JP2010061921A - 加熱機構付き電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池を均一に加熱することができ、かつ、簡易な構造の加熱機構付きの電池を提供する。
【解決手段】本発明の加熱機構付き電池10は、赤外線ヒーター12と、赤外線ヒーター12から照射される赤外線を吸収する赤外線吸収部15を設けた電池ケース14を有する電池11を備える。赤外線ヒータ12から照射された赤外線が赤外線吸収部15に吸収されることにより電池11が加熱されるので、簡易な構造でありながらも、電池11を均一に加熱することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱機構付き電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池を初めとする二次電池は、携帯電話やポータブル機器の電源としてだけではなく、電気気自動車、ハイブリッド自動車、飛行機などの移動体の電源としても注目されている。これらの用途に用いる電池は、冬季に屋外で使用したり、寒冷地で使用することもあるため、常温環境下での性能だけではなく、低温環境下での性能も求められる。
一般に、電池を低温環境下で使用すると、常温で使用する場合よりも、出力性能などの電池性能が低下する。そこで、従来から、低温環境下で使用する電池としては、電池の至近距離に配したヒータで加熱したものや、温風により加熱したものなどが使用されている(例えば特許文献1を参照)。
特開2007−213939公報
上記特許文献1には、金属製の板を介して配されたヒーターにより加熱される電池が記載されており、ヒーターとしては、可撓性の絶縁シートに抵抗線を固定してなるものが用いられている。特許文献1に記載のヒーターを用いて電池を加熱すると、電池の、ヒーターに近接した部分が局所的に高温になる傾向があった。
また、一般的なヒーター付きの電池では、ヒーターを設置するための配線が電池の端子に接触して、電池が短絡するおそれがあった。
一方、温風により電池を加熱する方法では、温度のばらつきを解消することが困難であり、複雑な流路を設ける必要があり構造が複雑になるという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、均一に加熱することができ、かつ、簡易な構造の加熱機構付きの電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するものとして、本発明は、赤外線ヒーターと、前記赤外線ヒーターから照射される赤外線を吸収する赤外線吸収部を設けた電池ケースを有する電池と、を備えた加熱機構付き電池である。
本発明の加熱機構付き電池(以下、「本発明の電池」ともいう)は、他の種類のヒーターを用いた場合よりも均一な加熱が可能な赤外線ヒーターを備える。
また、一般的な電池においては、正極、負極、セパレータおよび電解液を収納する電池ケースは、金属製であるため、電池ケースからは赤外線が吸収されないが、本発明の電池の電池ケースには赤外線吸収部が設けられているので、赤外線ヒーターから照射された赤外線が、赤外線吸収部から吸収されることにより電池が加熱される。
すなわち、本発明によれば、赤外線吸収部を設けた電池ケースと、赤外線ヒーターとを備えるだけで、均一に電池を加熱することができるのである。
本発明は以下の構成であってもよい。
前記加熱機構付き電池は、前記赤外線ヒーターと前記電池とを収納する収納ケースを備え、前記収納ケースは、少なくとも内側面が金属製である構成としてもよい。このような構成とすると、赤外線ヒーターから照射された赤外線のみならず、収納ケースの内側面に反射された赤外線が赤外線吸収部に吸収されるので、効率よく電池が加熱され、好ましい。
前記電池の外壁面にセラミック塗装を施すことにより前記赤外線吸収部を設けてもよい。このような構成とすると、例えば、セラミック塗料を塗布することで容易に赤外線吸収部を設けることができるので好ましい。
前記電池を複数備え、前記赤外線ヒーターから照射される赤外線の照射方向に、各電池の前記赤外線吸収部を配した構成としてもよい。このような構成とすると、各電池に設けた赤外線吸収部から赤外線ヒーターから照射される赤外線が吸収されるので、電池間における温度差が小さくなり好ましい。
本発明によれば、電池を均一に加熱することができ、かつ、簡易な構造の加熱機構付きの電池を提供することができる。
<実施形態1>
本発明をリチウムイオン二次電池に適用した実施形態1を図1によって説明する。本実施形態における上下は図1を基準とする。
本実施形態のリチウムイオン二次電池10は、図1に示すように、赤外線ヒーター12と、4つの電池11と、赤外線ヒーター12と電池11とを収納する収納ケース13とを備える。また、本実施形態の二次電池10は、電池11の温度を検知して、所定の温度以下の低温環境下で赤外線ヒーター12を作動させ、所定の温度に到達した際に赤外線ヒーター12を停止させる温度センサ(図示せず)を備える。
収納ケース13は、全体が金属製であり、電池11を収納し一端が開口した収容部13Bと、収容部13Bの開口部分を覆う蓋部13Aとからなる。
赤外線ヒーター12は、収納ケース13の蓋部13Aの下側面に設置されており、赤外線ヒーター12の下側には、4つの電池11が並列して配されている。
赤外線ヒーター12と電池との間には、電池の長さの1割〜2割程度の距離があけられている。
各電池11は、正極、負極、セパレータ、電解液、およびこれらを収納する電池ケース14を備え、電池ケース14の上面には赤外線を吸収する赤外線吸収部15(図1において太線で示した部分)が設けられている。
すなわち、本実施形態において、各電池11は、赤外線吸収部15を赤外線ヒーター12の配置されている方向に向けた状態で並列している。
電池ケース14の赤外線吸収部15は、金属製の電池ケース14の上側の外壁面にセラミック塗料または耐熱性有機塗料を塗布することにより形成される。
赤外線吸収部15を形成するセラミック塗料としては、例えば、鋼材用耐熱塗料として市販されているシリケート類、シロキサン樹脂などを結合材としこれにシリカ、アルミナ、マイカ、酸化チタンなどの無機充填材を配合した組成物などがあげられる。耐熱性有機塗料としては、例えば、ケミグレイズL−300(ロードケミカル社製、ポリウレタン樹脂)、ケミグレイズZ−306(ロードケミカル社製)などの黒色の耐熱性有機塗料が好ましい。これらのうち、耐熱性が高いという点でセラミック塗料を用いるのが好ましい。
次に、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態の二次電池10を、所定温度(例えば−20℃)以下の低温環境下で使用すると、遠赤外線ヒーター12が作動して、上側から赤外線が照射される。
本実施形態では、赤外線ヒーター12から照射される赤外線の多くは、直接、各電池ケース14の上面に設けた赤外線吸収部15から吸収され、直接吸収されなかった赤外線は、金属製の収納ケース13の内壁面に反射されて、電池ケース14の赤外線吸収部15から吸収される。このようにして、赤外線吸収部15に赤外線が吸収されることにより各電池11の温度が上昇し、所定の温度になった時点で、赤外線ヒーター12が停止する。
次に、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態によれば、他のヒーターに比較して均一な加熱が可能な赤外線ヒーター12と、赤外線を吸収する赤外線吸収部15を設けた電池ケース14とを備えるから、簡易な構造でありながらも、均一に電池11を加熱することができるリチウムイオン二次電池10を提供できる。
また、本実施形態によれば、収納ケース13は金属製であるから、赤外線ヒーター12から照射された赤外線のみならず、収納ケース13の内側面に反射された赤外線が赤外線吸収部15に吸収されるので、効率よく電池11が加熱される。
さらに、本実施形態によれば、電池11の外壁面にセラミック塗装または、黒色の有機塗料を塗装することにより赤外線吸収部15を設けているので容易に赤外線吸収部15を設けることができる。
加えて、本実施形態によれば、電池11を複数備え、赤外線ヒーター12から照射される赤外線の照射方向に、各電池11の赤外線吸収部15が配されているので、赤外線ヒーター12から照射される赤外線が各電池11に設けた赤外線吸収部15から吸収されるので、電池11間における温度差が小さくなる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図2によって説明する。本実施形態における上下は図2を基準とする。
本実施形態は、2つの赤外線ヒーター12を備え、4つの電池11が上下方向に重ねて配されている点で実施形態1とは相違する。実施形態1と同じ名称の部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
2つの赤外線ヒーター12は、収納ケース13の左右の側面に設置されている。詳しくは、左側の赤外線ヒーター12は蓋部13Aの内側面に設置されており、右側の赤外線ヒーター12は、収容部13Aの開口部分と対向する壁面の内側面に設置されている。2つの赤外線ヒーター12の間には、4つの電池11が配されている。
本実施形態においては、電池11の電池ケース14の外壁面のうち図2の太線で示した部分に赤外線吸収部15が実施形態1と同様の方法により、設けられている。
詳しくは、赤外線吸収部15は、各電池11の電池ケース14の左外側面であって端子16が突出した面(左側面ともいう)、左側面と対向する右外壁面(右側面ともいう)、上端部に位置する電池11の電池ケース14の上側面(上側面ともいう)、および、下端部に位置する電池11の電池ケース14の下側面(下側面ともいう)に設けられている。
すなわち、本実施形態においても、各電池11は、赤外線吸収部15を赤外線ヒーター12の配置されている方向に向けた状態で配されている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、左側の赤外線ヒーター12から照射される赤外線のほとんどが、直接、各電池ケース14の左側面に設けた赤外線吸収部15から吸収され、直接吸収されなかった赤外線は、金属製の収納ケース13の内壁面に反射されて、電池ケース14の左側面または他の面に設けた赤外線吸収部15から吸収される。
そして右側の赤外線ヒーター12から照射される赤外線のほとんどが、直接、各電池ケース14の右側面に設けた赤外線吸収部15から吸収され、直接吸収されなかった赤外線は、金属製の収納ケース13の内壁面に反射されて、電池ケース14の右側面または他の面に設けた赤外線吸収部15から吸収される。
このようにして、赤外線吸収部15に赤外線が吸収されることにより各電池11の温度が上昇し、所定の温度になった時点で、赤外線ヒーター12が停止する。
本実施形態によれば、実施形態1と同様の効果(簡易な構造でありながらも、均一に電池11を加熱することができる加熱機構付きの電池10を提供できる等)が得られる。
さらに、本実施形態によれば、電池ケースの14の広範囲に赤外線吸収部15が設けられているので、効率よく赤外線が吸収され、早期に所定温度に達する。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、電池を複数配したものを示したが、電池を1個配したものであってもよい。
(2)上記実施形態では、電池ケースの外側面にセラミック塗料または黒色の有機性耐熱塗料を塗装することにより赤外線吸収部を設けたが、赤外線吸収部は赤外線吸収材料からなる部材を電池ケースに貼り付けるなどの方法により、設けてもよい。
(3)上記実施形態では、金属製の収納ケースを備える電池を示したが、収納ケースのないものであってもよいし、内側面のみが金属製のものであってもよい。
(4)上記実施形態では、赤外線ヒーターから照射される赤外線の照射方向に、各電池の赤外線吸収部が配されているものを示したが、赤外線の照射方向に対して1つの電池の赤外線吸収部が配されていてもよい。
(5)上記実施形態では、電池の温度を検知して、所定の温度以下の低温環境下で赤外線ヒーターを作動させ、所定の温度に到達した際に赤外線ヒーターを停止させる温度センサを備えるものを示したが、温度センサを備えないものであってもよい。
実施形態1の電池の模式図 実施形態2の電池の模式図
符号の説明
10…加熱機構付き電池
11…電池
12…赤外線ヒーター
13…収納ケース
14…電池ケース
15…赤外線吸収部

Claims (4)

  1. 赤外線ヒーターと、前記赤外線ヒーターから照射される赤外線を吸収する赤外線吸収部を設けた電池ケースを有する電池と、を備える加熱機構付き電池。
  2. 前記加熱機構付き電池は、前記赤外線ヒーターと前記電池とを収納する収納ケースを備え、
    前記収納ケースは、少なくとも内側面が金属製であることを特徴とする請求項1に記載の加熱機構付き電池。
  3. 前記電池ケースの外側面にセラミック塗装を施すことにより前記赤外線吸収部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加熱機構付き電池。
  4. 前記電池を複数備え、前記赤外線ヒーターから照射される赤外線の照射方向に、各電池の前記赤外線吸収部を配したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の加熱機構付き電池。
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