JP2010067386A - 蓄電素子の昇温構造及び蓄電装置 - Google Patents
蓄電素子の昇温構造及び蓄電装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010067386A JP2010067386A JP2008230760A JP2008230760A JP2010067386A JP 2010067386 A JP2010067386 A JP 2010067386A JP 2008230760 A JP2008230760 A JP 2008230760A JP 2008230760 A JP2008230760 A JP 2008230760A JP 2010067386 A JP2010067386 A JP 2010067386A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- power storage
- heating resistor
- storage element
- power
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Control Of Resistance Heating (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
Abstract
【課題】蓄電素子を温度上昇させる際の消費電力を軽減する。
【解決手段】蓄電素子111と、温度係数が負であり、電流が流れると発熱して蓄電素子11の温度を上昇させる発熱抵抗体16と、を有することを特徴とする蓄電素子の昇温構造。発熱抵抗体16の熱を蓄電素子11に伝熱させることができれば、発熱抵抗体はどの位置に設置してもよい。例えば、前記発熱抵抗体16は、蓄電素子11の発電要素を収容する素子ケース112の外面、蓄電素子11の端子11a,11bに接続されるバスバー13、発電要素111に接触する位置に設けることができる。
【選択図】図2
【解決手段】蓄電素子111と、温度係数が負であり、電流が流れると発熱して蓄電素子11の温度を上昇させる発熱抵抗体16と、を有することを特徴とする蓄電素子の昇温構造。発熱抵抗体16の熱を蓄電素子11に伝熱させることができれば、発熱抵抗体はどの位置に設置してもよい。例えば、前記発熱抵抗体16は、蓄電素子11の発電要素を収容する素子ケース112の外面、蓄電素子11の端子11a,11bに接続されるバスバー13、発電要素111に接触する位置に設けることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、蓄電素子の昇温技術に関するものである。
リチウムイオン電池などの蓄電素子からなるバッテリを動力源として用いたハイブリッド自動車、電気自動車などが提案されている。ハイブリッド自動車は、モータと内燃機関とを動力機構として兼用した自動車であり、モータはバッテリから出力された電流によって駆動される。
バッテリを構成する蓄電素子は、温度によって内部抵抗が変動する。図8は、リチウムイオン電池(蓄電素子)の電池温度と内部抵抗との関係を示した内部抵抗−温度特性図である。同図に示すように、内部抵抗及び電池温度には相関関係があり、電池温度が下がるほど内部抵抗が高くなる傾向がある。特に、極低温(例えば−30℃)領域では、リチウムイオン電池の内部抵抗値が極めて高くなる。
蓄電素子の内部抵抗が高くなると、入出力の電流値が制限される。このため、必要なバッテリ出力を得られなくなるおそれがある。また、車両の制動時に発生するエネルギを回生エネルギとしてバッテリに回収できなくなるおそれがある。この場合、車両のブレーキが、メカブレーキに切り替わるため、制動時のエネルギは熱エネルギとして失われ、エネルギ効率が低下する。
従来、温度低下防止対策として、バッテリの外表面をウレタンのような断熱保温材で覆ったり、蓄電素子の容量や数を増やす方法が知られている。しかしながら、これらの対策は温度低下防止対策の抜本的な対策ではないため、例えば、極寒冷地(例えば、−30℃)においては温度低下防止対策として不十分であった。したがって、このような場合、バッテリを積極的に加熱して温度上昇させる必要がある。
特許文献1は、バッテリの外周に、バッテリを電源とする発熱体(セラミックPTC発熱体、樹脂系フレキシブルPTC発熱体)と感熱素子とを含む制御回路を設置し、この感熱素子に発生する電圧変化を感知して、上記発熱体の供給電流を制御するバッテリ加熱装置の制御方法を開示する。
感熱素子の両端の電圧が規定の電圧より高くなると、発熱体に電流が供給されバッテリが加熱される。
特開平9−219279号公報
特開平5−74481号公報
特開2001−43877号公報
しかしながら、特許文献1の発熱体として使用されるセラミックPTC発熱体及び樹脂系フレキシブルPTC発熱体(以下、PTC発熱体という)は、正の温度係数を有し、温度が低くなると抵抗値が低くなる特性がある。PTC発熱体の発熱量は、電流値の二乗×抵抗値に比例する。
このため、極低温時にPTC発熱体の発熱量を高めるためには、PTC発熱体に流れる電流値を高く設定しなければならない。その結果、昇温制御時の消費電力が増すおそれがある。
そこで、本願発明は、蓄電素子を昇温させる際の消費電力を少なくすることを目的の一つとする。
上記課題を解決するために、本発明の蓄電素子の昇温構造は、蓄電素子と、温度係数が負であり、電流が流れると発熱して前記蓄電素子の温度を上昇させる発熱抵抗体と、を有することを特徴とする。
本願発明は、温度係数が負の発熱抵抗体を用いて蓄電素子の温度を上昇させることを特徴としており、発熱抵抗体の熱を蓄電素子に伝熱させることができれば、発熱抵抗はどの位置に設置してもよい。
例えば、前記発熱抵抗体は、蓄電素子の発電要素を収容するケースの外面、蓄電素子の端子に接続される導電板、発電要素に接触する位置に設けることができる。
前記発熱抵抗体としては、NTC(negative temperature coefficient)型の素子を用いることができる。NTC型の素子は、温度が高くなるほど抵抗が低くなる特性を有している。
前記蓄電素子は車両に搭載することができる。前記発熱抵抗体に供給される電力は、車両の外部から得ることもできる。これにより、発熱抵抗体に電力を供給する独立した電源を車両に搭載する必要がなくなり、車両を軽量化することができる。さらに、電力の供給時に車外環境が極低温になった場合でも、蓄電素子の温度低下を抑制できる。
本発明は、複数の蓄電素子を接続した蓄電装置であって、各前記蓄電素子に対応して設けられ、温度係数が負であり、電流が流れると発熱して各前記蓄電素子の温度を上昇させる複数の発熱抵抗体と、前記複数の発熱抵抗体を直列に接続する導線と、
を有することを特徴とする。
を有することを特徴とする。
温度の低い発熱抵抗体ほど、発熱量が高くなるため、すべての蓄電素子を温度のバラツキを抑制しながら昇温させることができる。
本発明によれば、蓄電素子を温度上昇させる際の消費電力を抑制できる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
図1を参照しながら、本発明の実施例である蓄電装置の概略構成を説明する。ここで、図1は、蓄電装置の平面図である。本実施例の蓄電装置1は、運転席及び助手席の間に設けられたセンターコンソールボックス、助手席の下側、トランクルーム(いずれも図示しない)などに配置することができる。また、本実施例の蓄電装置1は、車両の駆動用バッテリとして用いることができる。
(実施例1)
図1を参照しながら、本発明の実施例である蓄電装置の概略構成を説明する。ここで、図1は、蓄電装置の平面図である。本実施例の蓄電装置1は、運転席及び助手席の間に設けられたセンターコンソールボックス、助手席の下側、トランクルーム(いずれも図示しない)などに配置することができる。また、本実施例の蓄電装置1は、車両の駆動用バッテリとして用いることができる。
蓄電装置1は、複数の蓄電素子11からなる組電池12を含む。これらの蓄電素子11は、バスバー13を介して直列に接続されている。Y軸方向に隣接する蓄電素子11の間には、冷媒移動通路14が形成されている。この冷媒移動通路14は、蓄電素子11の外面に沿ってZ軸方向に延びている。
組電池12のZ軸方向の一端面には図示しない吸気チャンバが取り付けられており、他端面には図示しない排気チャンバが取り付けられている。この吸気チャンバから冷媒移動通路14の内部に冷却用の空気が導入される。
冷媒移動通路14に流入した空気は、蓄電素子11の外面に沿って矢印方向に進み、蓄電素子11の発電要素(図2参照)111を冷却する。これにより、蓄電装置1の劣化を抑制できる。なお、蓄電素子11の冷却に用いられた空気は、排気チャンバから排気される。
蓄電素子11の総プラス端子11a及び総マイナス端子11b(バスバー13が接続されていない端子)は、配線を介して図示しないインバータに電気的に接続されている。このインバータは、図示しないモータに電気的に接続されており、蓄電装置1の出力を用いてこのモータが駆動される。モータの駆動力は車輪に伝達され、車両を走行させることができる。
Y軸方向の両端部に位置する四つの蓄電素子11は、エンドプレート25に接している。エンドプレート25に接するこれらの蓄電素子11のうち一つには、温度センサ15が設けられている。温度センサ15には、サーミスタ素子、熱電対を用いることができる。サーミスタ素子は、温度変化に応じて抵抗値が変化するため、サーミスタ素子の抵抗値の変化を検知することによって、蓄電素子11の温度を測定することができる。
ここで、エンドプレート25に接する蓄電素子11は、他の蓄電素子11よりも外気に近く、エンドプレート25からの放熱もあるため、より温度低下しやすい環境におかれている。したがって、エンドプレート25に接する蓄電素子11に温度センサ15を設けることにより、組電池12を構成する蓄電素子11の最低温度を検出することができる。
図2は、蓄電素子の斜視図である。図2(A)は蓄電素子の内部構造である発電要素およびタブを点線で示しており、図2(B)は蓄電素子の素子ケースの外面に設けられた発熱抵抗体を実線で示している。
図1及び図2を参照すると、蓄電素子11は、角型の素子ケース112を有する。素子ケース112の内部には、発電要素111が巻かれた状態で収納されている。発電要素111は、正極体と、負極体と、正極体及び負極体の間に配置されたセパレータとで構成されている。
ここで、正極体は、正極用集電体と、正極用集電体の表面に塗布された正極層とで構成されている。正極層とは、正極に応じた活物質や導電剤等を含む層である。正極用集電体には、アルミニウムを用いることができる。正極層の活物質には、リチウム−遷移金属複合酸化物を用いることができる。また、導電剤として、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブを用いることができる。
負極体は、負極用集電体と、負極用集電体の表面に塗布された負極層とで構成されている。ただし、後述するように、負極側末塗工部は、負極用集電体のみで構成されている。
負極層とは、負極に応じた活物質や導電剤等を含む層である。負極用集電体には、銅を用いることができる。負極層の活物質には、カーボンを用いることができる。また、導電剤として、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブを用いることができる。
負極層とは、負極に応じた活物質や導電剤等を含む層である。負極用集電体には、銅を用いることができる。負極層の活物質には、カーボンを用いることができる。また、導電剤として、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブを用いることができる。
電解液は、セパレータの中に含浸させることができる。ただし、粒子で形成された固体電解質を用いることもできる。固体電解質としては、高分子固体電解質や無機固体電解質がある。
発電要素111のZ軸方向の一端部及び他端部にはそれぞれ、正極タブ113及び負極タブ114が電気的及び機械的に接続されている。接続方法には、溶接を用いることができる。正極タブ113及び負極タブ114はそれぞれ、正極端子11a及び負極端子11bに対して、電気的及び機械的に接続されている。
なお、集電体の一方の面に正極層を形成し、集電体の他方の面に負極層を形成した電極(いわゆるバイポーラ電極)を用いることもできる。
さらに、蓄電素子11をリチウムイオン電池としたが、これに限るものではなく、ニッケル―水素電池とすることもできる。蓄電素子11がニッケル−水素電池である場合には、正極層の活物質として、ニッケル酸化物を用い、負極層の活物質として、MmNi(5−x−y−z)AlxMnyCoz(Mm:ミッシュメタル)等の水素吸蔵合金を用いることができる。
さらにまた、本実施例では、空冷タイプの蓄電装置を用いたが、これに限るものではなく、液冷却タイプの蓄電装置にも本願発明は適用することができる。ここで、液冷却タイプの蓄電装置とは、複数の蓄電素子をバスバーを介して直列に接続した組電池と、この組電池を冷却する冷却液と、これらの組電池及び冷却液を収容する収容容器とを含む蓄電装置のことである。
図1及び図2(B)に図示するように、素子ケース112のY軸方向の一端面には、発熱抵抗体16が取り付けられている。発熱抵抗体16はシート状に形成されているが、これに限られるものではなく、素子ケース112を加熱できる形状であればよい。なお、発熱抵抗体16は、素子ケース112の外面であれば、どの位置に設けてもよく、例えば、正極端子11a及び負極端子11bが位置する側の外面に設けることもできる。
図3に図示するように、各蓄電素子11の素子ケース112に取りつけられた発熱抵抗体16は、導線17によって直列に接続されている。導線17は電源18に接続されている。電源18から出力される電流によって各発熱抵抗体16は発熱する。
電源18には、車両に搭載された電気機器(たとえば、ディスプレイ)に電力を供給する補機バッテリを用いることができる。導線17の途中には、スイッチング部19が設けられている。スイッチング部19は、コントローラ31に接続されている。コントローラ31は、スイッチング部19のスイッチング動作を制御する。
コントローラ31は、エンジンに点火を指示するイグニションスイッチ32に接続されており、イグニションスイッチ32がオンされると、蓄電素子11の温度状態を監視する監視モードを実行する。監視モードとは、温度センサ15から出力される情報を所定周期でサンプリングし、蓄電素子11の温度が所定温度よりも低いか否かを判定する温度監視モードのことであり、具体的には、後述する図4のフローチャートのステップS103の処理を意味している。
図2に図示するように、発電要素111及び発熱抵抗体16は、素子ケース112を隔てて互いに近接している。発熱抵抗体16によって加熱された素子ケース112の熱は、発電要素111に早期に伝熱される。これにより、発電要素111を速やかに温度上昇させることができる。
次に、図3を参照し、発熱抵抗体16について詳細に説明する。発熱抵抗体16は、NTC素子16aと、ケース16bと、絶縁樹脂16cとを含む。絶縁樹脂16cは、ケース16bに充填されている。NTC素子16aは、絶縁樹脂16cの内部に埋設されている。
NTC素子16aは、マンガン、ニッケル、コバルトなどの遷移金属の酸化物を主成分とする半導体セラミックスからなり、2種あるいはそれ以上の複合酸化物を組成とするスピネル構造の結晶粒が集まった多結晶体として構成されている。
NTC素子16aは、温度係数が負、すなわち、温度上昇とともに抵抗値が下がる負の温度特性を有している。換言すると、温度が低くなるほど抵抗値が高くなる特性を持った素子である。
NTC素子16aの発熱量は電流値の二乗と抵抗値との積に比例するため、NTC素子16aに流れる電流値をI、抵抗値をRとしたときに、電流値Iおよび抵抗値Rのいずれか一方を高くすることにより、NTC素子16aの発熱量を大きくすることができる。
車外環境が極低温である場合には、温度低下によりNTC素子16aの抵抗値が高くなっている。したがって、NTC素子16aに電流を流すことにより、より大きな発熱量を得ることができる。これにより、発熱抵抗体16を発熱させるために必要な電力の消費を抑えながら、蓄電素子11を速やかに温度上昇させることができる。
次に、図4のフローチャートを参照して、蓄電素子の昇温方法について説明する。図4は、蓄電装置の昇温方法を示したフローチャートである。下記のフローチャートは、コントローラ31によって実行される。
ステップS101において、イグニションスイッチ32がオンされたかどうかを判別する。ステップS101において、イグニションスイッチ32がオンされた場合には、ステップS102に進む。
ステップS102では温度測定を開始する。コントローラ31は、温度センサ15から出力される温度に関する情報を1秒周期でサンプリングしている。本フローチャートでは、温度センサ15としてサーミスタを使用している。したがって、「温度に関する情報」は抵抗値である。
ステップS103では温度センサ15から出力された情報に基づき、蓄電素子11の温度を算出し、蓄電素子11の温度が−30℃以下であるか否かを判定する。なお、本実施例では、発熱抵抗体16に発熱動作を開始させるときの温度を−30℃に設定したが、これに限られるものではなく、図8に示す蓄電素子11の温度特性に基づき適宜変更することができる。
ステップS104では、スイッチング部19をオンにして、導線17を介して各発熱体16の各NTC素子16aに通電する。これにより、各NTC素子16aが発熱する。発熱した各NTC素子16aの熱は、各NTC素子16aの周囲に充填された各絶縁樹脂16cに伝熱し、各絶縁樹脂16cの熱は、各絶縁樹脂16cを収容する各ケース16bに伝熱し、各ケース16bの熱は、各素子ケース112に伝熱し、各素子ケース112の熱は、各発電要素111に伝熱する。
ここで、各発熱抵抗体16は、直列に接続されているため、各NTC素子16aに流れる電流値は互いに同じである。一方、各NTC素子16aの温度は、各NTC素子16aの設置位置に応じて異なるため、互いに抵抗値が異なる場合がある。例えば、外気に近い領域に位置するNTC素子(本実施例では、エンドプレート25に接する蓄電素子11に設けられたNTC素子)16aほど、温度が低く、抵抗値が高くなるため、相対的に発熱量が高くなる。
したがって、通電動作開始当初に、各NTC素子16aの温度にバラツキがあっても、通電動作を継続することによりこの温度のバラツキは徐々に解消される。各NTC素子16aの温度のバラツキが解消されると、それに追従するよう各蓄電素子11の温度のバラツキも解消される。
したがって、全ての蓄電素子11を温度のバラツキを抑制しながら昇温させることができる。これにより、各蓄電素子11の劣化速度のバラツキが抑制され、蓄電装置の寿命低下を抑制することができる。
ステップS105では、蓄電素子11の温度が20℃以上に温度上昇したか否かを判別する。20℃以上に温度上昇した場合にはステップS106に進み、20℃以上に温度上昇しなかった場合にはステップS104に戻り、発熱抵抗体16への通電動作を継続する。ステップS106では、スイッチング部19をオフにして、発熱抵抗体16への通電動作を停止し、このフローを終了する。
上記実施例1では、発熱抵抗体16を素子ケース112の外面に設ける構成としたが、これに限られるものではなく、下記の変形例1〜3の構成とすることもできる。
(変形例1)
図5を参照して、蓄電素子の昇温構造の変形例1について説明する。図5は、変形例1の蓄電装置の平面図である。本変形例1では、バスバー13の上に発熱抵抗体16を設けている。発熱抵抗体16の設置位置を除く他の構成は、実施例1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
(変形例1)
図5を参照して、蓄電素子の昇温構造の変形例1について説明する。図5は、変形例1の蓄電装置の平面図である。本変形例1では、バスバー13の上に発熱抵抗体16を設けている。発熱抵抗体16の設置位置を除く他の構成は、実施例1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
バスバー13は、隣接する蓄電素子11の正極端子11a及び負極端子11bに接続されている。正極端子11aは、図2(A)に図示するように正極タブ113に接続されている。負極端子11bは、図2(A)に図示するように負極タブ114に接続されている。正極タブ113及び負極タブ114は発電要素111に接続されている。したがって、バスバー13を加熱することにより、その熱が、正極端子11a、正極タブ113及び発電要素111の順に伝熱し、発電要素111を早期に昇温させることができる。また、バスバー13を加熱することにより、その熱が、負極端子11b、負極タブ114及び発電要素111の順に伝熱し、発電要素111を早期に昇温させることができる。
また、バスバー13は、隣接する蓄電素子11の正極端子11a及び負極端子11bを接続しているため、一つのバスバー13に設けられた発熱抵抗体16により、二つの蓄電素子11を同時に加熱することができる。これにより、発熱抵抗体16の削減による低コスト化を図ることができる。
(変形例2)
図6を参照して、蓄電素子の昇温構造の変形例2について説明する。本変形例2では、発熱抵抗体160を発電要素111の中に直接設けている。図6(A)は変形例の蓄電装置をX―Y面で切断した断面図である。図6(B)は発熱抵抗体の断面図である。
(変形例2)
図6を参照して、蓄電素子の昇温構造の変形例2について説明する。本変形例2では、発熱抵抗体160を発電要素111の中に直接設けている。図6(A)は変形例の蓄電装置をX―Y面で切断した断面図である。図6(B)は発熱抵抗体の断面図である。
本変形例2の発熱抵抗体160は、平板状に形成されており、この発熱抵抗体160に対して発電要素111が巻きつけられている。発熱抵抗体160は、フレキシブル基板161と、フレキシブル基板161の表面に形成されたNTC素子162と、導線163とを有している。NTC素子162の構成は実施例1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
フレキシブル基板161は、例えば、ポリイミドで構成することができるが、これに限られるものではなく、可撓性の基板を構成できる材料であれば、いかなる材料を用いることもできる。
フレキシブル基板161は、図6(B)に示すように、保護膜165で覆われている。具体的には、NTC素子162及び導線163を含むフレキシブル基板161を、二枚のシート状の保護膜165で挟み、これらの保護膜165の外延部分を互いに接合している。
保護膜165は、絶縁性を有する材料によって形成されており、この材料としては、例えば、ポリプロピレンといった高分子樹脂を用いることができる。ただし、保護膜165は、NTC素子162及び導線163を含むフレキシブル基板161を覆う構成であればよく、いかなる構成であってもよい。例えば、保護膜165を形成する材料を、NTC素子162及び導線163を含むフレキシブル基板161の表面にコーティングする構成であってもよい。
このようにNTC素子162を可撓性のフレキシブル基板161に形成することにより、発電要素111に加わる負荷を少なくできる。したがって、発電要素111の性能低下を抑制できる。
導線163に電流が流れるとNTC素子162からジュール熱が発生し、発熱抵抗体160を発熱させることができる。発熱抵抗体160は、発電要素111に接しているため、発熱抵抗体160によって発電要素111を直接加熱することができる。これにより、発電要素111を早期に温度上昇させることができる。
(変形例3)
図7を参照して、蓄電素子の昇温構造の変形例3について説明する。図7は蓄電素子11の斜視図である。本変形例3の蓄電素子11は、いわゆる円筒型の蓄電素子である。素子ケース122は筒型に形成されており、この素子ケース122の内部には不図示の発電要素が収容されている。
図7を参照して、蓄電素子の昇温構造の変形例3について説明する。図7は蓄電素子11の斜視図である。本変形例3の蓄電素子11は、いわゆる円筒型の蓄電素子である。素子ケース122は筒型に形成されており、この素子ケース122の内部には不図示の発電要素が収容されている。
素子ケース122の長手方向の一端部及び他端部にはそれぞれ、正極端子123aおよび負極端子123bが形成されている。素子ケース122の外面には、複数の発熱抵抗体170が設けられている。発熱抵抗体170は、実施例1の発熱抵抗体16よりもサイズが小さく設定されているが、その他の構成は同じである。
このように、発熱抵抗体170のサイズを小さく設定することにより、素子ケース122に対する取り付け時に、屈曲する発熱抵抗体170の曲率を小さくできるため、発熱抵抗体170に加わる負荷を軽減できる。
また、発熱抵抗体170を複数設けることにより、各発熱抵抗体170のサイズが小さくても、蓄電素子を昇温させるのに必要な熱量を得ることができる。
(その他の変形例)
実施例1の構成では、温度センサ15から出力される温度情報に基づき、発熱抵抗体16を駆動したが、これに限られるものではなく、発熱抵抗体16に一定の電流値を常時流しておく構成にすることもできる。これにより、蓄電素子の昇温制御を簡略化することができる。
(その他の変形例)
実施例1の構成では、温度センサ15から出力される温度情報に基づき、発熱抵抗体16を駆動したが、これに限られるものではなく、発熱抵抗体16に一定の電流値を常時流しておく構成にすることもできる。これにより、蓄電素子の昇温制御を簡略化することができる。
この場合、蓄電素子11の温度が目標温度に達した後も、NTC素子16aに対する通電動作は継続されるが、温度上昇に応じてNTC素子16aの抵抗値が下がるため、発熱抵抗体16の発熱量は徐々に低下する。したがって、蓄電素子11の過剰な温度上昇は抑制される。
また、電源18として外部電源を用いることができる。外部電源として家庭用電源を用いることができる。この場合、家庭用電源にプラグを接続することにより、外部電源の電力を発熱抵抗体16に供給することができる。
極低温の環境では、帰宅後に家庭用電源にプラグを接続することにより、蓄電素子11の夜間時の温度低下を防止できる。したがって、翌朝、車両のエンジンを速やかに点火することができる。
なお、NTC素子は、一般的に、蓄電素子の温度を検出するための温度センサとして使用される場合がある。しかしながら、温度検出用のNTC素子に流れる電流は微弱であり、このような微弱な電流を流しても蓄電素子11を十分に加熱することはできない。したがって、本願発明の発熱抵抗体に流れる電流値は、温度検出の場合よりも高く、本明細書の課題からも明らかなように、本願発明の発熱抵抗体と温度検出用のNTC素子とは、明確に区別されるべきものである。
1 蓄電装置 11 蓄電素子 11a 正極端子 11b 負極端子
12 組電池 13 バスバー 14 冷媒移動通路 15 温度センサ
16 160 170 発熱抵抗体 17 導線 18 電源
19 スイッチング部 31 コントローラ 32 IGスイッチ
12 組電池 13 バスバー 14 冷媒移動通路 15 温度センサ
16 160 170 発熱抵抗体 17 導線 18 電源
19 スイッチング部 31 コントローラ 32 IGスイッチ
Claims (7)
- 蓄電素子と、
温度係数が負であり、電流が流れると発熱して前記蓄電素子の温度を上昇させる発熱抵抗体と、を有することを特徴とする蓄電素子の昇温構造。 - 前記発熱抵抗体は、前記蓄電素子の発電要素を収容するケースの外面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電素子の昇温構造。
- 前記発熱抵抗体は、前記蓄電素子の端子に接続される導電板に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電素子の昇温構造。
- 前記発熱抵抗体は、前記蓄電素子の発電要素を収容するケースの内部に設けられており、前記発電要素に接触していることを特徴とする請求項1に記載の蓄電素子の昇温構造。
- 前記発熱抵抗体は、NTC(negative temperature coefficient)型の素子であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の蓄電素子の昇温構造。
- 前記蓄電素子は車両に搭載されており、前記発熱抵抗体に供給される電力を車両の外部から得ることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の蓄電素子の昇温構造。
- 複数の蓄電素子を接続した蓄電装置であって、
各前記蓄電素子に対応して設けられ、温度係数が負であり、電流が流れると発熱して各前記蓄電素子の温度を上昇させる複数の発熱抵抗体と、
前記複数の発熱抵抗体を直列に接続する導線と、
を有することを特徴とする蓄電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008230760A JP2010067386A (ja) | 2008-09-09 | 2008-09-09 | 蓄電素子の昇温構造及び蓄電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008230760A JP2010067386A (ja) | 2008-09-09 | 2008-09-09 | 蓄電素子の昇温構造及び蓄電装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010067386A true JP2010067386A (ja) | 2010-03-25 |
Family
ID=42192817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008230760A Pending JP2010067386A (ja) | 2008-09-09 | 2008-09-09 | 蓄電素子の昇温構造及び蓄電装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010067386A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009118729A (ja) * | 2007-10-17 | 2009-05-28 | Denso Corp | 車両用蓄電手段の加熱装置 |
CN102170035A (zh) * | 2011-04-06 | 2011-08-31 | 富奥汽车零部件股份有限公司 | 一种无线电池单体加热管理方法及系统 |
JP2012069495A (ja) * | 2010-09-27 | 2012-04-05 | Denso Corp | 電池加熱装置 |
JP2012069281A (ja) * | 2010-09-21 | 2012-04-05 | Denso Corp | 加熱装置 |
WO2012105636A1 (ja) * | 2011-02-02 | 2012-08-09 | 株式会社Gsユアサ | 電池システム |
KR20130134518A (ko) * | 2012-05-31 | 2013-12-10 | 에스케이이노베이션 주식회사 | 이차전지용 배터리 셀 및 이를 포함하는 배터리 모듈 |
CN105529508A (zh) * | 2014-06-30 | 2016-04-27 | 比亚迪股份有限公司 | 电池加热系统、电池装置及电动汽车 |
JP2016538683A (ja) * | 2013-10-11 | 2016-12-08 | イーシー パワー,エルエルシー | 全天候型バッテリー並びにその製造および使用 |
WO2017211782A1 (de) * | 2016-06-08 | 2017-12-14 | Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft | Speichermodul mit heizmitteln |
CN111129660A (zh) * | 2020-04-01 | 2020-05-08 | 惠州亿纬锂能股份有限公司 | 电池系统、车辆系统及电池系统加热控制方法 |
JP2022042809A (ja) * | 2020-09-03 | 2022-03-15 | 愛三工業株式会社 | 電池モジュール |
JP7511967B2 (ja) | 2021-01-22 | 2024-07-08 | エルジー エナジー ソリューション リミテッド | 電池モジュールおよびこれを含む電池パック |
-
2008
- 2008-09-09 JP JP2008230760A patent/JP2010067386A/ja active Pending
Cited By (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009118729A (ja) * | 2007-10-17 | 2009-05-28 | Denso Corp | 車両用蓄電手段の加熱装置 |
JP2012069281A (ja) * | 2010-09-21 | 2012-04-05 | Denso Corp | 加熱装置 |
JP2012069495A (ja) * | 2010-09-27 | 2012-04-05 | Denso Corp | 電池加熱装置 |
WO2012105636A1 (ja) * | 2011-02-02 | 2012-08-09 | 株式会社Gsユアサ | 電池システム |
JPWO2012105636A1 (ja) * | 2011-02-02 | 2014-07-03 | 株式会社Gsユアサ | 電池システム |
US9252402B2 (en) | 2011-02-02 | 2016-02-02 | Gs Yuasa International Ltd. | Battery system |
JP5924269B2 (ja) * | 2011-02-02 | 2016-05-25 | 株式会社Gsユアサ | 電池システム |
CN102170035A (zh) * | 2011-04-06 | 2011-08-31 | 富奥汽车零部件股份有限公司 | 一种无线电池单体加热管理方法及系统 |
KR102001545B1 (ko) * | 2012-05-31 | 2019-07-18 | 에스케이이노베이션 주식회사 | 이차전지용 배터리 셀 및 이를 포함하는 배터리 모듈 |
KR20130134518A (ko) * | 2012-05-31 | 2013-12-10 | 에스케이이노베이션 주식회사 | 이차전지용 배터리 셀 및 이를 포함하는 배터리 모듈 |
JP2016538683A (ja) * | 2013-10-11 | 2016-12-08 | イーシー パワー,エルエルシー | 全天候型バッテリー並びにその製造および使用 |
CN105529508A (zh) * | 2014-06-30 | 2016-04-27 | 比亚迪股份有限公司 | 电池加热系统、电池装置及电动汽车 |
CN109314199A (zh) * | 2016-06-08 | 2019-02-05 | 宝马股份公司 | 包括加热机构的存储模块 |
WO2017211782A1 (de) * | 2016-06-08 | 2017-12-14 | Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft | Speichermodul mit heizmitteln |
US10971772B2 (en) | 2016-06-08 | 2021-04-06 | Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft | Storage module having heating measures |
CN111129660A (zh) * | 2020-04-01 | 2020-05-08 | 惠州亿纬锂能股份有限公司 | 电池系统、车辆系统及电池系统加热控制方法 |
JP2022042809A (ja) * | 2020-09-03 | 2022-03-15 | 愛三工業株式会社 | 電池モジュール |
JP7413212B2 (ja) | 2020-09-03 | 2024-01-15 | 愛三工業株式会社 | 電池モジュール |
JP7511967B2 (ja) | 2021-01-22 | 2024-07-08 | エルジー エナジー ソリューション リミテッド | 電池モジュールおよびこれを含む電池パック |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2010067386A (ja) | 蓄電素子の昇温構造及び蓄電装置 | |
JP2010097923A (ja) | 蓄電装置及び車両 | |
JP5169715B2 (ja) | 車両用蓄電手段の加熱装置 | |
JP4564934B2 (ja) | 二次電池モジュール | |
JP5790767B2 (ja) | 車両用バッテリの制御装置及び車両用バッテリの制御方法 | |
JP4513816B2 (ja) | 温度調節機構および車両 | |
JP5314872B2 (ja) | 発熱機構を備える二次電池 | |
JP5343465B2 (ja) | 蓄電装置 | |
JP4572152B2 (ja) | 二次電池モジュールの温度制御システム | |
US11362380B2 (en) | Electric vehicle battery pack cooling system and electric vehicle battery pack system cooling method using same | |
KR101736201B1 (ko) | 저온 배터리를 가열할 수 있는 전기자동차용 에너지저장장치 및 제어방법 | |
US20150229011A1 (en) | Battery System and Motor Vehicle | |
JP4913277B2 (ja) | Ptc素子、ptc素子の搭載されるpcb基板、二次電池保護回路装置および二次電池集合体 | |
JP2004063397A (ja) | 電池、組電池、および車両 | |
JP2011014436A (ja) | バッテリー加熱装置 | |
US20140113166A1 (en) | Safety device for arrangement in a battery cell of a lithium-ion battery, lithium-ion battery cell with safety device | |
US20080318101A1 (en) | Intelligent MEA for fuel cell | |
JP2012069496A (ja) | 電池加熱装置 | |
CN102299267A (zh) | 集成有测量传感器线路和均衡电阻的蓄电池组电池 | |
JP2003109636A (ja) | 燃料電池スタック | |
JP2010015914A (ja) | 蓄電装置、車両及び温度情報取得ユニット | |
JP2011129429A (ja) | 蓄電素子の状態判別システム | |
JP2010257692A (ja) | 電池システム | |
JP2007035410A (ja) | 燃料電池システム | |
JP2009272113A (ja) | 蓄電装置 |