JP2010065078A - 熱硬化型接着剤組成物および熱硬化型接着テープ又はシート、フレキシブル回路基板 - Google Patents

熱硬化型接着剤組成物および熱硬化型接着テープ又はシート、フレキシブル回路基板 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化前には良好な保存安定性を有しており、加熱による硬化後には、優れた接着性および耐熱性を発揮することができる熱硬化型接着剤組成物を提供する。また、該熱硬化型接着剤組成物による熱硬化型接着剤層を有する熱硬化型接着テープ又はシートを提供する。
【解決手段】本発明の熱硬化型接着剤組成物は、アクリル系ポリマー(X)100重量部に対して、フェノール樹脂(Y)1〜60重量部及びヘキサメチレンテトラミン(Z)1〜25重量部を含有することを特徴としている。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化型接着剤組成物および熱硬化型接着テープ又はシート、フレキシブル回路基板に関する。さらに詳細には、フレキシブル印刷回路基板等で好適に用いることができる熱硬化型接着剤組成物、熱硬化型接着テープ又はシートおよびフレキシブル回路基板に関する。
電子機器では、フレキシブル印刷回路基板(「FPC」と称する場合がある)が広く利用されている。このようなFPCでは、(1)ポリイミド製基材やポリアミド製基材等の耐熱基材に、銅箔やアルミニウム箔等の導電性金属箔を接着積層して、FPCを作製する過程や、(2)FPCをアルミニウム板、ステンレス板、ポリイミド板等の補強板に接着する過程などで、接着剤が使用される。
このようなFPCの接着の際に用いられる接着剤としては、従来、エラストマー/エポキシ樹脂系接着剤が広く利用されてきた他、電子機器用接着剤として、エラストマー/フェノール樹脂/フェノール樹脂用架橋剤によって構成される接着剤が知られている(特許文献1参照)。
上記のエポキシ樹脂を含む接着剤は、接着力、耐熱性の点では十分満足する特性を有している。しかし、該接着剤はエポキシ樹脂の化学反応によって接着性を発現しているため、接着剤として使用する前に、常温で保存すると反応が進行してしまい、接着剤としての機能を失ってしまう。このため、低温での保管が必要となる、保管期間が極端に短くなるなどの問題を有していた。
一方、上記のエラストマー/フェノール樹脂/フェノール樹脂用架橋剤によって構成される接着剤は、接着剤としての保存性には優れているものの、接着剤として好ましい範囲の可撓性、耐熱性を得るためには、エラストマーに対してフェノール樹脂を比較的多量に添加する、具体的には、エラストマーの質量で除したフェノール樹脂の質量の比を少なくとも0.65程度とする必要があった。しかし、かかる範囲では、硬化反応速度が速くなりすぎるため、被着体と十分に接着することができず接着性が不十分となる問題が生じ、接着不良に起因した耐熱性低下が起こるという問題も生じていた。
すなわち、硬化前の保存性(保存安定性)と硬化後の耐熱性、接着性とを両立させた優れた熱硬化型接着剤は未だ得られていないのが現状である。
特表2006−522857号公報
従って、本発明の目的は、硬化前には良好な保存性を有しており、加熱による硬化後には、優れた接着性および耐熱性を発揮することができる熱硬化型接着剤組成物を提供することにある。即ち、本来相反する性能であり、従来両立が不可能であった硬化前の保存性と硬化後の接着性、耐熱性を両立しうる熱硬化型接着剤組成物を提供することにある。また、該熱硬化型接着剤組成物による熱硬化型接着剤層を有する熱硬化型接着テープ又はシート、フレキシブル印刷回路基板を提供することにある。
本発明者らは前記目的を達成するために鋭意検討した結果、エラストマー成分としてアクリル系ポリマーを用い、さらにフェノール樹脂およびフェノール樹脂用の架橋剤であるヘキサメチレンテトラミンを特定の配合で組み合わせることによって、硬化前には常温での安定した保存性を有し、加熱により硬化させた後には、優れた接着性および耐熱性を発揮することができる熱硬化型接着剤組成物が得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、アクリル系ポリマー(X)100重量部に対して、フェノール樹脂(Y)1〜60重量部及びヘキサメチレンテトラミン(Z)1〜25重量部を含有することを特徴とする熱硬化型接着剤組成物を提供する。
さらに、本発明は、アクリル系ポリマー(X)が、アルキル基の炭素数が2〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)およびシアノ基含有モノマー(b)を必須のモノマー成分として構成される前記の熱硬化型接着剤組成物を提供する。
さらに、本発明は、アクリル系ポリマー(X)を構成するモノマー成分が、さらに、カルボキシル基含有モノマー(c)を含有する前記の熱硬化型接着剤組成物を提供する。
さらに、本発明は、アクリル系ポリマー(X)を構成するモノマー成分が、モノマー成分全量に対して、アルキル基の炭素数が2〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)を50〜75重量%、シアノ基含有モノマー(b)を20〜45重量%、及び、カルボキシル基含有モノマー(c)を0.1〜7重量%含む前記の熱硬化型接着剤組成物を提供する。
さらに、本発明は、前記の熱硬化型接着剤組成物により形成された熱硬化型接着剤層を少なくとも有する熱硬化型接着テープ又はシートを提供する。
さらに、本発明は、前記の熱硬化型接着剤組成物により形成された熱硬化型接着剤層を少なくとも有するフレキシブル回路基板を提供する。
本発明の熱硬化型接着剤組成物によれば、前記構成を有しているので、硬化前には常温での安定した保存性を発揮することができ、また、加熱による硬化後には、優れた接着性および耐熱性を発揮することができる。このため、熱硬化型接着剤としての性能をバランスよく発揮することができる。
本発明の熱硬化型接着剤組成物は、アクリル系ポリマー(X)、フェノール樹脂(Y)及びヘキサメチレンテトラミン(Z)を必須の構成成分として含有する。本発明の熱硬化型接着剤組成物の全固形分中の上記必須成分(X)、(Y)、(Z)の総量(合計量)は60重量%以上であることが好ましく、より好ましくは80重量%以上である。
[アクリル系ポリマー(X)]
上記アクリル系ポリマー(X)は、アクリル系モノマーを必須のモノマー成分(単量体成分)として構成(又は形成)されたポリマーであれば、特に限定されないが、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステル(a)、シアノ基含有モノマー(b)が用いられていることが好ましい。さらに、カルボキシル基含有モノマー(c)が用いられていることが特に好ましい。中でも、モノマー成分全量に対して、(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステル(a)を50〜75重量%、シアノ基含有モノマー(b)を20〜45重量%、及び、カルボキシル基含有モノマー(c)を0.1〜7重量%の割合で含むモノマー成分から構成されていることが好ましい。なお、モノマー成分としては、上記以外の他のモノマー成分が用いられてもよい。
本発明の熱硬化型接着剤組成物においては、エラストマー成分としてアクリル系ポリマーを用いることによって、特定量のフェノール樹脂、ヘキサメチレンテトラミンを組み合わせることで、保存性と接着性(高い接着力、例えば、ポリイミドやステンレスなどの被着体との接着力向上など)、耐熱性の両立を図ることができる。エラストマー成分として、天然ゴム、アクリル系ポリマー以外の合成ゴムなどを用いる場合には、上記効果の両立を図ることができない。本発明では、アクリル系ポリマーを主剤とすることで、アクリル系ポリマー自体で接着剤(接着剤層)のバルクの強度を向上させて耐熱性を向上させることが可能となり、結果として、天然ゴムやアクリル系ポリマー以外の合成ゴムを主剤とする場合に比べ、フェノール樹脂の配合量を下げても、ヘキサメチレンテトラミンとの相乗効果で、十分な耐熱性が得られるため、耐熱性と接着性の両立を図ることができ、保存性もより有利となる。
上記(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステル(a)としては、炭素数が2〜14である直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル[アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステル]であれば特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシルなどが挙げられる。中でも、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好適であり、特に、アクリル酸n−ブチルを好適に用いることができる。
上記(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステル(a)は、単独で、または、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明では、(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステル(a)は、アクリル系ポリマー(X)を構成するためのモノマー主成分として用いることが好ましい。(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステル(a)の割合は、モノマー成分全量に対して、50〜75重量%であることが好ましく、より好ましくは55〜75重量%である。
上記シアノ基含有モノマー(b)としては、シアノ基を有するモノマーであれば特に制限されないが、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。シアノ基含有モノマー(b)としては、アクリロニトリルを好適に用いることができる。なお、シアノ基含有モノマー(b)は、単独で、または、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明では、耐熱性を改善させるために、シアノ基含有モノマー(b)を用いることが好ましい。そのため、シアノ基含有モノマー(b)の割合は、モノマー成分全量に対して、20〜45重量%であることが好ましく、さらに好ましくは24〜40重量%である。シアノ基含有モノマー(b)の割合が、モノマー成分全量に対して20重量%より少ないと耐熱性に劣り、一方、45重量%より多いと柔軟性に欠ける場合がある。
上記カルボキシル基含有モノマー(c)としては、カルボキシル基を有するモノマーであれば特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸[アクリル酸及び/又はメタクリル酸]、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などが挙げられる。また、これらのカルボキシル基含有モノマーの酸無水物(例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー)も、カルボキシル基含有モノマーとして用いることが可能である。カルボキシル基含有モノマー(c)としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸を用いることが好ましい。なお、カルボキシル基含有モノマー(c)は、単独で、または、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明では、耐熱性及び接着性を改善するために、カルボキシル基含有モノマー(c)を用いることが好ましい。そのため、カルボキシル基含有モノマー(c)の割合は、モノマー成分全量に対して、0.1〜7重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜6重量%である。カルボキシル基含有モノマー(c)の割合が、モノマー成分全量に対して7重量%より多いと柔軟性に欠け、0.1重量%未満では添加の効果が得られない場合がある。
アクリル系ポリマー(X)を構成するモノマー成分としては、(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステル(a)、シアノ基含有モノマー(b)およびカルボキシル基含有モノマー(c)の他に、他のモノマー成分(共重合性モノマー)が用いられていてもよい。このような共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル;(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル等の(メタ)アクリル酸C15-20アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなど]や、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の非芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸アリールエステル[(メタ)アクリル酸フェニルなど]、(メタ)アクリル酸アリールオキシアルキルエステル[(メタ)アクリル酸フェノキシエチルなど]や、(メタ)アクリル酸アリールアルキルエステル[(メタ)アクリル酸ベンジルエステル]等の芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル等のエポキシ基含有アクリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等のヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド等の(N−置換)アミド系モノマー;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等のオレフィン系モノマー;メチルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマーなどが挙げられる。
また、共重合性モノマーとして、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼンなどの多官能モノマーを用いることもできる。
アクリル系ポリマー(X)は、公知乃至慣用の重合方法(例えば、溶液重合方法、エマルション重合方法、懸濁重合方法、塊状重合方法や紫外線照射による重合方法など)により調製することができる。
なお、アクリル系ポリマー(X)の重合に際して用いられる重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤などは、特に限定されず、公知乃至慣用のものの中から適宜選択して使用することができる。より具体的には、重合開始剤としては、例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル−2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2´−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド等のアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン等の過酸化物系重合開始剤などが挙げられる。重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、通常の使用量の範囲から適宜選択することができる。
また、連鎖移動剤としては、例えば、2−メルカプトエタノール、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノール、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。乳化剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのノニオン系乳化剤などが挙げられる。
なお、溶液重合では、各種の一般的な溶剤を用いることができる。このような溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などの有機溶剤が挙げられる。溶剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
アクリル系ポリマー(X)の重量平均分子量としては、特に制限されないが、例えば、20万〜160万(好ましくは30万〜140万)の範囲から適宜選択することができる。アクリル系ポリマー(X)の重量平均分子量は、重合開始剤や連鎖移動剤の種類やその使用量、重合の際の温度や時間の他、モノマー濃度、モノマー滴下速度などによりコントロールすることができる。なお、アクリル系ポリマー(X)の重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定することができ、その際の測定条件は特に制限されず、公知の測定条件から適宜選択することができる。
[フェノール樹脂(Y)]
上記フェノール樹脂(Y)としては、フェノール樹脂であれば特に制限されず、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂や、各種の変性フェノール樹脂(例えば、アルキル変性フェノール樹脂など)などから適宜選択して用いることができる。中でも、本発明のアクリル系ポリマーを主剤とし、ヘキサメチレンテトラミンを必須成分とする配合系においては、レゾール型フェノール樹脂に比べ、ノボラック型フェノール樹脂を用いる方が耐熱性が有利となる傾向にある。このため、より高度な耐熱性を求める場合には、ノボラック型のフェノール樹脂が好ましい。なお、フェノール樹脂(Y)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記フェノール樹脂(Y)としては、市販されているフェノール樹脂を使用することができ、レゾール型フェノール樹脂としては、例えば、商品名「スミライトレジンPR−51283」(住友ベークライト(株)製)、ノボラック型フェノール樹脂としては、例えば、商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製)を使用することができる。
上記フェノール樹脂(Y)は、熱硬化性、耐熱性を付与するために用いられている。フェノール樹脂(Y)の配合割合は、前記アクリル系ポリマー(X):100重量部に対して、1〜60重量部であり、好ましくは10〜55重量部、より好ましくは15〜55重量部、さらに好ましくは21〜55重量部、最も好ましくは25〜52重量部である。フェノール樹脂(Y)の割合が、アクリル系ポリマー(X):100重量部に対して1重量部より少ないと熱硬化性、耐熱性(接着剤層の強度)が不足し、一方、60重量部より多いと反応が速すぎるため硬化前の流動性が不十分で被着体表面と十分に接着することができず、接着力及び耐熱性の低下の原因となる。
[ヘキサメチレンテトラミン(Z)]
上記ヘキサメチレンテトラミン(Z)は、フェノール樹脂(Y)と組み合わせて熱硬化性、耐熱性を付与するために用いられている。ヘキサメチレンテトラミン(Z)の配合割合は、前記アクリル系ポリマー(X):100重量部に対して、1〜25重量部であり、好ましくは5〜20重量部である。ヘキサメチレンテトラミン(Z)の割合が、アクリル系ポリマー(X):100重量部に対して1重量部より少ないと熱硬化性、耐熱性が不足し、一方、25重量部より多いと接着力が低下する。
上記ヘキサメチレンテトラミン(Z)は、市販品を用いることも可能であり、例えば、商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製)を使用することができる。
[熱硬化型接着剤組成物]
本発明の熱硬化型接着剤組成物は、アクリル系ポリマー(X)、フェノール樹脂(Y)及びヘキサメチレンテトラミン(Z)を必須の構成成分として含有する。熱硬化型接着剤組成物における、アクリル系ポリマー(X)、フェノール樹脂(Y)、ヘキサメチレンテトラミン(Z)の割合としては、アクリル系ポリマー(X):100重量部に対して、フェノール樹脂(Y)の割合が1〜60重量部(好ましくは15〜55重量部)、ヘキサメチレンテトラミン(Z)の割合が、1〜25重量部(好ましくは5〜20重量部)である。
本発明の熱硬化型接着剤組成物において、ヘキサメチレンテトラミン(Z)の質量で除したフェノール樹脂(Y)の質量の比[フェノール樹脂(Y)/ヘキサメチレンテトラミン(Z)](重量比)は、1.5〜40が好ましく、より好ましくは2〜20である。上記の比が1.5未満では接着力が低下する場合があり、40を超えると熱硬化性が不足する場合がある。
上記熱硬化型接着剤組成物中には、アクリル系ポリマー(X)、フェノール樹脂(Y)やヘキサメチレンテトラミン(Z)以外に、必要に応じて、老化防止剤、充填剤、着色剤(顔料や染料など)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤などの公知の添加剤が、本発明の特性を損なわない範囲で含まれていてもよい。
上記熱硬化型接着剤組成物は、アクリル系ポリマー(X)、フェノール樹脂(Y)、ヘキサメチレンテトラミン(Z)と、必要に応じて各種添加剤(老化防止剤、充填剤、顔料など)等とを混合することにより調製することができる。
上記熱硬化型接着剤組成物又は熱硬化型接着剤組成物により形成された熱硬化型接着剤層を、150℃、3時間の条件で硬化させた後の250℃における貯蔵弾性率は、1.0×105Pa以上であることが好ましく、より好ましくは1.0×106Pa以上である。前記250℃における貯蔵弾性率が1.0×105Pa未満であると耐熱性が低下する傾向がある。
なお、上記の貯蔵弾性率は、装置名「ARES」(レオメトリックス社製)の粘弾性測定装置を用いて、フィルム治具を使用し、昇温速度:5℃/分、周波数:1Hz、歪み:0.1%の測定条件により測定することができる。
なお、アクリル系ポリマー(X)、フェノール樹脂(Y)やヘキサメチレンテトラミン(Z)は、溶液又は分散液の状態で用いることができる。アクリル系ポリマー(X)を溶液状態で用いる場合、溶媒としては、特に制限されないが、例えば、アクリル系ポリマー(X)を溶液重合により調製する際に用いられる溶剤として例示の溶剤の中から適宜選択することができる。また、フェノール樹脂(Y)やヘキサメチレンテトラミン(Z)を溶液状態で用いる場合、溶媒としては、特に制限されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の1価アルコール類;エチレングリコール等の多価アルコール類;ケトン類;酢酸エステル類;エーテル類などを用いることができる。
[熱硬化型接着テープ又はシート]
本発明の熱硬化型接着テープ又はシートは、前記の熱硬化型接着剤組成物により形成された熱硬化型接着剤層を少なくとも有する熱硬化型接着テープ又はシートである。熱硬化型接着テープ又はシートは、前記熱硬化型接着剤組成物による熱硬化型接着剤層を有していれば、基材を有していてもよく、基材を有していなくてもよい。従って、熱硬化型接着テープ又はシートとしては、(1)熱硬化型接着剤層のみから形成された構成の熱硬化型接着テープ又はシート(基材レス熱硬化型接着テープ又はシート)、(2)基材の少なくとも一方の面(両面又は片面)に熱硬化型接着剤層が形成された構成の熱硬化型接着テープ又はシート(基材付き熱硬化型接着テープ又はシート)などが挙げられる。熱硬化型接着テープ又はシートとしては、前記(1)の構成の熱硬化型接着テープ又はシート(すなわち、熱硬化型接着剤層のみから形成された構成の基材レス熱硬化型接着テープ又はシート)が好適である。
なお、熱硬化型接着テープ又はシートが基材付き熱硬化型接着テープ又はシートである場合、基材の少なくとも一方の面に、前記熱硬化型接着剤組成物による熱硬化型接着剤層が形成されていればよく、基材の他方の面には、公知の粘着剤層や接着剤層の他、前記熱硬化型接着剤層以外の熱硬化型接着剤層が形成されていてもよい。
また、熱硬化型接着テープ又はシートは、ロール状に巻回された形態で形成されていてもよく、シートが積層された形態で形成されていてもよい。すなわち、本発明の熱硬化型接着テープ又はシートは、シート状、テープ状などの形態を有することができる。なお、熱硬化型接着テープ又はシートがロール状に巻回された形態を有している場合、例えば、熱硬化型接着剤層が、セパレータ(剥離ライナー)や基材の背面側に形成された剥離処理層により保護された状態でロール状に巻回された形態を有していてもよい。
(熱硬化型接着剤層)
上記の熱硬化型接着剤層は、前述のように、上記熱硬化型接着剤組成物により形成されている。従って、上記熱硬化型接着剤層は、常温では、安定した保存性を有しており、さらに、加熱することにより、硬化反応が生じて、接着強度が増して、強固に且つ優れた耐熱性で接着させることが可能な接着性を有している熱硬化型接着剤層である。
上記の熱硬化型接着剤層の厚みは、接着性、加工性の観点から、例えば、5〜100μmが好ましく、より好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは20〜40μmである。なお、熱硬化型接着剤層は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。
上記の熱硬化型接着剤層は、剥離ライナーにより保護されていてもよい。このような剥離ライナーとしては、特に制限されず、公知の剥離ライナーから適宜選択して用いることができる。
熱硬化型接着テープ又はシートが基材を有している場合、該基材としては、特に制限されず、例えば、紙などの紙系基材;布、不織布、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;各種樹脂(オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)など)によるフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体(特に、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など)等の適宜な薄葉体を用いることができる。
上記基材の厚みとしては、特に制限されず、例えば、10〜500μmが好ましく、より好ましくは12〜200μm、さらに好ましくは15〜100μmである。なお、基材は単層の形態を有していてもよく、また、複層の形態を有していてもよい。また、基材には、必要に応じて、背面処理、帯電防止処理、下塗り処理などの各種処理が施されていてもよい。
なお、熱硬化型接着テープ又はシートは、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層(例えば、中間層、下塗り層など)を有していてもよい。
本発明の熱硬化型接着テープ又はシートは、通常の粘着テープ又はシートの製造方法に従って製造することができる。例えば、熱硬化型接着テープ又はシートが基材レス熱硬化型接着テープ又はシートである場合、剥離ライナーの剥離面に、前記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚さが所定の厚さとなるように塗布し、乾燥する方法により、作製することができる。
なお、熱硬化型接着剤組成物溶液の塗布に際しては、慣用のコーター(例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーロールコーターなど)を用いることができる。
本発明の熱硬化型接着テープ又はシートは、常温では硬化反応がほとんど進行せず、常温で長期保存が可能である。また、加熱により硬化させて、強固に被着体に接着させることができる。フレキシブル印刷回路基板(FPC)は最終製品に組み込まれるまでに高温のリフロー工程を通ることが多く、使用される熱硬化型接着テープ又はシートには、リフロー工程を通った後に、浮き・膨れが発生しないことが求められる。さらに、信頼性の観点から、より厳しい条件の湿熱後の耐熱性試験においても浮き・膨れが起きないこと(良好な湿熱後耐熱性)が求められている。本発明の熱硬化型接着テープ又はシートは、熱硬化型接着剤としての性能をバランスよく発揮することができ、しかも、熱硬化後には優れた耐熱性(特に、湿熱後耐熱性)を発揮することができる。
従って、本発明の熱硬化型接着テープ又はシートは、常温で長期保管可能であり、しかも、優れた耐熱性かつ良好な接着性で接着させることができる。そのため、本発明の熱硬化型接着テープ又はシートは、常温での長期保存を必要としながら、加熱により強固に且つ優れた耐熱性で接着することが求められている用途などで好適に用いることができる。具体的には、本発明の熱硬化型接着テープ又はシートは、フレキシブル印刷回路基板(FPC)における接着の際に好適に用いることができる。なお、FPCの接着とは、前述のようにFPCを作製する際の接着や、FPCを補強板に貼り合わせる際の接着を意味している。上記接着の際には、FPCに本発明の熱硬化型接着テープ又はシートを貼り合わせることにより、FPC上に前述の熱硬化型接着層を形成して(即ち、本発明の熱硬化型接着剤組成物による熱硬化型接着層を有するFPCとして)用いることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、以下で、フェノール樹脂、ヘキサメチレンテトラミン、エポキシ樹脂の配合量は不揮発分基準の重量部で示した。また、表1、表2には、以下の実施例、比較例における、アクリル系ポリマーのモノマー組成(重量比)、および、熱硬化型接着剤組成物溶液中のアクリル系ポリマー、フェノール樹脂、ヘキサメチレンテトラミン、エポキシ樹脂の配合量(重量部)を示した。
実施例1
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌機を備えた反応器に、2,2´−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド(商品名「VA−060」、和光純薬工業(株)製)(開始剤)0.279gおよびイオン交換水100gを投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。これを60℃に保ち、ここに、ブチルアクリレート72重量部、アクリロニトリル27重量部、アクリル酸1重量部、ドデカンチオール(連鎖移動剤)0.04重量部およびポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(乳化剤)2重量部をイオン交換水41重量部に添加して乳化したもの(モノマー原料のエマルジョン)400gを3時間かけて徐々に滴下して乳化重合反応を進行させた。モノマー原料エマルジョンの滴下終了後、さらに3時間同温度に保持して熟成させた。このようにして重合したアクリル系ポリマーの水分散液(エマルジョン)を乾燥し、アクリル系ポリマーを得た。
上記アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=72:27:1(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):40重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):10重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。
即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が40重量部、ヘキサメチレンテトラミンが10重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
実施例2
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):10.1重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):4.7重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が10.1重量部、ヘキサメチレンテトラミンが4.7重量部含まれている。なお、アクリル系ポリマーの重合方法は実施例1と同様である(以下の実施例、比較例も同様である)。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
実施例3
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):22.5重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):3重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が22.5重量部、ヘキサメチレンテトラミンが3重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
実施例4
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):22.5重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):9重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が22.5重量部、ヘキサメチレンテトラミンが9重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
実施例5
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、ノボラック型フェノール樹脂(商品名「タマノル758」、荒川化学工業(株)製):40重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):2重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が40重量部、ヘキサメチレンテトラミンが2重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
実施例6
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、ノボラック型フェノール樹脂(商品名「タマノル758」、荒川化学工業(株)製):40重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):5重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が40重量部、ヘキサメチレンテトラミンが5重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
実施例7
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、ノボラック型フェノール樹脂(商品名「タマノル758」、荒川化学工業(株)製):40重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):16重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が40重量部、ヘキサメチレンテトラミンが16重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
実施例8
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、ノボラック型フェノール樹脂(商品名「タマノル758」、荒川化学工業(株)製):50重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):10重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が50重量部、ヘキサメチレンテトラミンが10重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
実施例9
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、50℃において液体状の形態を有している石炭酸系レゾール型フェノール樹脂として商品名「スミライトレジンPR−51283」(住友ベークライト(株)製):40重量部が溶解されたメタノール溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):5重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、レゾール型フェノール樹脂が40重量部、ヘキサメチレンテトラミンが5重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
比較例1
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):40重量部が溶解された酢酸エチル溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。
即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が40重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
比較例2
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):40重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):40重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。
即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が40重量部、ヘキサメチレンテトラミンが40重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
比較例3
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):65重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):10重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。
即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が65重量部、ヘキサメチレンテトラミンが10重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
比較例4
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):80重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):10重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。
即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が80重量部、ヘキサメチレンテトラミンが10重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
比較例5
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=64:34:2(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、軟化点80〜85℃のノボラック型フェノール樹脂として商品名「タマノル758」(荒川化学工業(株)製):80重量部が溶解された酢酸エチル溶液と、ヘキサメチレンテトラミンとして商品名「ノクセラーH」(大内新興化学工業(株)製):20重量部が溶解されたメタノール溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。
即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂が80重量部、ヘキサメチレンテトラミンが20重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
比較例6
アクリル系ポリマー[(モノマー組成) ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)=67:30:3(重量比)]:100重量部が溶解された酢酸エチル溶液に、50℃において液体状の形態を有している石炭酸系レゾール型フェノール樹脂として商品名「スミライトレジンPR−51283」(住友ベークライト(株)製):20重量部が溶解されたメタノール溶液と、軟化点64℃でエポキシ当量が450〜500のビスフェノールA型エポキシ樹脂として商品名「JER1001」(ジャパンエポキシレジン(株)製):20重量部が溶解された酢酸エチル溶液を混合して攪拌させて、熱硬化型接着剤組成物溶液を調製した。
即ち、該熱硬化型接着剤組成物溶液中には、アクリル系ポリマーが100重量部に対して、レゾール型フェノール樹脂が20重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が20重量部含まれている。
上記熱硬化型接着剤組成物溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、剥離ライナーの剥離層面に塗布し、100℃で3分間乾燥して、熱硬化型接着シート(基材レス熱硬化型接着シート)を得た。
(評価)
実施例および比較例で得られた各熱硬化型接着シートについて、熱硬化型接着剤層の硬化後の接着力、耐熱性、硬化前の保存性を、それぞれ下記の接着力の評価方法、耐熱性の評価方法、保存性の評価方法により測定又は評価した。
(1)接着力の評価方法
実施例および比較例で得られた熱硬化型接着シートにおける硬化後の熱硬化型接着剤層について、23℃における接着力(N/cm)を以下の方法で評価した。
フレキシブル印刷回路基板(FPC;サイズ:5cm×8cm、厚み:0.2mm)と、熱硬化型接着シートとを130℃でラミネートした後、1cm幅に切断した(熱硬化型接着シートはFPCの片面側(表面の材質:ポリイミド)の全面にラミネートされている)。これを、ポリイミド板(PI;サイズ:5cm×5cm、厚み:0.13mm)に貼り付け、130℃でラミネートした後、160℃、1MPaで90秒間加熱圧着した。さらに、150℃で3時間キュアーして試験体を作製した。
上記試験体について、装置商品名「TCM−1kNB」(ミネベア(株)製)を用いて、FPC側を引っ張る方法により、90°ピール接着力(引張速度:50mm/分、23℃)(N/cm)を測定した。
なお、評価結果は、表1、2の「接着力(N/cm) PI」の欄に示した。
また、上記測定において、ポリイミド板のかわりに、ステンレス板(SUS;サイズ:5cm×5cm、厚み:0.4mm)を用いて、同様に90°ピール接着力を測定した。評価結果は、表1、2の「接着力(N/cm) SUS」の欄に示した。
(2)耐熱性の評価方法
実施例および比較例で得られた熱硬化型接着シートにおける硬化後の熱硬化型接着剤層について、耐熱性を以下の方法で評価した。
銅張積層板(CCL;ポリイミド/銅の積層体、サイズ:5cm×8cm、厚み:45μm)と、熱硬化型接着シートとを130℃でラミネートした後、1cm幅に切断した(熱硬化型接着シートはCCLのポリイミド面の全面にラミネートされている)。これを、ポリイミド板(PI;サイズ:5cm×5cm、厚み:0.13mm)に貼り付け、130℃でラミネートした後、160℃、1MPaで90秒間加熱圧着した。さらに、150℃で3時間キュアーして試験体を作製した。
上記試験体を、加湿(温度:60℃、湿度90%RH)の条件下で24時間静置させた後、赤外線による加熱炉(IR加熱炉)で、ピーク温度:270℃の条件のリフロー工程(下記)にて加熱し、熱硬化型接着シートにおける熱硬化型接着剤層の浮き剥がれ、発泡の状態を目視にて観察した。
熱硬化型接着剤層に浮き剥がれ、発泡が確認されなかったものを「○」、貼付部分の端部に限り少量の浮き剥がれがあったものを「△」、熱硬化型接着剤層に浮き剥がれや発泡が確認されたものを「×」として耐熱性を評価した。なお、評価結果は、表1、2の「耐熱性」の欄に示した。
(リフロー工程)
リフロー機器又は装置には赤外線による加熱炉[最大温度又はピーク温度は270℃に設定されている;コンベア式遠赤外線・熱風加熱装置(株式会社ノリタケカンパニーリミテド製)]を用いた。なお、試験体の表面温度は、試験体表面に、熱電対を粘着テープ(ポリイミドフィルムを基材とする耐熱性粘着テープ)で固定し、温度センサー[KEYENCE NR−250(株式会社キーエンス製)]を介して連続的に測定した。図1に上記リフロー工程の加熱処理条件の温度プロファイル[縦軸:温度(℃)、横軸:時間(秒)]の一例を示した。リフロー工程の時間は360秒であった。
(3)保存性の評価方法
(ゲル分率の測定方法)
実施例および比較例で得られた熱硬化型接着シート(熱硬化型接着剤層)を、それぞれ、5cm×5cmのサイズで剥離ライナーから剥がし、平均孔径0.2μmの孔を有する多孔質テトラフルオロエチレンシート(商品名「NTF1122」、日東電工(株)製)に包んだ後、凧糸で縛り、その際の重量を測定し、該重量を浸漬前重量とする。なお、該浸漬前重量は、熱硬化型接着剤層と、テトラフルオロエチレンシートと、凧糸との総重量である。また、テトラフルオロエチレンシートと凧糸の合計重量も測定しておき、該重量を包袋重量とする。
なお、上記熱硬化型接着シートとしては、製造直後の熱硬化型接着シートと40℃で7日間保存した後の熱硬化型接着シートを用いた。以下では、製造直後の熱硬化型接着シートから採取した熱硬化型接着剤層を「初期の熱硬化型接着剤層」、40℃で7日間保存した後の熱硬化型接着シートから採取した熱硬化型接着剤層を「加熱後の熱硬化型接着剤層」と称する場合がある。
次に、上記の熱硬化型接着剤層(初期の熱硬化型接着剤層、加熱後の熱硬化型接着剤層)をテトラフルオロエチレンシートで包み凧糸で縛ったもの(以下、「サンプル」と称する)を、メチルエチルケトンで満たした50ml容器に入れ、室温(23℃)にて1週間(7日間)静置する。その後、容器からサンプル(メチルエチルケトン処理後)を取り出して、アルミニウム製カップに移し、130℃で2時間、乾燥機中で乾燥してメチルエチルケトンを除去した後、重量を測定し、該重量を浸漬後重量とする。
そして、下記の式からゲル分率を算出する。
ゲル分率(重量%)=(A−B)/(C−B)×100 (1)
(式(1)において、Aは浸漬後重量であり、Bは包袋重量であり、Cは浸漬前重量である。)
(保存性の評価方法)
実施例および比較例で得られた熱硬化型接着シートについて、上記のゲル分率の測定方法に従い、初期の熱硬化型接着剤層のゲル分率と加熱後(40℃、7日間保存後)の熱硬化型接着剤層のゲル分率を測定した。
初期の熱硬化型接着剤層のゲル分率(重量%)と加熱後の熱硬化型接着剤層のゲル分率(重量%)より、保存前後(加熱前後)におけるゲル分率の差(ゲル分率差)を、下記式から算出した。なお、該ゲル分率差は、表1、2の「保存性」の欄に示した。
ゲル分率差(ポイント)=E−D (2)
(式(2)において、Dは初期の熱硬化型接着剤層のゲル分率(重量%)、Eは加熱後の熱硬化型接着剤層のゲル分率(重量%)である。)
Figure 2010065078
Figure 2010065078
表1、表2から明らかなように、本発明の熱硬化型接着シートは、良好な保存安定性、優れた接着性、耐熱性を有していた。一方、ヘキサメチレンテトラミンの配合量が適切でない場合(比較例1、2)やフェノール樹脂の割合が多すぎる場合(比較例3〜5)は、接着力や耐熱性が不足し、エポキシ樹脂を用いた場合(比較例6)は、保存安定性が低下した。
図1は、耐熱性の評価方法におけるリフロー工程の加熱処理条件の温度プロファイルの一例を示すグラフである。

Claims (6)

  1. アクリル系ポリマー(X)100重量部に対して、フェノール樹脂(Y)1〜60重量部及びヘキサメチレンテトラミン(Z)1〜25重量部を含有することを特徴とする熱硬化型接着剤組成物。
  2. アクリル系ポリマー(X)が、アルキル基の炭素数が2〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)およびシアノ基含有モノマー(b)を必須のモノマー成分として構成される請求項1に記載の熱硬化型接着剤組成物。
  3. アクリル系ポリマー(X)を構成するモノマー成分が、さらに、カルボキシル基含有モノマー(c)を含有する請求項2に記載の熱硬化型接着剤組成物。
  4. アクリル系ポリマー(X)を構成するモノマー成分が、モノマー成分全量に対して、アルキル基の炭素数が2〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)を50〜75重量%、シアノ基含有モノマー(b)を20〜45重量%、及び、カルボキシル基含有モノマー(c)を0.1〜7重量%含む請求項3に記載の熱硬化型接着剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の熱硬化型接着剤組成物により形成された熱硬化型接着剤層を少なくとも有する熱硬化型接着テープ又はシート。
  6. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の熱硬化型接着剤組成物により形成された熱硬化型接着剤層を少なくとも有するフレキシブル回路基板。
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