JP2010054634A - ネガ型レジスト組成物及びパターン形成方法 - Google Patents

ネガ型レジスト組成物及びパターン形成方法 Download PDF

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JP2010054634A JP2008217354A JP2008217354A JP2010054634A JP 2010054634 A JP2010054634 A JP 2010054634A JP 2008217354 A JP2008217354 A JP 2008217354A JP 2008217354 A JP2008217354 A JP 2008217354A JP 2010054634 A JP2010054634 A JP 2010054634A
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尚之 西川
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Masahiro Yoshitome
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Abstract

【課題】良好な感度、パターン形状を示し、残渣が少なく、かつ未露光部の残膜の少ないネガ型レジスト組成物、それを用いたパターン形成方法を提供する。
【解決手段】(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)ラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物、および、(C)光ラジカル発生剤、を含有する、ネガ型レジスト組成物、およびそれを用いたパターン形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、IC等の半導体素子、液晶表示装置、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さらにはその他のフォトファブリケーションのリソグラフィ工程に用いられるレジスト組成物に関するものである。特に波長が200nm以下の遠紫外線を光源とする投影露光装置で露光するために好適なネガ型レジスト組成物及びそのレジストパターン形成方法に関する。
近年、半導体素子は益々高密度、高集積化が進んでいる。そのため、さらなる微細パターンの加工が必要とされるようになってきた。その必要性を満たすためにフォトリソグラフィーに用いられる露光装置の使用波長は益々短波化し、今では、遠紫外線の中でも短波長のエキシマレーザー光(XeCl、KrF、ArFなど)を用いることが検討されるまでになってきている。
レジスト組成物には、現像液に難溶性若しくは不溶性の樹脂を用い、放射線の露光によって露光部を現像液に対し可溶化することでパターンを形成する「ポジ型」と、現像液に可溶性の樹脂を用い、放射線の露光によって露光部を現像液に対して難溶化若しくは不溶化することでパターンを形成する「ネガ型」(例えば特許文献1〜3)とがあり、現在主に実用化されているのはポジ型レジスト組成物である。
露光源としてKrFエキシマレーザーの波長248nmの光を用いる場合には、波長248nmにおける光吸収の少ないヒドロキシスチレン系のポリマーに保護基としてアセタール基やケタール基を導入したポリマーを用いたレジスト組成物が提案されている。これらはKrFエキシマレーザーに用いる場合には適しているが、ArFエキシマレーザーに用いる場合、波長193nmにおける強い吸収のため感度が低下し解像性の劣化などの問題があり、これらのポリマーはArFエキシマレーザーに用いるには適さない。そのため波長193nmの光の吸収がより少なく、感度が良好でかつ高いドライエッチング耐性を合わせもつネガ型レジスト材料の開発が望まれており、ArFエキシマレーザーを用いた露光方法に好適で高感度かつ良好な感解像性を与えるレジスト組成物の開発が急務となっていた。
半導体素子製造工程において、微細パターンは、基板上に塗布したレジスト膜を露光、現像することで形成される。現像にはアルカリ現像液が用いるのが一般的だが、このアルカリ現像液には通常テトラメチルアンモニウムヒドロキド水溶液などが用いられる。
特開2006-317803号公報 特開2000-147769号公報 特開2002-148805号公報
半導体素子等の製造にあたってはライン、トレンチ、ホール、など種々のパターン形成の要請がある。パターンが微細化するにつれてより高い解像性が求められるが、これを達成するには高い光学コントラストを与えるマスクを用いるのが望ましい。しかしこの高い光学コントラストを与えるマスクを用いるには、ラインパターンを形成する場合にはポジ型レジスト組成物が、トレンチパターンを形成する場合にはネガ型レジスト組成物が有利になる。従って種々のパターン形成の要請に応えるためにはポジ型だけではなく、ネガ型のレジスト組成物の開発が望まれている。
ネガ型レジスト組成物は未露光部がアルカリ現像液に対して溶解し露光部がアルカリ現像液に対して不溶化する組成物である。したがってネガ型レジスト組成物はアルカリ現像液に対して良好な溶解性を持つことが望まれるが、あまりにアルカリ現像液に対して良好な溶解性を持つネガ型レジスト組成物は、レジストに要求される性能とのバランスがとれていない。この結果、より微細なパターン解像する際には、レジストへの要求性能を満たそうとすると、残渣が発生したり、露光部と未露光部のコントラストが十分につかず、解像性能やパターン形状が十分でないという問題があった。
本発明の目的は、遠紫外線光、特に波長が193nmのArFエキシマレーザを用いるミクロフォトファブリケーションの性能向上技術の課題を解決することであり、より具体的には、良好な感度、パターン形状を示し、残渣が少なく、かつ未露光部の残膜の少ないネガ型レジスト組成物を提供することにある。
本発明者らは化学増幅型レジストに置ける構成材料を鋭意検討した結果、特定の材料を用いることにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明に至った。
すなわち、上記目的は次の構成によって達成される。
<1>
(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)ラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物、および、(C)光ラジカル発生剤、を含有する、ネガ型レジスト組成物。
<2>
前記(A)アルカリ可溶性樹脂が、(a3)重合性基を有する繰り返し単位、を含むことを特徴とする、上記<1>に記載のネガ型レジスト組成物。
<3>
前記繰り返し単位(a3)中のラジカル重合性基として、下記式(RP1)で表される部分構造を有することを特徴とする、上記<2>に記載のネガ型レジスト組成物。
Figure 2010054634
式(RP1)中、
*は結合手を表す。
RP1〜RRP3はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。
RP1〜RRP3のうち2つが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
<4>
前記(B)重合性基を有する化合物が、重合性基を複数有することを特徴とする、上記<1>〜<3>のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
<5>
上記<1>〜<5>のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、該レジスト膜を露光する工程、該レジスト膜を現像する工程、とを含むレジストパターン形成方法。
本発明により、良好な感度、パターン形状を示し、残渣が少なく、かつ未露光部の残膜の少ないネガ型レジスト組成物およびそれを用いたパターン形成方法が提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明におけるネガ型レジスト組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)ラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物、および、(C)光ラジカル重合開始剤、を含有する。
本発明におけるネガ型レジスト組成物は、レジストパターン形成時の露光により、光ラジカル重合開始剤(C)から発生したラジカルの作用により、化合物(B)同士の間、場合によってはアルカリ可溶性樹脂(A)と化合物(B)との間、又はアルカリ可溶性樹脂(A)同士の間、で重合反応が起こり、露光部で3次元構造が形成される。これによりアルカリ現像液に対して不溶化し、アルカリ現像時に露光部、未露光部で高いコントラストが発現する。
このような作用によって、露光部のみが選択的にアルカリ現像液に対して不溶化することで、微細なパターン形成が可能になる。
以下に本発明のネガ型レジスト組成物の各成分について詳細に説明する。
(A)アルカリ可溶性樹脂
本発明のネガ型レジスト組成物は、アルカリ可溶性樹脂(A)を含有する。
アルカリ可溶性樹脂は、一般的に、重合する部分構造を有するモノマーをラジカル重合などにより重合することで合成され、重合する部分構造を有するモノマーに由来する繰り返し単位を有する。重合する部分構造としては例えばエチレン性重合性部分構造を挙げることができる。
アルカリ可溶性樹脂(A)に用いられる繰り返し単位として、下記一般式(ASM−1)又は(ASM−2)で表される繰り返し単位から選択される少なくとも1種類が用いられることが好ましい。
Figure 2010054634
一般式(ASM−1)中、
M11、RM12は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基を表す。複数のRM12は互いに同じでも異なっていても良い。
Xは、単結合又は2価の連結基を表す。
*で示される結合手はアルカリ可溶性樹脂の側鎖に存在する任意の基への結合手を表す。
Figure 2010054634
式(ASM−2)中、
M13は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基を表す。
Z'は、式(ASM−2)中に示されている2つの炭素原子とともに脂環式構造を形成するための原子団を表す。
Xは、単結合又は2価の連結基を表す。
*で示される結合手はアルカリ可溶性樹脂の側鎖に存在する任意の基への結合手を表す。
M11〜RM13における有機基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、カルボキシル基、又はシアノ基等が挙げられ、これらは更に置換基を有していてもよい。該有機基が更に有していてもよい置換基としては例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルアミド基等が挙げられる。
M11は好ましくは水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、ヒドロキシル基で置換されたアルキル基、アルコキシ基で置換されたアルキル基、アルキルカルボニルオキシ基で置換されたアルキル基、カルボキシル基又はハロゲン化アルキル基、である。
M12は、好ましくは、各々独立して、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、カルボキシル基又はハロゲン化アルキル基である。
M13として好ましくは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、カルボキシル基(好ましくは炭素数1〜6)、アルコキシ基等が挙げられる。これらの基は更にハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基等で置換されていてもよい。
Z'が式(ASM−2)中に示されている2つの炭素原子とともに形成する脂環式構造はハロゲン原子又は有機基により置換されていてもよい。該脂環式構造に置換していてもよい有機基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、単環式若しくは多環式シクロアルキル基(炭素数3〜20が好ましい)、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホン基、アルキルアミド基、等を挙げることができる。
Z'が式(ASM−2)中に示されている2つの炭素原子とともに形成する該脂環式構造としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
式(ASM−1)で表される繰り返し単位として好ましくは下記一般式(ASM−11)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2010054634
式(ASM−11)中、
M11、RM12は、式(ASM−1)におけるものと同義である。
*で示される結合手はアルカリ可溶性樹脂の側鎖に存在する任意の基への結合手を表す。
heは、酸素原子、硫黄原子、又は−N(Rhe)−、を表す。Rheは水素原子又はアルキル基を表す。
*で示される結合手が結合する構造は、後述するように、アルカリ現像液に対して溶解性を持つ基、脂肪族基、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する基、ラクトン含有単環又は多環式脂肪族基、等の構造であることが好ましい。
式(ASM−11)で表される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、α-ヒドロキシメチルアクリル酸、トリフルオロメチルアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、及びこれらのエステル、アミド、酸無水物、などが挙げられる。
一般式(ASM−2)で表される繰り返し単位は、下式(ASM−2a)〜(ASM−2c)のいずれかで表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 2010054634
式(ASM−2a)〜(ASM−2c)中、
M13は、上記一般式(ASM−2)におけるRM13と同義である。
M15は、有機基を表す。RM15が複数存在する場合は互いに同じでも異なっていてもよい。
mは0以上の整数を表す。0〜2が好ましく、より好ましくは0または1である。
M1は0以上の整数を表す。好ましくは0〜3である。
*で示される結合手はアルカリ可溶性樹脂の側鎖に存在する任意の基への結合手を表す。
M15の有機基としては、置換基を有していてもよい、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、単環式若しくは多環式シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホン基、アルキルアミド基、などを挙げることができる。
*で示される結合手により結合される構造は、後述するように、アルカリ現像液に対して溶解性を持つ基、脂肪族基、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する基、ラクトン含有単環又は多環式脂肪族基、等の構造であることが好ましい。
後述するアルカリ可溶性樹脂ポリマーの側鎖となる様々な構造は、前記一般式(ASM−1)及び(ASM−2)で表される部分構造に直接結合していても良いし、連結基(たとえば直鎖若しくは分岐状の脂肪族構造及び/又は単環若しくは多環式脂肪族構造)を介して前記一般式(ASM−1)又は(ASM−2)で表される部分構造に結合していてもよい。
連結基を介する例として、たとえば下記一般式(ASS−1)〜(ASS−3)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2010054634
式(ASS−1)〜(ASS−3)中、
M11、RM12、RM15は上記一般式(ASM−1)、(ASM−2)、(ASM−2a)〜(ASM−2c)中のRM11、RM12、RM15と同義である。
heは上記一般式(ASM−11)中のXheと同義である。
*で示される結合手はアルカリ可溶性樹脂の側鎖に存在する任意の基への結合手を表す。
は単結合または(n+1)価の連結基を表す。
mは0以上の整数を表す。好ましくは0または1である。
Fは1以上の整数を表す。好ましくは1である。
Sのn+1価の連結基としては、酸素原子、窒素原子、−N(R)−、−C(=O)−、−S(=O)−、または下記連結基群、およびそれらの組み合わせにより構成される2価の基から、(n−1)個の任意の水素原子を除いた(n+1)価の基があげられる。ただしXheとLSとは同時にヘテロ原子なることはなく、例えば(−Xhe−LS−)が(−O−O−)とはならない。
は水素原子又はアルキル基を表す。
連結基群としては、直鎖若しくは分岐状脂肪族構造、又は単環式若しくは多環式脂肪族構造を有する基からなることが好ましい。直鎖若しくは分岐状脂肪族構造としては、好ましくは炭素数1〜30個、さらに好ましくは1〜10個である。単環若しくは多環式脂肪族構造としては、好ましくは炭素数5〜30個、さらに好ましくは6〜25個である。
連結基群としては、例えば、下記(SP1)及び(SP2)で表される構造が挙げられる。
連結基群(SP1)
Figure 2010054634
連結基群(SP2)
Figure 2010054634
これらの構造はさらに置換基を有していてもよく、これらの脂肪族構造から任意の個数の水素原子を除いた多価の構造も同様に連結構造に含まれる。
該置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルアミド基、アルキルアミノカルボニル基、アルキルチオ基、アルキルスルホン基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルアミド基、などが挙げられる。
(a1)アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位
本発明に用いられる(A)アルカリ可溶性樹脂は、(a1)アルカリ現像液に対する溶解性を持つ基(以下アルカリ可溶性基ともいう)を含む繰り返し単位を有することが好ましい。この繰り返し単位を有することで、該アルカリ可溶性樹脂がアルカリ現像液に対する溶解性が向上する。なお、該アルカリ可溶性樹脂は、レジスト組成物を用いて膜を形成した時に該膜がアルカリ現像液に対して溶解すればよく、必ずしも該アルカリ可溶性樹脂単独でアルカリ現像液に対して溶解性を持つものでなくても良い。この場合、例えばレジスト組成物中に含まれる他成分の性質や含有量によっては該レジスト組成物を用いて形成した膜がアルカリ現像液に対して溶解する場合が多々あるからである。ただしこの場合も該(A)アルカリ可溶性樹脂は、(a1)アルカリ可溶性基を含む繰り返し単位を有することが好ましい。
アルカリ現像液に対して溶解性を持つ基(アルカリ可溶性基)としては、弗素置換アルコール構造を含む有機基、カルボン酸構造を含む有機基、スルホンアミド構造を含む有機基、フルフリルアルコール構造を含む有機基、カルバメート構造を含む有機基、互変異性アルコール構造を含む有機基、チオール構造を含む有機基、ケトンオキシム構造を含む有機基、ジカルボニルメチレン構造を含む有機基、N-ヒドロキシサクシンイミド構造を含む有機基、トリアジン骨格を持つ有機基、アミック酸構造を含む有機基、スルホン酸構造を含む有機基を含む有機基等が挙げられ、例えば下記に表される基を挙げることができる。
Figure 2010054634
Figure 2010054634
上記アルカリ可溶性基の例示において、
*は結合手を表し、樹脂構造、好ましくは*は前記一般式(ASM−1)又は(ASM−2)で表される構造における*に結合する結合手を表す。
上記アルカリ可溶性基は、前記一般式(ASM−1)及び(ASM−2)で表される部分構造に直接結合していてもよいし、前記一般式(ASS−1)〜(ASS−3)で表されるように、連結基を介して前記部分構造に結合していても良い。
上記アルカリ可溶性基の例示において、
AS1及びRAS2は各々独立して水素原子、フッ素原子又はフッ素置換されたアルキル基を表し、RAS1とRAS2の少なくとも一方はフッ素原子又はフッ素置換されたアルキル基である。RAS1とRAS2とは同一でも異なっていても良い。
このようなフッ素置換アルコール構造を含む有機基として、例えば下記に示す例示を挙げることができる。下記の例示において、*は結合手を表す。好ましくは*は前記一般式(ASM−1)又は(ASM−2)で表される構造における*に結合する結合手を表す。
Figure 2010054634
前記アルカリ可溶性基の例示において、RAS3及びRAS4は各々独立してアルキル基(直鎖若しくは分岐状)、シクロアルキル基(単環式若しくは多環式)、アリール基、アルキルカルボニル基、シクロアルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、またはシクロアルキルスルホニル基を表す。これら原子団は更にヒドロキシル基、エーテル構造やエステル構造、アミド構造、スルホン構造、スルホニル構造を含んでもよい。またRAS3及びRAS4における水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。RAS3及びRAS4はアルカリ可溶性の観点から、エーテルやエステル構造を含んでもよい直鎖若しくは分岐状のアルキル基が好ましく、また、水素原子がフッ素原子で置換された基であることがさらに好ましい。
AS3及びRAS4としては例えば、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−t−ブトキシカルボニルエチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル基、等を挙げることができる。
スルホンアミド構造(−SO2NH−)を含む有機基として、例えば下記に示す基を例示することができる。下記の例示において、*は結合手を表す。好ましくは*は前記一般式(ASM−1)又は(ASM−2)で表される構造における*に結合する結合手を表す。
Figure 2010054634
AS5、RAS6は、各々独立して水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、シクロアルキル基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6)、アルキルカルボニル基(好ましくは炭素数1〜6)、アルキルスルホン基(好ましくは炭素数1〜6)、アルキルアミド基(好ましくは炭素数1〜6)を表し、nAS6は0〜5の整数を表し、好ましくはnAS6は0〜2である。RAS6は複数ある場合は互いに異なっていてもよい。また、これらの基は更に置換されていてもよい。
AS7は水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)またはシクロアルキル基(好ましくは炭素数4〜7)を表す。また、これらの基は更に置換されていてもよい。
AS8〜RAS14は各々水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)またはシクロアルキル基(好ましくは炭素数4〜7)を表す。また、これらの基は更に置換されていてもよい。
AS15は水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数4〜7)、またはアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6)を表す。また、これらの基は更に置換されていてもよい。
AS16は水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)またはシクロアルキル基(好ましくは炭素数4〜7)を表す。また、これらの基は更に置換されていてもよい。
AS17は水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数4〜7)、またはアルキルアミノ基(好ましくは炭素数1〜6)、を表す。RAS17が複数ある場合は互いに異なっていてもよい。また、これらの基は更に置換されていてもよい。
AS17は0〜2の整数である。
AS18はアルキル基(好ましくは炭素数1〜6)またはシクロアルキル基(好ましくは炭素数4〜7)を表し、QASは単結合又はアルキレン基(炭素数1〜2が好ましい)、を表す。また、これらの基は更に置換されていてもよい。
AS19はアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノ基、又はアルキルアミド基、を表す。RAS19はが複数存在する場合、同一でも異なっていてもよい。
AS19は1〜7の整数を表し、1または2が好ましく、1がより好ましい。
RAS19は0〜7の整数を表し、0〜2の整数が好ましく、0がより好ましい。
これらアルカリ可溶性基のうち、フッ素置換アルコール構造を含む有機基、カルボン酸構造を含む有機基、スルホンアミド構造を含む有機基、スルホンイミド構造を含む有機基、ジカルボニルメチレン構造を含む有機基等が好ましい。
以下にアルカリ可溶性基を持つ繰り返し単位(a1)を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。構造式中、RXは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はヒドロキシメチル基を表す。
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
(a2)脂肪族基を有する繰り返し単位
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂成分は、(a2)脂肪族基を有する繰り返し単位を含有していてもよい。本繰り返し単位を用いることで、レジスト膜の溶解速度を調節したり、エッチング耐性を高めることができる。
脂肪族基とは、置換又は非置換の直鎖、分岐、単環式又は多環式脂肪族基を有する基を表す。但し該脂肪族基は、アルカリ現像液に対して溶解性を持つ基ではなく、炭素原子と水素原子からなる基であることが好ましく、エッチング耐性の観点などから多環式脂肪族基が好ましい。
直鎖又は分岐状脂肪族基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、などであり、単環式脂肪族基としては、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等であり、多環式アルキル基としては、ノルボルニル、イソボルニル、トリシクロデカニル、テトラシクロドデカニル、ヘキサシクロヘプタデカニル、アダマンチル、ジアマンチル、スピロデカニル、スピロウンデカニルなどが挙げられる。
また該脂肪族基は、置換されていてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホン基、シアノ基、ヒドロキシル基、等種々の置換基が挙げられる。これらの置換基は、レジスト膜のエッチング耐性や親疎水性等の性能を上げるためにふさわしいものを選択して用いることができる。
以下脂肪族基を有する繰り返し単位を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。構造式中RXは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はヒドロキシメチル基を表す。
Figure 2010054634
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂は、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する基を持つ繰り返し単位を有していても良い。これにより基板密着性、現像液親和性の向上などが期待できる。極性基で置換された脂環炭化水素構造の脂環炭化水素構造としては、単環又は多環式の構造が考えられるが、エッチング耐性の観点から多環式の構造が好ましい。
脂環炭化水素構造として具体的には、単環式構造としては、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、多環式構造としては、ノルボルニル、イソボルニル、トリシクロデカニル、テトラシクロドデカニル、ヘキサシクロヘプタデカニル、アダマンチル、ジアマンチル、スピロデカニル、スピロウンデカニルなどが挙げられる。これらのうち、アダマンチル、ジアマンチル、ノルボルニル構造が好ましい。
極性基としては、種々の極性基が挙げられるが、中でも水酸基、シアノ基が好ましい。該極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する基としては、下記一般式(KCA−1)〜(KCA−4)で表される基が好ましい。
Figure 2010054634
式(KCA−1)〜(KCA−4)中、RCA1〜RCA3は、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、RCA1〜RCA3の内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくはRCA1〜RCA3の内の1つ又は2つが水酸基で、残りが水素原子である。一般式(KCA−1)に於いて、更に好ましくは、RCA1〜RCA3の内の2つが水酸基で、残りが水素原子である。
*は結合手を表す。好ましくは*は前記一般式(ASM−1)又は(ASM−2)で表される構造における*に結合する結合手を表す。
式(KCA−1)〜(KCA−4)で表される基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明は、これらに限定されない。Rは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
Figure 2010054634
(a3)ラジカル重合性基を有する繰り返し単位
本発明に用いられる(A)アルカリ可溶性樹脂は、ラジカル重合性基を有する繰り返し単位を含んでいることが好ましい。ラジカル重合性基を有する繰り返し単位が含まれることで、樹脂(A)中の該ラジカル重合性基同士、又は該ラジカル重合性基と後述する(B)ラジカル重合性基を持つ化合物、又はラジカル重合性基を持つ化合物同士、が反応することで露光部がアルカリ現像液に対して不溶化が強まると考えられる。
該ラジカル重合性基としては、一般にラジカルによって重合反応を起こす基であればよく、好ましくはエチレン性不飽和結合を有する構造、例えば下記一般式(RP1)で表される部分構造を含む構造が挙げられる。
Figure 2010054634
式(RP1)中、
*は前記一般式(ASM−1)又は(ASM−2)で表される構造における*に結合する結合手を表す。
RP1〜RRP3はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。
RP1〜RRP3のうち2つが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
RP1として好ましくは水素原子、置換基を有しても良いアルキル基(炭素数1〜6が好ましい)、置換基を有しても良いシクロアルキル基(炭素数5〜10が好ましい)が挙げられ、中でも水素原子又はメチル基が好ましい。
RP2、RRP3として好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いシクロアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有しても良いアルキルアミノ基、等が挙げられ、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いシクロアルキル基、等がより好ましい。また、該アルキル基の炭素数は1〜6のものが、該シクロアルキル基としては炭素数5〜10のものがより好ましい。
RP1〜RRP3の各基が更に有しうる置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、等が挙げられる。
式(RP1)で表される部分構造を含むラジカル重合性基は、式(RP2)で表される構造または(RP3)で表される構造であることが好ましく、アリル基または(メタ)アクリロイル基であることがより好ましく、(メタ)アクリロイル基であることが更に好ましい。
Figure 2010054634
式(RP2)、(RP3)中、
*は前記一般式(ASM−1)又は(ASM−2)で表される構造における*に結合する結合手を表す。
RP4〜RRP11はそれぞれ独立に1価の有機基を表す。
RP4〜RRP8のうち2つが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
RP9〜RRP11のうち2つが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
RP4〜RRP8は好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、等が挙げられる。中でも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、が好ましい。
RP6としては水素原子が特に好ましい。また、RRP7とRRP8のいずれか一方は水素原子であることが特に好ましい。
RP9としては、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、または置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基が好ましい。
RP10、RRP11としては、好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、等が挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基が好ましい。
RP10とRRP11のいずれか一方は水素原子であることが特に好ましい。
RP4〜RRP11の各基が更に有しうる置換基としては、前記一般式(RP1)と同様のものが挙げられる。
ラジカル重合性基を有する繰り返し単位を含むアルカリ可溶性樹脂は例えば、そのラジカル重合性基にフリーラジカル(重合開始ラジカルまたは重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、後述する(B)ラジカル重合性基を持つ化合物との間、若しくは樹脂間で直接にまたは重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、露光部に3次元構造が形成されてアルカリ現像液に対して不溶化する。または、樹脂若しくは(B)ラジカル重合性基を持つ化合物中の原子(例えば、重合性構造に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、樹脂分子間で重合反応が進行し3次元構造が形成されてアルカリ現像液に対して不溶化する。
以下に重合性基を有する繰り返し単位を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010054634
式中Rは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、又はトリフルオロメチル基を表す。
(a4)ラクトン含有繰り返し単位
本発明に用いられる(A)アルカリ可溶性樹脂成分は、ラクトン構造を含有する基を有する繰り返し単位を含有していてもよい。
これらのラクトン含有構造は、アルカリ現像液により開環しカルボン酸を発生する。この発生したカルボン酸によってアルカリ現像液への溶解性を高める機能を持つ。このとき露光部は架橋により3次元網目構造を形成していると考えられ、未露光部に比べて現像液の浸透が小さくなる。ラクトン構造自体も開環後のカルボキシル基と比べると疎水的であり、露光部におけるアルカリ現像液との親和性性は未露光部に比べて小さくなる。以上のような作用によりラクトン構造を有することで未露光部と露光部の溶解コントラストがさらに向上したり、露光部の膨潤が抑止されたりして、解像力の向上が期待される。
ラクトン構造としては、ラクトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環のラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−16)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造を有する基が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)であり、特に好ましくは(LC1−4)である。特定のラクトン構造を用いることでラインエッジラフネス、現像欠陥が良好になる。
Figure 2010054634
ラクトン構造部分は置換基(RLC)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(RLC)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、酸分解性基である。nLCは、0〜4の整数を表す。nLCが2以上の時、複数存在するRLCは、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在するRLC同士のうちの2つ以上が結合して環を形成してもよい。
*は結合手を表す。好ましくは*は前記一般式(ASM−1)又は(ASM−2)で表される構造における*に結合する結合手を表す。
ラクトン構造を有する繰り返し単位は通常光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90以上のものが好ましく、より好ましくは95以上である。
ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Rは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はヒドロキシメチル基をあらわす。
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
・組成比、重合方法等
上記各繰り返し単位の樹脂(A)中の組成比は、用いる繰り返し単位によって異なる。
(a1)アルカリ可溶解性基を持つ繰り返し単位の組成比は樹脂(A)の全繰り返し単位中、一般的に3〜85モル%、好ましくは5〜80モル%、さらに好ましくは10〜75モル%である。
(a2)脂肪族基を持つ繰り返し単位の組成比は樹脂(A)の全繰り返し単位中、一般的に1〜60モル%、好ましくは3〜55モル%、さらに好ましくは5〜50モル%である。
(a3)ラジカル重合性基を有する繰り返し単位の組成比は樹脂(A)の全繰り返し単位中、一般的に1〜80モル%、好ましくは5〜75モル%、さらに好ましくは8〜70モル%である。
(a4)ラクトン構造を有する繰り返し単位の組成比は樹脂(A)の全繰り返し単位中、該繰り返し単位の組成比は一般的に5〜50モル%、好ましくは17〜45モル%、さらに好ましくは10〜40モル%である。
(A)アルカリ可溶性樹脂は、側鎖に単環又は多環式の脂環式構造を有することが好ましい。
脂環式構造として具体的には、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等の単環式構造、ノルボルニル、イソボルニル、トリシクロデカニル、テトラシクロドデカニル、ヘキサシクロヘプタデカニル、アダマンチル、ジアマンチル、スピロデカニル、スピロウンデカニルなどの多環式構造が挙げられる。これらのうち、アダマンチル、ジアマンチル、ノルボルニル構造が好ましい。
脂環式構造はハロゲン原子又は有機基により置換されていてもよい。該脂環式構造に置換していてもよい有機基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、単環式若しくは多環式シクロアルキル基(炭素数3〜20が好ましい)、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホン基、アルキルアミド基、等を挙げることができる
本発明のネガ型レジスト組成物をArF露光に用いる場合、樹脂がArF光源(波長193nm)において透明であることが好ましい。その観点から、樹脂は芳香環(特に単環のベンゼン環)を有さないことが好ましく、芳香環を含む繰り返し単位の含有量は樹脂を構成する全繰り返し単位に対して好ましくは15モル%以下であり、含有しないことがより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂成分(A)に用いられる樹脂は、重量平均分子量(Mw)は通常は1000〜100000、好ましくは1000〜20000、さらに好ましくは1000〜10000である。また重量平均分子量を数平均分子量で除した値(分散度Pd(=Mw/Mn))は一般的に1〜3、好ましくは1〜2.5、さらに好ましくは1〜2.0である。
本発明に用いるアルカリ可溶性樹脂は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明のレジスト組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は一般的に5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。また重合開始剤に加えて連鎖移動剤を添加して重合反応を行ってもよい。重合反応の濃度は一般的に5〜50質量%であり、好ましくは30〜50質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
反応終了後、室温まで放冷し、精製する。精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。たとえば、上記樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒(貧溶媒)を、該反応溶液の10倍以下の体積量、好ましくは10〜5倍の体積量で、接触させることにより樹脂を固体として析出させる。
ポリマー溶液からの沈殿又は再沈殿操作の際に用いる溶媒(沈殿又は再沈殿溶媒)としては、該ポリマーの貧溶媒であればよく、ポリマーの種類に応じて、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶媒等の中から適宜選択して使用できる。これらの中でも、沈殿又は再沈殿溶媒として、少なくとも炭化水素、エーテル、エステル、アルコール、または水を含む溶媒が好ましい。
沈殿又は再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、ポリマー溶液100質量部に対して、一般的に100〜10000質量部、好ましくは200〜2000質量部、さらに好ましくは300〜1000質量部である。
沈殿又は再沈殿したポリマーは、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧又は減圧下(好ましくは減圧下)、一般的に30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
尚、一度樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、該ポリマーが難溶あるいは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、該樹脂溶液Aに、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
アルカリ可溶性樹脂(A)の別なる製造方法として、上記で述べた一般的な方法により前駆体となるポリマーを合成した後に適切な修飾を施す方法が挙げられる。
以下に、本発明で用いられる側鎖に(3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)オキシカルボニル基を有する樹脂の合成を例に説明する。
モノマー成分としてカルボン酸誘導体(例えば、メタクリル酸、アクリル酸等)を用いて側鎖にカルボキシル基を有する前駆体となるポリマーを合成する。ここで、反応条件等は前記の製造方法に準じることができる。
その後、アリルグリシジルエーテルを反応液に添加し、追反応により前駆体ポリマーを修飾し、側鎖に(3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)オキシカルボニル基を有する樹脂に変換する。このとき反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。反応時間は、通常30分〜1日であり、好ましくは1時間〜12時間である。この後の処理、精製は前記の製造方法に準じることができる。
次に、別なる前駆体となるポリマーを合成した後に適切な修飾を施す方法に関し、本発明で用いられる側鎖に2−(メタクロイルオキシ)エチルオキシカルボニル基を有する樹脂の合成を例に説明する。
モノマー成分として、メタクリル酸2−(1−ブロモ−1,1,−ジメチルメチル)カルボニルオキシエチルを用いて側鎖に2−(1−ブロモ−1,1,−ジメチルメチル)カルボニルオキシエチルオキシカルボキシル基を有する前駆体となるポリマーを合成する。ここで、反応条件等は前記の樹脂(A)の製造方法に準じることができる。
その後、塩基添加により脱ブロモ化反応を施し、側鎖に2−(メタクロイルオキシ)エチルオキシカルボニル基を有する樹脂に変換する。用いる塩基としては、有機塩基が好ましく、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等が好ましい例として挙げられる。必要に応じて、2,2,6,6、−テトラメチルピペリジン 1−オキシフリーラジカル等を添加しても良い。このとき反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。反応時間は、通常30分〜1日であり、好ましくは1時間〜12時間である。その後、必要に応じて酸添加を施してもよい。酸としては有機、無機の酸を採用することができ、メタンスルホン酸等のスルホン酸類が好ましい例として挙げられる。この後の処理、精製は前記の製造方法に準じることができる。
(A)アルカリ可溶性樹脂成分のネガ型レジスト組成物中の含量は、ネガ型レジスト組成物の全固形分を基準として、5〜95質量%が好ましく、より好ましくは10〜95質量%、更に好ましくは15〜95質量%である。
(B)ラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物
本発明のネガ型レジスト組成物は、ラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物(B)を含有する。化合物(B)は、後述する(C)光ラジカル重合開始剤から発生したラジカルによって重合反応を起こし、該化合物(B)同士、又は該化合物(B)とアルカリ可溶性樹脂(A)との間で重合反応が起こり、露光部がアルカリ現像液に対して不溶化するものと考えられる。
ラジカル重合性基を有する化合物を用いた従来のネガ型レジスト組成物では、未露光膜のアルカリ溶解性が低下し、現像時のパターンの未露光部の抜け性が悪くなりパターン形状や解像性が悪化したり、残渣を生じたりする問題があった。その原因として、ラジカル重合性基、即ちラジカルによってラジカル重合反応を起こす基が、アルカリ現像液に対する溶解性の観点では親水性が充分ではなく、そのため、レジスト組成物中に、ラジカル重合性基密度の高い化合物を含有させると上記問題が生じることを見出した。
しかし、ラジカル重合性基を持つ化合物の重合性基密度を下げるなど中心骨格を柔軟化したり親水化したりすると未露光部の溶解性は向上するが、これらの化合物を用いた場合、露光部の硬化性が低下して、パターン形状や解像性が悪化する。よって、未露光部の良好な溶解性と露光部の高硬化性を高コントラストで両立しかつ残渣を生じないという問題の解決は困難だった。またパターンサイズが微細になるほどこれらの問題は大きくなっていた。
本発明においては、ラジカル重合性基を持つ化合物中にアルカリ可溶性基が存在することによって、該化合物自体のアルカリ現像液に対する溶解性が向上する。これによりラジカル重合性基密度の高い化合物であっても未露光部の溶解性が良好となり、更には露光部の高硬化性も期待される。
ラジカル重合性基としては、一般にラジカルによってラジカル重合反応を起こす構造が含まれていればよい。ラジカル重合反応を起こす構造の好ましい例として、エチレン性不飽和結合、例えば下記一般式(RM1)で表される部分構造を含む構造が挙げられる。
Figure 2010054634
式(RM1)中、
*は後述する式(RM4)における連結基QRMに結合する結合手を表す。
RM1〜RRM3はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。
RM1〜RRM3の少なくとも2つが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
RM1として好ましくは水素原子又は置換基を有しても良いアルキル基が挙げられ、中でも水素原子又はメチル基が好ましい。
RM2、RRM3として好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有しても良いアルキルアミノ基、等が挙げられ、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有しても良いアルキル基、等が好ましい。
RM1〜RRM3の各基が更に有しうる置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、等が挙げられる。
式(RM1)で表される部分構造を含むラジカル重合性基はは、式(RM2)または(RM3)で表されるアリル基を有する構造または(メタ)アクリロイル基を有する構造であることが好ましく、(メタ)アクリロイル基を有する構造であることがより好ましい。
Figure 2010054634
式(RM2)、(RM3)中、
*は後述する式(RM4)における連結基QRMに結合する結合手を表す。
RM4〜RRM11はそれぞれ独立に1価の有機基を表す。
RM4〜RRM8の少なくとも2つは互いに結合して環構造を形成していてもよい。
RM9〜RRM11の少なくとも2つは互いに結合して環構造を形成していてもよい。
RM4〜RRM8は好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、等が挙げられる。中でも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、が好ましい。
RM6としては水素原子が特に好ましい。また、RRP7とRRP8のいずれか一方は水素原子であることが特に好ましい。
RM9としては、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、または置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基が好ましい。
RM10、RRM11としては、好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、等が挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基が好ましい。
RM10とRRM11のいずれか一方は水素原子であることが特に好ましい。
RM4〜RRM11の各基が更に有しうる置換基としては、前記一般式(RM1)と同様のものが挙げられる。
アルカリ可溶性基の好ましい例として、弗素置換アルコール構造を含む有機基、カルボン酸構造を含む有機基、スルホンアミド構造を含む有機基、フルフリルアルコール構造を含む有機基、カルバメート構造を含む有機基、互変異性アルコール構造を含む有機基、チオール構造を含む有機基、ケトンオキシム構造を含む有機基、ジカルボニルメチレン構造を含む有機基、N-ヒドロキシサクシンイミド構造を含む有機基、トリアジン骨格を持つ有機基、アミック酸構造を含む有機基、スルホン酸構造を含む有機基、ナフトール構造を含む有機基を含む有機基等が挙げられる。
これらアルカリ可溶性基のうち、フッ素置換アルコール構造を含む有機基、カルボン酸構造を含む有機基、スルホンアミド構造を含む有機基、スルホンイミド構造を含む有機基、ジカルボニルメチレン構造を含む有機基、ナフトール構造を含む有機基、等が好ましい。
これら構造は具体的には、(A)成分の樹脂における繰り返し単位(a1)で例示したアルカリ可溶性基と同様のものが挙げられる(但し、*の定義については、「*は後述する式(RM4)における連結基QRMに結合する結合手を表す」と読みかえる)。
前記一般式(RM1)で表されるラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物としては、下記一般式(RM4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2010054634
式(RM4)中、
RMは前記一般式(RM1)〜(RM3)のいずれかで表される構造を表す。
RMは前記アルカリ可溶性基を表す。
RMは1以上の整数を表し、好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8である。
RMは1以上の整数を表し、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1または2である。
RMは単結合若しくは(nRM+mRM)価の有機基を表す。QRMが単結合の場合、nRM、mRMはともに1である。
RM、QRM、ARMのうち2つ以上が互いに結合して環構造を形成していてもよい。
RMが2以上の時、RRMのうち2つが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
RMが2以上の時、ARMのうち2つが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
RMが(nRM+mRM)価の有機基の場合、QRMとしては、例えば以下のような基が挙げられる。
・鎖状若しくは環状の飽和炭化水素構造(炭素数2〜20が好ましい)、芳香環構造(炭素数6〜30が好ましい)、もしくはこれらを組み合わせた構造を含有する基。
・鎖状若しくは環状の飽和炭化水素構造(炭素数2〜20が好ましい)、芳香環構造(炭素数6〜30が好ましい)もしくはこれらを組み合わせた構造と、エーテル、エステル、アミド、スルホン酸エステル、スルホン酸アミド、ウレタンもしくはウレアなどの構造と、を含有する基。
即ち、QRMとしての(nRM+mRM)価の基は、上記飽和炭化水素構造などを含む2価の基から、((nRM+mRM)−2)個の任意の水素原子を除いた基であり、QRMとしての(nRM+mRM)価の基が1価の有機基の場合は、上記飽和炭化水素構造などを含む2価の基に1個の水素原子が結合して1価となった基である。
RMとしてはArFレーザー(波長193nm)に対して吸収を持たない有機基であることが好ましく、鎖状若しくは環状の飽和炭化水素構造、または、鎖状若しくは環状の飽和炭化水素構造とエーテル、エステルもしくはアミドを含有する基、が好ましい。エッチング耐性やパターン寸法制御の観点からは環状の飽和炭化水素構造が、高コントラストの観点からは鎖状の飽和炭化水素構造が好ましい。またQRMが鎖状アルキレン構造と環状飽和炭化水素構造の両方を有する基やこれらの構造がエーテル、エステル、またはアミドで結合した有機基であってもよい。この場合、上記性能のバランスをとることができ好ましい態様である。
鎖状の飽和炭化水素構造として、たとえば、メチレン、エチレン、プロピレン、i−プロピレン、ブチレン、s−ブチレン、t−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、デシレンなどが挙げられ、これらの構造は、エーテル、エステル、またはアミドで結合していてもよい。
環状の飽和炭化水素構造として、たとえば、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロオクチレン等の単環アルキレン、ノルボルニレン、イソボルニレン、トリシクロデカニレン、テトラシクロドデカニレン、アダマンチレン等の多環アルキレンが挙げられ、これらの構造は、エーテル、エステル、またはアミドで結合していてもよい。
RMが芳香環構造を有する場合は、ArFレーザー(波長193nm)に対して吸収の小さい縮環芳香族構造を含有する基、または、縮環芳香族構造とエーテル、エステル、もしくはアミドを含有する基が好ましい。このような基として、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ナフタセン、ピレン、ペリレンなどが挙げられる。また、QRMは縮環芳香族構造と鎖状若しくは環状のアルキレン構造の両方を有する基やこれらの構造がエーテル、エステル、アミドで結合した有機基であってもよい。
以下にラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010054634
該ラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物は一種を単独で用いても良いし、複数を併用してもよい。
該ラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物は分子内にラジカル重合性基を一つ有していても複数有していても重合機能を有するが、感度や解像性の観点から重合性基を複数有していたほうが好ましく、その数(nRM)は好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8であり、3個以上有することがより好ましい。
該ラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物中にラジカル重合性基を複数有することで、露光部がより複雑にからまった3次元構造をとり、高感度かつアルカリ現像液に対する高い溶解コントラストを発現するとともに、膨潤も抑止され、高解像性が達成されると考えられる。
また、ラジカル重合性基を複数有する化合物の場合、1分子の中に含まれるラジカル重合性基は同一のものであっても異なるものであってもよい。同一のラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物複数を混合して用いてもよい。
異なる官能数、異なるラジカル重合性基を併用することで、感度とその他の性能のバランスをとることも可能である。
該ラジカル合性基とアルカリ可溶性基とを持つ化合物は分子内にアルカリ可溶性基を一つ有していても複数有していてもよいが、その数は(mRM)好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2である。アルカリ溶性基を複数有する化合物の場合、1分子の中に含まれるアルカリ可溶性基は同一のものであっても異なるものであってもよい。また同一のアルカリ可溶性基を有する化合物複数を混合して用いてもよい。異なる官能数、異なるアルカリ可溶性基を併用することで、未露光部の溶解性と露光部の硬化性などのバランスをとることも可能である。
本発明のネガ型レジスト組成物をArF露光に用いる場合、ラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物化合物(B)もArF光源(波長193nm)において透明であることが好ましく、化合物(B)は芳香環(特に単環のベンゼン環)を有さないことが好ましい。
ラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物(B)は、例えば、二重結合を複数有する低分子化合物に対して、H−X−Y(左式中、Xは、S原子またはN−R基を表し、Rは、水素原子または1価の有機基を表す。Yは、酸基を有する1価の有機基を表す)を触媒の存在下で加熱して反応させることにより得ることができる。また、市販の架橋剤を採用してもよい。
ラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物(B)は、分子量150〜2000であることが好ましく、250〜1500であることがより好ましい。
ラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物(B)の含有量は、レジスト組成物の固形分に対して、一般的に0.5〜90質量%、好ましくは1〜85質量%、さらに好ましくは2〜80質量%である。
(C)光ラジカル重合開始剤
本発明のネガ型レジスト組成物が含有する光ラジカル重合開始剤は、活性光線又は放射線の照射により重合反応を開始する化合物である。
光ラジカル重合開始剤は光により分解し、前記(B)ラジカル重合性基を持つ化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長150〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。光ラジカル重合開始剤は、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。これらの光ラジカル重合開始剤は単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc
Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号、M.P.Hutt“Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」筆に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
s−トリアジン化合物として、より好適には、すくなくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体が挙げられる。より具体的には例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
オキシジアゾール化合物としては、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾールなどが挙げられる。
カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドトキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチルー(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
ケタール化合物としては、ベンジルメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルエチルアセタールなどを挙げることができる。
ベンゾイン化合物としてはmベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベンゾエートなどを挙げることができる。
アクリジン化合物としては、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタンなどを挙げることができる。
有機過酸化化合物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を挙げることができる。
クマリン化合物としては、例えば、3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を挙げることができる。
アジド化合物としては、米国特許第2848328号明細書、米国特許第2852379号明細書ならびに米国特許第2940853号明細書に記載の有機アジド化合物、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−エチルシクロヘキサノン(BAC−E)等が挙げられる。
メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
ビイミダゾール系化合物としては、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール化合物(ロフィンダイマー系化合物)等が好ましい。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公昭45−37377号公報、特公昭44−86516号公報記載のロフィンダイマー類、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特開2000−131837、、特開2002−107916、特許第2764769号、特願2000−310808号、等の各公報、及び、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体或いは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報、特願2001−132318号明細書等記載される化合物等が挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979 )1653−1660)、J.C.S. Perkin II (1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報記載の化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号、米国特許第339,049号、同第410,201号の各明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号の各公報に記載のヨードニウム塩などが挙げられる。
本発明に好適に用いることのできるヨードニウム塩は、ジアリールヨードニウム塩であり、安定性の観点から、アルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基等の電子供与性基で2つ以上置換されていることが好ましい。また、その他の好ましいスルホニウム塩の形態として、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有するヨードニウム塩などが好ましい。
本発明に好適に用いることのできるスルホニウム塩としては、欧州特許第370,693号、同390,214号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩が挙げられ、安定性の感度点から好ましくは電子吸引性基で置換されていることが好ましい。電子吸引性基としては、ハメット値が0より大きいことが好ましい。好ましい電子吸引性基としては、ハロゲン原子、カルボン酸などが挙げられる。
また、オニウム塩化合物としては、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello
et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
アシルホスフィン(オキシド)化合物としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
本発明に用いられる光ラジカル重合開始剤としては、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。さらに好ましくは、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物であり、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が特に好ましい。
一方で、前記光ラジカル重合開始剤をレジスト組成物に使用する場合、微細なパターンを良好な形状で形成するために、硬化性とともに微細な未露光部が残渣なく現像されることが必要である。また、露光時に光ラジカル重合開始剤の分解により生じるアウトガスが露光機を損傷する恐れがあり、露光機を損傷する恐れのあるアウトガスを発生しない光ラジカル重合開始剤が好ましい。これらの点を考慮すると、レジスト組成物に用いる光ラジカル重合開始剤としては、α−アミノケトン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物が好ましく、特に好ましいのは、オキシム系化合物、オニウム系化合物(スルホニウム塩化合物、又はヨードニウム化合物が好ましい)である。
本発明に用いられる光ラジカル重合開始剤は下記一般式(IO−1)で表されるオキシム系化合物又は下記一般式(IS−1)で表されるスルホニウム塩系化合物であることが好ましい。
Figure 2010054634
式(IO−1)中、RO1〜RO3は各々独立に水素原子、シアノ基または有機基を表し、RO2とRO3の少なくとも一方は芳香族基を有する有機基であることが好ましい。
O1は有機基であることが好ましく、より好ましくは、カルボニル基又はスルホニル基を持ち、式(IO−1)で表される化合物がカルボン酸エステル又はスルホン酸エステルとなる基である。RO1の好ましい態様としては、アルキルカルボニル基、シクロアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、が挙げられ、これらはその構造中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子、などのヘテロ原子を含んでいてもよく、また置換基を有していてもよい。
O1のアルキルカルボニル基が含むアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐状のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜10である。RO1のシクロアルキルカルボニル基が含むシクロアルキル基としては炭素数3〜30の単環若しくは多環式アルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数5〜12である。RO1のアリールカルボニル基が含むアリール基としては、炭素数6〜30の芳香族環構造であることが好ましい。また環構造中にヘテロ原子を含んでもよい。
置換基としては、ハロゲン原子、(シクロ)アルキル基、(シクロ)アルコキシ基、(シクロ)アルコキシカルボニル基、(シクロ)アルキルカルボニルオキシ基、(シクロ)アルキルアミノ基、(シクロ)アルキルアミド基、(シクロ)アルキルチオ基、(シクロ)アルキルスルホニル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、などが挙げられる。
O2及びRO3の少なくとも一方は有機基であることが好ましく、少なくとも一方は芳香族基を有する有機基であることが好ましい。該有機基は置換基を有していてもよい。
有機基としては(シクロ)アルキル基、(シクロ)アルコキシ基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、(シクロ)アルキルカルボニル基、(シクロ)アルキルカルボニルオキシ基、(シクロ)アルコキシカルボニル基、(シクロ)アルキルチオ基、などが挙げられる。
置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アルキルアミド基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、シクロアルコキシカルボニル基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルアミノ基、シクロアルキルアミド基、シクロアルキルチオ基、シクロアルキルスルホニル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、などが挙げられる。
また、RO2及びRO3の少なくとも1つがシアノ基であることも好ましい態様の1つである。
式(IS−1)中、RS1〜RS3は各々独立に有機基を表し、AS−はアニオンを表す。
S1〜RS3の炭素数は一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。またRS1〜RS3のうち2つが結合して環構造を形成していてもよく、環構造内に酸素原子、硫黄原子、窒素原子、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、カルボニル構造を含んでいてもよい。RS1〜RS3のうちの2つが結合して形成する基としては、アルキレン(例えばブチレン、ペンチレン、ヘキシレン)基を挙げることができる。RS1〜RS3としては例えば後述する化合物(IS−2)〜(IS−4)における対応する基を挙げることができる。
また、本発明に用いられる光ラジカル重合開始剤は式(IS−1)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。すなわち例えばRS1〜RS3のすくなくとも1つが式(IS−1)で表されるもう一つの構造と結合した化合物であってもよい。
式(IS−1)で表される化合物の好ましい態様として、RS1〜RS3の少なくとも1つがアリール基であるアリールスルホニウム化合物(IS−2)を挙げることができる。該アリールスルホニウム化合物(IS−2)は、RS1〜RS3全てがアリール基でも、一部がアリール基で残りがアルキル基若しくはシクロアルキル基でもよい。アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。アリールスルホニウム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。RS1〜RS3のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのRS1〜RS3のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、RS1〜RS3がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
式(IS−1)で表される化合物の別の好ましい態様として、RS1〜RS3が各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す化合物(IS−3)を挙げることができる。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。RS1〜RS3としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
S1〜RS3は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖又は分岐2−オキソアルキル基である。RS1〜RS3のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、2−オキソシクロアルキル基を挙げることができる。2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。RS1〜RS3は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
式(IS−1)で表される化合物の別の好ましい態様として、下記一般式(IS−4)で表されるフェナシルスルホニウム塩構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 2010054634
式(IS−4)中、RS4〜RS8は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。RS9及びRS10は各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。RSX及びRSYは各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
S4〜RS8中のいずれか2つ以上、RS9とRS10、及びRSXとRSYは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。RS4〜RS8中のいずれか2つ以上、RS9とRS10、及びRSXとRSYが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。AS−は、後述する式(IS−1)と同様のアニオンを表す。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができ、シクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
S4〜RS10としてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。好ましくは、RS4〜RS8の内のいずれかが直鎖又は分岐アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐もしくは環状アルコキシ基であり、更に好ましくは、RS4〜RS8の炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
SX及びRSYとしてのアルキル基及びシクロアルキル基は、RS4〜RS8おけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができ、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。2−オキソアルキル基及び2−オキソシクロアルキル基は、RS4〜RS10としてのアルキル基及びシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、RS4〜RS8おけると同様のアルコキシ基を挙げることができる。
SX及びRSYは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基又はシクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基又はシクロアルキル基である。
式(IS−1)中、As−はアニオンを表し、pKaが7以下のブレンステッド酸を発生するアニオンが好ましい。さらに非求核性のアニオンであることが好ましく、このようなアニオンとしては例えば無機アニオンとして、BF 、Cl、ClO 、AsF 、PF 、FeCl 、ZBiCl 、SnCl 、AlF 、GaCl 、InF 、TiF 、ZrF 、SbF などが挙げられ、有機アニオンとして、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンなどを挙げることができる。非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これによりレジスト組成物の経時安定性が向上する。該スルホニウム塩系化合物を本発明に使用する場合には、有機アニオンであることが好ましい。
スルホン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。
カルボン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができる。
芳香族スルホン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数2〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位としては、脂肪族スルホン酸アニオンにおけるものと同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができる。
芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、芳香族スルホン酸アニオンにおけると同様のアリール基を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、置換基を有していてもよい。脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の置換基としては、例えば、芳香族スルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
非求核性アニオンとしては、スルホン酸のα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくは炭素数4〜8のパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
以下に光ラジカル重合開始剤として好ましいものを例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
本発明のレジスト組成物に含有される光ラジカル重合開始剤は、レジスト組成物の全固形分量に対して一般的に0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%、さらに好ましくは1〜20質量%である。
光ラジカル重合開始剤は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
(D)塩基性化合物
本発明のネガ型レジスト組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、好ましくは、下記式(A)〜(E)で示される構造を有する化合物を挙げることができる。
Figure 2010054634
一般式(A)〜(E)中、
200 、R201及びR202 は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(炭素数6〜20)を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、または炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
203 、R204、R205及びR206は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
これら一般式(A)または(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
好ましい化合物として、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、ピペリジン等を挙げることができ、更に好ましい化合物として、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。
イミダゾール構造を有する化合物としてはイミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等が挙げられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカー7−エン等が挙げられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としてはトリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシド等が挙げられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタンー1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等が挙げられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
更に、フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物及びスルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物から選ばれる少なくとも1種類の含窒素化合物を挙げることができる。
アミン化合物は、1級、2級、3級のアミン化合物を使用することができ、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアミン化合物が好ましい。アミン化合物は、3級アミン化合物であることがより好ましい。アミン化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)が窒素原子に結合していれば、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜12)が窒素原子に結合していてもよい。
また、アミン化合物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CHCHO−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH)CHO−もしくは−CHCHCHO−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
アンモニウム塩化合物は、1級、2級、3級、4級のアンモニウム塩化合物を使用することができ、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアンモニウム塩化合物が好ましい。アンモニウム塩化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)が窒素原子に結合していれば、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜12)が窒素原子に結合していてもよい。
アンモニウム塩化合物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CHCHO−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH)CHO−もしくは−CHCHCHO−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
アンモニウム塩化合物のアニオンとしては、ハロゲン原子、スルホネート、ボレート、フォスフェート等が挙げられるが、中でもハロゲン原子、スルホネートが好ましい。ハロゲン原子としてはクロライド、ブロマイド、アイオダイドが特に好ましく、スルホネートとしては、炭素数1〜20の有機スルホネートが特に好ましい。有機スルホネートとしては、炭素数1〜20のアルキルスルホネート、アリールスルホネートが挙げられる。アルキルスルホネートのアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては例えばフッ素、塩素、臭素、アルコキシ基、アシル基、アリール基等が挙げられる。アルキルスルホネートとして、具体的にはメタンスルホネート、エタンスルホネート、ブタンスルホネート、ヘキサンスルホネート、オクタンスルホネート、ベンジルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。アリールスルホネートのアリール基としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が挙げられる。ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環は置換基を有していてもよく、置換基としては炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。直鎖若しくは分岐アルキル基、シクロアルキル基として、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル等が挙げられる。他の置換基としては炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アシル基、アシルオキシ基等が挙げられる。
フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物とは、アミン化合物又はアンモニウム塩化合物のアルキル基の窒素原子と反対側の末端にフェノキシ基を有するものである。フェノキシ基は、置換基を有していてもよい。フェノキシ基の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシルオキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。置換基の置換位は、2〜6位のいずれであってもよい。置換基の数は、1〜5の範囲で何れであってもよい。
フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン基を有することが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CHCHO−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH)CHO−もしくは−CHCHCHO−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
スルホン酸エステル基を有するアミン化合物、スルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物に於ける、スルホン酸エステル基としては、アルキルスルホン酸エステル、シクロアルキル基スルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステルのいずれであっても良く、アルキルスルホン酸エステルの場合にアルキル基は炭素数1〜20、シクロアルキルスルホン酸エステルの場合にシクロアルキル基は炭素数3〜20、アリールスルホン酸エステルの場合にアリール基は炭素数6〜12が好ましい。アルキルスルホン酸エステル、シクロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステルは置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基が好ましい。
スルホン酸エステル基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン基を有することが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CHCHO−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH)CHO−もしくは−CHCHCHO−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
フェノキシ基を有するアミン化合物は、フェノキシ基を有する1または2級アミンとハロアルキルエーテルを加熱して反応させた後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル、クロロホルム等の有機溶剤で抽出することにより得ることができる。または、1または2級アミンと末端にフェノキシ基を有するハロアルキルエーテルを加熱して反応させた後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル、クロロホルム等の有機溶剤で抽出することにより得ることができる。
これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上で用いられる。
塩基性化合物の使用量は、ネガ型レジスト組成物の全固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
光ラジカル重合開始剤と塩基性化合物の組成物中の使用割合は、光ラジカル重合開始剤/塩基性化合物(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。光ラジカル重合開始剤/塩基性化合物(モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
(E)疎水性ポリマー
活性光線又は放射線の照射時にレジスト膜と露光装置のレンズとの間に空気よりも屈折率の高い液体(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが好ましくは純水である。
液浸露光する際に使用する液浸媒体(液浸液)について、以下に説明する。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
また、さらに屈折率が向上できるという点で屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でもよい。
液浸液として水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させるために、ウェハ上のレジスト膜を溶解させず、且つレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できる添加剤(液体)を僅かな割合で添加しても良い。その添加剤としては水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。一方で、波長193nmの光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト膜上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
液浸液の電気抵抗は、18.3MQcm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)は20ppb以下であることが望ましく、脱気処理をしていることが望ましい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(D2O)を用いてもよい。
本発明のネガ型レジスト組成物からなるレジスト膜を、液浸媒体を介して露光する場合には、レジスト組成物に必要に応じてさらに疎水性樹脂(HR)を添加することができる。これにより、レジスト膜表層に疎水性樹脂(HR)が偏在化し、液浸媒体が水の場合、レジスト膜とした際の水に対するレジスト膜表面の後退接触角を向上させ、液浸水追随性を向上させることができる。疎水性樹脂(HR)としては、添加することにより表面の後退接触角が添加することにより向上する樹脂であれば何でもよいが、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する樹脂であることが好ましい。液浸液に対する(より具体的には23℃、1気圧における水に対する)レジスト膜の後退接触角は60°〜90°が好ましく、更に好ましくは70°以上である。添加量は、レジスト膜の後退接触角が前記範囲になるよう適宜調整して使用できるが、ネガ型レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。疎水性樹脂(HR)は前述のように界面に遍在するものであるが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
疎水性樹脂(HR)に於けるフッ素原子又は珪素原子は、樹脂の主鎖中に有していても、側鎖に置換していてもよい。
疎水性樹脂(HR)は、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、または、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環または多環のシクロアルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、または、フッ素原子を有するアリール基として、好ましくは、下記一般式(F2)〜(F4)で表される基を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2010054634
一般式(F2)〜(F4)中、
57〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R57〜R61、R62〜R64およびR65〜R68の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。R57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることがさらに好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(F2)で表される基の具体例としては、例えば、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。
一般式(F3)で表される基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基などが挙げられる。ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基が好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)で表される基の具体例としては、例えば、−C(CF32OH、−C(C252OH、−C(CF3)(CH3)OH、−CH(CF3)OH等が挙げられ、−C(CF32OHが好ましい。
以下、フッ素原子を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。
2は、−F又は−CF3を表す。
Figure 2010054634
疎水性樹脂(HR)は、珪素原子を有する部分構造として、アルキルシリル構造(好ましくはトリアルキルシリル基)、または環状シロキサン構造を有する樹脂であることが好ましい。
アルキルシリル構造、または環状シロキサン構造としては、具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
Figure 2010054634
一般式(CS−1)〜(CS−3)に於いて、
12〜R26は、各々独立に、直鎖もしくは分岐アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)またはシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)を表す。
3〜L5は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、フェニル基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、またはウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを挙げられる。
nは1〜5の整数を表す。
以下、珪素原子を有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。
Figure 2010054634
更に、疎水性樹脂(HR)は、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を少なくとも1つを有していてもよい。
(x)アルカリ可溶性基、
(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基、
(z)酸の作用により分解する基。
(x)アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基を有する基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、ビス(カルボニル)メチレン基が挙げられる。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、さらにはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましい。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜50mol%が好ましく、より好ましくは3〜35mol%、更に好ましくは5〜20mol%である。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2010054634
(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基としては、例えば、ラクトン構造を有する基、酸無水物、酸イミド基などが挙げられ、好ましくはラクトン基である。
アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルによる繰り返し単位のように、樹脂の主鎖にアルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)が結合している繰り返し単位、あるいはアルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましい。
アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜40mol%が好ましく、より好ましくは3〜30mol%、更に好ましくは5〜15mol%である。
アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位の具体例としては、(A)成分の樹脂で挙げたラクトン構造を有する繰り返し単位と同様のものを挙げることができる。
疎水性樹脂(HR)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、通常ポジ型レジスト組成物の酸分解性樹脂に使用される酸分解性基を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
酸分解性基とは、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基である。
アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基を有する基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、カルボン酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホン酸基が挙げられる。
酸分解性基として好ましい基は、これらのアルカリ可溶性基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
疎水性樹脂(HR)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜80mol%が好ましく、より好ましくは10〜80mol%、更に好ましくは20〜60mol%である。
疎水性樹脂(HR)は、更に、下記一般式(III)で表される繰り返し単位を有していてもよい。
Figure 2010054634
一般式(III)に於いて、
4は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基を有する基を表す。
6は、単結合又は2価の連結基を表す。
一般式(III)に於ける、R4のアルキル基は、炭素数3〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3〜20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3〜20のシクロアルケニル基が好ましい。
6の2価の連結基は、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、オキシ基が好ましい。
疎水性樹脂(HR)がフッ素原子を有する場合、フッ素原子の含有量は、疎水性樹脂(HR)の分子量に対し、5〜80質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。また、フッ素原子を含む繰り返し単位が、疎水性樹脂(HR)中10〜100質量%であることが好ましく、30〜100質量%であることがより好ましい。
疎水性樹脂(HR)が珪素原子を有する場合、珪素原子の含有量は、疎水性樹脂(HR)の分子量に対し、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(HR)中10〜100質量%であることが好ましく、20〜100質量%であることがより好ましい。
疎水性樹脂(HR)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000で、より好ましくは1,000〜50,000、更により好ましくは2,000〜15,000である。
疎水性樹脂(HR)は、(B)成分の樹脂同様、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が0〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜5質量%、0〜1質量%が更により好ましい。それにより、液中異物や感度等の経時変化のないレジスト組成物が得られる。また、解像度、レジスト形状、レジストパターンの側壁、ラフネスなどの点から、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2の範囲である。
疎水性樹脂(HR)は、各種市販品を利用することもできるし、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明のネガ型レジスト組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。反応の濃度は一般的に5〜50質量%であり、好ましくは30〜50質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
反応終了後、室温まで放冷し、精製する。精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。たとえば、上記樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒(貧溶媒)を、該反応溶液の10倍以下の体積量、好ましくは10〜5倍の体積量で、接触させることにより樹脂を固体として析出させる。
ポリマー溶液からの沈殿又は再沈殿操作の際に用いる溶媒(沈殿又は再沈殿溶媒)としては、該ポリマーの貧溶媒であればよく、ポリマーの種類に応じて、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶媒等の中から適宜選択して使用できる。これらの中でも、沈殿又は再沈殿溶媒として、少なくともアルコール(特に、メタノールなど)または水を含む溶媒が好ましい。
沈殿又は再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、ポリマー溶液100質量部に対して、一般的に100〜10000質量部、好ましくは200〜2000質量部、さらに好ましくは300〜1000質量部である。
沈殿又は再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿又は再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ式、連続式等の公知の方法により行うことができる。
沈殿又は再沈殿したポリマーは、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧又は減圧下(好ましくは減圧下)、一般的に30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
尚、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、該ポリマーが難溶あるいは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、該樹脂溶液Aに、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
以下に疎水性樹脂(HR)の具体例を示す。また、下記表1に、各樹脂における繰り返し単位のモル比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量、分散度を示す。
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
Figure 2010054634
本発明のネガ型レジスト組成物によるレジスト膜と液浸液との間には、レジスト膜を直接、液浸液に接触させないために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、レジスト上層部への塗布適正、放射線、特に波長193nmの光に対する透明性、液浸液難溶性である。トップコートは、レジストと混合せず、さらにレジスト上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートは、波長193nmの光に対する透明性という観点からは、芳香族を豊富に含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。前述の疎水性樹脂(HR)はトップコートとしても好適なものである。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズを汚染するという観点からは、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、レジスト膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程がレジスト膜の現像処理工程と同時にできるという点では、トップコートはアルカリ現像液により剥離できることが好ましい。アルカリ現像液で剥離するという観点からは、トップコートは酸性が好ましいが、レジスト膜との非インターミクス性の観点から、中性であってもアルカリ性であってもよい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がない方が、解像力が向上する。ArFエキシマレーザー(波長:193nm)において、液浸液として水を用いる場合には、ArF液浸露光用トップコートは、液浸液の屈折率に近いことが好ましい。屈折率を液浸液に近くするという観点からは、トップコート中にフッ素原子を有することが好ましい。また、透明性・屈折率の観点から薄膜の方が好ましい。
トップコートは、レジスト膜と混合せず、さらに液浸液とも混合しないことが好ましい。この観点から、液浸液が水の場合には、トップコートに使用される溶剤は、ネガ型レジスト組成物に使用される溶媒に難溶で、かつ非水溶性の媒体であることが好ましい。さらに、液浸液が有機溶剤である場合には、トップコートは水溶性であっても非水溶性であってもよい。
本発明のネガ型レジスト組成物は、多層レジストプロセス(特に3層レジストプロセス)に適用してもよい。多層レジスト法は、以下のプロセスを含むものである。
(a)被加工基板上に有機材料からなる下層レジスト層を形成する。
(b)下層レジスト層上に中間層及び放射線照射で架橋もしくは分解する有機材料からなる上層レジスト層を順次積層する。
(c)該上層レジスト層に所定のパターンを形成後、中間層、下層及び基板を順次エッチングする。
中間層としては、一般にオルガノポリシロキサン(シリコーン樹脂)あるいはSiO2塗布液(SOG)が用いられる。下層レジストとしては、適当な有機高分子膜が用いられるが、各種公知のレジスト組成物を使用してもよい。たとえば、フジフイルムアーチ社製FHシリーズ、FHiシリーズ或いは住友化学社製PFIシリーズの各シリーズを例示することができる。
下層レジスト層の膜厚は、0.1〜4.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜2.0μmであり、特に好ましくは0.25〜1.5μmである。0.1μm以上とすることは、反射防止や耐ドライエッチング性の観点で好ましく、4.0μm以下とすることはアスペクト比や、形成した微細パターンのパターン倒れの観点で好ましい。
(F)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤
本発明のネガ型レジスト組成物は、更に界面活性剤を含有することが好ましく、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することがより好ましい。
本発明のネガ型レジスト組成物が上記界面活性剤を含有することにより、波長250nm以下、特に波長220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431、4430(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)、GF−300、GF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製)、エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、352、EF801、EF802、EF601((株)ジェムコ製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520(OMNOVA社製)、FTX−204D、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218、222D((株)ネオス製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C37基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体などを挙げることができる。
また、本発明では、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また、いくつかの組み合わせで使用してもよい。
界面活性剤の使用量は、レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
(G)有機溶剤
本発明のネガ型レジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。使用し得る有機溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、メトキシブタノール、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
本発明においては、有機溶剤として構造中に水酸基を有する溶剤と、水酸基を有さない溶剤とを混合した混合溶剤を使用してもよい。
水酸基を有する溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル等を挙げることができ、これらの内でプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルが好ましい。
水酸基を有さない溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンがより好ましい。
水酸基を有する溶剤と水酸基を有さない溶剤との混合比(質量比)は、好ましくは1/99〜99/1、より好ましくは10/90〜90/10、更により好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を有さない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。)
(H)使用方法
本発明のネガ型レジスト組成物は、解像力向上の観点から、膜厚30〜250nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、膜厚30〜200nmで使用されることが好ましい。ネガ型レジスト組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
ネガ型レジスト組成物中の全固形分濃度は、一般的には1〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%、さらに好ましくは1〜6質量%である。
本発明のネガ型レジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターは好ましくはポアサイズ0.1ミクロン以下、より好ましくは0.05ミクロン以下、更に好ましくは0.03ミクロン以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
例えば、ネガ型レジスト組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布、乾燥し、レジスト膜を形成する。
当該レジスト膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、現像、リンスする。活性光線又は放射線を照射後にベーク工程を入れても良い。これにより良好なパターンを得ることができる。
活性光線又は放射線としては、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、X線、電子線等を挙げることができるが、好ましくは波長250nm以下、より好ましくは波長220nm以下、特に好ましくは波長1〜200nmの波長の遠紫外光、具体的には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)、X線、電子ビーム等であり、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(波長13nm)、電子ビームであり、特にArFエキシマレーザー(波長193nm)が好ましい。
レジスト膜を形成する前に、基板上に予め反射防止膜を塗設してもよい。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
現像工程では、アルカリ現像液を次のように用いる。ネガ型レジスト組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、好ましくは0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、好ましくは10.0〜15.0である。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
また、現像処理または、リンス処理の後に、パターン上に付着している現像液またはリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
以下に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
樹脂の合成例で使用したモノマーを以下に記載する。これらのモノマーは市販のもの、または常法で合成したものを使用した。尚、モノマーM31はAldrich社製のものを用いた。
Figure 2010054634
<合成例> 樹脂1の合成
窒素気流下、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)52.8gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。これにモノマー(M11)3.1g、モノマー(M21)12.8g、モノマー(M22)9.1g、モノマー(M42)6.1g、重合開始剤V−60(和光純薬製)2.97gをPGME123.2gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後ヘキサン1760ml/酢酸エチル660mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると、樹脂1が23.0g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で8300、分散度(Mw/Mn)は1.76であった。
<合成例> 樹脂3の合成
窒素気流下、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)75.8gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。これにモノマー(M13)16.0g、モノマー(M24)12.7g、メタクリル酸1.5g、モノマー(M43)7.6g、重合開始剤V−601(和光純薬製)4.7gをPGMEA/PGME(質量比2/8)176.8gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液にアリルグリシジルエーテル2.3g、テトラエチルアンモニウムブロマイド0.24g、4−ヒドロキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカルを加え、90℃で5時間加熱した。放冷後水2400ml/メタノール400mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると、樹脂3が31.5g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は、GPC測定(標準ポリスチレン換算)で8600、分散度(Mw/Mn)は1.80であった。
<合成例> 樹脂4の合成
窒素気流下、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)(質量比3/7)61.9gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。これにモノマー(M14)10.3g、モノマー(M33’)12.6g、モノマー(M44)13.5g、重合開始剤V−601(和光純薬製)3.8gをPGMEA/PGME(質量比2/8)143.9gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。放冷後酢酸エチル270ml/ヘキサン3160mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥し、得られた固体をN−メチルピロリジノン250gに溶解させた。これに1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン17.1g、4−ヒドロキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカルを加え、40℃で10時間加熱した。放冷後、メタンスルホン酸11.9gを加え攪拌後、水2500gに20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥したところ、樹脂4が29.8g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は、GPC測定(標準ポリスチレン換算)で8400、分散度(Mw/Mn)は1.74であった。
樹脂1と同様にして下記樹脂2を、樹脂4と同様にして下記樹脂5、6を合成した。
得られた樹脂の構造、組成比(モル比)、重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を下に記す。
Figure 2010054634
Figure 2010054634
<合成例> 化合物(RM−3)の合成
下記rm−3−2(0.17mol)をメタノール500mlに溶解し、60℃に加熱し溶解後、下記rm−3−1(0.17mol)のメタノール溶液を投入した。5時間加熱還流後、メタノールを減圧溜去し、化合物(RM−3)を得た。
Figure 2010054634
その他の化合物(B)についても同様の方法で合成したか、東亞合成(株)製、新中村化学工業(株)製等の市販品を使用した。
<レジスト調製>
下記表に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度6質量%の溶液を調製し、これをポアサイズ0.1μmのポリエチレンフィルターで濾過してネガ型レジスト溶液を調製した。調製したネガ型レジスト組成物を下記の方法で評価し、結果を下記表3に示した。尚、表における各成分について、複数使用した場合の比は質量比である。
(露光条件(1))
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したネガ型レジスト組成物を塗布し、100℃で、60秒間ベークを行い、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハーをArFエキシマレーザースキャナー(ASML社製 PAS5500/1100、NA0.75、σo/σi=0.85/0.55)を用いてパターン露光した。テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
(露光条件(2))
本条件は、純水を用いた液浸露光法によりレジストパターンを形成するものである。
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したネガ型レジスト組成物を塗布し、100℃で、60秒間ベークを行い、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハーをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(NA0.85)を用い、パターン露光した。液浸液としては超純水を使用した。テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
(露光条件1)および(露光条件2)において、パターン形状、感度残渣、残膜を評価した。
感度、パターン形状:
マスクサイズ110nmのラインアンドスペース1/1を再現する露光量を最適露光量(感度)とした。また最適露光量におけるプロファイルを走査型電素顕微鏡(SEM)により観察した。パターン解像しなかったものについては「×」とした。
残渣:
110nmのラインアンドスペース1/1を形成した時の現像残渣(スカム)の残り具合を走査型電素顕微鏡(SEM)により観察し、残渣が観察されなかったものを◎、少し観察されたものを○、かなり観察されたものを×、○と×の中間を△として4段階で評価した。
未露光部残膜:
110nmのラインアンドスペース1/1を形成した時の未露光部の残厚の有無を走査型電素顕微鏡(SEM)により観察し、残膜のある場合を×、ない場合を○を評価した。
結果を表に示す。
尚、実施例1〜14は露光条件1によるもの、表中*印した実施例15〜17は疎水性ポリマーHR−22を0.05g添加して液浸露光したもの(露光条件2によるもの)である。
Figure 2010054634
表中、アルカリ可溶性樹脂(A)は前記合成例のもの、それ以外の略号は下記のものを表す。尚、これらは各種市販品または常法により作成したものを使用した。
〔化合物(B):アルカリ可溶性基とラジカル重合性基とを有する化合物〕
Figure 2010054634
〔ラジカル重合開始剤〕
Figure 2010054634
〔界面活性剤〕
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
W−4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−5:PF656(OMNOVA社製、フッ素系)
W−6:PF6320(OMNOVA社製、フッ素系)
〔溶剤〕
A1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
A2:2−ヘプタノン
A3:シクロヘキサノン
A4:γ−ブチロラクトン
B1:プロピレングリコールモノメチルエーテル
B2:乳酸エチル
B3:プロピレンカーボネート

Claims (5)

  1. (A)アルカリ可溶性樹脂、(B)ラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物、および、(C)光ラジカル発生剤、を含有する、ネガ型レジスト組成物。
  2. 前記(A)アルカリ可溶性樹脂が、(a3)ラジカル重合性基を有する繰り返し単位を含むことを特徴とする、請求項1に記載のネガ型レジスト組成物。
  3. 前記繰り返し単位(a3)中のラジカル重合性基として、下記式(RP1)で表される部分構造を有することを特徴とする、請求項2に記載のネガ型レジスト組成物。
    Figure 2010054634

    式(RP1)中、
    *は結合手を表す。
    RP1〜RRP3はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。
    RP1〜RRP3のうち2つが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
  4. 前記(B)ラジカル重合性基とアルカリ可溶性基とを有する化合物が、ラジカル重合性基を複数有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、該レジスト膜を露光する工程、該レジスト膜を現像する工程、とを含むレジストパターン形成方法。
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