JP2010067318A - 記録テープカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】スライドする遮蔽部材と、開口が形成される側壁との間にできる隙間からの塵埃等の進入を抑制でき、防塵性を改善できる記録テープカートリッジの提供を課題とする。
【解決手段】記録テープTが巻装されたリール20を回転可能に単一で収容するケース12と、記録テープTの端部に取り付けられたリーダー部材30を引き出すためにケース12の側壁12Bに形成された開口18を、側壁12Bの内側又は外側でスライドして開閉する遮蔽部材50と、ケース12に突設され、遮蔽部材50が開口18を閉塞したときに、遮蔽部材50を側壁12B側へ付勢する付勢突起100と、を有する記録テープカートリッジ10とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、主にコンピューター等の記録再生媒体として使用される磁気テープ等の記録テープが巻装されたリールをケース内に単一で収容してなる記録テープカートリッジに関する。
従来から、コンピューター等のデータ記録再生媒体として使用されている磁気テープ等の記録テープをリールに巻装し、そのリールをケース内に単一で収容してなる記録テープカートリッジは知られている。この記録テープの先端には、リーダーピンやリーダーテープ、リーダーブロックといったリーダー部材が設けられており、そのリーダー部材をドライブ装置側に設けられた引出手段が記録テープカートリッジの開口から引き出し、それに固着されている記録テープをドライブ装置側の巻取リールに巻装させるようになっている。
このような構成の記録テープカートリッジでは、リーダー部材のタイプ毎に、開口の位置及びその開口を開閉するドア(遮蔽部材)のタイプが異なっている。例えばリーダー部材がリーダーピンの場合には、ドライブ装置への装填側角部の側壁に開口が形成されており、ドライブ装置への装填方向と平行な方向にスライドするドアや、所定の円周上に沿ってスライドする平面視略円弧状ドアによって、その開口が開閉されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−30760号公報
ところで、スライドする遮蔽部材によって開口が開閉される構成の場合、その遮蔽部材と、開口が形成されている側壁との間には、遮蔽部材をスムーズにスライドさせるためと、成形時の抜き勾配や反り等の変形により、ある程度の隙間ができる。したがって、記録テープカートリッジの不使用時(ドライブ装置に装填しない、保管時や運搬時)等において、その隙間から塵埃等が入り込むおそれがある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、スライドする遮蔽部材と、開口が形成される側壁との間にできる隙間からの塵埃等の進入を抑制でき、防塵性を改善できる記録テープカートリッジを得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の記録テープカートリッジは、記録テープが巻装されたリールを回転可能に単一で収容するケースと、前記記録テープの端部に取り付けられたリーダー部材を引き出すために前記ケースの側壁に形成された開口を、該側壁の内側又は外側でスライドして開閉する遮蔽部材と、前記ケースに突設され、前記遮蔽部材が前記開口を閉塞したときに、該遮蔽部材を前記側壁側へ付勢する付勢突起と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、側壁の内側又は外側でスライドする遮蔽部材が、開口を閉塞したときに、その側壁側へ付勢突起により付勢される。したがって、スライドする遮蔽部材と、開口が形成される側壁との間にできる隙間を、その遮蔽部材でほぼ閉塞することができる。よって、その隙間からの塵埃等の進入を抑制することができ、記録テープカートリッジの防塵性を改善することができる。
また、請求項2に記載の記録テープカートリッジは、請求項1に記載の記録テープカートリッジにおいて、前記付勢突起が、前記開口を構成する前記側壁の辺縁部近傍に突設されていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、付勢突起が、開口を構成する側壁の辺縁部近傍に突設されているので、遮蔽部材は、開口の閉塞時、その付勢突起により、開口を構成する側壁の辺縁部に押し付けられる。したがって、スライドする遮蔽部材と、開口を構成する側壁の辺縁部との間にできる隙間を、その遮蔽部材でほぼ閉塞することができ、その隙間からの塵埃等の進入を抑制、更には防止することができる。
また、請求項3に記載の記録テープカートリッジは、請求項1又は請求項2に記載の記録テープカートリッジにおいて、前記開口の閉塞時に前記側壁と前記付勢突起との間に介在する前記遮蔽部材の一部の最大板厚が、前記側壁と前記付勢突起との間隔以上の厚さであることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、開口の閉塞時に側壁と付勢突起との間に介在する遮蔽部材の一部の最大板厚が、側壁と付勢突起との間隔以上の厚さとされているので、スライドする遮蔽部材と、開口が形成される側壁(開口を構成する側壁の辺縁部)との間にできる隙間を、その遮蔽部材でほぼ閉塞することができる。したがって、その隙間からの塵埃等の進入を抑制、更には防止することができる。
以上のように、本発明によれば、スライドする遮蔽部材と、開口が形成される側壁との間にできる隙間からの塵埃等の進入を抑制でき、防塵性を改善できる記録テープカートリッジを提供することができる。
以下、本発明の最良な実施の形態について、図面に示す実施例を基に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、図1において、記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填方向を矢印Aで示し、それを記録テープカートリッジ10の前方向(前側)とする。そして、矢印Aと直交する矢印B方向を右方向(右側)とする。また、矢印A方向及び矢印B方向と直交する方向を矢印Cで示し、それを記録テープカートリッジ10の上方向(上側)とする。
図1〜図3で示すように、記録テープカートリッジ10は、略矩形箱状のケース12を有している。このケース12は、ポリカーボネート(PC)等の樹脂製の上ケース14と下ケース16とが、それぞれ天板14Aの周縁に立設された周壁14Bと、底板16Aの周縁に立設された周壁16Bとを互いに当接させた状態で、超音波溶着やビス止め等によって接合されて構成されている。
すなわち、例えば上ケース14及び下ケース16には、ビスボス15がそれぞれ各コーナー部近傍に形成されており、下ケース16の下面側から、そのビスボス15に図示しないビスが螺合されることにより、ケース12が組み立てられるようになっている。そして、ケース12の内部には、リール20が1つだけ回転可能に収容されている。
このリール20は、軸心部を構成する有底円筒状のリールハブ22と、その下端部に設けられる下フランジ26とが一体に成形され、上フランジ24がリールハブ22の上端部に超音波溶着されて構成されている。そして、そのリールハブ22の外周面に、情報記録再生媒体としての磁気テープ等の記録テープTが巻回され、上フランジ24及び下フランジ26によって、その巻回された記録テープTの幅方向の端部が保持されている。
また、リールハブ22の底壁28の下面には、リールギア44が環状に形成されており、下ケース16の中央部には、そのリールギア44を外部に露出するためのギア開口40が穿設されている。このギア開口40から露出されるリールギア44が、ドライブ装置の回転シャフト(図示省略)に形成された駆動ギア(図示省略)に噛合されて回転駆動されることにより、ケース12内において、リール20がケース12に対して相対回転可能とされる。
また、底壁28の下面におけるリールギア44の径方向内側には、磁性材料でできた環状金属板であるリールプレート46が、インサート成形により、同軸的かつ一体的に固着されており、ドライブ装置の回転シャフトに設けられた環状のマグネット(図示省略)の磁力によって吸着・保持されるようになっている。更に、リール20は、上ケース14及び下ケース16の内面にそれぞれ部分的に突設されて、ギア開口40と同軸的な円形の軌跡上にある内壁としての遊動規制壁42によってガタつかないように保持されている。
また、ケース12の右側壁12Bには、リール20に巻装された記録テープTを引き出すための開口18が形成されており、この開口18から引き出される記録テープTの自由端部には、ドライブ装置の引出部材(図示省略)によって係止(係合)されつつ引き出し操作されるリーダーピン30が固着されている。リーダーピン30の記録テープTの幅方向端部より突出した両端部には、環状溝32が形成されており、この環状溝32が引出部材のフック等に係止される。これにより、記録テープTを引き出す際に、フック等が記録テープTに接触して傷付けることがない構成である。
また、ケース12の開口18の内側、即ち上ケース14の天板14A内面及び下ケース16の底板16A内面には、ケース12内においてリーダーピン30を位置決めして保持する上下一対のピン保持部36が設けられている。このピン保持部36は、記録テープTの引き出し側が開放された略半円形状をしており、直立状態のリーダーピン30の両端部34は、その開放側からピン保持部36内に出入可能とされている。
また、ピン保持部36の近傍には、板バネ38が固定配置されるようになっており、この板バネ38の二股状の先端部がリーダーピン30の上下両端部34にそれぞれ係合してリーダーピン30をピン保持部36に保持するようになっている。なお、リーダーピン30がピン保持部36に出入する際には、板バネ38の先端部は適宜弾性変形してリーダーピン30の移動を許容する構成である。
また、その開口18は、ドア50によって開閉される。このドア50は、開口18を閉塞可能な大きさの略矩形板状に形成され、ケース12の右側壁12Bに沿って、その右側壁12Bの内側で移動(スライド)できるように、開口18内側の天板14A及び底板16Aには、ドア50の上下端部を摺動可能に嵌入させる溝部64が形成されている。
また、ドア50の後端部中央には、シャフト52が突設されており、そのシャフト52には、コイルバネ58が挿嵌されている。そして、シャフト52の後端には、そのコイルバネ58を脱落防止とする拡開部54が形成されている。また、下ケース16には、そのシャフト52に挿嵌されたコイルバネ58の後端を係止する係止部62を有する支持台60が突設されている。
したがって、ドア50は、シャフト52が支持台60上に摺動自在に支持されるとともに、コイルバネ58の後端が係止部62に係止されることにより、そのコイルバネ58の付勢力によって、常時開口18の閉塞方向へ付勢される構成である。なお、開口18の開放時、シャフト52を支持する支持台66を支持台60の後方側に更に突設しておくことが好ましい。
また、ドア50の前端部には、開閉操作用の凸部56がケース外方に向かって突設されている。この凸部56が、記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填に伴い、そのドライブ装置側の開閉部材(図示省略)と係合するようになっている。これにより、ドア50がコイルバネ58の付勢力に抗して開放される構成である。
また、図2〜図5で示すように、ドア50による開口18の閉塞時、そのドア50の後端部(一部)の外面を、右側壁12Bの内面へ押し付ける(ケース外方側へ付勢する)ための略円柱状の付勢突起100が、右側壁12Bと右前側のビスボス15との間の上ケース14の天板14A内面及び下ケース16の底板16A内面の所定位置(右側壁12Bの開口18を構成する辺縁部近傍)に所定高さ(周壁14B、16Bの高さをそれぞれ超えない高さ)で一体に突設されている。
すなわち、ドア50の後端部は、ドア50の他の部位よりも板厚が厚くなるように、その内面がテーパー面55とされており、付勢突起100と右側壁12Bの内面との間に介在したとき(開口閉塞時)の後端部の最大板厚は、付勢突起100と右側壁12Bの内面との最短距離(間隔)以上の厚さとされている。したがって、そのドア50の後端部が、付勢突起100と右側壁12Bの内面との間に介在すると、その付勢突起100によって右側壁12B側へ押される。
これにより、そのドア50の後端部の外面が、右側壁12Bの内面に圧接(当接)することになり、ドア50による開口18の閉塞時、開口18を構成する右側壁12Bにおける辺縁部(ドア50の開口開放時におけるスライド方向側の辺縁部)と、ドア50との間にできる隙間が、そのドア50によってほぼ閉塞される。つまり、記録テープカートリッジ10の不使用時において、その隙間からの塵埃等の進入が抑制、更には防止されるようになっている。
なお、付勢突起100は、ケース12とは別体とされて、上ケース14及び下ケース16にそれぞれ取り付けられる(突設される)構成としてもよく、その場合は、摺動性の良好なポリアセタール(POM)で形成されるのが望ましい。また、付勢突起100の形状は、図示の略円柱状に限定されるものではなく、例えばドア50の後端部の内面であるテーパー面55に、面接触(摺接)可能なテーパー面を有する形状(図示省略)としてもよい。
また、同様に、開口18を構成する右側壁12Bの前側壁12A側の辺縁部近傍に、ドア50の前端部の内面を前側壁12Aの右端面12Cへ押し付ける(付勢する)ための略円柱状の補助付勢突起102を所定高さ(凸部56に干渉しない高さ)で突設してもよい。
すなわち、この補助付勢突起102は、ドア50による開口18の閉塞時、そのドア50の前端部をケース内方側へ付勢できるように、天板14A内面及び底板16A内面に形成された溝部64よりもケース内方側へ若干はみ出して突設されており、その補助付勢突起102によって、ドア50の前端部の内面が、前側壁12Aの右端面12Cに圧接(当接)されるようになっている。これにより、ドア50の前端部の内面と前側壁12Aの右端面12Cとの間にできる隙間が、そのドア50によってほぼ閉塞され、その隙間からの塵埃等の進入が抑制、更には防止されるようになっている。
また、図2、図3で示すように、ケース12の左後部には、記録テープTへの記録可・不可が設定されるライトプロテクト70が左右方向にスライド可能に設けられており、ケース12の後側壁12Dには、このライトプロテクト70を人手で操作するための操作突起72を突出させる開孔68が形成されている。この開孔68は、上ケース14と下ケース16とを接合したときに、上ケース14の周壁14Bに形成された切欠部68Aと、下ケース16の周壁16Bに形成された切欠部68Bとによって形成される構成である。
また更に、下ケース16には、ライトプロテクト70の突部74が露出される長孔69が左右方向に長く穿設されており、記録テープカートリッジ10がドライブ装置に装填されたときに、そのドライブ装置側でライトプロテクト70の位置を検知して、記録テープTへの記録可・不可が自動的に判断されるようになっている。なお、この突部74は下ケース16の下面から突出することはない。また、図2で示すように、ケース12の右後部には、記録容量、記録形式等の各種情報が記憶されたメモリーボードMが所定の傾斜角度で配置されるようになっている。
また、図2、図3で示すように、リールハブ22の底壁28の上面周縁には、係合ギア48が所定の間隙を隔てて(等間隔に)複数(例えば120度間隔で3個)立設されており、その係合ギア48の間で、リールギア44上となる所定位置には、貫通孔28Aが複数(この場合は120度間隔で3個)穿設されている。そして、そのリールハブ22の内部には、樹脂材で成形された円板状の制動部材80が挿設される。
制動部材80の下面80A周縁には、係合ギア48と噛合可能な制動ギア84が環状に形成されており、制動部材80の上面には、上ケース14の天板14A内面から下方へ向かって突設された平面視略十字状の回転規制リブ76が内部に挿入される平面視略十字状の係合突起86が、その回転規制リブ76の高さよりも若干高くなるように立設されている。これにより、制動部材80はケース12(上ケース14)に対して回転不能とされるとともに、リールハブ22内において、上下方向に移動可能とされる。
また、上ケース14と制動部材80との間には圧縮コイルスプリング98が配設される。すなわち、圧縮コイルスプリング98の一端が上ケース14の回転規制リブ76の外側に突設された環状突起78の内側(回転規制リブ76と環状突起78の間)に当接し、他端が制動部材80の上面に設けられた環状溝88内に当接した状態に配設される。この圧縮コイルスプリング98の付勢力により、制動部材80は、常時下方に向かって付勢される。
したがって、記録テープカートリッジ10は、不使用時(ドライブ装置に装填されないとき)において、常時制動ギア84が係合ギア48と噛合する状態とされて、リール20のケース12に対する相対回転が阻止された回転ロック状態とされる。なお、このとき、リール20は、この付勢力によって下ケース16側に押し付けられ、リールギア44をギア開口40から露出させる。
また、リールハブ22の内部で、かつ制動部材80の下側(底壁28と制動部材80との間)には、樹脂材で成形された平面視略正三角形状の解除部材90が挿設される。解除部材90には、適宜位置に所定の形状とされた貫通孔92が複数(図示のものは六角形状とされて3つ)穿設されており、解除部材90の軽量化が図られている。そして、解除部材90の下面で、かつ各頂点部分には、貫通孔28Aに挿通されて底壁28の下面からリールギア44上に所定高さ突出する脚部94が突設されている。
また、解除部材90の上面90A中央には平面状の支持凸部96が形成されており、制動部材80の下面80A中央に突設された略半球状の解除突起82が当接するようになっている(図2、図3参照)。これにより、制動部材80と解除部材90との接触面積が低減され、使用時(リール20の回転時)における摺動抵抗が軽減される構成である。なお、制動部材80の材質としては、例えばポリアセタール(POM)が用いられ、解除部材90の材質としては、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)が用いられる。
以上のような構成の記録テープカートリッジ10において、次にその作用について説明する。不使用時(保管時や運搬時等)において、記録テープカートリッジ10の開口18は、ドア50によって閉塞されている。そして、圧縮コイルスプリング98の付勢力によって、制動部材80が回転ロック位置に位置して制動ギア84を係合ギア48に噛合させている。このため、リール20は、ケース12に対する回転が阻止されている。
また、このとき、ドア50の後端部の外面は、付勢突起100により、右側壁12Bの内面へ圧接されている。すなわち、ドア50の後端部は、ドア50の他の部位よりも板厚が厚くなるように、その内面がテーパー面55とされており、その最大板厚が付勢突起100と右側壁12Bの内面との最短距離(間隔)以上の厚さとされている。
したがって、ドア50による開口18の閉塞時、そのドア50の後端部は、そのテーパー面55が付勢突起100によってケース外方側へ押されることにより、右側壁12B側へ押される。これにより、開口18を構成する右側壁12Bにおける辺縁部(ドア50の開口開放時におけるスライド方向側の辺縁部)と、ドア50との間にできる隙間が、そのドア50によってほぼ閉塞され、その隙間からの塵埃等の進入が抑制、更には防止される。
また、このとき、開口18を構成する右側壁12Bの前側壁12A側の辺縁部近傍に突設されている補助付勢突起102により、ドア50の前端部の内面が前側壁12Aの右端面12Cに押し付けられている(圧接されている)。したがって、ドア50の前端部の内面と前側壁12Aの右端面12Cとの間にできる隙間も、そのドア50によってほぼ閉塞され、その隙間からの塵埃等の進入が抑制、更には防止される。
一方、記録テープTを使用する際には、前側壁12Aを先頭にして記録テープカートリッジ10を矢印A方向に沿って、ドライブ装置内へ装填する。すると、まず、そのドライブ装置側に設けられた開閉部材が、ドア50の凸部56に係合する。そして、この状態で、記録テープカートリッジ10が更に矢印A方向へ移動すると、開閉部材が凸部56をコイルバネ58の付勢力に抗しつつ相対的に後方へ移動させる。すると、その凸部56が突設されているドア50は、右側壁12Bに沿って(右側壁12Bの内側で)溝部64内を後側へ摺動し、開口18を開放する。
こうして、記録テープカートリッジ10がドライブ装置に所定深さ装填され、開口18が完全に開放されると、記録テープカートリッジ10は所定高さ下降し、ドライブ装置の位置決め部材(図示省略)が、下ケース16に形成された位置決め用の穴部(図示省略)に挿入される。これにより、記録テープカートリッジ10がドライブ装置内における所定位置に正確に位置決めされ、ドア50のそれ以上の摺動(後方への移動)が規制される。
また、この記録テープカートリッジ10の下降動作によって、回転シャフトが相対的にギア開口40から進入し、駆動ギアをリールギア44に噛合させる。すると、その駆動ギアがリールギア44と噛合する動作に伴って、リールギア44上に突出している脚部94が、圧縮コイルスプリング98の付勢力に抗して押し上げられ、解除部材90を介して制動部材80が上方へ押し上げられて、制動ギア84と係合ギア48との噛合が解除される。
そして、駆動ギアとリールギア44とが完全に噛合した状態で、リールプレート46が、駆動ギアの内側に設けられた環状のマグネットの磁力によって吸着・保持されることにより、リール20は、駆動ギアに対するリールギア44の噛合が維持されつつ、ケース12内で、そのケース12に対して相対回転可能となるロック解除状態とされる。
一方、開放された開口18からは、ドライブ装置側に設けられた引出部材がケース12内に進入し、ピン保持部36に位置決め保持されたリーダーピン30を把持して引き出す。なお、このとき、記録テープカートリッジ10はドライブ装置内において正確に位置決めされているので、引出部材は確実にリーダーピン30の環状溝32にそのフックを係止させることができる。また、リール20は、その回転ロック状態が解除されているので、リーダーピン30の引出動作に伴って回転できる。
こうして、開口18から抜き出されたリーダーピン30は、図示しない巻取リールに収容される。そして、その巻取リールとリール20とを同期して回転駆動することにより、記録テープTは、巻取リールに巻き取られつつ順次ケース12から引き出され、所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッド(図示省略)によって情報の記録や再生が行われる。
情報の記録や再生が終了した記録テープカートリッジ10をドライブ装置から排出する際には、まず、回転シャフトが逆回転することにより、記録テープTがリール20に巻き戻される。そして、記録テープTがリール20に最後まで巻き戻されて、リーダーピン30がピン保持部36に保持されると、記録テープカートリッジ10は所定高さ上昇し、位置決め部材が位置決め用の穴部から抜き出されるとともに、回転シャフトがギア開口40から抜き出され、リールギア44に対する駆動ギアの噛合が解除される。
すると、圧縮コイルスプリング98の付勢力により、制動部材80及び解除部材90が下方に向かって押圧され、脚部94が貫通孔28Aに挿通されて底壁28の下面からリールギア44上に所定高さ突出するとともに、制動ギア84が係合ギア48に噛合する。これにより、リール20は、再度ケース12内での相対回転が阻止された回転ロック状態となり、その後、記録テープカートリッジ10は、図示しないイジェクト機構によって矢印A方向とは反対方向に移動される。
すると、この移動に伴って、ドア50はコイルバネ58の付勢力によって開口18の閉塞方向へ摺動し、開口18を完全に閉塞する(初期状態に復帰する)。そして、このとき、付勢突起100により、ドア50の後端部が右側壁12B側へ押されるので、そのドア50の後端部の外面が右側壁12Bの内面に圧接(当接)される。これにより、ドア50と、開口18を構成する右側壁12Bの辺縁部との間に形成される隙間が、そのドア50によってほぼ閉塞され、その隙間からの塵埃等の進入が再度抑制、更には防止される。
また、このとき、ドア50の前端部も補助付勢突起102によって前側壁12Aの右端面12C側へ押されるので、そのドア50の前端部の内面が前側壁12Aの右端面12Cに圧接(当接)される。これにより、ドア50の前端部の内面と前側壁12Aの右端面12Cとの間に形成される隙間が、そのドア50によってほぼ閉塞され、その隙間からの塵埃等の進入が再度抑制、更には防止される。こうして、リール20のケース12に対する相対回転がロックされ、開口18が閉塞された記録テープカートリッジ10は、ドライブ装置内から完全に排出される。
以上、本実施形態に係る記録テープカートリッジ10について説明したが、本実施形態に係る記録テープカートリッジ10は、図示の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。例えば上記実施例では、ドア50は右側壁12Bの内側でスライドして開口18を開閉させる構成となっているが、右側壁12Bの外側でスライドして開口18を開閉させる構成となっても同様である。
また、図示の実施例では、上ケース14の天板14A内面及び下ケース16の底板16A内面にそれぞれ付勢突起100を突設したが、付勢突起100は、上ケース14の天板14A内面だけ、又は下ケース16の底板16A内面だけに突設されていてもよい。同様に、補助付勢突起102も、上ケース14側だけ、又は下ケース16側だけに突設されていてもよい。また、ドア50の後端部のテーパー面55は、ドア50の高さ方向全体に形成されていなくてもよく、例えば付勢突起100が圧接(当接)する部位だけに形成される構成としてもよい。
また、リール20に巻回される記録テープTは、情報の記録及び記録した情報の再生が可能な長尺テープ状の情報記録再生媒体として把握されるものであれば足り、リール20を回転可能に単一で収容する記録テープカートリッジ10が、如何なる記録再生方式の記録テープTにも適用可能であることは言うまでもない。
記録テープカートリッジの概略斜視図 記録テープカートリッジを上方から見た場合の概略分解斜視図 記録テープカートリッジを下方から見た場合の概略分解斜視図 (A)遮蔽部材が開口を閉塞している様子を示す概略斜視図、(B)遮蔽部材が開口を開放している様子を示す概略斜視図 遮蔽部材が開口を閉塞している様子を示す概略平面図
符号の説明
10 記録テープカートリッジ
12 ケース
12A 前側壁
12B 右側壁(側壁)
18 開口
20 リール
30 リーダーピン(リーダー部材)
50 ドア(遮蔽部材)
80 制動部材
90 解除部材
100 付勢突起
102 補助付勢突起
T 記録テープ

Claims (3)

  1. 記録テープが巻装されたリールを回転可能に単一で収容するケースと、
    前記記録テープの端部に取り付けられたリーダー部材を引き出すために前記ケースの側壁に形成された開口を、該側壁の内側又は外側でスライドして開閉する遮蔽部材と、
    前記ケースに突設され、前記遮蔽部材が前記開口を閉塞したときに、該遮蔽部材を前記側壁側へ付勢する付勢突起と、
    を有することを特徴とする記録テープカートリッジ。
  2. 前記付勢突起は、前記開口を構成する前記側壁の辺縁部近傍に突設されていることを特徴とする請求項1に記載の記録テープカートリッジ。
  3. 前記開口の閉塞時に前記側壁と前記付勢突起との間に介在する前記遮蔽部材の一部の最大板厚が、前記側壁と前記付勢突起との間隔以上の厚さであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録テープカートリッジ。
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