JP2010054600A - レンズ鏡筒および光学機器 - Google Patents

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巧 山中
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Abstract

【課題】 手動操作環の操作部が光軸方向に長い場合、補強リングを配置した以外の場所が変形をする恐れがある。補強リングの板厚を厚くして光軸方向に延伸させようとすると、補強リングの内外径寸法差を確保する必要があり、鏡筒の小型・軽量化の妨げとなる。また、補強リングをパイプ材より削りだして作成すると製造コストが高くなる。
【解決手段】 レンズ鏡筒の手動操作環の構成において、前記手動操作環はプラスチック材料より成り、前記手動操作環は光軸に垂直である第一の平面部と、第一の平面部から光軸方向に離間した第二の平面部を有し、前記第一の平面部に当接した金属材料から成る第一の補強リングと、前記第二の平面部に当接した金属材料から成る第二の補強リングを有することを特徴とするレンズ鏡筒であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カメラ等のレンズ鏡筒の鏡筒構造に関するものである。
従来より一眼レフカメラ用の交換レンズには、一般的に、使用者が手動で被写体に焦点を合せるためのフォーカスリング、ズームレンズの場合は焦点距離を手動で変更するためのズームリング等が設けられている。これらの手動操作部材は、その機能だけでなく使用者の操作時の操作感が重要視されてきている。オートフォーカス機能でピントを自動で合わせた後でも操作者の作画意図によりピント位置を変更したり、オートフォーカスが不得意な被写体に対して手動で該操作部材によりピント調節をすることがよく行われている。その際、スムーズな操作部材の動作が要求されており、操作途中での引っ掛り、ムラ、スティックスリップ等が発生しないことが重要である。
近年の交換レンズ鏡筒は、鏡筒及び外観部品においてもプラスチック化が進み、軽量化及びコストダウンが進められている。
プラスチック化された手動操作環は、手動操作環を使用者が手で握った際に該手動操作環を潰すような力が作用すると変形量が大きくなる。円筒状の該手動操作環が変形により楕円筒形状になった状態で光軸回りの回転操作を受けると、固定筒と楕円に変形した手動操作環が部分的に摺動するようになる。したがって、手動操作環の回転動作中に回転トルクムラが発生したり、不要な摺動によるザラツキを感じたりして、手動操作がスムーズにできないことが多くあった。
そこで、特許文献1では、手動操作環の内径部に金属材料より成る補強リングを挿入して変形を防止している。
特開2006−119438号公報
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術では、以下のような問題がある。
手動操作環の操作部が光軸方向に長い場合、補強リングを配置した以外の場所が変形をする恐れがある。補強リングは安価に作成するためにプレス加工で製造される。したがって、板厚を厚くして補強リングを光軸方向に延伸させようとすると、補強リングの内外径寸法差を確保する必要があり、鏡筒の小型・軽量化の妨げとなる。また、補強リングをパイプ材より削りだして作成すると製造コストが高くなる。
そこで、本発明の目的は、操作部が光軸方向に長い手動操作環においてもプレス加工で製造した安価な補強リングを用いて手動操作環の強度を向上させ、使用者が該フォーカスリングを強く摘んでもスムーズな回転動作をさせることができるレンズ鏡筒を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、レンズ鏡筒の手動操作環の構成において、前記手動操作環はプラスチック材料より成り、前記手動操作環は光軸に垂直である第一の平面部と、第一の平面部から光軸方向に離間した第二の平面部を有し、前記第一の平面部に当接した金属材料から成る第一の補強リングと、前記第二の平面部に当接した金属材料から成る第二の補強リングを有することを特徴とするレンズ鏡筒であることを特徴とする。
本発明によれば、光軸方向に操作部の長い手動操作環の強度をプレス加工で製造した安価な補強リングを用いて向上させることが可能である。したがって、使用者が該手動操作環を強く摘んでもスムーズな回転動作をさせることが可能となるレンズ鏡筒を提供することができる。
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
本発明は、カメラ等の光学機器に用いられる交換レンズの手動の回転操作部材に関するものであり、以下の実施の形態で説明する。
図1は本発明を実施したカメラ等に用いられるレンズ鏡筒の、フォーカスリング近傍の構成について抜き出して示した、光軸を含む面で切断した断面図である。
図1において、A−Aは交換レンズの光軸を表している。1は不図示の一眼レフカメラ本体に着脱可能に接続するためのマウントである。2はマウント1にビス等で固着され支持される外装環であり、3は該外装環2にビス等により固着され支持される固定筒である。4は本実施例における手動操作環のフォーカスリングである。フォーカスリング4を光軸回りに回転することで不図示の交換レンズ鏡筒内部のレンズ駆動機構にその回転力を伝達して、フォーカス用レンズ群を光軸方向へ移動させて焦点調節可能な構成として動作させるように構成されている。5はフォーカスリング4の内周に圧入され接着固定される、金属より成る第一の補強リングである。6は第一の補強リング5から光軸方向に離間して配置された第二の補強リングであり、第一の補強リング5と同様にフォーカスリング4の内周に圧入され接着固定される。
フォーカスリング4の形状において、外周部4aは使用者が直接触れる部分であり、ローレット等の回転動作時に指が滑りにくい形状になっている。内周4b面は、固定筒3の摺動面3aと径嵌合しており、フォーカスリング4の径方向の位置を決めている。フォーカスリング4の光軸方向位置は、4c面と3b面の間隔及び2a面と4d面の間隔で規制され、適度なガタを有して支持されている。4e面は第一の補強リング5が当接する光軸に垂直な第一の平面部である。また、4fは第一の平面部4e面から光軸方向に延伸した複数のリブ(突起部)であり、リブ4fの端面にて第二の補強リング6が当接するために第一の平面部から光軸方向に離間した第二の平面部4gを形成している。
次にフォーカスリング4へ第一の補強リング5と第二の補強リング6を組み込む際の組立方法について図2から図4を用いて説明する。
図2は補強リングを組み込む前のフォーカスリング4の斜視図である。図3はフォーカスリング4に第一の補強リング5を組み込んだ際の斜視図である。図4はフォーカスリング4に第二の補強リング6を組み込んだ際の斜視図である。
第一の補強リング5はフォーカスリング4に形成された光軸に垂直な第一の平面部4e面に当接する。フォーカスリング4には第二の補強リング6が当接する第二の平面部4gを形成するためのリブ4fが第一の平面部4e面から光軸方向に延伸している。したがって、第一の補強リング5にはリブ4fを逃げるための切り欠き形状5aがリブ4fと同数形成されている。
また、フォーカスリング4には第一の補強リング5を組み込む際の角度位相基準である位置決めリブ4jが第一の平面部4e面から光軸方向に延伸している。第一の補強リング5には位置決めリブ4jに対応する角度位相に第一の位置決め溝5bが形成されており、第一の位置決め溝5bからθ1角度位相の異なる位置に第一の位置決め溝5bと同形状である第二の位置決め溝5cが形成されている。この時、第一の位置決め溝5bと第二の位置決め溝5cと角度位相θ1と、フォーカスリング4に形成されたリブ4fの角度間隔θ2は下記のような関係となっている。
θ1 < θ2 (式1)
フォーカスリング4の内周部4hは第一の補強リングの外径部5d及び第二の補強リング6の外径部6dとは圧入の寸法設定となっている。圧入後、フォーカスリング4と第一の補強リング5は接着固定される。
次に、第二の補強リング6をフォーカスリング4に組み込む作業を説明する。
本実施例において、第一の補強リング5と第二の補強リング6は同形状部材を使用している。したがって、第二の補強リング6にもフォーカスリング4のリブ4fを逃げるための切り欠き形状6aが形成されている。そのため、第二の補強リング6を第一の補強リング5と同角度位相で組み込むと、リブ4fの端面によって形成される第二の平面部4gに当接させることができない。そこで、第二の補強リング6をθ1だけ第一の補強リングの組立角度位相に対して回転させることで、リブ4fと切り欠き形状6aの角度位相がずれ、第二の補強リング6と第二の平面部4gを当接させることができる。また、位置決めリブ4jと第二の位置決め溝6cによって第二の補強リング6の組立角度位相が決定されるため、切り欠き形状6aとリブ4jが交差して当接面積が減少することを防止することができる。
第二の補強リング6も、第一の補強リング5と同様、フォーカスリング4に対して接着固定される。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、請求項の記載した内容の範囲内で種々の変形や変更が可能である。例えば、上記実施例では、フォーカスリング4を手動操作環としたが、ズームレンズにおいてはズーム操作環としてもよい。
本発明に係るフォーカスリングを有する交換レンズ鏡筒のフォーカスリング周りの構成を示す断面図である。 補強リングを組み込む前のフォーカスリングの斜視図。 フォーカスリングに第一の補強リングを組み込んだ際の斜視図である。 フォーカスリングに第二の補強リングを組み込んだ際の斜視図である。
符号の説明
1 マウント
2 外装環
3 固定筒
4 フォーカスリング(手動操作環)
5 第一の補強リング
6 第二の補強リング

Claims (4)

  1. 手動操作環を備えるレンズ鏡筒において、
    前記手動操作環はプラスチック材料より成り、
    前記手動操作環は光軸に垂直である第一の平面部と、
    第一の平面部から光軸方向に離間した第二の平面部を有し、
    前記第一の平面部に当接した金属材料から成る第一の補強リングと、
    前記第二の平面部に当接した金属材料から成る第二の補強リングを有することを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記手動操作環の第一の平面部から光軸方向に複数の突起部が延伸し、
    前記突起部の端面が前記第二の平面部を形成しており、
    前記第一の補強リングは前記手動操作環の突起部を避けるための切り欠き形状を有していることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
  3. 前記第一の補強リングと前記第二の補強リングは同形状部材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載にレンズ鏡筒。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のレンズ鏡筒を備えたことを特徴とする光学機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015143739A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 コニカミノルタ株式会社 レンズ鏡胴

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