JP2010054048A - 差動制限機能付き差動装置 - Google Patents

Abstract

【課題】組立、メインテナンスに便利な差動制限機能付き差動装置。
【解決手段】ケーシング内の駆動盤１２、接合盤１３と伝動装置１５、及び複数の差動歯車セット１４を包含し、該ケーシング内に流体が注入され、該駆動盤１２に複数対の連通する収容孔１２２が設けられて各差動歯車セット１４の対応する差動歯車１４１，１４２が噛み合った状態で収容され、これら差動歯車が異なる方向に向くよう該伝動装置１０に固着され、前述の部品が同期回転するとき、これら差動歯車セットが回転し交替して該流体中に漬かり、並びに該流体を駆動してこれら差動歯車端面の間隙中に流し、差動作用のほか、交通工具の左右輪軸の回転速度差が所定の値を超過したとき、少なくとも一つの該差動歯車セットが極めて大きな背圧を発生して該流体がこれら差動歯車間の間隙を通過するのを阻止し、これにより該伝動装置の回転速度差の拡大を制限し、差動制限機能を達成する。
【選択図】図１

Description

本発明は一種の差動装置に係り、特に交通工具に応用される差動制限機能付き差動装置に関する。

差動装置は車両がカーブを曲がるときに二側の車輪の回転速度が異なることに対応するために設立された装置である。早期の差動装置は簡単な機械式の構造であり、二つの遊星歯車と二側の輪軸につながる側面の歯車が噛み合わされ、カーブを曲がるときにこれら側面の歯車が異なる回転速度で駆動され、すなわち二つの車輪が異なる地面環境で異なる回転速度で回転するとき、周知の差動装置はただ従動的に組み合わされ、輪軸の回転を制限することはできなかった。このため、地面が滑りやすく車輪の空転を形成するとき、もう一方の車輪もまた駆動力を失ってしまう。このため後に差動制限機能付き差動装置が発明され、その作用は、回転軸に、上述の状況のとき、空転或いは動力喪失の状況を発生させないことにある。差動制限機能付き差動装置の種類及び構造は非常に多く、機械式のクラッチで差動制限を達成するか、或いはヘリカルギアの組み合わせが発生する摩擦力を利用して差動制限を達成するトルク感応式、多板クラッチと出力軸の組み合わせからなる多板クラッチ式差動装置、圧力を回りからかけてクラッチ板を押圧してロックするため、当然高粘度のシリコンオイルを利用し、高温作用によりクラッチ板を圧迫し、動力ロックを発生する粘度結合式等の方式がある。

ただし、前述の各差動装置の構造は複雑すぎて、体積も大きくて重たいため、メインテナンスが容易でなく、且つ差動範囲が大きく、反応が遅く、制限トルクも足りないときにはじめてその作用を発生する等の欠点があり、改善が待たれている。

このため本発明の主要な目的は、一種の差動制限機能付き差動装置を提供することにあり、それは複雑な部品を必要とせず組立、メインテナンスに便利で、加工コストを下げられ、差動、十分な制限トルクを持つ差動制限の機能を達成したものとする。

本発明の差動制限機能付き差動装置は、流体を収容したケーシング、該ケーシング内に設置された駆動盤、該駆動盤の二側に設けられた接合盤、該駆動盤上に設けられた複数の差動歯車セット、及び、これら差動歯車セットと同期作動する伝動装置を包含する。そのうち、該駆動盤に複数の相互に連通する収容孔が設けられて各差動歯車セットの複数の差動歯車がこれら収容孔中に挿入されて対応する対が噛み合い回転し、さらに該駆動盤の二側が外向きに該伝動装置上の複数の遊星歯車と太陽歯車に固着され、各接合盤上にもこれら収容孔に対応する貫通孔が設けられ、これにより該流体がこれら収容孔及び貫通孔より噛み合ったこれら差動歯車の間隙に流入する。また、各伝動装置の太陽歯車より中心軸が延伸され、中心軸の一端が外向きに延伸されて該交通工具の輪軸に取付けられ、別端が該駆動盤とこれら接合盤上に位置決めされる。これにより、本発明の構造は簡潔で且つ既存の市販部品で組み立てることができ、メインテナンスに便利で、伝動装置、駆動盤、接合盤が該交通工具の動力により駆動されて同期回転し、これら差動歯車セットの相互の噛み合い回転により差動機能を達成するほか、該交通工具がこれら左右車輪の輪軸を駆動する回転速度差が所定回転速度差より大きいとき、該流体の輸送量が所定の洩流量を超過するため、少なくとも一つの差動歯車セットが瞬間的に背圧抵抗を形成して該流体がその間を流動するのを阻止し、これにより該差動歯車セットの差動歯車が噛み合って回転することができず、これにより該中心軸の回転速度差の拡大を制限し、差動制限機能を達成する。

本発明の差動制限機能付き差動装置は、ケーシング内の駆動盤、接合盤、伝動装置、及び複数の差動歯車セットが同期回転し、流体の補助が組み合わされ、各差動歯車セットが順番に交替して流体中に浸され、さらに該流体がこれら差動歯車セットの差動歯車を流れ、差動機能を達成し、交通工具がカーブを曲がる過程で二側の輪軸の回転速度差が所定の回転速度差を超過する時、少なくとも一つの差動歯車セットが背圧を発生し、これら差動歯車の流体が通過する端面の間隙をブロックし、動力源の伝送する動力を空転していない車輪に伝送し、有効に該回転速度差の拡大を制限し、これにより差動と差動制限の機能を共に達成し、確実に本発明の目的を達成する。

本発明の第１実施例の構造分解図である。 本発明の第１実施例の表示図である。 本発明の第１実施例の構造分解図である。 図３の側面図である。 本発明の第１実施例の一つの態様の側面図である。 本発明の第１実施例の別の態様の側面図である。 本発明の第１実施例の実施状態曲線関係図である。 本発明の第１実施例の実施状態関係表示図である。 本発明の第２実施例の構造分解図である。 本発明の第３実施例の構造分解図である。 図１０の部品の組み合わせ側面図である。 本発明の第４実施例の実施状態表示図である。

図１、２に示されるように、本発明の第１実施例によると、差動制限機能付き差動装置１０は交通工具（図示せず）に取付けられ、該差動制限機能付き差動装置１０は収容空間１１１が形成されて流体が収容されるケーシング１１と、該ケーシング１１内部に設置された駆動盤１２と、該駆動盤１２の二側にそれぞれ設置された接合盤１３と、該駆動盤１２に取付けられた複数の差動歯車セット１４、及びこれら差動歯車セット１４と同期回転する伝動装置１５を包含する。そのうち、該駆動盤１２の盤面に中心孔１２１と、該中心孔１２１の周囲に複数対が配置された収容孔１２２が開設され、本発明の各実施例では３対の収容孔１２２を例として開設している。各対の収容孔１２２は二つの相互に連通する第１収容孔１２２１と第２収容孔１２２２が並列に接続されてなり、さらに、各対の収容孔１２２の左右二側に該駆動盤１２を貫通する貫通孔１２３が開設されている。且つ各該貫通孔１２３は二対の隣り合う収容孔１２２に連通している。また、該駆動盤１２の円周いにこれら接合盤１３の周縁より突出する輪歯１２４が設けられ、また、輪歯１２４は該ケーシング１１内に設置された駆動歯車１６と噛み合い駆動され、且つ該駆動歯車１６の歯車軸１６１は該ケーシング１１外に伸出し、該交通工具の動力源２０により駆動される。

これら接合盤１３と駆動盤１２は同期動作し、各接合盤１３に中心孔１２１に対応する中心孔１３１が設けられ、該中心孔１３１の周囲にはこれら第１、第２収容孔１２２１、１２２２にそれぞれ対応する貫通孔１３２が設けられ、各接合盤１３の盤面に駆動盤１２の貫通孔１２３に対応する孔１３３が設けられ、且つ各該孔１３３の外側に該接合盤１３の中心方向に向けて設置されたスクレーパブロック１３３１が設けられ、該流体は該スクレーパブロック１３３１により順調に該接合盤１３のこれら孔１３３と貫通孔１３２、駆動盤１２の貫通孔１２３を通り、最後にこれら収容孔１２２中に進入する。このほか、差動歯車セット１４は該駆動盤１２の収容孔１２２内に収容され且つその中心軸はこれら接合盤１３の貫通孔１３２に挿通される。本実施例では三つの差動歯車セット１４で説明され、各該差動歯車セット１４は該駆動盤１２の第１収容孔１２２１に収容された第１差動歯車１４１と第２収容孔１２２２に収容された第２差動歯車１４２を包含し、該第１、第２差動歯車１４１、１４２はこれらの連通する第１、第２収容孔１２２１、１２２２中において相互に噛み合い、該流体は該収容孔１２２及びこれら貫通孔１３２を通りこれらの噛み合った第１、第２差動歯車１４１、１４２間の間隙を流れる。さらに本実施例の相互に噛み合った第１、第２差動歯車１４１、１４２には外向きに延伸された接合部１４１１、１４２１が設けられ、これら第１差動歯車１４１は一側に向けて（例えば右側に向けて）延伸された接合部１４１１を有し、第２差動歯車１４２は別側に向けて（例えば左側に向けて）延伸された接合部１４２１を有し、これら接合部１４１１、１４２１はそれぞれ該伝動装置１５と接合される。

また、伝動装置１５はこれら接合盤１３の外側の遊星歯車セット１５１、及びこれら遊星歯車セット１５１と噛み合う二つの太陽歯車１５２を包含し、そのうち、これら遊星歯車セット１５１はそれぞれ該第１、第２差動歯車１４１、１４２と接合された第１、第２遊星歯車１５１１、１５１２で構成され、これら遊星歯車セット１５１は独立設置を呈し得て、並びにこれら第１、第２差動歯車１４１、１４２のそれぞれ異なる方向に延伸された接合部１４１１、１４２１がこれら貫通孔１３２、収容孔１２２を通って該遊星歯車セット１５１と接合され（図３、４）、さらに該第１、第２遊星歯車１５１１、１５１２は該太陽歯車１５２と噛み合い、或いは図５に示されるように、これら遊星歯車セット１５１は第１、第２差動歯車１４１、１４２と一体成形されて、直接太陽歯車１５２と噛み合う。以下の実施例はいずれも図１に示される構造で説明される。

図４、５も併せて参照されたい。これら太陽歯車１５２は直接第１、第２遊星歯車１５１１、１５１２の間に設置され、且つ相互に噛み合う状態とされるが、当然、これら太陽歯車１５２は図６のように、第１、第２遊星歯車１５１１、１５１２を内側に制限し且つ該太陽歯車の内歯１５２１と相互に噛み合うものとされ得る。本発明は該太陽歯車１５２が該遊星歯車セット１５１の間に設置されたもので説明される。図２を参照されたい。各太陽歯車１５２は中心軸１５２２を具え、且つ該中心軸１５２２の一端は内向きに該接合盤１３の中心孔１３１に挿入され、並びに該駆動盤１２の中心孔１２１内に挿入され位置決め状態を呈し、別端は外向きにケーシング１１外に突伸し、且つ該交通工具の二側の輪軸２１と連結され、これにより該駆動盤１２、これら接合盤１３、差動歯車セット１４及び該伝動装置１５が簡単に組立られる。特に、前述のこれら差動歯車セット１４、遊星歯車セット１５１及び太陽歯車１５２は平歯車（ｓｐｕｒ ｇｅａｒ）、はすば歯車（ｈｅｌｉｃａｌ ｇｅａｒ）、或いはやまば歯車（ｄｏｕｂｌｅ−ｈｅｌｉｃａｌ ｇｅａｒ）中の任意の歯車セットとされ得る。

図１、２を参照されたい。組立後、該収容空間１１１内に流体が充填され、且つ該流体は必ずしも完全に該収容空間１１１を充満する必要はなく、ゆえに、該交通工具（図示せず）の動力源２０の伝送する動力が該歯車軸１６１に至り、直接或いは間接的に該駆動歯車１６を駆動して回転させ、同時に該交通工具の二側の輪軸２１が両側の車輪（図示せず）の回転の下で、これら太陽歯車１５２の中心軸１５２２を駆動して同期作動させ、これにより該輪歯１２４を駆動して該駆動盤１２とこれら接合盤１３を駆動して同期回転させ、このとき、これら差動歯車セット１４及びこれらの対応する遊星歯車セット１５１もセット単位で該流体中に漬かり、これにより一組が公転により該流体を離れ、そのうちの流体は駆動盤１２の該貫通孔１２３を通り下向きに流れてそれに隣接する一対の隣り合う第１、第２収容孔１２２１、１２２２中に至り、該接合盤１３の表面に残留する流体はスクレーパブロック１３３１の補助により該孔１３３中に導入され、これら貫通孔１２３からそれに隣接する一対の第１、第２収容孔１２２１、１２２２中に至り、該差動歯車セット１４が一周公転するとまた該流体中に浸り、再び以上のフローを開始し、すなわち各差動歯車セット１４が必要とする流体の輸送量が導入される。

これにより、該交通工具が前進或いは後退するとき、これら輪軸２１に駆動された中心軸１５２２間には速度差がないため、各差動歯車セット１４は該駆動盤１２、接合盤１３が中心軸の回りを同期公転し、且つ自転運動せず、すなわち、第１、第２差動歯車１４１、１４２は該車両の二側の輪軸２１上のこれら太陽歯車１５２の二つの中心軸１５２２に取付けられ、これら第１、第２遊星歯車１５１１、１５１２、該駆動盤１２及びこれら接合盤１３は共同回転を呈するに過ぎず、差動制限機能付き差動装置１０はどのような作用も発生しない。しかし、交通工具がカーブを曲がるとき、該交通工具の左右側の車輪が必要とする回転距離は異なり、このため左右車輪の二側の輪軸の回転速度の不一致をもたらし、これら輪軸２１、中心軸１５２２に回転速度差を発生させる。例えば、カープに必要な最小回転速度差

は５０ｒｐｍで、そして、制限転速度差は５０ｒｐｍと設定された。５０ｒｐｍを越えた場合には、車輪がすべていると判定することができる。このとき、該第１、第２差動歯車１４１、１４２は異なる回転速度を発生し得て、且つ該流体もこの第１、第２差動歯車１４１、１４２の間に復流して所定の洩流量を形成する。図７に示されるように、もし二つの中心軸１５２２の回転速度差

が使用者の所定の回転速度差より小さければ、すなわち該回転速度差は設定された毎分の回転数（例えば毎分５０回転）を超過せず、その送油量はこの所定洩流量より小さく、ゆえに、該第１、第２差動歯車１４１、１４２は噛み合い回転し、且つ該流体は該第１、第２差動歯車１４１、１４２の相互に噛み合った間隙中を流れて、これら第１、第２差動歯車１４１、１４２を該流体による潤滑状態において、一方が速く一方が遅い相対運動を呈せしめ、ゆえに差動機能を達成でき、該交通工具に順調にカーブを曲がらせる。

また、該車両が劣悪な道路を走行中に滑るとき、該車両の二側の輪軸２１の回転速度差は拡大現象を発生する。このとき、該二側の輪軸２１及び中心軸１５２２の回転速度差が所定の回転速度差を超過し、例えば上記数式１で示される該回転速度差が本実施例の毎分５０回転を超過すると、該差動制限機能付き差動装置１０は送油量を増加し、少なくとも一組の第１、第２差動歯車１４１、１４２が該送油量が瞬間的に該流体の所定洩流量を超過することにより、該流体が該第１、第２差動歯車１４１、１４２の間隙中より排出されず、すなわち該流体に対して背圧抵抗を形成し、これは図８に示されるとおりであり、これら第１、第２差動歯車１４１、１４２の回転方向ωが空転制限トルクＴの制限を発生して、該流体の通過を阻止し、これにより該二つの遊星歯車セット１５１、該二つの中心軸１５２２及び二側の輪軸２１の回転を制限する。これにより該車両の動力源２０もまた該駆動歯車１６によりその動力を空転し且つ回転速度が速い車輪に伝送することができず、その反対に比較的多くの動力を空転せず回転速度の遅い方の車輪に与えることができ、これにより空転していない車輪もまた相当程度のトルクを獲得して車両を推進できる。二つの車輪が図７に示されるように一定回転速度下に維持されてそれ以上回転速度が増加しないため、有効に該車両のスリップ或いは宙に浮くことによる回転速度差拡大の状況を防止でき、よって差動制限作用を達成する。

ゆえに、本実施例の該差動制限機能付き差動装置１０は、その採用する差動歯車セット１４、遊星歯車セット１５１及び太陽歯車１５２にいずれも市販製品を採用でき、新たに製造用型を製造する必要がなく、全体構造が簡単で組立が簡易であり、後日のメインテナンスにも便利であり、製造及びメインテナンスコストを減らせるほか、該流体が差動歯車セット１４の間隙を通過できずに発生する停留現象を利用することで、差動と差動制限機能を共に具備する。

図９は本発明の第２実施例を示し、それは特に、該駆動盤１２より第１実施例中の輪歯１２４構造と駆動歯車１６が省略され、その接合盤１３の外側よりさらに斜歯盤１３４が延伸され、また該ケーシング１１内にも該斜歯盤１３４と噛み合いそれを駆動する斜歯車１７が増設され、該斜歯車１７の軸体１７１はケーシング１１外に伸出し並びに該交通工具の駆動を受けて回転する。ゆえに、動作時、該交通工具の動力源２０は直接或いは間接に動力を伝動して該軸体１７１を駆動し回転させ、該斜歯車１７を協働させて該斜歯盤１３４を駆動し回転させる。該斜歯盤１３４と該接合盤１３は一体に設置されているため、該斜歯盤１３４の回転によりこれら接合盤１３と該駆動盤１２が駆動されて同期回転し、後続動作で差動、差動制限の作用を発生するのは第１実施例と同じであるため、説明は省略する。

図１０に示されるように、本発明の第３実施例によると、該駆動盤１２及びこれら接合盤１３よりそれぞれ輪歯１２４、駆動歯車１６及びスクレーパブロック１３３１が省略され、それに代わり、該ケーシング１１がこれら接合盤１３と固着され、その後、ケーシング１１の二側に連動スリーブ１８が固着され、該連動スリーブ１８は外スリーブ１８１と該外スリーブ１８１に設置されたスプロケット１８２で構成され、これら外スリーブ１８１はケーシング１１より外向きに伸出して該太陽歯車１５２の中心軸１５２２と嵌合され、該スプロケット１８２は交通工具の連動装置２２の駆動を受けて回転する。図１１に示されるように、これら接合盤１３はその表面にそれぞれ係止面１３５が凹設され、これら接合盤１３とケーシング１１の間に空間が形成され、該係止面１３５に複数の貫通孔１３２及び孔１３３が開設される。

図１０、１１に示されるように、動作時に、該交通工具の動力源２０は該連動装置２２を通して直接或いは間接に動力を該スプロケット１８２に伝送し、該外スリーブ１８１、これらケーシング１１、接合盤１３及び駆動盤１２を駆動して同期回転させる。当然、該車両がまっすぐに前進或いは後退する時、これら中心軸１５２２、遊星歯車セット１５１、駆動盤１２及びこれら接合盤１３は同期回転し、各差動歯車セット１４が順番に流体中に浸る。しかし、カーブを曲がる時に所定の回転速度差より大きい回転速度差となると、該流体は該係止面１３５の空間において遠心力の作用により該孔１３３に進入し、これらの流体より離れた差動歯車セット１４に随時流体が付着するものとされ、その後、少なくとも一つの差動歯車セット１４が該流体がこれら第１、第２差動歯車１４１、１４２の間を通過しにくい特性により、各対の噛み合った第１、第２差動歯車１４１、１４２の回転を制限し、該車両に動力を二つの該太陽歯車１５２の中心軸１５２２に分配させ、回転速度差の拡大を防止し、こうして差動、差動制限機能を達成する。

図１２は本発明の第４実施例を示し、この実施例の差動制限機能付き差動装置１０の構造はいずれも第１実施例と同じであり、差動歯車セット１４を利用し、交通工具の左右の輪軸の回転速度差が所定回転速度差を上回った時、該伝動装置１５の回転速度差の拡大を制限することができ、それはパッシブ型差動制限機能付き差動装置（Ｐ−ＬＳＤ）に属する。本実施例では別に補助動力源２３（例えば油圧ポンプ）を増設し、アクティブ型差動制限機能付き差動装置（Ａ−ＬＳＤ）を形成し、能動的に該流体をこれら差動歯車セット１４に提供し、能動的に該流体の進入方向とその送油量を制御し、これにより該交通工具の左右車輪の回転速度を制御し、更に確実に差動、差動制限機能を制御する。

１０ 差動制限機能付き差動装置 １１ ケーシング
１１１ 収容空間 １２ 駆動盤
１２１ 中心孔 １２２ 収容孔
１２３ 貫通孔 １２４ 輪歯
１２２１、１２２２ 第１、第２収容孔 １３ 接合盤
１３１ 中心孔 １３２ 貫通孔
１３３ 孔 １３４ 斜歯盤
１３５ 係止面 １３３１ スクレーパブロック
１４ 差動歯車セット １４１、１４２ 第１、第２差動歯車
１４１１、１４２１ 第１、第２接合部 １５ 伝動装置
１５１ 遊星歯車セット １５１１、１５１２ 第１、第２遊星歯車
１５２ 太陽歯車 １５２１ 内歯
１５２２ 中心軸 １６ 駆動歯車
１６１ 歯車軸 １７ 斜歯車
１７１ 軸体 １８ 連動スリーブ
１８１ 外スリーブ １８２ スプロケット
２１ 輪軸 ２３ 補助動力源

Claims (13)

1. 交通工具に応用されて該交通工具により駆動される差動制限機能付き差動装置において、
   ケーシングであって、流体を収容する収容空間が内部に形成された、上記ケーシングと、
   駆動盤であって、該収容空間内に設置され且つ一部が該流体中に浸され、複数対の収容孔が開設され、各対の該収容孔は第１収容孔と第２収容孔が並列して構成され、該第１収容孔と該第２収容孔は一部が重畳して連通状態を呈する、上記駆動盤と、
   二つの接合盤であって、それぞれ該駆動盤の二側に接合され、各接合盤にこれら第１、第２収容孔にそれぞれ対応する貫通孔が設けられた、上記二つの接合盤と、
   複数の差動歯車セットであって、該駆動盤に取付けられ、各該差動歯車セットは該第１、第２収容孔にそれぞれ挿入された第１、第２差動歯車を包含し、該第１、第２差動歯車は相互に噛み合い、該流体がこれら収容孔、これら貫通孔を通り該第１、第２差動歯車の噛み合いの間隙に進入する、上記複数の差動歯車セットと、
   伝動装置であって、これら差動歯車セットと同期動作し、該伝動装置はこれら接合盤外側に設けられた二つの遊星歯車セットと、これら遊星歯車セットと噛み合う太陽歯車とを包含し、この二つの遊星歯車セットはそれぞれ第１、第２遊星歯車で構成され、該第１、第２差動歯車は該二つの接合盤の貫通孔、収容孔に挿入されて該第１、第２遊星歯車に接合され、該太陽歯車に中心軸が設けられ、該中心軸の一端が該接合盤の中心孔に挿入されて該駆動盤の中心孔中に挿入され、別端は該交通工具の二側の輪軸に取付けられ、これら差動歯車セット及びこれら遊星歯車セットが該交通工具に駆動されて順番に該流体中に浸され、且つ該交通工具がカーブを曲がる時に発生する左右の車輪の回転速度差が所定の回転速度差を越えると、少なくとも一つの差動歯車セットが背圧抵抗を形成して該流体の該間隙の通過を阻止し、該第１、第２差動歯車の相対回転不能とする、上記伝動装置と、
   を包含したことを特徴とする、差動制限機能付き差動装置。
2. 請求項１記載の差動制限機能付き差動装置において、該駆動盤の中央に中心孔が開設されてこれら収容孔が該駆動盤の該中心孔を囲むように配され、各該接合盤に該接合盤の貫通孔間に配置されて且つ該駆動盤の該中心孔に対応する中心孔が設けられ、各該太陽歯車の中心軸の一端が該接合盤の中心孔を通りが駆動盤の中心孔中に位置決めされることを特徴とする、差動制限機能付き差動装置。
3. 請求項１記載の差動制限機能付き差動装置において、該第１差動歯車の一端より第１接合部が延伸され、該第２差動歯車において、該第１差動歯車の該第１接合部と反対の方向に第２接合部が延伸され、該第１、第２接合部が該二つの接合盤の貫通孔に挿通されて該第１、第２遊星歯車と噛み合うことを特徴とする、差動制限機能付き差動装置。
4. 請求項１記載の差動制限機能付き差動装置において、該第１、第２遊星歯車が該第１、第２差動歯車と一体成形されたことを特徴とする、差動制限機能付き差動装置。
5. 請求項１記載の差動制限機能付き差動装置において、該太陽歯車が内歯歯車とされ、これら遊星歯車セットが該太陽歯車の内側に制限され且つ該太陽歯車と噛み合うことを特徴とする、差動制限機能付き差動装置。
6. 請求項１記載の差動制限機能付き差動装置において、別に該ケーシング内に置かれた駆動歯車を有し、該駆動歯車は該交通工具の動力を受けて駆動される歯車軸を有し、該駆動盤の周縁に該駆動歯車と噛み合う輪歯が設けられたことを特徴とする、差動制限機能付き差動装置。
7. 請求項６記載の差動制限機能付き差動装置において、該輪歯はこれら接合盤の周縁より突出することを特徴とする、差動制限機能付き差動装置。
8. 請求項１記載の差動制限機能付き差動装置において、そのうち一つの接合盤の外側より斜歯盤が延伸され、該ケーシング内に該斜歯盤と噛み合いそれを駆動する斜歯車が設けられ、該斜歯車は該交通工具の駆動を受けて回転することを特徴とする、差動制限機能付き差動装置。
9. 請求項１記載の差動制限機能付き差動装置において、該ケーシングはこれら接合盤に固着され、該ケーシングの二側に連動スリーブが固着され、該連動スリーブより該太陽歯車の中心孔と嵌合される外スリーブが延伸され、該外スリーブに該交通工具の動力を受けて駆動されるスプロケットが設けられたことを特徴とする、差動制限機能付き差動装置。
10. 請求項１記載の差動制限機能付き差動装置において、各対の該収容孔の左右二側それぞれに該駆動盤を貫通する貫通孔が設けられ、該貫通孔は二対の隣り合った収容孔に連通し、各該接合盤にもこれら貫通孔に対応し該流体の流通に供される孔が開設されたことを特徴とする、差動制限機能付き差動装置。
11. 請求項１０記載の差動制限機能付き差動装置において、各該接合盤の各該孔の外側に該接合盤の中心方向に向けて設置されたスクレーパブロックが設けられたことを特徴とする、差動制限機能付き差動装置。
12. 請求項１記載の差動制限機能付き差動装置において、各該接合盤の外側表面に係止面が凹設され、遠心力を利用して流体を導入したことを特徴とする、差動制限機能付き差動装置。
13. 請求項１記載の差動制限機能付き差動装置において、能動的に該流体をこれら差動歯車セットに提供するための補助動力源が設けられたことを特徴とする、差動制限機能付き差動装置。

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