JP2010064581A - タイヤ空気圧検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストアップや検査工数の増加を招くことなく消費電力を抑制することができるタイヤ空気圧検出装置を提供すること。
【解決手段】本発明によるタイヤ空気圧検出装置1は、タイヤ空気圧Pを検出するタイヤ空気圧検出手段4と、タイヤ空気圧Pを選択的に含むデータフレームを送信する送信手段6aと、タイヤ空気圧Pが所定空気圧(10kPa)の倍数を跨いで変化する場合に送信の頻度を基準頻度よりも増加する増加手段6bとを備えることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、乗用車、トラック、バス等の車両に適用されて好適なタイヤ空気圧検出装置に関する。
車両を安全に運転させるにあたっては、タイヤとリムとの間に画成される空間の空気圧すなわちタイヤ空気圧と、同じくタイヤとリムとの間に画成される空間の温度すなわちタイヤ内温度を適切な範囲内に保つことが必要となる。このため、タイヤ空気圧及びタイヤ内温度を運転者に表示し、適切な範囲から逸脱する場合には警報を行う、例えば特許文献1に記載されているようなタイヤ空気圧検出装置が提案されている。
特開2000−99869号公報
このようなタイヤ空気圧検出装置においては、タイヤ空気圧を検出するタイヤ空気圧センサと、タイヤ内温度を検出するタイヤ内温度センサと、タイヤ空気圧及びタイヤ内温度を含むデータフレームを送信する送信回路をリムに設けて、送信回路から車体側の受信回路にデータフレームを送信するにあたっての頻度を一定周期としている。
この一定周期は送信回路の電源の消費電力を抑制するためにはなるべく長くすることが好ましいが、一定周期を長めに設定すると、タイヤ空気圧が適切な範囲から逸脱する、例えば適正空気圧の75%を閾値としてこの閾値をタイヤ空気圧が下回った場合に警報を行うにあたり、タイヤ空気圧が閾値を下回るタイミングと送信のタイミングがずれて、警報のタイミングが遅延することが発生する。
このような遅延を防止するために、閾値近傍において送信の頻度を増加させることが考えられるが、適正空気圧がタイヤの種別により大きく異なることに起因して、閾値も比較的広い範囲に分布しており、送信回路毎に閾値を設定することにより送信回路の品番が増加し、コストアップにつながるという問題がある。また、出荷時においてツールなどによりタイヤの種別に応じて閾値を設定することも考えられるが、これも検査工数の増加を招くという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑み、コストアップや検査工数の増加を招くことなく消費電力を抑制することができるタイヤ空気圧検出装置を提供することを目的とする。
上記の問題を解決するため、本発明に係るタイヤ空気圧検出装置は、
タイヤ空気圧を検出するタイヤ空気圧検出手段と、前記タイヤ空気圧を選択的に含むデータフレームを送信する送信手段と、前記タイヤ空気圧が所定空気圧の倍数を跨いで変化する場合に前記送信の頻度を基準頻度よりも増加する増加手段とを備えることを特徴とする。
なお、前記タイヤ空気圧を選択的に含むデータフレームとは、前記タイヤ空気圧を示すデータフィールドを含む通常フォーマットのデータフレームと、前記タイヤ空気圧を示すデータフィールドを含まないショートフォーマットのデータフレームの、双方を示すものとする。
また、ここで前記所定空気圧とは例えば10kPa等の十進法上の区切りとなる空気圧を指す。これは、基準空気圧の例えば75%に警報のための閾値を設定する場合において多くは、一の位の端数を四捨五入、切り上げ、切り捨て等により十の位に丸める手法が用いられること、及び、前記タイヤ空気圧の表示切換の単位となる表示切換値が10kPa毎であることが多いことを鑑みて、前記タイヤ空気圧が前記所定空気圧の倍数を跨いで変化するタイミングにおいて、前記前記増加手段により前記送信の頻度を前記基準頻度よりも増加させるものである。もちろん前記所定空気圧を5kPaもしくは20kPa等の値とすることもできる。
加えて、前記基準頻度とは、前記タイヤ空気圧が前記閾値を下回る場合に警報を行うにあたって、下回ったタイミングからある時間以内に警報を行わなければならないということが法規により定まっており、この法規を遵守可能なように設定される値である。例えばある時間が10分である場合には、前記基準頻度は一時間で6回と設定される。
これによれば、複数の種別のタイヤに対応して設定される警報のための複数の閾値又は前記表示切換値をタイヤ空気圧が通過する場合においてのみ、前記増加手段により前記送信の頻度を基準頻度よりも増加させることができる。これにより、前記送信手段の種別すなわち品番を増加させることを回避することができる。
これとともに、前記送信手段毎に閾値を設定することを回避することができるので、適正空気圧がタイヤの種別により異なり、適正空気圧を基準に設定される前記閾値も比較的広い範囲に分布していることに起因して、前記送信手段毎に前記閾値を設定することにより送信回路の品番の増加を招き、コストアップを招くことをも防止することができる。これに加えて、出荷時においてツールなどによりタイヤの種別に応じて閾値を設定することをも回避することができるので、検査工数の増加を招くことをも防止することができる。
また、前記タイヤ空気圧が前記所定空気圧の倍数を跨いで変化するタイミングにおいては、前記送信の頻度を前記基準頻度よりも増加させることにより、前記タイヤ空気圧が前記所定空気圧の倍数を跨いで変化するタイミングから、前記送信のタイミングが遅延して警報のタイミングが遅延することをも防止することができる。
なお、前記タイヤ空気圧検出装置において、
前記所定空気圧の倍数を所定範囲に限定することが好ましい。
ここで前記所定範囲とは、閾値の下限値と上限値を定めることにより設定されるものであり、例えば対象となる複数の種別のタイヤの適正空気圧が、200〜400kPaの間に分布している場合には、その75%の値すなわち、150〜300kPaと設定することができる。これによれば、警報に係わる閾値を前記タイヤ空気圧が通過する場合のみにおいて、前記送信の頻度を増加させることができるので、前記送信回路の消費電力をなるべく抑制することができる。
ここで、前記タイヤ空気圧検出装置において、
前記増加手段が前記送信の頻度を増加した後第一時間が経過した場合に、前記増加手段が前記送信の頻度の増加を終了することが好ましい。
これによれば、以下に述べるように、前記タイヤ空気圧が前記所定空気圧の倍数を跨いで変化するタイミングにおいてのみ、前記送信の頻度を前記基準頻度よりも増加させることにより、前記タイヤ空気圧を頻繁に送信する必要がないタイミングにおいては前記送信の頻度を前記基準頻度もしくはそれより低い頻度とすることができるので、前記送信手段の消費電力をなるべく抑制することができる。
加えて、前記タイヤ空気圧検出装置において、
前記増加手段が前記送信の頻度の増加を終了した後第二時間が経過するまでの期間に、前記増加手段による前記送信の頻度の増加を禁止する禁止手段を備えることが好ましい。
これによれば、例えば前記タイヤ空気圧が前記閾値近傍を挟んで持続的かつ周期的に変動するような場合においては、頻繁に警報を行うことは必要ではないことを鑑みて、前記送信の頻度の増加から第二時間が経過するまでは再度の前記送信の頻度の増加を禁止して、前記送信の頻度の不必要な増加を回避することができる。
さらに、前記タイヤ空気圧検出装置において、
前記増加手段が前記送信の頻度を増加しない期間において、前記送信の頻度を基準頻度よりも低減する低減手段を備えることが好ましい。
これによれば、前記タイヤ空気圧が前記所定空気圧の倍数を跨いで変化するタイミング以外においては、前記タイヤ空気圧を頻繁に送信する必要がないことを鑑みて、前記送信の頻度を前記基準頻度もしくはそれより低い頻度とすることができるので、前記送信手段の消費電力をなるべく抑制することができる。
加えて、前記タイヤ空気圧検出装置において、
前記低減手段が前記送信の頻度を低減する期間において、前記送信手段が前記タイヤ空気圧を含まないデータフレームを送信することが好ましい。
これによれば、前記送信手段に対応する車両側に設けられる受信手段においては、前記送信手段から前記データフレームを所定期間以上受信しない場合に未受信検出を行いエラーとなってしまうので、前記送信の頻度を低減する期間においては、前記受信手段において未受信検出を行うことを回避するために、前記送信手段が前記データフレームを送信すればよく、前記データフレームが前記タイヤ空気圧を含む必要がないことを鑑みて、前記データフレームが前記タイヤ空気圧を含まないものとすることができる。これによっても、前記送信手段の消費電力をなるべく抑制することができる。
なお、前記未受信検出については、法規により未受信が許容される時間は20分以内と定められており、前記受信手段において未受信検出を行ってしまうことを回避するためには、前記送信手段の送信の頻度は一時間で3回以上とする必要がある。
本発明によれば、品番増加によるコストアップや出荷段階における検査工数の増加を招くことなく、消費電力を抑制することができるタイヤ空気圧検出装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係わるタイヤ空気圧検出装置の一実施形態を示す模式図であり、
タイヤ空気圧検出装置1は、タイヤ側機2と、車載機3とを備えて構成される。また、タイヤ側機2は、タイヤ空気圧検出センサ4、タイヤ内温度検出センサ5、送信回路6、アンテナ7、バッテリ8を備えて構成されており、車両の前後左右四箇所の車輪に設けられる。さらに、車載機3は、アンテナ9、受信回路10、タイヤ状態ECU11、タイヤセレクトスイッチ12、ウォーニングランプ13を備えて構成され、車両の速度計やタコメータが設置されるフロントパネルに設けられている。
タイヤ空気圧検出センサ4は、車輪を構成するタイヤ及びホイールにより画成される空間のいずれかの箇所、例えばホイールにおいて、タイヤをホイールに脱着する際に、脱着作業を容易にするために設けられる広幅の溝状部分であるウェルにネジ機構により螺合して設けられて、タイヤ空気圧Pを検出して検出結果を送信回路6に出力して、タイヤ空気圧検出手段を構成するものである。
タイヤ内温度検出センサ5も、車輪を構成するタイヤ及びホイールにより画成される空間のいずれかの箇所、例えばホイールにおいて、タイヤをホイールに脱着する際に、脱着作業を容易にするために設けられる広幅の溝状部分であるウェルにネジ機構により螺合して設けられて、タイヤ内温度Tを検出して検出結果を送信回路6に出力して、タイヤ内温度検出手段を構成するものである。
送信回路6も、車輪を構成するタイヤ及びホイールにより画成される空間のいずれかの箇所、例えばホイールにおいて、タイヤをホイールに脱着する際に、脱着作業を容易にするために設けられる広幅の溝状部分であるウェルにネジ機構により螺合して設けられて、例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータフレームバスから構成され、バッテリ8からの電源供給に基づき、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが以下に述べる所定の処理を行うものであって、送信手段6aと、増加手段6bと、禁止手段6c、低減手段6dを構成する。
送信回路6の送信手段6aは、周知の変調回路を含んで構成されるものであって、アンテナ7を介して通信用周波数にて、タイヤ空気圧検出センサ4の検出したタイヤ空気圧Pと、タイヤ内温度検出センサ5の検出したタイヤ内温度Tを含み、車輪の前後左右の位置を示すID、送信回路6の正常又は故障を示す状態及びCRC(Cyclic Redundancy Check)を含むデータフレームを車載機3に対して、基準頻度又はそれよりも増加された頻度にて送信する。
同様に、送信手段6aは、タイヤ空気圧検出センサ4の検出したタイヤ空気圧Pと、タイヤ内温度検出センサ5の検出したタイヤ内温度Tを含まないデータフレームを基準頻度よりも低減された頻度にて送信する。なお、CRCとは、後述する受信回路10が正常に受信できたかどうかの判断を行うにあたり用いるものである。
なお、基準頻度とは、前述したようにタイヤ空気圧Pが150〜300kPaに属する10の倍数のいずれかである閾値を下回る場合に警報を行うにあたって、下回ったタイミングからある時間以内に警報を行わなければならないということが法規により定まっていることに基づいて、設定される値である。例えばある時間が10分である場合には、前記基準頻度は一時間で6回と設定される。
送信回路6の増加手段6bは、タイヤ空気圧Pが、を跨いで変化する場合に、送信手段6aの送信の頻度を、基準頻度よりも増加する制御を行う。
さらに、増加手段6bは、送信の頻度を増加した後第一時間αが経過した場合に、送信手段6aの送信の頻度の増加を終了して、基準頻度とする制御も行う。
また、送信回路6の禁止手段6cは、増加手段6bが送信の頻度を増加した後第二時間βが経過するまでの期間に、増加手段6bによる再度の送信の頻度の増加を禁止する制御を行う。
また、送信回路6の低減手段6dは、増加手段6bが送信の頻度を増加しない期間において、送信の頻度を基準頻度よりも低くかつ、受信回路10が未受信検出を行わない値に低減する。低減手段6dが送信の頻度を低減する期間においては、送信手段6aは、タイヤ空気圧P、タイヤ内温度T、車輪の前後左右の位置を含まないデータフレームを送信する。
受信回路10はアンテナ9を介して通信用周波数にてタイヤ側機2から送信された、タイヤ空気圧検出センサ4の検出したタイヤ空気圧P、タイヤ内温度検出センサ5の検出したタイヤ内温度Tを選択的に含み、車輪の前後左右の位置を示すID及びCRCを含むデータフレームを受信するものであり、これも周知の復調回路を含んで構成されるものである。
タイヤ状態ECU11(Electronic Control Unit)は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータフレームバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが以下に述べる所定の処理を行うものである。
ウォーニングランプ13は、車両の速度計やタコメータが設置されるフロントパネルに設けられている。
タイヤ状態ECU11は、受信回路10の受信したタイヤ空気圧P及びタイヤ内温度T及び車輪の前後左右の位置及びCRCを含むデータフレームを受信して記憶して、タイヤセレクトスイッチ12により選択された車輪の前後左右の位置に対応させて、タイヤ空気圧Pが閾値を下回る場合にはウォーニングランプ13を点灯させ、タイヤ内温度Tが上限値を超える場合には同じくウォーニングランプ13を点滅させて警報を行い、図示しないLEDによりタイヤ空気圧Pを10kPa単位で表示する。
以下、本実施例のタイヤ空気圧検出装置1の送信回路6の制御内容についてフローチャートを用いて説明する。図4は、本発明によるタイヤ空気圧検出装置1の送信回路6の制御内容を示すフローチャートである。
S1において、タイヤ空気圧検出センサ4がタイヤ空気圧Pを検出し、タイヤ内温度検出センサ5がタイヤ内温度Tを検出して、送信手段6aはそれぞれの検出結果を受信して計測して、S2にすすむ。
S2において、増加手段6bは、タイヤ空気圧Pが150〜300kPaに属する10の倍数であるかどうかを判定し、肯定である場合にはS3にすすみ、否定である場合にはS1に戻る。
S3において、増加手段6bは、送信の頻度を基準頻度(例えば1時間に6回)よりも増加(例えば3倍で一時間に18回)させて、S4にすすむ。S4において、S3の処理から第一時間αが経過したかどうかを判定し、肯定である場合にはS5にすすみ、否定であればS4に戻る。
S5において、増加手段6bは、送信の頻度の増加を終了し、S6にすすむ。S6において、禁止手段6cは、増加手段6bによる送信の頻度の増加を禁止して、S7にすすむ。
S7において、低減手段6dは送信の頻度を基準頻度(1時間に6回)よりも低減(例えば1/2倍で1時間に3回)させて、S8にすすむ。
S8において、送信手段6aはデータフレームからタイヤ空気圧P、タイヤ内温度T及び車輪の前後左右の位置を削除して、これらのデータを含まないデータフレームを送信して、S9にすすみ、禁止手段6cはS5の処理から第二時間βが経過したかどうかを判定し、肯定である場合には制御を終了し、否定である場合にはS6に戻る。
なお、上述したS1からS9までの処理は所定の周期にて連続的に実行される。以上述べた本実施例のタイヤ空気圧検出装置1によれば、以下のような作用効果を得ることができる。以下その作用効果について図を用いて説明する。図5〜8は本発明に係わるタイヤ空気圧検出装置の作用効果を示す模式図である。
つまり本実施例のタイヤ空気圧検出装置1においては、タイヤ空気圧Pの下降又は上昇により、閾値や表示切換値に設定される可能性の高い10の倍数をタイヤ空気圧Pが通過する場合には、図5(a)に示すように、送信の頻度を一定の基準頻度にすることに換えて、図5(b)(c)に示すように、送信の頻度を増加させる。なお、図5(b)はタイヤ空気圧Pの上昇時を、図5(c)はタイヤ空気圧Pの下降時を示す。
これによれば、対象となる複数の種別のタイヤに対応して設定される警報のための複数の閾値又は表示切換値、ここでは150〜300kPaに属する10の倍数をタイヤ空気圧Pが通過する場合においてのみ、増加手段6bにより、送信手段6aの送信の頻度を基準頻度よりも増加させることができる。これにより、送信手段6aを含む送信回路6の種別すなわち品番を増加させることを回避することができる。
これらのことにより、送信手段6a毎に閾値を設定することを回避することができるので、適正空気圧が対象となるタイヤの種別により異なり、適正空気圧を基準に設定される閾値も比較的広い範囲に分布していることに起因して、送信手段6a毎に閾値を設定することにより送信回路6の品番の増加を招くことを防止することができる。つまり、品番の増加によるコストアップを招くことをも防止することができる。また、出荷時においてツールなどによりタイヤの種別に応じて送信回路6毎の閾値を設定することをも回避することができるので、検査工数の増加を招くことをも防止することができる。
また、タイヤ空気圧Pが10の倍数を跨いで変化するタイミングにおいては、送信の頻度を基準頻度よりも増加させることにより、タイヤ空気圧Pが10の倍数を跨いで変化するタイミングから、送信手段6aによるデータフレームの送信のタイミングが遅延してウォーニングランプ13による警報のタイミングが遅延することをも防止することができる。
なお、本実施例のタイヤ空気圧検出装置1においては、所定空気圧ここでは10の倍数を対象となるタイヤの閾値が分布する所定範囲に限定している。上述したように、対象となる複数の種別のタイヤの適正空気圧が、200〜400kPaの間に分布しているので、その75%の値すなわち、150〜300kPaと設定している。これにより、警報に用いられる閾値をタイヤ空気圧Pが通過する場合のみにおいて、送信の頻度を増加させることができるので、送信回路6の消費電力をなるべく抑制することができる。
加えて、本実施例のタイヤ空気圧検出装置1においては、増加手段6bが送信の頻度を増加した後第一時間αが経過した場合に、増加手段6bが前記送信の頻度の増加を終了することとしている。
例えばタイヤ空気圧Pが図6に示すような挙動つまりは変化を行った場合には、180kPaを通過して第一時間αを経過するまでは、送信の頻度を増加手段6bにより増加させ、第一時間αが経過した後さらに第二時間βが経過するまでは、禁止手段6cにより増加手段6bによる送信の頻度の増加を禁止して、第二時間βが経過した後は、基準頻度よりも頻度を低下させる。
すなわち、図6に示す180〜170kPaの間のハッチングの領域と、170〜160kPaの間のハッチングの領域においては、イベント(警報、警報解除、圧力表示変化)が発生しないので、送信手段6aにより積極的にタイヤ空気圧Pを含むデータフレームを送信する必要がなく、イベントが発生する可能性の高い切りの良い値、すなわち、10の倍数をタイヤ空気圧Pが通過する場合にのみ、送信の頻度をアップつまり増加させる。
これらのことにより、タイヤ空気圧Pが10の倍数を跨いで変化するタイミングにおいてのみ、増加手段6bが送信の頻度を基準頻度よりも増加させることにより、タイヤ空気圧Pを頻繁に送信する必要がないタイミングにおいては送信の頻度を基準頻度より低い頻度とすることができるので、送信手段6aを含む送信回路6の消費電力をなるべく抑制することができる。
加えて、本実施例のタイヤ空気圧検出装置1においては、タイヤ空気圧Pが図7に示すような挙動を行うことを想定して、増加手段6bが送信の頻度の増加を終了した後第二時間βが経過するまでの期間に、禁止手段6cが増加手段6bによる送信の頻度の増加を禁止している。
これによれば、図7に示すようにタイヤ空気圧Pがある種別のタイヤの閾値である170kPa閾値近傍を挟んで持続的かつ周期的に変動して、下降して通過することと上昇して通過することを繰り返すような場合においては、ウォーニングランプ13により頻繁に警報を行うことは必要ではないことを考慮して、送信の頻度の増加から第二時間βが経過するまでは再度の送信の頻度の増加を禁止することができ、これにより、送信の頻度の不必要な増加を回避することができる。
さらに、本実施例のタイヤ空気圧検出装置1においては、増加手段6bが送信の頻度を増加しない期間つまりは図8に示すα以外の期間において、低減手段6dが送信の頻度を基準頻度よりも低減している。
これにより、タイヤ空気圧Pが10の倍数を跨いで変化するタイミング以外においては、タイヤ空気圧Pを含むデータフレームを頻繁に送信する必要がないことを考慮して、送信の頻度をより低い頻度とすることができるので、これによっても、送信手段6aを含む送信回路6の消費電力をなるべく抑制することができる。
加えて、本実施例のタイヤ空気圧検出装置1においては、低減手段6dが送信の頻度を低減する期間において、送信手段6aが図8に示す通常フォーマットのデータフレームからタイヤ空気圧P及びタイヤ内温度Tを削除して、タイヤ空気圧P及びタイヤ内温度Tを含まない図8に示すようなショートフォーマットのデータフレームを作成して送信することとしている。
これによれば、送信手段6aに対応して車両側に設けられる受信手段を構成する受信回路10においては、送信手段6aからデータフレームを所定期間以上受信しない場合に未受信検出を行いエラーとなってしまうことに起因して、送信の頻度を低減する期間においては、受信回路10において未受信検出を行うことを回避するために、送信手段6aがデータフレームを送信すれば必要十分であることを考慮して、送信するデータフレームを必要最低限のデータフィールドを含むものとすることができる。
すなわち、送信の頻度を低減する期間においては、データフレームがタイヤ空気圧P及びタイヤ内温度Tを含む必要がないことから、データフレームをタイヤ空気圧P及びタイヤ内温度Tを含まないものとすることができる。これによっても、送信手段6aを含む送信回路6の消費電力をなるべく抑制することができる。
また、上述したように送信回路6の消費電力を抑制することによりバッテリ8の一回の交換又は充電あたりの使用可能時間をなるべく長くすることができ、バッテリ8の交換又は充電頻度を低減して、タイヤ空気圧検出装置1全体としてのメンテナンスの頻度を低下させて、ランニングコストの低減を図ることもできる。
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形および置換を加えることができる。
例えば、上述した実施例においては、送信回路6の送信手段6aがタイヤ内温度Tをタイヤ空気圧Pのデータフレームに加えて車載機3に送信したが、タイヤ空気圧Pのみを含むデータフレームを送信して、車載機3側においては、ウォーニングランプ13のみを備えて、タイヤ空気圧Pのみに基づいての警報を行っても良い。
本発明は、運転者にタイヤ空気圧を表示するタイヤ空気圧検出装置に関するものであり、比較的軽微な変更により、品番増加によるコストアップや出荷段階における検査工数の増加を招くことなく、消費電力を抑制することができるという所望の効果を得ることができるので、乗用車、トラック、バス等の様々な車両に用いられるタイヤ空気圧検出装置に適用して有益なものである。
本発明に係るタイヤ空気圧検出装置の一実施形態を示すブロック図である。 本発明に係るタイヤ空気圧検出装置の一実施形態を示すブロック図である。 本発明に係るタイヤ空気圧検出装置の一実施形態を示すブロック図である。 本発明に係るタイヤ空気圧検出装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。 本発明に係るタイヤ空気圧検出装置の一実施形態における作用効果を示す模式図である。 本発明に係るタイヤ空気圧検出装置の一実施形態における作用効果を示す模式図である。 本発明に係るタイヤ空気圧検出装置の一実施形態における作用効果を示す模式図である。 本発明に係るタイヤ空気圧検出装置の一実施形態における作用効果を示す模式図である。
符号の説明
1 タイヤ空気圧検出装置
2 タイヤ側機
3 車載機
4 タイヤ空気圧検出センサ(タイヤ空気圧検出手段)
5 タイヤ内温度検出センサ
6 送信回路
6a 送信手段
6b 増加手段
6c 禁止手段
6d 低減手段
7 アンテナ
8 バッテリ
9 アンテナ
10 受信回路
11 タイヤ状態ECU
12 タイヤセレクトスイッチ
13 ウォーニングランプ

Claims (6)

  1. タイヤ空気圧を検出するタイヤ空気圧検出手段と、前記タイヤ空気圧を選択的に含むデータフレームを送信する送信手段と、前記タイヤ空気圧が所定空気圧の倍数を跨いで変化する場合に前記送信の頻度を基準頻度よりも増加する増加手段とを備えることを特徴とするタイヤ空気圧検出装置。
  2. 前記所定空気圧の倍数を所定範囲に限定することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧検出装置。
  3. 前記増加手段が前記送信の頻度を増加した後第一時間が経過した場合に、前記増加手段が前記送信の頻度の増加を終了することを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ空気圧検出装置。
  4. 前記増加手段が前記送信の頻度の増加を終了した後第二時間が経過するまでの期間に、前記増加手段による前記送信の頻度の増加を禁止する禁止手段を備えることを特徴とする請求項3に記載のタイヤ空気圧検出装置。
  5. 前記増加手段が前記送信の頻度を増加しない期間において、前記送信の頻度を基準頻度よりも低減する低減手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧検出装置。
  6. 前記低減手段が前記送信の頻度を低減する期間において、前記送信手段が前記タイヤ空気圧を含まないデータフレームを送信することを特徴とする請求項5に記載のタイヤ空気圧検出装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012051429A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Pacific Ind Co Ltd タイヤセンサ及びタイヤ状態監視装置
EP2644411A1 (en) * 2012-03-30 2013-10-02 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd Apparatus for monitoring tire conditions and method thereof
JP2014191697A (ja) * 2013-03-28 2014-10-06 Advics Co Ltd 車載電子制御装置
JP2015189460A (ja) * 2014-03-31 2015-11-02 太平洋工業株式会社 空気圧検出装置及びタイヤ状態監視装置

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