JP2010052551A - クローラ走行装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 トラックフレーム2の前後端部に前後従動輪3、4を、中途部に前後方向複数輪の遊転輪5をそれぞれ設け、トラックフレーム2の中途部上方に後車軸ケースに支持された後車軸33から動力が伝達される駆動輪6を配置し、駆動輪6、前後従動輪3、4及び遊転輪5にクローラ7を巻き掛ける。前記遊転輪5の内の後側2輪の遊転輪5はそれぞれイコライザリンク20の前後部にそれを挟んで左右一対配置しかつ前記イコライザリンク20の前後部に枢支し、このイコライザリンク20の前後中途部を枢支軸22を介してトラックフレーム2に枢支する。前記イコライザリンク20には後側2輪の遊転輪5に近接して各遊転輪5の付着土を落下可能な左右一対の遊転スクレーパ45を設ける。
【選択図】図1
Description
この種のクローラ走行装置の従来技術においては、例えば、特許文献1に開示されているように、走行機体29の後車軸ケース34に対して揺動軸8を介してトラックフレーム2を揺動自在に支持し、このトラックフレーム2の前後端部に前後従動輪3、4を配置するとともに中途部に前後方向3輪の遊転輪5を設け、前記トラックフレーム2の前後方向中途部上方に後車軸ケース34に支持された後車軸33から動力が伝達される駆動輪6を配置し、前記駆動輪6、前後従動輪3、4及び遊転輪5にクローラ7を巻き掛けたクローラ走行装置において、前記遊転輪5の内の後側2輪の遊転輪5をイコライザリンク20に枢支し、このイコライザリンク20の前後中途部をトラックフレーム2に枢支軸22を介して枢支している(特許請求の範囲)。
特に前後方向複数輪の遊転輪は、土砂を踏んでいく内に付着土が堆積し、クローラを損傷し易くなる。
本発明は、後側2輪の遊転輪に付着する土を左右外方向へ除去して、クローラの損傷を防止できるようにしたクローラ走行装置を提供することを目的とする。
第1に、走行機体29の後車軸ケース34に対して揺動軸8を介してトラックフレーム2を揺動自在に支持し、このトラックフレーム2の前後端部に前後従動輪3、4を配置するとともに中途部に前後方向複数輪の遊転輪5を設け、前記トラックフレーム2の前後方向中途部上方に後車軸ケース34に支持された後車軸33から動力が伝達される駆動輪6を配置し、前記駆動輪6、前後従動輪3、4及び遊転輪5にクローラ7を巻き掛けており、
前記遊転輪5の内の後側2輪の遊転輪5はそれぞれイコライザリンク20の前後部にそれを挟んで左右一対配置しかつ前記イコライザリンク20の前後部に枢支し、このイコライザリンク20の前後中途部を枢支軸22を介してトラックフレーム2に枢支しており、
前記イコライザリンク20には後側2輪の遊転輪5に近接して各遊転輪5の付着土を落下可能な左右一対の遊転スクレーパ45を設けていることを特徴とする。
第3に、前記左右遊転スクレーパ45は別個に形成してイコライザリンク20を挟んで締結具46で共締めしていることを特徴とする。
[作用]
前記のように構成されるクローラ走行装置は次のような作用を奏功する。
トラックフレーム2には後端部を挟んで後従動輪4が左右一対配置され、中途部に設けられた前後方向複数輪の遊転輪5もそれぞれが左右一対配置され、クローラ7の内周面の左右車輪転動面7aを転動する。
土砂が左右車輪転動面7aに載ると遊転輪5がそれを踏みつけ、遊転輪5に土が付着することになり、イコライザリンク20に設けた左右一対の遊転スクレーパ45がこの付着土を掻き落とし、土を左右車輪転動面7aより左右外側方へ落下する。また、遊転スクレーパ45は前後の遊転輪5間に落下してくる土砂を左右車輪転動面7aへ落とさずに、左右外側方へ排除できる。
また、左右一対の遊転スクレーパ45は、イコライザリンク20を挟んで締結具46で共締めして簡単に装着できる。
図8において、クローラ走行装置1を後輪として装備するトラクタTは、エンジン26、ミッションケース27及び前車軸フレーム28等で走行機体29を構成し、前車軸フレーム28に駆動可能な操向輪としての前輪30を縣架し、エンジン26をボンネット31で被っており、キャビン32又はロプスを搭載して操縦部及び運転席を被っており、走行機体29の後部に油圧装置及び3点リンク機構を介してロータリ耕耘機等の後部作業機を牽引装着している。
前記前従動輪3は左右一対あって、トラックフレーム2の前端上面に設けた下向き傾斜状のテンション調整機構9の自由端に支軸3Aを介して回転自在に支持されている。
トラックフレーム2は、図2、4に示すように、平板で形成した底板2a上に左右一対の側板2bを固着し、この左右側板2b上に上板2cを固着し、この上板2c上に前記揺動軸8に遊嵌されるボス体2dを固着して形成されている。
遊転輪5は、前従動輪3及び後従動輪4よりも小径であり、トラックフレーム2に輪軸5Aを介して前後4輪配置されており、前後方向の各遊転輪5はそれぞれ左右一対あってマタギ転輪を構成しており、前記前後従動輪3、4とともにクローラ7の左右車輪転動面7aを転動する。
前記ブラケット21はトラックフレーム2の底板2aの下面にボルト締結されており、枢支軸22は左右両端がブラケット21に支持され、枢支軸22の左右方向中央にイコライザリンク20のボス部20aが遊嵌している。
前記枢支軸22に対して前後の輪軸5Aは略同一高さに水平配置でもよいが、実施の形態では枢支軸22よりも前後輪軸5Aが下位に位置する三角配置にされている。前記枢支軸22から前後遊転輪5までの距離は同一に設定されているが、一方を他方より長く設定してもよい。
駆動輪6は後車軸(駆動軸)33の外端面に装着された駆動伝動体であり、左右の円板間に駆動ピン6aを有している。前記後車軸33は走行機体29を構成するミッションケース27の後部から左右に突出した後車軸ケース34に対して支持されている。
前記後車軸ケース34の上部には、キャビンの後支柱またはロプスの後支柱を取付ける支持台59が設けられている。
前記終変速ケース51の下部及び取付台57は駆動輪6の下方まで延設されており、取付台57の左右支持ボス57a間の揺動軸8上にトラックフレーム2のボス体2dが揺動自在に嵌合しており、これにより後車軸ケース34に対してトラックフレーム2が揺動軸8を介して上下揺動自在に支持される。
前記取付台57の土落とし部61には取付台57を貫通して揺動軸8へグリスを注入するための開口が形成され、この開口を蓋材62で閉鎖している。
前記取付台57の前部と前記テンション調整機構9の支持体11との間には、クローラ7を案内するガイド機構63が設けられている。このガイド機構63は支持体11に一端が枢支されかつガイド輪64を枢支したガイドリンク65と、このガイドリンク65の他端と取付台57との間を連結する連結リンク66とを有している。
駆動輪6の左右方向の中央は、トラックフレーム2、前後従動輪3、4及び遊転輪5のそれぞれの左右方向の中央と略一致しており、その中心線は取付台57の左右支持ボス57a間を通る。
前記揺動軸8は、その軸芯が後車軸33の軸芯と平行でかつその下方に位置しており、後車軸33の直下でも良いが、後車軸33の直下より前方へ寸法Kだけ偏位しており、トラックフレーム2の前後方向(前後端部においては上下方向)の揺動中心となっている。
前記揺動軸8の軸芯が後車軸33の直下又はそれより前方に位置し、かつクローラ走行装置1の揺動軸8の軸芯から前側部分の水平距離L1が後側部分のそれよりも若干長く形成されていると、クローラ走行装置1を浮かした状態でクローラ7にテンションを付与すると、クローラ走行装置1は駆動輪6と前従動輪3及び後従動輪4との間のテンションが平衡になるように前部が浮き上がることになり、その状態で接地させると、走行装置前部に上方向の力を付与する。この上方向の力により障害物への乗り上がりが容易になり、クローラ走行装置1は圃場における走破性が向上し、走行安定性及び牽引力増大を図ることができる。
前記クローラ7は鉄クローラでもよいが、ここでは内部に周方向の抗張体を埋設したゴムクローラが使用されており、内周面の幅方向中央には駆動輪6の駆動ピン6aが係合する係合突起7bが周方向等間隔に形成され、係合突起7bの左右両側は前後従動輪3、4及び遊転輪5が転動する車輪転動面7aとなっており、外周接地面には横一文字又はハの字等パターンのラグ7cが突出形成されている。このクローラ7は、幅方向の抗張体である芯金を周方向等間隔に埋設しておいてもよい。
前記背面の傾斜面2pはクローラ7からその上に落下してくる土砂を、左右に落下させずに左右後従動輪4間で後方へ落下案内し、車輪転動面7aに土砂が可及的に載らないようにする。
前記傾斜面2pより前側には隣接して後上カバー41がトラックフレーム2の後上部に装着されている。この後上カバー41は、上部41uが正面視山形形状であり、下部41dが上部41uの左右両端から下方に延設されていてトラックフレーム2の側面に沿う左右一対の縦壁となっている。
また、前記後上カバー41の上部41u及び下部41dの後端部は前記突起部2Aの傾斜面2qに沿った尻上がり形状となっており、この後端部には、前記後上傾斜面41pから左右後従動輪4の外側面近傍まで張り出したひさし部41Aが形成されている。
前記ひさし部41Aは、図5〜7に示すように、上縁41Aaが上部41uの頂部と同一高さにあり、この上縁41Aaから下部41dの左右の縦壁の下端と同一高さの下端41Abまで前方向下向きに傾斜し、さらに下端41Abから垂下した垂下部41Acが形成され、前記上縁41Aaから下端41Abまで左右幅が次第に狭くなっており、左右後従動輪4の上に落下してくる土砂をその前側へ落下案内可能になっている。
前記側カバー43の側傾斜面43pは、トラックフレーム2より左右外方向に突出した少なくとも後側2輪の遊転輪5の左右上方を覆っており、後上カバー41の後上傾斜面41p及びひさし部41Aで落下案内されてきた土砂をさらに左右外方向へ落下案内することができる。
側カバー43はその上部の取付部43aがトラックフレーム2の左右各側面にボルト等で締結されているだけでなく、下面側後端部にステー48を設け、このステー48でもトラックフレーム2に装着している。
側カバー43の後端部にはステー48を装着するための工具を挿入可能にする切欠43bが形成されており、また、この切欠43bを目隠し可能な後スクレーパ42が設けられている。
前記イコライザリンク20には前記枢支軸22の直下に左右一対の遊転スクレーパ45が設けられている。この各遊転スクレーパ45は帯板をL字形状に屈曲して形成したものを互いに連結しており、一片が後側2輪の遊転輪5に同時に近接して各遊転輪5の付着土を掻き落とすスクレーパ作用部45aであり、他片がイコライザリンク20に添接して取り付けられる取付部45bとなっている。
前記左右遊転スクレーパ45は長溝20dによってイコライザリンク20に対して上下位置調整自在であり、この上下位置を調整することにより、その前後に位置する遊転輪5との間隔を調整できる。
前記左右遊転スクレーパ45はイコライザリンク20に装着しているので、イコライザリンク20が揺動して遊転輪5が上下動しても、遊転輪5との位置関係は不変であり、走行中常に遊転輪5に付着した土を掻き取ることができる。
ひさし部41Aは上縁41Aaから左右後上傾斜面41p近傍まで前方向下向きに傾斜し、さらに傾斜下端41Abから垂下して垂下部41Acを形成しており、上縁41Aaから下縁41Abまで左右側縁間隔は略同一になっている。
前記実施形態及び変形例の左右遊転スクレーパ45は、スクレーパ作用部45aが略水平に配置されているが、前記後スクレーパ42と同様に、左右外方向に下向き傾斜させてもよい。
前記構成のクローラ走行装置1における土砂排除動作を説明する。
左右後従動輪4間でトラックフレーム2の後端部の上部に落下してきた土砂は、突起部2Aの背面側の傾斜面2pにより後方へ落下し、左右車輪転動面7a間でクローラ内周面に載り、トラックフレーム2上に堆積せずに循環する土砂となる。
後上カバー41上に落下してきた土砂は、後上傾斜面41pによって左右外方向に落下案内され、トラックフレーム2の上面から排除され、堆積することはない。
前記突起部2Aの傾斜面2pより前側には後上カバー41の後端のひさし部41Aが位置し、ひさし部41Aによって左右後従動輪4側に土砂が落下するのを排除し、その土砂を側カバー43の側傾斜面43p上に落下案内する。
後側2輪の遊転輪5に付着した土は、イコライザリンク20に設けた左右一対の遊転スクレーパ45が掻き落とし、土を左右車輪転動面7aより左右外側方へ落下する。
クローラ7の内周面の左右車輪転動面7aより左右外側方へ落下してきた土砂は、後従動輪4及び遊転輪5によって踏み付けられることがないので、クローラ7を損傷することがない。クローラ7の内周面の土砂は走行によって循環されるが、左右各側カバー43の側傾斜面43p等によって次第にクローラ7外に排除されていく。
例えば、クローラ7にテンションを付与したときにクローラ走行装置1の前部に上方向の力を付与するなら、揺動軸8は駆動輪6の中心より下方で真下より僅かに後方に位置しても支障はなく、遊転輪5は後側2輪のみをイコライザリンク20で支持し、残りの前側2輪をトラックフレーム2に個別支持してもよい。
さらに、後上カバー41のひさし部41Aを左右後上傾斜面41pを有する部材と別体に形成し、ひさし部41Aを有する部材から後下向きの片を後下方に突出し、その後下方突出部分に傾斜面2pを形成してもよい。
2 トラックフレーム
2A 突起部
2p 傾斜面
4 後従動輪
5 遊転輪
6 駆動輪
7 クローラ
8 揺動軸
20 イコライザリンク
22 枢支軸
41 後上カバー
41A ひさし部
41p 後上傾斜面
42 後スクレーパ
43 側カバー
43p 側傾斜面
45 遊転スクレーパ
46 締結具
C カバー
Cp 接続側面
Claims (3)
- 走行機体(29)の後車軸ケース(34)に対して揺動軸(8)を介してトラックフレーム(2)を揺動自在に支持し、このトラックフレーム(2)の前後端部に前後従動輪(3、4)を配置するとともに中途部に前後方向複数輪の遊転輪(5)を設け、前記トラックフレーム(2)の前後方向中途部上方に後車軸ケース(34)に支持された後車軸(33)から動力が伝達される駆動輪(6)を配置し、前記駆動輪(6)、前後従動輪(3、4)及び遊転輪(5)にクローラ(7)を巻き掛けており、
前記遊転輪(5)の内の後側2輪の遊転輪(5)はそれぞれイコライザリンク(20)の前後部にそれを挟んで左右一対配置しかつ前記イコライザリンク(20)の前後部に枢支し、このイコライザリンク(20)の前後中途部を枢支軸(22)を介してトラックフレーム(2)に枢支しており、
前記イコライザリンク(20)には後側2輪の遊転輪(5)に近接して各遊転輪(5)の付着土を落下可能な左右一対の遊転スクレーパ(45)を設けていることを特徴とするクローラ走行装置。 - 前記左右遊転スクレーパ(45)を、前記枢支軸(22)の直下でイコライザリンク(20)に対して上下位置調整自在に設けていることを特徴とする請求項1に記載のクローラ走行装置。
- 前記左右遊転スクレーパ(45)は別個に形成してイコライザリンク(20)を挟んで締結具(46)で共締めしていることを特徴とする請求項1又は2に記載のクローラ走行装置。
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