JP2010058653A - ウォッシャポンプおよびウォッシャ装置 - Google Patents

ウォッシャポンプおよびウォッシャ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ウォッシャタンクの容量の減少を抑えつつ、レイアウト性を向上させることが可能なウォッシャポンプおよびウォッシャ装置の提供。
【解決手段】第1管路48および第1吐出路60を連通させて第2管路49および第2吐出路61を非連通とする第1連通状態と、第2管路49および第2吐出路61を連通させて第1管路48および第1吐出路60を非連通とする第2連通状態とを切り替える切替バルブ52を、アーマチュアシャフト36の軸方向と直交する方向に向けてコネクタ接続部51と並んで設けた。アーマチュアシャフト36の軸方向に沿うポンプ本体の長さ寸法、特に、サブ本体50の長さ寸法を詰めてウォッシャポンプ30を小型化でき、ウォッシャタンクの容量の減少を抑えつつウォッシャ装置のレイアウト性を向上させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ウォッシャ液が流通する一対の吐出路を有し、正逆回転するモータの回転方向に応じて、各吐出路のうちの一方にウォッシャ液が流通するウォッシャポンプおよびウォッシャ装置に関する。
従来、自動車等の車両のフロント側およびリヤ側には、それぞれウィンドシールドが設けられており、エンジンルーム内の所定箇所には、各ウィンドシールドを洗浄するためのウォッシャ装置が設置されている。ウォッシャ装置は、モータを有するウォッシャポンプと、ウォッシャ液を貯留するウォッシャタンクとを備えている。ウォッシャポンプのモータは、操作スイッチを操作することにより正逆方向に回転駆動され、モータの回転方向に応じてウォッシャタンク内のウォッシャ液を各ウィンドシールドに個別に噴射するようになっている。そして、ウィンドシールドに噴射されたウォッシャ液を、ワイパ装置を駆動してワイパブレードにより払拭することでウィンドシールドを洗浄することができる。
このようなウォッシャ装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載されたウォッシャ装置は、回転軸を有するモータと、モータを収容するポンプ本体とを備えており、ポンプ本体の一端側には、ウォッシャ液を吸入する吸入口(インレット)が設けられ、また、ポンプ本体の他端側には、バルブ装置およびコネクタ部(コネクタ接続部)が回転軸の軸方向に向けて並んで設けられている。バルブ装置には、2つの吐出管(アウトレット)と、回転軸の軸方向と直交する方向に移動する弁体(切替バルブ)とが設けられている。そして、ポンプ本体の吸入口側を回転軸の軸方向からウォッシャタンクに差し込んで、ウォッシャポンプをウォッシャタンクに取り付けるようにしている。
特開2004−100596号公報(図1)
ところで、ウォッシャ装置は、車両のエンジンルーム内の限られた設置スペースに搭載されるため、そのレイアウト性を向上(小型化)させることが望ましく、レイアウト性を向上させたウォッシャ装置を準備することにより、一つのウォッシャ装置で種々の車両(小型車や大型車等)に対応できるようになる。
しかしながら、上述の特許文献1に記載されたウォッシャ装置によれば、バルブ装置とコネクタ部とが、回転軸の軸方向に向けて並んで設けられているため、ウォッシャポンプのウォッシャタンク外への突出量が大きくなっている。したがって、ウォッシャ装置のレイアウト性を確保するために、ウォッシャタンクの壁部(タンク壁)の一部を内側へ大きく後退させる必要が生じ、この場合には、レイアウト性の確保はできるものの、ウォッシャタンクの容量が減少してウォッシャ液の貯留量が少なくなるという別の問題が生じ得る。
本発明の目的は、ウォッシャタンクの容量の減少を抑えつつ、レイアウト性を向上させることが可能なウォッシャポンプおよびウォッシャ装置を提供することにある。
本発明のウォッシャポンプは、正逆方向に回転するモータと、前記モータの正方向への回転によりウォッシャ液が流通する第1吐出路と、前記モータの逆方向への回転により前記ウォッシャ液が流通する第2吐出路とを有するウォッシャポンプであって、前記モータの回転中心に設けられる回転軸と、前記回転軸の一端側に設けられるインペラと、前記モータを収容するポンプ本体と、前記ポンプ本体の一端側に設けられ、前記インペラを回転自在に収容するポンプ室と、前記ポンプ本体の他端側に設けられ、前記モータに駆動電流を供給するための外部コネクタが接続されるコネクタ接続部と、前記ポンプ本体の軸方向に沿って設けられ、一端側が前記ポンプ室にそれぞれ接続され、他端側が前記第1吐出路および前記第2吐出路にそれぞれ接続される第1管路および第2管路と、前記回転軸の軸方向と直交する方向に向けて前記コネクタ接続部と並んで設けられ、前記第1管路内と前記第2管路内との圧力差により移動し、前記第1管路および前記第1吐出路を連通させて前記第2管路および前記第2吐出路を非連通とする第1連通状態と、前記第2管路および前記第2吐出路を連通させて前記第1管路および前記第1吐出路を非連通とする第2連通状態とを切り替える切替バルブとを備えることを特徴とする。
本発明のウォッシャポンプは、前記ポンプ本体をメイン本体とサブ本体とから形成し、前記コネクタ接続部および前記切替バルブを前記サブ本体にそれぞれ設け、当該サブ本体を前記メイン本体の他端側に接続することを特徴とする。
本発明のウォッシャ装置は、正逆方向に回転するモータと、前記モータの正方向への回転によりウォッシャ液が流通する第1吐出路と、前記モータの逆方向への回転により前記ウォッシャ液が流通する第2吐出路とを有するウォッシャポンプ、および前記ウォッシャ液を貯留するウォッシャタンクを備えたウォッシャ装置であって、前記ウォッシャポンプを、前記モータの回転中心に設けられる回転軸と、前記回転軸の一端側に設けられるインペラと、前記モータを収容するポンプ本体と、前記ポンプ本体の一端側に設けられ、前記インペラを回転自在に収容するポンプ室と、前記ポンプ本体の他端側に設けられ、前記モータに駆動電流を供給するための外部コネクタが接続されるコネクタ接続部と、前記ポンプ本体の軸方向に沿って設けられ、一端側が前記ポンプ室にそれぞれ接続され、他端側が前記第1吐出路および前記第2吐出路にそれぞれ接続される第1管路および第2管路と、前記回転軸の軸方向と直交する方向に向けて前記コネクタ接続部と並んで設けられ、前記第1管路内と前記第2管路内との圧力差により移動し、前記第1管路および前記第1吐出路を連通させて前記第2管路および前記第2吐出路を非連通とする第1連通状態と、前記第2管路および前記第2吐出路を連通させて前記第1管路および前記第1吐出路を非連通とする第2連通状態とを切り替える切替バルブとから形成し、前記ウォッシャタンクを、当該ウォッシャタンクの外郭を形成するタンク壁と、前記タンク壁に設けられ、前記ポンプ本体の一端側が前記回転軸の軸方向から差し込まれる差し込み孔とから形成することを特徴とする。
本発明のウォッシャ装置は、前記ポンプ本体をメイン本体とサブ本体とから形成し、前記コネクタ接続部および前記切替バルブを前記サブ本体にそれぞれ設け、当該サブ本体を前記メイン本体の他端側に接続することを特徴とする。
本発明のウォッシャ装置は、前記差し込み孔が設けられる前記タンク壁を、前記ウォッシャタンクの内側へ所定量後退させて設けることを特徴とする。
本発明のウォッシャポンプによれば、第1管路および第1吐出路を連通させて第2管路および第2吐出路を非連通とする第1連通状態と、第2管路および第2吐出路を連通させて第1管路および第1吐出路を非連通とする第2連通状態とを切り替える切替バルブを、回転軸の軸方向と直交する方向に向けてコネクタ接続部と並んで設けるので、回転軸の軸方向に沿うポンプ本体の長さ寸法を詰めることができる。したがって、ウォッシャポンプを小型化することができ、ウォッシャタンクの容量の減少を抑えつつウォッシャ装置のレイアウト性を向上させることができる。
本発明のウォッシャポンプによれば、ポンプ本体をメイン本体とサブ本体とから形成し、コネクタ接続部および切替バルブをサブ本体にそれぞれ設け、当該サブ本体をメイン本体の他端側に接続するので、形状が異なるコネクタ接続部や特性が異なる切替バルブを備えた別仕様のサブ本体を準備することにより、種々のニーズのウォッシャ装置に対応することができる。この場合、メイン本体を共通化することができるので製造コストの低減を図ることができる。
本発明のウォッシャ装置によれば、ウォッシャタンクを形成するタンク壁に、本発明に係るウォッシャポンプのポンプ本体における一端側が回転軸の軸方向から差し込まれる差し込み孔を設けるので、ウォッシャポンプのウォッシャタンクからの張り出し量を抑制することができる。したがって、ウォッシャ装置のレイアウト性を向上させることができる。
本発明のウォッシャ装置によれば、差し込み孔が設けられるタンク壁を、ウォッシャタンクの内側へ所定量後退させて設けるので、ウォッシャタンクの容量の減少を抑えつつウォッシャポンプのウォッシャタンクからの張り出し量を抑制することができる。したがって、ウォッシャタンクにウォッシャポンプを組み付けた状態、つまり、ウォッシャ装置組立体(サブアッシ)での搬送効率の向上が図れ、また、ウォッシャ装置組立体での搬送時において、ウォッシャポンプのウォッシャタンクからの脱落等を抑制することができる。
以下、本発明の第1実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は第1実施の形態に係るウォッシャ装置を示す部分断面図を、図2(a),(b)は図1のウォッシャポンプの外観を示す斜視図を、図3(a),(b)は図1のA−A線およびB−B線に沿うウォッシャポンプの断面図を、図4は図1のウォッシャポンプの組立手順を説明する説明図を、図5(a),(b)はモータの正方向への回転時におけるウォッシャ液の流れを説明する説明図を、図6(a),(b)はモータの逆方向への回転時におけるウォッシャ液の流れを説明する説明図をそれぞれ表している。
図1に示すように、ウォッシャ装置10は、ウォッシャタンク20およびウォッシャポンプ30を備えており、ウォッシャ装置10は、自動車等の車両のエンジンルーム内(図示せず)の所定箇所に装着されるようになっている。
ウォッシャタンク20は、プラスチック等の樹脂材料により箱形状に形成されており、その内部にはウィンドシールド(図示せず)を洗浄するためのウォッシャ液Wが貯留されている。ウォッシャタンク20の底部側(図中下側)には、ウォッシャタンク20の外郭を形成するタンク壁21が設けられ、当該タンク壁21には、ウォッシャポンプ30の一端側(図中左側)がアーマチュアシャフト36の軸方向から差し込まれる差し込み孔22が設けられている。
差し込み孔22には、ゴム等の弾性材料により環状に形成された弾性グロメット23が装着されている。弾性グロメット23は、ウォッシャタンク20とウォッシャポンプ30との間で弾性変形するようになっており、これにより、ウォッシャタンク20とウォッシャポンプ30との間からウォッシャ液Wが外部に漏洩するのを防止し、また、ウォッシャポンプ30のウォッシャタンク20に対するがたつきを防止している。
差し込み孔22が設けられたタンク壁21は、他の部分のタンク壁24よりもウォッシャタンク20の内側(図中左側)に所定量後退して設けられており、これによりタンク壁24の図中下方側には、ウォッシャポンプ30の他端側(図中右側)が配置されるポンプ収容空間S1が形成されている。ここで、タンク壁21のウォッシャタンク20内への後退量は、ウォッシャポンプ30の大きさやウォッシャタンク20の必要とする容量により決定される。
ウォッシャポンプ30は、プラスチック等の樹脂材料により筒状に形成されたメイン本体31を備えており、メイン本体31の内部には、別の組み立て工程で組み立てられた電動モータ(モータ)32が収容されている。
電動モータ32は、鋼板をプレス加工することによりメイン本体31の内側形状に倣う形状に形成されたヨーク33を備えており、ヨーク33の内側には、一対の永久磁石34が対向するよう固定されている。各永久磁石34の内側には、所定隙間を介してアーマチュアコア35が回転自在に設けられている。アーマチュアコア35の回転中心、つまり電動モータ32の回転中心には、アーマチュアシャフト(回転軸)36が設けられており、アーマチュアシャフト36はアーマチュアコア35とともに回転自在となっている。アーマチュアシャフト36の一端側は、ヨーク33に支持された第1軸受37により回転自在に支持され、アーマチュアシャフト36の他端側は、ブラシホルダ38に支持された第2軸受39により回転自在に支持されている。
アーマチュアシャフト36の他端側におけるアーマチュアコア35の近傍には、一対の給電ブラシ40が摺接する整流子41が固定されており、整流子41には、アーマチュアコア35に巻装されたコイル42の端部が電気的に接続されている。アーマチュアコア35は、各給電ブラシ40に供給される駆動電流の大きさや向きに応じて、所定の回転数で正逆方向に回転するようになっている。各給電ブラシ40には、一対の給電ターミナル43(図示では一つのみ示す)の一端側がそれぞれ電気的に接続されており、各給電ターミナル43の他端側は、サブ本体50に一体に設けられたコネクタ接続部51の内側に突出されている。
アーマチュアシャフト36の一端側には、図3(a)に示すように、その中心部分から放射状に延びる3つの羽根を備えたインペラ44が固定されている。インペラ44とアーマチュアシャフト36とは、互いに相対回転不能となるよう所謂Dカット形状の嵌合により固定されており、インペラ44はアーマチュアシャフト36とともに回転自在となっている。
メイン本体31の一端側には、第1蓋部材45が設けられている。第1蓋部材45は、プラスチック等の樹脂材料により略円盤形状に形成され、超音波溶着等の接着手段によりメイン本体31に接続されている。第1蓋部材45のインペラ44の回転中心と対向する部分には、ウォッシャタンク20内に貯留されたウォッシャ液Wを吸入する吸入開口部(インレット)46が形成されている。吸入開口部46は、ウォッシャポンプ30をウォッシャタンク20に取り付けた状態のもとで、ウォッシャタンク20の底部側から所定距離H1の位置に設けられている。
メイン本体31と第1蓋部材45との間には、インペラ44を回転自在に収容するポンプ室47が設けられており、ポンプ室47は、吸入開口部46を介してウォッシャタンク20内と連通されている。また、図1に示すように、メイン本体31の電動モータ32よりも図中下側には、メイン本体31の軸方向に沿って並列となるよう第1管路48および第2管路49が設けられており、各管路48,49の一端側は、ポンプ室47にそれぞれ接続されている。
メイン本体31の他端側には、プラスチック等の樹脂材料により筒状に形成されたサブ本体50が設けられている。サブ本体50の軸方向寸法(長さ寸法)は、メイン本体31の軸方向寸法よりも短く設定されており、メイン本体31の半分以下となっている。そして、ウォッシャポンプ30の一端側の略3分の2(メイン本体31)はウォッシャタンク20内に配置され、ウォッシャポンプ30の他端側の略3分の1(サブ本体50)はポンプ収容空間S1に配置されるようになっている。なお、メイン本体31およびサブ本体50においても、超音波溶着等の接着手段により接続されている。ここで、メイン本体31およびサブ本体50により、本発明におけるポンプ本体を構成している。
サブ本体50の径方向外周側には、電動モータ32に駆動電流を供給するための外部コネクタCが接続されるコネクタ接続部51が一体に形成されている。コネクタ接続部51は、図1に示すように、ウォッシャポンプ30をウォッシャタンク20に取り付けた状態のもとで、所定角度を持って図中上側を向くよう設けられており、これにより外部コネクタCの接続作業を容易に行えるようにしている。
サブ本体50の内部には、ゴム等の弾性材料により略正方形形状に形成されたダイヤフラム形の切替バルブ52が設けられている。切替バルブ52は、アーマチュアシャフト36の軸方向と直交する方向に向けてコネクタ接続部51と並んでおり、切替バルブ52の周囲を形成する4辺のうちの3辺は、サブ本体50の内部の略中央部分に一体に設けられた第1バルブ支持部53によって支持されている。サブ本体50の内部には、図3(b)に示すように、第1弁室54および第2弁室55が設けられており、各弁室54,55は、切替バルブ52によって仕切られている。
サブ本体50の他端側には、第2蓋部材56が設けられている。第2蓋部材56は、プラスチック等の樹脂材料により略円盤形状に形成され、サブ本体50および第2蓋部材56においても、超音波溶着等の接着手段により接続されている。第2蓋部材56の略中央部分には、切替バルブ52の周囲を形成する4辺のうちの1辺を支持する第2バルブ支持部57が設けられている。
図3(b)に示すように、切替バルブ52の図中両側には、サブ本体50の径方向外周側で対向するよう設けられた第1吐出管58および第2吐出管59の端部が、所定の隙間を介して対向している。各吐出管58,59の切替バルブ52側の端部は、それぞれ第1弁座58aおよび第2弁座59aとなっており、各弁座58a,59aには、切替バルブ52の両側に設けられた一側面52aおよび他側面52bがそれぞれ離着座するようになっている。
各吐出管58,59の内側には、アウトレットとしての第1吐出路60および第2吐出路61がそれぞれ設けられており、各吐出路60,61は、各弁室54,55に接続されている。また、各弁室54,55には、各管路48,49の他端側がそれぞれ接続されている。これにより、各管路48,49は、各弁室54,55を介して各吐出路60,61のそれぞれに接続されている。
切替バルブ52は、第1バルブ支持部53および第2バルブ支持部57に支持される4つの支持辺部52cと、肉厚かつ略円盤状に形成されて一側面52aと他側面52bとを備えたバルブ本体52dと、各支持辺部52cとバルブ本体52dとを接続する薄膜部52eとを備えている。これにより、バルブ本体52dは、各支持辺部52cに対して容易に相対移動できるようになっている。
切替バルブ52のバルブ本体52dは、各弁座58a,59aに離着座するようアーマチュアシャフト36の軸方向と直交する方向に移動自在に設けられ、第1弁室54内と第2弁室55内との圧力差、つまり第1管路48内と第2管路49内との圧力差により移動するようになっている。切替バルブ52は、以下に示す第1連通状態と第2連通状態とを切り替えるようになっている。
つまり、切替バルブ52の第1連通状態とは、一側面52aが第1弁座58aから離間するとともに他側面52bが第2弁座59aに着座し、第1管路48と第1吐出路60とを連通させ、第2管路49と第2吐出路61とを非連通とする状態である。また、切替バルブ52の第2連通状態とは、他側面52bが第2弁座59aから離間するとともに一側面52aが第1弁座58aに着座し、第2管路49と第2吐出路61とを連通させ、第1管路48と第1吐出路60とを非連通とする状態である。
図2に示すように、第1吐出管58の先端部には、フロントウォッシャチューブ62の一端側が接続されており、第2吐出管59の先端部にはリヤウォッシャチューブ63の一端側が接続されている。各ウォッシャチューブ62,63の他端側には、フロントおよびリヤウィンドシールド(図示せず)にウォッシャ液Wを噴射するための、フロントウォッシャノズル64およびリヤウォッシャノズル65が接続されている(図1参照)。なお、第1吐出管58と第2吐出管59とを互いに反対側を向くよう対向配置することで、各ウォッシャチューブ62,63の各吐出管58,59への接続作業を容易に行えるようにしている。
図1に示すように、コネクタ接続部51に接続される外部コネクタCには、配線66を介してコントローラ(制御装置)67が電気的に接続されており、さらにコントローラ67には、車両の車室内(図示せず)等に設けられる操作スイッチ68が電気的に接続されている。
次に、ウォッシャポンプ30の組立手順について図4を用いて説明する。なお、図4においては電動モータ32およびインペラ44を省略している。
まず、射出成形等により成形したメイン本体31を準備し、メイン本体31の他端側(図中右側)の開口部から電動モータ32を差し込む。その後、インペラ44をメイン本体31の一端側(図中左側)から臨ませてアーマチュアシャフト36に取り付ける(電動モータ装着工程)。
次いで、第1蓋部材45を準備するとともに、その吸入開口部46がインペラ44の回転中心と対向する部分、つまりアーマチュアシャフト36の軸上に位置するよう、第1蓋部材45をメイン本体31の一端側に臨ませる。そして、その状態のもとで第1蓋部材45をメイン本体31に超音波溶着して接続する。これにより、メイン本体組立体(モータアッシ)MAが完成する(メイン本体組立工程)。
その後、射出成形等により成形したサブ本体50を準備し、サブ本体50の他端側から切替バルブ52を臨ませる。そして、切替バルブ52の4つのうちの3つの支持辺部52cをサブ本体50の第1バルブ支持部53に差し込む。次いで、第2蓋部材56を準備するとともに、当該第2蓋部材56の第2バルブ支持部57を、切替バルブ52の4つのうちの1つの支持辺部52cに臨ませる。その後、その状態のもとで第2蓋部材56をサブ本体50に超音波溶着して接続する。これにより、サブ本体組立体(バルブアッシ)VAが完成する(サブ本体組立工程)。
次いで、メイン本体組立体MAとサブ本体組立体VAとを超音波溶着して接続する。このとき、メイン本体31の各管路48,49とサブ本体50の各弁室54,55とをそれぞれ対向させ、かつ、電動モータ32の接続端子(図示せず)に給電ターミナル43の一端側を差し込んだ状態とする。これにより、ウォッシャポンプ30が完成する(組立体接続工程)。
次に、以上のように構成した第1実施の形態に係るウォッシャ装置10の動作について、図5および図6を用いて説明する。
[フロントウィンドシールド洗浄時]
フロントウィンドシールドを洗浄すべく操作スイッチ68をオン操作(フロント洗浄操作)すると、図5(a)の二点鎖線矢印(1)に示すように、電動モータ32のアーマチュアシャフト36が正方向に回転する。すると、アーマチュアシャフト36の正回転に伴ってインペラ44も正方向に回転し、これにより、図1に示すウォッシャタンク20内のウォッシャ液Wが吸入開口部46を介してポンプ室47内に吸い込まれる(破線矢印)。
ポンプ室47に吸い込まれたウォッシャ液Wは、インペラ44の正回転に伴って、実線矢印(2)に示すように第1管路48に圧送される。すると、第1管路48内の圧力が上昇する一方で第2管路49内の圧力が低下する。これにより、図5(b)の実線矢印(3)に示すように、第1管路48内および第1弁室54内が高圧となり、第2管路49内および第2弁室55内が低圧となる。この圧力差によって、切替バルブ52が、二点鎖線矢印(4)に示す方向に移動する。
切替バルブ52の移動に伴い、他側面52bは第2弁座59aに着座し、切替バルブ52は上述した第1連通状態となる。これにより、実線矢印(5)に示すように、第1吐出管58の第1吐出路60をウォッシャ液Wが流れて、その後、フロントウォッシャチューブ62を介してフロントウォッシャノズル64からウォッシャ液Wが噴射される。
[リヤウィンドシールド洗浄時]
リヤウィンドシールドを洗浄すべく操作スイッチ68をオン操作(リヤ洗浄操作)すると、図6(a)の二点鎖線矢印(6)に示すように、電動モータ32のアーマチュアシャフト36が逆方向に回転する。すると、アーマチュアシャフト36の逆回転に伴ってインペラ44も逆方向に回転し、これにより、図1に示すウォッシャタンク20内のウォッシャ液Wが吸入開口部46を介してポンプ室47内に吸い込まれる(破線矢印)。
ポンプ室47に吸い込まれたウォッシャ液Wは、インペラ44の逆回転に伴って、実線矢印(7)に示すように第2管路49に圧送される。すると、第2管路49内の圧力が上昇する一方で第1管路48内の圧力が低下する。これにより、図6(b)の実線矢印(8)に示すように、第2管路49内および第2弁室55内が高圧となり、第1管路48内および第1弁室54内が低圧となる。この圧力差によって、切替バルブ52が、二点鎖線矢印(9)に示す方向に移動する。
切替バルブ52の移動に伴い、一側面52aは第1弁座58aに着座し、切替バルブ52は上述した第2連通状態となる。これにより、実線矢印(10)に示すように、第2吐出管59の第1吐出路60をウォッシャ液Wが流れて、その後、リヤウォッシャチューブ63を介してリヤウォッシャノズル65からウォッシャ液Wが噴射される。
以上詳述したように、第1実施の形態に係るウォッシャポンプ30によれば、第1管路48および第1吐出路60を連通させて第2管路49および第2吐出路61を非連通とする第1連通状態と、第2管路49および第2吐出路61を連通させて第1管路48および第1吐出路60を非連通とする第2連通状態とを切り替える切替バルブ52を、アーマチュアシャフト36の軸方向と直交する方向に向けてコネクタ接続部51と並んで設けたので、アーマチュアシャフト36の軸方向に沿うポンプ本体の長さ寸法、特に、サブ本体50の長さ寸法を詰めることができる。したがって、ウォッシャポンプ30を小型化することができ、ウォッシャタンク20の容量の減少を抑えつつウォッシャ装置10のレイアウト性を向上させることができる。
また、第1実施の形態に係るウォッシャポンプ30によれば、ポンプ本体をメイン本体31とサブ本体50とから形成し、コネクタ接続部51および切替バルブ52をサブ本体50にそれぞれ設け、当該サブ本体50をメイン本体31の他端側に接続したので、形状が異なるコネクタ接続部や特性が異なる切替バルブを備えた別仕様のサブ本体を準備することにより、種々のニーズのウォッシャ装置に対応することができる。この場合、メイン本体31を共通化することができるので製造コストの低減を図ることができる。
さらに、第1実施の形態に係るウォッシャ装置10によれば、ウォッシャタンク20を形成するタンク壁21に、ウォッシャポンプ30のメイン本体31側がアーマチュアシャフト36の軸方向から差し込まれる差し込み孔22を設けたので、ウォッシャポンプ30のウォッシャタンク20からの張り出し量を抑制することができる。したがって、ウォッシャ装置10のレイアウト性を向上させることができる。
また、第1実施の形態に係るウォッシャ装置10によれば、差し込み孔22が設けられるタンク壁21を、ウォッシャタンク20の内側へ所定量後退させて設けたので、ウォッシャタンク20の容量の減少を抑えつつウォッシャポンプ30のウォッシャタンク20からの張り出し量を抑制することができる。したがって、ウォッシャタンク20にウォッシャポンプ30を組み付けた状態、つまり、ウォッシャ装置10の組立体(サブアッシ)での搬送効率の向上が図れ、また、ウォッシャ装置10の組立体での搬送時において、ウォッシャポンプ30のウォッシャタンク20からの脱落等を抑制することができる。
次に、本発明の第2実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図7は第2実施の形態に係るウォッシャ装置を示す部分断面図を表している。
図7に示すように、第2実施の形態に係るウォッシャ装置70は、上述した第1実施の形態に比して、ウォッシャポンプ71を上下反転させて設けた点と、これに伴い、外部コネクタCの接続作業性を確保するためにコネクタ接続部72の先端側の向きをアーマチュアシャフト36の軸方向に向くよう傾斜させた点とが異なっている。なお、コネクタ接続部72の傾斜に合わせて給電ターミナル43の先端側も傾斜させている。
これにより、第2実施の形態に係るウォッシャポンプ71およびウォッシャ装置70においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
これに加えて、第2実施の形態においては、ウォッシャポンプ71をウォッシャタンク73に取り付けた状態のもとで、吸入開口部46をウォッシャタンク73の底部側から所定距離H2(H2<H1)の位置に設けることができるので、第1実施の形態に比して、吸い込み不可能となるウォッシャ液Wの量を減らすことができる。したがって、ウォッシャポンプ71により吸い込むことができるウォッシャ液Wの容量が増加し、ひいては、ウォッシャタンク73の容量を見かけ上増やすことが可能となる。
また、コネクタ接続部72を図中下方側に設けるようにしたので、図7に示すように、図中上方側のタンク壁74を、高さhの分だけ図中下方側に設けることができる。したがって、第1実施の形態に比してポンプ収容空間S2を小さくすることができ(S2<S1)、ウォッシャタンク73の容量を増やすことができる。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記各実施の形態においては、切替バルブ52を略正方形形状に形成したものを示したが、本発明はこれに限らず、切替バルブの仕様(特性)等に応じて、円形形状等の他の形状に形成した切替バルブを用いることもできる。
また、上記各実施の形態においては、切替バルブ52の移動方向が、図1および図7に示すように紙面の垂直方向となるようウォッシャポンプ30(71)をウォッシャタンク20(73)に装着したものを示したが、本発明はこれに限らず、ウォッシャ装置10(70)の設置スペースや外部コネクタCの引き出し方向等に応じて、ウォッシャポンプ30(71)をウォッシャタンク20(73)に対して任意の相対回転角度を持たせて装着することもできる。
さらに、上記各実施の形態においては、ウォッシャ装置10(70)を、自動車等の車両に搭載したものとして説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、航空機や鉄道車両,建設機械等に搭載されるウォッシャ装置としても用いることがきる。
第1実施の形態に係るウォッシャ装置を示す部分断面図である。 (a),(b)は、図1のウォッシャポンプの外観を示す斜視図である。 (a),(b)は、図1のA−A線およびB−B線に沿うウォッシャポンプの断面図である。 図1のウォッシャポンプの組立手順を説明する説明図である。 (a),(b)は、モータの正方向への回転時におけるウォッシャ液の流れを説明する説明図である。 (a),(b)は、モータの逆方向への回転時におけるウォッシャ液の流れを説明する説明図である。 第2実施の形態に係るウォッシャ装置を示す部分断面図である。
符号の説明
10 ウォッシャ装置
20 ウォッシャタンク
21 タンク壁
22 差し込み孔
23 弾性グロメット
24 タンク壁
30 ウォッシャポンプ
31 メイン本体(ポンプ本体)
32 電動モータ(モータ)
33 ヨーク
34 永久磁石
35 アーマチュアコア
36 アーマチュアシャフト(回転軸)
37 第1軸受
38 ブラシホルダ
39 第2軸受
40 給電ブラシ
41 整流子
42 コイル
43 給電ターミナル
44 インペラ
45 第1蓋部材
46 吸入開口部
47 ポンプ室
48 第1管路
49 第2管路
50 サブ本体(ポンプ本体)
51 コネクタ接続部
52 切替バルブ
52a 一側面
52b 他側面
52c 支持辺部
52d バルブ本体
52e 薄膜部
53 第1バルブ支持部
54 第1弁室
55 第2弁室
56 第2蓋部材
57 第2バルブ支持部
58 第1吐出管
58a 第1弁座
59 第2吐出管
59a 第2弁座
60 第1吐出路
61 第2吐出路
62 フロントウォッシャチューブ
63 リヤウォッシャチューブ
64 フロントウォッシャノズル
65 リヤウォッシャノズル
66 配線
67 コントローラ
68 操作スイッチ
70 ウォッシャ装置
71 ウォッシャポンプ
72 コネクタ接続部
73 ウォッシャタンク
74 タンク壁
C 外部コネクタ
W ウォッシャ液
S1,S2 ポンプ収容空間
MA メイン本体組立体
VA サブ本体組立体

Claims (5)

  1. 正逆方向に回転するモータと、前記モータの正方向への回転によりウォッシャ液が流通する第1吐出路と、前記モータの逆方向への回転により前記ウォッシャ液が流通する第2吐出路とを有するウォッシャポンプであって、
    前記モータの回転中心に設けられる回転軸と、
    前記回転軸の一端側に設けられるインペラと、
    前記モータを収容するポンプ本体と、
    前記ポンプ本体の一端側に設けられ、前記インペラを回転自在に収容するポンプ室と、
    前記ポンプ本体の他端側に設けられ、前記モータに駆動電流を供給するための外部コネクタが接続されるコネクタ接続部と、
    前記ポンプ本体の軸方向に沿って設けられ、一端側が前記ポンプ室にそれぞれ接続され、他端側が前記第1吐出路および前記第2吐出路にそれぞれ接続される第1管路および第2管路と、
    前記回転軸の軸方向と直交する方向に向けて前記コネクタ接続部と並んで設けられ、前記第1管路内と前記第2管路内との圧力差により移動し、前記第1管路および前記第1吐出路を連通させて前記第2管路および前記第2吐出路を非連通とする第1連通状態と、前記第2管路および前記第2吐出路を連通させて前記第1管路および前記第1吐出路を非連通とする第2連通状態とを切り替える切替バルブとを備えることを特徴とするウォッシャポンプ。
  2. 請求項1記載のウォッシャポンプにおいて、前記ポンプ本体をメイン本体とサブ本体とから形成し、前記コネクタ接続部および前記切替バルブを前記サブ本体にそれぞれ設け、当該サブ本体を前記メイン本体の他端側に接続することを特徴とするウォッシャポンプ。
  3. 正逆方向に回転するモータと、前記モータの正方向への回転によりウォッシャ液が流通する第1吐出路と、前記モータの逆方向への回転により前記ウォッシャ液が流通する第2吐出路とを有するウォッシャポンプ、および前記ウォッシャ液を貯留するウォッシャタンクを備えたウォッシャ装置であって、
    前記ウォッシャポンプを、
    前記モータの回転中心に設けられる回転軸と、
    前記回転軸の一端側に設けられるインペラと、
    前記モータを収容するポンプ本体と、
    前記ポンプ本体の一端側に設けられ、前記インペラを回転自在に収容するポンプ室と、
    前記ポンプ本体の他端側に設けられ、前記モータに駆動電流を供給するための外部コネクタが接続されるコネクタ接続部と、
    前記ポンプ本体の軸方向に沿って設けられ、一端側が前記ポンプ室にそれぞれ接続され、他端側が前記第1吐出路および前記第2吐出路にそれぞれ接続される第1管路および第2管路と、
    前記回転軸の軸方向と直交する方向に向けて前記コネクタ接続部と並んで設けられ、前記第1管路内と前記第2管路内との圧力差により移動し、前記第1管路および前記第1吐出路を連通させて前記第2管路および前記第2吐出路を非連通とする第1連通状態と、前記第2管路および前記第2吐出路を連通させて前記第1管路および前記第1吐出路を非連通とする第2連通状態とを切り替える切替バルブとから形成し、
    前記ウォッシャタンクを、
    当該ウォッシャタンクの外郭を形成するタンク壁と、
    前記タンク壁に設けられ、前記ポンプ本体の一端側が前記回転軸の軸方向から差し込まれる差し込み孔とから形成することを特徴とするウォッシャ装置。
  4. 請求項3記載のウォッシャ装置において、前記ポンプ本体をメイン本体とサブ本体とから形成し、前記コネクタ接続部および前記切替バルブを前記サブ本体にそれぞれ設け、当該サブ本体を前記メイン本体の他端側に接続することを特徴とするウォッシャ装置。
  5. 請求項3または4記載のウォッシャ装置において、前記差し込み孔が設けられる前記タンク壁を、前記ウォッシャタンクの内側へ所定量後退させて設けることを特徴とするウォッシャ装置。
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