JP2010066309A - 積層光学フィルムおよび光学デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】耐スクラッチ性を有し、かつ、マイクロレンズとしての光マネジメント機能を満足することができるマイクロレンズフィルムを有する積層光学フィルム、及び光学デバイスを提供する。
【解決手段】マイクロレンズフィルム1と、透明フィルム21の片面に第一接着剤層22が設けられている接着型透明フィルム2とを有する積層光学フィルムAであって、前記マイクロレンズフィルム1は、高さの等しいレンズからなるレンズ群を複数有し、かつ、一のレンズ群121と他のレンズ群122は平均高さが異なるものであり、前記マイクロレンズフィルム1のレンズパターン12が設けられている面と、前記接着型透明フィルム1の第一接着剤層22とが、空気層を形成するように貼り合わされている、積層光学フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロレンズフィルムのレンズパターン面に、接着型透明フィルムが貼り合わされている積層光学フィルムに関する。本発明の積層光学フィルムは、各種の光学デバイスの表面に適用されて、光学デバイスの種類に応じて、光の取り出し効率向上や、光学デバイス表面反射防止等の光マネジメント機能を有する。
光学デバイスにおいて、光をマネジメントするために、マイクロレンズフィルムが用いられている。このようなマイクロレンズフィルムによる光マネジメントとしては、光センサーにおいてCCD等のマイクロ受光素子に光を集光するものや、プロジェクション装置や液晶表示装置の光源ユニット等の照明装置において光源からの拡散光を集光して光取り出し効率を高めたり、逆に平行光を散乱光に変換する機能等が挙げられる。
このようなマイクロレンズフィルムを構成するレンズの配置として、センサー等の受光素子に光を集光する目的で用いられる場合においては、受光素子に光を集光する観点から、大きさが等しいレンズを各受光素子に対して1個ずつ配置するのが一般的である。また、光源装置における光の集光や拡散を目的とする場合においては、光源に対して1対1でレンズを配置する必要はないものの、光マネジメント機能を向上する観点からレンズフィルムにおけるレンズ部分の面積率を高めることが要求されるため、大きさの等しいレンズを最密に配置するのが一般的である。また、表示特性を均一とする観点からも、大きさの等しいレンズを配置することが多い(例えば特許文献1の段落「0004」参照)。
一方、このようなマイクロレンズフィルムを他の光学部材と組合せたものとして、例えば、凸レンズ板のレンズパターンが形成された面に、マイクロレンズフィルムのレンズパターンが形成されていない側の面を、接着部材によって貼り合せた一体型光学板が開示されている(例えば特許文献2参照)。当該特許文献2に記載の一体型光学板は、液晶表示装置におけるバックライトアセンブリとして用いられている。
また、マイクロレンズフィルムのレンズ面に、未硬化の紫外線硬化樹脂から形成されている接着剤層を有する両面粘着シートを貼り合せた後に、紫外線照射により前記粘着剤を硬化させて積層フィルムを製造する方法が開示されている(例えば特許文献3参照)。当該特許文献3で得られた積層フィルムは、前記両面粘着シートの他の接着剤層(レンズシートに貼り合せていない側)によって、偏光板に貼り合せられて、液晶表示装置の視認側の表面で用いられている。
特開2007−279358号公報 特開2008−3604号公報 特開2002−96395号公報
マイクロレンズフィルムのマイクロレンズパターン面は、微細構造を有しているため、当該マイクロレンズパターン、特に凸型のマイクロレンズパターン面において、傷(スクラッチ)が生じやすく、耐スクラッチ性が弱い。従って、特許文献2のように、マイクロレンズフィルムのマイクロレンズパターン面が露出しているような構造では、耐スクラッチ性が十分ではない。特に、マイクロレンズフィルムを外部接触が予測される外部部材の用途に用いる場合には、例えば特許文献2のように、液晶表示装置におけるバックライトアセンブリのように内部部材として用いる場合に比べて、耐スクラッチ性を有することが望まれる。
一方、特許文献3では、マイクロレンズフィルムのレンズ面に両面粘着シートを貼り合せた積層フィルムを、液晶表示装置の視認側の偏光板に適用しているため、マイクロレンズフィルムのレンズ面が、外部から直接接触することはない。しかし、特許文献2の方法では、マイクロレンズフィルムのレンズ面と、両面粘着シートの貼り合せを、流動性の高い未硬化の接着剤層により行った後に、当該接着剤層を硬化させているため、マイクロレンズフィルムのレンズ面において、レンズの頭頂部分が未硬化の粘着剤によって埋まってしまい、レンズとしての機能を発揮する部分が減少し、十分な光マネジメント機能が得がたいといった問題がある。すなわち、マイクロレンズによる光マネジメント機能は、レンズ材料と空気との屈折率の差異に基づいて光の伝播方向が変化する屈折現象に基づくものであるが、接着剤層がレンズパターンを埋めると、レンズ材料の屈折率と略同等の屈折率を有する接着剤層中に埋まったレンズ頭頂部分が充分に機能せず、光マネジメントが低下するという問題がある。
本発明は、上記観点に鑑み、耐スクラッチ性を有し、かつ、マイクロレンズとしての光マネジメント機能を満足することができるマイクロレンズフィルムを有する積層光学フィルムを提供することを目的とする。さらに、本発明は積層光学フィルムを用いた光学デバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討の結果、レンズ高さの異なるマイクロレンズからなるマイクロレンズフィルムと、接着型透明フィルムとを積層した積層光学フィルムにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、図1に示すように、マイクロレンズフィルム1と、透明フィルム21の片面に第一接着剤層22が設けられている接着型透明フィルム2とを有する積層光学フィルムAに関する。本発明の積層光学フィルムにおいて、前記マイクロレンズフィルム1は、高さの等しいレンズからなるレンズ群を複数有し、一のレンズ群121と他のレンズ群122は平均高さが異なるものである。そして、前記マイクロレンズフィルム1のレンズパターン12が設けられている面と、前記接着型透明フィルム2の第一接着剤層22とが、空気層を形成するように貼り合わされている。
本発明の積層光学フィルムにおいては、前記マイクロレンズフィルム1が、第一のレンズ121群と、該第一のレンズ群よりも平均レンズ高さの小さい第二のレンズ群122とを少なくとも有し、第一のレンズ群121の平均レンズ高さHと第二のレンズ群122の平均レンズ高さHの差(H−H)が、1.0〜5.0μmであることが好ましい。また、第一のレンズ群121の占有面積Sと、第二のレンズ群122の占有面積Sとの比S/Sが、0.3〜4.5であることが好ましい。
また、本発明の積層光学フィルムにおいては、前記接着型透明フィルム2の第一接着剤層22の厚さが、前記マイクロレンズフィルム1のレンズ高さが最も大きいレンズ群の平均レンズ高さの0.4〜4倍であることが好ましい。
さらに、本発明の積層光学フィルムにおいては、第一接着剤層22の80℃での貯蔵弾性率が、0.8×10〜5.0×10Paであることが好ましい。
本発明の積層光学フィルムの一実施形態において、前記接着型透明フィルム2は、第一接着剤層22が設けられていない側の透明フィルムの面にハードコート層を有する。
本発明の積層光学フィルムの一実施形態において、前記マイクロレンズフィルム1は、透明基材フィルム11の片側にレンズパターン12が形成されたものである。
また、図4に示すように、本発明の積層光学フィルムの一実施形態においては、前記マイクロレンズフィルム1のレンズパターン12が設けられていない側の面に、第二接着剤層3が設けられている。
さらに、図5に示すように、本発明は、前記積層光学フィルムAが、マイクロレンズフィルム1よりも接着型透明フィルム2が光学デバイス4に対して外側になるように設けられている積層光学フィルム付き光学デバイスに関する。該光学デバイスの一例として、有機EL発光体が挙げられる。
本発明の積層光学フィルムは、マイクロレンズフィルムのレンズパターン面に、接着型透明フィルムが設けられおり、レンズパターン面が、直接、外部に接触することはなく、マイクロレンズフィルムの耐スクラッチ性を向上することができる。
また、本発明の積層光学フィルムを構成するマイクロレンズフィルムは、レンズ高さの異なるマイクロレンズを有しているため、レンズ高さの大きいレンズの一部が粘着剤によって埋まった場合でも、レンズ高さの小さいレンズは埋められないか、あるいは、埋められた場合であってもその部分が小さいため、接着剤層とレンズパターンとの間の空気層が確保され、光マネジメント機能の大幅な低下を抑制することができる。
さらには、本発明の積層光学フィルムを構成する接着型透明フィルムの接着剤層を所定の貯蔵弾性率に制御することによって、レンズパターン面との密着性がよく、かつ、レンズパターン面に貼り合せた場合にも、接着剤層がその形状を略維持できるために、レンズパターンが接着剤によって埋まることはなく、光マネジメント機能の大幅な低下を抑制することができる。
また、本発明の積層光学フィルムは、前記マイクロレンズフィルムに、接着型透明フィルムを組み合わせているため、接着型透明フィルムに、ハードコート層を設けることにより、耐スクラッチ性をさらに向上することができる。
以下、本発明の積層光学フィルムの構成につき、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の積層光学フィルムAは、図1に示すように、マイクロレンズフィルム1と、接着型透明フィルム2を有している。接着型透明フィルム2は、透明フィルム21の片面に、第一接着剤層22が設けられており、該第一接着剤層22を介して、マイクロレンズフィルム1と貼り合せられている。
[マイクロレンズフィルム]
マイクロレンズフィルム1は透明基材フィルム11の片側に、レンズパターンとしてレンズ層12が形成されたものであってもよく、透明基材フィルム11とともに、レンズ12層が一体成形されたものであってもよい。レンズ層12は、複数のレンズ群を有しており、各レンズ群は高さの等しい複数のレンズからなる。また、一のレンズ群と他のレンズ群は平均高さが異なる。なお、本明細書ならびに特許請求の範囲において、「レンズ群」との用語は、複数のレンズを包含することを意味しており、図1からも明らかなように、レンズが一群となって配置されていることを意味するものではない。また、各レンズ群を構成するレンズの高さが等しいとは、全てのレンズの高さが厳密に一致することを意味するのではなく、本願発明の目的を達成し得る範囲内で所定のバラツキを有するものを包含する。
一般にマイクロレンズフィルムは、受光素子に光を集光したり、レンズを最密に配置してレンズ部分の面積率を高める等の光学特性の観点や、製造効率の観点から、形状及び大きさの等しいレンズが配置される。それに対して、本発明においては、マイクロレンズフィルムは、平均レンズ高さの異なる複数のレンズ群を有している。このようなレンズ群としては、代表的には、図1に示すように、第一のレンズ群121と、それに比してレンズ高さの小さいレンズからなる第二のレンズ群122を有している。このようにレンズ高さの異なるマイクロレンズを有することで、マイクロレンズフィルム1のレンズ層12を有する面と、接着型透明フィルム2の第一接着剤層22が貼り合わされて、レンズ高さの大きい第一のレンズ群121を構成するレンズの頭頂部が粘着剤層によって埋まった場合でも、レンズ高さの小さい第二のレンズ群122を構成するレンズの頭頂部は粘着剤に埋まらないか、あるいは粘着剤に埋まったとしても、第一のレンズ群に比して埋まる部分が小さい。そのため、レンズ層12と第一接着剤層22の間に空気層aが形成され、光マネジメント機能の大幅な低下が抑制される。
レンズ層12が第一のレンズ群121と第二のレンズ群122を有する場合、そのレンズ高さの差は上記目的を達成し得る範囲で任意に選択し得るが、第一のレンズ群の平均レンズ高さHと第二のレンズ群の平均レンズ高さHの差(H−H)は、1.0〜5.0μmであることが好ましく、2.0〜4.0μmであることがより好ましい。レンズ高さの差が過度に小さい場合、第二のレンズ群を構成するレンズの頭頂部も粘着剤によって埋められるために、光マネジメント機能の低下を招く場合がある。逆に、レンズ高さの差が過度に大きい場合、第二のレンズ群のレンズが小さくなるために、個々のレンズの性能が不十分となったり、レンズの成型が困難となる傾向がある。
なお、レンズ高さHおよびHは、図2に示すように、透明基材フィルム11のレンズ形成面(レンズの底面)からレンズ頭頂部までの高さであり、三次元非接触表面形状測定装置を用いて測定することができる。また、第一のレンズ群および第二のレンズ群をそれぞれ構成するレンズ高さにバラツキがある場合であっても、凸型のマイクロレンズは金型等の所定のパターンを用いて成型されるのが一般的であるから、両レンズ群を区別できない程の高さバラツキを生じることは少ない。
また、マイクロレンズフィルムにおける第一のレンズ群の占有面積Sと、第二のレンズ群の占有面積Sとの比S/Sは0.30〜4.5であることが好ましく、0.35〜4.0であることがより好ましく、0.40〜3.5であることがさらに好ましく、0.45〜3.0であることが特に好ましい。本発明においては、第一のレンズ群121を構成するレンズの頭頂部が第一接着剤層22に埋まり、いわば「支柱」のような働きをすることで、第二のレンズ群122が第一の接着剤層に埋まるのを防止しているが、第一のレンズ群の占有面積が過度に小さいと、この「支柱」の働きが不十分となり、光マネジメント機能の低下を招く場合がある。逆に、第一のレンズ群の占有面積が過度に大きいと、多数のレンズの頭頂部が第一接着剤層22に埋まるために、空気層aが十分に確保されず、光マネジメント機能の低下を招く場合がある。なお、レンズ群の占有面積は、各レンズ群を構成する個々のレンズのレンズ面積の和であり、レンズ面積は、透明基材フィルム11のレンズ形成面におけるレンズの面積、すなわち、レンズの底面積に該当する。
ここまで、図1に基づいてマイクロレンズフィルムが第一のレンズ群121と第二のレンズ群122とを有する実施形態を例示して本発明を説明したが、本発明は、レンズ高さが異なる複数のレンズ群を有していれば、2つのレンズ群のみを有する実施形態に限定されず、図3に示すように、第一のレンズ121群及び第二のレンズ群122のいずれともレンズ高さが異なるレンズ123を有していてもよく、また、第一のレンズ群及び第二のレンズ群のいずれともレンズ高さが異なるレンズが別のレンズ群を構成していてもよい。なお、3以上のレンズ群を有する場合、その数に上限はないが、過度に多数のレンズ群を有すると、マイクロレンズフィルムの製造が困難となる傾向がある。また、マイクロレンズフィルムが3以上のレンズ群を有する場合においても、本発明の目的を達成する観点からは、各レンズ群を区別できない程の高さバラツキを生じず、各レンズ群の平均高さの差異が明確であることが好ましい。換言すれば、レンズ高さとレンズ数の分布図(ヒストグラム)において、各レンズ群に該当する分布ピークを有することが好ましい。
マイクロレンズの形状は特に限定されず、カマボコ状、プリズム状のように列状に配置されるものや、砲弾状、球状、半球状、ピラミッド状のように、マトリクス状に配置されるもの等、各種の形状のものが挙げられる。中でも、本発明の積層フィルムを有機EL発光体等の照明用光学デバイスに用いる場合、光マネジメント機能の等方性の観点から、列状ではないマイクロレンズ形状が好ましく、マイクロレンズフィルムの透明基材フィルム面と平行な面(底面)での形状が円形状であることがより好ましい。なお、光マネジメント機能の等方性の観点からはレンズの底面の形状は真円であることが最も好ましいが、上記の「円形状」との語は、真円のみならず、楕円のような二次曲線、卵型のような4次曲線、あるいはこれらに類する曲線を含む。
また、マイクロレンズフィルムの成型性や光マネジメント機能の等方性の観点からは、各レンズ群を構成するレンズが相似形状であることが好ましく、全てのレンズ群を構成するレンズが相似形状であることがより好ましい。
マイクロレンズフィルムにおけるレンズの配置は特に限定されないが、本発明の目的を達成する観点から、各レンズ群を構成する個々のレンズが分散するように配置することが好ましい。すなわち、マイクロフィルム内の任意の点を中心とする所定面積(例えば1mm)に対して、レンズ高さの異なるレンズ数の比が略一定となるようにレンズが配置されたものが好ましい。
マイクロレンズフィルムの全体の厚さは特に限定されないが、通常、10〜500μm程度であり、照明装置に用いる場合は20〜100μmであることが好ましい。同様の観点からレンズ層の高さ(レンズ高さが最も大きいレンズ群の平均レンズ高さ)は、1〜50μm程度であることが好ましく、2〜20μmであることがより好ましく、3〜10μmであることがさらに好ましい。
上記マイクロレンズフィルムを形成するレンズ層の材料は特に限定されず、各種の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を用いることができ、例えば、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、ABS樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。
また、マイクロレンズフィルムを構成する透明基材フィルムの材料も特に限定されない。透明基材フィルムとレンズ層が一体成形される場合は、レンズ層と同様の材料を用いるのが一般的である。透明基材フィルムの厚さは、マイクロレンズフィルムの全体の厚さを考慮して決定されるが、通常、8〜450μm程度、好ましくは15〜90μmである。
[接着型透明フィルム]
接着型透明フィルム2は、透明フィルム21の片面に第一接着剤層22が設けられたものである。
接着型透明フィルム2を構成する透明フィルム21の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂のような透明なポリマーが挙げられる。これらポリマーのなかでも、耐スクラッチ性の点から、フィルム表面の硬度(鉛筆硬度)が、HB以上、さらには2H以上を有するものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が好適である。透明フィルムの厚さは、通常、10〜100μm程度、好ましくは15〜50μmである。
なお、図1等には図示していないが、接着型透明フィルム2には、第一接着剤層22が設けられていない側に、ハードコート層を設けることができる。また、接着型透明フィルム2には、透明フィルム21および/または第一接着剤層22に、さらに、別の層を設けることによりUV吸収性、帯電防止性を付与することができる。透明フィルム21および/または第一接着剤層22にUV吸収性、帯電防止性を付与する場合には、透明フィルム21および/または第一接着剤層22にUV吸収剤、帯電防止剤が適宜に配合される。また、別の層を設ける場合には、UV吸収剤、帯電防止剤により、またはこれらとバインダー等を組み合わせることにより、UV吸収層、帯電防止層を形成することができる。
(第1接着剤層)
前記接着型透明フィルム2の第一接着剤層22は、マイクロレンズフィルムのレンズ層12と十分に密着できる粘着力を有し、かつ、マイクロレンズフィルムのレンズ層との間に十分な空気層を形成できものが好ましい。かかる観点から、第一接着剤層は、80℃での貯蔵弾性率が0.8×10〜5.0×10Paの範囲であることが好ましく、1.0×10〜4.0×10Paの範囲であることが好ましく、1.5×10〜3.0×10Paの範囲であることがさらに好ましい。前記貯蔵弾性率が大きくなりすぎると、密着性が十分でなく、部分的な浮きが発生して、光マネジメント機能が低下する傾向がある。また、経時的には、密着性がより悪化して、接着型透明フィルムが剥離する等の不具合を生じる場合がある。一方、前記貯蔵弾性率が小さくなりすぎると、経時的に、特に高温下において、接着剤層が流動して、レンズ層を埋めてしまうおそれがあり、硬化状態を維持している接着剤層に比べて光マネジメント機能が低下する傾向がある。
第一接着剤層を形成する接着剤としては、各種接着剤を用いることができるが、感圧接着剤(粘着剤)を用いるのが、積層光学フィルムの生産性の点から好適である。感圧接着剤(粘着剤)としては、例えば、アクリル系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体、天然ゴム系粘着剤、ポリイソブチレン、ブチルゴム、スチレン−ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−インプレン−スチレンブロック共重合体等の合成ゴム系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤などの各種粘着剤が挙げられる。なお、第一接着剤層は、空気層の屈折率1に近くなるように、屈折率が低いものが好ましく、例えば、屈折率1.4〜1.5であるものが好ましい。
前記感圧接着剤(粘着剤)の中でも透明性が高く、かつ透明フィルムとの良好な密着特性等の点から、アクリル系粘着剤が好適に用いられる。
アクリル系粘着剤は、アルキル基の平均炭素数は3〜9程度の(メタ)アクリル酸アルキルエステルのモノマーユニットを主骨格とする(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとする。(メタ)アクリル系ポリマーには、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーや、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等のヒドロキシル基含有モノマー、その他、官能基を有するモノマーを共重合モノマーとして共重合することができる。
また、前記接着剤(粘着剤)は架橋剤を含有することができる。架橋剤としては、ポリイソシアネート系、ポリアミン系、メラミン系、尿素系、エポキシ系等の各種架橋剤が挙げられる。架橋剤の配合量は、ベースポリマー100重量部に対して、1〜5重量部が好ましく、さらには1.2〜4重量部、さらには1.3〜2重量部が好ましい。第一接着剤層の貯蔵弾性率は、例えば、接着剤に配合する架橋剤の配合量を制御することにより行うことができる。前記架橋剤によって、接着剤層に架橋構造が付与されて、硬化して流動性がなくなった状態の粘着剤層を形成できる。
上記接着剤(粘着剤)には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、加硫剤、粘着付与剤、着色剤、顔料などの粉体、染料、界面活性剤、可塑剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。また、制御できる範囲内で、還元剤を加えてのレドックス系を採用してもよい。
第一接着剤層の形成方法は、前記接着剤をセパレータなどに塗布し、溶媒などを乾燥除去して接着剤層を形成することにより行うことができる。前記セパレータに形成した接着剤層は透明フィルムに転写される。または透明フィルムに前記接着剤を塗布し、溶媒などを乾燥除去して接着剤層を透明フィルムに、直接、形成する方法などを採用できる。
前記第一接着剤層の厚さは、通常、2.0〜20μm程度であり、2.5〜15μmであるのが好ましく、さらには3.0〜10μmであるのが好ましい。また、前記第一接着剤層の厚さは、レンズ高さの0.4〜4.0倍、さらには0.5〜3.0倍、さらには0.75〜2.0倍となるように設計するのが、マイクロレンズフィルムのレンズ層との間に、十分な空気層を形成できる点から好ましい。
[積層光学フィルムの形成]
本発明の積層光学フィルムは、前記マイクロレンズフィルム1と、接着型透明フィルム2を、前記マイクロレンズフィルム1のレンズパターンが設けられている面(レンズ層12を有する面)と、前記接着型透明フィルム2の第一接着剤層22とを貼り合せることにより得られる。得られた積層光学フィルムは、マイクロレンズフィルムがレンズ高さが異なる複数のレンズ群を有しているために、レンズ高さの小さいレンズ群を構成するレンズが接着剤によって埋められることが少ない。そのため、空気層が形成され、接着型透明フィルム2を貼り合せた後も、光マネジメント機能が大幅に低下するのを抑制することができる。
前記積層光学フィルムには、前記マイクロレンズフィルムのレンズパターンが設けられていない側の面に、図4に示すような他部材と接着するための第二接着剤層を設けることができる。なお、図示していないが、図4の第二接着剤層3には、セパレータを設けることもできる。
第二接着剤層を形成する接着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。第二接着剤層を形成する接着剤としては、積層光学フィルムの貼り付け作業性の点から感圧接着剤(粘着剤)を用いるのが好適である。特に、アクリル系接着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
第二接着剤層の形成は、前記第一接着剤層の形成方法と同様の方法を採用できる。第二接着剤層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層として設けることもできる。第二接着剤層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には3〜30μmであり、3〜20μmが好ましく、特に5〜10μmが好ましい。
また、第二接着剤層3の形成にあたっては、UV吸収性、帯電防止性を付与したり、別途、UV吸収層、帯電防止層を形成することもできる。第二接着剤層は、前記積層光学フィルムを製造する前に、前記マイクロレンズフィルム(または透明基材フィルム)のレンズパターンが設けられていない側の面に予め設けておくこともできる。
光学デバイスの表面に、前記積層光学フィルムを、第二接着剤層を介して貼り合わせることによって、単に前記積層光学フィルムを載せる場合に生じていた薄い空気層(屈折率が1)の存在による光のロスが少なくなる。さらには、第二接着剤層の屈折率を、光学デバイス表面の屈折率より高くなるように設計することで(通常、屈折率を1.5以上高くするのが好ましい)、光のロスがほとんどなくなり、光を効率よく出射させることができる。
[積層光学フィルムの形成]
図5は、光学デバイス4の表面に、積層光学フィルムAが設けられている積層光学フィルム付き光学デバイスである。積層光学フィルムAは、マイクロレンズフィルム1よりも、接着型透明フィルム2が光学デバイス4に対して外側になるように設けられている。なお、図5では、図1に示す積層光学フィルムAが、第二接着剤層3を介して光学デバイス4に設けられているが、図1に示すような、積層光学フィルムAを、そのまま光学デバイス4の表面に設けることもできる。
光学デバイスとしては、光源、導光体、光源ユニットなどの発光デバイスが挙げられる。上記光源としては、例えば、PDP蛍光体、LED蛍光体、有機EL発光体、冷極管、レーザー光源などが挙げられる。導光体、光源ユニットは、通常、前記光源と組み合わされて用いられる。発光デバイスは、例えば、液晶表示装置内部に用いられるバックライトシステムや、室内、室外における各所の照明に用いられる。また、光学デバイスとしては、また、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、PDP等の画像表示デバイスの視認側の表面において用いられる。その他、光学デバイスとしては、太陽電池、光学センサー等の受光デバイス等が挙げられる。本発明の積層光学フィルムは、前記光学デバイスのなかでも、発光デバイス、特に、有機EL発光体の表面に適用する場合に好適である。例えば、有機EL発光体を、室内、室外の照明に用いる場合には照明光の取り出し効率を向上させ、かつ、有機EL発光体で問題とされている表面反射を防止することができる。
以下、本発明の実施例等について説明するが、本発明は、これら実施例に限られるものではない。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして行った。
<レンズ高さの測定>
三次元非接触表面形状測定装置[マイクロマップ社製、型番「520−MS200」]を用いて、以下の条件にてレンズ形成面とレンズ頭頂点の差を計測し、その差よりレンズ高さを算出した。
・内部レンズ倍率:1.0×
・外部レンズ倍率:50×
・測定モード:Wave5600
・解析モード:Contour display
<レンズ部分の面積の測定>
走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製 型番「S−3400N」)を用いて、マイクロレンズの真上方向から写真撮影を行い、単位面積内の各マイクロレンズ群のレンズ数をカウントすることにより、その総面積から、各マイクロレンズ群のレンズ部分の面積を求めた。
<貯蔵粘弾性の測定>
以下の条件で、80℃での貯蔵弾性率(G’)を読み取ることにより貯蔵粘弾性を測定した。
・装置:ティー・エイ・インスツルメント社製 ARES
・変形モード:ねじり
・測定周波数:一定周波数1Hz
・昇温速度:5℃/分
・測定温度:接着剤のガラス転移温度付近から160℃でまで測定
・形状:パラレルプレート 8.0mmφ
・試料厚さ:0.5〜2mm(取り付け初期)
<屈折率の測定>
25℃の雰囲気下で、ナトリウムD線(589nm)を照射し、アッベ屈折率計[ATAGO社製、型番「DR−M4」]を用いて屈折率の測定をおこなった。
[実施例1]
(金型の作製)
特開2008−70556号公報に記載されているのと同様に、段階的に大きさが異なる透光部分を有する投影マスクを介してレーザー光を順次照射することにより、複数回のエッチングを行い、金属表面に微細な凹状パターンを有する金型を作製した。金型の作製においては、各投影マスクとして、大小2種類の円形の透光部が配置されたものを用いることで、大きさおよび深さの異なる2種類の半球状の凹状パターンが配置されたものとした。
(マイクロレンズフィルムの作製)
熱可塑性ポリエステル樹脂をトルエンに溶解した溶液を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(38μm厚)上に乾燥後の厚さが0.1μmになるように塗工して、易接着層を形成した。さらに、ポリスチレン樹脂をトルエンで溶解した溶液を、前記易接着層上に、乾燥後に5μm厚になるように塗工して、ポリスチレン層を形成し、PET/ポリスチレン積層フィルムを作製した。前記積層フィルムのPET側に、厚さ10μmのアクリル系接着剤層(屈折率1.53)を転写法にて形成して、マイクロレンズフィルム形成用フィルムを作製した。次いで、前記マイクロレンズフィルム形成用のフィルムのポリスチレン層を、金型を用いて熱プレス成形し、直径10μm、高さ5μmの半球状最密充填のレンズ層を有するマイクロレンズフィルム(レンズ層の反対側に前記アクリル系接着剤層を有する)を作製した。
(接着型透明フィルム)
エチルアクリレート系ポリマー(屈折率は1.47)溶液に対して、架橋剤としてトリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)を配合した接着剤組成物を調製した。
この接着剤組成物を、セパレータ(シリコーン剥離処理した38μmのPET)に、接着剤層の乾燥厚さが10μmになるように塗布し、120℃で3分間、乾燥・架橋を行い、80℃での貯蔵弾性率が0.8×10Pa、屈折率1.47の接着剤層を形成した。当該接着剤層を、透明フィルムである、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(38μm厚)に転写して、接着型透明フィルムを作製した。
(積層光学フィルム)
上記接着型透明フィルムの接着剤層を、上記で得られたマイクロレンズフィルムのレンズ側に貼り付け、表1に示す積層光学フィルムを作製した。
[実施例2、3、および参考例1]
上記実施例1の接着剤組成物の調製において架橋剤の配合量を変更することによって貯蔵弾性率が異なる接着剤組成物を調製し、これによって接着型透明フィルムを作製した以外は実施例1と同様にして、表1に示す積層光学フィルムを作製した。
[実施例4]
上記実施例1において、接着型透明フィルムの作製にあたり、透明フィルムとして、ハードコート層付UVカット型ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(38μm厚)を用い、接着剤組成物の調製において架橋剤の配合量を実施例2と同様とした以外は実施例1と同様にして、表1に示す積層光学フィルムを作製した。
[実施例5、6、および参考例2、3]
上記実施例1の金型の作製において、投影マスクのパターンを変更することによって、レンズ占有面積比率(S/S)の異なる金型を作製し、接着型透明フィルムに試用する接着剤の種類を変更した以外は実施例1と同様にして、それぞれ、表1に示す積層光学フィルムを作製した。
[参考例4、5]
上記実施例1の金型の作製において、投影マスクのパターンを変更することによって、レンズ高さおよびレンズ占有面積比率(S/S)の異なる金型を作製し、接着型透明フィルムに試用する接着剤の種類を変更した以外は実施例1と同様にして、それぞれ、表1に示す積層光学フィルムを作製した。
[比較例1]
上記実施例1の金型の作製において、投影マスクのパターンを変更することによって、単一の大きさの半球状の凹状パターンを有する金型を作製した以外は実施例1と同様にして、表1に示す積層光学フィルムを作製した。
[比較例2]
比較例1において、接着型透明フィルムを用いずにマイクロレンズフィルムをそのまま用いた。
実施例、参考例、および比較例で得られた積層光学フィルム、並びに比較例2のマイクロレンズフィルムについて下記評価を行った。結果を表1に示す。評価にあたっては、積層光学フィルム、あるいはマイクロレンズフィルムを、アクリル系接着剤層(マイクロレンズフィルムに予め設けていたもの)により、白色有機ELデバイス(ボトムエミッション型)の表面に貼り合せた、光学フィルム付きの有機ELデバイスについて行った。なお、比較例3は光学フィルムを用いていない有機ELデバイスの特性を測定したものである。
<輝度の測定>
輝度計BM−9(TOPCON社製)を用いて、有機ELデバイスと輝度計の距離を350mmとして、20mm角の部分以外を遮光した光源の中心に輝度計を合わせて、暗室内にて正面輝度を測定(cd/cm)した。表1には、有機ELデバイスのみ、即ち、光学フィルムを貼り合せていない場合(比較例3)についての輝度を100とした相対値を示す。
<外観の評価>
接着型透明フィルムの接着剤層とマイクロレンズフィルムのレンズ層の頂上部の密着性の状態を、目視及び走査型電子顕微鏡[日立ハイテクノロジーズ製、型番「S−3400N」]により観察した。目視及び走査型電子顕微鏡による観察において、接着剤層が貼り合わせ前の状態を維持してレンズ層の頂上部と密着している場合を「○」、それ以外の場合を「×」とした。目視は、広い範囲(積層光学フィルム全体)のレンズ層と接着剤層の密着性、および浮き等観察し、走査型電子顕微鏡では、個々のレンズ層と接着剤層の密着性を観察した。
<鉛筆硬度の測定:耐スクラッチ性>
接着型透明フィルムの透明フィルム側の表面について、JIS−K5600−5−4に基づき測定、鉛筆硬度を測定した。なお、接着型透明フィルムを用いていない比較例2については、マイクロレンズフィルムのレンズ面の鉛筆硬度を測定した。
<耐久性評価>
積層光学フィルム、あるいはマイクロレンズフィルムを、80℃の雰囲気中で168時間放置した後に、上記同様にして有機ELデバイスの表面に貼り合せて得られた、積層光学フィルム付きの有機ELデバイスについて、上記同様の<輝度の測定>、<外観の評価>、<鉛筆硬度の測定>の評価を行った。
Figure 2010066309
表1中、HおよびSはそれぞれ、レンズ高さが大きいレンズ群(第一のレンズ群)の平均レンズ高さおよび占有面積を表し、HおよびSはそれぞれ、レンズ高さが小さいレンズ群(第二のレンズ群)の平均レンズ高さおよび占有面積を表す。
また、表1中、*1乃至3は下記の通りである。
*1:レンズ層の頂上部と接着剤層との密着性が悪く、レンズ層上で、接着型透明フィルムに部分的な浮きが発生していた。
*2:レンズ層の頂上部と接着剤層との密着性が悪く、レンズ層上で、接着型透明フィルムが剥離していた。
*3:接着剤層の流れが発生して、レンズ層を埋めて、レンズ層が透明化していた。
高さの等しいレンズのみからなるマイクロレンズフィルムを用いた比較例1に比して、高さの異なるレンズ群を有するマイクロレンズフィルムを用いた実施例および参考例の積層光学フィルムは、80℃×168時間での耐久性に優れることが分かる。
平均レンズ高さの差が5.5μmと大きい参考例4に比して、レンズ高さの差が2.0μmである実施例2は、輝度が高く、光マネジメント機能に優れることがわかる。また、平均レンズ高さの差が0.5μmと小さい参考例5と、レンズ高さの差が2.0μmである実施例1を比較すると、初期の輝度は略同等であるものの、実施例1は80℃×168時間での耐久性に優れていることがわかる。さらには、レンズ高さの大きいレンズ群の占有面積が大きい参考例3と、レンズ高さの大きいレンズ群とレンズ高さの小さいレンズ群の占有面積が同等である実施例1の対比においても同様のことがいえる。
また、接着型透明フィルムの接着剤層(第一接着剤層)の貯蔵弾性率が5.5Pa×10と大きい参考例1、2では、マイクロレンズフィルムと接着型透明フィルムとの間に浮きが生じるのに対して、実施例の積層光学フィルムにおいては、外観においても良好であった。
本発明の積層光学フィルムの一態様を示す断面図である。 レンズ高さの定義を説明するための図である。 本発明の積層光学フィルムの一態様を示す断面図である。 本発明の積層光学フィルムの一態様を示す断面図である。 本発明の積層光学フィルム付き光学デバイスの一態様を示す断面図である。
符号の説明
A :積層光学フィルム
1 :マイクロレンズフィルム
11:透明基材フィルム
12:レンズ層
121、122、123:レンズ(群)
2 :接着型透明フィルム
21:透明フィルム
22:第一接着剤層
3 :第二接着剤層
4 :光学デバイス
a :空気層

Claims (10)

  1. マイクロレンズフィルムと、透明フィルムの片面に第一接着剤層が設けられている接着型透明フィルムとを有する積層光学フィルムであって、
    前記マイクロレンズフィルムは、高さの等しいレンズからなるレンズ群を複数有し、かつ、一のレンズ群と他のレンズ群は平均高さが異なるものであり、
    前記マイクロレンズフィルムのレンズパターンが設けられている面と、前記接着型透明フィルムの第一接着剤層とが、空気層を形成するように貼り合わされている、積層光学フィルム。
  2. 前記マイクロレンズフィルムが、第一のレンズ群と、該第一のレンズ群よりも平均レンズ高さの小さい第二のレンズ群とを少なくとも有し、第一のレンズ群の平均レンズ高さHと第二のレンズ群の平均レンズ高さHの差(H−H)が、1.0〜5.0μmである、請求項1記載の積層光学フィルム。
  3. 前記マイクロレンズフィルムにおける第一のレンズ群の占有面積Sと、第二のレンズ群の占有面積Sとの比S/Sが、0.3〜4.5である、請求項1または2に記載の積層光学フィルム。
  4. 前記接着型透明フィルムの第一接着剤層の厚さが、前記マイクロレンズフィルムのレンズ高さが最も大きいレンズ群の平均レンズ高さの0.4〜4倍である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層光学フィルム。
  5. 前記接着型透明フィルムにおける第一接着剤層の80℃での貯蔵弾性率が、0.8×10〜5.0×10Paである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層光学フィルム。
  6. 前記接着型透明フィルムは、第一接着剤層が設けられていない側の透明フィルムの面にハードコート層を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層光学フィルム。
  7. 前記マイクロレンズフィルムが、透明基材フィルムの片側にレンズパターンが形成されたものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層光学フィルム。
  8. 前記マイクロレンズフィルムのレンズパターンが設けられていない側の面に、第二接着剤層を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層光学フィルム。
  9. 光学デバイスの表面に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層光学フィルムが、マイクロレンズフィルムよりも接着型透明フィルムが光学デバイスに対して外側になるように設けられている、積層光学フィルム付き光学デバイス。
  10. 前記光学デバイスが、有機EL発光体であることを特徴とする、請求項9記載の積層光学フィルム付き光学デバイス。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014208978A1 (ko) * 2013-06-28 2014-12-31 제일모직 주식회사 복합광학시트 및 이를 포함하는 백라이트 유닛
JP2016184168A (ja) * 2010-04-12 2016-10-20 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 光学積層体
JP2020076978A (ja) * 2018-10-15 2020-05-21 エルエムエス・カンパニー・リミテッドLMS Co.,Ltd. 光学フィルム

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