JP2010058534A - シートベルトバックル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 リアベンチシート等のベンチシートにおいて、着座した乗員がシートベルトを容易に装着できるようにする。
【解決手段】 シートベルト8のトング9を装着するバックル21を、シート内から突出させる付勢バネを15有し、乗員が着座しない状態では付勢バネ15による動作が阻止され、バックル21をシート内に収容させておくバックル突出機構100Bと、シート内に設けられ、その一部に乗員が着座しない時を初期長さとし、バックル21の支持部材の一部に接続されたワイヤ12が収容され、乗員が着座した際に変位して、ワイヤ12を所定量だけ繰り出し可能な乗員着座検知部100Aとを備える。乗員が着座した際に、乗員着座検知部100Aから繰り出されたワイヤ12の繰り出し量分がバックル支持部材22に伝達され、付勢バネ15の動作阻止が解除され、バックル21をシート面から突出させるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明はシートベルトバックル装置に係り、特にリアベンチシート等において、通常は座面内あるいはシートバック内にバックルを収容しておき、乗員が着座し、シートベルトを装着する際に、バックルを座面あるいはシートバック面から突出させて、乗員のバックル装着が容易にできるようにしたシートベルトバックル装置に関する。
平成20年6月1日から自動車の後席に着座した乗員のシートベルト着用が義務化された。後席シートは一般にベンチシートタイプが多いため、運転席、助手席のシートベルト装置と異なり、バックル装置が座面から突出したような自立構造のものは、ほとんど採用されていなかった。特に後席ベンチシートでは、乗員が片側のドアから乗車し、シートに座りながら横に移動することがあるため、バックル装置が座面から突出した構造では、使い勝手が悪い。そこで、通常は、バックル装置が座部と背部下端との間の隙間に位置するように、柔軟なウェビングを介して基部に保持された構造が多い。
このようなバックル装置は、座部と背部との隙間に潜っていたりして、使用時にその位置を手探りで探すこともある。このようなバックル装置を探索する手間を省くために、出願人は、シートベルト装着時と未装着時に応じて、バックル装置を起立させるようにしたシートベルト装置を提案している(特許文献1参照)。このバックル装置では、乗員が車両シートに着座すると、乗員の体重で荷重作用部材が下降し、その動作により、バックル部材の支持レバーのロックが解除され、内蔵されてるスプリングの付勢力でバックル装置を使用位置に回動させることができる。
特開2008−1276公報
特許文献1で開示されているバックル装置は、起立式であるため、後席ベンチシートにも適用できる。バックル装置を起立させるための荷重検出手段は、シート内に設けられた荷重作用部材が乗員の着座、離座に応じて昇降するリンク機構からなる。このリンク機構の可動量(荷重作用部材の昇降量)に応じてワイヤーを伸縮させ、バックル装置を起立させる付勢機構のロック部材の係止、解除を実現している。モータ等の駆動部を有しないため、安価な構造にできるが、全体の部品点数が多くなるとともに、座部内において駆動するリンク機構の各部材が座部のクッション等と干渉しないような空間を確保する必要がある。また、離座後にバックルステーが自動的にシート内に収容されないため、バックル装置が邪魔になる場合がある。
そこで、本発明の目的は、上述した問題を解消し、乗員の着座を検知する機構を、より簡易な構成として、乗員が着座した際に、シート内から確実にバックルを起立させ、離座時にバックルをシート内に収納できるようにしたシートベルトバックル装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明はシートベルトのトングを装着するバックルの支持部材を、シート内から突出させる付勢機構を有し、乗員が着座しない状態では前記付勢機構による動作が阻止され、前記バックルと支持部材とを前記シート内に収容させておくバックル突出機構と、シート内に設けられ、その一部に乗員が着座しない時を初期長さとし、前記バックルの支持部材の一部に接続された引張部材が収容され、乗員が着座した際に変位して、前記引張部材を所定量だけ繰り出し可能な乗員着座検知部とを備え、乗員が着座した際に、前記乗員着座検知部から繰り出された引張部材の繰り出し量分が前記支持部材に伝達され、前記付勢機構の動作阻止が解除され、前記バックルをシートから突出させるようにしたことを特徴とする。
前記乗員着座検知部は、スライドブロックとベースブロックとからなり、スライドブロックとベースブロックの間に形成された鋸歯状突起に前記引張部材を挟持させた時の長さを初期長さとし、乗員の着座により前記スライドブロックが変位して前記引張部材の挟持が解かれ、前記引張部材の所定繰り出し量分が前記バックル起立機構に伝達させることが好ましい。
前記バックル突出機構の付勢機構はコイル捻れバネであり、初期状態では、該コイル捻れバネの付勢による前記支持部材のシート外への回動が、前記引張部材により阻止され、乗員が着座した状態での前記引張部材の繰り出しにより、前記コイル捻れバネが開放され前記支持部材を回動させ、前記バックルをシート内から突出させることが好ましい。
前記バックル突出機構の付勢機構はコイル圧縮バネであり、初期状態では、該コイル圧縮バネの付勢による前記支持部材のシート外への軸方向移動が前記引張部材により阻止され、乗員が着座した状態での前記引張部材の繰り出しにより、前記コイル圧縮バネが開放され前記支持部材を軸方向に移動させ、前記バックルをシート内から突出させることが好ましい。
前記乗員着座検知部は、前記シートの座部内に収容され、乗員の着座を検知することが好ましい。
前記乗員着座検知部は、前記シートのシートバック内に収容され、乗員の着座を検知すことが好ましい。
以上に述べたように、本発明によれば、乗員着座情報を、電気的なセンサで検知することなく、また着座した乗員の荷重をバックル装置の起立の駆動力として利用することができるため、モータのようなアクチュエータを必要とせず、電源等も全く不要で、きわめてシンプルで簡易な機構でのシートベルトバックル装置を提供することができる。
このとき、前記乗員着座検知部は、スライドブロックとベースブロックとで構成し、スライドブロックとベースブロックの間に形成された鋸歯状突起に前記引張部材を挟持させて折り曲げて収容させた長さを初期長さとし、乗員の着座により前記スライドブロックが変位して前記引張部材の挟持が解かれた際に前記引張部材の所定繰り出し量分が前記バックル起立機構に伝達させるようにすることにより、簡易な構成で、確実に引張部材の引き込み、繰り出しを行うことができる。
以下、本発明の実施の形態に係るシートベルトバックル装置について、図1〜図7に示した実施例を参照して説明する。
本発明のシートベルトバックル装置100は、図1に示すように、本実施例では、車両の3人掛けの後席シート1の座部2のうち、左右のドア側に着座する乗員の座部2L,2R内と、中央の背部3Cとに収容されている。したがって、左右位置に着座する乗員は、着座時に、座部2の切欠2a内に収容されたバックル21が起立し、その状態で使用するようになっている。一方、中央に着座する場合、乗員が着座しシートバック3にもたれかかった状態でシートバック3の一部に設けられた切欠3a内に収容されたバックル21が前方に倒れるように突出し、その状態で使用するようになっている。
図1は、説明のために、後席シートバック3とリアウインド4の間のリアシェルフ7の一部と、左右側座席の座部2、中央座席のシートバック3の一部を切欠いて示した後席シートの概略斜視図である。3本のシートベルト装置は、図1に示すように、リトラクタ6がリアシェルフ7下のフレーム(図示せず)上に固定され、リトラクタ6から引き出されたシートベルト8は、シートバック3に沿ってシートバック3下端まで引き出され、その端部はシートバック3の下端と座部2との間の奥部に設けられたアンカー部(図示せず)に定着されている。各シートベルト8には、トング9が挿通されており、シートベルト8に設けられた図示しないスナップ部材により、乗員が手にとりやすい高さに配置されている。
図1において、右座席のシートベルトバックル装置100Rは、図示しない乗員が着座した状態を仮想的に示し、中央座席のシートベルトバックル装置100C、左座席のシートベルトバックル装置100Lは、乗員が着座していない通常の状態を示している。このように、右座席では、バックル21が座面から起立した状態にあるため、乗員(図示せず)は着座した状態で、シートベルト8の中間位置にあるトング9を手がかりとして、リトラクタ6からシートベルト8を引き出し、トング9を着座した左脇の座面から起立した状態にあるバックル21の挿入口にトング9を挿入し、容易にシートベルト8を装着することができる。
シートベルトバックル装置100(以下、100Rを例として説明し、符号Rは略記する。)は、図1各部、図6(乗員が着座しない初期状態で図1の符号100L部分に相当)に示したように、着座検知部100Aと、バックル起立機構100Bとから構成されている。図1に示したように、着座検知部100Aは乗員座部のシートクッションの下側のシートフレーム5の所定位置に設置されている。この着座検知部100Aと一対をなすバックル起立機構100Bは、右側座部2Rでは、乗員の左側にバックル21が起立した状態となるように座部2Rの奥方の座部内に、バックルブラケット16を介してシートフレーム5に固定手段(図示せず)で固定されている。そして、着座検知部100Aとバックル起立機構100Bとの間にはワイヤ12が配線されている。座部2Lとシートバック3との間の切欠部にはバックル21が横倒れ状態で配置されている。
着座検知部100Aとバックル起立機構100Bとを接続するワイヤ12は、その一端が着座検知部100Aのスライドブロック10(構成は後述する。)端面に定着され、他端がバックル起立機構100Bのバックルステー22の根元部に定着されている。本実施例では、配線されたワイヤ12全体は、シートクッション(図示せず)の下側に配管された所定径のシース管(図示せず)内に挿通され、ワイヤ12の引き出し、引き込みがシートクッションの撓みの影響を受けずに自在に行えるようになっている。乗員の着座によるバックル起立機構100Bの起立動作(図7参照)については、以下の着座検知部100A及びバックル起立機構100Bの構成の説明後に説明する。
着座検知部100Aは、図2、図3(a),図3(b)に示すように、シートフレーム5の所定位置に固着されたベースブロック11と、このベースブロック11に係合し、ベースブロック11をガイドとして昇降するスライドブロック10とから構成されている。図3(a),図3(b)は図2に示したベースブロック11とスライドブロック10とを組み合わせて座部2内(図1)のシートフレーム5上にセットした状態を示した説明斜視図である。本実施例では、これらベースブロック11とスライドブロック10とは、きわめて耐久性に富む材料として選択された、ポリプロピレン等の合成樹脂製加工品からなり、乗員の着座、離座による繰り返し荷重によっても変形、破損することがない。ベースブロック11は、図2に組み合わせ前の形状を示したように、側面視して下側が開放した略コ字形をなした所定長さを有する溝形部材で、底面側端に一体的に取付フランジ11aが形成されている。この取付フランジ11aを介して図示しないボルトでシートフレーム5の所定位置に固着される。このベースブロック11の上板の下面側には、図6に略図化したような鋸歯状突起11cが長手方向にわたって連続形成されている。この鋸歯状突起11cは、図6に略図化して示したように、山部と谷部とがほぼ90°程度に折り返す連続形状をなす。またこの山部と谷部の頂点は、わずかに丸面取りされているため、後述するワイヤ12を挟み込む動作の繰り返しにおいて、ワイヤ12の損傷が防止される。
一方、スライドブロック10は図2,図6に示すように、長手方向を側面視すると底版とその両側の規制壁10aとからなる上方が開放した略コ字形からなる。その長手方向の寸法はベースブロック11の側端の外側に位置するように、ベースブロック11のコ字形空間に緩く嵌合できる寸法に設定されている。両側の規制壁の内面に形成されたガイド溝10bに、ベースブロック11の側端部に形成されたガイド突起11dが係合し、図3(a),図3(b)に示したように、上下方向にスライドすることができる。また底版上面には、ベースブロック11の上板11の下面側に形成された鋸歯状突起11cと隙間無く係合可能な同形の鋸歯状突起10cが形成されている。スライドブロック10には図2に示したように、一方の規制壁10aの外側に、一端が定着されたワイヤ12が他の規制壁10aに形成された挿通孔10dを介して配線されている。そしてこのワイヤ12の配線位置に合わせて幅方向の中心位置に、鋸歯状突起10cの山部と谷部に沿ってワイヤ収容溝10eが形成されている。このワイヤ収容溝10eは、ワイヤ12の直径(φ1mm)よりわずかに大きい半円形溝断面をなし、図6に示したように、ベースブロック11の鋸歯状突起11cとスライドブロック10の鋸歯状突起10cとが係合した際に、柔軟性のあるワイヤ12がこのワイヤ収容溝10e内に沿って折り曲げられて収容される。また、このスライドブロック10は、シートフレーム5に複数個の圧縮コイルバネ13で支持される構造からなり、その上下方向のスライドをガイドするのがベースブロック11であり、規制壁10aに形成されたガイド溝10bとこのガイド溝10bに係合したガイド突起11dで上下方向の安定したスライドが確保される。なお、本実施例では、鋼撚り線等の金属製ワイヤ12を用いたが、耐久性と柔軟性を有する樹脂製紐あるいは細幅の帯状体を用いることもできる。また、コイルバネ13に代えて板バネ等の各種の弾性支持部材を使用することができる。さらに鋸歯状突起10c,11cの部分は、面取りされた三角形状の鋸歯状でなくても、各種寸法で正弦波や、半円、半楕円を上下を反転させて連続させた波状、各種辺長の台形状をなした山部と谷部とが連続する突起列によって形成されるようにしてもよい。
ここで、着座検知部100Aとしてベースブロック11とスライドブロック10の動作とワイヤ12の引き出し状態と収容状態について、図3(a),図3(b)を参照して説明する。図3両図に示された着座検知部100Aは、図1に示したように、シート座部2内のシートクッション(図示せず)の下側に組み込まれ、シートフレーム5に固定保持され、乗員の着座により動作する。ここでは、単にベースブロック11に対するスライドブロック10のスライド動作とワイヤ12の状態との関係について説明する。図3(a)は、スライドブロック10が組み合わされたベースブロック11がシートフレーム5上に固定された状態を示している。このときスライドブロック10は、複数個の圧縮コイルバネ13(図2参照)でフレーム5上に支持され、スライドブロック10とベースブロック11の鋸歯状突起同士10c,11cが噛合した状態にある(図1中、符号100Lで示した状態、図6の状態に相当)。この状態では、図2に示したスライドブロック10に取り付けたワイヤ12は、スライドブロック10の表面の鋸歯状突起10cの山部と谷部との形状に沿うようにワイヤ収容溝10e内に折り曲がって収容されている。ここで、図3(a)に示した矢印方向にスライドブロック10の規制壁10aに力が作用すると、スライドブロック10を支持するコイルバネ13が押し縮められ、スライドブロック10は同図(b)のように、ベースブロック11のコ字形空間内を押し下げられ、規制壁10aの上面がベースブロック11の上板11bの上面とほぼ等しい位置までスライドする。このとき、スライドブロック10の鋸歯状突起面10cのワイヤ収容溝10e内で折り曲げ状態にあったワイヤ12は、開放された状態(図2参照)となり、外部から引張力(本実施例ではバックルステー22の起立付勢バネ15による付勢力が相当する。)が作用するとΔ分だけ、スライドブロック10から引き出すことができる(図1中、符号100Rで示した状態、図3(b),図7の各状態に相当)。
次に、バックル起立機構100Bの構成について、図1,図4〜図7を参照して説明する。バックル起立機構100Bは、図1,図6,図7に示したように、乗員が着座しない初期状態では、バックル21とバックルステー22は座部2に形成された切欠2a内に収容されるように、シートフレーム5の所定位置に固定されている。図4は、バックル起立機構100Bの概略平面図、図5は、図4中の断面線V-V方向に見た断面図である。バックル支持部20は、同図に示したように、平面視して略コ字形をなすバックルブラケット16のベースフランジ16bがシートフレーム5に5本のボルト(図示せず)で固定されるようになっている。バックル21とバックルステー22は、バックルブラケット16のバックル軸支フランジ16a側にバックル駆動回転軸18を介して回動可能に軸支されている。
バックル21が先端に取り付けられたバックルステー22は、その根元部のバックル駆動回転軸18を支点とした回動により、収容状態(図5実線表示)と、起立状態(図5仮想線表示)との間を所定角度(本実施例では水平〜α=40°)だけ回動する。バックル駆動回転軸18の側面にはコイル保持軸18aが同軸的に形成されている。このコイル保持軸18aに、起立付勢バネ15のコイル部15aが保持されるようになっている。起立付勢バネ15は、図4,図5に示したように、コイル部15aで所定の捻れバネ係数が設定された捻れバネからなる。コイル部15aから延長された直線部15bの一端がバックルステー22に定着され、他端15cはバックル軸支フランジ16aの所定位置に定着されている。このときこの起立付勢バネ15の初期状態は、図5に仮想線で示されたバックルステー22が起立した状態である。すなわち、バネ付勢力が付与されない状態で、バックル21は座部2から突出した状態にある。また、図5〜図7に示したように、バックルステー22の回転軸18とバックル21との間の回転軸18よりの下面には、上述した着座検知部100Aから延長されたワイヤ12の一端が定着されている。このワイヤ12は、図5に示したように、乗員が着座しない状態ではΔだけ引き込まれることでバックルステー22を水平状態に保持することができる。そして、乗員の着座動作によりワイヤ12が解放状態になると、起立付勢バネ15が初期状態に戻るように作用する付勢力によってワイヤはΔだけ引き出され、バックルステー22はバックル駆動軸18回りに起立方向に回動し、バックル21を座部2内から起立させる(図3(b),図5,図7参照)。
このとき、バックル起立機構100Bのバックルブラケット16のフランジ16cの内面には、バックル駆動回転軸18のコイル保持軸18aの外側に同軸支持された大ギア19aと噛合する小ギア19bの基部が固着されている。この小ギア19bは内部にオイル封入されたダンパ部17を有するダンパギアからなり、起立付勢バネ15によるバックルステー22の起立が緩やかな動作となるように制御することができる。さらにバックル軸支フランジ16aの内面には、バックルステーの回転軸近傍を上面側から抑えるように板バネ24が取り付けられている。この板バネ24は、乗員が後席シートを座面に座りながら横方向に移動する際に、軽く座面(着座検知部100A)を押すたびにバックルステー22が起立しないように、座面にある程度の押圧力が持続的に作用するまで、バックルステー22の起立を規制する役割を果たす。また、バックル21が起立状態にあるときにバックル21を座部内に押し戻そうとする外力が作用してバックルステー22が倒れても、起立付勢バネ15が抵抗して、もとの位置に戻そうと動作する。またワイヤ12も一時的に緩む方向に作用するだけで、ワイヤ12に悪影響を与えるようなテンションは作用しない。
次に、シートベルトバックル装置100において、乗員が乗車し、座部2に着座してシートベルト8を装着するまでの動作と、降車時にシートベルト8をはずして降車するまでの動作に対応した着座検知部100Aとバックル起立機構100Bの動作について、図1,図6,図7を参照して説明する。なお、図6,図7では、動作の理解のために、着座検知部100Aとバックル起立機構100Bの表示スケールを変えて着座検知部100Aをやや大きく描いている。そのため、図7において、ワイヤ繰り出し量Δの大きさが異なって表示されている。
乗員が座部2に着座していない状態(図1符号100Lの状態、図6の状態)では、座部のシートクッション下に位置する着座検知部100Aのスライドブロック10は支持するコイルバネ13が初期状態にあり、図3(a),図6に示したように、規制壁10aがベースブロック11の上面より突出した状態にある。このときバックルステー22はワイヤ12で下方に引きこまれ、座部2内に収容された(倒れた)状態にある。したがって、起立付勢バネ15は初期状態から捻れを解かれた弾性負荷作用状態にある。
乗員Pが座部2に着座する(図1符号100Rの状態、図7の状態)と、乗員Pの体重によって、乗員着座位置のシートクッションの中央部がおよそδだけ沈み込み、スライドブロック10の規制壁10aもそれに伴って沈み込み、ベースブロック11の上面と規制壁10a上面とがほぼ同一の高さとなる(図3(b)、図7)。この状態ではベースブロック11とスライドブロック10の鋸歯状突起10c,11cの噛合が解け、ワイヤ12が緩んだ状態になる。このため、ワイヤ12で弾性負荷をかけられていた起立付勢バネ15の規制が解かれ、ワイヤ長さΔに相当する回動角だけバックルステー22が起立し、バックル21が所定量だけ座面から突出する(図6(b)、図7)。
降車時に乗員はシートベルト8をはずし、座部2から離れる(離座する)が、乗員が座部2から腰を浮かすと、乗員の体重による荷重から解放され、シートクッションがもとの状態に戻るとともに、内部の着座検知部100Aのスライドブロック10のコイルバネ13の付勢力により初期状態に復帰する。これにより、Δだけ繰り出されていたワイヤ12は図3(a)、図6のように、鋸歯状突起10c,11cが噛合することでΔだけ着座検知部100A内に引き込まれ、ワイヤ12のバックル起立機構100Bと着座検知部100A間の長さも乗員着座前の初期長さに戻る。このようにワイヤ12がΔだけ引き込まれると、バックルステー22に装着されていた起立付勢バネ15がに所定の負荷が作用し、バックルステー22は、図3(a),図5,図6に示したような乗員着座前の倒れた状態に戻り、バックル21は再び座部2内に収容される。
このように、本発明の実施の形態に係るシートベルトバックル装置100では、乗員が座部2に着座したときにのみバックル21が座部2の表面に突出するので、乗員の身体とバックル21とが接触することはない。また、乗員がバックル21を探す手間も省ける。また、このシートベルトバックル装置100では、バックルの回動にモータ等のアクチュエータを用いないので、コスト面で有利である。さらに、乗員が座部2に着座することで、着座検知部100Aのスライドブロック10のスライド動作でワイヤ12が繰り出されることで、バックルステー22を回動させており、乗員の着座を検知するような電気的なセンサを用いてバックルに所定の動作を付与するか否かの判別が不要であるので、信頼性が高く、コスト面でも有利である。
図8各図は、着座検知部100Aをシート内に装着した状態を示したシートの部分断面図である。着座検知部100Aのベースブロック11とスライドブロック10とは、図8(a)に示すように、座部2内に詰められた、所定形状に成形されたウレタンフォーム製のシートクッション25に覆われ、乗員が着座したときに違和感がないようにしている。乗員が座部2に着座すると、乗員の体重によりスライドブロック10の規制壁10aが、シートクッション25の変形とともに沈み込み、乗員が離席すると、スライドブロック10は内蔵されたコイルバネ13の付勢力により、元の位置まで復帰し、シートクッションも弾性的に回復変形する。このように、着座検知部100Aのスライドブロック10を支持するコイルバネ13はシートクッションの弾性支持方向と同じため、座り心地を損なうことがない。さらに、図1及び図8(b)に示したように、シートバック3の腰部付近に着座検知部100Aとしてのベースブロック11とスライドブロック10とを組み合わせた部材を装着することも可能である。これは図1に中央座席2C等に対応させるための方策として有効である。この場合、スライドブロック10は乗員がシートバック3に寄りかかった状態でスライドしなければならないので、スライドブロック10を支持するコイルバネ13のバネ係数を小さくしてシートバック3に寄りかかった程度の力でスライドブロック10がスライドするように設定することが好ましい。図8(b)では、シートバック3内にバックル21が収容されている状態が破線で示されているが、バックル21は座部2に収容されていてもよいことは言うまでもない。
図9(a),(b)は、シートベルトバックル装置100のうちの、バックル起立機構100Bの第2実施例としての、バックル突出機構100Dの構成および動作状態を示した説明図である。このバックル突出機構100Dは、図4,図5に示したバックル起立機構100Bにおけるバックルの起立動作と同様に、バックルをシート外に突出させるという動作において、同様の作用を奏するといえる。したがって、バックル突出動作は、バックル起立動作の上位の動作概念としてとらえることができ、バックル突出機構は、バックル起立機構を含む概念と考えてよい。
以下、バックル突出機構100Dの構成について、図9(a),(b)を参照して説明する。バックル突出機構100Dは図9(a)に示したように、乗員が着座しない初期状態では、バックル21とバックル支持ロッド32をこれらを支持するバックル支持部30は、座部2の奥部とシートバック3下端との間の隙間に形成された切欠(図示せず)内に収容されるように、シートフレーム5の所定位置に固定されている。バックル支持部30は、実施例1と同様に、鋼板を加工したバックルブラケット31のベースフランジ31bがシートフレーム5に固定ボルト(図示せず)で固定されている。バックル21と、バック支持ロッド32を収容したバックル支持パイプ33(後述する。)は、バックルブラケット16のバックル軸支フランジ16aに、シートフレーム5と所定角度αをなすように固定支持されている。
バックル21が先端に取り付けられたバックル支持ロッド32は、図9(a)に示したように、バックル支持パイプ33内に支持されている。そしてバックル支持パイプ33の中心軸と同軸的に取り付けられたガイドパイプ34に内接して軸線方向に移動することができる。このバックル支持パイプ33内には一端がバックル支持ロッド32に定着されたコイル圧縮バネ35が収容されている。コイル圧縮バネ35は図9(a)がもっとも縮んだ状態で、図9(b)が付勢力が作用しない初期状態となるようなバネ長さを有する。また、バックル支持ロッド32の端部には、着座検知部100A(図6参照)から延長されたワイヤ12の一端が定着されている。このワイヤ12は、図9(a)に示したように、乗員が着座しない状態ではΔ(ワイヤ12上で位置AB間分)だけ引き込まれることで、コイル圧縮バネ35をもっとも縮んだ状態まで引きつけ、バックル支持ロッド32をガイドパイプ34内に引き込み、バックル21がほとんどシート内の切欠(図示せず)に収容されるようにしている。そして、上述のように、たとえば図7に示したように、着座検知部100Aで乗員の着座が検知され、ワイヤ12が解放状態になると、コイル圧縮バネ35は開放され、図9(b)に示したように、初期状態に戻るように作用する付勢力によってワイヤ12はΔだけ引き出され、バックル支持ロッド32はガイドパイプ34に沿ってシート外に向けて、長さΔだけ突出するように軸方向移動し、バックル21をシート2外に突出させることができる。この状態で、乗員はバックル21にトング(図示せず)を容易に装着することができる。
なお、以上の実施例では、後席ベンチシートにシートベルトバックル装置を装備した例を示したが、ベンチシートタイプの前席に本発明のシートベルトバックル装置を装備することができることはいうまでもない。
本発明のシートベルトバックル装置を装備した後席シートを示した概略斜視図。 本発明の着座検知部の一実施例の構成を示した概略斜視図。 図2に示した着座検知部を組み立てて、動作させた状態を示した状態説明図。 本発明のバックル起立機構の構成例を示した平面図。 図4に示したバックル起立機構をV-V断面線で示した部分断面図。 シートベルトバックル装置の動作状態を示した動作説明図(バックル収容時)。 シートベルトバックル装置の動作状態を示した動作説明図(乗員着座時)。 着座検知部のシート内での装着例を示したシートの部分断面図。 バックル突出機構の他の実施例の構成および作用を示した説明図。
符号の説明
1 後席シート
2 座部
3 シートバック
5 シートフレーム
8 シートベルト
9 トング
10 スライドブロック
10a 規制壁
10c 鋸歯状突起
11 ベースブロック
11c 鋸歯状突起
10e ワイヤ収容溝
12 ワイヤ
13 コイルバネ
14 ワイヤ固定ステー
15 起立付勢バネ
16 バックルブラケット
17 ダンパ部
18 バックル駆動回転軸
19a,19b ギア
20 バックル支持部
22 バックルステー
25 シートクッション
100,100L,100R,100C シートベルトバックル装置
100A 着座検知部
100B バックル起立機構

Claims (6)

  1. シートベルトのトングを装着するバックルの支持部材を、シート内から突出させる付勢機構を有し、乗員が着座しない状態では前記付勢機構による動作が阻止され、前記バックルと支持部材とを前記シート内に収容させておくバックル突出機構と、
    シート内に設けられ、その一部に乗員が着座しない時を初期長さとし、前記バックルの支持部材の一部に接続された引張部材が収容され、乗員が着座した際に変位して、前記引張部材を所定量だけ繰り出し可能な乗員着座検知部とを備え、
    乗員が着座した際に、前記乗員着座検知部から繰り出された引張部材の繰り出し量分が前記支持部材に伝達され、前記付勢機構の動作阻止が解除され、前記バックルをシートから突出させるようにしたことを特徴とするシートベルトバックル装置。
  2. 前記乗員着座検知部は、スライドブロックとベースブロックとからなり、スライドブロックとベースブロックの間に形成された鋸歯状突起に前記引張部材を挟持させた時の長さを初期長さとし、乗員の着座により前記スライドブロックが変位して前記引張部材の挟持が解かれ、前記引張部材の所定繰り出し量分が前記バックル起立機構に伝達されることを特徴とする請求項1に記載のシートベルトバックル装置。
  3. 前記バックル突出機構の付勢機構はコイル捻れバネであり、バックル収容状態では、該コイル捻れバネの付勢力による前記支持部材のシート外への回動が、前記引張部材により阻止され、乗員が着座した状態での前記引張部材の繰り出しにより、前記コイル捻れバネが開放され前記支持部材を回動させ、前記バックルをシート内から突出させるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシートベルトバックル装置。
  4. 前記バックル突出機構の付勢機構はコイル圧縮バネであり、バックル収容状態では、該コイル圧縮バネの付勢力による前記支持部材のシート外への軸方向移動が、前記引張部材により阻止され、乗員が着座した状態での前記引張部材の繰り出しにより、前記コイル圧縮バネが開放され前記支持部材を軸方向移動させ、前記バックルをシート内から突出させるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシートベルトバックル装置。
  5. 前記乗員着座検知部は、前記シートの座部内に収容され、乗員の着座を検知することを特徴とする請求項2記載のシートベルトバックル装置。
  6. 前記乗員着座検知部は、前記シートのシートバック内に収容され、乗員の着座を検知することを特徴とする請求項2記載のシートベルトバックル装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012218659A (ja) * 2011-04-13 2012-11-12 Takata Service Corp シートベルト装置及び車両用シート
US10974689B2 (en) * 2019-02-27 2021-04-13 Trw Vehicle Safety Systems Inc. Biasing arrangement for seatbelt buckle

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