JP2010237397A - プリズムシート及びこれを用いたバックライト - Google Patents

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Abstract

【課題】正面方向への輝度の低下を抑えつつ耐擦傷性に優れ光学欠陥が見え難いプリズムシート及びこれを用いたバックライトを提供する。
【解決手段】本発明のプリズムシート1は、一つの断面台形状の構造列aと、二つの断面三角形状の構造列bとが順に並列されてなる、ユニットUの繰り返しにより構成されてなるレンズ層2を有してなるものである。好ましくは、前記レンズ層の断面台形状の構造列の高さが、断面三角形状の構造列の高さより高く、その差が1μm以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば液晶表示装置のバックライトに用いられるプリズムシートに関し、正面方向への輝度の低下を抑えつつ耐擦傷性に優れ、光学欠陥を視認し難くさせるプリズムシート及びこれを用いたバックライトに関するものである。
近年、カラー液晶表示装置が、ノート型パソコンもしくはデスクトップ型パソコンなどのモニターまたは液晶テレビなどの様々な分野で用いられている。この種の液晶表示装置は、液晶セルとバックライトとを備えており、当該バックライトの構造としては、光源を拡散板を介して液晶セルの直下に設けた直下型の構造、あるいは光源を導光板の側面に設けたエッジライト方式の構造などが知られている。
カラー液晶表示装置は、PDP、CRTに比べて、消費電力が小さいという点において優れている。しかしながら、カラー液晶表示装置では、正面輝度が低くなりがちであった。そこで、上述のバックライトを用いて光学的な効率を高めることにより、小さな消費電力で正面輝度を高くすることが求められている。
このようなバックライトとしては、一般的に、光源、拡散板や導光板、複数枚の光学シート等により構成される。
前記光学シートとしては、反射偏光シート、プリズムシート及び拡散シート等が挙げられ、このうちプリズムシートは、拡散板や導光板の光出射面上に配置され、拡散板や導光板から出射された光を屈折作用により正面に集光させ、正面輝度を向上させる機能を果たす。
一般に、プリズムシートは、断面が三角形状の構造列が複数規則的に配列されたレンズ部を備えており、当該断面三角形状の構造列の頂角、即ち、構造列の斜辺同士で形成される角度を90°としたものが、正面輝度を高める上で最適であると考えられている。なお、レンズ単位の頂部の曲率半径は0であること、すなわち先端は先鋭な形状とされていることが望ましいと考えられている。
このようなプリズムシートは、構造列の先端が先鋭な形状であるため、取扱時の傷付き、使用時の振動による構造列の先端部の傷付き等が発生し易く、傷付きが発生すると光学欠陥が発生してしまうため、当該プリズムシートの取扱いには多大な注意を要するものであった。
そこで、傷付きによる光学欠陥が発生しないよう耐擦傷性を向上させるため、当該構造列の頂部を先鋭な形状ではなく円弧形状とすることにより耐擦傷性を向上させる方法が提案されている(特許文献1、2)。
特開平11−305011号公報(特許請求の範囲) 特開2001−343507号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、当該手法であると、確かに従来のプリズムシートに比べ耐擦傷性が向上し光学欠陥が見え難いものとなるが、一方で正面輝度が大幅に低下してしまい、プリズムシートとしての本来の機能が大きく損なわれるものとなってしまう。
そこで、本発明は、正面方向への輝度の低下を抑えつつ耐擦傷性に優れ光学欠陥が見え難いプリズムシートとすることを目的とするものである。
本発明者は、正面輝度の向上のために最適な形状を適宜取り入れつつ、耐擦傷性に優れる形状を取り入れた特殊なユニット単位を規則的に配列したレンズ層を備えたプリズムシートとすることで、従来ではなしえなかった正面方向への輝度の低下を抑えつつ耐擦傷性に優れ光学欠陥が見え難いプリズムシートとすることができることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明のプリズムシートは、一つの断面台形状の構造列と一つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット、一つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット、または、二つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニットの何れかの繰り返しにより構成されてなるレンズ層を有してなることを特徴とするものである。
また、本発明のプリズムシートは、好ましくはレンズ層の断面台形状の構造列の高さが、断面三角形状の構造列の高さより高いことを特徴とするものである。
また、本発明のプリズムシートは、好ましくは断面台形状の構造列の高さと断面三角形状の構造列の高さとの差が、1μm以上であることを特徴とするものである。
また、本発明のプリズムシートは、好ましくは断面台形状の構造列の上底部の幅が、1〜5μmであることを特徴とするものである。
また、本発明のバックライトは、少なくとも光源と、前記光源に隣接して配置され、導光又は拡散のための光学板と、前記光学板の光出射側に配置されたプリズムシートとを備えたものにおいて、前記プリズムシートが本発明のプリズムシートであることを特徴とするものである。
本発明のプリズムシートは、一つの断面台形状の構造列と一つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット、一つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット、または、二つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニットの何れかの繰り返しにより構成されてなるレンズ層を有してなるため、従来ではなしえなかった正面方向への輝度の低下を抑えつつ耐擦傷性に優れ光学欠陥が見え難いものとなる。
また、本発明のバックライトは、このような本発明のプリズムシートを備えたものであるため、正面輝度の低下を抑えつつ光学欠陥が見え難いため、取扱い性に優れたものとなる。
本発明のプリズムシートの一実施形態を示す断面図 本発明のプリズムシートの一実施形態を示す断面拡大図 本発明のバックライトの一実施形態を示す斜視図
本発明のプリズムシートは、一つの断面台形状の構造列と一つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット、一つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット、または、二つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニットの何れかの繰り返しにより構成されてなるレンズ層を有してなるものである。また、本発明のバックライトは、本発明のプリズムシートが用いられたものである。以下、本発明のプリズムシートの実施の形態について説明する。
本発明のプリズムシートについて、一つの実施形態を示す断面図を図1に示す。図1に示す本発明のプリズムシート1は、一つの断面台形状の構造列aと、二つの断面三角形状の構造列bとが順に並列されてなる、ユニットUの繰り返しにより構成されてなるレンズ層2を有してなるものである。本発明のプリズムシートのユニットを、一つの断面台形状の構造列と一つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるもの、または、二つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるものとしても良い。
本発明のプリズムシートは、このようなユニット、即ち、構造列先端への圧力集中が緩和され耐擦傷性に優れる形状である断面台形状の構造列一つと、正面輝度の向上のために最適な形状である断面三角形状の構造列の一つ若しくは二つからなるユニットの繰り返しにより構成されてなるレンズ層を有してなるため、断面台形状の構造列のみからなるプリズムシートや、従来公知の断面三角形状の構造列のみからなるプリズムシートでは到底想到し得ないような、正面輝度が極端に低下することなく耐擦傷性に優れ光学欠陥の見え難いプリズムシートとすることができる。また、断面台形状の構造列二つと、断面三角形状の構造列二つとによりユニットを構成したものにおいても、上述したユニットと同様に、構造列先端への圧力集中が緩和され耐擦傷性に優れる形状である断面台形状の構造列と、正面輝度の向上のために最適な形状である断面三角形状の構造列とが適宜備えられていることから、正面輝度が極端に低下することなく耐擦傷性に優れ光学欠陥の見え難いプリズムシートとすることができる。なお、ここでいう「光学欠陥」とは、直径10〜100μm程度の傷や異物等が存在することにより生じる輝度低下等の欠陥を指す。
一方、上述した本発明のプリズムシートのユニットにおいて、断面三角形状の構造列を3つ以上順に並列させて構成すると、当該ユニットを備えたレンズ層に対向する部材と断面三角形状の構造列の先端とが接触する確率が増加してしまい、当該先端に傷が付き易くなることで光学欠陥が視認し易いプリズムシートとなるため好ましくない。また、断面台形状の構造列を3つ以上順に並列させて構成すると、レンズ層全体に占める断面三角形状の構造列の割合が減り正面方向への集光性に乏しくなり、正面輝度の低いプリズムシートとなってしまう。これを改善するため、当該ユニット中に断面三角形状の構造列の割合を増やしてしまうと、結果として上述と同様に断面三角形状の構造列の先端に傷が付く確率が増加し、光学欠陥の視認し易いプリズムシートとなってしまう。つまり、断面台形状の構造列を3つ以上順に並列させて構成すると、光学欠陥の視認性及び正面輝度のバランスが取り難いものとなってしまう。
当該プリズムシートは、上述したように一つの断面台形状の構造列と一つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット、一つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット、または、二つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニットの何れかの繰り返しにより構成されてなるレンズ層を有することにより、正面方向への輝度の低下を抑えつつ光学欠陥の見え難いものとなる。特に、より高い正面輝度を得たい場合には、レンズ層を一つの前記断面台形状の構造列と二つの前記断面三角形状の構造列とからなるユニットの繰り返しにより構成することが好ましい。一方、より耐擦傷性を向上させたい場合には、レンズ層を一つの前記断面台形状の構造列と一つの前記断面三角形状の構造列とからなるユニットの繰り返しにより構成することが好ましい。
本発明のプリズムシートの構成としては、レンズ層単層からなるものだけでなく、支持体上に当該レンズ層が積層されたものであってもよい。
支持体としては、ガラス板やプラスチックフィルム等の透明性の高いものを用いることができる。ガラス板としては、例えばケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス等の酸化ガラスを板ガラス化したものを使用することができ、特にケイ酸ガラス、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラス等のケイ酸塩ガラスを板ガラス化したものが好ましい。プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、アクリル、ポリ塩化ビニル、ノルボルネン化合物等が使用でき、延伸加工、特に二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムが機械的強度、寸法安定性に優れているために好適に使用される。このような支持体はプラズマ処理、コロナ放電処理、遠紫外線照射処理、下引き易接着層の形成等の易接着処理が施されたものを用いることが好ましい。
支持体の厚みとしては特に限定されず、適用される材料に対して適宜選択することができるが、一般に25〜500μmであり、好ましくは50〜300μmである。
本発明のレンズ層は、高分子樹脂により構成されてなる。高分子樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂としては、電離放射線(紫外線または電子線)の照射によって架橋硬化することができる光重合性プレポリマーを用いることができ、この光重合性プレポリマーとしては、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化することにより3次元網目構造となるアクリル系プレポリマーが特に好ましく使用される。このアクリル系プレポリマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、ポリフルオロアルキルアクリレート、シリコーンアクリレート等が使用できる。さらにこれらのアクリル系プレポリマーは単独でも使用可能であるが、架橋硬化性を向上させレンズ層の硬度をより向上させるために、光重合性モノマーを加えることが好ましい。
光重合性モノマーとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマー、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート等の2官能アクリルモノマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の多官能アクリルモノマー等の1種若しくは2種以上が使用される。
上述した光重合性プレポリマー及び光重合性モノマーの他、紫外線照射によって硬化させる場合には、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合障害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、フラン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、グアナミン系樹脂、ケトン系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。これらは単独でも使用可能であるが、架橋性、架橋硬化塗膜の硬度をより向上させるためには、硬化剤を加えることが望ましい。
硬化剤としては、ポリイソシアネート、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、カルボン酸などの化合物を、適合する樹脂に合わせて適宜使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、ABS樹脂、ノルボルネン樹脂、シリコーン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、スルフォン系樹脂、イミド系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂、ゴム系樹脂、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
なお、これら熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂のうち、レンズ層とした際の塗膜強度や、良好な透明性が得られる観点から、アクリル系樹脂の熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。また、これら熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂は、それぞれ熱硬化性樹脂どうし或いは熱可塑性樹脂どうしを複数種組み合わせた複合樹脂として用いることもできる。
高分子樹脂としては、上述した樹脂以外の樹脂を併用することもできるが、上述した高分子樹脂とそれ以外の樹脂との含有割合としては、本発明の構造列を精度良く製造する観点から、後述するようにPhoto−Polymer法(2P法)によりプリズムシートを製造する場合には、電離放射線硬化性樹脂が全高分子樹脂成分中30〜90重量%程度含まれることが好ましい。一方、Thermal−Transformation法(2T法)やエンボス加工法によりプリズムシートを製造する場合では、熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂が全高分子樹脂成分中30〜90重量%程度含まれることが好ましい。
なお、レンズ層には、上述した高分子樹脂の他、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、微粒子、滑剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、流動調整剤、消泡剤、分散剤、離型剤、架橋剤等の種々の添加剤を含ませることもできる。
本発明のレンズ層は、一つの断面台形状の構造列と一つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット、一つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット、または、二つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニットの何れかの繰り返しにより構成されてなるものである。
前記断面台形状の構造列の下底部の面(下底面)と側面との傾斜角(図2のα)は、40〜50°の範囲内であることが好ましく、好適には45°であり、さらには当該構造列の両端の傾斜角がそれぞれ等しいことが好ましい。また、前記断面三角形状の構造列の頂角(図2のβ)は、80〜100°の範囲内であることが好ましく、好適には90°である。前記断面三角形状の構造列の基底部の面(基底面)と側面との傾斜角(図2のγ)においては、40〜50°の範囲であることが好ましく、好適には45°であり、さらには当該構造列の両端の傾斜角がそれぞれ等しいことが好ましい。
前記断面台形状の構造列の上底部の幅は、1〜5μmであることが好ましく、好適には2〜4μmである。前記上底部の幅が1μm以上であることにより、耐擦傷性に優れ光学欠陥の見え難いものとすることができる。また、前記上底部の幅が5μm以下であることにより、高い正面輝度を保持することができる。
また、前記断面台形状の構造列の上底部の幅は、その稜線の流れ方向において変動することが好ましい。前記上底部の幅をその稜線の流れ方向において変動させることにより、さらに正面輝度の低下を防止しつつ耐擦傷性に優れ光学欠陥の見え難いものとすることができる。なお、前記上底部の変動幅は、1〜5μmの範囲内であることが好ましい。
また、前記断面台形状の構造列の下底部の幅は22〜65μmであることが好ましく、33〜55μmであることがさらに好ましい。下底部の幅が22μm以上であることにより、レンズ層中に断面台形状の構造列が占める割合が増加するため、耐擦傷性に優れ光学欠陥の見え難いものとすることができる。また、下底部の幅が65μm以下であることにより、正面輝度の低下を抑制することができる。
また、前記断面三角形状の構造列の基底部の幅は20〜58μmであることが好ましく、30〜48μmであることがさらに好ましい。基底部の幅が20μm以上であることにより、正面輝度の低下を抑制することができる。また、基底部の幅が58μm以下であることにより、レンズ層中に断面三角形状の構造列が占める割合を抑えることができ、耐擦傷性が低下するのを防止することができる。
前記断面台形状の構造列の高さと前記断面三角形状の構造列の高さとの関係については、耐擦傷性に優れたものとする観点から、前記断面台形状の構造列の高さが前記断面三角形状の構造列の高さよりも高いことが好ましい。特に、前記断面台形状の構造列の高さと前記断面三角形状の構造列の高さとの差が1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5〜10μmの範囲内であることにより、より耐擦傷性に優れ、プリズムシートとしての耐久性にも優れたものとすることができる。
また、前記断面台形状の構造列の高さは、耐擦傷性に優れ光学欠陥の見え難いものとする観点から、11〜30μmとすることが好ましく、16〜25μmとすることがより好ましい。一方、前記断面三角形状の構造列の高さは、上述と同様に耐擦傷性に優れ光学欠陥の見え難いものとする観点から、10〜29μmとすることが好ましく、15〜24μmとすることがより好ましい。なお、前記断面台形状の構造列の高さとは、断面台形状の構造列の下底部から上底部までの長さ(図2のq)をいい、前記断面三角形状の構造列の高さとは、断面三角形状の構造物の基底部から先端までの長さ(図2のo)をいう。
前記ユニット単位の幅は、耐擦傷性に優れ光学欠陥の見え難いものとする観点から、断面台形状の構造列一つと断面三角形状の構造列一つからなる場合には、42〜123μmであることが好ましく、63〜103μmであることがさらに好ましい。また、断面台形状の構造列一つと断面三角形状の構造列二つからなる場合には、正面輝度向上の観点から、62〜181μmであることが好ましく、93〜151μmであることがさらに好ましい。また、断面台形状の構造列二つと断面三角形状の構造列二つからなる場合には、正面輝度向上の観点から、84〜246μmであることが好ましく、126〜206μmであることがさらに好ましい。
前記レンズ層のうち、構造列が形成されていない樹脂層の厚み(図2のp)は、本発明のプリズムシートをレンズ層単層で形成する場合には、当該層の十分な塗膜強度や平滑性を得る観点から、25〜300μmとすることが好ましい。一方、レンズ層を支持体上に形成してプリズムシートとする場合では、3〜15μmとすることが好ましい。
本発明のレンズ層を備えたプリズムシートを製造する方法としては、2P法、2T法やエンボス加工法等のような転写賦形技術により形成することができる。例えば、上述したようなレンズ層を構成する高分子樹脂等を、要求するレンズ層の表面形状とは相補的な形状を有する型内に充填し、形状パターンを転写賦形させた後、当該高分子樹脂等を硬化させ、型から剥離することで、構造列が賦形されたレンズ層を備えたプリズムシートが得られる。一方、支持体を用いる場合には、型内に高分子樹脂等を充填し、その上に支持体を重ね合わせた後、当該高分子樹脂等を硬化させ、型から剥離することで、支持体上に構造列が賦形されたレンズ層を備えたプリズムシートが得られる。なお、2P法によりレンズ層の構造列を形成する場合には、電離放射線硬化性樹脂を用い、2T法やエンボス加工法によりレンズ層の構造列を形成する場合には、熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂を用いる。
上述した転写賦形技術のうちプリズムシートを比較的短時間で作製でき、加熱冷却が不要であるため構成部材の熱による変形を少なく抑えられる観点からは、2P法を採用することが好ましい。一方、構成部材の材料選択性の自由度が高く、プロセスコストを削減可能な観点からは、2T法を採用することが好ましい。
なお、高分子樹脂を硬化させる方法としては、高分子樹脂が電離放射線硬化性樹脂の場合には電離放射線を照射することで硬化させることができる。また、高分子樹脂が熱硬化性樹脂の場合には、熱を加えることで硬化させることができる。また、高分子樹脂が熱可塑性樹脂の場合には、冷却することで硬化させることができる。ここで、電離放射線としては、例えば超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプなどから発せられる100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線や、走査型・カーテン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波長領域の電子線を利用することができる。
本発明のプリズムシートは、このように断面台形状の構造列と、断面三角形状の構造列とが、複数規則的に配列されてなるレンズ層を有してなるものであって、前記レンズ層が、一つの断面台形状の構造列と一つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット、一つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット、または、二つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニットの何れかの繰り返しにより構成されてなるものであるため、従来ではなしえなかった正面輝度の低下を抑えつつ優れた耐擦傷性が発揮され光学欠陥の見え難いものとすることができる。
次いで、本発明のバックライトの実施の形態について説明する。本発明のバックライトの一つの実施形態を示す断面図を図3に示す。図3の本発明のバックライト30は、エッジライト方式のバックライトで、光源31と、導光板32と、その上に置かれた本発明のプリズムシート33とを備えている。なお、図示するように、必要に応じ、プリズムシート33に隣接して光拡散シート34等を備えていても良い。
また、本発明のバックライトとして、図3ではエッジライト方式のバックライトを説明したが、本発明のバックライトは、拡散板の下側に光源を配置し、その上側に下用光拡散シート、プリズムシート、上用拡散シート等が備えられた直下型のバックライトにおいても適用することができる。
このように、本発明のバックライトは、従来ではなしえなかった正面輝度が低下することなく光学欠陥の見え難いプリズムシートを備えたものであるため、取扱い性に優れたものとなる。
以下、実施例により本発明を更に説明する。なお、「部」、「%」は特に示さない限り、重量基準とする。
1.プリズムシートの作製
[実施例1]
滑らかな表面を有する厚み4mmの銅板に対し、ダイヤモンド製の彫刻用バイトを用いて切削し、金型を作製した。作製した金型へ、アクリルモノマー(メタクリル酸メチル:和光純薬社)50部、多官能性アクリルモノマー(NKエステルA-TMPT-3EO:新中村化学工業社)45部、光重合開始剤(イルガキュア184:チバ・ジャパン社)5部からなる混合液を滴下し、厚み100μmのポリエステルフィルム(コスモシャインA4300:東洋紡績社)をかぶせ、気泡が残らないようにローラーで樹脂を均一に押し広げて樹脂とポリエステルフィルムを密着させた。
この状態のままポリエステルフィルム側からメタルハライドランプにより1500mJ/cm2の紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂を硬化させたのちポリエステルフィルム及び樹脂(レンズ層)を金型から剥離し、金型の形状を忠実に転写し、以下の実施例1のプリズムシートを作製した。
<実施例1のプリズムシート>
・レンズ層の構成:一つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とのユニット単位の繰り返し
・断面台形状の構造列の上底部の幅:3μm
・断面台形状の構造列の下底部の幅:53μm
・断面台形状の構造列の高さ:25μm
・断面台形状の構造列の側面と下底面との間の傾斜角:45°
・断面三角形状の構造列の基底部の幅:40μm
・断面三角形状の構造列の高さ:20μm
・断面三角形状の構造列の頂角:90°
[実施例2]
実施例1とは異なる切削条件により銅板を切削した以外は実施例1と同様にして、以下の実施例2のプリズムシートを作製した。
<実施例2のプリズムシート>
・レンズ層の構成:一つの断面台形状の構造列と一つの断面三角形状の構造列とのユニット単位の繰り返し
・断面台形状の構造列の上底部の幅:3μm
・断面台形状の構造列の下底部の幅:43μm
・断面台形状の構造列の高さ:20μm
・断面台形状の構造列の側面と下底面との間の傾斜角:45°
・断面三角形状の構造列の基底部の幅:30μm
・断面三角形状の構造列の高さ:15μm
・断面三角形状の構造列の頂角:90°
[実施例3]
実施例1とは異なる切削条件により銅板を切削した以外は実施例1と同様にして、以下の実施例3のプリズムシートを作製した。
<実施例3のプリズムシート>
・レンズ層の構成:一つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とのユニット単位の繰り返し
・断面台形状の構造列の上底部の幅:4μm
・断面台形状の構造列の下底部の幅:54μm
・断面台形状の構造列の高さ:25μm
・断面台形状の構造列の側面と下底面との間の傾斜角:45°
・断面三角形状の構造列の基底部の幅:44μm
・断面三角形状の構造列の高さ:22μm
・断面三角形状の構造列の頂角:90°
[実施例4]
実施例1とは異なる切削条件により銅板を切削した以外は実施例1と同様にして、以下の実施例4のプリズムシートを作製した。
<実施例4のプリズムシート>
・レンズ層の構成:一つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とのユニット単位の繰り返し
・断面台形状の構造列の上底部の幅:2μm
・断面台形状の構造列の下底部の幅:52μm
・断面台形状の構造列の高さ:25μm
・断面台形状の構造列の側面と下底面との間の傾斜角:45°
・断面三角形状の構造列の基底部の幅:48μm
・断面三角形状の構造列の高さ:24μm
・断面三角形状の構造列の頂角:90°
[実施例5]
実施例1とは異なる切削条件により銅板を切削した以外は実施例1と同様にして、以下の実施例5のプリズムシートを作製した。
<実施例5のプリズムシート>
・レンズ層の構成:一つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とのユニット単位の繰り返し
・断面台形状の構造列の上底部の幅:2μm
・断面台形状の構造列の下底部の幅:22μm
・断面台形状の構造列の高さ:10μm
・断面台形状の構造列の側面と下底面との間の傾斜角:45°
・断面三角形状の構造列の基底部の幅:19μm
・断面三角形状の構造列の高さ:9.5μm
・断面三角形状の構造列の頂角:90°
[実施例6]
実施例1とは異なる切削条件により銅板を切削した以外は実施例1と同様にして、以下の実施例6のプリズムシートを作製した。
<実施例6のプリズムシート>
・レンズ層の構成:一つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とのユニット単位の繰り返し
・断面台形状の構造列の上底部の幅:2μm
・断面台形状の構造列の下底部の幅:62μm
・断面台形状の構造列の高さ:30μm
・断面台形状の構造列の側面と下底面との間の傾斜角:45°
・断面三角形状の構造列の基底部の幅:60μm
・断面三角形状の構造列の高さ:30μm
・断面三角形状の構造列の頂角:90°
[実施例7]
実施例1とは異なる切削条件により銅板を切削した以外は実施例1と同様にして、以下の実施例7のプリズムシートを作製した。
<実施例7のプリズムシート>
・レンズ層の構成:一つの断面台形状の構造列と一つの断面三角形状の構造列とのユニット単位の繰り返し
・断面台形状の構造列の上底部の幅:2μm
・断面台形状の構造列の下底部の幅:52μm
・断面台形状の構造列の高さ:25μm
・断面台形状の構造列の側面と下底面との間の傾斜角:45°
・断面三角形状の構造列の基底部の幅:40μm
・断面三角形状の構造列の高さ:20μm
・断面三角形状の構造列の頂角:90°
[実施例8]
実施例1とは異なる切削条件により銅板を切削した以外は実施例1と同様にして、以下の実施例8のプリズムシートを作製した。
<実施例8のプリズムシート>
・レンズ層の構成:一つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とのユニット単位の繰り返し
・断面台形状の構造列の上底部の幅:2μm
・断面台形状の構造列の下底部の幅:52μm
・断面台形状の構造列の高さ:25μm
・断面台形状の構造列の側面と下底面との間の傾斜角:45°
・断面三角形状の構造列の基底部の幅:40μm
・断面三角形状の構造列の高さ:20μm
・断面三角形状の構造列の頂角:90°
[実施例9]
実施例1とは異なる切削条件により銅板を切削した以外は実施例1と同様にして、以下の実施例9のプリズムシートを作製した。
<実施例9のプリズムシート>
・レンズ層の構成:二つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とのユニット単位の繰り返し
・断面台形状の構造列の上底部の幅:2μm
・断面台形状の構造列の下底部の幅:52μm
・断面台形状の構造列の高さ:25μm
・断面台形状の構造列の側面と下底面との間の傾斜角:45°
・断面三角形状の構造列の基底部の幅:40μm
・断面三角形状の構造列の高さ:20μm
・断面三角形状の構造列の頂角:90°
[比較例1]
実施例1とは異なる切削条件により銅板を切削した以外は実施例1と同様にして、以下の比較例1のプリズムシートを作製した。
<比較例1のプリズムシート>
・レンズ層の構成:断面三角形状の構造列が複数並列されてなる
・断面三角形状の構造列の基底部の幅:40μm
・断面三角形状の構造列の高さ:20μm
・断面三角形状の構造列の頂角:90°
[比較例2]
実施例1とは異なる切削条件により銅板を切削した以外は実施例1と同様にして、以下の比較例2のプリズムシートを作製した。
<比較例2のプリズムシート>
・レンズ層の構成:断面台形状の構造列が複数並列されてなる
・断面台形状の構造列の上底部の幅:5μm
・断面台形状の構造列の下底部の幅:40μm
・断面台形状の構造列の高さ:20μm
・断面台形状の構造列の側面と下底面との間の傾斜角:45°
[比較例3]
実施例1とは異なる切削条件により銅板を切削した以外は実施例1と同様にして、以下の比較例3のプリズムシートを作製した。
<比較例3のプリズムシート>
・レンズ層の構成:断面三角形状(先端が円弧形状)の構造列が複数並列されてなる
・断面三角形状の構造列の先端曲部の曲率半径:8μm
・断面三角形状の構造列の基底部の幅:50μm
・断面三角形状の構造列の高さ:22μm
・断面三角形状の構造列の頂角:90°
[比較例4]
実施例1とは異なる切削条件により銅板を切削した以外は実施例1と同様にして、以下の比較例4のプリズムシートを作製した。
<比較例4のプリズムシート>
・レンズ層の構成:一つの断面台形状の構造列と三つの断面三角形状の構造列とのユニット単位の繰り返し
・断面台形状の構造列の上底部の幅:5μm
・断面台形状の構造列の下底部の幅:55μm
・断面台形状の構造列の高さ:25μm
・断面台形状の構造列の側面と下底面との間の傾斜角:45°
・断面三角形状の構造列の基底部の幅:50μm
・断面三角形状の構造列の高さ:25μm
・断面三角形状の構造列の頂角:90°
[比較例5]
実施例1とは異なる切削条件により銅板を切削した以外は実施例1と同様にして、以下の比較例5のプリズムシートを作製した。
<比較例5のプリズムシート>
・レンズ層の構成:二つの断面台形状の構造列と一つの断面三角形状の構造列とのユニット単位の繰り返し
・断面台形状の構造列の上底部の幅:5μm
・断面台形状の構造列の下底部の幅:45μm
・断面台形状の構造列の高さ:20μm
・断面台形状の構造列の側面と下底面との間の傾斜角:45°
・断面三角形状の構造列の基底部の幅:30μm
・断面三角形状の構造列の高さ:15μm
・断面三角形状の構造列の頂角:90°
2.評価
(1)正面輝度
厚み0.7mmの付型導光板上に、厚み100μmの拡散フィルム(ライトアップMXE:きもと社)、実施例1〜9及び比較例1〜5で作製したプリズムシート及び厚み100μmの拡散フィルム(ライトアップTL2:きもと社)を順次備えてなる7インチのエッジライト型のバックライト(実施例1〜9及び比較例1〜5のバックライト、線状ランプ一本)を作製した。そして、実施例1〜9及び比較例1〜5のバックライトの正面輝度について測定した。評価結果を表1に示す。なお、表1では、比較例1で作製したプリズムシートを備えたバックライトの正面輝度を100%とし、その他の正面輝度については、比較例1の正面輝度に対する相対値により示す。
(2)傷(光学欠陥)の見え難さ
実施例1〜9及び比較例1〜5で作製したプリズムシートのレンズ層表面に対し、綿棒を用いて2gの加重をかけ、レンズ層表面の構造列の流れ方向に平行な方向及び垂直な方向にそれぞれ綿棒を5往復させ、レンズ層表面の傷付き性を目視にて観察した。前記レンズ層表面を正面から観察した際に、目視にて傷をまったく認識することができなかったものを「◎」、目視では傷をほとんど認識することができず、ルーペにて確認できる程度のものであったものを「○」、わずかではあるが目視にて傷を認識することができたものを「△」、目視にて傷を認識することができたものを「×」、傷の付着が多く明らかに使用に堪えないものを「××」とした。評価結果を表1に示す。
Figure 2010237397
3.考察
表1に示すように、実施例1〜9のプリズムシートは、一つの断面台形状の構造列と一つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット、一つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット、または、二つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニットの何れかの繰り返しにより構成されてなるレンズ層を有してなるものであることから、耐擦傷性に優れ傷(光学欠陥)が見え難いものとなり、当該プリズムシートを組み込んだ実施例1〜9のバックライトは、正面輝度の低下を防止しつつ、取扱い性に優れたものであった。
特に、実施例1、2及び7〜9のプリズムシートは、レンズ層の断面台形状の構造列の高さが断面三角形状の構造列の高さより高く、その高低差が5μmであり、かつ断面台形状の構造列の上底部の幅が2〜3μmであったことから、耐擦傷性に優れ特に傷が見え難いものとなり、当該プリズムシートを組み込んだ実施例1、2及び7〜9のバックライトは正面輝度と傷の見え難さとのバランスに特に優れたものとなった。
また、ここで、実施例7〜9のプリズムシートを比較すると、いずれのものもレンズ層中の断面台形状及び断面三角形状の構造列は同じ形状であるものの、実施例8のプリズムシートのレンズ層は、一つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット単位の繰り返しにより構成されてなることから、実施例7及び9のプリズムシートに比べ、正面輝度の高いものとなった。また、実施例7のプリズムシートのレンズ層は、一つの断面台形状の構造列と一つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット単位の繰り返しにより構成されてなることから、実施例8及び9のプリズムシートに比べ、表1の評価の上では同等ではあるが、実際には傷がより見え難いものであった。
一方、比較例1のプリズムシートは、従来のプリズムシートの形状である断面三角形状の構造列が並列してなるものであったため、耐擦傷性に乏しく傷が見え易いものとなり、当該プリズムシートを組み込んだ比較例1のバックライトは、正面輝度は高いものの使用に堪えないものとなった。
また、比較例2のプリズムシートは、断面台形状の構造列が並列してなるものであったため、耐擦傷性に優れ傷が見え難いものとなったが、当該プリズムシートの表面凹凸形状では光の集光性に乏しく、当該プリズムシートを組み込んだ比較例2のバックライトは、正面輝度に乏しいものとなった。
また、比較例3のプリズムシートは、断面三角形状様のものでその先端が円弧形状の構造列が並列してなるものであったため、耐擦傷性に若干乏しく傷が見え易いものとなり、さらに当該プリズムシートの表面凹凸形状により光の集光性にも乏しいものとなったため、当該プリズムシートを組み込んだ比較例3のバックライトは、正面輝度及び耐擦傷性の両方に乏しいものとなった。
また、比較例4のプリズムシートは、一つの断面台形状の構造列と三つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット単位の繰り返しにより構成されてなるレンズ層を有してなるものであることから、正面輝度に優れたものとなったものの、耐擦傷性に乏しく傷が見え易いものとなり、当該プリズムシートを組み込んだ比較例4のバックライトは、正面輝度は高いものの傷が見え易いため、取扱い性に乏しいものとなった。
また、比較例5のプリズムシートは、二つの断面台形状の構造列と一つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット単位の繰り返しにより構成されてなるレンズ層を有してなるものであることから、耐擦傷性に優れ傷が見え難いものとなったが、当該プリズムシートの表面凹凸形状では光の集光性に乏しく、当該プリズムシートを組み込んだ比較例2のバックライトは、正面輝度に乏しいものとなった。
1・・・・本発明のプリズムシート
2・・・・レンズ層
a・・・・断面台形状の構造列
b・・・・断面三角形状の構造列
U・・・・ユニット単位
30・・・本発明のバックライト
31・・・光源
32・・・導光板
33・・・本発明のプリズムシート
34・・・光拡散シート

Claims (5)

  1. 一つの断面台形状の構造列と一つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット、一つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニット、または、二つの断面台形状の構造列と二つの断面三角形状の構造列とが順に並列されてなるユニットの何れかの繰り返しにより構成されてなるレンズ層を有してなることを特徴とするプリズムシート。
  2. 前記レンズ層の前記断面台形状の構造列の高さが、前記断面三角形状の構造列の高さより高いことを特徴とする請求項1記載のプリズムシート。
  3. 前記断面台形状の構造列の高さと前記断面三角形状の構造列の高さとの差が、1μm以上であることを特徴とする請求項2記載のプリズムシート。
  4. 前記断面台形状の構造列の上底部の幅が、1〜5μmであることを特徴とする請求項1〜3何れか1項記載のプリズムシート。
  5. 少なくとも光源と、前記光源に隣接して配置され、導光又は拡散のための光学板と、前記光学板の光出射側に配置されたプリズムシートとを備えたバックライトにおいて、前記プリズムシートが請求項1〜4何れか1項記載のプリズムシートであることを特徴とするバックライト。
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