JPH10201124A - 電力貯蔵手段の充電システム - Google Patents

電力貯蔵手段の充電システム

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JPH10201124A
JPH10201124A JP1459997A JP1459997A JPH10201124A JP H10201124 A JPH10201124 A JP H10201124A JP 1459997 A JP1459997 A JP 1459997A JP 1459997 A JP1459997 A JP 1459997A JP H10201124 A JPH10201124 A JP H10201124A
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temperature
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battery
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JP1459997A
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Takashi Toyomura
隆 豊村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動車両等に用いられる電力貯蔵手段に対
し、加熱、冷却等の温度管理を行いつつ迅速、安全かつ
確実に充電を行うことができる電力貯蔵手段の充電シス
テムを実現する。 【解決手段】 電力貯蔵手段1の温度を検出する温度検
出手段2と、温度検出手段2の検出出力に基づいて温度
制御出力を行う温度管理手段3と、温度管理手段3の温
度制御出力に基づいて電力貯蔵手段1への充電を制御す
る制御手段4からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力貯蔵手段の
充電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】電力貯蔵手段に充電を行った場合、何ら
かの異常により充電中に電力貯蔵手段が異常発熱する場
合がある。このような場合の危険を避けるため、電力貯
蔵手段の温度を監視し、所定温度に達した場合には充電
を打ち切るようにしたシステムが知られている。
【0003】また、電力貯蔵手段の充電には適切な温度
範囲があり、一般に、適正範囲よりも高い温度で充電を
行った場合には、電力貯蔵手段の寿命を損ねる結果とな
る。このため、充電開始前に電力貯蔵手段の温度を測定
し、所定温度以上の場合には充電を行わないようにした
充電システムが知られている。
【0004】また、電力貯蔵手段の多くは、正常なもの
であっても、充電中に多少は発熱する。このため、充電
開始時点では温度が適正範囲内であっても、充電中に適
正範囲を超える場合がある。このような問題に対処する
ため、充電中に電力貯蔵手段の温度を監視し、所定の第
1の温度に達した場合には充電を中断して放置し、第1
の温度よりも低い所定の第2の温度にまで低下するまで
待った後、充電を再開する方法が知られている。また、
送風ファン等により電力貯蔵手段を強制冷却する方法等
も知られている。
【0005】一方、このような電力貯蔵手段の発熱は、
必ずしも欠点であるばかりではない。ある種の電力貯蔵
手段は、電力の貯蔵量が最大に近づくにつれて発熱し、
温度が次第に上昇する。この性質を積極的に利用して、
最大貯蔵量に達したことを検出することができる。これ
を利用したものとして、電力貯蔵手段の温度を検出し、
単位時間当たりの電力貯蔵手段の温度上昇等を求め、こ
れが所定値以上となった場合に充電を打ち切ったり小電
流の充電に切り替えるようにした充電システムが知られ
ている。
【0006】また、電力貯蔵手段は、低温下で充電した
場合、化学反応の低下等により十分に貯蔵できなくな
り、また低温下で大電流で充電するとガス圧上昇等の問
題を招きやすい。このため、電力貯蔵手段の温度が所定
以下の場合には充電を行わないようにしたり、低温状況
下では電力貯蔵手段をヒーターで保温するようにした充
電システムが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、電力貯
蔵手段に充電を行うと一般に電力貯蔵手段に発熱が生
じ、特に大電力で充電を行う場合には、この発熱が比較
的大きなものとなる。また、電力貯蔵手段は、一般に熱
伝導率が低く熱容量が大きいため、従来の方法の如き、
高温になった場合に充電を中断して放置し温度低下を待
つような方法を適用したのでは、著しく長い放置時間が
必要となり、従って、電力の貯蔵に著しく長い時間を要
するという問題があった。
【0008】また、一般に電力貯蔵手段の発熱は大電力
の場合ほど増大するため、迅速な貯蔵を図ろうとして充
電電力を増せば増すほど、このような問題がさらに顕著
になる。このため、充電電力を増大しても、期待通りに
は充電時間が短縮できないという問題があった。
【0009】一方、電力貯蔵手段を強制冷却等した場合
には、電力貯蔵手段の温度変化が抑圧されるため、従来
の方法では最大貯蔵量に達したか否かの判断が困難であ
るという問題があった。このため、温度管理下でも最大
貯蔵量に達したか否かを確実に検出できるような技術の
確立が求められていた。
【0010】また、温度を制御した結果が温度検出の外
乱となって現れ、充電の制御に悪影響を及ぼしてしまう
という問題があった。例えば、冷却装置の出力の強弱や
オンオフを切り替えた場合に、これにより生じた温度変
化を最大貯蔵量到達に伴う温度変化として誤判定してし
まい、充電を打ち切ってしまう等の問題があった。
【0011】また、電力貯蔵手段を強制冷却した場合に
は、電力貯蔵手段の温度上昇が抑圧されるので、何らか
の異常で電力貯蔵手段が異常発熱した場合にも、その異
常を捉えることが困難になる等の問題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、電力貯蔵手
段の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段の検
出出力に基づいて温度制御出力を行う温度管理手段と、
温度管理手段の温度制御出力に基づいて電力貯蔵手段へ
の充電を制御する制御手段からなる電力貯蔵手段の充電
システムにより解決される。
【0013】また、電力貯蔵手段の温度を検出する温度
検出手段と、温度制御出力の変更が可能な温度管理手段
と、温度検出手段の検出出力と温度管理手段の温度制御
出力とに基づいて電力貯蔵手段への充電を制御する制御
手段からなる電力貯蔵手段の充電システムにより解決さ
れる。温度制御出力の変更には、温度制御出力のオンオ
フも含まれ、温度制御出力のオンオフのみが可能な場合
をも含む。
【0014】また、電力貯蔵手段の温度を検出する温度
検出手段と、温度検出手段の検出出力に基づいて温度制
御出力を行う温度管理手段と、温度検出手段の検出出力
と温度管理手段の温度制御出力とに基づいて電力貯蔵手
段への充電を制御する制御手段からなる電力貯蔵手段の
充電システムにより解決される。
【0015】また、電力貯蔵手段を冷却または加熱しつ
つ充電を行う充電システムで、電力貯蔵手段に電力を供
給しない状態で電力貯蔵手段に冷却または加熱を行った
場合の電力貯蔵手段の第1の温度情報と、電力貯蔵手段
に電力を供給した状態で電力貯蔵手段に冷却または加熱
を行った場合の電力貯蔵手段の第2の温度情報とに基づ
いて充電制御を行うことを特徴とした電力貯蔵手段の充
電システムにより解決される。
【0016】また、電力貯蔵手段の温度を検出する温度
検出手段と、周囲温度を検出する周囲温度検出手段と、
温度検出手段の第1の検出出力及び周囲温度検出手段の
第2の検出出力に基づいて温度制御出力を行う温度管理
手段と、温度管理手段の温度制御出力に基づいて充電を
制御する制御手段からなる電力貯蔵手段の充電システム
により解決される。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、第1の実施形態の構成を
表す図である。なお、以下に述べる各実施形態の各構成
要素は概念的なものであり、必ずしも物理的な構成を表
すものではない。電力貯蔵手段1としては、電池、電気
二重層コンデンサ、電力貯蔵用コンデンサ等のあらゆる
種類の電力貯蔵手段が適用できる。電池としては、再充
電可能で繰り返し使えるようなものが好ましい。中でも
NiCd、NiMH等のアルカリ系の二次電池が特に好
ましいが、これらに限定されるものではなく、非水系等
吸熱反応によるものや鉛等、あらゆる種類の電池が適用
できる。また、主として電動車両等に用いられるよう
な、大電力を扱う電力貯蔵手段が該当するが、これらに
限らず携帯電子機器等に用いられる小型電池等も含まれ
る。
【0018】電力貯蔵手段1は、単一の電力貯蔵手段に
限られず、複数個の電力貯蔵手段により構成したもので
もよい。また、電力貯蔵手段の外装に通風路やヒートシ
ンクを設けたり、電力貯蔵手段の内部に冷媒等の流通路
やヒートパイプ等の熱の伝導路を設けるとよい。
【0019】温度検出手段2は、NTC、PTC、サー
ミスタ、半導体温度センサ、抵抗温度センサ、白金温度
センサ、磁気温度センサその他いかなる温度検出素子を
も適用できる。また、温度検出結果を連続量、離散量で
出力するもののほか、サーモスタット等のように、一定
温度よりも高いか低いかを表すようなものでもよい。
【0020】温度検出手段2は、電力貯蔵手段1に密接
させ、熱的に結合するようにするとよい。また、電力貯
蔵手段1の内部に設けるようにすると、さらに好ましい
結果が得られる。また、電力貯蔵手段1を冷却した後の
冷媒の温度やヒートパイプの温度等を測定することで、
間接的に電力貯蔵手段の温度を測定するような場合も含
まれる。また、放射温度計の如く、間接的に温度を測定
するものであってもよい。
【0021】温度検出手段2は1つでも足りるが、複数
設けて電力貯蔵手段の外周、深部等に分散して配置する
ようにしてもよい。また、複数の電力貯蔵手段をもって
1つの電力貯蔵手段を構成する場合には、各電力貯蔵手
段毎に温度検出手段を設けるようにしてもよい。また、
複数の温度検出手段を設けた場合の温度検出手段の出力
は、総和、最大値、最小値、重み付け、単純平均等して
1つの出力にするとよく、または、それぞれ別々の出力
とすることもできる。
【0022】温度管理手段3は、温度制御出力を行い、
電力貯蔵手段1の冷却または加熱を行う。温度管理手段
3の温度制御出力は、冷却出力、加熱出力のいずれか一
方のみ行うようにしてもよいし、両方でもよい。温度管
理手段3における冷却には、あらゆる種類の冷却方法及
び冷却手段が適用できる。一般的には、冷却ファン等に
よる強制換気等によるのが、簡易かつ容易であり好まし
い。また、水、エチレングリコール等による水冷等を用
いれば、冷却能力の点でさらに好ましい。また、フレオ
ン等の気化熱を利用するものを用いれば、冷却能力の点
でさらに好ましい。また、ペルチェ素子等による電子冷
却等を用いれば、温度を精密に調整することができるた
め特に好ましい。その他、液体窒素、ドライアイス、氷
等による冷却や、化学反応による方法等を用いてもよ
い。
【0023】また、温度管理手段3における加熱につい
ても、赤外線・遠赤外線ヒーター、セラミックヒータ
ー、ニクロム線等の電熱線、電球、赤外線ランプ、炭素
繊維、ラバー状発熱体等の種々の発熱体による方法、交
番磁界を加えた場合の抵抗損による方法、化学反応によ
る方法等、あらゆる種類の加熱方法及び加熱手段が適用
できる。
【0024】温度管理手段3の温度制御出力により、電
力貯蔵手段1の温度が管理される。温度制御出力は、例
えば冷却ファンや冷媒循環ポンプ、コンプレッサー等の
稼働個数、回転数等により変更することができる。これ
は例えば、これら冷却手段、加熱手段等への供給電流や
供給電圧またはこれらのデューティ比等を変更したり、
電源周波数を変更したり、巻線の切替え等により極数を
変更したり、スイッチのオンオフや、インバータ回路や
サーボ回路による制御等により実現するようにするとよ
い。
【0025】また、ペルチェ素子、ヒーター等の場合に
は、供給電力等により変更するようにするとよい。ま
た、電磁弁の開閉の度合い、開閉の個数、開閉時間等に
より変更でき、これらは制御信号の強弱やパルス幅等に
より制御することができる。その他、冷媒の循環経路を
変えたり、温度管理手段と電力貯蔵手段との離隔距離や
熱的な結合度を変更したり、送風口の向きやファンのピ
ッチを変えること等によって変更するようにしてもよ
い。また、温度管理手段3の温度制御出力自体は変更で
きない場合であっても、温度制御出力のオンオフの時間
間隔やデューティ比等を変更することによって等価的に
実現することもでき、このようなものも含まれる。
【0026】温度管理手段3は、温度検出手段2の検出
結果に基づいて、温度制御出力を行う。例えば、温度検
出手段2の検出結果に基づいて、冷却手段や加熱手段の
起動・停止や、冷却出力、加熱出力の大きさの調整等を
行う。制御内容としては、たとえば、検出した温度と所
望の温度等との間の誤差に応じた量の操作を行うように
するとよい。さらに、電力貯蔵手段等の熱時定数等をも
考慮したPID制御等を行うようにするとよい。また、
離散制御等とすることもできる。
【0027】温度管理手段3の管理の目的や手法は問わ
ず、対象となる電力貯蔵手段の種類等に応じて任意の内
容の管理を行うことができる。たとえば、温度検出手段
2の検出結果が一定に保たれるように温度制御出力を行
うようにするとよい。これは例えば、充電開始時の電力
貯蔵手段の温度をそのまま保つように制御するようにし
てもよいし、所望の温度に保つよう制御するようにして
もよい。前者は充電開始直後から即座に適切な制御を行
うことができ、後者は電力貯蔵手段に最も適切な温度で
充電できるという利点がある。また、所定の温度範囲
(上限または下限)を超えないように制御するようにし
てもよいし、所定の時間当たり温度上昇率以上に上昇し
ないように制御するようにしてもよいし、充電の進行に
応じた所定のパターンに合致するよう制御するようにし
てもよい。また、例えば温度上昇率に応じた冷却となる
よう温度制御を行うようにしてもよい。また、所定温度
範囲から外れた場合に限り温度制御を行うようにしても
よい。
【0028】制御手段4は、温度管理手段3の温度制御
出力に基づいて、電力貯蔵手段1への充電を制御する。
温度管理手段3の温度制御出力は、例えば、発熱体と温
度センサとの組み合わせにより測定することができる。
また、例えば温度管理手段3の冷却(温風)ファン等の
回転数をホール素子やタコジェネレータ等で測定した
り、冷却ファン等の騒音等を測定したり、流量センサ、
圧力センサ等により風量、流量等を測定等するようにし
たり、外気温と匡体内温度との差や、冷媒の温度あるい
は温度差等により求めるようにしてもよい。
【0029】また、温度管理手段3の温度制御出力を変
更するために用いられる冷却ファン等への供充電流や供
充電圧、電磁弁の開閉の時間幅、PWMのパルス幅等の
操作量と、温度管理手段の出力との間には一定の相関関
係があるため、これらを調べることにより間接的に把握
するようにしてもよい。また、温度管理手段3の消費電
力等により知ることもできる。なお、例えば空冷、液冷
等の場合には、冷却能力は外気温や液温等にも影響さ
れ、外気温等が高いほど冷却能力は低下するので、温度
センサ等により外気温や液温等を測定して補正等するよ
うにすれば、外気温等による影響等を避けることができ
る。加熱の場合も同様である。
【0030】制御手段4は、温度管理手段3の温度制御
出力に基づいて、電力貯蔵手段1の状態を把握すること
ができる。例えば、電力貯蔵手段1の電力の貯蔵量を把
握することができる。すなわち、一般に、貯蔵量が最大
に近づくにつれて電力貯蔵手段の発熱量は急勾配に上昇
するが、この変化が温度検出手段2により捉えられ、電
力貯蔵手段1の温度上昇を抑えるべく、温度管理手段3
はその冷却出力を増大しまたは加熱出力を減少させる。
従って、温度管理手段3の温度制御出力の大きさやその
変化等を捉えることにより、電力貯蔵手段の貯蔵状態を
把握することができる。これに基づいて、例えば、所望
の貯蔵量(例えば、最大貯蔵量)に達したか否かの判断
等を行うことができる。
【0031】例えば、温度管理手段3の冷却出力の時間
当たり上昇率を求め、これが所定以上になったことをも
って、所望の貯蔵量に達したと判断するようにするとよ
い。また、例えば、温度管理手段3の冷却出力が所定の
大きさに達したことをもって、所望の貯蔵量に達したと
判断するようにしてもよい。この場合、気温、水温等の
影響をも勘案するようにしてもよい。所望の貯蔵量に達
したと判断した場合には、制御手段4は、充電を終了し
たり、より小さな充電電力に切り替えさらに充電を行う
等の制御を行うことができる。
【0032】上記所望の貯蔵量は、最大貯蔵量に設定す
るようにすれば、最大貯蔵量まで迅速に充電することが
できる。また、最大貯蔵量の80%から90%程度に設
定し、当該所望の貯蔵量に達した後は充電電力を低減す
るようにすれば、電力貯蔵手段に負担を与えず、寿命を
延ばすことができる。
【0033】また、温度管理手段3の冷却出力が所定以
上上昇しないように充電電流を次第に低減する等の制御
を行うようにしてもよい。このようにすれば、電力貯蔵
手段の温度が過度に上昇する心配もなく、また所望の貯
蔵量近くで充電電流を減少させることができるので、電
力貯蔵手段に負担をかけないで十分な充電を行うことが
できる。
【0034】また、制御手段4は、温度管理手段3の温
度制御出力に基づいて、電力貯蔵手段1の異常を判断す
ることができる。すなわち、電力貯蔵手段が異常発熱等
した場合には、この発熱を抑えるべく温度管理手段3が
温度を下げる方向にその出力を制御するので、これを検
出することにより異常を判断することができる。これに
応じて、制御手段4は、適切な充電制御を行うようにす
るとよい。例えば、冷却出力が所定以上となったり、冷
却出力の時間当たり上昇率が所定以上になった場合に
は、電力貯蔵手段1が異常に発熱したと判断して、充電
を強制終了し、異常を示す表示等を行うようにするとよ
い。このようにすることで、冷却等により電力貯蔵手段
1の温度上昇等を抑圧しているにも係わらず、電力貯蔵
手段の異常を確実に捉えることができる。
【0035】次に、第2の実施形態について図2を参照
しつつ説明する。温度管理手段3の温度制御出力が自由
に変更でき、かつ、その最大出力が電力貯蔵手段1の発
熱量や温度等に比べて十分大きい場合には、第1の実施
形態のような方法によるのが好ましい。しかし、温度管
理手段3の構成によっては、出力が段階的にしか変更で
きなかったり、あるいは出力のオンオフしかできなかっ
たり、最大出力が電力貯蔵手段1の発熱量や温度に対し
て十分でない等のため、その出力が電力貯蔵手段1の発
熱等に追従できないような場合もある。
【0036】また、電力貯蔵手段1を複数の電力貯蔵手
段で構成した場合等には、冷却や加熱が各電力管理手段
について均等に行えない場合があり、一部の電力貯蔵手
段については冷却と発熱(または加熱と吸熱)との均衡
がとれていても、他の電力貯蔵手段については均衡がと
れないような場合も生じ得る。また、個々の電力貯蔵手
段の貯蔵量や容量に相違がある結果、発熱量等に相違が
生じる場合もある。
【0037】また、電力貯蔵手段1の温度が充電開始前
の時点で適正温度範囲から外れているような場合には、
強制的に適正温度範囲内に移行させようとする結果、温
度管理手段3の冷却または加熱出力と電力貯蔵手段1の
発熱または吸熱との均衡が、過渡的に崩れる場合があ
る。また、電力貯蔵手段1の温度が一定の範囲内の場合
には、冷却や加熱を要しないような場合もある。このよ
うな場合においても適切な充電が行えるようにしたのが
本実施態様である。
【0038】すなわち、このような場合には温度管理手
段3の出力と電力貯蔵手段1の発熱量等とがつり合わな
いため、温度管理手段3の動作にも係わらず、電力貯蔵
手段1の温度は上昇あるいは下降し、これに伴い温度検
出手段2の検出出力も上下する。
【0039】この場合、温度管理手段3の出力は電力貯
蔵手段の発熱等に追従していないので、第1の実施形態
の場合とは異なり、温度管理手段3の出力のみによって
電力貯蔵手段1の発熱状態等を正しく把握することはで
きない。また、追従していないとはいっても温度管理手
段3は動作しているので、温度検出手段2の検出出力の
みによっても電力貯蔵手段1の発熱状態等を正しく把握
することはできない。
【0040】しかし、温度管理手段3の温度制御出力と
温度検出手段2の検出出力との双方を勘案すれば、電力
貯蔵手段の発熱状態等を正しく把握することが可能であ
る。このようにして、電力貯蔵手段1の発熱状態等を正
しく把握し、適切な充電を行おうとするのが本実施形態
の要点である。
【0041】温度管理手段3の温度制御出力は、第1の
実施形態の説明で述べたようなもののほか、無段階に変
更できるものでもよいし、数段階の切り替えができるも
のでもよいし、オンオフの制御のみができるものでもよ
い。また、温度管理手段3に複数の冷却手段、加熱手段
を具備し、これらの稼働個数等を切り替えるようにして
もよい。また、冷却能力や加熱能力の異なる複数の冷却
手段、加熱手段を具備し、これらを切り替えるようにし
てもよい。
【0042】温度管理手段3の温度制御出力は、温度検
出手段2の出力に応じて変更するようにするとよい。こ
のようにすれば、電力貯蔵手段1の温度に応じた適切な
温度制御出力を設定することができる。また、温度セン
サ等をさらに設け、気温等の周囲温度や、冷却水の水温
等に応じて変更するようにするとよい。このようにすれ
ば、気温、水温等に応じた適切な温度制御出力を設定す
ることができる。また、例えば、操作者がその日の寒暖
の状況等に応じてスイッチ等により変更設定するように
してもよい。
【0043】制御手段4は、温度検出手段2の検出出力
と温度管理手段3の温度制御出力とに基づいて、電力貯
蔵手段1への充電を制御する。温度管理手段3の温度制
御出力の状態は、既に述べたような直接的、間接的な検
出方法により把握するようにしてもよいし、例えば温度
制御出力が強、中、弱、停止等の切り替え式のものであ
れば、これらのうちの何れの状態に設定されているかに
より把握するようにしてもよい。
【0044】充電の制御は、例えば、温度検出手段2の
検出出力と温度管理手段3の温度制御出力とに基づい
て、所望の貯蔵量に到達したか否かを検出し、これに応
じて充電電流等を制御するようにするとよい。この場
合、温度検出手段2の検出出力は温度管理手段3の出力
状態に応じて異なる。例えば、温度管理手段3の冷却出
力が大きいほど、電力貯蔵手段1の温度上昇は小さくな
るため、温度検出手段2の検出出力の変化も小さくな
る。従って、温度管理手段3の出力に応じた検出方法で
検出するようにするとよい。
【0045】また、検出方法は同じでも、温度管理手段
3の出力に応じて、異なる検出基準で検出するようにす
るとよい。例えば、温度管理手段の出力が4段階に切り
替え可能な場合には、これら各段階にそれぞれ対応して
適切な検出感度に切り替えるようにするとよい。
【0046】例えば、所定時間間隔毎に温度検出手段2
の検出出力を測定し、前回の測定値と今回の測定値との
差を求め、この差が所定の敷居値を超えたとき所望の貯
蔵量に達したものと判断するような場合には、温度管理
手段3の出力段階に応じて当該敷居値を変更するように
するとよい。この場合、冷却出力が大きいときには敷居
値を小さく設定するようにすれば、冷却出力が大きいた
めに温度上昇が小さくなっても、所望の貯蔵量に達した
ことを確実に検出することができる。
【0047】また、敷居値ではなく測定時間間隔のほう
を変更することで、検出感度を変更するようにしてもよ
い。あるいは変化率を基準にし、当該変化率に対して温
度管理手段3の出力が幾ら以上の場合には所望の貯蔵量
であると判断するようにしてもよい。
【0048】電力貯蔵手段1を複数の電力貯蔵手段で構
成する場合には、制御は、複数の電力貯蔵手段毎に行う
ようにしてもよい。例えば、各電力貯蔵手段毎にそれぞ
れ温度検出手段を設け、各電力貯蔵手段毎に所望の貯蔵
量に達しているか否かの判定を行い、制御手段は各電力
貯蔵手段毎に充電制御を行うようにしてもよい。このよ
うにすれば、たとえば複数の電力貯蔵手段を直列接続し
て充電を行うような場合に、各電力貯蔵手段に対してそ
れぞれ過不足なく最大貯蔵量まで充電できる効果があ
る。また、温度管理手段や制御手段も複数設け、それぞ
れ個別に制御を行うようにしてもよい。また、冷却能力
等は周囲温度等により異なるので、検出感度等を周囲温
度等により補正するようにするとよい。
【0049】本実施形態によれば、温度管理手段3の温
度制御出力が電力貯蔵手段等の発熱量等に比して強すぎ
る場合あるいは弱すぎる場合(温度制御能力の過不足)
や、温度管理手段3の出力が段階的にしか変更できない
場合、その他温度管理手段の出力が電力貯蔵手段の発熱
等に追随しないような場合等であっても、温度管理手段
3の温度制御出力と温度検出手段2の検出出力とに基づ
いて、適切な充電制御を行うことができる。
【0050】次に、第3の実施形態について図3を参照
しつつ説明する。本実施形態では、電力貯蔵手段1に電
力を供給しない状態で電力貯蔵手段1に対して冷却また
は加熱を行った場合の電力貯蔵手段の第1の温度情報
と、電力貯蔵手段1に電力を供給した状態で電力貯蔵手
段1に対して温度管理手段3により冷却または加熱を行
った場合の電力貯蔵手段の第2の温度情報とに基づいて
充電制御を行う。
【0051】第1の温度情報としては、電力貯蔵手段1
に実際に充電を行うときと同じ状況で、たとえば実際の
充電と同様に電力貯蔵手段を設置し、実際の充電と同様
に温度管理手段3を稼働させる等、電力貯蔵手段に電力
を供給しないという点を除いては実際の充電と全く同じ
状況で、温度検出手段2により検出した情報を用いるの
が、簡便で好ましい。しかし、温度検出手段2により検
出したものに限らず、他の検出方法により検出したもの
でもよいし、熱計算等により求めたものでもよい。ま
た、冷却または加熱は、温度管理手段3に限らず他の手
段により行ってもよいし、必ずしも実際の充電に沿った
形の冷却等でなくてもよい。たとえば冷却出力を変更し
た場合のステップ応答のようなものでもよい。またこの
情報は、充電制御に用いる時点で求めるようにしてもよ
いし、それ以前に予め用意しておいてもよい。
【0052】また、1の情報あるいは1種類の情報でも
よいが、種々の状況、たとえば電力貯蔵手段の種類や個
数の別、周囲温度や電力貯蔵手段の温度の別、冷却か加
熱かの別、冷却または加熱の出力の大小やその変化パタ
ーン(シーケンス)の別等の各種の状況毎に用意してお
き、充電時の状況に応じて適宜選択等するようにすれ
ば、各種の状況に柔軟かつ適切に対応することができ
る。また、特定の時点(たとえば冷却等の開始から所定
時間後や、所定温度になってから所定時間後)における
情報でもよいし、時間的に連続的な情報(たとえば所定
時間毎の値)でもよい。また、その態様はアナログ値、
デジタル値、電流値、電圧値等のいかなる態様としても
よい。
【0053】情報手段5は、第1の温度情報を発生す
る。情報手段5は、第1の温度情報の態様に応じた任意
の構成とすることができる。たとえば、情報手段5は基
準電圧源と分圧抵抗とにより構成し、基準電圧源の電圧
を抵抗分圧した電圧をもって第1の温度情報を表すよう
にするとよい。また、たとえば情報手段5は記憶手段に
より構成し、該記憶手段に記憶した値をもって第1の情
報を表すようにしてもよい。記憶手段としては、磁気記
憶装置、半導体記憶装置が好ましく、不揮発性のものと
すれば電源を遮断しても情報が保存されるためさらに好
ましい。また、メモリカード、磁気カード等の置換性の
ある情報伝達媒体で構成するようにすれば、これを交換
することにより電力貯蔵手段の種類や個数の別等の各種
状況に柔軟に対応できるため、さらに好ましい。また、
複数の第1の温度情報を具備し、スイッチ等により選択
するようにしてもよい。
【0054】温度検出手段2は、電力貯蔵手段1の温度
を検出し、第2の温度情報を発生する。第2の温度情報
は、電力貯蔵手段1に実際に電力を供給している状態
(連続的であると間欠的であるとを問わない。)で、電
力貯蔵手段1に対して温度管理手段3により冷却または
加熱を行った場合の、電力貯蔵手段1の温度に係る情報
であり、実際の充電中に得られる情報である。温度検出
手段2による電力貯蔵手段1の温度の検出方法等につい
ては、既に述べたと同様である。
【0055】温度管理手段3は、電力貯蔵手段1の冷却
または加熱を行う。冷却または加熱は、既に述べたよう
な種々の方法が適用でき、途中で出力の大きさや態様等
を変えるようにしてもよいし、一定の出力を保つように
してもよい。また、冷却、加熱の一方でもよいし、両方
でもよい。また、必ずしも電力貯蔵手段1の発熱量等に
応じて出力を変更する必要もない。
【0056】制御手段4は、情報手段5の第1の温度情
報と温度検出手段2の第2の温度情報とに基づいて、充
電制御を行う。第1の温度情報と第2の温度情報の取扱
いについては種々の方法を採り得る。たとえば、第1の
温度情報の前提となっている状況(周囲温度、温度管理
手段の動作状況等)と第2の温度情報を得たときの状況
との間に、充電電力が供給されているか否かの相違以外
の相違がない場合には、第1の温度情報と第2の温度情
報との差は、充電による電力貯蔵手段の発熱または吸熱
によって生じた部分であるといえるから、これに基づい
て電力貯蔵手段の貯蔵状況等を把握することができる。
【0057】たとえば、この大きさや経時変化等に基づ
いて所望の貯蔵量に到達したか否かの判定が可能であ
り、また、充電中の電力貯蔵手段の異常を判定すること
もできる。たとえば、第1の温度情報と第2の温度情報
の差の単位時間あたりの変化率を求め、これが所定値を
超えたことをもって所望の貯蔵量に到達したとみなし、
充電電力を低減したり終了する等の制御を行うようにす
るとよい。また、たとえば、第1の温度情報と第2の温
度情報の差が所定値を超えたことをもって電力貯蔵手段
に異常が生じたと判断し、充電を打ち切る等の制御を行
うようにするとよい。
【0058】また、第2の温度情報を得たときの状況と
同一の状況における第1の温度情報が存在しない場合に
は、この状況に対応する第1の温度情報を、類似の状況
における第1の温度情報から補正によって求めるように
したり、複数の第1の温度情報から補間等により求める
ようにするとよい。
【0059】本実施態様によれば、第1の温度情報と第
2の温度情報との関係により電力貯蔵手段1の状態等を
把握できるので、温度管理手段3の出力が変更できない
ような場合でも、所望の充電量まで安全かつ確実に充電
することができる。また、第1の情報を各種用意してお
けば、たとえば冬季に屋外で使用した電力貯蔵手段を暖
かい屋内に持ち込んで即座に充電するような場合でも、
誤動作等を起こすことなく安全かつ確実に充電すること
ができる。
【0060】次に、第4の実施形態について図4を参照
しつつ説明する。本実施形態は、電力貯蔵手段1の温度
を検出する温度検出手段2と、周囲温度を検出する周囲
温度検出手段7と、温度検出手段2の第1の検出出力及
び周囲温度検出手段7の第2の検出出力に基づいて温度
制御出力を行う温度管理手段3と、温度管理手段3の温
度制御出力に基づいて充電を制御する制御手段4からな
る。
【0061】温度検出手段2は、上記第1の実施態様に
おける温度検出手段と同様である。周囲温度検出手段7
は、周囲温度を検出する。周囲温度としては、気温や装
置温度、充電する際に電力貯蔵手段1を収納する匡体の
温度、冷媒の温度等のいずれをも適用することができ
る。たとえば、冷却装置が強制空冷や水冷等によるもの
の場合には、吸気口の周囲の温度や、冷却水の温度等を
これに適用するとよい。
【0062】温度管理手段3は、温度検出手段2の第1
の検出出力及び周囲温度検出手段7の第2の検出出力に
基づいて温度制御出力を行う。たとえば、電力貯蔵手段
1の温度が周囲温度よりも低い場合には、電力貯蔵手段
1の温度を上昇させる方向に制御するようにするとよ
い。また、電力貯蔵手段1の温度が周囲温度よりも高い
場合には、電力貯蔵手段1の温度を下げる方向に制御す
るようにするとよい。
【0063】温度管理手段3の温度制御は、電力貯蔵手
段1の温度を周囲温度と一定の関係になるように制御す
るとよい。たとえば、電力貯蔵手段1の温度が周囲温度
と一致するようにするように制御するとよい。また、冷
却、加熱能力等によっては、たとえば周囲温度よりも所
定温度高い(または低い)温度や、周囲温度に対して一
定の温度範囲等になるように制御するようにするとよ
い。
【0064】制御手段4は、温度管理手段3の温度制御
出力に基づいて電力貯蔵手段1の充電を制御する。たと
えば、第1の実施形態と同様、温度管理手段3の温度制
御出力に基づいて、電力貯蔵手段1の貯蔵状態を把握す
ることができる。すなわち、たとえば電力貯蔵手段1の
温度が周囲温度と合致するよう制御する場合には、最大
貯蔵量に近づいて電池の発熱量が増えると、温度管理手
段3は電池温度を周囲温度と同じ温度に保つべく、電力
貯蔵手段1を冷却する方向に温度制御出力を増大させ
る。これを捉えることにより、電力貯蔵手段1の貯蔵状
態を把握することができる。これにより、たとえば所望
の貯蔵量まで充電を行うことができる。また、第1の実
施形態と同様、温度管理手段3の温度制御出力に基づい
て電力貯蔵手段1の異常を把握することができる。
【0065】本実施形態は、水冷、空冷の場合等、温度
管理手段3の冷却力、加熱力が比較的低いような場合に
特に有効である。
【0066】
【実施例】図5は、第1の実施例の構成を表す図であ
る。電池10は、NiMH二次電池であり、複数個直列
接続した状態で充電が行われる。マイコン40は、組み
込み用1チップマイコンであり、CPU41、ROM4
2、RAM43のほか、A/Dコンバータ44、入出力
ポート46、PWM(パルスワイズモジュレーション)
タイマ47等の周辺装置を内蔵している。
【0067】電池温度センサ20は、サーミスタ温度セ
ンサであり、電池10に密着するよう配置され、電池温
度を電圧に変換し出力する。電池温度センサ20の出力
電圧は、A/Dコンバータ44によりデジタル値に変換
される。ヒーター30は電熱線ヒーターと駆動回路から
なる。冷却装置36はペルチェ素子と駆動回路からな
る。PWMタイマ47は2系統のPWMタイマからな
り、それぞれのパルス出力により、ヒーター30及び冷
却装置36が駆動される。従って、PWMタイマの設定
値を変更することにより、ヒーター30及び冷却装置3
6の出力を、停止から最大まで連続的に変更することが
できる。
【0068】ROM42には、プログラム及びデータテ
ーブル等が置かれている。RAM43には今回値メモ
リ、前回値メモリ、前前回値メモリ等が置かれている。
電源60は定電流充電回路等からなり、入出力ポート4
6により出力のON/OFF、出力電流等が制御され
る。
【0069】充電の開始が指示されると、CPU41は
電池温度センサ20の出力電圧をA/Dコンバータ44
により0.25秒間隔で4回サンプリングし、4回分の
データを平均して電池温度を得る。電池温度が−5℃未
満または45℃以上の場合には、図示しないLCDディ
スプレイに充電が不可能な旨を表示し、次の指示がある
まで待機する。次に、CPU41は、電池温度に基づい
て設定温度を定める。該設定温度は、原則的には電池温
度と同じ温度に設定されるが、充電に適切な温度範囲を
考慮して、たとえば電池温度が5℃未満の場合には5
℃、35℃以上の場合は35℃の如く設定される。
【0070】この結果、電池温度が設定温度と一致する
場合には、電源60の出力をONにし、以下に述べるモ
ード2に移行する。他方、電池温度が設定温度未満の場
合には、モード1に移行する。また、電池温度が設定温
度を超えている場合には、モード3に移行する。
【0071】(1)モード1 電池温度が設定温度未満の場合の処理であり、電源60
はOFFになっている。CPU41は、1秒毎に上記と
同様にして電池温度センサ20から電池温度を得る。こ
の電池温度が設定温度に達した場合には、モード2に移
行する。
【0072】そうでない場合には、CPU41は、電池
温度と設定温度との差を計算し、この差に対応した値を
PWMタイマ47に設定して、電池温度を設定温度に近
づけるべくヒーター30の出力を変更する。電池温度が
設定温度と一致するまで、このモード1の処理を繰り返
す。
【0073】(2)モード2 ヒーター30及び冷却装置36により電池温度を一定範
囲に保ちつつ充電を行うモードである。このモードには
いると、CPU41はヒーター30を制御しているPW
Mタイマの設定値及び冷却装置36を制御しているPW
Mタイマの設定値を、各々対応する前々回値メモリ及び
前回値メモリにコピーした後、以下の巡回処理に移る。
【0074】巡回処理では、CPU41は1秒毎に電池
温度を得、この値と設定温度との間の誤差を計算する。
電池温度が設定温度よりも所定以上高くなった場合に
は、図示しないLCDディスプレイに電池異常の旨を表
示し、充電を終了する。そうでない場合には、電池温度
を設定温度に近づけるべくPWMタイマ47の2つのP
WMタイマの設定値をこの誤差の大小及び方向(極性)
に応じて修正し、もってヒーター30及び冷却装置36
の出力を変更する。すなわち、電池温度が設定温度より
も低い場合には、ヒーター30の出力を増加させ、電池
温度が設定温度よりも高い場合には、冷却装置36の出
力を増加させる。
【0075】また、CPU41は、1分間毎に、ヒータ
ー30を制御しているPWMタイマの設定値の2分間当
たりの変化率を計算する。すなわち、1分間毎に、ヒー
ター30に対応する前前回値メモリの値とヒーター30
を制御しているPWMタイマの現在の設定値との差を計
算することにより、2分間当たりの変化率を計算する。
この変化率が所定以上で、かつ、ヒーター30の出力を
減少する方向に変化した場合には、最大貯蔵量に達した
ものと判断し、補充モードに移行する。
【0076】また、CPU41は、1分間毎に、冷却装
置36を制御しているPWMタイマの設定値の2分間当
たりの変化率を計算する。すなわち、1分間毎に、冷却
装置36に対応する前前回値メモリの値と冷却装置36
を制御しているPWMタイマの現在の設定値との差を計
算することにより、2分間当たりの変化率を計算する。
この変化率が所定以上で、かつ、冷却装置36の出力を
増大する方向に変化した場合には、最大貯蔵量に達した
ものと判断し、補充モードに移行する。そうでない場合
には、前回値メモリの内容を前前回値メモリに移し、現
在のPWMタイマの設定値を前回値メモリに移した後、
上記の巡回処理を繰り返す。
【0077】(3)モード3 電池温度が設定温度を超えている場合の処理であり、電
源60はOFFになっている。CPU41は、1秒毎に
電池温度センサ20から電池温度を得る。この電池温度
が設定温度にまで下がった場合には、モード2に移行す
る。
【0078】そうでない場合には、CPU41は、電池
温度と設定温度との差を計算し、この差に対応した値を
PWMタイマに設定して、電池温度を設定温度に近づけ
るべく冷却装置36の出力を変更する。電池温度が設定
温度になるまでこのモードの処理を繰り返す。
【0079】(4)補充モード CPU41は、入出力ポート46により電源60の出力
電流を小電流に切り替え、所定時間充電を行う。これが
終了すると、図示しないLCDディスプレイに、充電を
完了した旨の表示をする。
【0080】本実施例は以上のように構成したので、以
下のような効果を奏する。まず、電池温度に応じて設定
温度を変更するようにしたので、電池温度が設定温度に
達するまでの所要時間を比較的短時間で済ませることが
できる。
【0081】電池温度が設定温度未満の場合はヒーター
30が動作し、設定温度に達するまで充電は行われな
い。また、電池温度が設定温度を超えている場合は冷却
装置36が動作し、設定温度に達するまで充電は行われ
ない。従って、電池10に過度の負担を与えることを避
けることができる。
【0082】充電中は電池温度が充電に適切な設定温度
に保たれるので、電池に熱的なストレスを与えることが
ない。従って、従来よりも大電力を供給することがで
き、充電時間の短縮を図ることができる。また、充電中
に電池の発熱で充電が中断されるようなことがなく、充
電時間を短縮できる。
【0083】また、ヒーター30の動作によって電池温
度が設定温度に保たれる範囲では、ヒーター30を制御
しているPWMタイマの設定値の変化に基づいて、言い
換えればヒーター30の出力の変化に基づいて、最大貯
蔵量に達したか否かが判断される。また、冷却装置36
の動作によって電池温度が設定温度に保たれる範囲で
は、冷却装置36を制御しているPWMタイマの設定値
の変化に基づいて、言い換えれば冷却装置36の出力の
変化に基づいて、最大貯蔵量に達したか否かが判断され
る。従って、電池温度がほぼ一定に保たれているにもか
かわらず、最大貯蔵量に達したか否かの判断が確実に行
え、最大貯蔵量まで迅速確実に充電できる。
【0084】また、冷却装置36の動作によっても電池
温度が設定温度から所定範囲内に維持できなくなった場
合に電池異常と判断するようにしたので、電池温度がほ
ぼ一定に保たれているにもかかわらず、電池異常の判断
が確実に行える。
【0085】上記実施例では、ヒーター30と冷却装置
36とで別々に最大貯蔵量判断を行うようにしたが、こ
れらをまとめて行うようにしてもよい。たとえば、ヒー
ター30と冷却装置36とについて前々回値とPWMタ
イマの現在値との差をそれぞれ求め、ヒーター30のそ
れを係数倍したものを冷却装置36のそれに加算する。
係数倍するのは、ヒーター30と冷却装置36と能力の
違いを補正するためと、加熱/冷却の方向を合致させる
ためである。この結果が所定値以上で、かつ電池を冷却
する方向に増加すれば、最大貯蔵量に達したものと判断
する。このようにすれば、ヒーター30と冷却装置36
が交互に動作するような場合でも、最大貯蔵量到達を確
実に捉えることができる。また、単なる係数倍ではな
く、オフセットを乗せたり、それぞれのPWMタイマの
変化率をテーブル変換等して補正するようにするとよ
い。
【0086】また、モード1及びモード3でも充電を行
うようにしてもよい。この場合、後述する第4の実施例
のモード1及びモード4の如く、最大貯蔵量到達を判断
するようにするとよい。
【0087】次に、第2の実施例について説明する。構
成は第1の実施例(図5)と同様である。ROM42の
テーブルには、各電池温度に対応した2つのPWMタイ
マの設定値が記憶されている。
【0088】充電の開始が指示されると、CPU41は
第1の実施例と同様にして電池温度を得る。電池温度が
−5℃未満または45℃以上の場合には、図示しないL
CDディスプレイに充電が不可能な旨を表示し、次の指
示があるまで待機する。
【0089】そうでない場合には、この電池温度に基づ
いてテーブルを索引し、電池温度に対応する、ヒーター
30及び冷却装置36のPWMタイマの設定値をそれぞ
れ得る。この値をPWMタイマ47の2つのPWMタイ
マ及びこれらに対応する前々回値メモリ及び前回値メモ
リにそれぞれコピーした後、電源60をONにして、以
下の巡回処理に移る。
【0090】巡回処理では、CPU41は1秒毎に電池
温度を得る。電池温度が55℃以上の場合には、図示し
ないLCDディスプレイに電池異常の旨を表示し、充電
を終了する。そうでない場合には、この電池温度に基づ
いてテーブルを索引し、電池温度に対応するヒーター3
0及び冷却装置36のPWMタイマの設定値をそれぞれ
得る。そしてPWMタイマ47の2つのPWMタイマに
これらの値をそれぞれ設定する。この結果、たとえば電
池温度が10℃の場合にはヒーター30の出力が20%
で冷却装置36の出力が0%、電池温度が30℃の場合
にはヒーター30の出力が0%で冷却装置36の出力が
30%の如く設定される。
【0091】また、CPU41は、1分間毎に、ヒータ
ー30を制御しているPWMタイマの設定値の2分間当
たりの変化率を計算する。この変化率が所定以上で、か
つ、ヒーター30の出力を減少する方向に変化した場合
には、最大貯蔵量に達したものと判断し、補充モードに
移行する。また、CPU41は、1分間毎に、冷却装置
36を制御しているPWMタイマの設定値の2分間当た
りの変化率を計算する。この変化率が所定以上で、か
つ、冷却装置36の出力を増大する方向に変化した場合
には、最大貯蔵量に達したものと判断し、補充モードに
移行する。なお、これらの最大貯蔵量に達したか否かの
判断は、充電開始から3分間経過するまでの間は、行わ
ない。
【0092】この後CPU41は前回値メモリの内容を
前前回値メモリに移し、現在のPWMタイマの設定値を
前回値メモリに移した後、上記の巡回処理を繰り返す。
【0093】本実施例ではヒーター30及び冷却装置3
6の出力状態の変化に基づいて最大貯蔵量に到達したか
否かの判断を行うようにしたので、温度管理がなされて
いるにもかかわらず、最大蓄電量まで確実に充電するこ
とができる。また、電池温度に応じてヒーター30及び
冷却装置36の出力を設定するようにしたので、冷却能
力等の比較的低い温度管理手段でも適用することができ
る。
【0094】本実施例では温度管理と充電制御を1つの
CPUで行うようにしたが、これらを別個の装置にして
もよい。たとえば、温度検出手段と温度管理手段とを一
体にして電池温度センサの出力信号を温度管理手段に直
接的に入力するようにし、制御手段はこれらと別個に設
けるようにするとよい。このようにすれば、電池温度セ
ンサの配線を短くできるのでノイズ等を回避でき、一
方、温度管理手段の制御信号は信号レベルが大きいため
長く引き延ばすことができるので、制御手段の配置の自
由度が増すという効果が得られる。これは第1の実施例
の場合も同様である。また、本実施例では温度管理手段
の出力に基づいて最大貯蔵量到達を判断するようにした
が、電池温度の上昇率等に基づいて検出するようにして
もよい。
【0095】次に、第3の実施例について図6を参照し
つつ説明する。マイコン40その他は第1の実施例の場
合と同様である。気温センサ70はサーミスタ温度セン
サであり、電池温度センサ20と同様にその出力電圧は
A/Dコンバータ44によりデジタル値に変換される。
ヒーター30は電熱線ヒーター及び駆動回路からなり、
入出力ポート46の出力に応じて、熱量を停止、弱、強
の3段階に切り替えることができる。冷却ファン35は
ACファンモーター及び駆動回路からなり、入出力ポー
ト46の出力に応じて巻線切り替えを行うことにより、
送風量を停止、弱、強の3段階に切り替えることができ
る。
【0096】充電開始が指示されると、CPU41は第
1の実施例と同様に電池温度を計算し、今回値メモリに
記憶する。そして、初期設定としてこの値を前前回値メ
モリ及び前回値メモリにそれぞれ記憶する。また、CP
U41は同様にして気温センサ70から気温を検出す
る。
【0097】また、CPU41は、電池温度及び気温に
基づいて、設定温度を定める。該設定温度は、原則的に
は電池温度と同じ温度に設定されるが、充電に適切な温
度範囲を考慮して、たとえば電池温度が5℃未満の場合
には5℃、35℃以上の場合は35℃の如く設定され
る。また、空冷であることを考慮して、気温よりも少し
高い温度に設定される。なお、さらに強力な冷却手段を
用いて電池温度を気温よりも下げることができる場合に
は、気温に関わらず最適な温度に設定することができ
る。
【0098】電池温度が−5℃よりも低い場合、また
は、気温が40℃よりも高い場合には、充電は行わな
い。この場合には、充電が不可能な旨をLCDディスプ
レイに表示し、新たな指示があるまで待機状態となる。
電池温度が5℃未満の場合には、ヒーター30を強に設
定し、検出感度として3℃/2分を設定し、電源60の
出力をONにしてモード1に移行する。それ以外の場合
には、ヒーター30及び冷却ファン35を停止に設定
し、検出感度として2℃/2分を設定し、電源60の出
力をONにしてモード2に移行する。
【0099】(1)モード1 電池温度が5℃未満の場合の動作である。CPU41
は、電池温度センサ20から1秒毎に電池温度を得、今
回値メモリに記憶する。この電池温度が5℃以上になっ
た場合、CPU41は、ヒーター30の出力を1段階低
い出力に変更するとともに、最大貯蔵量に到達したか否
かの検出のための検出感度を変更する。
【0100】すなわち、充電を開始してから最初に5℃
以上になった場合、CPU41はヒーター30の出力を
強から弱に切り替えるとともに、検出感度を2.5℃/
2分に切り替える。この感度の変更は、敷居値の変更に
より行われる。その後さらに5℃以上になった場合、ヒ
ーター出力を弱から停止に切り替えるとともに、検出感
度を2℃/2分に切り替える。なお、ヒーターの出力を
切り替えた場合には、その1分後の今回値メモリの内容
を、前前回値メモリ及び前回値メモリにそれぞれコピー
する。
【0101】また、CPU41は、1分毎に2分間当た
りの温度上昇率を計算する。すなわち、前々回値メモリ
には2分前の温度情報が記憶されているので、前々回値
メモリの内容と今回値メモリの内容の差を求めることに
より、2分間あたりの温度上昇率が得られる。当該温度
上昇率が、このとき設定されている検出感度以上になっ
た場合には、最大貯蔵量に達したものと判断し、充電を
終了する。それ以外の場合には、前回値メモリの内容を
前々回値メモリに移し、今回値メモリの内容を前回値メ
モリに移した後、モード1の処理を繰り返す。
【0102】(2)モード2 電池温度が5℃以上の場合の動作である。CPU41
は、同様に1秒毎に電池温度を得、この電池温度を上記
設定温度と比較する。電池温度が設定温度を超えた場
合、CPU41は冷却ファン35の送風量を1段階強い
送風量に変更するとともに、最大貯蔵量に到達したか否
かの検出のための検出感度を変更する。
【0103】すなわち、充電開始後初めて設定温度を超
えた場合、CPU41は送風量を停止から弱に切り替え
るとともに、検出感度を1.5℃/2分に切り替える。
その後さらに設定温度を超えた場合、送風量を弱から強
に切り替えるとともに、検出感度を1℃/2分に切り替
える。なお、送風量を切り替えた場合には、その1分後
の今回値メモリの内容を、前前回値メモリ及び前回値メ
モリにそれぞれコピーする。
【0104】また、CPU41は、1分毎に2分間当た
りの温度上昇率を計算する。当該温度上昇率が、このと
き設定されている検出感度以上になった場合には、最大
貯蔵量に達したものと判断し、充電を終了する。
【0105】また、電池温度が50℃以上になった場合
には電池異常と判断し、充電を停止して、図示しないL
CDディスプレイに異常発生を知らせる表示を行う。そ
れ以外の場合には、モード2の処理を繰り返す。
【0106】本実施例は以上のように構成したので、最
大貯蔵量の検出に関してヒーター30及び冷却ファン3
5の出力状態に応じた適切な検出感度が設定されるた
め、種々の温度状況下にあっても最大貯蔵量に達したか
否かを確実に判断することができ、過不足無く確実に充
電が行える。また、ヒーター30及び冷却ファン35の
出力は連続的に変更できなくても足りるので、温度管理
手段には比較的安価な装置を用いることができる。
【0107】本実施例では、ヒーター30または冷却フ
ァン35の出力を切り替えた際の過渡期の温度変化を無
視するため、電池温度が平衡するまでの1分間は最大貯
蔵量に達したか否かの判断を行わないようにし、前々回
値メモリ及び前回値メモリを再設定するようにしたが、
この期間でも判断を行うようにしてもよい。この場合
は、前々回メモリ及び前回メモリの値を、ヒーター30
等の新たな設定に対応した値に補正するようにするとよ
い。
【0108】本実施例では、電池温度が設定温度を超え
た場合に冷却ファン35の出力を1段高い出力に切り替
えるようにしたが、これに加えて、電池温度が設定温度
よりも低い第2の設定温度以下になった場合には冷却フ
ァン35を一段低い出力に切り替え、検出感度を変更す
るようにしてもよい。また、同様に、ヒーター30を弱
に切り替えた後に電池温度がたとえば0℃未満になった
場合には、ヒーターを強に切り替えるとともに検出感度
を変更するようにしてもよい。また、電池の熱時定数等
を考慮し、一旦切り替えたら所定時間経過するまでは再
度の切り替えを禁止等するようにしてもよい。
【0109】検出感度の変更は、検出間隔を一定にし敷
居値を変更することで変更するようにしたが、敷居値を
一定にして検出時間間隔のほうを変更するようにしても
よい。また、所定温度上昇するまでの時間を計測し、該
時間の大小により検出するようにしてもよい。
【0110】また、冷却手段に電気冷却、電子冷却等を
用いる場合で冷却能力が大きいために電池温度が下がり
すぎてしまうような場合には、検出感度を負に設定する
ようにしてもよい。また、電池温度が平衡するまでの過
渡期においては検出感度を特別の感度に設定したり、ま
た過渡期の検出感度を時間と共に変更するようにしても
よい。また、温度管理手段の冷却能力は一般に気温等に
応じて異なり、また時間の経過により平衡に達するの
で、検出感度は周囲温度や温度管理手段を切り替えてか
らの経過時間等に応じて変更するようにしてもよい。
【0111】また、充電の制御は、上記のような最大貯
蔵量到達検出方法による場合に限られず、例えば温度管
理手段の出力が所定の出力(例えば冷却手段が「強」)
になってから所定時間経過後に充電を終了するようにし
てもよい。また、たとえば温度管理手段の出力が所定の
出力になった後に所定温度(例えば、設定温度)を超え
た時点で充電を終了するようにしてもよい。
【0112】次に、第4の実施例について説明する。構
成は第3の実施例(図6)と同様である。充電開始が指
示されると、CPU41は第1の実施例と同様にして電
池温度を得、今回値メモリに記憶するとともに、初期設
定としてこの値を前前回値メモリ及び前回値メモリにそ
れぞれ記憶する。
【0113】電池温度が−5℃未満の場合または40℃
以上の場合には、充電は行わない。この場合には、充電
が不可能な旨をLCDディスプレイに表示し、新たな指
示があるまで待機状態となる。電池温度が0℃未満の場
合には、モード1に移行する。電池温度が0℃以上5℃
未満の場合には、モード2に移行する。電池温度が5℃
以上30℃未満の場合には、モード3に移行する。電池
温度が30℃以上40℃未満の場合には、モード4に移
行する。
【0114】(1)モード1 このモードに入った時点で、CPU41はヒーター30
を強、冷却ファン35を停止に設定する。また、このモ
ードに入った後1分間過ぎるまでは最大充電量到達の検
出は行わず、当該1分が過ぎた時点で今回値メモリの内
容を前前回値メモリ及び前回値メモリにそれぞれコピー
する。
【0115】CPU41は、電池温度センサ20から1
秒毎に電池温度を得る。この電池温度が−3℃以上にな
った場合には、モード2に移行する。また、CPU41
は、第3の実施例と同様にして、1分毎に2分間当たり
の温度上昇率を得る。この温度上昇率が3℃/2分以上
になった場合には、最大貯蔵量に達したものと判断し、
充電を終了する。それ以外の場合にはモード1の処理を
繰り返す。
【0116】(2)モード2 このモードに入った時点で、CPU41はヒーターを
弱、冷却ファンを停止に設定する。また、このモードに
入って1分間の処理は、モード1の場合と同様である。
CPU41は、モード1の場合と同様、1秒毎に電池温
度を得る。電池温度が−2℃未満になった場合には、モ
ード1に移行する。電池温度が7℃以上になった場合に
は、モード3に移行する。また、CPU41は、同様に
1分毎に温度上昇率を得、これが2.5℃/2分以上に
なった場合には最大貯蔵量に達したものと判断し、充電
を終了する。それ以外の場合にはモード2の処理を繰り
返す。
【0117】(3)モード3 このモードに入った時点で、CPU41はヒーター30
を停止、冷却ファン35を停止に設定する。また、この
モードに入って1分間の処理は、モード1の場合と同様
である。CPU41は、モード1の場合と同様、1秒毎
に電池温度を得る。電池温度が3℃未満になった場合に
は、モード2に移行する。電池温度が32℃以上になっ
た場合には、モード4に移行する。また、CPU41
は、同様に1分毎に温度上昇率を得、これが2℃/2分
以上になった場合には最大貯蔵量に達したものと判断
し、充電を終了する。それ以外の場合にはモード3の処
理を繰り返す。
【0118】(4)モード4 このモードに入った時点で、CPU41はヒーター30
を停止、冷却ファン35を弱に設定する。また、このモ
ードに入って1分間の処理は、モード1の場合と同様で
ある。CPU41は、モード1の場合と同様、1秒毎に
電池温度を得る。電池温度が28℃未満になった場合に
は、モード3に移行する。電池温度が42℃以上になっ
た場合には、モード5に移行する。また、CPU41
は、同様に1分毎に温度上昇率を得、これが1.5℃/
2分以上になった場合には最大貯蔵量に達したものと判
断し、充電を終了する。それ以外の場合にはモード4の
処理を繰り返す。
【0119】(5)モード5 このモードに入った時点で、CPU41はヒーター30
を停止、冷却ファン35を強に設定する。また、このモ
ードに入って1分間の処理は、モード1の場合と同様で
ある。CPU41は、モード1の場合と同様、1秒毎に
電池温度を得る。電池温度が38℃未満になった場合に
は、モード4に移行する。電池温度が50℃以上になっ
た場合には、電池異常と判断し、充電を停止して、図示
しないLCDディスプレイに異常発生を知らせる表示を
行う。また、CPU41は、同様に1分毎に温度上昇率
を得、これが1℃/2分以上になった場合には最大貯蔵
量に達したものと判断し、充電を終了する。それ以外の
場合にはモード5の処理を繰り返す。
【0120】本実施例は以上のように構成したので、最
大貯蔵量の検出に関してヒーター30及び冷却ファン3
5の出力状態に応じた適切な検出感度で検出が行われる
ため、種々の温度状況下にあっても最大貯蔵量に達した
か否かを確実に判断することができ、過不足無く確実に
充電が行える。また、ヒーター30及び冷却ファン35
の出力が連続的に変更できなくても足りるので、温度管
理手段には比較的安価な手段を用いることができる。
【0121】上記実施例では、冷却出力を切り替えた際
に前々回値メモリ及び前回値メモリを再設定することに
より、冷却出力を切り替えた前後では最大貯蔵量に達し
たか否かの判断を行わないようにしたが、判断を行うよ
うにしてもよい。この場合は、前々回値メモリ及び前回
値メモリの値を、新たな送風量に対応した値に補正する
ようにするとよい。また、前々回値メモリ及び前回値メ
モリの値はそのままで、検出感度の方を変えるようにし
てもよい。
【0122】次に、第5の実施例について図7を参照し
つつ説明する。ヒーター30は電熱線ヒーターであり、
出力の大きさは変更できず、CPU41の指示によりポ
ート46によりON/OFFの制御のみが可能となって
いる。冷却装置36はペルチェ素子からなり、出力の大
きさは変更できず、CPU41の指示によりポート46
によりON/OFFの制御のみが可能となっている。
【0123】ROM42には、プログラム及びテーブル
が記憶されている。テーブルには、種々の温度条件下に
おいて、電池に充電を行わない状態でヒーター30によ
り加熱を行い、電池温度を1分間毎に測定したときの電
池温度の実測値が記憶されている。すなわち、加熱開始
から時刻t[分]における電池温度をTc(t)とすれ
ば、Tc(t)=F(Tc(0),t)なる関数が、種
々のTc(0)についてテーブルの形で記憶されてい
る。RAM43には、前々回値メモリ、前回値メモリ、
1分タイマ等が置かれている。
【0124】充電開始が指示されると、CPU41は、
電池温度センサ20により電池温度を測定する。また、
RAM43上の1分タイマにt=0を設定し、この時点
での電池温度Tc(0)をRAM43に記憶する。電池
温度が−10℃未満または50℃以上の場合には、LC
Dパネルに充電が不可能な旨を表示し、新たな指示があ
るまで待機する。
【0125】電池温度が−10℃以上0℃未満の場合に
は、ポート46によりヒーター30をONにし、モード
1に移行する。電池温度が0℃以上10℃未満の場合に
は、ポート46によりヒーター30をON、電源60の
出力をONにして、モード2に移行する。電池温度が1
0℃以上30℃未満の場合には、モード3に移行する。
【0126】電池温度が30℃以上40℃未満の場合に
は、ポート46により冷却装置36をONにし、電源6
0の出力をONにして、モード2に移行する。電池温度
が40℃以上50℃未満の場合には、冷却装置36をO
Nにし、モード4に移行する。
【0127】(1)モード1 電池温度が0℃未満の場合の処理であり、ヒーター30
はON、電源60の出力はOFFになっている。CPU
41は、1分経過する毎に、1分タイマを1だけインク
リメントする。また、CPU41は、電池温度センサ2
0により1分毎に電池温度を測定する。電池温度が0℃
以上になれば、CPU41はポート46により電源60
の出力をONにして、モード2に移行する。0℃未満の
場合には、0℃以上になるまでモード1の処理を繰り返
す。
【0128】(2)モード2 充電を行うモードであり、ヒーター30または冷却装置
36はON、電源60の出力はONになっている。CP
U41は、電池温度センサ20から1秒毎に電池温度を
得る。また、CPU41は、1分毎に1分タイマをイン
クリメントし、このときの1分タイマの値t(すなわ
ち、ヒーター30または冷却装置36がONになってか
らの経過時間を分単位で表したもの)及び記憶していた
Tc(0)に基づいてテーブル1を索引し、Tc(t)
を得る。そして、上記測定した電池温度からTc(t)
の値を引き算し、この結果を今回値メモリに記憶する。
この結果が、ヒーター30による加熱分または冷却装置
36による冷却分を除いた、充電により生じた実質的な
電池の発熱分となる。
【0129】充電開始後初めてこの1分間毎の処理を行
った場合には、今回値メモリの値を前回値メモリ及び前
々回値メモリに記憶した後、上記のモード2の処理を繰
り返す。2回目以降の場合には、CPU41は、今回値
メモリの値と前々回メモリの値とを比較して、2分間当
たりの温度上昇率を得る。この値が所定値以上の場合に
は、最大貯蔵量に達したものと認め、充電を終了する。
所定値未満の場合には、前回値メモリの値を前々回値メ
モリに移し、今回値メモリの値を前回値メモリに移した
後、モード2の処理を繰り返す。
【0130】(3)モード3 電池温度が10℃から30℃の場合であり、ヒーター3
0及び冷却装置36はOFFになっている。CPU41
は、1分間毎に電池温度を測定し、また1分間毎に電池
温度の変化率を求め、電池温度の変化率が2℃/2分以
上となった場合に最大貯蔵量に達したものとして充電を
終了する。
【0131】(4)モード4 電池温度が40℃以上50℃未満の場合の処理であり、
このモードでは、冷却装置36はON、電源60の出力
はOFFになっている。CPU41は、1分経過する毎
に、1分タイマを1だけインクリメントする。また、1
分毎に電池温度を測定し、電池温度が40℃未満になれ
ば、ポート46により電源60の出力をONにして、モ
ード2に移行する。40℃以上の場合には、40℃未満
になるまでモード4の処理を繰り返す。
【0132】本実施例では上記のように構成したので、
電池温度からヒーター30による加熱分または冷却装置
36の冷却分を除去して充電により生じた実質的な電池
温度の上昇分だけを捉えることができる。この結果から
最大貯蔵量に達したか否かを判断することができるの
で、ヒーター30や冷却装置36が動作しているにも関
わらず、過不足無く適切な充電を行うことができる。ま
た、充電開始前の電力貯蔵手段の温度Tc(0)により
テーブルを選択するようにしたので、充電時の温度状況
に柔軟かつ適切に対応することができる。
【0133】本実施例では充電開始前の電池温度Tc
(0)に基づいてテーブルを選択するようにしたが、充
電開始前の気温に基づいてテーブルを選択するようにし
てもよい。また、気温と電池温度との差が所定以内に収
まるまで待った後に充電を開始するようにしてもよい。
また、各種の気温と電池温度の組み合わせに応じたテー
ブルを用意し、気温と電池温度の双方に基づいてテーブ
ルを選択するようにしてもよい。また、充電開始後も電
池温度や気温を測定するようにし、この測定した電池温
度や気温に応じて、充電中にテーブルの選択を逐次変更
するようにしてもよい。また、テーブルは特定の温度状
況下におけるものだけ用意し、その他の温度状況に適用
する場合には温度補正、補間等を行うようにしてもよ
い。
【0134】また、本実施例では電池温度に基づいてモ
ード分けするようにしたが、気温に基づいてモード分け
するようにしてもよい。
【0135】次に、第6の実施例について図8を参照し
つつ説明する。冷却装置36はペルチェ素子からなり、
出力の大きさは変更できず、CPU41の指示によりポ
ート46によりON/OFFの制御のみが可能となって
いる。RAM43にはタイマ等が置かれている。
【0136】充電開始が指示されると、CPU41は、
電池温度センサ20により電池温度を測定する。電池温
度が0℃未満または40℃以上の場合には、図示しない
LCDディスプレイに充電が不可能な旨を表示し、新た
な指示があるまで待機する。0℃以上40℃未満の場合
には、タイマの値を0にリセットし、冷却装置36をO
FF、電源60の出力をONにする。電池温度が20℃
未満の場合には、モード1に移行する。電池温度が20
℃以上21℃未満の場合には、モード2に移行する。そ
れ以外の場合は、冷却装置36をONにしてモード3に
移行する。
【0137】(1)モード1 充電開始前の電池温度が20℃未満の場合の処理であ
り、冷却装置36はOFFになっている。CPU41
は、電池温度センサ20により1秒毎に電池温度を測定
する。電池温度が20℃以上になれば、モード2に移行
する。また、CPU41は1分毎に温度上昇率を求め、
これが2℃/2分以上となった場合には最大貯蔵量に達
したと判断し、充電を終了する。それ以外の場合には、
モード1の処理を繰り返す。
【0138】(2)モード2 CPU41は、1秒毎に電池温度を測定する。電池温度
が21℃以上の場合、CPU41は、冷却装置36がO
FFであればこれをONにするとともに、タイマの値を
0にリセットする。また、電池温度が20℃になった場
合、冷却装置36をOFFにする。また、CPU41は
1秒毎に冷却装置36の動作状態を調べ、冷却装置36
がONになっている場合には、タイマをインクリメント
する。この結果タイマの値が所定値となった場合には、
最大貯蔵量に到達したものとみなして、充電を終了す
る。
【0139】(3)モード3 充電開始前の電池温度が21℃以上の場合の処理であ
り、冷却装置36はONになっている。CPU41は、
電池温度センサ20により1秒毎に電池温度を測定す
る。この結果、電池温度が21℃未満になれば、モード
2に移行する。また、CPU41は1分毎に温度変化率
を求め、これが1.5℃/2分以上となった場合には最
大貯蔵量に達したと判断し、充電を終了する。それ以外
の場合には、モード1の処理を繰り返す。
【0140】本実施例は以上のように構成したので、冷
却装置36により電池温度が20℃付近にほぼ保たれて
いる状況下にあっても、最大貯蔵量に達したか否かの判
断が容易に行えるので、過不足なく確実に充電すること
ができる。また、冷却装置36の出力が変更できなくて
も足りるので、安価な冷却装置を用いることができる。
【0141】本実施例では冷却装置36がONになって
いる時間が所定以上になった場合に最大貯蔵量に到達し
たものと判断するようにしたが、冷却装置36がOFF
になっている時間が所定未満になった場合に最大貯蔵量
に到達したものと判断するようにしてもよい。また、本
実施例では温度管理手段(冷却装置)をON/OFF動
作としたが、これに限らず、たとえば所定の第1の出力
状態(冷却能力)と第2の出力状態との切り替え動作と
してもよい。
【0142】また、本実施例では電池温度を所定の温度
(20℃から21℃)に保つようにしたが、第3の実施
例のごとく、充電開始前の電池温度に対応した所定の設
定温度に保つようにしてもよい。このようにすれば、上
記実施例のモード1及びモード3を省略することができ
る。また、電池温度が一定温度に達するまでは最大貯蔵
量に到達したか否かの検出を行わないようにしたり、充
電開始から所定時間経過するまでまたは電池温度が平衡
するまでは最大貯蔵量に到達したか否かの検出を行わな
いようにしてもよい。
【0143】次に、第7の実施例について説明する。構
成は第6の実施例(図8)と同様である。冷却装置36
はペルチェ素子からなり、出力の大きさは変更できず、
CPU41の指示によりポート46によりON/OFF
の制御のみが可能となっている。RAM43には計時用
タイマ、カウント用タイマ等が置かれている。
【0144】充電開始が指示されると、CPU41は、
電池温度センサ20により電池温度を測定する。電池温
度が0℃未満または40℃以上の場合には、図示しない
LCDディスプレイに充電が不可能な旨を表示し、新た
な指示があるまで待機する。0℃以上40℃未満の場合
には、このときの電池温度から、第3の実施例と同様に
して設定温度を得る。そして、計時用タイマ及びカウン
ト用タイマの値を0にリセットし、冷却装置36をOF
F、電源60の出力をONにし、以下の巡回処理に移行
する。
【0145】巡回処理では、CPU41は、1秒毎に電
池温度を測定する。電池温度が上記設定温度以上の場
合、CPU41は、冷却装置36がOFFであればこれ
をONにするとともに、カウント用タイマの値をインク
リメントする。また、電池温度が上記設定温度よりも1
℃以上低くなった場合、冷却装置36をOFFにする。
また、CPU41は1秒毎に計時用タイマをインクリメ
ントする。この結果計時用タイマの値が所定値に達した
場合には、カウント用タイマの値を調べ、これが所定値
以上であれば最大貯蔵量に到達したものと判断し、充電
を終了する。他方、カウント用タイマの値が所定値未満
の場合には、計時用タイマ及びカウント用タイマの値を
0にリセットし、上記巡回処理を継続する。計時用タイ
マの値が所定値未満の場合にも、上記巡回処理を継続す
る。
【0146】本実施例は以上のように構成したので、電
池温度が設定温度にほぼ保たれている状況下にあって
も、最大貯蔵量に達したか否かの判断が容易に行えるの
で、過不足なく確実に充電することができる。また、冷
却装置36の出力が変更できなくても足りるので、安価
な冷却装置を用いることができる。
【0147】本実施例では所定時間内に冷却装置36が
ONになった回数が所定以上になれば最大貯蔵量に到達
したものと判断するようにしたが、これに限らず、OF
Fになった回数またはONになった回数とOFFになっ
た回数の双方を調べ、これが所定回数を超えた場合に最
大貯蔵量に到達したものと判断するようにしてもよい。
また、冷却装置36が所定回ONになるまでの所要時間
を測定し、これが所定時間未満となった場合に最大貯蔵
量に到達したものと判断するようにしてもよい。
【0148】次に、第8の実施例について図9を参照し
つつ説明する。マイコン40その他は第1の実施例の場
合と同様である。ROM42のテーブル1には、種々の
温度条件下において、電池に充電を行わない状態でヒー
ター30により加熱を行い、電池温度を1分間毎に測定
したときの値が記憶されている。すなわち、加熱開始か
ら時刻t[分]における周囲温度をTa(t)、電池温
度をTc(t)とすれば、Tc(t)=F(Ta
(0),Tc(0),t)なる関数が、種々のTa
(0)、Tc(0)についてテーブルの形で記憶されて
いる。ROM42のテーブル2には、種々の温度条件下
において、電池に充電を行わない状態で冷却ファン35
を最大出力にし、電池温度を1分間毎に測定したときの
値が、テーブル1と同様の態様で記憶されている。気温
センサ70はサーミスタ温度センサであり、周囲温度を
測定する。気温センサ70の出力電圧は、電池温度セン
サ20の場合と同様、A/Dコンバータ44によりデジ
タル値に変換される。RAM43には、1分タイマ、前
回値メモリ等が置かれている。ヒーター30は電熱線ヒ
ーター及び駆動回路からなり、入出力ポート46の出力
に応じて出力のON、OFFを切り替えることができ
る。冷却ファン35は、PWMタイマの設定値を変更す
ることにより停止から最大まで出力を連続的に変更する
ことができる。
【0149】充電開始が指示されると、CPU41は第
1の実施例と同様に電池温度を得る。また、同様にして
気温センサ70から周囲温度を得る。電池温度が−5℃
以上45℃未満の範囲内にない場合、または、周囲温度
が0℃以上40℃未満の範囲内にない場合には、充電は
行わない。この場合には、充電が不可能な旨をLCDデ
ィスプレイに表示し、新たな指示があるまで待機状態と
なる。電池温度が周囲温度未満の場合には、電源60の
出力をONにしてモード1に移行する。電池温度が周囲
温度と同じ場合には、電源60の出力をONにしてモー
ド2に移行する。電池温度が周囲温度を超えている場合
には、電源60の出力をONにしてモード3に移行す
る。
【0150】(1)モード1 電池温度が周囲温度未満の場合の動作である。このモー
ドに入ると、CPU41はヒーター30をONにし、前
々回値メモリ及び前回値メモリを0に設定する。また、
RAM43上の1分タイマにt=0を設定し、この時点
での周囲温度Ta(0)、電池温度Tc(0)をRAM
43に記憶する。そして、以下の巡回処理に移る。
【0151】巡回処理では、CPU41は、電池温度セ
ンサ20から1秒毎に電池温度を得る。この電池温度が
周囲温度と一致した場合には、モード2に移行する。ま
た、CPU41は、I分間毎に、2分間当たりの電池温
度の上昇率を計算する。すなわち、1分毎に1分タイマ
をインクリメントし、このときの1分タイマの値t及び
上記Ta(0)、Tc(0)に基づいてテーブル1を索
引し、Tc(t)を得る。そして、測定した電池温度か
らTc(t)を引き算して、実質的な電池の発熱による
温度上昇分を得、今回値メモリに記憶する。この値が所
定値以上になった場合には、図示しないLCDディスプ
レイに電池異常の旨を表示し、充電を終了する。そうで
ない場合は今回値メモリの値と前々回値メモリとの差を
求め、この値が所定値以上になった場合には、最大貯蔵
量に達したものと判断し、充電を終了する。それ以外の
場合には、前回値メモリの値を前々回値メモリに移し、
今回値メモリの値を前回値メモリに移した後、上記巡回
処理を繰り返す。
【0152】(2)モード2 電池温度が周囲温度と同じ場合の動作である。このモー
ドにはいると、CPU41はPWMタイマ47の設定値
を、前々回値メモリ及び前回値メモリにコピーした後、
以下の巡回処理に移る。
【0153】巡回処理では、CPU41は1秒毎に電池
温度及び周囲温度を得、両者間の誤差を計算する。電池
温度が周囲温度よりも所定以上高くなった場合には、図
示しないLCDディスプレイに電池異常の旨を表示し、
充電を終了する。そうでない場合には、電池温度を周囲
温度に近づけるべくPWMタイマ47の設定値をこの誤
差の大小に応じて修正し、もって冷却ファン35の出力
を変更する。
【0154】また、CPU41は、1分間毎に、PWM
タイマの設定値の2分間当たりの変化率を計算する。す
なわち、1分間毎に前前回値メモリの値とPWMタイマ
の現在の設定値との差を計算することにより、2分間当
たりの変化率を計算する。この変化率が冷却ファン35
の出力を増大する方向でかつ所定値以上の場合には、最
大貯蔵量に達したものと判断し、充電を終了する。そう
でない場合には、前回値メモリの内容を前前回値メモリ
に移し、現在のPWMタイマ47の設定値を前回値メモ
リに移した後、上記の巡回処理を繰り返す。
【0155】(3)モード3 電池温度が周囲温度以上の場合の動作である。このモー
ドに入ると、CPU41は冷却ファン35を最大出力に
し、前々回値メモリ及び前回値メモリを0に設定する。
また、RAM43上の1分タイマにt=0を設定し、こ
の時点での周囲温度Ta(0)、電池温度Tc(0)を
RAM43に記憶する。そして、以下の巡回処理に移
る。
【0156】巡回処理では、CPU41は、電池温度セ
ンサ20から1秒毎に電池温度を得る。この電池温度が
周囲温度と一致した場合には、モード2に移行する。ま
た、CPU41は、I分間毎に、2分間当たりの電池温
度の変化率を計算する。すなわち、1分毎に1分タイマ
をインクリメントし、このときの1分タイマの値t及び
上記Ta(0)、Tc(0)に基づいてテーブル1を索
引し、Tc(t)を得る。そして、測定した電池温度か
らTc(t)を引き算して、実質的な電池の発熱による
温度上昇分を得、今回値メモリに記憶する。この値が所
定値以上になった場合には、図示しないLCDディスプ
レイに電池異常の旨を表示し、充電を終了する。そうで
ない場合は今回値メモリの値と前々回値メモリとの差を
求め、この値が所定値以上になった場合には、最大貯蔵
量に達したものと判断し、充電を終了する。それ以外の
場合には、前回値メモリの値を前々回値メモリに移し、
今回値メモリの値を前回値メモリに移した後、上記巡回
処理を繰り返す。
【0157】本実施例は以上のように構成したので、以
下のような効果が得られる。まず、電池温度が周囲温度
よりも低い場合には、テーブル1の温度情報と測定した
電池温度とに基づいて、ヒーター30による加熱によっ
て生じた温度上昇分を除外した、電池自身の発熱に基づ
く温度上昇分が得られる。この変化率に基づいて、最大
貯蔵量の到達の判断がなされるので、周囲温度やヒータ
ーによる加熱の影響を受けず、最大貯蔵量への到達を確
実に捉えることができる。
【0158】また、電池温度と周囲温度との関係に基づ
いて温度管理手段の温度制御出力を行い、これに基づい
て充電を制御するようにしたので、周囲温度の影響を排
することができ、周囲温度が変動する状況下にあって
も、確実に充電制御を行うことができる。また、充電開
始時の電池温度と周囲温度とが異なるような場合でも、
確実に充電制御を行うことができる。また、水冷等の温
度制御能力の低い温度管理手段であっても適切に充電制
御を行うことができる。
【0159】また、電池温度が周囲温度よりも高い場合
には、テーブル2の温度情報と測定した電池温度とに基
づいて電池自身の発熱に基づく温度上昇分が得られ、こ
れにより最大貯蔵量の到達の判断がなされるので、最大
貯蔵量への到達を確実に捉えることができる。
【0160】本実施例では充電中に逐次周囲温度を測定
しその結果を制御に用いるようにしたが、たとえば充電
開始直前の周囲温度や充電開始後所定時間経過後の周囲
温度を用いるようにしてもよい。
【0161】本実施例では、電池温度が低い場合に電池
温度が周囲温度以上になるまでモード1の処理を続ける
ようにしたが、たとえば周囲温度よりも一定温度高い温
度までモード1を続けるようにしてもよい。すなわち、
加熱により電池の表面温度が周囲温度まで上昇しても、
内部温度はまだ低い場合があり、このためモード2に移
ってから表面温度が低下する場合があるが、これを見越
して少し高い温度まで加熱するようにするとよい。モー
ド3における冷却の場合も同様である。またこれらは、
たとえば、電池温度が周囲温度に一致した後も一定時間
加熱または冷却を続けることによって実現するようにし
てもよい。
【0162】また、空冷のような場合には電池温度を周
囲温度と一致するところまでは冷却できない場合が多い
ので、モード2では周囲温度よりも一定温度高い温度に
保つよう制御するようにしてもよい。
【0163】また、モード1からモード2へ移った場合
に、前回値メモリ、前々回値メモリの値を係数補正等を
施し、最大貯蔵量到達検出に継ぎ目の無い処理を行うよ
うにするとよい。
【0164】次に、第9の実施例について説明する。構
成は第6の実施例(図8)と同様であるが、冷却装置3
6に代えて、冷却ファン35を備えている。冷却ファン
35は、ポート46によりON、OFFが可能となって
いる。
【0165】充電開始が指示されると、CPU41は、
電池温度センサ20により、電池温度を測定する。電池
温度が0℃以上40℃未満の範囲内にない場合には、充
電は行わず、図示しないLCDディスプレイに充電が不
可能な旨を表示し、新たな指示があるまで待機する。電
池温度が上記範囲内にある場合には、充電動作に移る。
電池温度が25℃以上であれば、ポート46により冷却
ファン35をONにし、それ未満の場合にはOFFにす
る。そして電源60をONにし、巡回処理に移る。
【0166】巡回処理では、他の実施例と同様にして1
分間毎に2分あたりの電池温度の上昇率を得る。冷却フ
ァンがOFFの場合には、温度上昇率が2℃/2分以上
になったとき最大貯蔵量に達したものと判断し、充電を
終了する。また、電池温度が45℃以上になった場合に
は電池異常と判断し、充電を終了する。一方、冷却ファ
ンがONの場合には、温度上昇率が1.5℃/2分以上
になったとき最大貯蔵量に達したものと判断し、充電を
終了する。また、電池温度が55℃以上になった場合に
は電池異常と判断し、充電を終了する。その他の場合に
は、上記巡回処理を継続する。
【0167】本実施例では、冷却ファン35の稼働状態
に応じて最大貯蔵量到達の検出感度を変更するようにし
たので、冷却ファンの稼働状態に係わらず最大貯蔵量到
達の判断が確実に行えるため、幅広い温度範囲で最大貯
蔵量まで確実に充電できる。また、冷却ファン35の稼
働状態に応じて電池異常の検出基準を変えるようにした
ので、冷却ファンの稼働状態に係わらず電池異常を確実
捉えることができる。
【0168】本実施例では充電開始前の電池温度に基づ
いて冷却ファン35のON、OFFを定めるようにした
が、これに限らず充電中に電池温度に応じてON、OF
Fするようにしてもよい。この場合、これに応じて最大
蓄電量検出の検出感度や電池異常の判断基準も変えるよ
うにするとよい。
【0169】また、電池温度ではなくたとえば気温に基
づいて冷却ファン35のON、OFFを定めるように
し、同様に冷却ファン35の稼働状態に応じて最大蓄電
量検出の検出感度や電池異常の判断基準を変えるように
してもよい。
【0170】なお、上記したような各種の実施例は、以
下のような各種の変形が可能である。 (1)上記実施例では、温度上昇率のみをもって最大貯
蔵量に達したか否かを判断するようにしたが、これに加
えて電池電圧が所定値以上でなければ最大貯蔵量到達と
判断しない等、さらに他の要件を追加するようにしても
よい。また、所定時間の充電で打ち切る等の、他の方法
を併用するようにしてもよい。
【0171】(2)充電状況の別や電力貯蔵手段の種類
の別、電力貯蔵手段の個数の別等により制御方法を変え
るようにするとよい。
【0172】(3)周囲温度や充電プロセスのうちの所
定時期(たとえば充電開始前)における電力貯蔵手段の
温度等に応じて所望の貯蔵量に達したかどうかの検出の
検出感度を変えるようにするとよい。たとえば、周囲温
度が低い場合には電池が発熱しても電池温度があまり上
昇しないので、このような場合には検出感度を高く(た
とえば敷居値を低く)設定するようにするとよい。ま
た、周囲温度が高い場合には電池の発熱による温度上昇
が大きくなるので、検出感度を低く(たとえば敷居値を
高く)設定し、温度上昇率が高くならなければ所望の貯
蔵量に達したと判断しないようにするようにするとよ
い。上記の所定時期は、充電開始前に限らず、たとえば
充電開始直後や充電開始から所定時間後や所定の条件が
成立した時点等としてもよい。これらの方法は、冷却や
加熱を行わないで充電する場合にも効果がある。
【0173】(4)周囲温度や充電プロセスのうちの所
定時期における電力貯蔵手段の温度等に応じて、温度上
昇による電力貯蔵手段の異常判別の基準を変えるように
するとよい。従来の、電力貯蔵手段の温度が所定値を超
えた場合に異常と判断するような方法では、周囲温度が
低い場合には電力貯蔵手段が異常発熱しても電力貯蔵手
段の温度があまり上昇しないので、異常が生じても検出
できない場合がある。この問題を解決するため、このよ
うな場合には検出感度を高く(たとえば敷居値を低く)
設定するようにするとよい。
【0174】たとえば、周囲温度や充電開始前の電力貯
蔵手段の温度が10℃未満の場合には電力貯蔵手段の温
度が40℃に達した場合に異常と判断するようにし、1
0℃以上の場合には50℃に達した場合に異常と判断す
るようにするとよい。周囲温度は、充電開始前のもので
もよいし、充電開始後のものでもよい。周囲温度や充電
開始前の電力貯蔵手段の温度を上記よりもさらに細かく
区分してそれぞれ判断基準を変えるようにしてもよいの
は勿論である。また、たとえば周囲温度や充電開始前の
電力貯蔵手段の温度よりも所定以上電力貯蔵手段の温度
が上昇した場合に異常と判断するようにしてもよい。こ
れらの方法は、冷却や加熱を行わないで充電する場合に
も効果がある。
【0175】なお、本発明の他の表現態様、変形例とし
ては以下のようなものがある。 (1)電力貯蔵手段の加熱または冷却を行う温度管理手
段と、電力貯蔵手段に電力を供給しない状態で電力貯蔵
手段に対して冷却または加熱を行った場合の電力貯蔵手
段の第1の温度情報を発生する情報手段と、電力貯蔵手
段に電力を供給した状態で電力貯蔵手段に対して温度管
理手段により冷却または加熱を行った場合の電力貯蔵手
段の第2の温度情報を出力する温度検出手段と、第1の
温度情報と第2の温度情報とに基づいて電力貯蔵手段が
所望の貯蔵量に到達したことを判定し充電を制御する制
御手段からなる電力貯蔵手段の充電システム。
【0176】(2)電力貯蔵手段の温度を検出する温度
検出手段と、少なくとも第1の温度制御出力と第2の温
度制御出力とを選択して出力することが可能な温度管理
手段と、温度検出手段の検出出力または温度管理手段の
温度制御出力またはこれら双方に基づいて電力貯蔵手段
への充電を制御する制御手段からなる電力貯蔵手段の充
電システムで、上記制御手段は、温度管理手段が第1の
温度制御出力を出力している場合には第1の充電制御を
行い、温度管理手段が第2の温度制御出力を出力してい
る場合には第2の充電制御を行うようにしたことを特徴
とする電力貯蔵手段の充電システム。 (3)上記第1の充電制御と第2の充電制御は、電力貯
蔵量の検出を互いに異なった方法で行うようにしたもの
である(2)に記載の充電システム。 (4)上記第1の充電制御と第2の充電制御は、電力貯
蔵量手段の異常検出を互いに異なった方法で行うように
したものである(2)に記載の充電システム。
【0177】(5)電力貯蔵手段と、電力貯蔵手段の冷
却を行う冷却手段と、電力貯蔵手段の温度が第1の温度
以上になれば冷却手段を第1の出力状態にするとともに
電力貯蔵手段の温度が第1の温度より低い第2の温度未
満になれば冷却手段を第2の出力状態にする温度管理手
段と、温度管理手段が冷却手段を第1の出力状態に変え
る動作の頻度または第2の出力状態に変える動作の頻度
またはこれら双方の頻度に基づいて充電電力の制御を行
う制御手段を具備してなる電力貯蔵手段の充電システ
ム。
【0178】(6)電力貯蔵手段と、電力貯蔵手段の冷
却を行う冷却手段と、電力貯蔵手段の温度が第1の温度
以上になれば冷却手段を第1の出力状態にするとともに
電力貯蔵手段の温度が第1の温度より低い第2の温度未
満になれば冷却手段を第2の出力状態にする温度管理手
段と、第1の出力状態の継続時間または第2の出力状態
の継続時間またはこれら双方の継続時間に基づいて充電
電力の制御を行う制御手段を具備してなる電力貯蔵手段
の充電システム。
【0179】(7)電力貯蔵手段の温度変化に基づいて
電力貯蔵手段が所望の貯蔵量に達したことを検出し充電
を制御する電力貯蔵手段の充電システムであって、当該
検出の基準を周囲温度に応じて変更するようにした電力
貯蔵手段の充電システム。
【0180】(8)電力貯蔵手段の温度変化に基づいて
電力貯蔵手段が所望の貯蔵量に達したことを検出し充電
を制御する電力貯蔵手段の充電システムであって、当該
検出の基準を充電プロセスのうちの所定時期における電
力貯蔵手段の温度に応じて変更するようにした電力貯蔵
手段の充電システム。
【0181】(9)電力貯蔵手段の温度を検出し第1の
温度情報を出力する温度検出手段と、周囲温度を検出し
第2の温度情報を出力する周囲温度検出手段と、第1の
温度情報と第2の温度情報とに基づいて電力貯蔵手段の
貯蔵状態を認識し電力貯蔵手段への充電を制御する制御
手段からなる電力貯蔵手段の充電システム。
【0182】(10)充電開始前の電力貯蔵手段の温度
に係る第1の温度情報と、充電開始後の電力貯蔵手段の
温度に係る第2の温度情報とに基づいて電力貯蔵手段の
貯蔵状態を判定し電力貯蔵手段への充電を制御する、電
力貯蔵手段の充電システム。
【0183】(11)電力貯蔵手段の温度を検出し第1
の温度情報を出力する温度検出手段と、周囲温度を検出
し第2の温度情報を出力する周囲温度検出手段と、第1
の温度情報と第2の温度情報とに基づいて電力貯蔵手段
の異常を判定し電力貯蔵手段への充電を制御する制御手
段からなる電力貯蔵手段の充電システム。
【0184】(12)充電開始前の電力貯蔵手段の温度
に係る第1の温度情報と、充電開始後の電力貯蔵手段の
温度に係る第2の温度情報とに基づいて電力貯蔵手段の
異常を判定し電力貯蔵手段への充電を制御する、電力貯
蔵手段の充電システム。
【0185】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、電
力貯蔵手段に強制冷却、加熱等した場合にあっても、所
望の貯蔵量に達したか否かが確実に判断できる。従っ
て、電力貯蔵手段に温度管理を施した場合にあっても、
過不足なく確実に所望の貯蔵量まで充電を行うことがで
きる。この結果、電力貯蔵手段の温度を自由に管理する
ことができ、電力貯蔵手段に負担を与えない適切な温度
範囲で充電が行えるので、電力貯蔵手段の寿命を延ばす
ことができる。
【0186】また、温度管理が施されることにより、電
力貯蔵手段が発熱しても電力貯蔵手段の温度は充電に適
切な範囲内に保たれる。従って発熱により充電が中断さ
れるようなことがないので、迅速に充電を行うことがで
きる。このため、電力貯蔵手段に負担を与えることなく
従来よりも充電の所要時間を短縮することができる。
【0187】また、電力貯蔵手段を温度管理しても充電
制御が妨げられるようなことがないので、広い温度範囲
で充電を行うことが可能となる。また、冬季に屋外で使
用した電力貯蔵手段を暖かい屋内に持ち込んで即座に充
電するような場合でも、誤動作等を起こすことなく安全
かつ確実に充電することができる。
【0188】また、温度管理手段がその出力の大きさを
任意に変更できないような場合や、温度管理手段の出力
が発熱等に追いつかない場合、その他温度管理手段の出
力が電力貯蔵手段の温度に対して過不足となるような場
合であっても、所望の貯蔵量に達したか否かが確実に判
断できる。従って、温度管理手段には出力が段階的にし
か変更できないものや、冷却力、加熱力の十分でないも
のを適用することもできるので、温度管理手段にかかる
コストを低減することができる。
【0189】また、電力貯蔵手段に対して強制冷却、加
熱等の温度管理を施した状況下にありながら、電力貯蔵
手段の異常を確実に捉えることができるので、迅速かつ
安全な充電を行うことができる。
【0190】また、電池温度から温度管理手段による加
熱分または冷却分を除外した、電池温度の実質的な上昇
分だけを捉えることができ、この結果から所望の貯蔵量
に達したか否かを判断することができるので、温度管理
手段が動作しているにも関わらず、過不足無く適切な充
電を行うことができる。
【0191】また、電池温度と周囲温度との関係に基づ
いて温度管理手段の温度制御出力を行い、これに基づい
て充電を制御するようにしたので、周囲温度の影響を排
することができ、周囲温度が変動するような状況下にあ
っても、確実に充電制御を行うことができる。また、充
電開始時の電池温度と周囲温度とが異なるような場合で
も、確実に充電制御を行うことができる。また、水冷等
の温度制御能力の低い温度管理手段であっても適切に充
電制御を行うことができる。
【0192】また、温度情報と測定した電池温度とに基
づいて電池自身の発熱に基づく温度上昇分が得られるの
で、これにより貯蔵状態を把握でき、所望の貯蔵量まで
確実に充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態を表す図
【図2】 第2の実施形態を表す図
【図3】 第3の実施形態を表す図
【図4】 第4の実施形態を表す図
【図5】 第1の実施例及び第2の実施例の構成を表す
【図6】 第3の実施例及び第4の実施例の構成を表す
【図7】 第5の実施例の構成を表す図
【図8】 第6の実施例及び第7の実施例の構成を表す
【図9】 第8の実施例の構成を表す図
【符号の説明】
1 電力貯蔵手段 2 温度検出手段 3 温度管理手段 4 制御手段 5 情報手段 7 周囲温度検出手段 10 電池 20 電池温度センサ 30 ヒーター 35 冷却ファン 36 冷却装置 40 マイコン 41 CPU(中央処理装置) 42 ROM(リードオンリメモリ) 43 RAM(ランダムアクセスメモリ) 44 A/Dコンバータ 46 入出力ポート 47 PWM(パルスワイズモジュレーション)タイマ 60 電源 70 気温センサ 80 匡体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年2月23日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】また、温度管理手段3の温度制御出力を変
更するために用いられる冷却ファン等への供給電流や供
給電圧、電磁弁の開閉の時間幅、PWMのパルス幅等の
操作量と、温度管理手段の出力との間には一定の相関関
係があるため、これらを調べることにより間接的に把握
するようにしてもよい。また、温度管理手段3の消費電
力等により知ることもできる。なお、例えば空冷、液冷
等の場合には、冷却能力は外気温や液温等にも影響さ
れ、外気温等が高いほど冷却能力は低下するので、温度
センサ等により外気温や液温等を測定して補正等するよ
うにすれば、外気温等による影響等を避けることができ
る。加熱の場合も同様である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力貯蔵手段の温度を検出する温度検出
    手段と、温度検出手段の検出出力に基づいて温度制御出
    力を行う温度管理手段と、温度管理手段の温度制御出力
    に基づいて電力貯蔵手段への充電を制御する制御手段か
    らなる電力貯蔵手段の充電システム。
  2. 【請求項2】 電力貯蔵手段の温度を検出する温度検出
    手段と、温度制御出力の変更が可能な温度管理手段と、
    温度検出手段の検出出力と温度管理手段の温度制御出力
    とに基づいて電力貯蔵手段への充電を制御する制御手段
    からなる電力貯蔵手段の充電システム。
  3. 【請求項3】 電力貯蔵手段の温度を検出する温度検出
    手段と、温度検出手段の検出出力に基づいて温度制御出
    力を行う温度管理手段と、温度検出手段の検出出力と温
    度管理手段の温度制御出力とに基づいて電力貯蔵手段へ
    の充電を制御する制御手段からなる電力貯蔵手段の充電
    システム。
  4. 【請求項4】 電力貯蔵手段を冷却または加熱しつつ充
    電を行う充電システムで、電力貯蔵手段に電力を供給し
    ない状態で電力貯蔵手段に冷却または加熱を行った場合
    の電力貯蔵手段の第1の温度情報と、電力貯蔵手段に電
    力を供給した状態で電力貯蔵手段に冷却または加熱を行
    った場合の電力貯蔵手段の第2の温度情報とに基づいて
    充電の制御を行うことを特徴とした電力貯蔵手段の充電
    システム。
  5. 【請求項5】 電力貯蔵手段の温度を検出する温度検出
    手段と、周囲温度を検出する周囲温度検出手段と、温度
    検出手段の第1の検出出力及び周囲温度検出手段の第2
    の検出出力に基づいて温度制御出力を行う温度管理手段
    と、温度管理手段の温度制御出力に基づいて充電を制御
    する制御手段からなる電力貯蔵手段の充電システム。
JP1459997A 1997-01-09 1997-01-09 電力貯蔵手段の充電システム Pending JPH10201124A (ja)

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