JP2010057235A - ケーブル通線具及びケーブル通線方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーブルを傷付けることなく容易に通線できると共に、通線後のケーブルを傷等から保護できるケーブル通線具及びケーブル通線方法を提供すること。
【解決手段】ケーブル通線具10は、壁20に設けられたエアコンパイプ22敷設用の貫通穴21にケーブル15を挿通する際に、当該ケーブル15の導入管及び保護管として使用される。ケーブル通線具10は、ケーブル15の外径よりも大きな内径を有するように帯状体11を螺旋状に略隙間なく巻いて形成されている。帯状体11の幅方向両端部には、テーパ面11aを有し、隣接する当該テーパ面11aが互いに重なるように帯状体11が螺旋状に巻かれている。
【選択図】図5

Description

本発明は、ケーブル通線具及びケーブル通線方法に関する。
図11に示すように、従来、通信用の光ファイバケーブルや同軸ケーブル(以下、ケーブルと略称する)を屋外から屋内に引き込む場合、壁20における既設の貫通穴、例えば、エアコンパイプ22を挿通した貫通穴21が利用されることが多い。ここで、図11は、貫通穴21にケーブル15を直に挿通した様子を示す部分斜視図である。
このような貫通穴21に挿通されているエアコンパイプ22は、当該貫通穴21に対して平行に挿通されているとは限らず、下から上に向けて斜めに挿通されていたり(図11参照)、貫通穴21の中で捩れた状態で挿通されていたりするものもある。
また、上記貫通穴21は、エアコンパイプ22を挿通可能な最小限の径で開けられていることが多く、ケーブル15を挿通するのに必要な隙間が十分に確保されていないことが多い。
更に、ケーブル15の外径は、通常、数ミリから十数ミリ程度であり、ケーブル15自体の剛性が低いため撓み易く、隙間への挿通作業には適していない。
したがって、挿通経路が単純ではない場合には、ケーブル15の挿通時に、貫通穴21とエアコンパイプ22との間に形成された小さな隙間等にケーブル15が引っ掛かってしまい、作業性が非常に悪かった。
このような状況でケーブル15を無理に挿通すると、エアコンパイプ22等との摩擦抵抗や過度な引張り力等によって、ケーブル15やエアコンパイプ22が損傷する虞があった。
このため、例えば特許文献1に係る通線具を使用して上記貫通穴21にケーブル15を挿通する手段が考えられる。この特許文献1に係る通線具は、配線工事の際に天井、中空壁、床下等に電線を引き込み易くするためのものである。
すなわち、特許文献1に係る通線具は、拡開部材を用いて上方に大きい環状部と下方に線材を掛け止めるための掛止孔を設け、上方の大きい環状部に上下に摺動する筒体を設けたものである。
特許第2995656号公報
しかしながら、上記特許文献1に係る従来技術は、電線と引掛棒との着脱を容易にして電線を誘導し易くしたものに過ぎず、通線作業時にケーブルを傷等から保護する機能を持ち合わせていない。
また、上記貫通穴21の周縁部等には、穴あけ時に生じた、いわゆるバリがある。このため、通線作業中に当該バリにケーブル15を接触させると、ケーブル15を傷つけてしまう虞があった。
また、上記特許文献1に係る通線具は、中空壁等にケーブルを引き込み易くするための手段であって、引き込んだ後に当該ケーブルを傷等から保護する手段は考慮されていない。このため、同一の引き込み箇所に別のケーブルの通線工事を行う場合、何ら保護されていない既設のケーブルを作業時に傷つけてしまう虞があった。
したがって、ケーブルを傷付けることなく容易に通線できると共に、通線後のケーブルを傷等から保護できる手段の提供が望まれていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ケーブルを傷付けることなく容易に通線できると共に、通線後のケーブルを傷等から保護できるケーブル通線具を提供することを目的とする。
また、本発明は、ケーブルを傷付けることなく容易に通線できると共に、通線後のケーブルを傷等から保護できるケーブル通線方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、
(1)の発明は、壁に設けられた貫通穴にケーブルを挿通する際に当該ケーブルの導入管及び保護管として使用されるケーブル通線具であって、前記ケーブルの外径よりも大きな内径を有するように螺旋状に略隙間なく巻いて形成された帯状体を備えること特徴とする。
(2) (1)の発明においては、前記帯状体の幅方向両端部にはテーパ面を有し、隣接する当該テーパ面が互いに重なるように前記帯状体が螺旋状に巻かれていることが好ましい。
(3) (2)に記載の発明においては、隣接する前記テーパ面の一部を接合して形成され、前記ケーブル通線具の長手方向への所定の引張り力又は中心軸回りの所定の捻り力の少なくとも一方が付与されることによって切断される点接合部を複数備えることが好ましい。
(4) (1)から(3)に記載の発明においては、前記ケーブル通線具の内径よりも小さな外径を有し、当該ケーブル通線具に挿抜可能に形成された芯線を備えることが好ましい。
(5)の発明は、壁に設けられた貫通穴にケーブルを挿通するケーブル通線方法であって、(1)から(3)のいずれかに記載のケーブル通線具を前記貫通穴に挿通し、次いで前記貫通穴に挿通された前記ケーブル通線具に前記ケーブルを挿通した後、前記ケーブル通線具に所定の引張り力又は中心軸回りの所定の捻り力の少なくとも一方を付与して当該ケーブル通線具の径を縮め、固定手段によって前記ケーブル通線具の両端部を前記ケーブルに固定することを特徴とする。
本発明によれば、ケーブルを傷付けることなく容易に通線できると共に、通線後のケーブルを傷等から保護できるケーブル通線具を提供することができる。
また、本発明によれば、ケーブルを傷付けることなく容易に通線できると共に、通線後のケーブルを傷等から保護できるケーブル通線方法を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るケーブル通線具を示す斜視図、図2は、ケーブル通線具を示す部分断面図である。また、図3は、ケーブル通線具を貫通穴に挿通した様子を示す斜視図、図4は、挿通経路が曲がっている場合におけるケーブル通線具を示す断面図、図5は、ケーブル通線具内にケーブルを挿通した様子を示す斜視図、図6は、ケーブル通線具の内径を縮めてケーブルに略密着させた様子を示す斜視図である。なお、以下の説明において、既に説明した部材と同一若しくは相当する部材には、同一の符号を付して重複説明を省略又は簡略化する。
図1、図2及び図5に示すように、ケーブル通線具10は、壁20に設けられた貫通穴21にケーブル15を挿通する際に当該ケーブル15の導入管及び保護管として使用されるものである。
ケーブル通線具10は、図1に示すように、ケーブル15の外径よりも大きな内径を有するように帯状体11を螺旋状に略隙間なく巻いてスパイラルチューブとして形成されている。
また、図2に示すように、帯状体11の幅方向両端部には、テーパ面11aを有し、隣接する当該テーパ面11aが互いに重なるように帯状体11が螺旋状に巻かれている。
ケーブル通線具10は、所定の硬さを有する合成樹脂からなり、例えば、塩化ビニル樹脂が好ましい。ケーブル通線具10の内径は、後述する伸長時にケーブル15と略密着できる程度に形成されていることが好ましい。また、ケーブル通線具10は、少なくとも壁20の厚み以上の長さを有していることが好ましい。
更に、ケーブル通線具10は、図2に示すように、隣接するテーパ面11a,11aの一部を接合して形成され、ケーブル通線具10の長手方向への所定の引張り力及び中心軸回りの所定の捻り力が付与されることによって切断される点接合部12を複数備える。
すなわち、点接合部12が切断されるまで、ケーブル通線具10は全体的に1つにまとまって、ある程度の可撓性を確保しつつ、長手方向の剛性(直進性)を維持するように構成されている。なお、上記所定の引張り力及び所定の捻り力とは、作業者が手で容易に付与できる程度の力であることが好ましい。
点接合部12は、例えば、直径方向の2箇所に設けられていることが好ましい。また、点接合部12は、例えば、接着剤による接着、或いはスポット溶接によって形成されることが好ましい。
次に、図3〜図6を参照しながら、ケーブル通線具10を用いたケーブル15の通線方法について説明する。
先ず、図3に示すように、ケーブル通線具10を壁20の貫通穴21に形成された隙間に挿通する。このとき、エアコンパイプ22は、貫通穴21に対して下から上に向けて斜めに挿通されているので、ケーブル通線具10の挿通経路は単純ではなく挿通スペースも小さい。
しかしながら、ケーブル通線具10は、所定の剛性を有しているので、貫通穴21に挿通する際に直進性が確保される。また、ケーブル通線具10は、スパイラルチューブとして形成され、可撓性も備えているので、挿通する隙間が屈曲又は湾曲している場合にも当該形状に沿って容易に挿通することができる。
更に、ケーブル通線具10は、帯状体11によって略隙間なく螺旋状に形成され、挿通方向A(図2参照)では、挿通時に貫通穴21の内面等に引っ掛かりにくくなっているので、挿通作業を円滑に行うことができる。挿通されたケーブル通線具10は、次に示すケーブル15の導入管として機能する。
また、帯状体11のテーパ面11aが互いに略重なるように螺旋状に巻かれているので、ケーブル通線具10の挿通経路(図示せず)が曲がっている場合であっても、図4に示すように、当該曲がっている部分において帯状体11同士の間に実質的な隙間が生じにくい。
ここで、実質的な隙間とは、ケーブル通線具10を外側から見た場合に、帯状体11同士の間から当該ケーブル通線具10の内部を見ることができるような隙間をいい、ささくれやバリ等の突起物が当該ケーブル通線具10の内部に容易に進入できるような隙間をいう。したがって、ケーブル通線具10によれば、内部に挿通されるケーブル15(図示せず)を上記ささくれ等から確実に保護することができる。
次に、図5に示すように、貫通穴21に挿通されたケーブル通線具10を導入路として当該ケーブル通線具10にケーブル15を挿通する。
このとき、ケーブル通線具10の内径は長手方向に沿って均一であり、かつ、挿通方向A(図2参照)では、ケーブル15の挿通時に当該ケーブル15が引っ掛かりにくい。また、ケーブル通線具10は、隣接するテーパ面11a,11aが互いに重なるように螺旋状に巻かれているので、可撓性を有するケーブル通線具10が多少湾曲しても、隣接する帯状体11,11の間に隙間が生じにくい。
したがって、ケーブル15をケーブル通線具10内に挿通する時に当該ケーブル15がケーブル通線具10の内部に引っ掛かりにくい。また、ケーブル通線具10の挿通経路が曲がっている場合であっても、上記理由により、当該曲がっている部分(図4参照)において帯状体11,11の間に隙間が生じにくいので、上記ささくれ等による影響を受けにくい。すなわち、挿通経路の形状(直線的な形状又は曲線的な形状)にかかわらず、ケーブル15の挿通作業を円滑に行うことができる。
次に、図6に示すように、ケーブル通線具10の両端に所定の引張り力(図中の矢印を参照)及び中心軸回りの所定の捻り力を付与する。
すると、点接合部12(図2参照)が切断され、ケーブル通線具10が伸長すると共に、隣接する帯状体11,11の間に隙間がない状態で当該ケーブル通線具10の径が小さくなり、当該ケーブル通線具10がケーブル15に略密着する。
この状態で、図示しないテープ等の固定手段によってケーブル通線具10の両端部をケーブル15に固定する。これにより、伸長したケーブル通線具10が自己収縮するのを抑制することができる。
また、ケーブル通線具10がケーブル15を覆っているので、何ら覆われていなかった従来のケーブル15の場合(図7参照)と比較すると、通線後のケーブル15を傷等から保護できる。すなわち、ケーブル通線具10は、既設のケーブル15の保護管としても機能する。
以上のように、この実施形態によれば、ケーブル15を傷付けることなく容易に通線できると共に、通線後のケーブル15を傷等から保護できる。
なお、上記実施形態においては、ケーブル通線具10のみを貫通穴21に挿通するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、図7に示すように、芯線17を有するケーブル通線具10を当該芯線17と共に貫通穴21に挿通してもよい。ここで、図7は、ケーブル通線具10を芯線17と共に貫通穴21に挿通した様子を示す斜視図である。
芯線17は、ケーブル通線具10の内径よりも小さな外径を有し、当該ケーブル通線具10に挿抜可能に形成されている。芯線17には、例えばピアノ線を合成樹脂で被覆したものを用いてもよい。
通線作業時には、ケーブル15をケーブル通線具10に挿通する前に、芯線17を当該ケーブル通線具10から抜き取ればよい。
挿通作業時に芯線17を用いることにより、ケーブル通線具10の可撓性を維持しつつ剛性を更に確保できるので、不要な撓みを抑制でき、ケーブル通線具10を狙った方向に進入させることができる。
また、図8及び図9に示すように、ケーブル通線具10における帯状体11の巻き方向(螺旋方向)を図1及び図2に示した巻き方向と逆向きにしてもよい。この場合も上記実施形態の場合と同様の通線方法を適用でき、同様の効果を奏することができる。ここで、図8は、本発明の別の実施形態に係るケーブル通線具を示す斜視図、図9は、ケーブル通線具を示す部分断面図である。
また、上記実施形態においては、帯状体11の横断面形状が平行四辺形であるとして説明したが、これに限定されない。例えば、図10に示すように、ケーブル通線具10’は、横断面が長方形の帯状体11’で形成されていてもよい。帯状体11’の幅方向両端部のそれぞれには端面11a’を有する。帯状体11’は、帯状体11と同様に、螺旋状に巻かれているが、帯状体11’のある部分の端面11a’が、螺旋方向に一回分離れた部分の表面に載置されている。つまり、帯状体11’は、竹の子状に螺旋状に巻かれている。ここで、図10は、本発明の別の実施形態に係るケーブル通線具を示す部分断面図である。
また、上記実施形態においては、図2において、帯状体11のあるテーパ面11aは、螺旋方向に一回分離れた部分の反対側のテーパ面11aに接合して形成されているものとして説明したが、これに限定されない。例えば、図10に示すように、ケーブル通線具10’は、接触する端面11a’と螺旋方向に一回分離れた部分の表面とを接合して形成され、ケーブル通線具10’の長手方向への所定の引張り力及び中心軸回りの所定の捻り力が付与されることによって切断される点接合部12を複数備えてもよい。更に、帯状体11’の断面形状が、図10に示すように、長方形に限定されるものではなく、例えば、図2に示すような平行四辺形の形状であってもよい。
また、上記実施形態においては、ケーブル通線具10を塩化ビニル樹脂により形成するものとして説明したが、これに限定されず、その他の合成樹脂から形成してもよい。
また、上記実施形態においては、ケーブル通線具10が点接合部12を備えるものとして説明したが、これに限定されず、ケーブル通線具10の材質や寸法等を工夫することにより、ケーブル通線具10が所定の剛性を有して通線作業時の直進性を確保できれば、点接合部12を備えなくてもよい。
また、上記実施形態においては、テープ等の固定手段によってケーブル通線具10の両端部をケーブル15に固定するものとして説明したが、これに限定されず、接着剤により固定することもできる。
本発明の実施形態に係るケーブル通線具を示す斜視図である。 ケーブル通線具を示す部分断面図である。 ケーブル通線具を貫通穴に挿通した様子を示す斜視図である。 挿通経路が曲がっている場合におけるケーブル通線具を示す断面図である。 ケーブル通線具内にケーブルを挿通した様子を示す斜視図である。 ケーブル通線具の内径を縮めてケーブルに略密着させた様子を示す斜視図である。 ケーブル通線具を芯線と共に貫通穴に挿通した様子を示す斜視図である。 本発明の別の実施形態に係るケーブル通線具を示す斜視図である。 ケーブル通線具を示す部分断面図である。 本発明の別の実施形態に係るケーブル通線具を示す部分断面図である。 貫通穴にケーブルを直に挿通した様子を示す部分斜視図である。
符号の説明
10、10’ ケーブル通線具
11、11’ 帯状体
11a テーパ面
12 点接合部
15 ケーブル
20 壁
21 貫通穴

Claims (5)

  1. 壁に設けられた貫通穴にケーブルを挿通する際に当該ケーブルの導入管及び保護管として使用されるケーブル通線具であって、
    前記ケーブルの外径よりも大きな内径を有するように螺旋状に略隙間なく巻いて形成される帯状体を備えること特徴とするケーブル通線具。
  2. 前記帯状体の幅方向両端部にはテーパ面を有し、隣接する当該テーパ面が互いに重なるように前記帯状体が螺旋状に巻かれていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル通線具。
  3. 隣接する前記テーパ面の一部を接合して形成され、前記ケーブル通線具の長手方向への所定の引張り力又は中心軸回りの所定の捻り力の少なくとも一方が付与されることによって切断される点接合部を複数備えることを特徴とする請求項2に記載のケーブル通線具。
  4. 前記ケーブル通線具の内径よりも小さな外径を有し、当該ケーブル通線具に挿抜可能に形成された芯線を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のケーブル通線具。
  5. 壁に設けられた貫通穴にケーブルを挿通するケーブル通線方法であって、
    請求項1から3のいずれかに記載のケーブル通線具を前記貫通穴に挿通し、
    次いで前記貫通穴に挿通された前記ケーブル通線具に前記ケーブルを挿通した後、
    前記ケーブル通線具に所定の引張り力又は中心軸回りの所定の捻り力の少なくとも一方を付与して当該ケーブル通線具の径を縮め、
    固定手段によって前記ケーブル通線具の両端部を前記ケーブルに固定することを特徴とするケーブル通線方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016067160A (ja) * 2014-09-25 2016-04-28 アズビル株式会社 線状部材とスパイラルチューブの使用方法
JP2017032368A (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 積水化学工業株式会社 超音波検査装置

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