JP2010066671A - 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、電子写真装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、電子写真装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】電子線照射により重合又は架橋し硬化する化合物に電子線を照射し、導電性支持体上感光層の最表面を形成する際、表面層より下層にダメージを与えず、かつ、最表面から最深部に至るまで充分に硬化させること。
【解決手段】電子線の照射は窒素雰囲気の常圧下で行い、被照射物の表面と照射窓箔の距離が9mm以下であって、次式(1)〜(3)の全てが成り立つこと。
1.2X+11 ≦ Y ≦ 1.2X+17 ・・・(1)
2 ≦ M1×L1 ≦ 5 ・・・(2)
M3×L3 ≦ 10 ・・・(3)
X = M1×L1 +M2×L2 +M3×L3
Y:加速電圧(kV)
M1:電子線照射窓箔の密度(g/cm
L1:電子線照射窓箔の厚み(μm)
M2:電子線照射を行う雰囲気の気体密度(g/cm
L2:被照射物の表面と照射窓箔の距離<照射距離>(mm)
M3:被照射物の最表面層の密度(g/cm
L3:被照射物の最表面層の膜厚(μm)
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真感光体の製造方法に関し、特に、酸素が存在しない雰囲気中での電子線照射によって最表面層を硬化して改質する工程を有する電子写真感光体の製造方法に関する。また、該製造方法で製造された電子写真感光体、並びに該電子写真感光体を有する電子写真装置及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真感光体の表面層には、帯電、画像露光、トナー現像、紙への転写、場合によってはクリーニング処理といった電気的あるいは機械的外力が繰り返し直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。一方で、電子写真感光体には、感度や残留電位及び電位安定性等の電気的特性も当然のことながら要求され、上述の耐久性と両立を計ることは難課題とされてきた。
こうした問題点に対して、重合性官能基を有する化合物を含有した表面層を、電子線照射によって硬化させて形成した感光体を用いることで、機械的強度と感度や残留電位等の電気的特性との両立を達成することが提案されている(特許文献1、2参照)。
しかしながら、これらの場合、有機樹脂に対して高い透過性をもつ電子線を照射しているので、電子線は表面層に留まらず表面層より下層にもその高いエネルギーを与えている。そのダメージのため、残留電位や特に高速プロセススピードにおける繰り返し使用時の電位安定性等の感光体特性には、未だ改善の余地を残している。
上述の電子線照射による感光体劣化現象を軽減するためには、電子線の感光体に対する透過深度(被照射体表面からの浸透深さ距離)を落すことが有効な手段の一つとして挙げられる。被照射物に対する電子線の透過深度はその電子線の加速電圧に大きく依存することが知られる。
例えば、真空管型の電子線発生源を用いて30kVという低い加速電圧によって被照射物表面における印刷インキの硬化を行うことにより、基材の劣化を防ぐ方法が提案されている(特許文献3)。
しかし、加速電圧を過度に低くすれば、電子線の透過深度が不足し硬化反応は不充分なものとなる。特に対象が電子写真感光体の場合、繰返し使用によって表面層が徐々に磨耗され減少していくため、電子線を表面層の厚み方向全域にわたって充分に透過させることにより、表面層の最表面から最深部まで充分硬化させる必要がある。
更に、特許文献3には電子線照射を行う空間において酸素阻害を低減するため不活性ガスを使用する記載がある。また、気体の密度を変えることにより、電子の到達距離を制御できる旨の記載があり、不活性ガスとして一般的に用いられる窒素の他に、ヘリウム、アルゴンが挙げられている。しかし、ヘリウムやアルゴンは窒素に比較すると価格が高く、コストの観点からは窒素が好ましい。
一方、真空下で電子線照射を行う方法も広く知られているが、装置及び装置内に付設する個々の部品が真空に耐えうる強度をもたせる必要があり、装置の価格が上昇する。
また、電子写真感光体の製造方法において電子線照射により感光体の最表面を硬化させる場合、窒素雰囲気の常圧下において、感光体表面層より下層にはダメージを与えず、表面層における最表面から最深部に至るまで充分に硬化させる製造方法が求められている。
特開平11−265085号公報 特開2000−066425号公報 特開2001−287472号公報
本発明は、電子写真感光体の表面層を電子線照射により硬化させる場合において特有に顕在化する上術課題に鑑みてなされたものである。
すなわち本発明の目的は、窒素雰囲気下で電子線照射により感光体の表面層を硬化させる際、表面層より下層にはダメージを与えず、かつ、表面層における最表面から最深部に至るまで充分に硬化させることが可能な電子写真感光体の製造方法を提供することである。
更に本発明の目的は、膜性の均一性が良好で、しかも残留電位及び電位安定性と優れた耐摩耗性及び耐傷性とをより高い次元で両立した電子写真感光体を提供することである。
更に本発明の目的は、該電子写真感光体をそれぞれ有する電子写真装置及びプロセスカートリッジを提供することにある。
本発明は、導電性支持体と、該支持体上に形成される感光層とを有し、該感光層の少なくとも最表面を形成する層は、電子線照射により重合又は架橋し硬化する化合物に電子線を照射する工程を経て形成される電子写真感光体の製造方法において、前記電子線を照射する工程は、窒素雰囲気の常圧下で行われ、かつ、被照射物の表面と照射窓箔の距離が9mm以下であって、次式(1)〜(3)の全てが成り立つことを特徴とする。
1.2X+11 ≦ Y ≦ 1.2X+17 ・・・(1)
2 ≦ M1×L1 ≦ 5 ・・・(2)
M3×L3 ≦ 10 ・・・(3)
X = M1×L1 +M2×L2 +M3×L3
Y:加速電圧(kV)
M1:電子線照射窓箔の密度(g/cm
L1:電子線照射窓箔の厚み(μm)
M2:電子線照射を行う雰囲気の気体密度(g/cm
L2:被照射物の表面と照射窓箔の距離<照射距離>(mm)
M3:被照射物の最表面層の密度(g/cm
L3:被照射物の最表面層の膜厚(μm)
また、本発明は、上記製造方法で製造された電子写真感光体と、該電子写真感光体を有する電子写真装置及びプロセスカートリッジと、である。
本発明は、窒素雰囲気の常圧下における電子線照射時に、加速電圧、窓箔密度、窓箔厚み、照射距離を上記一定の関係式で規定された値にすることにより、感光体表面層を透過する電子線量の分布を制御する。これにより、表面層より下層にはダメージを与えず、かつ、最表面から最深部に至るまで充分に硬化させることを可能とする製造方法を得ることができる。また、残留電位及び電位安定性と優れた耐摩耗性及び耐傷性とをより高い次元で両立した電子写真感光体と、その電子写真感光体を有する電子写真装置及びプロセスカートリッジと、を提供することができる。
本発明において、最表面層とは感光体の表面を形成する層を言う。最表面層に電子線照射により重合又は架橋し硬化する樹脂を含有させる方法としては、電子線照射により重合又は架橋し硬化することが可能な化合物を適当な溶媒に溶解し、該化合物を含有する感光体表面層用の塗布溶液を導電性支持体上に塗布する。その後に電子線を照射して硬化させる方法が挙げられる。この溶解液を導電性支持体上、あるいは感光層として寄与する少なくとも1層の上に塗布する方法は、例えば浸漬塗布法、スプレイコーテイング法、カーテンコーテイング法、スピンコーテイング法等が知られている。電子写真感光体を効率よく大量生産するには浸漬塗布法が最良であり、本発明においても浸漬塗布は可能である。
本発明の感光体の構成は、導電性基体上に感光層として電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層する。又は逆に電荷輸送層、電荷発生層をこの順に積層した構成、更には電荷発生物質と電荷輸送物質を結着樹脂中に分散した単層より構成されるものでもよい。更に前記感光層上に表面保護層を形成することも可能である。
本発明は少なくとも感光体の表面層に、電子線照射により重合あるいは架橋することで硬化する材料を含有させればよい。本発明では、適当な材料を分散させ前記の化合物を硬化させて感光層の全部を形成しても良いが、電子写真感光体としての特性、特に残留電位等の電気的特性及び耐久性の点において理想的とは言えない。そのため、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した機能分離型の感光体構成、又は前記電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した機能分離型の感光層上に表面保護層を形成した構成が好ましい。
本発明の利点は電荷輸送性を損なうことなく電荷輸送層又は保護層を硬化することが可能になる点にもある。従って感光体表面に保護層を形成する構成の場合には、該保護層中の構成物質として、正孔輸送化合物等、電荷輸送機能を有する化合物が含有されていることが好ましい。
本発明で使用する、電子線照射により硬化して改質される表面層を構成する化合物は、電子線照射によって硬化が可能であるものであれば特に他の制約はない。ただし、中でも分子内に不飽和重合性官能基を有する化合物は、反応性の高さ、反応速度の速さ、電子線照射による硬化によって達成される硬度の高さの点で好ましい。従って、本発明では、表面層が、分子内に不飽和重合性官能基を有する化合物を電子線照射によって重合又は架橋し硬化することによって得られた樹脂を含有することが好ましい。
また、不飽和重合性官能基が少なくともアクリル基、メタクリル基及びスチレン基のいずれかを含むことが特に好ましい。更に該感光体の表面層が、分子内に不飽和重合性官能基を有する化合物を含有する溶液を塗布後、電子線照射により該化合物を重合又は架橋させ硬化することにより形成されることがより一層好ましい。
上記の不飽和重合性官能基を有する化合物は、その構造単位の繰り返しよりモノマーとオリゴマーに大別される。モノマーとは不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返しがなく、比較的分子量の小さいものを示し、オリゴマーとは不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返し数が2〜20程度の重合体である。また、ポリマー又はオリゴマーの末端のみに不飽和重合性官能基を有するマクロマーも本発明の表面層用の硬化性化合物として使用可能である。
また、上記の不飽和重合性官能基を有する化合物は、電荷輸送物質であることが、感光体の耐久性と電気的な特性の両立という点から特に好ましい。中でも正孔輸送化合物であることが好ましい。
不飽和重合性官能基を有する正孔輸送化合物としては、例えば不飽和重合性官能基を有する公知の正孔輸送化合物や、公知の正孔輸送化合物の一部に不飽和重合性官能基を付加した化合物等であれば良い。
公知の正孔輸送化合物の例としてはヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、トリフェニルアミン化合物等が挙げられる。しかしながら、正孔輸送化合物はこれらの化合物に特に限定されるものではなく、正孔輸送能を有する化合物であればいかなる化合物も使用可能である。
更に、本発明において感光体表面層の硬度を十分に確保するために、不飽和重合性官能基を有する化合物は一分子中に複数の不飽和重合性官能基を有する化合物を使用することが好ましい。また、一分子中に複数の不飽和重合性官能基を有する化合物と、一分子中に一つの不飽和重合性官能基を有する化合物を混合しても良い。
本発明に用いることのできる、電子線照射により重合又は架橋し硬化することが可能な化合物の例を表1〜表11に示すが、これに限られるものではない。
前記電子線照射によって硬化した表面層を電子写真感光体に用いた場合に、十分な硬度を示す上に比較的感光体特性を劣化しにくく残留電位の上昇が起こりにくくなる明確な理由は判明していない。ただ、感光層においては、良好な特性を発現させる上で、極性の強い物質又は酸化電位の低い物質は大きな弊害となることが知られている。これは、従来の硬化樹脂の系と比較して、本発明で形成される樹脂ではそのような極性の強い物質又は酸化電位の低い物質が硬化反応の過程で生じないか、又は非常に少ないことが原因の一つではないかと推測できる。
また、同じ構造式の官能基を有する化合物でも、これを熱又は紫外線で硬化する場合には、熱又は光反応開始剤の添加が必要となるため、残留電位の増加や感度の低下といった感光体特性の劣化が起こり易い。一方で、本発明においては、高いエネルギー効率で反応開始剤を用いることなく硬化を行うことができるので、良好な感光体特性を得ることができているとも考えられる。
本発明の電子写真感光体の感光層は導電性支持体上に形成される。本発明の電子写真感光体が有する導電性支持体は、導電性を有するものであればよい。例えばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属あるいは合金や、アルミニウム及び銅等の金属箔をプラスチックにラミネートしたものが使用できる。または、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫等をプラスチックに蒸着したもの、導電性物質を単独又は結着樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチック及び紙等も挙げられる。
本発明においては導電性支持体の上には、バリアー機能と接着機能をもつ下引き層を設けることができる。下引き層は感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、基体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。
下引き層の材料としては以下のものが知られている。ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ、ゼラチン等である。これらはそれぞれに適した溶剤に溶解されて支持体上に塗布される。その際の膜厚としては0.1〜2μm程度が好ましい。
本発明の感光体が機能分離型の感光体である場合には、電荷発生層及び電荷輸送層を積層する。電荷発生層に用いる電荷発生物質としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、各種の中心金属及び結晶系のものが挙げられる。具体的には例えばα、β、γ、ε、X型等の結晶型を有するフタロシアニン化合物、アンスアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等である。また、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン又は特開昭54−143645号公報に記載のアモルファスシリコン等も挙げられる。更に、これらの電荷発生物質を混合して使用しても良い。
機能分離型感光体の場合、前記の電荷発生物質を質量比で0.3〜4倍量の結着剤樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミル等の方法でよく分散する。電荷発生層は、この分散液の塗布、乾燥によって形成されるか、又は前記電荷発生物質の蒸着膜等として、単独組成の膜として形成される。その膜厚は5μm以下、さらには0.1〜2μmである事が好ましい。
電荷輸送物質としては、以下のカルバゾール系化合物が挙げられる。
ピレン
N−エチルカルバゾール
N−イソプロピルカルバゾール
N−メチル−N−フェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾール
N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾール
以下に挙げるヒドラゾン系化合物も電荷輸送物質として使用できる。
N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エチルフェノチアジン
N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エチルフェノキサジン
p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン
p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N−α−ナフチル−N−フェニルヒドラゾン
p−ピロリジノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン
1,3,3−トリメチルインドレニン−ω−アルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン
p−ジエチルベンズアルデヒド−3−メチルベンズチアゾリノン−2−ヒドラゾン
以下に挙げるピラゾリン系化合物も電荷輸送物質として使用できる。
2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール
1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン
1−[キノリル(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン
1−[ピリジル(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン
1−[6−メトキシ−ピリジル(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン
1−[ピリジル(3)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン
1−[ピリジル(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−4−メチル−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン
1−[ピリジル(2)]−3−(α−メチル−p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン
1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−4−メチル−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン
1−フェニル−3−(α−ベンジル−p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン
スピロピラゾリン
以下に挙げるオキサゾール系化合物も電荷輸送物質として使用できる。
2−(p−ジエチルアミノスチリル)−6−ジエチルアミノベンズオキサゾール
2−(p−ジエチルアミノフェニル)−4−(p−ジメチルアミノフェニル)−5−(2−クロロフェニル)オキサゾール
また、2−(p−ジエチルアミノスチリル)−6−ジエチルアミノベンズチアゾール等のチアゾール系化合物、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン等のトリアリールメタン系化合物、も電荷輸送物質として使用できる。
更に、1,1−ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)ヘプタン、1,1,2,2−テトラキス−4−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)エタン等のポリアリールアルカン類等でもよい。
一般的には、電荷輸送層は上記電荷輸送物質を成膜性の樹脂、例えばポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート樹脂等と混合し、成膜して電荷輸送層とする。その際の膜厚としては8〜30μm程度が好ましい。30μmよりも厚すぎる場合には、潜像の解像度や光応答性が低下する傾向にあり、8μmよりも薄すぎる場合には帯電システムにも依るが静電容量の問題から帯電が困難となる傾向にある。
本発明において電子写真感光体が電荷輸送層、電荷発生層の順に導電性支持体上に感光層が積層される場合には電荷発生層に、電子線照射により重合又は架橋し硬化された樹脂を含有させる。一方で、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した感光体においては電荷輸送層に、電子線照射により重合又は架橋し硬化された樹脂を含有させる。すなわち、電荷発生層又は電荷輸送層用の塗布溶液に電子線照射により重合又は架橋し硬化することが可能な化合物を含有させ、これを用いて塗布し、その後に電子線を照射して硬化させる。
単層構成の感光体の場合には、少なくとも電荷発生物質、電荷輸送物質及び電子線照射により重合又は架橋し硬化することが可能な化合物を分散、又は溶解した溶液を塗布、乾燥後、電子線照射による硬化を行うことにより感光層を形成する。
また本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に形成した積層構成又は単層構成の感光層の上に保護層を形成することも可能であり、この場合には保護層中に、電子線照射により重合又は架橋し硬化した樹脂を含有させる。
本発明の感光体の表面層には各種添加剤を添加することができる。該添加剤とは例えば酸化防止剤、ラジカル補足剤等の電子線劣化防止剤、テトラフルオロエチレン樹脂粒子やフッ化カーボン等の滑剤、金属酸化物や無機微粒子等の導電剤や耐磨耗剤である。
本発明においては、電子写真感光体の表面層を電子線照射によって形成する。加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型、ラミナー型等いずれの形式も使用することができる。
電子線を照射する装置は、真空下において陰極から放出された熱電子を電子線として取り出し、この電子線を加速する電子線発生部を少なくとも有する。更に、被照射体に電子線を照射する照射室と、前記電子線発生部内の真空雰囲気と照射室雰囲気とを仕切るとともに前記電子線を透過させる照射窓を備える。例えば、上述した特許文献3に記載されているような真空管型の電子線発生部を用いると、真空ポンプ等の設備が不要であり、装置が小型化できるため好適である。
本発明における窒素雰囲気とは、窒素が90重量%以上占める状態を指す。窒素雰囲気は照射室内に存在する気体を窒素で置換することにより得られる。その際、照射室内の気体は、ほぼ窒素と酸素で占められるため、酸素の残留濃度を測定することにより、窒素の濃度を算出できる。本発明において、酸素濃度を、100ppm以下、又は30ppm、更には10ppm以下まで下げることが好ましい。本発明における常圧とは、窒素置換により増減する照射室内気圧の範囲であり、具体的には0.98〜1.04E+5Paの状態をいう。
本発明において、電子写真感光体の電気特性及び耐久性能を発現させるためには、電子線の照射条件が非常に重要である。特に重要な条件は、電子線の加速電圧、照射窓箔の材質と厚み、照射窓箔から被照射物までの空間における気体密度と距離(照射距離)である。更に、被照射物において最表面層の密度と膜厚が重要となる。本発明者は鋭意検討した結果、これら諸因子が次式による相関関係を有する場合、電子写真感光体に良好な電気特性及び耐久性能を発現させ得ることがわかった。
1.2X+11 ≦ Y ≦ 1.2X+17 ・・・(1)
2 ≦ M1×L1 ≦ 5 ・・・(2)
M3×L3 ≦ 10 ・・・(3)
X = M1×L1 +M2×L2 +M3×L3
Y:加速電圧(kV)
M1:電子線照射窓箔の密度(g/cm
L1:電子線照射窓箔の厚み(μm)
M2:電子線照射を行う雰囲気の気体密度(g/cm
L2:被照射物の表面と照射窓箔の距離<照射距離>(mm)
M3:被照射物の最表面層の密度(g/cm
L3:被照射物の最表面層の膜厚(μm)
照射窓に用いる箔(照射窓箔)は、密度(g/cm)と厚み(μm)の積が、2以上5以下となるよう材質及び厚みを設定する。2を下回ると、繰返し使用に耐えうる実用的な強度を有さず、5を超えると、所望の電気特性と機械強度を両立した感光体を得ることが出来ない。照射窓箔の材質としては、シリコン、ベリリウム等が挙げられる。
照射距離は9mm以下、さらには5mm未満であることが好ましい。本発明において照射距離が9mmを越えると、他の因子を上述の関係式に適合した値に設定しても、電子写真感光体において良好な電気特性及び耐久性能の両立は困難となる。
また、照射窓箔は電子線を透過することで発熱を起こすため、充分な放冷を促す目的で照射距離として2mm以上離間させることが好適である。
電子線の加速電圧は、15kV以上40kV以下、更には、20kV以上38kV以下の範囲が特に好適である。感光体表面での電子線吸収線量は5〜50kGyの範囲であることが好ましい。吸収線量が50kGyより高すぎる場合には感光体の感度、残留電位が悪化し易く、5kGyより低すぎる場合には表面層の硬化が不十分になり易くなる。
尚、電子線の表面線量測定は米国FAR WEST TECHNOLOGY社の厚さ50μmあるいは10μmの線量測定用フィルムを用いて測定することができる。
上記の条件が好適に設定されることによって、電気特性及び耐久性能が高い電子写真感光体を安定的に製造することが可能となる。
また本発明において、円筒状の電子写真感光体に電子線を照射する場合には、電子線照射時間内での支持体の回転回数は、2回転以上20回転以下であることが好ましく、より好ましくは2回転以上10回転以下である。2回転未満では円筒周方向の吸収線量均一性が低下し易く、20回転を超えると表面層の硬化性が低下する傾向にある。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
また、本発明は、この電子写真感光体を有する電子写真装置から構成される。本発明の電子写真装置は、本発明の電子写真感光体に、形成すべき画像に応じた潜像を形成する。これを現像することにより、普通紙等、画像を表示するための記録媒体(転写材)に画像を形成するものであれば特に限定されず、上記電子写真感光体の他に、従来から知られている種々の手段、装置及び部材等を必要に応じて用いることができる。
また、本発明は、前記本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジから構成される。本発明のプロセスカートリッジは、複数の工程を実現することのできる手段や装置等が一体的に構成され、且つ電子写真装置本体に着脱自在に設けられるものである。本発明の電子写真感光体を含む構成であれば、用いる手段や装置及び部材等を任意に選択することができる。
例えばプロセスカートリッジについて各種手段や装置等の選択例としては、感光体と帯電部材と現像装置とクリーニング装置あるいは補助部材との組み合わせを好適に例示することができる。このようなプロセスカートリッジとして構成することにより、より一層優れたメンテナンス性が実現され、ユーザー自身によるトナー交換等のメンテナンスがより容易となる。
次に、本発明の電子写真感光体を有する電子写真装置について説明する。図1に本発明の電子写真感光体を用いた電子写真装置の概略構成を示した。図において、1は像担持体としての円筒状の電子写真感光体であり、感光体回転軸1aを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1はその回転過程で、帯電手段2によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光部3にて不図示の像露光手段により光像露光L(スリット露光・レーザービーム走査露光等)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、次いで現像手段4でトナー現像され、そのトナー現像像が、転写手段5により不図示の給紙部から感光体1と転写手段5との間に感光体1の回転と同期取りされて給送された転写材Pの面に順次転写されていく。像転写を受けた転写材Pは感光体面から分離された後、像定着手段8へ導入され、像定着を受けて複写物(コピー)として機外へプリントアウトされる。像転写後の転写残りトナーはクリーニング手段6にて除去される。
また、クリーニング手段を持たず、転写残りトナーが現像手段4に回収される機構を有するクリーナーレスシステムにおいては、図示しない補助手段により転写残りトナーの静電状態が均一化され、転写残りトナーは再び現像手段4内に回収される。尚、像転写後の感光対体面は、図示しない前露光手段により除電露光7が照射され除電処理される場合もある。
感光体1の均一帯電手段2としてはコロナ帯電装置が一般に広く使用されているが、近年オゾン発生の低減、装置の小型化に有利であるという理由から接触帯電装置の使用が広がってきた。中でもローラ状の帯電器を感光体に接触させるタイプのローラ帯電器は非常に一般的になりつつある。本発明の感光体はこの接触帯電方式の帯電を行う電子写真装置において、特に優れた耐久性、耐画像流れ、耐画像ボケ性を発揮する。
電子写真装置として、上述の感光体や帯電手段、現像手段、クリーニング手段あるいは補助手段等の構成要素のうち、複数のものを装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジとしても良い。例えば、感光体1とクリーニング手段6とを一体化して一つの装置ユニットとし、装置本体のレール等の案内手段を用いて着脱自在の構成にしてもよい。このとき上記の装置ユニットのほうに帯電手段及び/又は現像手段を伴って構成してもよい。
なお、図1には、本発明のプロセスカートリッジの一態様が示されている。図1では、感光体1、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段6を支持部材100にて互いの手段等を稼働位置に設け、電子写真装置本体に設けられた案内手段101によって案内され、装置本体に対して一体的且つ着脱自在に構成されている。
また、光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を用いる。又は、原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走査、発光ダイオードアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの駆動等が行われることにより行われる。
図2は本発明の実施例における電子線照射方法の概略図である。
本実施例で用いる電子線照射装置において、電子線発生部10として、前述した真空管型を用いる。円筒形状の被照射物1‘は自転しつつ、電子線発生部と軸方向に相対移動することで、表面全体を均一に照射することができる。
後述の実施例のように、照射室の内部は硬化を安定させるため、不活性ガス雰囲気として窒素ガスを供給する。
被照射物1’はコンベア等の運搬手段により電子線照射部まで運搬された後、電子線照射を受ける。
なお、電子線照射が行われる空間の周囲は、照射時に二次的に発生するX線が外部へ漏出しないように、必要な厚みの鉛若しくはSUSで遮蔽が施されている。
以下、実施例に従って説明する。
(実施例1)
まず、導電層用の塗料を以下の手順で調製した。10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部(質量部、以下同様)、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部を用意。これらを、メタノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3,000)0.002部と共に直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調製した。この塗料を導電性支持体である直径30mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、140℃で30分間乾燥して、膜厚15μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調製した。この塗料を前記の導電層上に浸漬塗布方法によって塗布し、100℃で20分間乾燥し、0.6μmの中間層を形成した。
次に、CuKαのX線回折におけるブラック角2θ±0.2度の7.4度及び28.2度に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を3部、ポリビニルブチラール(商品名エスレックBM2、積水化学(株)製)1.5部を用意。これらにシクロヘキサノン35部を添加し、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で24時間分散して、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を前記の中間層の上に浸漬塗布方法で塗布して、90℃で10分間乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次いで、下記構造式(A)のトリアリールアミン化合物7部及び下記構造式(B)の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(数平均分子量20,000)10部をモノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン20部の混合溶媒中に溶解して調製した。この塗料を前記の電荷発生層の上に浸漬塗布方法で塗布して、100℃で50分間乾燥して、膜厚11μmの電荷輸送層を形成した。
次いで、例示した化合物No.11の60部をブチルアルコール50部/エチルアルコール50部の混合溶媒中に溶解し、表面保護層用塗料を調製した。この塗料を浸漬塗布法により先の電荷輸送層上に塗布し、52℃で10分間乾燥した。ここで表面保護層用塗料を浸漬塗布する前、及び、浸漬塗布後乾燥した後において、支持体の外径をレーザー変位計にて測定し、各外径平均値の差から表面層の膜厚L3を求めたところ、4μmであった。
次に、図2に示す電子線照射装置を用いて次に示す照射条件で電子線を照射することにより、膜厚4μmの表面保護層を有する感光体を得た。ここで表面保護層の膜厚は、前述同様に、支持体の外径の差から求めた値である。
<電子線照射条件>
照射窓箔の材質はシリコン(密度:2.33g/cm)、窓箔の厚みは1μm(単位面積あたり重量:0.233mg/cm)である。照射室内の雰囲気は1.01E+5Paの常圧であり、酸素濃度が20ppmになるまで窒素で置換してある(雰囲気気体密度:1.25E−3g/cm)。照射距離は4mm、加速電圧は27kVだった。被照射体表面における吸収線量が17kGyになるようにビーム電流値を設定した。
<表面層の密度測定>
上述した感光体を作製する事前に、直径30mmのアルミシリンダー上に上述した表面保護層用塗料を同様に塗布、乾燥した。塗布乾燥前後のアルミシリンダーの重量変化、及び、表面層の厚み(体積)から、表面層の密度M3を求めたところ、1.1g/cmであった。
<感光体の評価>
この感光体をキヤノン(株)製レーザープリンターLASER SHOT LBP−930の改造機に入れた。常温常湿下(23℃、55%RH)において初期暗部電位(Vd)が−700Vになるように帯電設定をし、−700Vから−200Vに減衰させるために必要な光量の3倍光量を照射したときの電位を初期残留電位(Vr)として測定した。
次に新たに上記と同様の方法で作成した感光体を、上記と同様の改造機に入れた。常温低湿下(23℃、10%RH)において、暗部電位(Vd)を−700V、明部電位(Vl)を−200V、転写電流を+5.5μAとし、プロセススピードを300mm/sに改造して連続1,000枚の連続Vl通紙耐久実験を行った。この実験で、初期と耐久直後での暗部電位及び明部電位の変動量の絶対値(それぞれ|ΔVd|と|ΔVl|)を測定した。更に続けて通紙耐久実験を行い、通紙10,000枚ごとに感光体の削れ量を渦電流式膜厚測定器(Fishcer製、Permascope)で測定を行った。ここで、通紙耐久は感光体表面層が全て削れてなくなるまで続けた。結果を表13に示す。
表13に見られるように本実施例の感光体では初期残留電位が低く良好であり、通紙耐久後の表面層削れ量が少なく、且つ耐久における電位変動も小さいというように、非常に良好な感光体特性を示している。
(実施例2〜48)
電子線照射条件、及び、表面層の膜厚L3を表12のように2μm以上9μm以下とした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
これらの感光体を実施例1と同様にして評価した。結果を表13に示す。
表13に見られるように本実施例の感光体では初期残留電位が低く良好であり、通紙耐久後の表面層削れ量が少なく、且つ耐久における電位変動も小さいというように、非常に良好な感光体特性を示している。
(実施例49〜50)
実施例1において、表面保護層に用いる化合物を例示した化合物31にし、電子線照射条件を表12のようにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。この時、表面層の密度M3は1.3g/cmであった。
この感光体を実施例1と同様にして評価した。結果を表13に示す。
表13に見られるように本実施例の感光体では初期残留電位が低く良好であり、通紙耐久後の表面層削れ量が少なく、且つ耐久における電位変動も小さいというように、非常に良好な感光体特性を示している。
(比較例1〜15)
電子線照射条件、及び、表面層の膜厚を表14のようにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。この感光体を実施例1と同様にして評価した。結果を表15に示す。
表15に見られるように本比較例の感光体では、初期残留電位、耐久における電位変動、及び通紙耐久後の表面層削れ量の全ての項目において良好な値を示す感光体は得られなかった。
(比較例17)
実施例1において電子線照射窓箔の厚みを3μmにし、電子線照射条件を表14のようにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。この感光体を実施例1と同様にして評価した。結果を表15に示す。
表15に見られるように本比較例の感光体では、初期残留電位、耐久における電位変動、及び通紙耐久後の表面層削れ量の全ての項目において良好な値を示す感光体は得られなかった。
(比較例16)
実施例1において表面層の厚みL3を10μmにし、電子線照射条件を表14のようにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。この感光体を実施例1と同様にして評価した。結果を表15に示す。
表15に見られるように本比較例の感光体では、初期残留電位、耐久における電位変動、及び通紙耐久後の表面層削れ量の全ての項目において良好な値を示す感光体は得られなかった。
実施例1〜50、比較例1〜14におけるXとYをプロットしたものが図3である。図3より、電圧Yの適正値は、1.2X+11から1.2X+17の間にあることがわかった。
本発明による電子写真感光体製造方法と、この製造方法による電子写真感光体と、この電子写真感光体を有する電子写真装置及びプロセスカートリッジとは、電子写真方式を採用した複写機、プリンター等の画像形成装置に利用することができる。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施例で用いた電子線照射装置の概略図である。 本発明の実施例、比較例のX、Y値をプロットしたグラフである。
符号の説明
1 電子写真感光体
1a 感光体回転軸
1’ 被照射体
2 帯電手段
3 露光部
4 現像手段
5 転写手段
6 クリーニング手段
7 除電露光
8 像定着手段
10 電子線発生部
11 電子線照射窓箔
L 光像露光
P 転写材

Claims (9)

  1. 導電性支持体と、該支持体上に形成される感光層とを有し、該感光層の少なくとも最表面を形成する層は、電子線照射により重合又は架橋し硬化する化合物に電子線を照射する工程を経て形成される電子写真感光体の製造方法において、
    前記電子線を照射する工程は、窒素雰囲気の常圧下で行われ、かつ、被照射物の表面と照射窓箔の距離が9mm以下であって、次式(1)〜(3)の全てが成り立つことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    1.2X+11 ≦ Y ≦ 1.2X+17 ・・・(1)
    2 ≦ M1×L1 ≦ 5 ・・・(2)
    M3×L3 ≦ 10 ・・・(3)
    X = M1×L1 +M2×L2 +M3×L3
    Y:加速電圧(kV)
    M1:電子線照射窓箔の密度(g/cm
    L1:電子線照射窓箔の厚み(μm)
    M2:電子線照射を行う雰囲気の気体密度(g/cm
    L2:被照射物の表面と照射窓箔の距離<照射距離>(mm)
    M3:被照射物の最表面層の密度(g/cm
    L3:被照射物の最表面層の膜厚(μm)
  2. 前記加速電圧であるYが、20kV以上38kV以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記照射窓箔の材質が、シリコンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記被照射物の最表面層の膜厚であるL3が、2μm以上9μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 前記被照射物の表面と照射窓箔の距離であるL2が2mm以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 前記被照射物の表面と照射窓箔の距離であるL2が2mm以上5mm未満であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の製造方法で製造されたことを特徴とする電子写真感光体。
  8. 請求項7に記載の電子写真感光体を有することを特徴とする電子写真装置。
  9. 請求項7に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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