JP2010065078A - 熱硬化型接着剤組成物および熱硬化型接着テープ又はシート、フレキシブル回路基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の熱硬化型接着剤組成物は、アクリル系ポリマー(X)100重量部に対して、フェノール樹脂(Y)1〜60重量部及びヘキサメチレンテトラミン(Z)1〜25重量部を含有することを特徴としている。
【選択図】なし
Description
上記アクリル系ポリマー(X)は、アクリル系モノマーを必須のモノマー成分(単量体成分)として構成(又は形成)されたポリマーであれば、特に限定されないが、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステル(a)、シアノ基含有モノマー(b)が用いられていることが好ましい。さらに、カルボキシル基含有モノマー(c)が用いられていることが特に好ましい。中でも、モノマー成分全量に対して、(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステル(a)を50〜75重量%、シアノ基含有モノマー(b)を20〜45重量%、及び、カルボキシル基含有モノマー(c)を0.1〜7重量%の割合で含むモノマー成分から構成されていることが好ましい。なお、モノマー成分としては、上記以外の他のモノマー成分が用いられてもよい。
上記フェノール樹脂(Y)としては、フェノール樹脂であれば特に制限されず、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂や、各種の変性フェノール樹脂(例えば、アルキル変性フェノール樹脂など)などから適宜選択して用いることができる。中でも、本発明のアクリル系ポリマーを主剤とし、ヘキサメチレンテトラミンを必須成分とする配合系においては、レゾール型フェノール樹脂に比べ、ノボラック型フェノール樹脂を用いる方が耐熱性が有利となる傾向にある。このため、より高度な耐熱性を求める場合には、ノボラック型のフェノール樹脂が好ましい。なお、フェノール樹脂(Y)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記ヘキサメチレンテトラミン(Z)は、フェノール樹脂(Y)と組み合わせて熱硬化性、耐熱性を付与するために用いられている。ヘキサメチレンテトラミン(Z)の配合割合は、前記アクリル系ポリマー(X):100重量部に対して、1〜25重量部であり、好ましくは5〜20重量部である。ヘキサメチレンテトラミン(Z)の割合が、アクリル系ポリマー(X):100重量部に対して1重量部より少ないと熱硬化性、耐熱性が不足し、一方、25重量部より多いと接着力が低下する。
本発明の熱硬化型接着剤組成物は、アクリル系ポリマー(X)、フェノール樹脂(Y)及びヘキサメチレンテトラミン(Z)を必須の構成成分として含有する。熱硬化型接着剤組成物における、アクリル系ポリマー(X)、フェノール樹脂(Y)、ヘキサメチレンテトラミン(Z)の割合としては、アクリル系ポリマー(X):100重量部に対して、フェノール樹脂(Y)の割合が1〜60重量部(好ましくは15〜55重量部)、ヘキサメチレンテトラミン(Z)の割合が、1〜25重量部(好ましくは5〜20重量部)である。
本発明の熱硬化型接着テープ又はシートは、前記の熱硬化型接着剤組成物により形成された熱硬化型接着剤層を少なくとも有する熱硬化型接着テープ又はシートである。熱硬化型接着テープ又はシートは、前記熱硬化型接着剤組成物による熱硬化型接着剤層を有していれば、基材を有していてもよく、基材を有していなくてもよい。従って、熱硬化型接着テープ又はシートとしては、(1)熱硬化型接着剤層のみから形成された構成の熱硬化型接着テープ又はシート(基材レス熱硬化型接着テープ又はシート)、(2)基材の少なくとも一方の面(両面又は片面)に熱硬化型接着剤層が形成された構成の熱硬化型接着テープ又はシート(基材付き熱硬化型接着テープ又はシート)などが挙げられる。熱硬化型接着テープ又はシートとしては、前記(1)の構成の熱硬化型接着テープ又はシート(すなわち、熱硬化型接着剤層のみから形成された構成の基材レス熱硬化型接着テープ又はシート)が好適である。
上記の熱硬化型接着剤層は、前述のように、上記熱硬化型接着剤組成物により形成されている。従って、上記熱硬化型接着剤層は、常温では、安定した保存性を有しており、さらに、加熱することにより、硬化反応が生じて、接着強度が増して、強固に且つ優れた耐熱性で接着させることが可能な接着性を有している熱硬化型接着剤層である。
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌機を備えた反応器に、2,2´−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド(商品名「VA−060」、和光純薬工業(株)製)(開始剤)0.279gおよびイオン交換水100gを投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。これを60℃に保ち、ここに、ブチルアクリレート72重量部、アクリロニトリル27重量部、アクリル酸1重量部、ドデカンチオール(連鎖移動剤)0.04重量部およびポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(乳化剤)2重量部をイオン交換水41重量部に添加して乳化したもの(モノマー原料のエマルジョン)400gを3時間かけて徐々に滴下して乳化重合反応を進行させた。モノマー原料エマルジョンの滴下終了後、さらに3時間同温度に保持して熟成させた。このようにして重合したアクリル系ポリマーの水分散液(エマルジョン)を乾燥し、アクリル系ポリマーを得た。
即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が40重量部、ヘキサメチレンテトラミンが10重量部含まれている。
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):10.1重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):4.7重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が10.1重量部、ヘキサメチレンテトラミンが4.7重量部含まれている。なお、アクリル系ポリマーの重合方法は実施例1と同様である(以下の実施例、比較例も同様である)。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):22.5重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):3重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が22.5重量部、ヘキサメチレンテトラミンが3重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):22.5重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):9重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が22.5重量部、ヘキサメチレンテトラミンが9重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、ノボラック型フェノール樹脂(商品名「タマノル758」、荒川化学工業(株)製):40重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):2重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が40重量部、ヘキサメチレンテトラミンが2重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、ノボラック型フェノール樹脂(商品名「タマノル758」、荒川化学工業(株)製):40重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):5重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が40重量部、ヘキサメチレンテトラミンが5重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、ノボラック型フェノール樹脂(商品名「タマノル758」、荒川化学工業(株)製):40重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):16重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が40重量部、ヘキサメチレンテトラミンが16重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、ノボラック型フェノール樹脂(商品名「タマノル758」、荒川化学工業(株)製):50重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):10重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が50重量部、ヘキサメチレンテトラミンが10重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、50℃において液体状の形態を有している石炭酸系レゾール型フェノール樹脂として商品名「スミライトレジンPR−51283」(住友ベークライト(株)製):40重量部が溶解されたメタノール溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):5重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、レゾール型フェノール樹脂が40重量部、ヘキサメチレンテトラミンが5重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):40重量部が溶解された酢酸エチル溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。
即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が40重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):40重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):40重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。
即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が40重量部、ヘキサメチレンテトラミンが40重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):65重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):10重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。
即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が65重量部、ヘキサメチレンテトラミンが10重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):80重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):10重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。
即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が80重量部、ヘキサメチレンテトラミンが10重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):80重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):20重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。
即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が80重量部、ヘキサメチレンテトラミンが20重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=67:30:3(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、50℃において液体状の形態を有している石炭酸系レゾール型フェノール樹脂として商品名「スミライトレジンPR−51283」(住友ベークライト(株)製):20重量部が溶解されたメタノール溶液と、軟化点64℃でエポキシ当量が450〜500のビスフェノールA型エポキシ樹脂として商品名「JER1001」(ジャパンエポキシレジン(株)製):20重量部が溶解された酢酸エチル溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。
即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、レゾール型フェノール樹脂が20重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が20重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
実施例および比較例で得られた各熱硬化型接着シートについて、熱硬化型接着剤層の硬化後の接着力、耐熱性、硬化前の保存性を、それぞれ下記の接着力の評価方法、耐熱性の評価方法、保存性の評価方法により測定又は評価した。
実施例および比較例で得られた熱硬化型接着シートにおける硬化後の熱硬化型接着剤層について、23℃における接着力(N/cm)を以下の方法で評価した。
フレキシブル印刷回路基板(FPC;サイズ:5cm×8cm、厚み:0.2mm)と、熱硬化型接着シートとを130℃でラミネートした後、1cm幅に切断した(熱硬化型接着シートはFPCの片面側(表面の材質:ポリイミド)の全面にラミネートされている)。これを、ポリイミド板(PI;サイズ:5cm×5cm、厚み:0.13mm)に貼り付け、130℃でラミネートした後、160℃、1MPaで90秒間加熱圧着した。さらに、150℃で3時間キュアーして試験体を作製した。
上記試験体について、装置商品名「TCM−1kNB」(ミネベア(株)製)を用いて、FPC側を引っ張る方法により、90°ピール接着力(引張速度:50mm/分、23℃)(N/cm)を測定した。
なお、評価結果は、表1、2の「接着力(N/cm) PI」の欄に示した。
実施例および比較例で得られた熱硬化型接着シートにおける硬化後の熱硬化型接着剤層について、耐熱性を以下の方法で評価した。
銅張積層板(CCL;ポリイミド/銅の積層体、サイズ:5cm×8cm、厚み:45μm)と、熱硬化型接着シートとを130℃でラミネートした後、1cm幅に切断した(熱硬化型接着シートはCCLのポリイミド面の全面にラミネートされている)。これを、ポリイミド板(PI;サイズ:5cm×5cm、厚み:0.13mm)に貼り付け、130℃でラミネートした後、160℃、1MPaで90秒間加熱圧着した。さらに、150℃で3時間キュアーして試験体を作製した。
上記試験体を、加湿(温度:60℃、湿度90%RH)の条件下で24時間静置させた後、赤外線による加熱炉(IR加熱炉)で、ピーク温度:270℃の条件のリフロー工程(下記)にて加熱し、熱硬化型接着シートにおける熱硬化型接着剤層の浮き剥がれ、発泡の状態を目視にて観察した。
熱硬化型接着剤層に浮き剥がれ、発泡が確認されなかったものを「○」、貼付部分の端部に限り少量の浮き剥がれがあったものを「△」、熱硬化型接着剤層に浮き剥がれや発泡が確認されたものを「×」として耐熱性を評価した。なお、評価結果は、表1、2の「耐熱性」の欄に示した。
リフロー機器又は装置には赤外線による加熱炉[最大温度又はピーク温度は270℃に設定されている;コンベア式遠赤外線・熱風加熱装置(株式会社ノリタケカンパニーリミテド製)]を用いた。なお、試験体の表面温度は、試験体表面に、熱電対を粘着テープ(ポリイミドフィルムを基材とする耐熱性粘着テープ)で固定し、温度センサー[KEYENCE NR−250(株式会社キーエンス製)]を介して連続的に測定した。図1に上記リフロー工程の加熱処理条件の温度プロファイル[縦軸:温度(℃)、横軸:時間(秒)]の一例を示した。リフロー工程の時間は360秒であった。
(ゲル分率の測定方法)
実施例および比較例で得られた熱硬化型接着シート(熱硬化型接着剤層)を、それぞれ、5cm×5cmのサイズで剥離ライナーから剥がし、平均孔径0.2μmの孔を有する多孔質テトラフルオロエチレンシート(商品名「NTF1122」、日東電工(株)製)に包んだ後、凧糸で縛り、その際の重量を測定し、該重量を浸漬前重量とする。なお、該浸漬前重量は、熱硬化型接着剤層と、テトラフルオロエチレンシートと、凧糸との総重量である。また、テトラフルオロエチレンシートと凧糸の合計重量も測定しておき、該重量を包袋重量とする。
なお、上記熱硬化型接着シートとしては、製造直後の熱硬化型接着シートと40℃で7日間保存した後の熱硬化型接着シートを用いた。以下では、製造直後の熱硬化型接着シートから採取した熱硬化型接着剤層を「初期の熱硬化型接着剤層」、40℃で7日間保存した後の熱硬化型接着シートから採取した熱硬化型接着剤層を「加熱後の熱硬化型接着剤層」と称する場合がある。
次に、上記の熱硬化型接着剤層(初期の熱硬化型接着剤層、加熱後の熱硬化型接着剤層)をテトラフルオロエチレンシートで包み凧糸で縛ったもの(以下、「サンプル」と称する)を、メチルエチルケトンで満たした50ml容器に入れ、室温(23℃)にて1週間(7日間)静置する。その後、容器からサンプル(メチルエチルケトン処理後)を取り出して、アルミニウム製カップに移し、130℃で2時間、乾燥機中で乾燥してメチルエチルケトンを除去した後、重量を測定し、該重量を浸漬後重量とする。
そして、下記の式からゲル分率を算出する。
ゲル分率(重量%)=(A−B)/(C−B)×100 (1)
(式(1)において、Aは浸漬後重量であり、Bは包袋重量であり、Cは浸漬前重量である。)
実施例および比較例で得られた熱硬化型接着シートについて、上記のゲル分率の測定方法に従い、初期の熱硬化型接着剤層のゲル分率と加熱後(40℃、7日間保存後)の熱硬化型接着剤層のゲル分率を測定した。
初期の熱硬化型接着剤層のゲル分率(重量%)と加熱後の熱硬化型接着剤層のゲル分率(重量%)より、保存前後(加熱前後)におけるゲル分率の差(ゲル分率差)を、下記式から算出した。なお、該ゲル分率差は、表1、2の「保存性」の欄に示した。
ゲル分率差(ポイント)=E−D (2)
(式(2)において、Dは初期の熱硬化型接着剤層のゲル分率(重量%)、Eは加熱後の熱硬化型接着剤層のゲル分率(重量%)である。)
Claims (6)
- アクリル系ポリマー(X)100重量部に対して、フェノール樹脂(Y)1〜60重量部及びヘキサメチレンテトラミン(Z)1〜25重量部を含有することを特徴とする熱硬化型接着剤組成物。
- アクリル系ポリマー(X)が、アルキル基の炭素数が2〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)およびシアノ基含有モノマー(b)を必須のモノマー成分として構成される請求項1に記載の熱硬化型接着剤組成物。
- アクリル系ポリマー(X)を構成するモノマー成分が、さらに、カルボキシル基含有モノマー(c)を含有する請求項2に記載の熱硬化型接着剤組成物。
- アクリル系ポリマー(X)を構成するモノマー成分が、モノマー成分全量に対して、アルキル基の炭素数が2〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)を50〜75重量%、シアノ基含有モノマー(b)を20〜45重量%、及び、カルボキシル基含有モノマー(c)を0.1〜7重量%含む請求項3に記載の熱硬化型接着剤組成物。
- 請求項1〜4のいずれかの項に記載の熱硬化型接着剤組成物により形成された熱硬化型接着剤層を少なくとも有する熱硬化型接着テープ又はシート。
- 請求項1〜4のいずれかの項に記載の熱硬化型接着剤組成物により形成された熱硬化型接着剤層を少なくとも有するフレキシブル回路基板。
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