JP2010055917A - 燃料電池モジュールおよび燃料電池装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池セルの上下方向における温度分布を均一に近づけることができ、発電効率が向上した燃料電池モジュールおよび燃料電池装置を提供する。
【解決手段】本発明の燃料電池モジュールは、燃料電池セル3を収納する収納容器2において、第2の反応ガスを燃料電池セル3に供給するための反応ガス導入部材12が、マニホールド4に立設した燃料電池セル3の長手方向における下端部側と中央部側に第2の反応ガスを導入するための反応ガス導入口をそれぞれ有することから、セルスタック5の上下方向(燃料電池セル3の長手方向)における温度分布を均一に近づけることができ、燃料電池セル3の特定部位の劣化が早まることを抑制できる燃料電池モジュールおよび燃料電池装置とすることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、収納容器内に複数個の柱状の燃料電池セルを収納してなる燃料電池モジュールおよびそれを具備する燃料電池装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、水素含有ガスと空気(酸素含有ガス)とを用いて電力を得ることができる燃料電池セルを複数個立設し電気的に直列に接続してなるセルスタックと、セルスタックを構成する燃料電池セルを固定するとともに、燃料電池セルに反応ガスを供給するマニホールドとを有するセルスタック装置を、収納容器内に収納してなる燃料電池モジュールや燃料電池モジュールを収納してなる燃料電池装置が種々提案されている。
そのような燃料電池モジュールとしては、例えば、直方体状の収納容器内に設けられた発電室内に、燃料電池セルを複数個並設し電気的に直列に接続してマニホールドに固定してなるセルスタック装置を収納してなる燃料電池モジュールが提案されている(例えば、特許文献1参照)。そして、上記特許文献1に記載の燃料電池モジュールにおいては、燃料電池セルに反応ガス(燃料ガス等)を供給するための反応ガス導入部材が設けられており、反応ガス導入部材の下端部側に、燃料電池セルの下端部側に反応ガス(燃料ガス等)を導入するための反応ガス導入口が設けられている。
特開2007−59377号公報
ところで、燃料電池モジュール(燃料電池装置)の発電に伴いセルスタック(燃料電池セル)に熱が生じるが、その発電により生じた熱は、隣接する燃料電池セル間等から放熱される。
しかしながら、特に燃料電池セルを複数個立設し電気的に直列に接続してなるセルスタック装置を収納し、燃料電池セルの下端部側に反応ガス(燃料ガス等)を導入するための反応ガス導入部材を具備する燃料電池モジュールにおいては、セルスタックを構成する燃料電池セルの長手方向において、燃料電池セルの下端部側の温度が低く、中央部側や上端部側の温度が高いという不均一な温度分布を生じる場合がある。
そして、燃料電池セルの長手方向において不均一な温度分布が生じた場合には、燃料電池セルを流れる電流が温度の高い部位に集中し、その電流が集中した部位の劣化が早まるおそれがあった。
それゆえ本発明は、セルスタックの長手方向における温度分布を均一に近づけることが可能な燃料電池モジュールおよびそれを具備する燃料電池装置を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池モジュールは、収納ケース内に、内部にガスを流通させるためのガス流路を有する柱状の燃料電池セルを複数個立設し電気的に直列に接続してなるセルスタックと、該セルスタックを構成する前記燃料電池セルを固定するとともに、前記燃料電池セルに第1の反応ガスを供給するマニホールドとを具備するセルスタック装置を収納してなり、前記収納ケースは、内壁と外壁とを有する二重壁構造で、前記内壁と前記外壁との間を第2の反応ガスの流路とするとともに、前記内壁には、前記燃料電池セルの配列方向における前記セルスタックの幅に対応した幅を有し、前記流路につながって前記燃料電池セルの配列方向に沿った側面側より前記燃料電池セルスタックに前記第2の反応ガスを導入するための反応ガス導入部材を備えてなる燃料電池モジュールにおいて、前記反応ガス導入部材は、前記マニホールドに立設した前記燃料電池セルの長手方向における下端部側および中央部側に前記第2の反応ガスを供給するための反応ガス導入口のそれぞれを、前記燃料電池セルの配列方向に沿って備えることを特徴とする。
このような燃料電池モジュールにおいては、燃料電池セルに第2の反応ガスを供給するための反応ガス導入部材が、マニホールドに立設した燃料電池セルの長手方向における下端部側に第2の反応ガスを供給するための反応ガス導入口を備えることから、燃料電池セルに効率よく反応ガスを供給することができ、セルスタックの発電効率を向上することができる。
また、燃料電池セルに第2の反応ガスを供給するための反応ガス導入部材が、マニホールドに立設した燃料電池セルの長手方向における中央部側に第2の反応ガスを供給するための反応ガス導入口を備えることから、燃料電池セルの長手方向において高温となる中央部側の温度を低下することができ、燃料電池セルの長手方向(セルスタックの上下方向)における温度分布を均一に近づけることができる。それにより、燃料電池セルの特定部位の劣化が早まることを抑制することができる。
また、本発明の燃料電池モジュールは、前記反応ガス導入部材は、前記マニホールドに立設した前記燃料電池セルの長手方向における中央部側に前記第2の反応ガスを導入するための反応ガス導入口が、前記燃料電池セルの配列方向に沿った中央部側にのみ設けられていることが好ましい。
このような燃料電池モジュールにおいては、反応ガス導入部材が、燃料電池セルの長手方向における中央部側に第2の反応ガスを導入するための反応ガス導入口を、燃料電池セルの配列方向に沿った中央部側にのみ備えることから、セルスタックを構成する燃料電池セルの配列方向において高温となる中央部側の温度を低下させることができる。それにより、セルスタックの上下方向(燃料電池セルの長手方向)および配列方向における温度分布を均一に近づけることができ、燃料電池セルの特定部位の劣化が早まることを抑制できるとともに、セルスタック(装置)の発電量が低下することを抑制することができる。
また、本発明の燃料電池モジュールは、前記反応ガス導入部材は、前記マニホールドに立設した前記燃料電池セルの長手方向における中央部側に前記第2の反応ガスを導入するための反応ガス導入口の上方に、前記燃料電池セルの配列方向に沿って前記反応ガス導入部材の変形を抑制するための変形抑制部材が設けられていることが好ましい。
このような燃料電池モジュールにおいては、反応ガス導入部材における、マニホールドに立設した燃料電池セルの長手方向における中央部側に第2の反応ガスを供給するための反応ガス導入口の上方に、変形抑制部材が設けられていることから、反応ガス導入部材の変形を大幅に抑制することができるとともに、セルスタックを構成する各燃料電池セルに、所定量の反応ガスを導入することができる。それにより、セルスタックの温度分布を均一に近づけることができ、燃料電池セルの特定部位の劣化が早まることを抑制できるとともに、セルスタック(装置)の発電量が低下することを抑制することができる。
また、本発明の燃料電池モジュールは、前記変形抑制部材の内部または前記反応ガス導入部材と前記変形抑制部材との間に、前記セルスタック近傍の温度を測定するための温度センサが配置されていることが好ましい。
このような燃料電池モジュールにおいては、変形抑制部材の内部または前記反応ガス導入部材と前記変形抑制部材との間に温度センサを配置することにより、セルスタック近傍の温度を測定することができ、燃料電池モジュールの温度管理を効率的に行うことができる。
本発明の燃料電池装置は、上記のうちいずれかに記載の燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなることを特徴とする。
このような燃料電池装置においては、燃料電池セルの上下方向における温度分布を均一に近づけることができるセルスタックを収納してなる燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなることから、発電効率の向上した燃料電池装置とすることができる。
本発明の燃料電池モジュールは、収納ケース内に、内部にガスを流通させるためのガス流路を有する柱状の燃料電池セルを複数個立設し電気的に直列に接続してなるセルスタックと、該セルスタックを構成する前記燃料電池セルを固定するとともに、前記燃料電池セルに第1の反応ガスを供給するマニホールドとを具備するセルスタック装置を収納してなり、前記収納ケースは、内壁と外壁とを有する二重壁構造で、前記内壁と前記外壁との間を第2の反応ガスの流路とするとともに、前記内壁には、前記燃料電池セルの配列方向における前記セルスタックの幅に対応した幅を有し、前記流路につながって前記燃料電池セルの配列方向に沿った側面側より前記燃料電池セルスタックに前記第2の反応ガスを導入するための反応ガス導入部材を備えてなる燃料電池モジュールにおいて、前記反応ガス導入部材は、前記マニホールドに立設した前記燃料電池セルの長手方向における下端部側および中央部側に前記第2の反応ガスを供給するための反応ガス導入口のそれぞれを、前記燃料電池セルの配列方向に沿って備えることから、燃料電池セルの長手方向(セルスタックの上下方向)における温度分布を均一に近づけることができる。それにより、燃料電池セルの特定部位の劣化が早まることを抑制することができる。また本発明の燃料電池装置は、本発明の燃料電池モジュールを収納してなることで、発電効率を向上することができる。
図1は、本発明の燃料電池装置を構成する燃料電池モジュール1(以下、モジュールという場合がある。)の一例を示す外観斜視図である。なお、以降の図において同一の部材については同一の番号を付するものとする。
モジュール1は、複数の燃料電池セル3を立設させた状態で所定間隔をおいて配列し、隣接する燃料電池セル3間に集電部材(図示せず)を介して電気的に直列に接続してセルスタック5を構成するとともに、燃料電池セル3の下端をガラスシール材等の絶縁性接合材(図示せず)で、燃料電池セル3に第1の反応ガスを供給するマニホールド4に固定してなるセルスタック装置8を、直方体状の収納容器2に収納して構成されている。
なお図1においては、燃料電池セル2として、内部を第1の反応ガスである水素含有ガス(燃料ガス)が長手方向に流通するガス流路を有する中空平板型で、ガス流路を有する支持体の表面に、燃料側電極層、固体電解質層および酸素側電極層を順に積層してなる固体酸化物形燃料電池セル3を例示している。なお以降の説明において、特に断らない限り、第1の反応ガスを水素含有ガス(燃料ガス)、第2の反応ガスを酸素含有ガス(空気等)とした場合の燃料電池セル3(燃料電池モジュール1)を用いて説明する。
また図1においては、燃料電池セル3の発電で使用する燃料ガスを得るために、天然ガスや灯油等の燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器6をセルスタック5(燃料電池セル3)の上方に配置している。そして、改質器6で生成された燃料ガスは、ガス流通管7によりマニホールド4に供給され、マニホールド4を介して燃料電池セル3の内部に設けられたガス流路に供給される。なお、セルスタック装置8を改質器6を含むものとしてもよい。
なお、図1においては、収納容器2の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されるセルスタック装置8を後方に取り出した状態を示している。ここで、図1に示したモジュール1においては、セルスタック装置8を、収納容器2内にスライドして収納することが可能である。
図2は、図1で示すモジュール1の断面図である。モジュール1を構成する収納容器2は、内壁9と外壁10とを有する二重構造で、外壁10により収納容器2の外枠が形成されるとともに、内壁9によりセルスタック5(セルスタック装置8)を収納する発電室11が形成されている。さらにモジュール1(収納容器2)においては、内壁9と外壁10との間を、燃料電池セル3に導入する第2の反応ガス(酸素含有ガス)が流通する反応ガス流路としている。
ここで内壁9には、内壁9の上面よりセルスタック5の側面側にまで延び、セルスタック5の配列方向における幅に対応する幅を有し、内壁9と外壁10とで形成される流路に通じて、セルスタック5に酸素含有ガスを導入するための反応ガス導入部材12が備えられている。なお反応ガス導入部材12の構成によっては、反応ガス導入部材12を内壁9よりセルスタック5の側面側までに延びる構成としてもよい。また、反応ガス導入部材12の中央部側(マニホールド4に立設した燃料電池セル3の長手方向における中央部側と対向する領域)および反応ガス導入部材12の下端部側(マニホールド4に立設した燃料電池セル2の下端部側と対向する領域)に、燃料電池セル3に第2の反応ガスを供給するための反応ガス導入口13、14がそれぞれ設けられている。なお、反応ガス導入部材12の形状については後に詳述する。
図2においては、反応ガス導入部材12が、収納容器2の内部に横並びに並置された2つのセルスタック5(セルスタック装置8)間に位置するように配置されているが、セルスタック5(セルスタック装置8)の数により、例えば反応ガス導入部材12をセルスタック5の両側面側から挟み込むように配置してもよい。具体的には、セルスタック5(セルスタック装置8)を1つだけ収納する場合には、反応ガス導入部材12を2つ設け、セルスタック5を両側面側から挟み込むように配置することができる。
また発電室11内には、モジュール1内の熱が極端に放散され、燃料電池セル3(セルスタック5)の温度が低下して発電量が低減しないよう、モジュール1内の温度を高温に維持するための断熱材15が適宜設けられている。
なお断熱材15は、セルスタック5の近傍に配置することが好ましく、特には、燃料電池セル3の配列方向に沿ってセルスタック5の側面側に配置するとともに、セルスタック5の側面の外形と同等またはそれ以上の大きさを有する断熱材15を配置することが好ましい。なお、好ましくは、断熱材15はセルスタック5の両側面側に配置することが好ましい。それにより、セルスタック5の温度が低下することを効果的に抑制できる。さらには、反応ガス導入部材12より供給される第2の反応ガス(酸素含有ガス)が、セルスタック5の側面側より排出されることを抑制でき、セルスタック5を構成する燃料電池セル3間の反応ガスの流れを促進することができる。
また、反応ガス導入部材12に近接して配置する断熱材15の下端側には、第2の反応ガス(素含有ガス)を燃料電池セル3の下端部側に供給するための切り欠き部を有していることが好ましい。
また、内壁9により形成される底面(内部底面)および燃料電池セル3の配列方向に沿って形成された側面(内部側面)に対して所定間隔を空けて設けられた排ガス用内壁16により排ガス流路が形成され、さらに収納容器2の底部に設けられた排気孔17と排ガス流路が通じている。
それにより、燃料電池装置の稼動(起動処理時、発電時、停止処理時)に伴って生じる排ガスは、排ガス流路を流れた後、排気孔17より排気される構成となっている。なお、排気孔17は収納容器2の底部の一部を切り欠くようにして形成してもよく、また管状の部材を設けることにより形成してもよい。
ところで、燃料電池セル3の発電に伴い、燃料電池セル3の温度が上昇し、セルスタック5の上下方向(燃料電池セル3の長手方向)において温度分布が生じる場合がある。特に、マニホールド4より供給される第1の反応ガス(燃料ガス)が、燃料電池セル3の内部に設けられたガス流路を下端より上端に向けて流れるとともに、燃料電池セル3の上端部側で余剰の第1の反応ガス(燃料ガス)と第2の反応ガス(酸素含有ガス)とを燃焼させるタイプのセルスタック装置8を収納する燃料電池モジュール1においては、各燃料電池セル3の長手方向における中央部から上端部にかけての温度が高く、下端部側の温度が低いという不均一な温度分布を生じる場合がある。
ここで、マニホールド4より供給される第1の反応ガス(燃料ガス)を、内部に設けられたガス流路を下端より上端に向けて流す燃料電池セル3においては、第1の反応ガスと同様、第2の反応ガス(酸素含有ガス)も燃料電池セル3の下端部側より上端部側に向けて流すことが好ましく、図2に示すモジュール1においては、反応ガス導入部材12の下端部側に、燃料電池セル3の下端部側と対向して、反応ガス導入口13が設けられている。
しかしながら、反応ガス導入口13より、高温でない第2の反応ガス(酸素含有ガス)が燃料電池セル3の下端部側に供給されることにより、燃料電池セル3の下端部側の温度が低下し、燃料電池セル3の長手方向において不均一な温度分布を生じる場合がある。
ここで、燃料電池セル3の長手方向における温度分布が不均一となった場合に、燃料電池セル3のうち温度の高い部位に電流が集中することで、燃料電池セル3の特定部位の劣化が早まるおそれがある。
それゆえ、本発明においては、燃料電池セル3の長手方向における中央部側から上端部側にかけての温度を低下させることにより、燃料電池セル3の長手方向における温度分布を均一に近づけることを目的とする。
図3は、図2に示した反応ガス導入部材12を抜粋して示した外観斜視図である。図3に示した反応ガス導入部材12は、マニホールド4に立設した燃料電池セル3の長手方向における下端部側と中央部側に、それぞれ第2の反応ガス(酸素含有ガス)を燃料電池セル3に供給するための反応ガス導入口13、14が、燃料電池セル3の配列方向に沿ってそれぞれ複数個設けられている。
なお、反応ガス導入口13は、マニホールド4に立設した燃料電池セル3の下端部側に第2の反応ガスを供給することができる構成とすればよく、反応ガス導入口13を、燃料電池セル3の下端部側より上方に設け、第2の反応ガスをマニホールド4に立設した燃料電池セル3の下端部側に向けて供給する構成とすることもできる。同様に、反応ガス導入口14は、マニホールド4に立設した燃料電池セル3の長手方向における中央部側に第2の反応ガスを供給することができる構成とすればよく、反応ガス導入口14を燃料電池セル3の中央部側より下方もしくは上方に設け、第2の反応ガスをマニホールド4に立設した燃料電池セル3の中央部側に向けて供給する構成とすることもできる。なお、以降の説明においては、反応ガス導入口13をマニホールド4に立設した燃料電池セル3の下端部側と対向する領域に設け、反応ガス導入口14をマニホールド4に立設した燃料電池セル3の中央部側と対向する領域に設けた例を用いて説明する。
なお、反応ガス導入口13をマニホールド4に立設した燃料電池セル3の下端部側と対向する領域に設ける構成とし、反応ガス導入口14をマニホールド4に立設した燃料電池セル3の中央部側と対向する領域に設ける構成とすることで、反応ガス導入部材12が複雑化することを抑制することができる。
ここで、反応ガス導入口13より供給される第2の反応ガスは、燃料電池セル3の下端部側より上端部側に向けて流れることにより、燃料電池セル3において効率よく発電を行うことができ、燃料電池セル3(セルスタック5)の発電効率を向上することができる。
また、反応ガス導入部材12の中央部側(マニホールド4に立設した燃料電池セル3の長手方向における中央部側と対向する領域)に反応ガス導入口14が設けられていることから、高温でない第2の反応ガスが、燃料電池セル3のうち温度の高い中央部側に供給されて上端部側に流れることとなる。それにより、燃料電池セル3のうち温度の高い中央部側から上端部側にかけての温度を低下させることができ、燃料電池セル3の長手方向における温度分布を均一に近づけることができ、燃料電池セル3の特定部位における劣化が早まることを抑制できる。
なお、反応ガス導入口13を反応ガス導入部材12の下端部側に設けた場合においては、反応ガス導入部材12の下端部が、マニホールド4に立設した燃料電池セル3の下端部もしくはそれよりも低い位置となるように、反応ガス導入部材12を配置することが好ましい。
また、反応ガス導入口14を、反応ガス導入部材12の上下方向における中央部側(マニホールド4に立設した燃料電池セル3の長手方向における中央部側と対向する領域)に設けた例を示したが、ここでいう中央部側とは、マニホールド4に立設した燃料電池セル3の長手方向における中央とその近傍を意味しており(好ましくは、マニホールド4に立設した燃料電池セル3の長手方向における中央を含む領域)、あらかじめセルスタック5の温度を測定することにより、適宜設定することができる。
ところで、燃料電池セル3を複数個立設してなるセルスタック5において、燃料電池セル3の配列方向における端部側の燃料電池セルの温度が低く、燃料電池セル3の配列方向における中央部側の温度が高い傾向がある。これは、燃料電池セル3の配列方向における端部側に位置する燃料電池セル3の熱が放熱されやすいためである。
それゆえ、図3においては、反応ガス導入口13および反応ガス導入口14の間隔を、燃料電池セル3の配列方向における中央部側を狭くし、端部側を広くした例を示し、燃料電池セル3の配列方向における温度分布を均一に近づけるように構成している。
図4は、反応ガス導入部材12の他の一例を示す外観斜視図である。燃料電池セル3の配列方向における中央部側の温度が特に高い場合には、反応ガス導入口13および反応ガス導入口14を燃料電池セル3の配列方向に沿って、セルスタック5の幅に対応して設けた場合において、燃料電池セル3の配列方向における不均一な温度分布が解消されないおそれがある。
それゆえ、図4に示す反応ガス導入部材12においては、反応ガス導入口14を、セルスタック5を構成する燃料電池セル3の配列方向に沿った中央部側にのみ備える(端部側には設けない)ことにより、燃料電池セル3の配列方向における中央部側の温度を低下させることで、燃料電池セル3の配列方向における温度分布を均一に近づけることができ、セルスタック5の発電量が低下することを抑制できる(すなわち、発電効率を向上することができる。)。
なお、燃料電池セル3の配列方向における中央部側とは、燃料電池セル3の配列方向における中央とその近傍を意味しており、あらかじめセルスタック5の温度分布を測定することにより、適宜設定することができる。
また、反応ガス導入部材12の下端部側に備える反応ガス導入口13は、セルスタック5を構成する各燃料電池セル3に第2の反応ガスを導入するため、燃料電池セル3の配列方向に沿って、セルスタック5の幅に対応して設けられている。
図5は、反応ガス導入口14の上方に、反応ガス導入部材12の変形を抑制するための変形抑制部材18を設けた例を示している。
セルスタック5の発電により生じる熱が反応ガス導入部材12に伝熱することにより、反応ガス導入部材12が熱変形する(燃料電池セル3の配列方向に対して反るような変形が生じる)おそれがある。ここで、反応ガス導入部材12が変形すると、各燃料電池セル3に所定量の第2の反応ガスを供給することが難しくなるほか、燃料電池セル3の長手方向および燃料電池セル3の配列方向における温度分布を均一に近づけることが難しくなるおそれがある。
それゆえ、図5に示す反応ガス導入部材12においては、反応ガス導入口14の上方に、燃料電池セル3の配列方向に沿って反応ガス導入部材12の幅に対応した変形抑制部材18を設けている。それにより、反応ガス導入部材12の変形を抑制することができ、燃料電池セル3の長手方向および燃料電池セル3の配列方向における温度分布を均一に近づけることができ、セルスタック5の発電効率を向上することができる。
なお、変形抑制部材18としては、反応ガス導入部材12が変形することを抑制できればよく、例えば四角柱状や、板状の部材を折り曲げて一部を突出したような形状とした部材等を用いることができる。
なお、変形抑制部材18を反応ガス導入口14の上方に設けることにより、反応ガス導入口14から供給される第2の反応ガス(酸素含有ガス)が、燃料電池セル3の反応ガス導入口14と対向する部位に流れることとなり、効率よく燃料電池セル3の高温部(中央部側から上端部側)の温度を低下させることができる。なお、反応ガス導入口14より供給される第2の反応ガスが、マニホールド4に立設した燃料電池セルの長手方向における中央部側に効率よく供給されるように、変形抑制部材18上に第2の反応ガスの流れ方向を調整するための部材を設けることもできる。なお、このような部材としては耐熱性を有していることが好ましく、例えば断熱材により構成することができる。
図6は、変形抑制部材18を有する反応ガス導入部材12において、変形抑制部材18の内部に、セルスタック5近傍の温度を測定するための温度センサ19を配置する例を示しており、図6においては、温度センサ19を引き出した状態を示している。
変形抑制部材18が四角柱状の部材より構成されている場合には、その内部に温度センサ19を挿入して配置するための挿入孔を有することが好ましく、変形抑制部材18が板状の部材を折り曲げて一部を突出したような形状とした場合には、反応ガス導入部材12と変形抑制部材18との間に温度センサ19を配置することが好ましい。
それにより、セルスタック5近傍の温度を測定するにあたり、反応ガス導入部材12より供給される第2の反応ガスの温度による影響を減らすことができ、セルスタック5(モジュール1)の温度管理を効率よく行うことができる。
なお、セルスタック5を構成する燃料電池セル3の長手方向における温度を、複数の部位で測定する場合においては、その測定する部位に対応して変形抑制部材18を設けることができ、その場合においては、燃料電池セル3の長手方向における温度分布を確認することができる。
図7は、本発明の燃料電池装置20の一例を示す分解斜視図である。なお、図7においては一部構成を省略して示している。
図7に示す燃料電池装置20は、支柱21と外装板22から構成される外装ケース内を仕切板23により上下に区画し、その上方側を上述したモジュール1を収納するモジュール収納室24とし、下方側をモジュール1を動作させるための補機類を収納する補機収納室25として構成されている。なお、補機収納室25に収納する補機類を省略して示している。
また、仕切板23には、補機収納室25の空気をモジュール収納室24側に流すための空気流通口26が設けられており、モジュール収納室24を構成する外装板22の一部に、モジュール収納室24内の空気を排気するための排気口27が設けられている。
このような燃料電池装置20においては、上述したように、発電効率を向上することができるモジュール1をモジュール収納室24に収納して構成されることにより、発電効率の向上した燃料電池装置20とすることができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上述の説明においては、燃料電池セル2の内部にマニホールド3を介して供給する第1の反応ガスとして燃料ガスを用い、燃料電池セル2の下端部側より供給する第2の反応ガスとして酸素含有ガスを用いる例を示して説明したが、第1の反応ガスを酸素含有ガスとし、第2の反応ガスを燃料ガスとすることもできる。
この場合においても、マニホールド4より燃料電池セル3の下端部から上端部に向けて温度の低い酸素含有ガスが供給されるとともに、燃料電池セル3の上端側で余剰の酸素含有ガスと燃料ガスとを燃焼させることで、燃料電池セル2の下端部側の温度が低く上端部側の温度が高くなることから、燃料電池セル3の長手方向における温度分布が不均一となるおそれがある。それゆえ、第1の反応ガスを酸素含有ガスとし、第2の反応ガスを燃料ガスとする場合においても、セルスタック5の上下方向(燃料電池セル3の長手方向)および配列方向における温度分布を均一に近づけることができ、燃料電池セル3の特定部位の劣化が早まることを抑制できるとともに、発電効率が向上した燃料電池モジュールもしくは燃料電池装置とすることができる。
本発明の燃料電池モジュールの一例を示す外観斜視図である。 図1に示した燃料電池モジュールの断面図である。 図2に示した反応ガス導入部材を抜粋して示す外観斜視図である。 反応ガス導入部材の他の一例を示す外観斜視図である。 反応ガス導入部材に変形抑制部材を設けた例を示す外観斜視図である。 反応ガス導入部材に設けられた変形抑制部材に温度センサを設けたことを示す外観斜視図である。 本発明の燃料電池装置の一例を示す分解斜視図である。
符号の説明
1:燃料電池モジュール
2:収納容器
3:燃料電池セル
4:マニホールド
5:燃料電池セルスタック
8:セルスタック装置
12:反応ガス導入部材
13:反応ガス導入口
14:反応ガス導入口
18:変形抑制部材
19:温度センサ

Claims (5)

  1. 収納ケース内に、内部にガスを流通させるためのガス流路を有する柱状の燃料電池セルを複数個立設し電気的に直列に接続してなるセルスタックと、該セルスタックを構成する前記燃料電池セルを固定するとともに、前記燃料電池セルに第1の反応ガスを供給するマニホールドとを具備するセルスタック装置を収納してなり、前記収納ケースは、内壁と外壁とを有する二重壁構造で、前記内壁と前記外壁との間を第2の反応ガスの流路とするとともに、前記内壁には、前記燃料電池セルの配列方向における前記セルスタックの幅に対応した幅を有し、前記流路につながって前記燃料電池セルの配列方向に沿った側面側より前記燃料電池セルスタックに前記第2の反応ガスを導入するための反応ガス導入部材を備えてなる燃料電池モジュールにおいて、前記反応ガス導入部材は、前記マニホールドに立設した前記燃料電池セルの長手方向における下端部側および中央部側に前記第2の反応ガスを供給するための反応ガス導入口のそれぞれを、前記燃料電池セルの配列方向に沿って備えることを特徴とする燃料電池モジュール。
  2. 前記反応ガス導入部材は、前記マニホールドに立設した前記燃料電池セルの長手方向における中央部側に前記第2の反応ガスを導入するための反応ガス導入口を、前記燃料電池セルの配列方向に沿った中央部側にのみ備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池モジュール。
  3. 前記反応ガス導入部材は、前記マニホールドに立設した前記燃料電池セルの長手方向における中央部側に前記第2の反応ガスを導入するための反応ガス導入口の上方に、前記燃料電池セルの配列方向に沿って前記反応ガス導入部材の変形を抑制するための変形抑制部材が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池モジュール。
  4. 前記変形抑制部材の内部または前記反応ガス導入部材と前記変形抑制部材との間に、前記セルスタック近傍の温度を測定するための温度センサが配置されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池モジュール。
  5. 請求項1乃至請求項4のうちいずれかに記載の燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなることを特徴とする燃料電池装置。
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