JPH10324857A - 粘着剤組成物および粘着テープ - Google Patents

粘着剤組成物および粘着テープ

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JPH10324857A
JPH10324857A JP13557697A JP13557697A JPH10324857A JP H10324857 A JPH10324857 A JP H10324857A JP 13557697 A JP13557697 A JP 13557697A JP 13557697 A JP13557697 A JP 13557697A JP H10324857 A JPH10324857 A JP H10324857A
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JP
Japan
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pressure
sensitive adhesive
meth
adhesive composition
acrylate
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Application number
JP13557697A
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English (en)
Inventor
Tatsuhiro Suwa
達弘 諏訪
Toshimasa Yamagishi
利正 山岸
Shunsaku Node
俊作 野手
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Soken Kagaku KK
Lintec Corp
Soken Chemical and Engineering Co Ltd
Original Assignee
Soken Kagaku KK
Lintec Corp
Soken Chemical and Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温で粘着力を有し、加熱することによって
硬化反応を生じ、接着強度が増す粘着剤組成物およびこ
れを用いた粘着テープを提供すること。 【解決手段】 a)エステル基部が脂肪族系または芳香
族系炭化水素化合物よりなる(メタ)アクリル酸エステ
ル、b)エーテル結合を含有する(メタ)アクリル酸エ
ステルおよびc)官能基含有モノマーからなる(メタ)
アクリル系共重合体と、フェノール樹脂とからなる粘着
剤組成物。この粘着剤組成物を基材2の片面または両面
に塗工して粘着剤層3とし、この上に剥離層4を設けて
粘着テープ1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粘着剤組成物および
これを用いた粘着テープに関し、さらに詳しくは、アク
リル系ポリマーを主成分とする粘着剤組成物およびこれ
を用いた粘着テープに関するものである。本発明の粘着
剤組成物および粘着テープは、例えば、マスキング材、
封緘材、表面保護材、接続材、固定材、情報表示(ラベ
ル、ステッカー等)等の分野に幅広く適用し得る。ま
た、本発明の粘着剤組成物および粘着テープは特に常温
で粘着力を有し、加熱することにより硬化反応を生じ、
接着強度が増すという特長を応用して構造部材用、鋼板
・樹脂等の防食用、表面保護用等の用途に好適に使用で
きる。
【0002】
【従来の技術】最近、粘着剤に対する高機能、高性能化
の要求がいっそう高まり、前記したように常温で粘着力
を有し、加熱することによって硬化反応が生じ接着強度
が増す粘着剤組成物およびこれを用いた粘着テープが望
まれている。
【0003】従来の熱硬化型の粘着テープは粘着剤の保
存安定性が悪く、また、初期接着性(タック)も十分で
ないため、貼り適性(硬化前に剥がれる、曲面に適用で
きない)が悪かった。さらに硬化後も、長期的な使用
(屋外の構造部材、自動車体等の外面部材等)の場合
は、耐久性、耐候性、耐水性等に問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の実状に鑑み、保存安定性に優れ、常温で粘着力を有
し、加熱することによって硬化反応を生じ、接着強度が
増し、耐久性、耐候性、耐水性に優れた粘着剤組成物お
よびこれを用いた粘着テープを提供することである。
【0005】また、上述のように、保存安定性に優れ、
常温で粘着力を有し、加熱によってさらに硬化して強い
接着力を発現するので、仮止めすることができ、位置決
めが完了してから熱を加えて硬化させることができるの
で作業効率がよい粘着テープを提供することである。
【0006】また、使用時に粘着剤であるが、経時的に
凝集強度が向上するものと異なり、所望の時に短時間で
硬化させることができるので、最終的接着力を発現する
のに時間を要しない粘着テープを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の粘着剤組成物は、 a)エステル基部が脂肪族系または芳香族系炭化水素化
合物よりなる(メタ)アクリル酸エステル、 b)エーテル結合を含有する(メタ)アクリル酸エステ
ル c)官能基含有モノマー からなる(メタ)アクリル系共重合体と、フェノール樹
脂とからなることを特徴とする。
【0008】前記成分a),b),c)の量比が、a/
b/c=0〜94.9/5〜99.9/0.1〜20で
あることが好ましい。
【0009】また、本発明の粘着剤組成物は、粘着剤組
成物に架橋剤を配合し、基材に塗工し、熟成した後の熱
硬化型粘着剤層の可視光線透過率が20%以上、プロー
ブタック値が50g以上であることを特徴とする。
【0010】さらにまた、本発明の粘着剤組成物は、ア
クリル系ポリマーと、フェノール系樹脂とを含んでな
り、常温で粘着力を有し、加熱することによって硬化反
応を生じて接着強度が増すことを特徴とする。
【0011】本発明の粘着テープは前記粘着剤組成物を
基材の片面または両面に塗工したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の粘着剤組成物で使用して
いるフェノール樹脂は極性が高いため、一般に使用され
ている、ブチルアクリレート(BA)、2−エチルヘキ
シルアクリレート(2EHA)、アクリル酸(AA)を
主体とするアクリルポリマーでは、フェノール樹脂との
相溶性をよくするためにポリマーの極性を高めにする必
要があり、このためAA含有量を多くしたり、あるいは
メチルアクリレート(MA)やエチルアクリレート(E
A)を共重合するという処方がとられる。しかしこのよ
うな処方をとると、フェノール樹脂との相溶性が上がる
ものの、ポリマーのガラス転移点(Tg)が高くなり、
初期粘着力の低下という問題が生じる。
【0013】そこで、本発明では、フェノール樹脂との
相溶性と初期粘着力・タックを両立させるためエーテル
結合含有アクリルモノマーの使用を試みたところ、良好
な結果を得たものである。
【0014】なお、参考のために、表1にモノマーのガ
ラス転移点(Tg)を示す。
【0015】
【表1】
【0016】ここに、「(メタ)アクリル酸」という用
語は、アクリル酸、メタアクリル酸およびそれらの混合
物を意味する。また、「(メタ)アクリレート」はアク
リレート、メタアクリレートおよびそれらの混合物を意
味する。
【0017】本発明で使用できる(メタ)アクリル系共
重合体は、a)エステル基部が脂肪族系または芳香族系
炭化水素化合物よりなる(メタ)アクリル酸エステル、
b)エーテル結合を含有する(メタ)アクリル酸エステ
ル、およびc)官能基含有モノマーからなる。
【0018】エステル基部が脂肪族系または芳香族系炭
化水素化合物よりなる(メタ)アクリル酸エステル(成
分a)の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート,iso−ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)
アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、i
so−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。好ましくは、炭素数
1〜8である。
【0019】エーテル結合を有する(メタ)アクリル酸
エステル(成分b)の例としては、メトキシエチル(メ
タ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキ
シブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール
(メタ)アクリレート、メチルトリグリコール(メタ)
アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メ
タ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレ
ート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、
ノニルフェノールエチレングリコール付加(メタ)アク
リレートなどがある。好ましくは炭素数3〜10であ
る。
【0020】官能基含有モノマー(成分c)の例として
は、(メタ)アクリレート酸、β−カルボキシエチルア
クリレート、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無
水マレイン酸、およびマレイン酸ブチルなどのカルボキ
シル基を含有するモノマー;2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、およびアリルアルコールなどの水酸基を含有するモ
ノマー;アミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチル
アミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート、およびビニルピリジンなどのア
ミノ基を含有するモノマー;およびアセトアセトキシエ
チル(メタ)アクリレートなどのアセトアセチル基を含
有するモノマーなどをあげることができる。これらは単
独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0021】これらの中でも、カルボキシル基を含有す
るモノマーおよび水酸基を含有するモノマーが好まし
い。
【0022】(メタ)アクリル酸系共重合体の各成分の
配合量の比は、通常a/b/c=0〜94.9/5〜9
9.9/0.1〜20であり、好ましくはa/b/c=
20〜89/10〜70/1〜10である。これらの量
比をはずれると所望の特性が得られない。
【0023】この(メタ)アクリル酸系共重合体は、重
量平均分子量が20万〜100万であり、30万〜70
万が好ましい。重量平均分子量が20万以下のときは凝
集力が低下し、100万以上のときは初期接着力が低下
する。
【0024】なお、本発明における(メタ)アクリル酸
系共重合体は、(メタ)アクリル酸エステルと多官能性
化合物に対する反応性を有する重合性モノマーとの共重
合体であるが、さらにこの(メタ)アクリル酸系共重合
体には、この高分子量(メタ)アクリル酸系共重合体の
特性を損なわない範囲内で、他の単量体が共重合してい
てもよい。
【0025】ここで、共重合することができる他の単量
体としては、酢酸ビニル、スチレン、メチルスチレン、
ビニルトルエン、アクリロニトリル、(メタ)アクリル
アミドおよびN−メチルアクリルアミドなどを挙げるこ
とができる。この単量体の重合量は、(メタ)アクリレ
ートエステルと多官能性化合物に対する反応性を有する
重合性モノマーとの合計量100重量%に対して、通常
は0〜30重量%、好ましくは0〜15重量%である。
【0026】熱硬化性フェノール樹脂としては、熱硬化
性を有するフェノール樹脂であれば特に限定されるもの
ではなく、通常使用されるフェノール系樹脂を使用し得
る。この熱硬化性フェノール樹脂の具体例としては、例
えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾル
シノール、アルキルフェノール、変性フェノール(例え
ば、カシュー変性フェノール、オイル変性フェノールな
ど)のフェノール系化合物とホルマリン、パラフォルム
アルデヒドなどのアルデヒド系化合物との縮合反応によ
り得られるレゾール型またはノボラック型フェノール樹
脂などが挙げられ、これらは単独で用いてもよく、また
2種以上混合して用いてもよい。
【0027】なお、ノボラック型フェノール樹脂を使用
する場合には、硬化に際してアルデヒドやヘキサメチレ
ンテトラミン等のフェノール樹脂用硬化剤として一般に
知られている硬化剤を併用する。
【0028】(メタ)アクリル酸系共重合体とフェノー
ル樹脂との配合比は、(メタ)アクリル酸系共重合体1
00重量部に対して、フェノール樹脂は通常10〜15
0重量部、好ましくは20〜80重量部である。10重
量部以下のときは熱硬化性に乏しく、硬化後の物性が十
分でない。また、150重量部以上のときは常温での粘
着力、タックが失われ、粘着剤としての性質が発現され
ない。
【0029】(架橋剤)架橋剤として使用できる化合物
のうち、イソシアネート系化合物の例としては、トリレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、水添ジフェンリルメタンジ
イソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネ
ート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタ
ントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソ
シアネートおよびこれらのトリメチロールプロパンなど
のポリオールとのアダクト体などを挙げることができ
る。
【0030】また、エポキシ系化合物の例としては、ビ
スフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ系樹
脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエ
ーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−
ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロール
プロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリ
ン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N′,N′−
テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンおよび1,
3−ビス(N,N′−ジアミングリシジルアミノメチ
ル)シクロヘキサンなどを挙げることができる。
【0031】さらに、アミン系化合物の例としては、ヘ
キサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチ
レンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレント
リアミン、トリエチルテトラミン、イソホロンジアミ
ン、アミノ樹脂およびメチレン樹脂などを挙げることが
できる。
【0032】またさらに、金属キレート化合物の例とし
ては、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニ
ッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロ
ムおよびジルコニウムなどの多価金属がアセチルアセト
ンやアセト酢酸エチルに配位した化合物などを挙げるこ
とができる。
【0033】さらに、アジリジン系化合物の例として
は、N,N′−ジフェニルメタン−4,4′−ビス(1
−アジリジンカルボキサイド)、N,N′−トルエン−
2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トリ
エチレンメラミン、ビスイソフタロイル−1−(2−メ
チルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスヒンオ
キサイド、、N,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス
(1−アジリジンカルボキサイド)、トリメチロールプ
ロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートおよび
テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロ
ピオネートなどを挙げることができる。
【0034】本発明の粘着剤組成物には、必要に応じ
て、増粘剤、揺変剤、安定剤等の添加剤を配合してもよ
い。
【0035】増粘剤としては、例えば、アクリルゴム、
エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム
等のエラストマー類が挙げられる。揺変剤としては、例
えば、シリカ、コロイドシリカ、ポリビニルピロリドン
等が挙げられる。、また、充填材としては、例えば、炭
酸カルシウム、クレー、タルク等の無機充填材が挙げら
れる。
【0036】(重合処法)例えば、高分子量(メタ)ア
クリル系共重合体は、原料モノマー100重量部に対し
て、0.01〜1.0重量部の重合開始剤(アゾビスイ
ソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニト
リルなどのアゾ系重合開始剤、過酸化ベンゾイル、過酸
化アセチルなどの過酸化物、ジフェニルケトン、2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ンなどの光重合開始剤など)を用い、塊状重合、溶液重
合、乳化重合、懸濁重合などの方法により合成され、好
ましくは溶液重合で合成される。
【0037】溶液重合法の場合、重合溶媒として酢酸エ
チル、トルエン、ヘキサン、アセトンなどの有機溶媒が
用いられ、反応温度は50〜150℃、好ましくは50
ないし110℃、反応時間は3〜15時間、好ましくは
5〜15時間である。
【0038】本発明の粘着剤組成物(粘着テープ)が常
温で粘着力を有するのは、フェノール樹脂が未硬化のま
ま存在している状態では、フェノール樹脂が粘着付与樹
脂としての働きをしているためであり、接着強度の増加
はフェノール樹脂自体の硬化をフェノール樹脂の硬化温
度に上げることにより進行させることによって得られ
る。
【0039】本発明の粘着剤組成物の熱硬化条件は12
0〜200℃、5〜30分間である。
【0040】本発明の粘着剤組成物は、熱硬化型粘着剤
である。上述のアクリル系共重合体にフェノール樹脂お
よび架橋剤を配合し、基材に塗工、熟成した後の熱硬化
型粘着剤層は、可視光線透過率が20%以上であり、好
ましくは50%以上、プローブタック値が50g以上で
ある。
【0041】可視光線透過率は、フェノール樹脂との相
溶性および初期粘着性能・タックに関連し、20%以上
では初期粘着性能・タックは良好であるが、20%未満
ではフェノール樹脂の粘接着剤表面へのブリードにより
初期粘着性能・タックの低下がみられる。
【0042】プローブタック値はタックに関連し、50
g未満では被着体表面との初期接着性が低く、基材のカ
ールや曲がり癖により剥がれの発生がみられる。
【0043】(粘着テープの基材)本発明の粘着剤組成
物を基材の片面または両面に塗布することによって粘着
テープとすることができる。基材としては、紙、プラス
チック、(不)織布、金属箔など、通常の粘着剤組成物
を適用しえるものであればいずれも使用することができ
る。また、塗装面に被着してこれを保護することもでき
る。さらに、本発明の粘着テープ上に塗装することもで
きる。
【0044】(粘着テープの作成)粘着テープは次のよ
うにして作製される。まず、図1に示すように、粘着テ
ープ1は、ポリエステルフィルム等からなる基材2上
に、上述の組成比の配合剤を溶媒(例えば、トルエン、
酢酸エチルなど)に溶かし、よく混合して例えば25g
/cm2 の塗布量でダイコーター、コンマコーター、ロ
ールコーターなどの慣用の手段により塗布し、例えば8
0〜120℃の温度範囲において30秒間〜2分間加熱
して溶媒を蒸発させた後、この粘着剤層3の上に例えば
離型処理を施したグラシン紙等の剥離材4を貼り付けて
作成される。
【0045】図1では粘着剤層を基材2の片面にのみ形
成した例を示したが、所望により、両面に形成してもよ
い。
【0046】基材層の厚みは、好ましくは10〜500
μm、さらに好ましくは25〜100μmである。
【0047】粘着剤層の厚みは、好ましくは5〜100
μmである。
【0048】このようにして製造された粘着テープは、
初期接着力に優れ、貼付後、加熱することにより接着力
が増すので、仮止めしてその後所望の時に固定するのに
適している。硬化後は長期間使用しても十分な耐久性、
耐候性、耐水性を保持できる。
【0049】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに詳細に
説明する。
【0050】以下の実施例1〜4および比較例に従っ
て、粘着テープをそれぞれ製造した。
【0051】(a)(メタ)アクリル系共重合体の重合 下記表2に示す組成のモノマー混合物、重合時使用溶剤
および過酸化ベンゾイル0.3重量部を温度計、撹拌機
および窒素導入管を備えた反応容器に装入し、この反応
容器内の空気を窒素ガスで置換した後、撹拌下に窒素雰
囲気中で、この反応溶液を70℃に昇温させ、10時間
反応させた。反応後、酢酸エチルで希釈し、固形分35
重量%の(メタ)アクリル系共重合体溶液を得た。
【0052】(b)粘着剤組成物の調製 得られたアクリル系共重合体100重量部に対して、表
2に示す配合比でフェノール樹脂と架橋剤とを添加し、
粘着剤組成物を調製した。
【0053】
【表2】
【0054】(c)粘着テープの作成 表2の各粘着剤組成物を50μ厚の東レ(株)製ポリエ
ステルフィルム上にダイコーターで厚みが20μmとな
るように塗布し、100℃で3分間乾燥し離型処理を施
したグラシン紙を貼って粘着テープを得た。
【0055】(d)特性評価 ア)粘着性能 (c)で得た各粘着テープを2種類の条件下で接着力を
測定した。すなわち、そのままの状態で測定して初期接
着力、および140℃で20分加熱した後に測定して加
熱後接着力を得た。接着力の測定は、JIS Z 02
37 8に準拠して行った。すなわち、各粘着テープを
25mm幅に切断し、試験片を試験板の長さ方向の中央
に貼り付け、圧着装置で300mm/分の速さで1往復
圧着する。試験板を引張り試験機に取付け、試験板の下
端を180度折り返して上部チャックに固定する。試験
板を圧着してから20分後に300mm/分の速さで引
き剥がし、その強さをチャートに記録する。引き剥がし
長さは100mm以上とする。測定は2枚の試験片につ
いて行った。試験場所の条件は23±2℃、65±5%
RHである。
【0056】なお、測定器具として下記のものを使用し
た。
【0057】(1)引張り試験機: 東測精密工業
(株)製 引張り試験機 STM−T−100BP(J
IS B 7721に規定する低速伸張形引張り試験
機) (2)圧着装置: 表面がゴムで被覆された2kgの鋼
製のローラが300mm/分で往復駆動されるもの。
【0058】(3)試験板: JIS G 4305に
規定の厚さ2.0mmのSUS304鋼板を幅50m
m、長さ150mmに切断し、その表面をJIS R6
253に規定する280番の耐水研磨紙で長さ方向によ
く磨き、使用にあたり酢酸エチルで清浄にしたもの。
【0059】粘着剤層3は上述の熱硬化型粘着剤からな
る。塗工当初は粘着性であるが、熱処理することにより
硬化して接着強度が増す。
【0060】得られた結果を表3に示す。表3から明ら
かなように、実施例1〜4の粘着テープの場合は、初期
接着力が比較的強く、粘着性があり、加熱後は接着力が
増した。これに対して、比較例の粘着テープでは、初期
接着力が弱く、粘着性が不十分であった。加熱後接着力
も幾分増加するものの接着力としては不十分であった。
【0061】イ)相溶性 次に、相溶性を検討した。相溶性は目視による観察と透
過率の測定とにより評価した。
【0062】透過率の測定に用いた測定装置は、UVI
DEC−610型可視紫外分光光度計(日本分光工業
(株)社製)であり、この測定装置は、フィルタ・グレ
ーティング方式の分光器を用い、可視部用のタングステ
ンランプ(340〜910nm)を切替可能に備え、光
源からの光をモノクロメータで単色光に分光し、セクタ
鏡で2つの光路に分け、一方は測定試料を、もう一方は
溶媒等の対照試料を通過した後、交互に光電子増倍管
(広帯域光電子増倍管R928)に入射するようにし、
入射光を電気信号に変換し、同期整流した後、ディジタ
ル変換してマイクロコンピュータに送り、そこで演算処
理してディジタルデータやスペクトルデータとしてCR
T画面やチャート上に出力するようにしたものである。
光源切替、波長駆動、スリット駆動、フィルタ切替等は
マイクロコンピュータによりコントロールされる。
【0063】上記の測定装置を用いて測定は、次のよう
にして行った。
【0064】1.ガラス板に試料を貼付し、測定器にセ
ットし、透過度を測定して測定値A1を得る。
【0065】2.試料を貼付していないガラス板を測定
器にセットし、透過度を測定して測定値A0を得る。
【0066】3.上記1および2の結果を比較し、次の
式に従って透過率を求める。
【0067】
【数1】 透過率=(1−(A0−A1)/A0)×100 可視光領域全体で透過率を求めるのは実際上困難である
ため、400nm〜800nm間で、50nm間隔で透
過率を求め、平均値を計算して可視光線透過率とする。
【0068】測定結果を表3に示す。表3から明らかな
ように、外観目視観察の結果は、実施例1〜4の粘着テ
ープのいずれも透明であった。一方、可視光線透過率の
測定結果は、実施例1〜4のいずれも高い透過率を示し
た。
【0069】ウ)プローブタック ニチバン(株)製プローブタックテスター(ASTM
D2979−71(77)準拠)を用いてプローブタッ
ク値を求めた。この装置は、ステンレスのプローブ(直
径5mm、表面仕上げAA#400研磨および鏡面)を
使用し、プローブ接触時間1.0秒、引き剥がし速度
1.0cm/秒で、ロードセル(定格3kgf)により
引き剥がす力を測定する。測定精度は0.5%±1 デ
ィジットである。結果はプリンタに出力される。
【0070】得られた結果を表3に示す。表3から明ら
かなように、実施例1〜4の粘着テープはプローブタッ
ク値も良好であった。
【0071】エ)保存安定性 粘着テープを40℃の温度条件下に保存し、90日後に
取り出し、上記ウ)の方法に従ってプローブタックを測
定した。
【0072】○印は変化がないことを表わし、×印は低
下したことを表わす。
【0073】得られた結果を表3に示す。表3から明ら
かなように、実施例1〜4の粘着テープはいずれも保存
安定性に優れている。
【0074】オ)耐候性 粘着テープを鋼板に貼り、サンシャイン・ウェザオメー
ター(スガ試験機社製)にて500時間耐候性試験を行
い、外観を観察した。
【0075】○印は異常がないことを表わし、×印は変
色、テープの剥がれが発生したことを表わす。
【0076】得られた結果を表3に示す。表3から明ら
かなように、実施例1〜4の粘着テープはいずれも耐候
性に優れているが、比較例の粘着テープは耐候性が不十
分である。
【0077】カ)耐水性 粘着テープを鋼板に貼り、23℃の水中に浸漬、500
時間後の外観を観察した。
【0078】○印は、異常がないことを表わし、×印は
水の侵入が観察されたことを表わす。
【0079】得られた結果を表3に示す。表3から明ら
かなように、実施例1〜4の粘着テープはいずれも耐水
性に優れているが、比較例の粘着テープは耐水性が不十
分である。
【0080】以上の結果からわかるように、本発明の粘
着剤組成物および粘着テープは、十分な初期接着力と外
観目視による透明性あるいは可視光線透過率で表される
フェノール樹脂との十分な相溶性を兼ね備え、さらに保
存安定性、耐候性、耐水性のいずれにおいても優れてい
る。
【0081】
【表3】
【0082】
【発明の効果】本発明の粘着剤組成物および粘着テープ
によれば、常温で粘着力を有し、加熱によってさらに硬
化して強い接着力を発現し、長期間にわたり、耐久性、
耐候性、耐水性を有する粘着テープを得ることができ、
例えば構造部材用、鋼板・樹脂等の防食用、表面保護用
などをはじめ、種々の用途に好適に使用することができ
るという効果を奏する。
【0083】また、上述のように、保存安定性に優れ、
常温で粘着力を有し、加熱によってさらに硬化して強い
接着力を発現するので、仮止めすることができ、位置決
めが完了してから熱を加えて硬化させることができるの
で作業効率がよいという作用効果を奏する。
【0084】また、使用時に粘着剤であるが、経時的に
凝集強度が向上するものと異なり、所望の時に短時間で
硬化させることができるので、最終的接着力を発現する
のに時間を要しないとういう作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘着テープを示す断面図である。
【符号の説明】
1 粘着テープ 2 基材 3 粘着剤層 4 剥離層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C09J 133/14 163:00) (72)発明者 野手 俊作 東京都板橋区本町23番23号 リンテック株 式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)エステル基部が脂肪族系または芳香
    族系炭化水素化合物よりなる(メタ)アクリル酸エステ
    ル、 b)エーテル結合を含有する(メタ)アクリル酸エステ
    ルおよび c)官能基含有モノマー からなる(メタ)アクリル系共重合体と、フェノール樹
    脂とからなる粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記成分a),b),c)の配合量比
    が、 a/b/c=0〜94.9/5〜99.9/0.1〜2
    0であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 粘着剤組成物に架橋剤を配合し、基材に
    塗工し、熟成した後の熱硬化型粘着剤層の可視光線透過
    率が20%以上、プローブタック値が50g以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】 アクリル系ポリマーと、フェノール系樹
    脂とを含んでなり、常温で粘着力を有し、加熱すること
    によって硬化反応を生じて接着強度が増すことを特徴と
    する請求項1記載の粘着剤組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤
    組成物を基材の片面または両面に塗工したことを特徴と
    する粘着テープ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001011403A (ja) * 1999-06-25 2001-01-16 Lintec Corp 塗装用粘着テープおよび塗装用粘着テープを用いた塗装方法
US6929856B2 (en) 2002-07-31 2005-08-16 Ube Industries, Ltd. Dicing tape
JP2010065078A (ja) * 2008-09-08 2010-03-25 Nitto Denko Corp 熱硬化型接着剤組成物および熱硬化型接着テープ又はシート、フレキシブル回路基板
WO2010032583A1 (ja) * 2008-09-17 2010-03-25 株式会社 きもと 表面保護フィルム及び積層体

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JPWO2010032583A1 (ja) * 2008-09-17 2012-02-09 株式会社きもと 表面保護フィルム及び積層体
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