JP2010064142A - 鍛造工具の設計方法及び鍛造工具 - Google Patents

鍛造工具の設計方法及び鍛造工具 Download PDF

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Abstract

【課題】安価で簡易な構成で、パンチの破壊を抑制し、長時間の連続使用を可能とした鍛造工具を提供する。
【解決手段】鍛造工具は、鍛造にて成形される鍛造品の成形穴を有するダイス10と、
ダイス10に対向して配置されるパンチ30と、を備え、ダイス10の成形穴に鍛造品の素材40を配置し、パンチ30のパンチ押圧部30aにより素材40を押圧して鍛造品を
成形するにあたり、パンチ30の内部に、パンチ押圧部30aの弾性変形を積極的に促進
し、たわますことで鍛造時の衝撃による応力を分散・吸収させる空間部50を形成した。
【選択図】図1

Description

この発明は、鍛造する際に用いられる鍛造工具に関する。
従来より、ねじ、ボルト等の締結部品は、パンチ(上型)とダイス(下型)と呼ばれる工具を用いて鍛造されている。パンチには、圧縮、引張、せん断などの応力が反復作用し、時にはこれらの応力が衝撃的に加わることがある。加えて、部品の形状・寸法精度に対する要求が年々厳しくなり、また高張力鋼等の特殊素材の採用も増えていることから、リスクの高い成形条件を余儀なくされ、疲労破壊により工具寿命が低下するという問題があった。
そこで、このような問題に対処した従来技術を検討した結果、表面コーティングにより工具表面に硬質層を形成する方法(特許文献1,2)、また、特殊な熱処理により工具寿命を向上させる方法(特許文献3,4)を見出すことができた。
ところが、いずれの方法においても、工具表面硬度の向上を目的としており、通常の工具製作に加えて特殊処理を施す必要があり、工具製造コストが高騰するという不都合があった。
また、上記以外に、応力集中部を予め分割する方法(特許文献5,6)がある。しかし、これらの技術も、工具数が複数となり、工具製造コストが高騰するという不都合があった。
特開2003−112229 特開2000−054108 特開平08−300066 特開平07−173572 特開2006−26709 特開2000−627
工具寿命が低下すると、パンチ等の部品を頻繁に交換せざるを得ず、交換部品にかかるコストの上昇を招き、また鍛造機の連続運転ができなくなり、生産効率が低下する原因にもなっていた。
この発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、安価で簡易な構成で、パンチの破壊を抑制し、長時間の連続使用を可能とした鍛造工具を提供することを目的とする。
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
請求項1に記載の発明は、鍛造にて成形される鍛造品の成形穴を有するダイスと、
前記ダイスに対向して配置されるパンチと
を備え、
前記ダイスの成形穴に鍛造品の素材を配置し、
前記パンチのパンチ押圧部により前記素材を押圧して前記鍛造品を成形するにあたり、
前記パンチの内部に、前記パンチ押圧部の弾性変形を積極的に促進し、たわますことで鍛造時の衝撃による応力を分散・吸収させる空間部を形成したことを特徴とする鍛造工具である。
請求項2に記載の発明は、前記空間部は、円柱形の穴であり、押圧方向に対する前記穴の底の位置が、鍛造時の衝撃応力が到達する領域以内までとすることを特徴とする請求項1に記載の鍛造工具である。
請求項3に記載の発明は、前記パンチ押圧部の前記素材との接触面から前記円柱形の穴の底までの距離が、鍛造時の衝撃で圧壊しない剛性を持つことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鍛造工具である。
請求項4に記載の発明は、前記空間部の押圧方向に対して直交方向の断面積は、前記素材の押圧方向に対して直交方向の断面積より大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鍛造工具である。
請求項5に記載の発明は、前記パンチは、前記円柱形の穴を有する一体の部材で前記空間部を形成し、
前記穴の底の形状が、
隅が角又は曲面か、
中央が平面又は曲面か、
隅が角又は曲面と、中央が平面又は曲面との組み合わせか、
の何れかであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の鍛造工具である。
請求項6に記載の発明は、前記パンチは、円筒部材の端部に蓋部材を固定し、
前記円筒部材と前記蓋部材との別体の部材で前記円柱形の穴の空間部を形成し、
前記蓋部材により前記パンチ押圧部を構成し、
前記穴の底の形状が、
隅が角又は曲面か、
中央が平面又は曲面か、
隅が角又は曲面と、中央が平面又は曲面との組み合わせか、
の何れかであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の鍛造工具である。
請求項7に記載の発明は、前記鍛造時の衝撃による応力が到達する領域を、数値解析あるいは塑性加工用のモデル材料を用いたモデル実験により定量化することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鍛造工具である。
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
この発明では、鍛造品を成形する際に、パンチの内部に形成した空間部によってパンチ押圧部の弾性変形を積極的に促進し、たわますことで鍛造時の衝撃による応力を分散・吸収させることでパンチの破壊を抑制することができ耐久性が向上するため、長時間の連続使用が可能となる。
主成形における冷間圧造前の冷間圧造工具の組図を示す図である。 主成形における冷間圧造後の冷間圧造工具の組図を示す図である。 圧造品を示し、図3(a)は平面図、図3(b)は正面図である。 冷間圧造による予備成形時の有限要素法解析モデルを示す図である。 冷間圧造による主成形時の有限要素法解析モデルを示す図である。 主成形のパンチの加工荷重とストロークとの関係を示す図である。 主成形の空間を設けない場合の解析結果を示す図である。 この発明の解析条件を説明する図である。 解析結果であり、図8(c)の円柱形の空間部である穴の底厚と内径を変化させたときの加工荷重の変化を示す図である。 穴空間部が内径3mmのときに、底厚を変化させた場合の部位ごとの応力分布の変化を示す図である。 穴空間部が内径6mmのときに、底厚を変化させた場合の部位ごとの応力分布の変化を示す図である。 穴空間部が内径9mmのときに、底厚を変化させた場合の部位ごとの応力分布の変化を示す図である。 A点について、空間部の内径と底厚を変化させた場合の応力分布の変化を示す図である。 B点について、空間部の内径と底厚を変化させた場合の応力分布の変化を示す図である。 C点について、空間部の内径と底厚を変化させた場合の応力分布の変化を示す図である。 パンチは、円柱形の穴を有する一体の部材で空間部を形成し、穴の底の形状を変えた実施の形態の解析条件を示す図である。 パンチは、円筒部材と蓋部材との別体の部材で円柱形の穴の空間部を形成し、穴の底の形状を変えた実施の形態の解析条件を示す図である。 穴の底の形状を変えた実施の形態の解析条件について解析結果を示す図である。
以下、この発明の鍛造工具の実施の形態について説明する。この実施の形態はねじの冷間圧造工具であり、この発明の好ましい形態を示すものであるが、この発明はこれに限定されない。
この発明の実施の形態を、図1から図3に基づいて説明する。ねじの冷間圧造は、素材から中間形状を成形する予備成形と、十字穴を持つ頭部を成形する主成形の2工程からなる。図1は主成形の冷間圧造前の冷間圧造工具の組図を示す図、図2は冷間圧造後の冷間圧造工具の組図を示す図、図3は圧造品を示し、図3(a)は平面図、図3(b)は正面図である。
この冷間圧造工具1は、冷間圧造にて成形される圧造品の成形穴10aを有するダイス10と、このダイス10に対向して配置されるホルダ20と、このホルダ20に摺動可能に設けられたパンチ30を備えている。ダイス10の頭部下の成形穴10aに圧造品の素材40を配置する。成形穴10aは、十字穴付ねじを成形する形状である。ホルダ20の摺動孔20aには、パンチ30が摺動可能に設けられている。
パンチ30を摺動してパンチ押圧部30aにより素材40を押圧して圧造品41を成形する。パンチ押圧部30aの先端面30a1を、周縁30a2よりも軸心で突出する形状にしている。すなわち、この実施の形態では、先端面30a1を十字状に突出させ、十字穴付ねじの十字穴を成形する。
素材40は、棒状部材を所定長さに切断したものである。圧造品41は、図3に示すように、ねじ転造される前のねじ部品であり、ねじ転造される軸部41aと、頭部41bとを有する。パンチ押圧部30aの先端面30a1を、周縁30a2よりも軸心で十字状に突出する形状にすることで、頭部41bに十字穴41b1が形成される。
パンチ30の内部には、冷間圧造の際に、パンチ押圧部30aの弾性変形を積極的に促進し、たわますことで鍛造時の衝撃による応力を分散・吸収させる空間部50が形成されている。空間部50は、円柱型の穴であり、押圧方向において、穴の底の位置が鍛造時の衝撃による応力が到達する領域内であり、鍛造時に圧壊しない位置に形成されている。また、空間部50の押圧方向に対して直交方向の断面積S1は、素材40の押圧方向に対して直交方向の断面積S2より大きく形成されている。この空間部50を形成する円柱型の穴は、底の形状が、穴の軸心に対して直交する平面で、隅が角である。
この冷間圧造工具1では、図1に示すように、ダイス10の成形穴10aに圧造品41の素材40を配置する。そして、図2に示すように、パンチ30を摺動してパンチ押圧部30aにより素材40を押圧し塑性加工し、十字穴41b1を有する圧造品41を冷間圧造する。この圧造品41を成形する際に、パンチ押圧部30aの内部に形成した空間部50によってパンチ押圧部30aの弾性変形を積極的に促進し、たわますことで、パンチ押圧部30aにかかる鍛造時の衝撃による応力を分散・吸収させることができる。したがって、パンチ押圧部30aに生じる破壊を抑制することができ耐久性が向上するため、パンチ30、ダイス10、ホルダ20の長時間の連続使用が可能となる。
次に、パンチ内部に空間を設ける効果について、図4から図15の有限要素法による数値解析例に基づいて説明する。有限要素法による圧造の解析は、図4の予備成形の解析モデルと、図5の主成形の解析モデルとの連続工程とし、予備成形解析で得られた結果を主成形解析の素材データとすることで、精度の高い解析を行った。
図4は予備成形の解析モデルを示し、ダイスに素材を配置し、ホルダ内を摺動するパンチで素材を押圧する解析を実施した。パンチは、弾性体とし、解析のために30,000要素に分割した。このパンチは、超硬合金であり、ヤング率540000MPa、ポアソン比0.22である。素材は、剛塑性体とし、解析のために20,000要素に分割した。
図5は主成形解析モデルを示し、ラムによってパンチを押し、パンチによって図4の成形品である素材を押圧する。この主成形を対象とした圧造解析では、図4の予備成形の解析における素材の加工硬化の影響を考慮している。パンチは解析のために30,000要素に分割した。なお、パンチは、空間を設けない従来型のものを用いた。
図6は主成形のパンチの加工荷重とストロークとの関係を示す図であり、解析と実際の現象とを比較して示すものである。横軸にパンチのストロークを、縦軸にパンチの加工荷重を示しており、主成形の解析によるパンチの加工荷重とストロークとの関係と、実際の測定値によるパンチの加工荷重とストロークとの関係は、ほぼ同様の結果を得た。これによって、解析の信頼性が裏付けられた。
図7は主成形の解析結果を示し、図7(a)は解析終了時の形成状態を示し、図7(b)はパンチの応力分布を示す縦断面図である。図7(c)と図7(d)は、パンチ押圧部付近の応力分布の拡大縦断面図である。A点、B点、C点は応力集中箇所を示す。図7(a)よりパンチ押圧部の周縁よりも軸心で十字状に突出する先端面によって圧造品に十字穴が成形されている。解析によるパンチの応力は、図7(b)に示すように、応力レンジ0.000〜1000(MPa)とし、図に示す8段階に分け表示している。すなわち、パンチ押圧部の応力は、十字状に突出する先端面に対応する部分から円弧状に応力が分布し、十字状に突出する先端面に対応する部分が、8段階目の876〜1000(MPa)であり、応力が最も大きくなっている。この応力が最も大きくなっている部分において、パンチ押圧部に非常に大きな面圧が生じ、パンチ押圧部における破壊の要因となる。
次に、図8は、この発明の解析条件を説明する図である。図8(a)はパンチのパンチ押圧部を示す斜視図、図8(b)はパンチ押圧部を示す拡大斜視図、図8(c)は空間を形成する円柱型の穴の内径と底位置を示す縦断面図であり、図のDとHの交点が穴の内径と底の位置を示すものとし、全18条件を解析した。この発明の実施例では、パンチ押圧部の先端面を、周縁よりも軸心で突出する形状にし、この実施の形態で、パンチを摺動してパンチ押圧部により素材を押圧して圧造品を成形する際に、図9から図15に示すように、パンチの内部に空間を設けることで衝撃による応力を分散・吸収することができた。パンチ押圧部の十字状に突出する先端面において、応力が集中する部分を、図8(b)にA点、B点、C点で示した。
図9は解析結果であり、図8(c)の円柱形の空間部である穴の底厚と、内径を変化させたときの加工荷重の変化との関係を示す図である。パンチは、長さ10mmで、内径12mmの円柱形のものを用い、空間部は円柱形の穴で形成した。空間部を形成しない場合の加工荷重を点線で示している。四角印は、内径3mmでパンチの先端部から底厚Hを変化させた空間部の場合についての加工荷重を示し、丸印は、内径6mmでパンチの先端部から底厚Hを変化させた空間部の場合についての加工荷重を示し、三角印は、内径9mmでパンチの先端部から底厚Hを変化させた空間部の場合についての加工荷重を示す。内径3mmの空間部D3では、パンチの先端部から3〜4mm程度の底厚Hにしたときが、加工荷重が最も小さくなり、パンチの先端部から1mmの底厚Hにするに従い、または8mmの底厚にするに従い加工荷重が大きくなる傾向の結果を得た。内径6mmの空間部D6では、パンチの先端部から4mm程度の底厚Hにしたときが、加工荷重が最も大きくなり、パンチの先端部から1mmの底厚Hにするに従い、または8mmの底厚Hにするに従い加工荷重が小さくなる傾向の結果を得た。内径9mmの空間部D9では、パンチの先端部から3mm程度の底厚Hにしたときが、加工荷重が最も小さくなり、パンチの先端部から1mmの底厚Hにするに従い、または8mmの底厚Hにするに従い加工荷重が大きくなる傾向の結果を得た。内径6mmの空間部D6の加工荷重より、内径3mmの空間部D3の加工荷重が小さく、内径3mmの空間部D3の加工荷重より、内径9mmの空間部D9の加工荷重が小さくなる傾向であった。特に、内径9mmの空間部D9の加工荷重は、空間を設けない従来のパンチより板圧のほぼ全領域で加工荷重が低下している。
図10から図12は、空間部の内径と底厚を変化させて応力分布の変化を得たものである。図10では、内径3mmの空間部D3において、底厚Hを変化させて応力分布を得たところ、底厚Hが1mm、2mm、3mmにおいて、C点の応力が974、1270、1270(MPa)となり、図7の空間を設けない時のC点の応力より小さくなった。図11では、内径6mmの空間部D6において、底厚Hを変化させて応力分布を得たところ、底厚Hが1mm、2mm、3mmにおいて、C点の応力が1330、1050、1240(MPa)となり、図7の空間を設けない時のC点の応力より小さくなった。図12では、内径9mmの空間部D9において、底厚Hを変化させて応力分布を得たところ、底厚Hが2mmにおいて、A点の応力が775(MPa)、B点の応力が894(MPa)、C点の応力が707(MPa)となり、3mmにおいて、A点の応力が638(MPa)、C点の応力が1010(MPa)となり、4mmにおいて、A点の応力が785(MPa)、C点の応力が1170(MPa)となり、6mmにおいて、A点の応力が875(MPa)、C点の応力が1360(MPa)となり、8mmにおいて、C点の応力が1280(MPa)となり、図7の空間を設けない時の対応する点の応力より小さくなった。
図13から図15は、A点、B点、C点について、空間部の内径と底厚を変化させて応力分布の変化を得たものである。図13では、A点について、円柱形の空間の内径を3mm、6mm、9mmとして底厚Hを変化させたものである。内径3mmでは、底厚Hが3mm程度である場合が、図7の対応するA点の空間を設けない時の応力より小さくなった。内径6mmでは、底厚Hを変化させても、図7の対応するA点の空間を設けない時の応力より小さくなった。内径9mmでは、底厚Hが2mm〜6mm程度である場合が、図7の対応するA点の空間を設けない時の応力より小さくなった。
図14では、B点について、円柱形の空間の内径を3mm、6mm、9mmとして底厚Hを変化させたものである。内径3mmでは、底厚Hを変化させても、図7の対応するB点の空間を設けない時の応力より小さくなることがなかった。内径6mmでも、底厚Hを変化させても、図7の対応するB点の空間を設けない時の応力より小さくなることがなかった。内径9mmでは、底厚Hが2mm程度である場合が、図7の対応するB点の空間を設けない時の応力より小さくなった。
図15では、C点について、円柱形の空間の内径を3mm、6mm、9mmとして底厚Hを変化させたものである。内径3mmでは、底厚Hが1mm〜3mm程度である場合が、図7の対応するC点の応力より小さくなった。内径6mmでは、底厚Hが1mm〜3mm程度である場合が、図7の対応するC点の空間を設けない時の応力より小さくなった。内径9mmでは、底厚Hが2mm〜8mm程度である場合が、図7の対応するC点の空間を設けない時の応力より小さくなった。
このように、解析により圧造品を成形する際に、パンチの内部に形成した空間部によってパンチ押圧部の弾性変形を積極的に促進し、たわますことで鍛造時の衝撃による応力を吸収・分散し、加工荷重あるいは応力が低下することが証明できた。解析では、A点、B点、C点の全てにおいて内径9mm、底圧2mmの時に応力が従来型よりも低減されることがわかった。
図1乃至図15の実施の形態では、パンチは、円柱形の穴を有する一体の部材で空間部を形成しており、パンチを一体の部材で形成することで安価に製作することができる。穴の底の形状は、隅が角で中央が平面であるが、穴の底の形状は、図16に示すように形成することができる。図16において、解析番号1は比較例であり、ワイヤーカット等で線状の穴を開けたものであり、穴の形状はスリット状である。解析番号2乃至8が実施の形態を示し、図1乃至図15の実施の形態の解析で最も効果があった外径12mmのパンチに内径9mmの空間部D9を形成し、パンチの先端部から2mm程度の底厚Hにしたものを基準にし、穴の底の形状を変化させた。
解析番号2は穴の底の形状が、中央が平面で隅が角であり、解析番号3は中央が平面で隅が凹み状の曲面であり、解析番号4は中央が平面で隅が凸状の曲面である。また、解析番号5は中央が軸心を頂点とする凸状の曲面で隅が角であり、解析番号6は中央が軸心を頂点とする凸状の曲面で隅が凹み状の曲面である。また、解析番号7は中央が軸心を頂点とする凹み状の曲面で隅が角であり、解析番号6は中央が軸心を頂点とする凹み状の曲面で隅が凹み状の曲面である。また、パンチの穴の底の形状が、中央が軸心を頂点とする凸状の曲面で隅が凸状の曲面でもよく、中央が軸心を頂点とする凹み状の曲面で隅が凸状の曲面でもよい。
また、パンチは、図17に示すように、円筒部材の端部に蓋部材を固定し、円筒部材と蓋部材との別体の部材で円柱形の穴の空間部を形成し、蓋部材によりパンチ押圧部を構成し、鍛造品の素材に応じて蓋部材の強度を変えることができる。図17において、解析番号9は円筒部材の端部に、端部に上位置の段部を有する蓋部材を固定したもので、穴の底の形状が中央が平面で、隅が角である。解析番号10は円筒部材の端部に、端部に中位置の段部を有する蓋部材を固定したもので、穴の底の形状が中央が平面で、隅が角である。解析番号11は円筒部材の端部に、端部に下位置の段部を有する蓋部材を固定したもので、穴の底の形状が中央が平面で、隅が角である。この実施の形態で、穴の底の形状は、中央が軸心を頂点とする凸状の曲面でも良く、軸心を頂点とする凹み状の曲面でも良い。また、穴の底の形状は、隅が凹み状の曲面でも良く、凸状の曲面でも良い。
解析番号12は円筒部材の端部に、小径のチップ状の蓋部材を固定したもので、穴の底の形状が中央が平面で、隅が角である。解析番号13は円筒部材の端部に、大径のチップ状の蓋部材を固定したもので、穴の底の形状が中央が平面で、隅が角である。この実施の形態で、穴の底の形状は、中央が軸心を頂点とする凸状の曲面でも良く、軸心を頂点とする凹み状の曲面でも良い。また、穴の底の形状は、隅が凹み状の曲面でも良く、凸状の曲面でも良い。
図16及び図17において示した解析番号1乃至13と、従来の穴がないパンチについて、最終の加工段階における解析結果を図18に示す。図18において、応力分布と、図1乃至図15の実施の形態で示したA点、B点での応力を示す。解析結果では、比較例の解析番号1は、応力分布が非対称となり、かつA点と、B点の応力が共に大きく、加工荷重も大きかった。また、従来の穴がないパンチでもA点と、B点の応力が共に大きかった。
この実施の形態では、解析番号2と、解析番号5のA点と、B点の応力、加工荷重の値が、比較例の解析番号1と従来パンチのA点と、B点の応力、加工荷重の値より共に小さく、良好な結果となっている。また、解析番号3と、解析番号6は、A点と、B点の応力が値が、従来パンチのA点と、B点の応力の値より共に小さくい。また、解析番号4,11のB点の応力、加工荷重の値が、比較例の解析番号1と従来パンチのB点の応力、加工荷重の値より共に小さく、良好な結果となっている。また、解析番号7乃至10,12,13のB点の応力の値が、比較例の解析番号1と従来パンチのB点の応力の値より共に小さく、良好な結果となっている。これは,応力分布からも衝撃吸収効果(応力集中が緩和され,分散している)が裏付けられている。
また、特に、十字穴付ねじの十字穴を成形する際に、パンチ押圧部の先端面に集中する衝撃による応力を分散させて低下することができる。この解析では、圧造品を成形する例として、十字穴付ねじの十字穴を成形する場合について説明したが、これに限定されず種々の鍛造品を成形する例についても同様な解析で証明することができる。
この発明は、鍛造品を鍛造する際に用いられる鍛造工具に適用可能であり、安価で簡易な構成で、パンチの疲労回復を抑制し、長時間の連続使用を可能とする。
1 冷間圧造工具
10 ダイス
10a 圧造品の成形穴
20 ホルダ
20a 摺動孔
30 パンチ
30a パンチ押圧部
30a1 パンチ押圧部30aの先端面
30a2 パンチ押圧部30aの周縁
40 圧造品の素材
41 圧造品
41a 軸部
41b 頭部
50 空間部
S1 空間部50の押圧方向に対して直交方向の断面積
S2 素材40の押圧方向に対して直交方向の断面積



Claims (7)

  1. 鍛造にて成形される鍛造品の成形穴を有するダイスと、
    前記ダイスに対向して配置されるパンチと、
    を備え、
    前記ダイスの成形穴に鍛造品の素材を配置し、
    前記パンチのパンチ押圧部により前記素材を押圧して前記鍛造品を成形するにあたり、 前記パンチの内部に、前記パンチ押圧部の弾性変形を積極的に促進し、たわますことで鍛造時の衝撃による応力を分散・吸収させる空間部を形成したことを特徴とする鍛造工具。
  2. 前記空間部は、円柱形の穴であり、押圧方向に対する前記穴の底の位置が、鍛造時の衝撃応力が到達する領域以内までとすることを特徴とする請求項1に記載の鍛造工具。
  3. 前記パンチ押圧部の前記素材との接触面から前記円柱形の穴の底までの距離が、鍛造時の衝撃で圧壊しない剛性を持つことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鍛造工具。
  4. 前記空間部の押圧方向に対して直交方向の断面積は、前記素材の押圧方向に対して直交方向の断面積より大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鍛造工具。
  5. 前記パンチは、前記円柱形の穴を有する一体の部材で前記空間部を形成し、
    前記穴の底の形状が、
    隅が角又は曲面か、
    中央が平面又は曲面か、
    隅が角又は曲面と、中央が平面又は曲面との組み合わせか、
    の何れかであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の鍛造工具。
  6. 前記パンチは、円筒部材の端部に蓋部材を固定し、
    前記円筒部材と前記蓋部材との別体の部材で前記円柱形の穴の空間部を形成し、
    前記蓋部材により前記パンチ押圧部を構成し、
    前記穴の底の形状が、
    隅が角又は曲面か、
    中央が平面又は曲面か、
    隅が角又は曲面と、中央が平面又は曲面との組み合わせか、
    の何れかであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の鍛造工具。
  7. 前記鍛造時の衝撃による応力が到達する領域を、数値解析あるいは塑性加工用のモデル材料を用いたモデル実験により定量化することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鍛造工具。

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