JP2010062011A - 面発光素子及び発光パネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも第1電極2と第2電極4との間に発光層を有する面発光素子11,12であって、該第1電極2が光透過性電極であり、該第2電極4が該面発光素子の光出射面垂直方向から見た発光領域において、光不透過性の中心部5と光透過性の周辺部6とで構成された電極であることを特徴とする面発光素子。
【選択図】図13
Description
(i)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
ここで、発光層は、少なくとも発光色の異なる2種以上の発光材料を含有していることが好ましく、単層でも複数の発光層からなる発光層ユニットを形成していてもよい。また、正孔輸送層には正孔注入層、電子阻止層も含まれる。
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
本発明において、各発光層間に非発光性の中間層(非ドープ領域等ともいう)を設ける場合について説明する。
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
有機EL素子に係る支持基板(以下、基体、基盤、基材、支持体等ともいう)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また、透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
バリア膜の形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
有機EL素子の封止に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
有機層を挟み支持基板と対向する側の前記封止膜、あるいは前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量かつ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
本発明に関わる面発光素子においては、少なくとも第1電極と第2電極とを有する。有機EL素子を用いる場合、通常は一方が陽極、他方が陰極で構成される。以下に好ましい陽極、及び陰極の構成について述べる。
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性光透過性材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3−ZnO)等非晶質で光透過性の導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式製膜法を用いることもできる。陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10nm以上1000nm以下、好ましくは10nm以上200nm以下の範囲で選ばれる。
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。
本発明の面発光素子及び発光パネルは、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられる。これに限定するものではないが、特にカラーフィルターと組み合わせた液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
〔面発光素子101の作製:比較例〕
第1電極(陽極)として30mm×30mm、厚さ0.7mmのガラス基板上に、ITO(インジウムチンオキシド)を120nmの厚さで成膜した支持基板にパターニングを行った後、このITO透明電極を付けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った後、この透明支持基板を市販の真空蒸着装置に接続するプラズマ処理用チャンバー内の基板ホルダーに固定した。また、真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、各層の構成材料を各々素子作製に最適の量を充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製またはタングステン製の抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
前記面発光素子101の作製において、電子輸送層を形成した後、銀ペーストを10nm蒸着し、次いで、ITOを100nm蒸着し、さらに、マスクを交換し、発光領域形状(正方形)と相似形でかつ発光領域面積の85%に相当する領域に、発光領域の中心と光反射性領域の中心とが重なるようにアルミニウム100nmを蒸着することで、発光領域中心部が光反射性で、かつ発光領域周辺部が光透過性である第2電極(陰極)を形成して、有機EL素子を作製した。
前記面発光素子101の作製において、電子輸送層を形成した後、銀ペーストを10nm蒸着し、次いで、ITOを100nm蒸着し、さらに、マスクを交換し、円形でかつ正方形の発光領域の面積の78.5%に相当する領域に、発光領域の中心と光反射性領域の中心とが重なるようにアルミニウム100nmを蒸着することで、発光領域中心部が光反射性で、かつ発光領域周辺部が光透過性である第2電極(陰極)を形成して、有機EL素子を作製した。
面発光素子101を5個作製し、これらを図18(a)、及び図18(b)に示すように共通のガラス基板113上に光透過性UV硬化樹脂で貼付し、発光パネル1を作製した。なお、図17は発光パネルを構成する個々の面発光素子101の簡易側面図であり、基板104上に面発光素子が形成されている。なお、図17は、ガラスカバー103、第2電極105、有機EL発光層を含む機能層106、第1電極107のみ図示した。
面発光素子102を5個作製し、これらを図20(a)、及び図20(b)に示すように共通のガラス基板113上に光透過性UV硬化樹脂で貼付し、発光パネル2を作製した。なお、図19は発光パネルを構成する個々の面発光素子101の簡易側面図であり、基板104上に面発光素子が形成されている。なお、図19には、ガラスカバー103、第2電極105、有機EL発光層を含む機能層106、第1電極107のみ図示した。第2電極105は、光反射性の中心部111と、光透過性の周辺部112から構成されている。なお、図20(a)は、光出射面垂直方向から見た発光パネル2を示した図であり、図20(b)は発光パネル2の側面図である。各面発光素子の接続部分は、一つの面発光素子の発光領域の一部である第2電極の光透過性の周辺部112と、他の面発光素子の発光領域の一部である第2電極の光透過性の周辺部112とが、互いに重なって配置されている。なお、面発光素子と共通のガラス基板113との間隙には、光透過性UV硬化樹脂を充填し、各面発光素子は電気的に直列接続されている。
面発光素子103を5個作製し、これらを図21(a)〜図21(c)に示すように共通のガラス基板113上に光透過性UV硬化樹脂で貼付し、発光パネル3を作製した。なお、図21(a)は、光出射面垂直方向から見た発光パネル3を示した図であり、図21(b)は発光パネル3を図21(a)のA−A′部分の断面図である。A−A′部分においては、各面発光素子の接続部分は、一つの面発光素子の第2電極の光反射性の中心部111の一部と、他の面発光素子の第2電極の光反射性の中心部111の一部とが、互いに重なって配置されている。図21(c)は発光パネル3を図21(a)のB−B′部分の断面図である。B−B′部分においては、各面発光素子の接続部分は、一つの面発光素子の発光領域の一部である第2電極の光透過性の周辺部112の一部と、他の面発光素子の一つの面発光素子の発光領域の一部である第2電極の光透過性の周辺部112の一部とが、互いに重なって配置されている。なお、面発光素子と共通のガラス基板113との間隙には、光透過性UV硬化樹脂を充填し、各面発光素子は電気的に直列接続されている。
発光パネル1〜3を並べて発光させ、目視比較した。
面発光素子101を15個用いて、図22に示すように、面内における縦列方向に3個、横列方向に5個の3×5のマトリクス状に、共通のガラス基板113上に光透過性UV硬化樹脂で貼付し、発光パネル4を作製した。各面発光素子は、横列方向に各5個ずつが電気的に直列接続されており、次いで、これらを縦列方向に順次接続することで、面発光素子15個を直列に接続した。面発光素子間の配線確保のため、各面発光素子の間隔は5mmを必要とした。
面発光素子102を15個用いて、図23(a)〜23(c)に示すように、面内における縦列方向に3個、横列方向に5個の3×5のマトリクス状に、共通のガラス基板113上に光透過性UV硬化樹脂で貼付し、発光パネル5を作製した。図23(a)は、出射面垂直方向から見た発光パネル5を示した図であり、図23(b)は発光パネル5のX−X′方向におけるA−A′部分、及びC−C′部分の断面図であり、図23(c)は発光パネル5のX−X′方向におけるB−B′部分の断面図である。また、図23(d)は発光パネル5のY−Y′方向におけるD−D′部分、F−F′部分、及びH−H′部分の断面図であり、図23(e)は発光パネル5のY−Y′方向におけるE−E′部分、及びG−G′部分の断面図である。各面発光素子の接続部分は一つの面発光素子の発光領域の一部である第2電極の光透過性周辺部と、他の面発光素子の発光領域の一部である第2電極の光透過性周辺部とが、互いに重なるよう配置されている。なお、面発光素子と共通のガラス基板113との間隙には、光透過性UV硬化樹脂を充填し、各面発光素子は発光パネル4と同様に電気的に直列接続されている。
発光パネル4及び5を並べて発光させ、目視比較した。
2、107 第1電極
3 発光層を含む機能層
4、105 第2電極
5 光不透過性の中心部
6、112 光透過性の周辺部
7 封止カバー
8、109 捕水剤
9、108 窒素ガス
10 発光層
11、12、101、102 面発光素子
103 ガラスカバー
104、113 ガラス基板
106 有機EL発光層を含む機能層
110 UV硬化樹脂
111 光反射性の中心部
Claims (4)
- 少なくとも第1電極と第2電極との間に発光層を有する面発光素子であって、該第1電極が光透過性電極であり、該第2電極が該面発光素子の光出射面垂直方向から見た発光領域において、光不透過性の中心部と光透過性の周辺部とで構成された電極であることを特徴とする面発光素子。
- 前記面発光素子が有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項1に記載の面発光素子。
- 請求項1または2に記載の面発光素子を、光出射面垂直方向から見た前記面発光素子の発光領域の一部が互いに重なりを持つように複数配置されていることを特徴とする発光パネル。
- 一つの面発光素子の発光領域の一部と、他の面発光素子の第2電極の周辺部とが、互いに重なって配置されていることを特徴とする請求項3に記載の発光パネル。
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