JP2010067475A - ヒューズ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】可溶部の形状の複雑化を招くことなく、レアショート域における溶断特性の改善を図ることができ、また、製造工程の低減によるコスト低減を図ることができるヒューズ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】一対の端子3,4間を導通接続する可溶部7が、一対の端子と同一金属材料で一対の端子と一体に形成された連結基板部9と、該連結基板部9に溶着した低融点金属部11とを備えたヒューズ1において、連結基板部9には、該基板部表面9aを横断する一対のけがき溝13,14を設け、低融点金属部11は、一対のけがき溝13,14間の基板部表面9aと一対のけがき溝13,14とに積層状態に溶着した形態に設けた構成とすることによって、レアショート域における溶断特性を改善すると同時に、製造工程を低減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、過電流から電線、機器等を保護するためのヒューズ、及びその製造方法に関する。
従来より、自動車等の電気回路には、過電流から電線、機器等を保護するためのヒューズが用いられている。
図10及び図11は、自動車等の電気回路の保護に使用されるヒューズの従来例を示したものである。
図10に示したヒューズ101は、下記特許文献1に開示されたもので、所定以上の電流が流れた時に溶断するように一対の端子103,104間を導通接続する可溶部107が、前記一対の端子103,104と同一金属材料で前記一対の端子103,104と一体に形成された帯板状の連結基板部109と、少なくともこの連結基板部109の一部分に溶着した低融点金属部111とを備えた構成となっている。
このヒューズ101の場合、所定断面積の低融点金属チップを連結基板部109に一体形成されている加締め片109aにより締結固定した後、前記低融点金属チップを一旦加熱して溶融させることで、連結基板部109に溶着した低融点金属部111を得る。
図11に示したヒューズ121は、下記特許文献2に開示されたもので、所定以上の電流が流れた時に溶断するように一対の端子123,124間を導通接続する可溶部127が、前記一対の端子123,124と同一金属材料で前記一対の端子123,124と一体に形成された連結基板部129と、少なくともこの連結基板部129の一部分に積層状態に溶着した低融点金属部131とを備えた構成となっている。
このヒューズ121の場合、連結基板部129は端子123,124よりも薄肉にプレス成形されており、また、連結基板部129の低融点金属部131が積層される低融点金属積層部位129aは、更にプレス成形により周囲よりも薄肉化されている。
このヒューズ121の場合、低融点金属部131は、溶融状態の低融点金属材料を低融点金属積層部位129aの上に注入後、凝固させることで形成する。
なお、ヒューズは一般的に通電電流と溶断時間との間に一定の相関関係を有している。
即ち、ヒューズ定格の例えば200%以上の電流によるショート(デッドショート)では、即座に可溶部が溶断するが、ヒューズ定格の200%以下の電流によるショート、或いは断続的なショート(レアショート)では、可溶部が発熱と放熱とを繰り返し、溶断時間が長くなる傾向にある。
そこで、デッドショート域での溶断特性を変化させずに、レアショート域における溶断時間の延長を抑止する方法として、連結基板部上に溶着させる低融点金属材料の量や、連結基板部と低融点金属材料との間の接触面積を増大させて、レアショートの発生時に、母材金属(連結基板部)を低融点金属層へ拡散させ、溶断温度を母材の融点より下げることで、溶断時間を短縮させる対策が開発された。
このような対策に鑑み、上記ヒューズ121の場合は、低融点金属積層部位129aやその上に積層される低融点金属部131には、連結基板部129の幅方向に突出する突部141,142を設けることで、装備する低融点金属材料の増量や、低融点金属材料との接触面積の増加を実現して、レアショート域における溶断特性の改善を図っている。
特開2001−325875号公報 特開平10−172414号公報
ところが、前述したヒューズ101の構造は、低融点金属部111を固定するための加締め片109aを、連結基板部109に一体に突出形成しなければならないため、ヒューズ121の展開形状が複雑化し、展開形状に金属板を打ち抜くプレス成形が難しくなるという問題があった。
更に、前述したヒューズ101の場合、低融点金属部111は、所定断面積の低融点金属チップを連結基板部109に一体形成されている加締め片109aにより締結固定した後、前記低融点金属チップを一旦加熱して溶融させることで、連結基板部109に溶着した状態とするため、具体的には、溶着前におけるフラックスの塗布工程、低融点金属チップの加締め工程、加熱溶融工程、溶着後におけるフラックスの洗浄工程など、多数の作業工程が必要となって、工程の繁雑化により製造コストが増大するという問題もあった。
これに対して、前述のヒューズ121の場合、低融点金属部131は、溶融状態の低融点金属材料を低融点金属積層部位129aの上に注入後、凝固させることで形成しているため、連結基板部129に加締め片を突出形成する必要が無く、また、フラックスの塗布工程やフラックスの洗浄工程も省略することができ、上記ヒューズ101の場合と比較すると、製造工程を大幅に削減することができる。
しかし、ヒューズ121の場合、低融点金属部131を積層する低融点金属積層部位129aは、周囲よりも薄肉にするための専用のプレス成形工程が必要で、低融点金属積層部位129aを形成するプレス成形工程のために、プレス加工が繁雑化するという問題があった。
また、ヒューズ121の場合は、レアショート域における溶断特性の改善のために、低融点金属積層部位129a及び低融点金属部131に、連結基板部129の幅方向に突出する突部141,142を設けているが、これらの突部141,142の装備のために、可溶部127の形状が複雑化し、可溶部127の打ち抜き加工が難しくなるという問題もあった。
本発明の目的は上記課題を解消することに係り、可溶部の形状の複雑化を招くことなく、レアショート域における溶断特性の改善を図ることができ、また、低融点金属部の装備のために専用のプレス成形が不要で、製造工程の単純化によるコスト低減を図ることもできるヒューズ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の前述した目的は、下記の構成により達成される。
(1) 所定以上の電流が流れた時に溶断するように一対の端子間を導通接続する可溶部が、前記一対の端子と同一金属材料で前記一対の端子と一体に形成された連結基板部と、少なくとも前記連結基板部の一部分に溶着した低融点金属部とを備えたヒューズであって、
前記連結基板部の一方の表面には、前記一対の端子間の電流の流れ方向と直交する方向に基板部表面を横断する一対のけがき溝が設けられ、
前記低融点金属部は、前記一対のけがき溝に積層状態に溶着した一対の溝溶着部と、前記一対の溝溶着部と一体で前記一対のけがき溝間の基板部表面に積層状態に溶着した基板表面溶着部と、を備えたことを特徴とするヒューズ。
(2) 上記(1)に記載のヒューズを得るヒューズの製造方法であって、
前記一対の端子と同一の金属材料により帯板状に形成された基板材の幅方向の中間部に、該基板材の長手方向に延びた一対のけがき溝を形成するけがき工程と、
前記一対のけがき溝間に低融点金属製の線条体を加熱溶融させて載せることによって、一対のけがき溝間の基板材の表面と前記一対のけがき溝とに積層状態に溶着した帯状低融点金属体を前記基板材上に形成したヒューズ母材を形成する母材形成工程と、
前記帯状低融点金属体とその両側の基板材の一部を含む前記ヒューズ母材の幅方向の中央領域が前記ヒューズの可溶部を構成し、前記中央領域の両外側となる前記ヒューズ母材の外縁領域が前記ヒューズの一対の端子を構成するように、前記ヒューズ母材から前記ヒューズの展開形状を打ち抜く打ち抜き工程と、
を備えたことを特徴とするヒューズの製造方法。
(3) 前記打ち抜き工程では、1本のヒューズ母材の長さ方向に所定の間隔で打ち抜きを行うことにより、1本のヒューズ母材から複数のヒューズの展開形状を製造することを特徴とする上記(2)に記載のヒューズの製造方法。
(4) 前記けがき工程では、前記ヒューズ母材の長さ方向で一対のけがき溝間の間隔が変化するように、各けがき溝の軌跡を設定し、前記打ち抜き工程では、前記一対のけがき溝間の間隔が異なる複数箇所で打ち抜きを実施することで、前記ヒューズの低融点金属部の容量が異なる複数種のヒューズを得ることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載のヒューズの製造方法。
(5) 前記母材形成工程では、前記基板材の長さ方向に間欠的に、帯状低融点金属体を形成することを特徴とする上記(2)〜(4)の何れか1つに記載のヒューズの製造方法。
上記(1)の構成によれば、連結基板部上に積層状態に融着装備される低融点金属部は、連結基板部に形成された一対のけがき溝に積層状態に溶着した一対の溝溶着部を装備したことによって、装備する低融点金属材料の増量や、低融点金属材料と母材との間の接触面積の増加が達成される。
更に、一対のけがき溝は、可溶部における母材である連結基板部の断面にくびれを形成して、くびれによる集熱効果によって溶断部位置の特定化や発熱の狭スペース化に適したヒートスポットとして機能し、過電流による溶融時の拡散作用を高める。
そのため、レアショート域における溶断特性の改善が実現される。
また、一対のけがき溝がそれぞれヒートスポットとして機能して、過電流による溶断時には、2カ所で溶断が実現され、溶断により形成されるギャップを大きくできるため、溶断時の動作信頼性を向上させることができる。
また、レアショート域における溶断特性の改善に必要とされる低融点金属材料の増量や、低融点金属材料と母材との間の接触面積の増加は、連結基板部に形成したけがき溝に低融点金属を積層することによって得ている。
そのため、可溶部の連結基板部や低融点金属部に、低融点金属材料の増量や低融点金属材料と母材との間の接触面積の増加を目的として、前記連結基板部の幅方向に突出する突部を設ける必要がなくなり、可溶部の形状の複雑化を招くことなく、レアショート域における溶断特性の改善を図ることができる。
更に、低融点金属部は、連結基板部に形成した一対のけがき溝間に積層させたもので、低融点金属部の装備のために専用のプレス成形が不要なため、製造工程の単純化によるコスト低減を図ることもできる。
上記(2)の構成によれば、ヒューズの低融点金属部は、単純な帯板状の基板材に形成した一対のけがき溝間に低融点金属製の線条体を加熱溶融させて積層させることにより得ており、予めプレス成形により薄肉化した部位に低融点金属部を積層する従来の製造方法と比較すると、低融点金属部の装備のために専用のプレス成形する必要がない。
また、上記のように、ヒューズの低融点金属部は、基板材の一対のけがき溝間に低融点金属製の線条体を加熱溶融させて載せることによって形成するため、固形の低融点金属チップを加締め片により締結後に、低融点金属チップを加熱溶融させる従来の製造方法の場合と比較すると、低融点金属チップの溶着前におけるフラックスの塗布工程、低融点金属チップの加締め工程、溶着後におけるフラックスの洗浄工程などが不要となり、簡易で、かつ少ない工程で上記(1)に記載のヒューズを製造することができ、製造コストの低減を実現することができる。
上記(3)の構成によれば、複数のヒューズを、打ち抜き加工で効率よく製造することができ、ヒューズの生産性を向上させることができる。
上記(4)の構成によれば、単一のヒューズ母材から、低融点金属部の容量が異なる複数種のヒューズを製造することができ、溶断特性の異なる複数種のヒューズの製造が容易になる。
上記(5)の構成によれば、予め、ヒューズ母材上での打ち抜き箇所に相応して、基板材上での帯状低融点金属体の装備位置を設定しておくことで、打ち抜き処理後の廃棄材となる母材上に残る帯状低融点金属体の量を削減し、資源の節約を図ることができる。
本発明に係るヒューズによれば、可溶部の連結基板部や低融点金属部に、低融点金属材料の増量や低融点金属材料と母材との間の接触面積の増加を目的として、前記連結基板部の幅方向に突出する突部を設ける必要がなくなり、可溶部の形状の複雑化を招くことなく、レアショート域における溶断特性の改善を図ることができる。
更に、低融点金属部は、連結基板部に形成した一対のけがき溝間に積層させたもので、低融点金属部の装備のために専用のプレス成形が不要なため、製造工程の単純化によるコスト低減を図ることもできる。
また、本発明に係るヒューズの製造方法では、低融点金属部は、連結基板部に形成した一対のけがき溝間に積層させたもので、予めプレス成形により薄肉化した部位に低融点金属部を積層する従来の製造方法と比較すると、低融点金属部の装備のために専用のプレス成形する必要がない。
また、低融点金属部は、連結基板部の一対のけがき溝間に低融点金属製の線条体を加熱溶融させて載せることによって形成するため、固形の低融点金属チップを加締め片により締結後に、低融点金属チップを加熱溶融させる従来の製造方法の場合と比較すると、低融点金属チップの溶着前におけるフラックスの塗布工程、低融点金属チップの加締め工程、溶着後におけるフラックスの洗浄工程などが不要となり、簡易で、かつ少ない工程で上記(1)に記載のヒューズを製造することができ、製造コストの低減を実現することができる。
以下、本発明に係るヒューズ及びその製造方法の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るヒューズの一実施の形態の斜視図、図2は図1のA矢視図、図3(a)は図1に示したヒューズの製造に使用する基板材の斜視図、図3(b)は図3(a)のB−B断面図である。また、図4は図3に示した基板材の上に低融点金属製の線条体を加熱溶融させて載せる工程の説明図、図5(a)は図1に示したヒューズの製造に使用するヒューズ母材の斜視図、図5(b)は図5(a)のC−C断面図、図6は図5(a)に示したヒューズ母材から、図1に示したヒューズの展開形状を打ち抜く際の板取り図である。
図1に示したヒューズ1は、所定以上の電流が流れた時に溶断するように一対の端子3,4間を導通接続する可溶部7が、一対の端子3,4と同一金属材料でこれらの一対の端子3,4と一体に形成された帯状の連結基板部9と、少なくとも連結基板部9の一部分に積層状態に溶着した低融点金属部11とを備えている。
連結基板部9の一方の表面には、一対の端子3,4間の電流の流れ方向(図1に矢印Xで示す方向)と直交する方向に基板部表面を横断する一対のけがき溝13,14が設けられている。
各けがき溝13,14は、断面形状がV字状の溝で、けがき処理により形成されたものである。
低融点金属部11は、図2に示すように、一対のけがき溝13,14に積層状態に溶着した一対の溝溶着部16,17と、これらの一対の溝溶着部16,17と一体で前記一対のけがき溝13,14間の基板部表面9aに積層状態に溶着した基板表面溶着部19とを備えている。
溝溶着部16,17及び基板表面溶着部19により形成される低融点金属部11の外表面は、図2に示すように、滑らかな湾曲面に成形されている。
一対の端子3,4及び連結基板部9は、銅(Cu)、Cu合金、亜鉛(Zn)又はZn合金等の金属板から形成されている。
また、低融点金属部11は、金(Au)、ニッケル(Ni)、錫(Sn)等の金属で形成されている。
一対のけがき溝13,14は、連結基板部9の断面積が減少するくびれ部を形成して、くびれによる集熱効果によって溶断部位置の特定化や発熱の狭スペース化に適したヒートスポットとして機能する。けがき溝13,14の溝の深さHは、ヒューズとして要求される定格等に応じて、調整される。
以上の構成を成すヒューズ1では、連結基板部9上に積層状態に融着装備される低融点金属部11は、連結基板部9に形成された一対のけがき溝13,14に積層状態に溶着した一対の溝溶着部16,17を装備したことによって、装備する低融点金属材料の増量や、低融点金属材料と母材との間の接触面積の増加が達成される。
更に、一対のけがき溝13,14は、可溶部7における母材である連結基板部9の断面にくびれを形成して、くびれによる集熱効果によって溶断部位置の特定化や発熱の狭スペース化に適したヒートスポットとして機能し、過電流による溶融時の拡散作用を高める。
そのため、レアショート域における溶断特性の改善が実現される。
また、一対のけがき溝13,14がそれぞれヒートスポットとして機能して、過電流による溶断時には、2カ所で溶断が実現され、溶断により形成されるギャップを大きくできるため、溶断時の動作信頼性を向上させることができる。
また、レアショート域における溶断特性の改善に必要とされる低融点金属材料の増量や、低融点金属材料と母材との間の接触面積の増加は、連結基板部9に形成したけがき溝13,14に低融点金属を積層することによって得ている。
そのため、可溶部7の連結基板部9や低融点金属部11に、低融点金属材料の増量や低融点金属材料と母材との間の接触面積の増加を目的として、前記連結基板部の幅方向に突出する突部(図11の突部141,142)を設ける必要がなくなり、可溶部7の形状の複雑化を招くことなく、レアショート域における溶断特性の改善を図ることができる。
更に、低融点金属部11は、連結基板部9に形成した一対のけがき溝13,14間に積層させたもので、低融点金属部11の装備のために専用のプレス成形が不要なため、製造工程の単純化によるコスト低減を図ることもできる。
次に、上記ヒューズ1の製造方法について、説明する。
上記ヒューズ1は、以下に詳述するけがき工程、母材形成工程、打ち抜き工程を順に経て、製造される。
けがき工程は、図3(a),(b)に示すように、一対の端子3,4と同一の金属材料により一定厚の帯板状に形成された基板材21の幅方向の中間部に、該基板材21の長手方向に延びた一対のけがき溝23,24を形成する工程である。けがき溝23,24の溝の深さHは、ヒューズとして要求される定格等に応じて、調整される。
母材形成工程は、図4に示すように一対のけがき溝23,24間に低融点金属製の線条体27を加熱溶融させて載せることによって、図5(a),(b)に示すように、一対のけがき溝23,24間の基板材21の表面21a(図3(b)参照)とこれらの一対のけがき溝23,24とに積層状態に溶着した帯状低融点金属体29が基板材21上に隆起形成されたヒューズ母材31を形成する工程である。
打ち抜き工程は、帯状低融点金属体29とその両側の基板材21の一部を含むヒューズ母材31の幅方向の中央領域33が前記ヒューズ1の可溶部7を構成し、前記中央領域33の両外側となるヒューズ母材31の外縁領域35,36が前記ヒューズ1の一対の端子3,4を構成するように、ヒューズ母材31からヒューズ1の展開形状1Aを打ち抜く工程である。
打ち抜き工程では、必要に応じて、ヒューズ1の成形に必要な曲げ加工を同時に実施するようにしても良い。
本実施の形態の場合、上記打ち抜き工程では、図6に示すように、1本のヒューズ母材31の長さ方向に所定の間隔で展開形状1Aの打ち抜きを行うことにより、1本のヒューズ母材31から複数のヒューズの展開形状1Aを製造する。
以上に説明したヒューズの製造方法によれば、ヒューズ1の低融点金属部11は、単純な帯板状の基板材21に形成した一対のけがき溝23,24間に低融点金属製の線条体27を加熱溶融させて積層させることにより得ており、予めプレス成形により薄肉化した部位に低融点金属部を積層する従来の製造方法と比較すると、低融点金属部11の装備のために専用のプレス成形する必要がない。
また、上記のように、ヒューズ1の低融点金属部11は、基板材21の一対のけがき溝23,24間に低融点金属製の線条体27を加熱溶融させて載せることによって形成するため、固形の低融点金属チップを加締め片により締結後に、低融点金属チップを加熱溶融させる従来の製造方法の場合と比較すると、低融点金属チップの溶着前におけるフラックスの塗布工程、低融点金属チップの加締め工程、溶着後におけるフラックスの洗浄工程などが不要となり、簡易で、かつ少ない工程で上記のヒューズ1を製造することができ、製造コストの低減を実現することができる。
更に、上記の製造方法によれば、図6に示したように、ヒューズ母材31に対して、所定の間隔で複数の打ち抜きを実施することで、複数のヒューズを、効率よく製造することができ、ヒューズの生産性を向上させることができる。
なお、上記実施の形態の場合、ヒューズ1の可溶部7の形成のために、基板材21にけがく一対のけがき溝23,24は、互いに平行な直線状であった。
しかし、けがき溝23,24の形状(軌跡)は、上記実施の形態に限らない。
例えば、図7(a)に示すように、基板材21には、波形状に一対のけがき溝23A,24Aを形成し、図7(b)に示すように、波形状の帯状低融点金属体29Aを形成したヒューズ母材31Aを得るようにしても良い。
更に、図8(a)に示すように、けがき工程で形成する一対のけがき溝23B,24Bは、ヒューズ母材31Bの長さ方向で一対のけがき溝23B,24B間の間隔が変化するように、各けがき溝23B,24Bの軌跡を設定し、幅寸法が変化する帯状低融点金属体29Bを具備したヒューズ母材31Bを得るようにしても良い。
この場合に、打ち抜き工程では、図8(b)に示すように、一対のけがき溝23B,24B間の間隔が異なる複数箇所でヒューズの展開形状1Bの打ち抜きを実施することで、図8(c)に示すように、ヒューズの低融点金属部11Bの容量が異なる複数種のヒューズ1F,1Gを得ることができる。
図8に示した製造方法の場合には、単一のヒューズ母材31Bから、低融点金属部11Bの容量が異なる複数種のヒューズ1F,1Gを製造することができ、溶断特性の異なる複数種のヒューズの製造が容易になる。
更に、上記の各実施の形態では、ヒューズ母材上の帯状低融点金属体は連続する帯状に形成していた。
しかし、本発明に係る製造方法における母材形成工程では、図9に示すように、基板材21の長さ方向に間欠的に、帯状低融点金属体29を形成するようにしても良い。
このように、帯状低融点金属体29を間欠的に装備したヒューズ母材31Cでは、予め、ヒューズ母材31C上での打ち抜き箇所に相応して、基板材21上での帯状低融点金属体29の装備位置を設定しておくことで、打ち抜き処理後の廃棄材となる母材上に残る帯状低融点金属体29の量を削減し、資源の節約を図ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明に係るヒューズの一実施の形態の斜視図である。 図1のA矢視図である。 (a)は図1に示したヒューズの製造に使用する基板材の斜視図、(b)は(a)のB−B断面図である。 図3に示した基板材の上に低融点金属製の線条体を加熱溶融させて載せる工程の説明図である。 (a)は図1に示したヒューズの製造に使用するヒューズ母材の斜視図、(b)は(a)のC−C断面図である。 図5(a)に示したヒューズ母材から、図1に示したヒューズの展開形状を打ち抜く際の板取り図である。 (a)は図1に示したヒューズの製造に使用する基板材に形成する一対のけがき溝の他の実施の形態を示す斜視図、(b)は(a)に示した一対のけがき溝間に低融点金属部を形成したヒューズ母材の斜視図である。 (a)は図1に示したヒューズの製造に使用するヒューズ母材の他の実施の形態の斜視図、(b)は(a)に示したヒューズ母材からヒューズの展開形状を打ち抜く際の板取り図、(c)は(b)に示した板取りにより形成したヒューズの説明図である。 図1に示したヒューズの製造に使用するヒューズ母材の更に他の実施の形態の斜視図である。 従来のヒューズの斜視図である。 従来の別のヒューズの斜視図である。
符号の説明
1,1F,1G ヒューズ
1A,1B 展開形状
3,4 端子
7 可溶部
9 連結基板部
11 低融点金属部
13,14 けがき溝
21 基板材
21a 表面
23,24 けがき溝
23A,24A けがき溝
23B,24B けがき溝
27 線条体
29、29A,29B 帯状低融点金属体
31,31A,31B,31C ヒューズ母材

Claims (5)

  1. 所定以上の電流が流れた時に溶断するように一対の端子間を導通接続する可溶部が、前記一対の端子と同一金属材料で前記一対の端子と一体に形成された連結基板部と、少なくとも前記連結基板部の一部分に溶着した低融点金属部とを備えたヒューズであって、
    前記連結基板部の一方の表面には、前記一対の端子間の電流の流れ方向と直交する方向に基板部表面を横断する一対のけがき溝が設けられ、
    前記低融点金属部は、前記一対のけがき溝に積層状態に溶着した一対の溝溶着部と、前記一対の溝溶着部と一体で前記一対のけがき溝間の基板部表面に積層状態に溶着した基板表面溶着部と、を備えたことを特徴とするヒューズ。
  2. 請求項1に記載のヒューズを得るヒューズの製造方法であって、
    前記一対の端子と同一の金属材料により帯板状に形成された基板材の幅方向の中間部に、該基板材の長手方向に延びた一対のけがき溝を形成するけがき工程と、
    前記一対のけがき溝間に低融点金属製の線条体を加熱溶融させて載せることによって、一対のけがき溝間の基板材の表面と前記一対のけがき溝とに積層状態に溶着した帯状低融点金属体を前記基板材上に形成したヒューズ母材を形成する母材形成工程と、
    前記帯状低融点金属体とその両側の基板材の一部を含む前記ヒューズ母材の幅方向の中央領域が前記ヒューズの可溶部を構成し、前記中央領域の両外側となる前記ヒューズ母材の外縁領域が前記ヒューズの一対の端子を構成するように、前記ヒューズ母材から前記ヒューズの展開形状を打ち抜く打ち抜き工程と、
    を備えたことを特徴とするヒューズの製造方法。
  3. 前記打ち抜き工程では、1本のヒューズ母材の長さ方向に所定の間隔で打ち抜きを行うことにより、1本のヒューズ母材から複数のヒューズの展開形状を製造することを特徴とする請求項2に記載のヒューズの製造方法。
  4. 前記けがき工程では、前記ヒューズ母材の長さ方向で一対のけがき溝間の間隔が変化するように、各けがき溝の軌跡を設定し、前記打ち抜き工程では、前記一対のけがき溝間の間隔が異なる複数箇所で打ち抜きを実施することで、前記ヒューズの低融点金属部の容量が異なる複数種のヒューズを得ることを特徴とする請求項2又は3に記載のヒューズの製造方法。
  5. 前記母材形成工程では、前記基板材の長さ方向に間欠的に、帯状低融点金属体を形成することを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載のヒューズの製造方法。
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