の走行特性が正常でないと判定された場合には、先幕に関するシャッタ不良である場合の所定の処理を行う(ステップS28)。
一方、ステップS27において、シャッタ5の先幕の走行特性が正常であると判定された場合には、図27に示したような第2のタイミングでシャッタ5および撮像素子6を駆動して露光を行い、画像データを取得する(ステップS29)。
次に、ステップS29において得られた画像データに基づいて、画像分析部11aが後述するような後幕判定を行い、シャッタ5の後幕の走行特性が正常であるか否かを判定する(ステップS30)。
ここで、シャッタ5の後幕の走行特性が正常でないと判定された場合には、後幕に関するシャッタ不良である場合の所定の処理を行う(ステップS31)。
一方、ステップS30において、シャッタ5の後幕の走行特性が正常であると判定された場合には、ステップS26において得られた画像データとステップS29において得られた画像データとに基づいて、画像分析部11aが後述するような第2露光ムラ判定を行い、シャッタ5の動作(走行特性)が正常であるか否かを判定する(ステップS32)。
ここで、シャッタ5の動作が正常でないと判定された場合には、露光ムラがある場合の所定の処理を行い(ステップS33)、一方、シャッタ5の動作が正常であると判定された場合には、シャッタ5による露光ムラがない場合の所定の処理を行う(ステップS34)。
こうして、ステップS28、S31、S33、またはS34の処理を行ったら、その後にこの一連の処理を終了する。
次に、図32は、図31のステップS27における先幕判定の詳細を示すフローチャートである。
この処理を開始すると、画像分析部11aがステップS26の処理により得られた画像データを分析して、シャッタ5の先幕が撮像素子6の下端を通過するときの垂直ラインRf(図26参照)を検出する(ステップS41)。
続いて、先幕スタートパルスが印加されてから先幕が撮像素子6の下端に到達するまでの時間Sfを、垂直ラインRfのライン番号(ライン番号は、走査開始点STを含む垂直ラインを1番として順次付されているものとし、垂直ラインRfのライン番号を同一の記号Rfを用いて表すものとする)を用いて、
Sf=K×Rf+α
により算出する(ステップS42)。ここに、撮像素子6の動作は、高精度な発振器から発生されるクロックに基づいて制御されるために、動作速度に変動が生じることはないと考えて良い(すなわち、例えば垂直1ラインを読み出すに要する時間Kに変動が生じたりすることはないと考えて良い)。そして、先幕スタートパルスを印加した時刻とセンサリードパルスを印加開始した時刻との間の時間αも、クロックに基づいて検出可能である。従って、このような演算を行うことにより、先幕の幕速を検出する指標となる幕走行時間Sfを正確に算出することが可能となる。
Sf=K×Rf+α
により算出する(ステップS42)。ここに、撮像素子6の動作は、高精度な発振器から発生されるクロックに基づいて制御されるために、動作速度に変動が生じることはないと考えて良い(すなわち、例えば垂直1ラインを読み出すに要する時間Kに変動が生じたりすることはないと考えて良い)。そして、先幕スタートパルスを印加した時刻とセンサリードパルスを印加開始した時刻との間の時間αも、クロックに基づいて検出可能である。従って、このような演算を行うことにより、先幕の幕速を検出する指標となる幕走行時間Sfを正確に算出することが可能となる。
そして、ステップS42において算出した幕走行時間Sfが、所定の下限値TLよりも大きく、かつ所定の上限値THよりも小さいか否かを判定する(ステップS43)。
ここで、TL<Sf<THが満たされていると判定された場合には、シャッタ5の先幕の走行特性は正常であるとして、図31のステップS29の処理へ移行する。
一方、ステップS43において、TL<Sf<THが満たされていないと判定された場合には、シャッタ5の先幕の走行特性は不良であるとして、図31のステップS28の処理へ移行する。
続いて、図33は、図31のステップS30における後幕判定の詳細を示すフローチャートである。
この処理を開始すると、画像分析部11aがステップS29の処理により得られた画像データを分析して、シャッタ5の後幕が撮像素子6の下端を通過するときのラインRr(図28参照)を検出する(ステップS51)。
続いて、後幕スタートパルスが印加されてから後幕が撮像素子6の下端に到達するまでの時間Srを、垂直ラインRrのライン番号(ライン番号は上述したように付されているものとし、垂直ラインRrのライン番号を同一の記号Rrを用いて表すものとする)を用いて、
Sr=K×Rr+δ
により算出する(ステップS52)。先幕に関して上述したのと同様の理由から、この演算を行うことにより、後幕の幕速を検出する指標となる幕走行時間Srを正確に算出することが可能である。
Sr=K×Rr+δ
により算出する(ステップS52)。先幕に関して上述したのと同様の理由から、この演算を行うことにより、後幕の幕速を検出する指標となる幕走行時間Srを正確に算出することが可能である。
そして、ステップS52において算出したSrが、所定の下限値TLよりも大きく、かつ所定の上限値THよりも小さいか否かを判定する(ステップS53)。なお、このステップS53の判定において用いられる上限値THおよび下限値TLは、図32に示した先幕判定のステップS43において用いられた値とそれぞれ同一である。
このステップS53において、TL<Sr<THが満たされていると判定された場合には、シャッタ5の後幕の走行特性は正常であるとして、図31のステップS32の処理へ移行する。
一方、ステップS53において、TL<Sr<THが満たされていないと判定された場合には、シャッタ5の後幕の走行特性は不良であるとして、図31のステップS31の処理へ移行する。
次に、図34は、図31のステップS32における第2露光ムラ判定の詳細を示すフローチャートである。
この処理を開始すると、ステップS26において得られた先幕判定用の画像データを、黒レベルを閾値として2値化する(ステップS61)。
さらに、ステップS29において得られた後幕判定用の画像データを、黒レベルを閾値として2値化する(ステップS62)。
続いて、ステップS61において2値化した1ビット画像と、ステップS62において2値化した1ビット画像とを、2ビットの画像にレイヤー合成する(ステップS63)。
図35は、2値化した先幕判定用の画像データおよび後幕判定用の画像データを、2ビットの画像にレイヤー合成したときの様子を示す図である。
1ビット画像において画素値として取り得るのは0または1であるために、レイヤー合成して得られる画像が画素値として取り得るのは、0、1、または2である。図35には、画素値が0である部分をBIT0、画素値が1である部分をBIT1、画素値が2である部分をBIT2として図示している。
その後、図35に示したようなレイヤー合成された画像のヒストグラムを作成する(ステップS64)。
図36は、2値化されレイヤー合成された先幕判定用および後幕判定用の画像データに基づいて作成されたヒストグラムの例を示す図である。
図35も参照すれば分かるように、画素値1をとる画素の出現頻度が最も高く、画素値0および画素値2をとる画素の出現頻度は比較的低い。また、上述したように、画素値3をとる画素は存在しないために、該画素の出現頻度は0となる。
続いて、値0の画素の出現頻度が第1の所定値以下であり、かつ値2の画素の出現頻度が第2の所定値以下であるか否かを判定する(ステップS65)。
ここで、各出現頻度が各所定値以下である場合には、露光ムラがなくシャッタ5の動作(走行特性)は正常であるとして、図31のステップS34に示した処理へ移行する。
一方、ステップS65において、値0の画素の出現頻度が第1の所定値よりも大きいか、または値2の画素の出現頻度が第2の所定値よりも大きいと判定された場合には、露光ムラが生じていてシャッタ5の動作(走行特性)は不良であるとして、図31のステップS33へ示した処理へ移行する。
なお、ステップS33の処理においては、例えば、値0の画素の出現頻度が第1の所定値よりも大きいと判定された場合と、値2の画素の出現頻度が第2の所定値よりも大きいと判定された場合とで、それぞれに応じた異なる処理を行うようにしても構わない。
また、上述では撮像装置1内に画像分析部11aを設けて画像の分析を行ったが、上述したようなタイミングで撮像された各画像を外部のパーソナルコンピュータ等において分析するようにしても構わない。この場合には、画像分析部11aを含む制御部11により行われる処理を、コンピュータ上で実行されるプログラムにより行えば良い。
さらに、上述では、先幕の走行速度に関する情報として時間Sfを求め、後幕の走行速度に関する情報として時間Srを求めている。このように、先幕または後幕の走行速度に関する情報は、走行速度自体である必要はなく、走行速度を推定するためのデータとなり得るようなデータであれば、時間などであっても構わない。
このような実施形態1によれば、矩形状をなす光電変換部21の長辺方向を主走査方向とし短辺方向を副走査方向としたために、動歪みがより目立たない撮像素子を低コストに構成することができる。
そして、電子的な素子シャッタのみでも歪みを目立たなくすることができるために、高速連写が必要な場合に、メカニカルシャッタを開けたままで撮影を行うことが可能となる。その結果、カメラの大型化を防ぎ、電池の消耗を軽減することが可能となるとともに、メカニカルシャッタでは達成し得ないような高速連写を行うことも可能となる。一方、単画像撮影モードにおいては、通常通りにメカニカルシャッタを用いて撮影することに何等支障はなく、しかも高速連写に対応する高価なメカニカルシャッタではなく通常の比較的安価なメカニカルシャッタを採用することが可能となる。
加えて、このような撮像素子を、横長の筐体を備える撮像装置内に、横長であることが一致するように配設したために、物体の移動方向と合わせるべき撮像素子の長辺方向を直感的に認識することが可能となる。
同様に、このような撮像素子を、表示部における被写体を観察するための横長の領域と、横長であることが一致するように配設したために、物体の移動方向と合わせるべき撮像素子の長辺方向を直感的に認識することが可能となる。
また、電子ローリングシャッタとメカニカルフォーカルプレーンシャッタとを同時に作動させて得られた画像信号に基づいて、メカニカルフォーカルプレーンシャッタの走行特性の試験を行うようにしたために、特別な部材等を追加することなく、シャッタの走行特性の正常/不良を容易に確認することが可能となる。
さらに、メカニカルフォーカルプレーンシャッタによるスリット露光と、電子ローリングシャッタとを同時に動作させて、画像データの各ラインにおける画素値の変曲点の値のバラツキを算出し、算出したバラツキが、所定上限値以下である場合にはメカニカルフォーカルプレーンシャッタの走行特性が正常であると判定し、所定上限値よりも大きい場合には不良であると判定するようにしたために、シャッタ幕の走行方向が電子ローリングシャッタの主走査方向と交差するように配置されたメカニカルフォーカルプレーンシャッタを活用して、フォーカルプレーンシャッタの走行特性の正常/不良を容易に確認することができる。このときには、電子ローリングシャッタの動作は充分な精度で正確であることが分かっているために、フォーカルプレーンシャッタに起因して発生する露光ムラを正確に測定することが可能となる。
そして、メカニカルフォーカルプレーンシャッタの先幕のみを走行させ、かつ先幕の走行と同時に電子ローリングシャッタを動作させて得られた画像データに基づいて、先幕の走行速度に関する情報を求め、求めた情報が先幕の走行速度が所定範囲内であることを示すものである場合にはメカニカルフォーカルプレーンシャッタの先幕の走行特性が正常であると判定し、所定範囲外であることを示すものである場合には不良であると判定するようにしたために、上述したように配置されたメカニカルフォーカルプレーンシャッタを活用して、フォーカルプレーンシャッタの先幕の走行特性の正常/不良を容易に確認することができる。
加えて、メカニカルフォーカルプレーンシャッタを全開にした後に、メカニカルフォーカルプレーンシャッタの後幕を走行させ、かつ後幕の走行と同時に電子ローリングシャッタを動作させて得られた画像データに基づいて、後幕の走行速度に関する情報を求め、求めた情報が後幕の走行速度が所定範囲内であることを示すものである場合にはメカニカルフォーカルプレーンシャッタの後幕の走行特性が正常であると判定し、所定範囲外であることを示すものである場合には不良であると判定するようにしたために、上述したように配置されたメカニカルフォーカルプレーンシャッタを活用して、フォーカルプレーンシャッタの後幕の走行特性の正常/不良を容易に確認することができる。
また、第2シャッタ不良確認モードにおいては、平行光均一照射器が装着されていないときには、レンズをデフォーカス状態に駆動するようにしているために、平行光均一照射器がない場合でも、手軽にメカニカルフォーカルプレーンシャッタの走行特性の試験を行うことが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
1…撮像装置
2,2A…レンズ鏡筒
3…レンズ
4…絞り
5…シャッタ
6…撮像素子
7…メモリ(記憶部)
8…画像処理部
9…メモリカード
10…表示部(動画像表示部)
11…制御部(読出制御部、撮像素子駆動部、シャッタ駆動部、レンズ駆動部、走行特性試験部)
11a…画像分析部
12…操作部
13…バッテリ
21…光電変換部
22…光電変換素子
23…タイミングジェネレータ(走査回路)
24…垂直走査回路(走査回路)
25…水平走査回路(走査回路)
26…アンプ(信号処理回路)
27…CDS(信号処理回路)
28…ADC(信号処理回路)
29…LVDS(信号処理回路)
31…マルチプレクサ
35…レリーズスイッチ
36…ファインダ(表示部)
38…カバー
39…点光源
2,2A…レンズ鏡筒
3…レンズ
4…絞り
5…シャッタ
6…撮像素子
7…メモリ(記憶部)
8…画像処理部
9…メモリカード
10…表示部(動画像表示部)
11…制御部(読出制御部、撮像素子駆動部、シャッタ駆動部、レンズ駆動部、走行特性試験部)
11a…画像分析部
12…操作部
13…バッテリ
21…光電変換部
22…光電変換素子
23…タイミングジェネレータ(走査回路)
24…垂直走査回路(走査回路)
25…水平走査回路(走査回路)
26…アンプ(信号処理回路)
27…CDS(信号処理回路)
28…ADC(信号処理回路)
29…LVDS(信号処理回路)
31…マルチプレクサ
35…レリーズスイッチ
36…ファインダ(表示部)
38…カバー
39…点光源
Claims (6)
- 撮像面に二次元状に複数の画素が配置された撮像素子と、
上記撮像素子の撮像面に光線を導くレンズと、
該撮像素子を電子ローリングシャッタによる露光制御により駆動することが可能な撮像素子駆動部と、
上記レンズにより上記撮像面に導かれる光線の光路上に配設され、シャッタ幕の走行方向が、上記電子ローリングシャッタの主走査方向と交差するように配置されたメカニカルフォーカルプレーンシャッタと、
該メカニカルフォーカルプレーンシャッタを駆動制御するシャッタ駆動部と、
上記電子ローリングシャッタと上記メカニカルフォーカルプレーンシャッタとを同時に作動させて得られた画像信号に基づいて、上記メカニカルフォーカルプレーンシャッタの走行特性の試験を行う走行特性試験部と、
を具備したことを特徴とするシャッタ走行特性試験システム。 - 上記レンズは、上記撮像素子の撮像面に均一な光線を導くものであり、
上記走行特性試験部は、上記撮像素子の全画素を同時にリセットした後に、上記メカニカルフォーカルプレーンシャッタをスリット露光によって走行させ、かつ走行と同時に上記電子ローリングシャッタを動作させて得られた画像データに基づいて、該画像データの各ラインにおける画素値の変曲点の値のバラツキを算出する画像分析部を有し、算出したバラツキが、所定上限値以下である場合には上記メカニカルフォーカルプレーンシャッタの走行特性が正常であると判定し、該所定上限値よりも大きい場合には不良であると判定するものであることを特徴とする請求項1に記載のシャッタ走行特性試験システム。 - 上記走行特性試験部は、上記撮像素子の全画素を同時にリセットした後に、上記メカニカルフォーカルプレーンシャッタの先幕のみを走行させ、かつ先幕の走行と同時に上記電子ローリングシャッタを動作させて得られた画像データに基づいて、上記先幕の走行速度に関する情報を求める画像分析部を有し、求めた情報が上記先幕の走行速度が所定範囲内であることを示すものである場合には上記メカニカルフォーカルプレーンシャッタの先幕の走行特性が正常であると判定し、該所定範囲外であることを示すものである場合には不良であると判定するものであることを特徴とする請求項1に記載のシャッタ走行特性試験システム。
- 上記走行特性試験部は、上記メカニカルフォーカルプレーンシャッタを全開にした後に、上記メカニカルフォーカルプレーンシャッタの後幕を走行させ、かつ後幕の走行と同時に上記電子ローリングシャッタを動作させて得られた画像データに基づいて、上記後幕の走行速度に関する情報を求める画像分析部を有し、求めた情報が上記後幕の走行速度が所定範囲内であることを示すものである場合には上記メカニカルフォーカルプレーンシャッタの後幕の走行特性が正常であると判定し、該所定範囲外であることを示すものである場合には不良であると判定するものであることを特徴とする請求項1に記載のシャッタ走行特性試験システム。
- 上記レンズを駆動制御するレンズ駆動部をさらに具備し、
該レンズ駆動部は、上記メカニカルフォーカルプレーンシャッタの走行特性の試験を行うときは、上記レンズをデフォーカス状態に駆動することを特徴とする請求項1に記載のシャッタ走行特性試験システム。 - 電子ローリングシャッタによる露光制御により駆動され得る撮像素子と、シャッタ幕の走行方向が該電子ローリングシャッタの主走査方向と交差するように配置されたメカニカルフォーカルプレーンシャッタと、を備えた撮像装置の、シャッタ走行特性試験方法であって、
上記撮像素子の撮像面に光線を導きながら、上記電子ローリングシャッタと上記メカニカルフォーカルプレーンシャッタとを同時に作動させて得られた画像信号に基づいて、上記メカニカルフォーカルプレーンシャッタの走行特性の試験を行うシャッタ走行特性試験方法。
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JP2008232559A JP2010068240A (ja) | 2008-09-10 | 2008-09-10 | シャッタ走行特性試験システム、シャッタ走行特性試験方法 |
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JP2021157129A (ja) * | 2020-03-30 | 2021-10-07 | キヤノン株式会社 | 撮像装置 |
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2008
- 2008-09-10 JP JP2008232559A patent/JP2010068240A/ja active Pending
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