JP2010053890A - 車両用差動装置及びその組立方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置組立時の部品収容作業数を削減して装置組立作業の簡素化を図ることができる車両用差動装置を提供する。
【解決手段】ピニオンギヤ5〜8をシャフト挿通孔500,600,700,800の内周面による摺動によって回転可能に支持するピニオンギヤ内周面支持部90,91,100,101を有する第1ピニオンギヤ支持部材9,10と、第1ピニオンギヤ支持部材の外周囲に配置され、かつデフケース2内に収容された第2ピニオンギヤ支持部材11〜14とを備え、第2ピニオンギヤ支持部材は、ピニオンギヤ5〜8をそれぞれ挿入するピニオンギヤ挿入孔110,120,130,140を有し、ピニオンギヤ挿入孔の内周面にピニオンギヤ5〜8をその外周面による摺動によって回転可能に支持するピニオンギヤ外周面支持部111,121,131,141が設けられている。
【選択図】図2
【解決手段】ピニオンギヤ5〜8をシャフト挿通孔500,600,700,800の内周面による摺動によって回転可能に支持するピニオンギヤ内周面支持部90,91,100,101を有する第1ピニオンギヤ支持部材9,10と、第1ピニオンギヤ支持部材の外周囲に配置され、かつデフケース2内に収容された第2ピニオンギヤ支持部材11〜14とを備え、第2ピニオンギヤ支持部材は、ピニオンギヤ5〜8をそれぞれ挿入するピニオンギヤ挿入孔110,120,130,140を有し、ピニオンギヤ挿入孔の内周面にピニオンギヤ5〜8をその外周面による摺動によって回転可能に支持するピニオンギヤ外周面支持部111,121,131,141が設けられている。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両用差動装置に関し、特にドライブ側から回転駆動力を受けるピニオンギヤ、及びピニオンギヤにギヤ軸を直交させて噛合するサイドギヤを備えた車両用差動装置及びその組立方法に関する。
従来の車両用差動装置として、エンジントルクを受けて回転するデフケースと、このデフケースの回転軸線に沿って互いに並列する1対のサイドギヤと、これら1対のサイドギヤに噛合する1対のピニオンギヤと、これら1対のピニオンギヤを支持するピニオンギヤシャフトとを備えたものがある(例えば特許文献1)。
デフケースには、1対のサイドギヤ及び1対のピニオンギヤを収容する収容空間が設けられている。また、デフケースには、ピニオンギヤシャフトが挿入される1対のシャフト挿入孔、及びこのシャフト挿入孔の軸線と直交する方向に開口する1対の車軸挿通孔が設けられている。
1対のサイドギヤは、ボス部及びギヤ部を有する無底筒状の傘歯車からなり、デフケースの回転軸線に沿って移動可能に配置され、かつボス部をそれぞれ車軸挿通孔内に臨ませてデフケース内に回転自在に支持されている。1対のサイドギヤ内には、左右の車軸がそれぞれ車軸挿通孔を挿通してスプライン嵌合されている。
1対のピニオンギヤは、無底筒状の傘歯車からなり、ピニオンギヤシャフトの両端部にそれぞれ回転自在に支持されている。1対のピニオンギヤの軸心部には、ピニオンギヤシャフトを挿通させるシャフト挿通孔が設けられている。
ピニオンギヤシャフトは、1対のサイドギヤ間に介在してデフケース内に収容され、かつシャフト挿入孔内に挿入して支持されている。そして、ピンによってシャフト挿入孔の軸線方向に抜け止めされている。
以上の構成により、車両のエンジン側からのトルクがドライブピニオン及びリングギヤを介してデフケースに入力されると、デフケースがその回転軸線の回りに回転される。次に、デフケースが回転されると、この回転力がピニオンギヤシャフトを介して1対のピニオンギヤに伝達され、さらに1対のピニオンギヤから1対のサイドギヤに伝達される。この場合、1対のサイドギヤにはそれぞれ車軸がスプライン嵌合によって連結されているため、エンジン側からのトルクが車両の運転状況に応じて分配され、ドライブピニオン,リングギヤ,デフケース,ピニオンギヤシャフト,1対のピニオンギヤ及び1対のサイドギヤを介して左右の車軸に伝達される。
この場合、1対のピニオンギヤが回転すると、ピニオンギヤシャフトの両端部の支持面で摺動するため、これら各支持面と各ピニオンギヤとの間に摩擦抵抗を発生し、これら摩擦抵抗によって1対のサイドギヤの差動回転が制限される。また、1対のピニオンギヤの回転によって1対のサイドギヤとの噛み合い面でスラスト力が発生し、これらスラスト力により1対のサイドギヤが互いに離間する方向に移動して各車軸挿通孔の内側開口周縁に圧接するため、1対のサイドギヤと1対の車軸挿通孔の内側開口周縁との間に摩擦抵抗を発生し、これら摩擦抵抗によっても1対のサイドギヤの差動回転が制限される。
ところで、この種の車両用差動装置の組み立ては、1対のサイドギヤのうち一方のサイドギヤをデフケース内に収容し、次いで予めデフケース内に収容された1対のピニオンギヤにピニオンギヤシャフトを挿通させてデフケース内に収容支持し、しかる後ピニオンギヤシャフトをピンで抜け止めしてから、1対のサイドギヤのうち他方のサイドギヤをデフケース内に収容することにより行われる。
また、1対のサイドギヤ間の差動制限力を高めるべく、ピニオンギヤの外周面がデフケースに形成されたピニオン挿通穴の内周面と摺動するように構成した車両用差動装置が知られている(例えば特許文献2)。
特開2000−297856号公報
実開平4−132245号公報
しかしながら、従来の車両用差動装置においては、その組立時にデフケースに対する1対のピニオンギヤ及びピニオンギヤシャフトの各収容作業が別個に行われるため、部品の収容作業数が嵩み、組立作業を煩雑にするという問題があった。このことは、ピニオンギヤの個数が増加するほど顕著である。特に、特許文献2に記載された構成の差動制限装置においてピニオンギヤの個数を3個以上(例えば4個)としてピニオンギヤ1個あたりの負荷を低減し、装置を小型化しようとすると、ピニオンシャフトをデフケース内に交叉させなければならなくなり、その組み付けは極めて困難であった。
従って、本発明の目的は、装置組立時の部品収容作業数を削減することができ、もって装置組立作業の簡素化を図ることができる車両用差動装置及びその組立方法を提供することにある。
(1)本発明は、上記目的を達成するために、駆動源の駆動力によって回転するデフケースと、前記デフケース内に回転可能に収容された1対のサイドギヤと、前記1対のサイドギヤにギヤ軸を直交させて噛合し、軸心部に第1挿入孔が設けられた複数のピニオンギヤと、前記複数のピニオンギヤを前記第1挿入孔の内周面による摺動によって回転可能に支持する複数のピニオンギヤ内周面支持部を有する第1ピニオンギヤ支持部材と、前記第1ピニオンギヤ支持部材の外周囲に配置され、かつ前記デフケース内に収容された複数の第2ピニオンギヤ支持部材とを備え、前記複数の第2ピニオンギヤ支持部材は、前記複数のピニオンギヤをそれぞれ挿入する第2挿入孔を有し、前記第2挿入孔の内周面に前記複数のピニオンギヤをその外周面による摺動によって回転可能に支持するピニオンギヤ外周面支持部が設けられていることを特徴とする車両用差動装置を提供する。
(2)本発明は、上記目的を達成するために、駆動源の駆動力によって回転するデフケースと、前記デフケース内に回転可能に収容された1対のサイドギヤと、前記1対のサイドギヤにギヤ軸を直交させて噛合し、軸心部に第1挿入孔が設けられた複数のピニオンギヤと、前記複数のピニオンギヤを前記第1挿入孔の内周面による摺動によって回転可能に支持する複数のピニオンギヤ内周面支持部を有する第1ピニオンギヤ支持部材と、前記第1ピニオンギヤ支持部材の外周囲に配置され、かつ前記デフケース内に収容された複数の第2ピニオンギヤ支持部材とを備え、前記複数の第2ピニオンギヤ支持部材は、前記複数のピニオンギヤをそれぞれ挿入する第2挿入孔を有し、前記第2挿入孔の内周面に前記複数のピニオンギヤをその外周面による摺動によって回転可能に支持するピニオンギヤ外周面支持部が設けられている車両用差動装置を組み立てる方法であって、前記1対のサイドギヤのうち一方のサイドギヤを前記デフケース内に収容する第1ステップと、前記第1ピニオンギヤ支持部材に前記複数のピニオンギヤ及び前記複数の第2ピニオンギヤ支持部材を組み付けることにより予め形成されたギヤ・支持部材組付体を前記デフケース内に収容し、前記一方のサイドギヤに前記複数のピニオンギヤを噛み合わせる第2ステップと、前記1対サイドギヤのうち他方のサイドギヤを前記デフケース内に収容して前記複数のピニオンギヤに噛み合わせる第3ステップとを備えたことを特徴とする車両用差動装置の組立方法を提供する。
本発明によると、装置組立時の部品収容作業数を削減することができ、装置組立作業の簡素化を図ることができる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために一部を破断して示す斜視図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置をデフケースの回転軸線と平行に切断して示す断面図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置をデフケースの回転軸線と直角に切断して示す断面図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために一部を破断して示す斜視図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置をデフケースの回転軸線と平行に切断して示す断面図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置をデフケースの回転軸線と直角に切断して示す断面図である。
(車両用差動装置の全体構成)
図1〜図3において、符号1で示す車両用差動装置は、エンジントルクを受けて回転するデフケース2と、このデフケース2の回転軸線O上で互いに並列する1対のサイドギヤ3,4と、これら1対のサイドギヤ3,4にギヤ軸を直交させて噛合する2対のピニオンギヤ5〜8と、これら2対のピニオンギヤ5〜8をその内周囲で回転可能に支持する1対の第1ピニオンギヤ支持部材9,10と、これら1対の第1ピニオンギヤ支持部材7,8の外周囲でピニオンギヤ5〜8を回転可能に支持する2対の第2ピニオンギヤ支持部材11〜14とから大略構成されている。
図1〜図3において、符号1で示す車両用差動装置は、エンジントルクを受けて回転するデフケース2と、このデフケース2の回転軸線O上で互いに並列する1対のサイドギヤ3,4と、これら1対のサイドギヤ3,4にギヤ軸を直交させて噛合する2対のピニオンギヤ5〜8と、これら2対のピニオンギヤ5〜8をその内周囲で回転可能に支持する1対の第1ピニオンギヤ支持部材9,10と、これら1対の第1ピニオンギヤ支持部材7,8の外周囲でピニオンギヤ5〜8を回転可能に支持する2対の第2ピニオンギヤ支持部材11〜14とから大略構成されている。
(デフケース2の構成)
デフケース2は、図1及び図2に示すように、全体が回転軸線Oに沿って並列するケース本体2A及びケース蓋体2Bからなる2ピースの部材によって形成されている。
デフケース2は、図1及び図2に示すように、全体が回転軸線Oに沿って並列するケース本体2A及びケース蓋体2Bからなる2ピースの部材によって形成されている。
ケース本体2Aは、図2に示すように、一方側で開口する部品挿入口20A、及び他方側で開口する車軸挿通孔21Aを有し、全体がサイドギヤ3,4及びピニオンギヤ5〜8・第1ピニオンギヤ支持部材9,10・第2ピニオンギヤ支持部材11〜14を内部に収容する中空構造体によって形成されている。
ケース本体2Aには、回転軸線Oと直交する方向(部品収納側)及び回転軸線Oに平行する方向(ケース蓋体側)に開口し、かつ第2ピニオンギヤ支持部材11〜14を部品挿入口側の始端位置からピニオンギヤ収容位置側の終端位置(所定の位置)に案内する第2ピニオンギヤ支持部材用のガイド部22A〜25Aが設けられている。
ガイド部22A〜25Aは、略同一の構成であるため、例えばガイド部22Aのみについて説明する。なお、ガイド部23A〜25Aについては、各部位の符号をガイド部22Aの各部位の符号に対応して付し(例えば、ガイド部23Aの第1ガイド面及び第2ガイド面にはガイド部22Aの第1ガイド面220A,第2ガイド面221Aに対応して230A,231Aを付す。同様に、ガイド部24Aの第1ガイド面及び第2ガイド面には240A,241Aを、またガイド部25Aの第1ガイド面及び第2ガイド面には250A,251Aをそれぞれ付す。)、その説明は省略する。
ガイド部22Aは、所定の間隔をもって互いに対向する第1ガイド面220A,第2ガイド面221A、及びこれら第1ガイド面220A,第2ガイド面221Aに連接する第3ガイド面222Aからなる凹溝によって形成されている。
また、ケース本体2Aには、回転軸線Oと直交する方向(部品収納側)及び回転軸線Oに平行する方向(ケース蓋体側)に開口してガイド部22A〜25Aに連通し、かつ第1ピニオンギヤ支持部材9,10を部品挿入口側の始端位置からピニオンギヤ収容位置側の終端位置(所定の位置)に案内する第1ピニオンギヤ支持部材用のガイド部26A〜29Aが設けられている。
ガイド部26A〜29Aは、略同一の構成であるため、例えばガイド部26Aのみについて説明する。なお、ガイド部27A〜29Aについては、各部位の符号をガイド部26Aの各部位の符号に対応して付し(例えば、ガイド部27Aの第1ガイド面及び第2ガイド面にはガイド部26Aの第1ガイド面260A,第2ガイド面261Aに対応して270A,271Aを付す。同様に、ガイド部28Aの第1ガイド面及び第2ガイド面には280A,281Aを、またガイド部29Aの第1ガイド面及び第2ガイド面には290A,291Aをそれぞれ付す。)、その説明は省略する。
ガイド部26Aは、ガイド部22Aの第3ガイド面222Aに開口し、かつ所定の間隔をもって互いに対向する第1ガイド面260A,第2ガイド面261A、及びこれら第1ガイド面260A,第2ガイド面261Aに連接する第3ガイド面262Aからなる凹溝によって形成されている。
ケース本体2Aの左方車軸側には、図1〜図3に示すように、回転軸線Oと直交する平面内で円周方向に沿う円環状のリングギヤ取付用フランジ15が一体に設けられている。
部品挿入口20Aは、図2に示すように、ケース本体2Aの内外に回転軸線Oに沿って開口する貫通孔によって形成されている。そして、ケース本体2A内にサイドギヤ3,4及びピニオンギヤ5〜8・第1ピニオンギヤ支持部材9,10・第2ピニオンギヤ支持部材11〜14を挿入し得るように構成されている。
車軸挿通孔21Aは、図2に示すように、ケース本体2Aの内外に回転軸線Oに沿って開口する貫通孔によって形成されている。車軸挿通孔21Aには右方の車軸(図示せず)が挿通されている。車軸挿通孔21Aの内側開口周縁には、1対のサイドギヤ3,4のうち右方のサイドギヤ4の背面を受けるサイドギヤ受部210Aが設けられている。サイドギヤ受部210Aとサイドギヤ4の背面との間にはスラストワッシャ16が介装されている。
一方、ケース蓋体2Bは、図2に示すように、車軸挿通孔20Bを有し、ケース本体2Aの部品挿入口側に装着され、全体が部品挿入口20Aを閉塞するキャップによって形成されている。
ケース蓋体2Bの右方車軸側には、図1〜図3に示すように、ケース本体2Aのリングギヤ取付用フランジ15に対向するリング取付用フランジ17が一体に設けられている。
車軸挿通孔20Bは、図2に示すように、ケース蓋体2Bを回転軸線Oに沿って貫通する貫通孔によって形成されている。車軸挿通孔20Bには左方の車軸(図示せず)が挿通されている。車軸挿通孔20Bの内側開口周縁には、1対のサイドギヤ3,4のうち左方のサイドギヤ3の背面を受けるサイドギヤ受部200Bが設けられている。サイドギヤ受部200Bとサイドギヤ3の背面との間にスラストワッシャ18が介装されている。
(サイドギヤ3,4の構成)
サイドギヤ3,4は、図1及び図2に示すように、各外径が互いに異なるボス部30,40及びギヤ部31,41を有する略環状の歯車(ピニオンギヤ5〜8の外径より大きい外径を有し、単一の歯先円錐角をもつ傘歯車)からなり、デフケース2内に回転自在に支持され、ピニオンギヤ5〜8に噛合するように構成されている。
サイドギヤ3,4は、図1及び図2に示すように、各外径が互いに異なるボス部30,40及びギヤ部31,41を有する略環状の歯車(ピニオンギヤ5〜8の外径より大きい外径を有し、単一の歯先円錐角をもつ傘歯車)からなり、デフケース2内に回転自在に支持され、ピニオンギヤ5〜8に噛合するように構成されている。
サイドギヤ3,4の背面には、サイドギヤ受部210A,200Bにスラストワッシャ16,18を介して適合する摺動部32,42が設けられている。サイドギヤ3,4内には、それぞれ左右の車軸(図示せず)が車軸挿通孔21A,20Bを挿通してスプライン嵌合されている。
(ピニオンギヤ5〜8の構成)
ピニオンギヤ5〜8は、略同一の構成であるため、例えばピニオンギヤ5のみについて説明する。なお、ピニオンギヤ6〜8については、各部位の符号をピニオンギヤ5の各部位の符号に対応して付し(例えば、ピニオンギヤ6のギヤ胴部及びギヤ鍔部にはピニオンギヤ5のギヤ胴部50及びギヤ鍔部51に対応して60,61を付す。同様に、ピニオンギヤ7のギヤ胴部及びギヤ鍔部には70,71を、またピニオンギヤ8のギヤ胴部及びギヤ鍔部には80,81をそれぞれ付す。)、その説明は省略する。
ピニオンギヤ5〜8は、略同一の構成であるため、例えばピニオンギヤ5のみについて説明する。なお、ピニオンギヤ6〜8については、各部位の符号をピニオンギヤ5の各部位の符号に対応して付し(例えば、ピニオンギヤ6のギヤ胴部及びギヤ鍔部にはピニオンギヤ5のギヤ胴部50及びギヤ鍔部51に対応して60,61を付す。同様に、ピニオンギヤ7のギヤ胴部及びギヤ鍔部には70,71を、またピニオンギヤ8のギヤ胴部及びギヤ鍔部には80,81をそれぞれ付す。)、その説明は省略する。
ピニオンギヤ5は、図2及び図3に示すように、中心軸線をギヤ軸線C(図2に示す)とするギヤ胴部50、このギヤ胴部50の外側に突出するギヤ鍔部51、及びこれらギヤ胴部50,ギヤ鍔部51のサイドギヤ側に位置するギヤ部52(サイドギヤ3,4との噛み合い部)を有する無底筒状の傘歯車からなり、第1ピニオンギヤ支持部材9のピニオンギヤ内周面支持部90及び第2ピニオンギヤ支持部材11(ピニオンギヤ挿入孔110)のピニオンギヤ外周面支持部111(後述)に回転自在に支持されている。
ギヤ胴部50は、図2及び図3に示すように、その軸心部(中心軸線を含む部位)に第1ピニオンギヤ支持部材9を挿通させるシャフト挿通孔500を有し、全体が略円環状の第1ギヤ胴部501及び略截頭円錐形状の第2ギヤ胴部502からなる無底円筒体によって形成されている。
シャフト挿通孔500は、図2及び図3に示すように、各内径が互いに異なる大中小3つの内面を有する丸孔によって形成されている。
シャフト挿通孔500の内面のうち内径の最も小さい内面は、ピニオンギヤ5のギヤ先端面側に位置し、かつ第1ピニオンギヤ支持部材9の外周面(後述するピニオンギヤ内周面支持部900)を摺動する第1摺動面5000で形成されている。
シャフト挿通孔500の内面のうち内径の最も大きい内面は、ピニオンギヤ5のギヤ背面側に位置し、かつ第1ピニオンギヤ支持部材9の外周面を摺動しない第1非摺動面5001で形成されている。第1非摺動面5001の内径は、シャフト挿通孔500の軸線方向中間部側からギヤ背面部側に向かって漸次大きくなる寸法に設定されている。
シャフト挿通孔500の内面のうち内径が最大径と最小径との間の中間径である内面は、第1摺動面5000と第1非摺動面5001との間に介在し、かつ第1ピニオンギヤ支持部材9の外周面を摺動しない第2非摺動面5002で形成されている。
第1ギヤ胴部501は、ギヤ胴部50のギヤ背面側に配置されている。第1ギヤ胴部501の外周面は、第2ピニオンギヤ支持部材11の内周面(ピニオンギヤ外周面支持部111)を摺動する第2摺動面5010で形成されている。
ここで、「ギヤ背面」とは、ピニオンギヤ5のギヤ軸線方向両端面のうちデフケース2の回転軸線Oから遠い位置に配置される端面のことをいう。
第2ギヤ胴部502は、ギヤ胴部50のギヤ先端面側(ギヤ胴部50の軸線方向においてギヤ背面側とは反対の側)に配置されている。第2ギヤ胴部502の外周面には、ギヤ部52の歯元がギヤ鍔部51のギヤ先端面側に跨って配置されている。
ギヤ鍔部51は、図2及び図3に示すように、第1ギヤ胴部501の外周面に全周にわたって一体に設けられ、全体が円環体によって形成されている。ギヤ鍔部51の背面は、第2ピニオンギヤ支持部材11のピニオンギヤ側端面(後述するピニオンギヤ背面支持部113)を摺動する第3摺動面510で形成されている。
ギヤ部52は、図2及び図3に示すように、デフケース2に対する被支持部としての摺動部を含まず、ギヤ鍔部51よりもデフケース2の回転軸線Oに近い位置に配置されている。
(第1ピニオンギヤ支持部材9,10の構成)
一方の第1ピニオンギヤ支持部材9は、図2及び図3に示すように、回転軸線Oと直交する位置でデフケース2に相対回転不能に配置され、かつピニオンギヤ5,6のシャフト挿通孔500,600に挿通されている。
一方の第1ピニオンギヤ支持部材9は、図2及び図3に示すように、回転軸線Oと直交する位置でデフケース2に相対回転不能に配置され、かつピニオンギヤ5,6のシャフト挿通孔500,600に挿通されている。
第1ピニオンギヤ支持部材9の両端部には、シャフト挿通孔500,600の第1摺動面5000,6000による摺動によってピニオンギヤ5,6を回転可能に支持するピニオンギヤ内周面支持部90,91が設けられている。また、第1ピニオンギヤ支持部材9の両端部には、その端面にそれぞれ突出し、かつガイド部26,27に嵌合する断面円形状の凸部92,93が一体に設けられている。
なお、本実施の形態では、第1ピニオンギヤ支持部材9の凸部92,93及び第1ピニオンギヤ支持部材10の凸部102,103の断面形状が円形である場合について説明したが、例えば矩形であってもよく、その形状は適宜変更することができる。
第1ピニオンギヤ支持部材9の中央部には、右サイドギヤ側及び径方向に開口し、かつ第1ピニオンギヤ支持部材10の中央部を一部収容する切り欠き94が設けられている。
他方の第1ピニオンギヤ支持部材10は、図2及び図3に示すように、第1ピニオンギヤ支持部材9及び回転軸線Oに直交する位置でデフケース2に相対回転不能に配置され、かつピニオンギヤ7,8のシャフト挿通孔700,800に挿通されている。
第1ピニオンギヤ支持部材10の両端部には、シャフト挿通孔700,800の第1摺動面7000,8000による摺動によってピニオンギヤ7,8を回転可能に支持するピニオンギヤ内周面支持部100,101が設けられている。また、第1ピニオンギヤ支持部材10の両端部には、その端面にそれぞれ突出し、かつガイド部28,29に嵌合する断面円形状の凸部102,103が一体に設けられている。
第1ピニオンギヤ支持部材10の中央部には、右サイドギヤ側及び径方向に開口し、かつ第1ピニオンギヤ支持部材9の中央部を一部収容する切り欠き104が設けられている。
切り欠き104は、その切り欠き面1040が第1ピニオンギヤ支持部材9の切り欠き94の切り欠き面940に対向する位置に配置されている。
(第2ピニオンギヤ支持部材11〜14の構成)
第2ピニオンギヤ支持部材11〜14は、略同一の構成であるため、例えば第2ピニオンギヤ支持部材11のみについて説明する。なお、第2ピニオンギヤ支持部材12〜14については、各部位の符号を第2ピニオンギヤ支持部材11の各部位の符号に対応して付し(例えば、第2ピニオンギヤ支持部材12の第2挿入孔及びピニオンギヤ外周面支持部には第1ピニオンギヤ部材11のピニオンギヤ挿入孔(第2挿入孔)110及びピニオンギヤ外周面支持部111に対応して120,121を付す。同様に、第2ピニオンギヤ支持部材13の第2挿入孔及びピニオンギヤ外周面支持部には130,131を、また第2ピニオンギヤ支持部材14の第2挿入孔及びピニオンギヤ外周面支持部には140,141をそれぞれ付す。)、その説明は省略する。
第2ピニオンギヤ支持部材11〜14は、略同一の構成であるため、例えば第2ピニオンギヤ支持部材11のみについて説明する。なお、第2ピニオンギヤ支持部材12〜14については、各部位の符号を第2ピニオンギヤ支持部材11の各部位の符号に対応して付し(例えば、第2ピニオンギヤ支持部材12の第2挿入孔及びピニオンギヤ外周面支持部には第1ピニオンギヤ部材11のピニオンギヤ挿入孔(第2挿入孔)110及びピニオンギヤ外周面支持部111に対応して120,121を付す。同様に、第2ピニオンギヤ支持部材13の第2挿入孔及びピニオンギヤ外周面支持部には130,131を、また第2ピニオンギヤ支持部材14の第2挿入孔及びピニオンギヤ外周面支持部には140,141をそれぞれ付す。)、その説明は省略する。
第2ピニオンギヤ支持部材11は、図2及び図3に示すように、ピニオンギヤ5〜8及び第1ピニオンギヤ支持部材9,10と共にギヤ・支持部材組付体100を構成し、デフケース2に相対回転不能に配置され、かつピニオンギヤ5の外周面(第1ギヤ胴部501)の第2摺動面5010とガイド部22Aの第1ガイド面220A,第2ガイド面221Aとの間に収容され、全体が平面矩形状のワッシャによって形成されている。
第2ピニオンギヤ支持部材11の中央部には、ピニオンギヤ5の一部を挿入する貫通孔からなるピニオンギヤ挿入孔110(図1に示す)が設けられている。ピニオンギヤ挿入孔110の内周面は、ピニオンギヤ5をその外周面(第2摺動面5010)による摺動によって回転可能に支持するピニオンギヤ外周面支持部111で形成されている。
第2ピニオンギヤ支持部材11の両側面には、ガイド部22Aの第1ガイド面220A及び第2ガイド面221Aにそれぞれ対向する回転規制面112,113が設けられている。これにより、第2ピニオンギヤ支持部材11のピニオンギヤ軸線回りの回転が規制される。
第2ピニオンギヤ支持部材11のピニオンギヤ側端面には、ピニオンギヤ挿入孔110のピニオンギヤ側開口周縁に位置し、かつピニオンギヤ5の背面(第3摺動面510)を摺動可能に支持するピニオンギヤ背面支持部113が設けられている。
〔車両用差動装置1の動作〕
車両のエンジン側からのトルクがドライブピニオン及びリングギヤを介してデフケース2に入力されると、デフケース2が回転軸線Oの回りに回転する。デフケース2が回転すると、この回転力が第1ピニオンギヤ支持部材9,10を介してピニオンギヤ5〜8に伝達され、さらにピニオンギヤ5〜8からサイドギヤ3,4に伝達される。この場合、左右のサイドギヤ3,4にはそれぞれ車軸(図示せず)がスプライン嵌合されているため、エンジン側からのトルクがドライブピニオン及びリングギヤ・第1ピニオンギヤ支持部材9,10・ピニオンギヤ5〜8・サイドギヤ3,4を介して左右の車軸に伝達される。
車両のエンジン側からのトルクがドライブピニオン及びリングギヤを介してデフケース2に入力されると、デフケース2が回転軸線Oの回りに回転する。デフケース2が回転すると、この回転力が第1ピニオンギヤ支持部材9,10を介してピニオンギヤ5〜8に伝達され、さらにピニオンギヤ5〜8からサイドギヤ3,4に伝達される。この場合、左右のサイドギヤ3,4にはそれぞれ車軸(図示せず)がスプライン嵌合されているため、エンジン側からのトルクがドライブピニオン及びリングギヤ・第1ピニオンギヤ支持部材9,10・ピニオンギヤ5〜8・サイドギヤ3,4を介して左右の車軸に伝達される。
ここで、車両が直進状態であり、左右各車輪と路面との間でスリップが発生しない場合には、エンジン側からのトルクがデフケース2に伝達されると、ピニオンギヤ5〜8がサイドギヤ3,4の中心軸線回りを自転することなく公転し、ピニオンギヤ5〜8及びサイドギヤ3,4・第1ピニオンギヤ支持部材9,10・第2ピニオンギヤ支持部材11〜14がデフケース2と共に一体に回転するため、エンジン側からのトルクが左右各車軸に等分に伝達され、左右各車輪が等しい回転数で回転する。
一方、例えば右側の車輪がぬかるみに落ち込んで路面との間でスリップが発生した場合には、ピニオンギヤ5〜8がサイドギヤ3,4と噛合しながら自転するため、エンジン側からのトルクが左右の車軸(車輪)間で差動分配され、左側の車輪がデフケース2の回転速度より低い速度で回転し、右側の車輪がデフケース2の回転速度より高い速度で回転する。
本実施の形態においては、デフケース2にエンジントルクが作用した状態でピニオンギヤ5〜8が自転すると、シャフト挿通孔500,600,700,800の第1摺動面5000,6000,7000,8000が第1ピニオンギヤ支持部材9,10のピニオンギヤ内周面支持部90,91,100,101で摺動するとともに、ピニオンギヤ5〜8の第2摺動面5010,6010,7010,8010が第2ピニオンギヤ支持部材11〜14のピニオンギヤ外周面支持部111,121,131,141を摺動する。
この際、第1摺動面5000,6000,7000,8000がピニオンギヤ内周面支持部90,91,100,101に、また第2摺動面5010,6010,7010,8010がピニオンギヤ外周面支持部111,121,131,141にそれぞれ圧接するため、第1摺動面5000,6000,7000,8000とピニオンギヤ内周面支持部90,91,100,101との間及び第2摺動面5010,6010,7010,8010とピニオンギヤ外周面支持部111,121,131,141との間に摩擦抵抗が発生し、これら摩擦抵抗によってサイドギヤ3,4の差動回転が制限され、左右各車輪と路面との間で発生するスリップが抑えられる。
また、本実施の形態においては、ピニオンギヤ5〜8の回転によってサイドギヤ3,4との噛み合い面で各々のギヤの回転軸方向のスラスト力が発生する。このスラスト力によってサイドギヤ3,4が互いに離間する方向に移動してその摺動部32,42がサイドギヤ受部210A,200Bにスラストワッシャ16,18を介して圧接するため、摺動部32,42とスラストワッシャ16,18との間に摩擦抵抗が発生し、これら摩擦抵抗によってもサイドギヤ3,4の差動回転が制限される。さらに、ピニオンギヤ5〜8に発生するスラスト力によってピニオンギヤ5〜8の第3摺動510,610,710,810が第2ピニオンギヤ支持部材11〜14のピニオンギヤ背面支持部113,123,133,143に圧接するため、ピニオンギヤ5〜8の自転による摩擦抵抗が発生し、これによってもサイドギヤ3,4の差動回転が制限される。
次に、本実施の形態に示す車両用差動装置1の組立方法につき、図4を用いて説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置の組立方法を説明するために示すフローチャートである。
本実施の形態に示す車両用差動装置1の組立方法は、「一方のサイドギヤの組み込み(第1ステップ)」及び「一方のサイドギヤとピニオンギヤとの噛み合わせ(第2ステップ)」・「他方のサイドギヤとピニオンギヤとの噛み合わせ(第3ステップ)」・「デフケースの形成」の各工程が順次実施されるため、これら各工程を順次説明する。
「一方のサイドギヤの組み込み」
予めスラストワッシャ16にボス部40を挿通させたサイドギヤ4をケース本体2A内に部品挿入口20Aから挿入して所定の位置に収容する。この場合、サイドギヤ4は、ケース本体2Aにおける所定の位置に収容されると、その摺動部42がケース本体2Aのサイドギヤ受部210Aにスラストワッシャ16を介して当接した状態でケース本体2A内に組み込まれる(図4のステップS1)。
予めスラストワッシャ16にボス部40を挿通させたサイドギヤ4をケース本体2A内に部品挿入口20Aから挿入して所定の位置に収容する。この場合、サイドギヤ4は、ケース本体2Aにおける所定の位置に収容されると、その摺動部42がケース本体2Aのサイドギヤ受部210Aにスラストワッシャ16を介して当接した状態でケース本体2A内に組み込まれる(図4のステップS1)。
「一方のサイドギヤとピニオンギヤとの噛み合わせ」
予め、第1ピニオンギヤ支持部材9,10にピニオンギヤ5〜8及び第2ピニオンギヤ支持部材11〜14を組み付けることによりギヤ・支持部材組付体100を形成する。この際、ギヤ・支持部材組付体100の形成は、第2ピニオンギヤ支持部材11〜14のピニオンギヤ挿入孔110,120,130,140内にピニオンギヤ5〜8(ギヤ胴部50,60,70,80)の第1ギヤ胴部501,601,701,801を挿入するとともに、ピニオンギヤ5〜8のシャフト挿通孔500,600,700,800に第1ピニオンギヤ支持部材9,10を挿通させることにより行う。
予め、第1ピニオンギヤ支持部材9,10にピニオンギヤ5〜8及び第2ピニオンギヤ支持部材11〜14を組み付けることによりギヤ・支持部材組付体100を形成する。この際、ギヤ・支持部材組付体100の形成は、第2ピニオンギヤ支持部材11〜14のピニオンギヤ挿入孔110,120,130,140内にピニオンギヤ5〜8(ギヤ胴部50,60,70,80)の第1ギヤ胴部501,601,701,801を挿入するとともに、ピニオンギヤ5〜8のシャフト挿通孔500,600,700,800に第1ピニオンギヤ支持部材9,10を挿通させることにより行う。
次いで、ケース本体2Aのガイド部26A〜29A内に第1ピニオンギヤ支持部材9,10の両端部を挿入するとともに、ケース本体2Aのガイド部22A〜25A内に第2ピニオンギヤ支持部材11〜14を挿入し、さらにガイド部26A〜29A及びガイド部22A〜25Aの各始端位置から各終端位置(所定の位置)に向かって案内することにより、ケース本体2A内に部品挿入口20Aからギヤ・支持部材組付体100を挿入する。
しかる後、ケース本体2A内における所定の位置にギヤ・支持部材組付体100を収容配置し、ピニオンギヤ5〜8をサイドギヤ3に噛み合わせる(図4のステップS2)。
「他方のサイドギヤとピニオンギヤとの噛み合わせ」
予めスラストワッシャ18にボス部30を挿通させたサイドギヤ3をケース本体2A内に部品挿入口20Aから挿入して所定の位置に収容配置する。サイドギヤ3がケース本体2Aにおける所定の収容配置されると、ピニオンギヤ5〜8に噛み合わされる(図4のステップS3)。
予めスラストワッシャ18にボス部30を挿通させたサイドギヤ3をケース本体2A内に部品挿入口20Aから挿入して所定の位置に収容配置する。サイドギヤ3がケース本体2Aにおける所定の収容配置されると、ピニオンギヤ5〜8に噛み合わされる(図4のステップS3)。
「デフケースの形成」
ケース本体2Aの部品挿入口側に部品挿入口20Aを閉塞してケース蓋体2Bを装着する。この場合、ケース蓋体2Bがケース本体2Aに装着されると、サイドギヤ3の摺動部32がケース蓋体2Bのサイドギヤ受部200Bにスラストワッシャ18を介して当接した状態でデフケース2が形成される(図4のステップS4)。
ケース本体2Aの部品挿入口側に部品挿入口20Aを閉塞してケース蓋体2Bを装着する。この場合、ケース蓋体2Bがケース本体2Aに装着されると、サイドギヤ3の摺動部32がケース蓋体2Bのサイドギヤ受部200Bにスラストワッシャ18を介して当接した状態でデフケース2が形成される(図4のステップS4)。
[第1の実施の形態の効果]
以上説明した第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
以上説明した第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
装置組立時にデフケース2内にギヤ・支持部材組付体100を収容することにより、ピニオンギヤ5〜8及び第1ピニオンギヤ支持部材9,10・第2ピニオンギヤ支持部材11〜14の収容作業を一挙に行うことができる。これにより、部品の収容作業数を削減することができるため、組立作業の簡素化を図ることができ、ピニオンギヤの個数が3個以上である場合の装置組み立てに実施してきわめて有効である。
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために一部を破断して示す斜視図である。図6は、本発明の第2の実施の形態に係る車両用差動装置をデフケースの回転軸線と平行に切断して示す断面図である。図6は、本発明の第2の実施の形態に係る車両用差動装置をデフケースの回転軸線と直角に切断して示す断面図である。図5〜図7において、図1〜図3と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために一部を破断して示す斜視図である。図6は、本発明の第2の実施の形態に係る車両用差動装置をデフケースの回転軸線と平行に切断して示す断面図である。図6は、本発明の第2の実施の形態に係る車両用差動装置をデフケースの回転軸線と直角に切断して示す断面図である。図5〜図7において、図1〜図3と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図5〜図7に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る車両用差動装置20は、ケース本体2Aに支持されてない第1ピニオンギヤ支持部材21を備えた点に特徴がある。
このため、第1ピニオンギヤ支持部材21は、基部210及び軸部211〜214を有し、ケース本体2A内に収容され、全体が十字状のピース部材によって形成されている。
基部210は、デフケース2の回転軸線O上に配置され、全体が略六面体からなるブロック体によって形成されている。
軸部211〜214は、デフケース2の回転軸線Oの回りに等間隔(90°)をもって並設されている。これら軸部211〜214は、略同一の構成であるため、例えば軸部211のみについて説明する。なお、軸部212〜214については、各部位の符号を軸部211の各部位の符号に対応して付し(例えば、軸部212のピニオンギヤ内周面支持部には軸部211のピニオンギヤ内周面支持部2110,2111に対応して2120,2121を付す。同様に、軸部213のピニオンギヤ内周面支持部には2130,2131を、軸部214のピニオンギヤ内周面支持部には2140,2141を付す)、その説明は省略する。
軸部211は、基部210に一体に設けられ、全体が断面円形状の段付きシャフトによって形成されている。そして、ピニオンギヤ5(ギヤ胴部50)のシャフト挿通孔500内に挿入するように構成されている。
軸部211には、ピニオンギヤ5をシャフト挿通孔500の内周面による摺動によって回転可能に支持するピニオンギヤ内周面支持部2110,2111が設けられている。
シャフト挿通孔500,600,700,800は、略同一の構成であるため、例えばシャフト挿通孔500のみについて説明する。なお、シャフト挿通孔600,700,800については、各部位の符号をシャフト挿通孔500の各部位の符号に対応して付し(例えば、シャフト挿通孔600の第1摺動面及び第4摺動面にはシャフト挿通孔500の第1摺動面5000及び第4摺動面5003に対応して6000,6003を付す。同様に、シャフト挿通孔700の第1摺動面及び第4摺動面には7000,7003を、またシャフト挿通孔800の第1摺動面及び第4摺動面には8000,8003をそれぞれ付す。)、その説明は省略する。
シャフト挿通孔500は、各内径が互いに異なる大小2つの内面を有する丸孔によって形成されている。シャフト挿通孔500の内面のうち内径の小さい内面は、内径の大きい他の内面を介して連接し、かつ第1ピニオンギヤ支持部材21の軸部211のピニオンギヤ内周面支持部2110,2111をそれぞれ摺動する第1摺動面5000と第4摺動面5003とで形成されている。
一方、シャフト挿通孔500の内面のうち内径の大きい内面は、第1摺動面5000と第4摺動面5001との間に介在して配置され、第1ピニオンギヤ支持部材21の軸部211のピニオンギヤ内周面支持部2110,2111を摺動しない非摺動面5004で形成されている。
〔車両用差動装置1の動作〕
車両のエンジン側からのトルクがドライブピニオン及びリングギヤを介してデフケース2に入力されると、デフケース2が回転軸線Oの回りに回転する。デフケース2が回転すると、この回転力がピニオンギヤ5〜8に伝達され、さらにピニオンギヤ5〜8からサイドギヤ3,4に伝達される。この場合、左右のサイドギヤ3,4にはそれぞれ車軸(図示せず)がスプライン嵌合されているため、エンジン側からのトルクがドライブピニオン及びリングギヤ・ピニオンギヤ5〜8・サイドギヤ3,4を介して左右の車軸に伝達される。
車両のエンジン側からのトルクがドライブピニオン及びリングギヤを介してデフケース2に入力されると、デフケース2が回転軸線Oの回りに回転する。デフケース2が回転すると、この回転力がピニオンギヤ5〜8に伝達され、さらにピニオンギヤ5〜8からサイドギヤ3,4に伝達される。この場合、左右のサイドギヤ3,4にはそれぞれ車軸(図示せず)がスプライン嵌合されているため、エンジン側からのトルクがドライブピニオン及びリングギヤ・ピニオンギヤ5〜8・サイドギヤ3,4を介して左右の車軸に伝達される。
ここで、車両が直進状態であり、左右各車輪と路面との間でスリップが発生しない場合には、エンジン側からのトルクがデフケース2に伝達されると、ピニオンギヤ5〜8がサイドギヤ3,4の中心軸回りを自転することなく公転し、ピニオンギヤ5〜8及びサイドギヤ3,4・第1ピニオンギヤ支持部材21・第2ピニオンギヤ支持部材11〜14がデフケース2と共に一体に回転するため、エンジン側からのトルクが左右各車軸に等分に伝達され、左右各車輪が等しい回転数で回転する。
一方、例えば右側の車輪がぬかるみに落ち込んで路面との間でスリップが発生した場合には、ピニオンギヤ5〜8がサイドギヤ3,4と噛合しながら自転するため、エンジン側からのトルクが左右の車軸(車輪)間で差動分配され、左側の車輪がデフケース2の回転速度より低い速度で回転し、右側の車輪がデフケース2の回転速度より高い速度で回転する。この場合、エンジントルクがデフケース2を介して第1ピニオンギヤ支持部材21に伝達されず、ピニオンギヤ5〜8にのみ伝達されるため、エンジン側からデフケース2を介してピニオンギヤ5〜8に伝達されるエンジントルクの割合が高められる。
本実施の形態においては、デフケース2にエンジントルクが作用した状態でピニオンギヤ5〜8が自転すると、ピニオンギヤ5〜8(ギヤ胴部50,60,70,80)の第2摺動面5010,6010,7010,8010が第2ピニオンギヤ支持部材11〜14のピニオンギヤ外周面支持部111,121,131,141を摺動するとともに、シャフト挿通孔500,600,700,800の第1摺動面5000,6000,7000,8000が第1ピニオンギヤ支持部材21(軸部211〜214)のピニオンギヤ内周面支持部2110,2120,2130,2140で、シャフト挿通孔500,600,700,800の第4摺動面5003,6003,7003,8003が第1ピニオンギヤ支持部材21(軸部211〜214)のピニオンギヤ内周面支持部2111,2121,2131,2141を摺動する。
この際、第1摺動面5000,6000,7000,8000がピニオンギヤ内周面支持部2110,2120,2130,2140に、また第2摺動面5010,6010,7010,8010がピニオンギヤ外周面支持部111,121,131,141にそれぞれ圧接するため、第1摺動面5000,6000,7000,8000とピニオンギヤ内周面支持部2110,2120,2130,2140との間及び第2摺動面5010,6010,7010,8010とピニオンギヤ外周面支持部111,121,131,141との間に摩擦抵抗が発生し、これら摩擦抵抗によってサイドギヤ3,4の差動回転が制限され、左右各車輪と路面との間で発生するスリップが抑えられる。
また、本実施の形態においては、ピニオンギヤ5〜8の回転によってサイドギヤ3,4との噛み合い面で各々のギヤの回転軸方向のスラスト力が発生する。このスラスト力によってサイドギヤ3,4が互いに離間する方向に移動してその摺動部32,42がサイドギヤ受部210A,200Bにスラストワッシャ16,18を介して圧接するため、摺動部32,42とスラストワッシャ16,18との間に摩擦抵抗が発生し、これら摩擦抵抗によってもサイドギヤ3,4の差動回転が制限される。さらに、ピニオンギヤ5〜8に発生するスラスト力によってピニオンギヤ5〜8の第3摺動面510,610,710,810が第2ピニオンギヤ支持部材11〜14のピニオンギヤ背面支持部113,123,133,143に圧接するため、ピニオンギヤ5〜8の自転による摩擦抵抗が発生し、これによってもサイドギヤ3,4の差動回転が制限される。
次に、本実施の形態に示す車両用差動装置20の組立方法について説明する。本実施の形態に示す車両用差動装置20の組立方法は、第1の実施の形態に示す車両用差動装置1の組立方法と同様に「一方のサイドギヤの組み込み」及び「一方のサイドギヤとピニオンギヤとの噛み合わせ」・「他方のサイドギヤとピニオンギヤとの噛み合わせ」・「デフケースの形成」の各工程が順次実施されるが、「一方のサイドギヤの組み込み」及び「他方のサイドギヤとピニオンギヤとの噛み合わせ」・「デフケースの形成」の各工程が第1の実施の形態に示す「一方のサイドギヤの組み込み」及び「他方のサイドギヤとピニオンギヤとの噛み合わせ」・「デフケースの形成」の各工程と同様に実施されるため、その説明を省略する。
「一方のサイドギヤとピニオンギヤとの噛み合わせ」
予め、第1ピニオンギヤ支持部材21にピニオンギヤ5〜8及び第2ピニオンギヤ支持部材11〜14を組み付けることによりギヤ・支持部材組付体100を形成する。この際、ギヤ・支持部材組付体100の形成は、第2ピニオンギヤ支持部材11〜14のピニオンギヤ挿入孔110,120,130,140内にピニオンギヤ5〜8(ギヤ胴部50,60,70,80)の第1ギヤ胴部501,601,701,801を挿入するとともに、ピニオンギヤ5〜8のシャフト挿通孔500,600,700,800に第1ピニオンギヤ支持部材21の両端部を挿入することにより行う。
予め、第1ピニオンギヤ支持部材21にピニオンギヤ5〜8及び第2ピニオンギヤ支持部材11〜14を組み付けることによりギヤ・支持部材組付体100を形成する。この際、ギヤ・支持部材組付体100の形成は、第2ピニオンギヤ支持部材11〜14のピニオンギヤ挿入孔110,120,130,140内にピニオンギヤ5〜8(ギヤ胴部50,60,70,80)の第1ギヤ胴部501,601,701,801を挿入するとともに、ピニオンギヤ5〜8のシャフト挿通孔500,600,700,800に第1ピニオンギヤ支持部材21の両端部を挿入することにより行う。
次いで、ケース本体2Aのガイド部22A〜25A内に第2ピニオンギヤ支持部材11〜14を挿入し、さらにガイド部22A〜25Aの各始端位置から各終端位置(所定の位置)に向かって案内することにより、ケース本体2A内に部品挿入口20Aからギヤ・支持部材組付体100を挿入する。
しかる後、ケース本体2A内における所定の位置にギヤ・支持部材組付体100を収容配置し、ピニオンギヤ5〜8をサイドギヤ4に噛み合わせる。
[第2の実施の形態の効果]
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、次に示す効果が得られる。
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、次に示す効果が得られる。
駆動時にエンジントルクがデフケース2を介してピニオンギヤ5〜8に伝達されるため、駆動源からピニオンギヤ5〜8に伝達されるエンジントルクの割合を従来よりも(従来は60%)を高めることができ、トルクバイアス比(Torque Bias Ratio:TBR)を高い値に設定することができる。
以上、本発明の車両用差動装置を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
各実施の形態では、デフケース2がケース本体2A及びケース蓋体2Bからなる2ピースの部材によって形成されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、3個以上のケースエレメントによってデフケースを形成してもよい。この場合、デフケース内にギヤ・支持部材組付体を収容配置するために、デフケースがその回転軸線に沿って並列する3個以上のケースエレメントによって形成されている。
1…車両用差動装置
2…デフケース
2A…ケース本体、20A…部品挿入孔、21A…車軸挿通孔、210A…サイドギヤ受部、22A〜25A…ガイド部、220A,230A,240A,250A…第1ガイド面、221A,231A,241,251…第2ガイド面、222A,232A,242A,252A…第3ガイド面、26A〜29A…ガイド部、260A,270A,280A,290A…第1ガイド面、261A,271A,271A,281A…第2ガイド面、262A,272A,282A,292A…第3ガイド面
2B…ケース蓋体、20B…車軸挿通孔、200B…サイドギヤ受部
3,4…サイドギヤ、30,40…ボス部、31,41…ギヤ部、32,42…摺動部
5〜8…ピニオンギヤ、50,60,70,80…ギヤ胴部、500,600,700,800…シャフト挿通孔、5000,6000,7000,8000…第1摺動面、5001,6001,7001,8001…第1非摺動面、5002,6002,7002,8002…第2非摺動面、501,601,701,801…第1ギヤ胴部、5010,6010,7010,8010…第2摺動面、502,602,702,802…第2ギヤ胴部、51,61,71,81…ギヤ鍔部、510,610,710,810…第3摺動面、52,62,72,82…ギヤ部
9,10…第1ピニオンギヤ支持部材、90,91,100,101…ピニオンギヤ内周面支持部、92,93,102,103…凸部、94,95,104,105…切り欠き、940,950,1040,1050…切り欠き面
11〜14…第2ピニオンギヤ支持部材、110,120,130,140…ピニオンギヤ挿入孔、111,121,131,141…ピニオンギヤ外周面支持部、112,122,132,142…回転規制面、113,123,133,143…ピニオンギヤ背面支持部
20…車両用差動装置、21…第1ピニオンギヤ支持部材、210…基部、211〜214…軸部、2110,2111,2120,2121,2130,2131,2140,2141…ピニオンギヤ内周面支持部、5003,6003,7003,8003…第4摺動面、5004,6004,7004,8004…非摺動面
100…ギヤ・支持部材組付体
C…ギヤ軸線
O…回転軸線
2…デフケース
2A…ケース本体、20A…部品挿入孔、21A…車軸挿通孔、210A…サイドギヤ受部、22A〜25A…ガイド部、220A,230A,240A,250A…第1ガイド面、221A,231A,241,251…第2ガイド面、222A,232A,242A,252A…第3ガイド面、26A〜29A…ガイド部、260A,270A,280A,290A…第1ガイド面、261A,271A,271A,281A…第2ガイド面、262A,272A,282A,292A…第3ガイド面
2B…ケース蓋体、20B…車軸挿通孔、200B…サイドギヤ受部
3,4…サイドギヤ、30,40…ボス部、31,41…ギヤ部、32,42…摺動部
5〜8…ピニオンギヤ、50,60,70,80…ギヤ胴部、500,600,700,800…シャフト挿通孔、5000,6000,7000,8000…第1摺動面、5001,6001,7001,8001…第1非摺動面、5002,6002,7002,8002…第2非摺動面、501,601,701,801…第1ギヤ胴部、5010,6010,7010,8010…第2摺動面、502,602,702,802…第2ギヤ胴部、51,61,71,81…ギヤ鍔部、510,610,710,810…第3摺動面、52,62,72,82…ギヤ部
9,10…第1ピニオンギヤ支持部材、90,91,100,101…ピニオンギヤ内周面支持部、92,93,102,103…凸部、94,95,104,105…切り欠き、940,950,1040,1050…切り欠き面
11〜14…第2ピニオンギヤ支持部材、110,120,130,140…ピニオンギヤ挿入孔、111,121,131,141…ピニオンギヤ外周面支持部、112,122,132,142…回転規制面、113,123,133,143…ピニオンギヤ背面支持部
20…車両用差動装置、21…第1ピニオンギヤ支持部材、210…基部、211〜214…軸部、2110,2111,2120,2121,2130,2131,2140,2141…ピニオンギヤ内周面支持部、5003,6003,7003,8003…第4摺動面、5004,6004,7004,8004…非摺動面
100…ギヤ・支持部材組付体
C…ギヤ軸線
O…回転軸線
Claims (10)
- 駆動源の駆動力によって回転するデフケースと、
前記デフケース内に回転可能に収容された1対のサイドギヤと、
前記1対のサイドギヤにギヤ軸を直交させて噛合し、軸心部に第1挿入孔が設けられた複数のピニオンギヤと、
前記複数のピニオンギヤを前記第1挿入孔の内周面による摺動によって回転可能に支持する複数のピニオンギヤ内周面支持部を有する第1ピニオンギヤ支持部材と、
前記第1ピニオンギヤ支持部材の外周囲に配置され、かつ前記デフケース内に収容された複数の第2ピニオンギヤ支持部材とを備え、
前記複数の第2ピニオンギヤ支持部材は、前記複数のピニオンギヤをそれぞれ挿入する第2挿入孔を有し、前記第2挿入孔の内周面に前記複数のピニオンギヤをその外周面による摺動によって回転可能に支持するピニオンギヤ外周面支持部が設けられている
ことを特徴とする車両用差動装置。 - 前記デフケースは、その回転軸線に沿って並列する複数のケースエレメントによって形成されている請求項1に記載の車両用差動装置。
- 前記複数の第2ピニオンギヤ支持部材は、そのピニオンギヤ軸線回りの回転を規制するための回転規制面を有し、
前記デフケースは、前記回転規制面に対応し、かつ前記複数の第2ピニオンギヤ支持部材を所定の位置に案内するガイド面を有する請求項1に記載の車両用差動装置。 - 前記複数の第2ピニオンギヤ支持部材は、前記複数のピニオンギヤの背面を摺動可能に支持するピニオンギヤ背面支持部を有する請求項1に記載の車両用差動装置。
- 前記第1ピニオンギヤ支持部材は、前記デフケースの回転軸線と直交し、かつ前記複数のピニオンギヤの前記第1挿入孔のうち対応する第1挿入孔を挿通する1対のピニオンギヤシャフトによって形成されている請求項1に記載の車両用差動装置。
- 前記デフケースは、前記第1ピニオンギヤ支持部材を案内するガイド部を有する請求項5に記載の車両用差動装置。
- 前記第1ピニオンギヤ支持部材は、前記デフケースの回転軸線回りに等間隔をもって並列し、かつ前記複数のピニオンギヤの前記第1挿入孔のうち対応する第1挿入孔内に挿入する複数のシャフト部を有する十字状のピース部材によって形成されている請求項1に記載の車両用差動装置。
- 駆動源の駆動力によって回転するデフケースと、
前記デフケース内に回転可能に収容された1対のサイドギヤと、
前記1対のサイドギヤにギヤ軸を直交させて噛合し、軸心部に第1挿入孔が設けられた複数のピニオンギヤと、
前記複数のピニオンギヤを前記第1挿入孔の内周面による摺動によって回転可能に支持する複数のピニオンギヤ内周面支持部を有する第1ピニオンギヤ支持部材と、
前記第1ピニオンギヤ支持部材の外周囲に配置され、かつ前記デフケース内に収容された複数の第2ピニオンギヤ支持部材とを備え、
前記複数の第2ピニオンギヤ支持部材は、前記複数のピニオンギヤをそれぞれ挿入する第2挿入孔を有し、前記第2挿入孔の内周面に前記複数のピニオンギヤをその外周面による摺動によって回転可能に支持するピニオンギヤ外周面支持部が設けられている車両用差動装置を組み立てる方法であって、
前記1対のサイドギヤのうち一方のサイドギヤを前記デフケース内に収容する第1ステップと、
前記第1ピニオンギヤ支持部材に前記複数のピニオンギヤ及び前記複数の第2ピニオンギヤ支持部材を組み付けることにより予め形成されたギヤ・支持部材組付体を前記デフケース内に収容し、前記一方のサイドギヤに前記複数のピニオンギヤを噛み合わせる第2ステップと、
前記1対サイドギヤのうち他方のサイドギヤを前記デフケース内に収容して前記複数のピニオンギヤに噛み合わせる第3ステップと
を備えたことを特徴とする車両用差動装置の組立方法。 - 前記第2ステップにおいて、前記ギヤ・支持部材組付体を形成するにあたり、前記複数のピニオンギヤの前記第1挿入孔内に前記第1ピニオンギヤ支持部材の前記複数のピニオンギヤ内周面支持部を挿入するとともに、前記複数の第2ピニオンギヤ支持部材の前記第2挿入孔内に前記複数のピニオンギヤを挿入する請求項8に記載の車両用差動装置の組立方法。
- 前記第2ステップにおいて、前記デフケース内に前記ギヤ・支持部材組付体を収容するにあたり、前記第1ピニオンギヤ支持部材及び前記複数の第2ピニオンギヤ支持部材のうち少なくとも前記複数の第2ピニオンギヤ支持部材を前記デフケースの回転軸線に沿って案内する請求項8に記載の車両用差動装置の組立方法。
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---|---|---|---|
JP2008216737A JP2010053890A (ja) | 2008-08-26 | 2008-08-26 | 車両用差動装置及びその組立方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008216737A JP2010053890A (ja) | 2008-08-26 | 2008-08-26 | 車両用差動装置及びその組立方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008216737A Pending JP2010053890A (ja) | 2008-08-26 | 2008-08-26 | 車両用差動装置及びその組立方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2010053890A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2886909A1 (en) | 2013-12-19 | 2015-06-24 | Jtekt Corporation | Vehicle differential apparatus |
CN111207201A (zh) * | 2018-11-22 | 2020-05-29 | 株式会社有信 | 齿轮装置的制造方法 |
WO2020184707A1 (ja) * | 2019-03-14 | 2020-09-17 | 武蔵精密工業株式会社 | 差動装置 |
-
2008
- 2008-08-26 JP JP2008216737A patent/JP2010053890A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2886909A1 (en) | 2013-12-19 | 2015-06-24 | Jtekt Corporation | Vehicle differential apparatus |
US9199533B2 (en) | 2013-12-19 | 2015-12-01 | Jtekt Corporation | Vehicle differential apparatus |
CN111207201A (zh) * | 2018-11-22 | 2020-05-29 | 株式会社有信 | 齿轮装置的制造方法 |
CN111207201B (zh) * | 2018-11-22 | 2024-03-08 | 株式会社有信 | 齿轮装置的制造方法 |
WO2020184707A1 (ja) * | 2019-03-14 | 2020-09-17 | 武蔵精密工業株式会社 | 差動装置 |
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