JP2010054303A - 時計用文字板の製造方法、時計用文字板および時計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】時計用文字板の製造方法は、基板2上に、粉末31と硬化性樹脂とを含む組成物を、スクリーン印刷により付与する組成物付与工程と、硬化性樹脂を硬化させ、硬化部を形成する樹脂硬化工程とを有し、粉末31として、プラスチック製の基部311の両面側に金属材料で構成された金属膜312が設けられたものを用いる。
【選択図】図1
Description
このような指標の形成方法としては、広く、印刷法が用いられている。
しかしながら、従来の印刷法により形成された指標では、高級感に劣るという問題点があった。特に、金属粉末等を分散した組成物を用いた場合、金属粉末の分散状態が変化し、形成される指標部において、金属粉末が均一に分散しておらず(まだらに存在し)、また、いわゆる、にじみやダレ等を生じ易く、得られる時計用文字板の美的外観が特に劣ったものになるという問題点があった。
本発明の時計用文字板の製造方法は、基板上に、粉末と硬化性樹脂とを含む組成物を、スクリーン印刷により付与する組成物付与工程と、
前記硬化性樹脂を硬化させ、硬化部を形成する樹脂硬化工程とを有し、
前記粉末として、プラスチック製の基部の両面側に金属材料で構成された金属膜が設けられたものを用いることを特徴とする。
これにより、光沢感のある優れた外観を呈し、耐久性にも優れた時計用文字板を製造することができる時計用文字板の製造方法を提供することができる。
前記粉末は、平均粒径が100〜155μmであり、かつ、プラスチック製の基部上に金属膜が設けられたものであり、
前記スクリーン印刷において、スクリーン版として、少なくとも表面付近がポリ四フッ化エチレンで構成されたワイヤーを備え、メッシュ粗さが20〜120番であり、かつ、前記ワイヤーの直径が50〜120μmであるものを用いることが好ましい。
これにより、製造される時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。
これにより、組成物中において粉末がより安定して分散することができるとともに、粉末の組成物中における流動性が特に優れたものとなる。この結果、製造される時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。
これにより、時計用文字板の生産性を特に優れたものとしつつ、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板の製造方法では、前記基部が、ポリエステル樹脂で構成されたものであることが好ましい。
これにより、時計用文字板の生産性を特に優れたものとしつつ、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板の製造方法では、前記金属膜の平均厚さが、0.01〜3.0μmであることが好ましい。
これにより、時計用文字板の生産性を特に優れたものとしつつ、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。
これにより、時計用文字板の生産性を特に優れたものとすることができる。また、製造時における、時計用文字板の構成材料の劣化等をより確実に防止することができ、製造される時計用文字板の信頼性を特に優れたものとすることができる。
これにより、粉末の組成物中における流動性を高めることができ、粉末が弾性変形しやすいものとなり、スクリーン版のメッシュを通過しやすいものとなる。この結果、製造される時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。
これにより、光沢感のある優れた外観を呈し、耐久性にも優れた時計用文字板を提供することができる。
本発明の時計は、本発明の時計用文字板を備えたことを特徴とする。
これにより、光沢感のある優れた外観を呈し、耐久性にも優れた時計用文字板を備えた時計を提供することができる。また、時計用文字板は、時計全体としての外観に大きな影響を与えるため、上記のような時計用文字板を備えた時計は、全体としての美的外観に優れたものとなる。
<時計用文字板の製造方法>
まず、本発明の製造方法について説明する。
図1は、本発明の時計用文字板の製造方法の好適な実施形態を示す断面図、図2は、本発明の時計用文字板の好適な実施形態を示す平面図である。
本実施形態の製造方法は、基板(文字板本体)2を準備する基板準備工程(1a)と、基板2の表面に、所定のパターンで、粉末31と硬化性樹脂とを含む組成物を付与する組成物付与工程(1b)と、硬化性樹脂を硬化させ硬化部32とし、指標3を形成する樹脂硬化工程(1c)とを有している。
まず、基板(文字板本体)2を準備する(1a)。
基板2は、時計用文字板1の主要部をなすものであり、後述する指標3を保持する機能を有するものである。
基板2は、いかなる材料で構成されたものであってもよい。
基板2が金属材料で構成されたものである場合、特に優れた強度特性を有する時計用文字板1を提供することができる。また、基板2が金属材料で構成される場合、基板(文字板本体)2自体が、優れた光沢を有するものとなり、時計用文字板1全体としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
基板2が非金属材料で構成される場合、例えば、一般に、比較的軽量で携帯し易い時計用文字板1を提供することができる。また、基板2が非金属材料で構成される場合、例えば、比較的容易に、所望の形状に成形することができる。
また、基板2を構成する非金属材料としては、例えば、セラミックス、プラスチック(特に耐熱性プラスチック)、石材、木材等が挙げられる。
基板2が前記のようなセラミックスで構成される場合、特に優れた強度、硬度を有する時計用文字板1を得ることができる。
また、基板2の形状、大きさは、特に限定されず、通常、時計用文字板1の形状、大きさに基づいて決定される。なお、図示の構成では、基板(文字板本体)2は、平板状をなすものであるが、例えば、湾曲板状等をなすものであってもよい。
基板2は、圧縮成形、射出成形等、いかなる方法で成形されたものであってもよい。また、基板2の表面に対しては、例えば、鏡面加工、スジ目加工、梨地加工等の表面加工が施されてもよい。これにより、得られる時計用文字板1の質感にバリエーションを持たせることが可能となり、時計用文字板1の美的外観の更なる向上を図ることができる。
また、基板2の表面に対しては、後述する工程に先立ち、各種洗浄処理を施してもよい。これにより、例えば、基板2と組成物(指標3)との密着性を特に優れたものとすることができる。
次に、スクリーン印刷法により、基板2の表面に、所定のパターンで、流動性を有する組成物を付与する(1b)。すなわち、基板2の表面において、前記組成物が付与された領域と、前記組成物が付与されていない領域とが混在するようにする。組成物を付与するパターンは、形成すべき指標3の形状・パターンに応じて決定される。
スクリーン印刷は、ワイヤー811により構成されたメッシュ81を有するスクリーン版8上に、組成物を配した状態で、スクリーン版8の上面(組成物が配された面)を、スキージ9で押圧することにより行う。
粉末31は、プラスチック製の基部311の両面に金属膜312が設けられたものである。本発明は、このような粉末31を有する組成物をスクリーン印刷法によって印刷することに特徴を有する。
そこで、上記の問題を解決するために、本発明では、組成物の粉末として、上述したような構成を有する粉末31を用いた。
本発明において、粉末の粒径とは、粉末を平面視したときの周囲長と同じ長さの周囲長を有する真円の直径の値を指す。より具体的に説明すると、粉末の平面視したときの形状が一辺の長さがa[μm]の正方形である場合、当該光沢性粉末の粒径は、4a/π[μm]である。
粉末31の平均厚さは、10〜30μmであるのが好ましく、12〜28μmであるのがより好ましい。粉末31の平均厚さが前記範囲内の値であると、粉末31は、スクリーン版8のメッシュ81を通過するに際して、より好適に弾性変形することができるとともに、メッシュ81を通過した後は、その形状がより速やかに復元される。その結果、時計用文字板1の生産性を特に優れたものとしつつ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
硬化性樹脂としては、エネルギー線(例えば、熱(熱線)、光(紫外線等の可視光以外の光を含む)、電子線)により硬化する樹脂材料を用いることができ、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等を用いることができ、より具体的には、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂(ポリウレタン)、アクリル樹脂等の各種硬化性樹脂を用いることができる。
また、硬化性樹脂として、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂よりなる群から選択される1種または2種以上を用いた場合、粉末31の組成物中における流動性を高めることができ、粉末31が上述したように弾性変形しやすいものとなり、メッシュ81を通過しやすいものとなる。
溶剤としては、特に限定されないが、例えば、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ペンタン、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソホロン、エチレングリコールモノブチルエーテル等の各種溶剤を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。この中でも、溶剤として、シクロヘキサン、イソホロンおよびエチレングリコールモノブチルエーテルよりなる群から選択される1種または2種以上を用いた場合、組成物中において粉末31がより安定して分散することができるとともに、粉末31の組成物中における流動性が特に優れたものとなる。
本工程で用いるスクリーン版8は、少なくとも表面付近がポリ四フッ化エチレンで構成されたワイヤー811を備えていることが好ましい。これにより、組成物を、スクリーン版のメッシュを好適に通過させることができ、目的とするパターンの指標を確実に形成することができる。特に、本発明においては、スクリーン印刷に供される組成物が粉末31を含むため高粘度のものとなりやすいが、このようなスクリーン版8は、このような組成物をメッシュに通過させる際において、組成物の流動抵抗を低減することができるため、安定的に印刷を行うことができる。また、ワイヤーの背面に、組成物を十分に回りこませることができ、目的とするパターンを形成することができる。
上記のように、本工程で用いるスクリーン版8は、少なくとも表面付近がポリ四フッ化エチレンで構成されたワイヤー811を備えたものであるのが好ましいが、ワイヤー811全体が、ポリ四フッ化エチレンで構成されたものであるのがより好ましい。これにより、上述したような効果はより顕著に発揮される。
スキージ9の構成材料としては、例えば、ウレタン系ゴム、シリコーン系ゴム、各種合成ゴム、各種金属等を用いることができるが、中でも、ウレタン系ゴムが好ましい。
次に、硬化性樹脂を硬化させ、硬化部32とする(1c)。これにより、指標3が形成され、時計用文字板1が得られる。このようにして得られる時計用文字板1は、光沢感のある優れた外観を呈する指標3を備えたものであり、時計用文字板1全体としての美的外観(高級感)も優れている。また、指標3は粉末31が分散した組成物を用いて製造されたものであるため、粉末31が硬化部32に確実に固定されており、時計用文字板1の使用時に粉末31が脱落してしまうことが効果的に防止されている。したがって、時計用文字板1は、耐久性、信頼性にも優れている。
硬化性樹脂の硬化は、硬化性樹脂の種類に応じた方法により行う。例えば、硬化性樹脂が熱硬化性樹脂である場合には加熱により行い、硬化性樹脂が光硬化性樹脂である場合には、光(エネルギー線)の照射により行う。
本発明の時計用文字板1は、上記のような方法により製造される。
上述したような方法で製造されたものであることにより、時計用文字板1は、優れた美的外観を備えるとともに、耐久性にも優れている。
次に、上述したような本発明の時計用文字板1を備えた本発明の時計について説明する。
本発明の時計は、上述したような本発明の時計用文字板を有するものである。なお、本発明の時計を構成する前記時計用文字板(本発明の時計用文字板)以外の部品としては、公知のものを用いることができるが、以下に、本発明の時計の構成の一例について説明する。
図3に示すように、本実施形態の腕時計(携帯時計)100は、胴(ケース)102と、裏蓋103と、ベゼル(縁)104と、ガラス板(カバーガラス)105とを備えている。また、ケース102内には、前述したような時計用文字板1と、ムーブメント101とが収納されており、さらに、図示しない針(指針)等が収納されている。
図3中では省略しているが、ムーブメント101内には、例えば、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この駆動パルスを受けて輪列機構を1秒毎に指針を駆動するステップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構等を備えている。
胴102とベゼル104とは、プラスチックパッキン108により固定され、ベゼル104とガラス板105とはプラスチックパッキン109により固定されている。
また、胴102に対し裏蓋103が嵌合(または螺合)されており、これらの接合部(シール部)115には、リング状のゴムパッキン(裏蓋パッキン)114が圧縮状態で介挿されている。この構成によりシール部115が液密に封止され、防水機能が得られる。
なお、上記の説明では、時計の一例として、腕時計(携帯時計)を挙げて説明したが、本発明は、腕時計以外の携帯時計、置時計、掛け時計等の他の種類の時計にも同様に適用することができる。
例えば、本発明の製造方法は、上述した以外の工程を有するものであってもよい。例えば、基板の指標が設けられた面側や、その反対の面側に、コート層を形成する工程を有していてもよい。これにより、例えば、色調等を調整し、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものにしたり、時計用文字板全体としての、耐食性、耐候性、耐水性、耐油性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐変色性等の各種特性を向上させたりすることができる。なお、このようなコート層は、例えば、時計用文字板の使用時等において除去されるものであってもよい。
また、上述した実施形態では、基板上の一部に所定のパターンで組成物を付与することにより指標を形成するものとして説明したが、組成物は、基板の全面に付与するものであってもよい。また、本発明の方法により形成される部材は、指標として機能するものでなくてもよい。
また、上述した実施形態では、指標を形成する基板として、時計用文字板に対応する形状のものを用いる場合について中心的に説明したが、指標を形成する基板としてシート状の部材を用い、指標を形成した後に、打ち抜き成形等により、前記シート状の部材を時計用文字板に加工してもよい。
1.時計用文字板の製造
(実施例1)
以下に示すような方法により、時計用文字板を製造した。
まず、真鍮で構成された板材をプレス成形することにより、時計用文字板の形状を有する基板を作製し、その後、必要箇所を切削、研磨した。得られた基板は、略円盤状をなし、直径:27mm×厚さ:500μmであった。
このようにして洗浄を行った基板の表面に、スクリーン印刷により、粉末と未硬化の熱硬化性樹脂(ウレタン樹脂)と溶剤としてのシクロヘキサン、イソホロンおよびエチレングリコールモノブチルエーテルとを含む組成物を、図2に示すような形状・パターンで付与した(組成物付与工程)。組成物を構成する粉末としては、ポリエステル樹脂で構成されたシート材(平均厚さ:20μm)の両面に、真空蒸着により、Alで構成された金属層を形成した後、このシート材を100μm角の正方形状に裁断したものを用いた。ポリエステル樹脂で構成されたシート材の両面に設けられた金属層(金属膜)の平均厚さは、いずれも、0.5μmであった。また、ポリエステル樹脂で構成されたシート材の両面に設けられた金属層(金属膜)中におけるAl含有率は、いずれも、99.9wt%以上であった。また、使用した溶剤については、シクロヘキサン、イソホロンおよびエチレングリコールモノブチルエーテルを全て等量(同重量)ずつ混合したものを用いた。また、本工程で用いた組成物の25℃における粘度は、17000cpsであった。また、スクリーン版としては、ポリ四フッ化エチレンからなるワイヤーで構成されたメッシュと、フォトレジスト材料を用いた写真製版法により所定のパターンに形成された版膜とを備え、メッシュ粗さが70番、ワイヤーの直径が60μmのものを用いた。また、スキージとしては、ウレタン系ゴムで構成されたものを用いた。
得られた時計用文字板において、指標の平均厚さは、100μmであった。
なお、基板、指標の厚さは、JIS H 5821で規定される顕微鏡断面試験方法に従い測定した。
組成物中に含まれる粉末および溶剤、基板およびスクリーン版の構成を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例12)
組成物に溶剤としてシクロヘキサンの代わりにエタノールを用い、硬化性樹脂として、エポキシ樹脂(熱硬化性樹脂)を用い、粉末の基部として、平均厚さ:25μmのポリエステル樹脂のシートを用いた以外は、前記実施例8と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例13)
硬化性樹脂として、エポキシ樹脂(紫外線硬化性樹脂)を用い、樹脂硬化工程においてた基板の組成物が付与された面側から、紫外線を照射することにより、硬化性樹脂を硬化させた以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
組成物中に含まれる粉末として、ポリエステル樹脂で構成されたシート材(平均厚さ:20μm)の片面のみに、真空蒸着により、Alで構成された金属層を形成した後、このシート材を100μm角の正方形状に裁断したものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例2)
粉末として、実質的にAlのみで構成された膜状の金属粉末(平均厚さ:20μm、100μm角)を用いた以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
スクリーン印刷に供する組成物として粉末を含まない以外は、前記実施例1で用いたものと同様のものを用い、スクリーン印刷後であって硬化性樹脂の硬化前に、粉末を基板上の硬化性樹脂(パターニングされた硬化性樹脂)にふりかけた以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
以下に示すような方法により、時計用文字板を製造した。
まず、真鍮で構成された板材をプレス成形することにより、時計用文字板の形状を有する基板を作製し、その後、必要箇所を切削、研磨した。得られた基板は、略円盤状をなし、直径:27mm×厚さ:500μmであった。
次に、基板の指標を設けるべき部位に、指標取り付け用の貫通孔を形成した。貫通孔の直径は、500μmであった。
次に、この基板を洗浄した。基板の洗浄としては、まず、アルカリ浸漬脱脂を30秒間行い、その後、中和を10秒間、水洗を10秒間、純水洗浄を10秒間行った。
次に、基材の貫通孔に、上記の指標部材(植設材)の足部を挿入し、指標部材を挿入した面とは反対の面側から、エポキシ系接着剤を付与することにより、指標部材を基材に固定した。これにより、時計用文字板が得られた。
2−1.光沢感評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、目視および顕微鏡による観察を行い、これらの外観を以下の5段階の基準に従い、評価した。
A:極めて優良な光沢感を呈している。
B:優良な光沢感を呈している。
C:良好な光沢感を呈している。
D:光沢感がやや劣っている。
E:光沢感が劣っている。
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、目視による観察を行い、これらの立体感を以下の5段階の基準に従い、評価した。
A:極めて優良。
B:優良。
C:良。
D:やや不良。
E:不良。
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、目視および顕微鏡による観察を行い、これらの外観を以下の5段階の基準に従い、評価した。
A:極めて優良。
B:優良。
C:良。
D:やや不良。
E:不良。
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下に示すような3種の試験を行い、時計用文字板の耐久性を評価した。
3−1.落下試験による評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、高さ3.5mから、ステンレス鋼製の厚さ12cmのブロック上に、100回繰り返し落下させた後の、時計用文字板の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
A:指標の浮き、剥がれ等が全く認められない。
B:指標の浮き、剥がれ等がほとんど認められない。
C:指標の浮き、剥がれ等がわずかに認められる。
D:粉末の脱離、または、指標の浮き、剥がれがはっきりと認められる。
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、直径3.2mmの鉄製の棒材を支点とし、時計用文字板の中心を基準に35°の折り曲げを行った後、時計用文字板の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。折り曲げは、圧縮/引っ張りの両方向について行った。
A:指標の浮き、剥がれ等が全く認められない。
B:指標の浮き、剥がれ等がほとんど認められない。
C:指標の浮き、剥がれ等がわずかに認められる。
D:粉末の脱離、または、指標の浮き、剥がれがはっきりと認められる。
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板を、以下のような熱サイクル試験に供した。
まず、時計用文字板を、20℃の環境下に1時間、次いで、50℃の環境下に1時間、次いで、20℃の環境下に1時間、次いで、−20℃の環境下に1時間静置した。その後、再び、環境温度を20℃に戻し、これを1サイクル(4時間)とし、このサイクルを合計6回繰り返した(合計24時間)。
その後、時計用文字板の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
B:指標の浮き、剥がれ等がほとんど認められない。
C:指標の浮き、剥がれ等がわずかに認められる。
D:粉末の脱離、または、指標の浮き、剥がれがはっきりと認められる。
これらの結果を表2に示す。
これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。
また、各実施例および各比較例で得られた時計用文字板を用いて、図3に示すような時計を組み立てた。このようにして得られた各時計について、上記と同様の試験、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
Claims (10)
- 基板上に、粉末と硬化性樹脂とを含む組成物を、スクリーン印刷により付与する組成物付与工程と、
前記硬化性樹脂を硬化させ、硬化部を形成する樹脂硬化工程とを有し、
前記粉末として、プラスチック製の基部の両面側に金属材料で構成された金属膜が設けられたものを用いることを特徴とする時計用文字板の製造方法。 - 前記組成物として、25℃における粘度が8000〜20000cpsのものを用い、
前記粉末は、平均粒径が100〜155μmであり、かつ、プラスチック製の基部上に金属膜が設けられたものであり、
前記スクリーン印刷において、スクリーン版として、少なくとも表面付近がポリ四フッ化エチレンで構成されたワイヤーを備え、メッシュ粗さが20〜120番であり、かつ、前記ワイヤーの直径が50〜120μmであるものを用いる請求項1に記載の時計用文字板の製造方法。 - 前記組成物は、シクロヘキサン、イソホロンおよびエチレングリコールモノブチルエーテルよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものである請求項1または2に記載の時計用文字板の製造方法。
- 前記粉末の平均厚さが、10〜30μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の時計用文字板の製造方法。
- 前記基部が、ポリエステル樹脂で構成されたものである請求項1ないし4のいずれかに記載の時計用文字板の製造方法。
- 前記金属膜の平均厚さが、0.01〜3.0μmである請求項1ないし5のいずれかに記載の時計用文字板の製造方法。
- 前記硬化性樹脂は、光硬化性樹脂である請求項1ないし6のいずれかに記載の時計用文字板の製造方法。
- 前記硬化性樹脂は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂よりなる群から選択される1種または2種以上を含むものである請求項1ないし7のいずれかに記載の時計用文字板の製造方法。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の方法を用いて製造されたことを特徴とする時計用文字板。
- 請求項9に記載の時計用文字板を備えたことを特徴とする時計。
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