JP2010050421A - 半導体 - Google Patents

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Abstract

【課題】電荷注入により発光させる無機EL素子用の発光材料として有用であり、発光輝度に優れ長寿命を有する半導体の提供。
【解決手段】第12−16族化合物の少なくとも1種または2種以上の混晶を母体材料とする半導体であって、母体材料を構成する第16族元素とは異なる第16族元素をドーパントとして含むことを特徴とする、半導体。
【選択図】なし

Description

本発明は、直流薄膜型無機EL素子に有用な半導体(以下、無機半導体、無機半導体材料ともいう)に関するものである。
近年、照明用光源やディスプレイ用のバックライトの低消費電力化に向けて、有機EL素子やLEDなどの開発が進められている。これらは、直流駆動で発光する素子であり、低電圧でも高輝度で発光するという特徴がある。しかし、有機EL素子は有機物で構成されていることから、耐久性が低いという欠点がある。また、LEDは発光面積が極微小で点発光であるため、単位面積あたりの輝度は高いものの、絶対光量(光束)は少なく、用途が限られる。これらに対して、無機発光材料からなる無機EL素子は、無機物であることから耐久性が高く、かつ面発光が得られることから、次世代の照明用光源やディスプレイ用バックライトなどへの応用が期待され、注目を集めている。
無機EL素子は、駆動方法によって交流駆動型と直流駆動型に大別される。交流駆動型としては、高誘電性バインダーに発光を担う無機蛍光体粒子を分散してなる交流分散型EL素子と、誘電体層間に無機発光層薄膜を挟んでなる交流薄膜型EL素子の2種類が知られている。一方、直流駆動型としては、透明電極と金属電極で発光層薄膜を挟んで低電圧直流駆動する直流薄膜型EL素子が知られている。
交流分散型EL素子は、高誘電性バインダーに無機蛍光体粒子を分散した分散物を、支持体上に塗布して作製できることから、大面積化に有利である。また、交流薄膜型EL素子は、長寿命で安定した発光が得られるという特徴がある。しかし、いずれのタイプの素子も、発光のために高電圧の交流電源が必要であり、照明用光源やディスプレイ用バックライトなど、低消費電力が求められる分野への応用は難しい。
一方、直流駆動型無機EL素子は、1970〜80年代に研究が盛んになされていた。例えば非特許文献1では、GaAs基板上にZnSe:Mnを成膜し、Au電極と挟む構成の素子が報告されている。駆動電圧は約4Vと低電圧で発光が得られている。ここでの発光のメカニズムとしては、電圧を印加することで電極からトンネル効果で電子が注入され、発光中心であるMnを励起し、発光するという機構が想定されている。しかしながら、この素子は発光効率が低く、再現性に乏しかったため、以後の実用化研究や学術的な研究はなされてこなかった。
直流駆動で高効率な発光を得るためには、有機EL素子やLEDのように電子と正孔の再結合による発光メカニズムが有効であり、そのため電子移動型(以下n型)の半導体と正孔移動型(以下p型)の半導体が接触する(以下pn接合)界面が必要となる。発光効率の観点から、母体材料が異なるpn接合よりは、母体材料が同一であるpn接合が好ましいが、無機EL素子に一般的に用いられている硫化物を母体とした半導体では、多くがn型の伝導型を示し、p型の例は少ない。
特許文献1では、ZnSのS原子をN原子に置き換えることによりp型化したZnSが報告されている。また、非特許文献2では、ZnSのZn原子の一部をAg原子に置き換えることによりp型化したZnSが報告されている。このほか、pn接合による発光とは記載されていないが、ZnSを発光層に用いた直流駆動の高輝度無機EL素子として特許文献2が知られている。
特開2001−226200号公報 国際公開第07/043676号パンフレット Journal of Applied Physics,52(9),5797,1981. Phys.stat.sol(b)229,365,2002
しかしながら、特許文献1に記載の蛍光体は、母体材料へのN原子の取り込み率が低くドーピングしにくいため、再現性が低いという問題があり、また、非特許文献2に記載の蛍光体は、電界印加によってAgのマイグレーションが起き、その結果生じたAgSにより素子の導電性が低下するという問題があることから、いずれも直流駆動の無機ELに用いるp型半導体としては実用的ではない。また、特許文献2の直流駆動型無機EL素子は、非特許文献1の直流駆動型無機EL素子と同様に発光効率が低く、再現性に乏しいことから、やはり実用的な面発光素子ではない。
以上のことから、直流駆動が可能な面発光素子に適用できる、p型の伝導性を有する無機半導体の開発が望まれていた。
本願発明は、直流駆動が可能な面発光素子に適用できる半導体と、それを用いる発光素子および直流薄膜型無機EL素子を提供しようとするものである。
発明者らは、鋭意検討の結果、第12−16族化合物の少なくとも1種または2種以上の混晶を母体材料とするであって、母体の第16族元素を同一族でありかつ母体の第16族元素とは異なる元素に置換することにより得られた、新規な半導体を見出し、本発明を成すに至った。
即ち、本発明は以下の要件により達成される。
(1)
第12−16族化合物の少なくとも1種または2種以上の混晶を母体材料とする半導体であって、母体材料を構成する第16族元素とは異なる第16族元素をドーパントとして含むことを特徴とする、半導体。
(2)
母体材料を構成する第16族元素が第n周期(2≦n≦4)であり、ドーパントとして第16族の第n−x周期(1≦x<n)に属する元素を含み、p型半導体であることを特徴とする、上記(1)に記載の半導体。
(3)
母体材料を構成する第16族元素がTeであり、ドーパントとしてO、S、Seの少なくとも1種を含むことを特徴とする、上記(2)に記載の半導体。
(4)
母体材料を構成する第16族元素がSeであり、ドーパントとしてO、Sの少なくとも1種を含むことを特徴とする、上記(2)に記載の半導体。
(5)
母体材料を構成する第16族元素がSであり、ドーパントとしてOを含むことを特徴とする、上記(2)に記載の半導体。
(6)
上記(1)〜(5)のいずれかに記載の半導体を含むことを特徴とする発光素子。
(7)
上記(1)〜(5)のいずれかに記載の半導体を含むことを特徴とする薄膜無機EL素子。
本発明の半導体は電荷注入により発光させる無機EL素子用の発光材料として有用であり、発光輝度に優れ長寿命を有するものである。
以下本発明について詳しく説明する。
本発明の半導体は、第12−16族化合物の少なくとも1種または2種以上の混晶を母体材料とする半導体であって、母体材料を構成する第16族元素とは異なる第16族元素をドーパントとして含むことを特徴とする。
なお、本発明の半導体の母体材料として用いられる第12−16族化合物とは、周期律表の第12族に属する元素と周期律表の第16族に属する元素からなる化合物を意味するものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有するもの(当業者)が通常使用している標記・表現である。
該母体材料として用いられる化合物の例としては、ZnS、CdS、ZnSe、CdSe、ZnTe、CdTeなどであり、好ましくはZnS、ZnSeである。
母体材料を構成する第16族元素が第n周期(2≦n≦4)であり、ドーパントとして第16族の第n−x周期(1≦x<n)に属する元素を含み、p型半導体であることが好ましい。
該母体材料に、ドーパントとして母体材料を構成する第16族元素よりも周期律表上で周期の低い元素をドープすると、母体材料の第16族元素とドーパントは価数が同じであるが、母体材料の第16族元素に比べてドーパントは電子親和力が大きいため、ドーパント近傍では電子が束縛され易くなる。このような現象を等電子トラップといい、電子が束縛された周辺に正電荷すなわち正孔が形成され、原子間で共鳴状態をつくることで、p型の電気伝導を示すと考えられる。
母体材料とドーパントにおける第16族元素の具体的な組み合わせとしては、以下のものが好ましい。
・母体材料を構成する第16族元素がTeであり、ドーパントとしてO、S、Seの少なくとも1種である。
・母体材料を構成する第16族元素がSeであり、ドーパントとしてO、Sの少なくとも1種である。
・母体材料を構成する第16族元素がSであり、ドーパントとしてOを含む。
母体材料とドーパントの具体的な組み合わせとしては、例えば母体材料がZnTe、CdTeであればドーパントとなる元素はO、S、Seの少なくとも1種である。同様に、母体材料がZnSe、CdSeであれば、ドーパントとなる元素はO、Sの少なくとも1種であり、母体材料がZnS、CdSであれば、ドーパントとなる元素はOである。
該母体材料に対するドーパントの含有のさせ方、すなわちドープ方法は、いかなる方法にも限定するものではないが、たとえば、母体材料の焼成時に母体材料と同じ金属の化合物の形で混入させて粉末を作製しても良いし、母体材料とドーパント化合物を蒸発源として、分子線エピタキシー(MBE)法により基板上に薄膜として形成させることもできる。ドープ量としては、母体材料1モルに対して1×10−7〜1×10−1モルが好ましく、さらに好ましくは1×10−5〜1×10−3モルである。
上記製法により本発明の無機半導体を得ることができるが、直流駆動型無機EL素子に用いる場合には、焼成法などにより粉末として作製する場合は、得られた粉末を加圧成型し、電子ビーム蒸着等の物理蒸着によって薄膜のEL素子を得ることができる。また、MBE法などにより薄膜として作製する場合は、薄膜のEL素子を直接得ることができる。
・発光素子
本発明の半導体は、無機EL等の発光素子における発光層に好適き使用できる。以下、本発明の発光素子について詳しく説明する。
無機半導体を用いた発光素子、すなわち無機EL素子には、直流駆動で発光するものと交流駆動で発光するものがある。直流駆動で発光する無機EL素子は、電極上に電子ビーム蒸着などで半導体を用いた蛍光体発光層を形成し、さらにその上に電極層を形成させた構造のものが知られている。電極の一方はITOなどの透明電極であり、他方はAlなどの金属電極である。素子を形成する順序としては、透明電極上に半導体を用いた蛍光体薄膜を形成し、金属電極層を形成させてもよく、金属電極上に蛍光体薄膜を形成した後に、透明電極層を形成してもよい。このような構造の無機EL素子は、薄膜型無機EL素子と呼ばれる。また、交流駆動で発光する無機EL素子は、半導体を用いた無機蛍光体粒子を高誘電率のバインダー中に分散させ、透明電極と金属からなる背面電極とでサンドイッチした構造のものが知られている。このような構造の無機EL素子は、分散型EL素子と呼ばれる。一般に交流駆動の無機EL素子は電圧50〜300V、周波数50〜5000Hzで駆動するが、直流駆動の無機EL素子は0.1〜20Vと低電圧で駆動できることが特徴として挙げられる。本発明の半導体は、直流駆動型無機EL素子に有用である。
・発光層
直流駆動型無機EL素子は少なくとも透明電極(透明導電膜とも称する)と発光層(蛍光体層とも称する)と背面電極とから構成される。発光層の厚みは厚くなりすぎると発光に必要な電界強度を得るために両電極間の電圧が上昇するので、低電圧駆動を実現するためには50μm以下が好ましく、さらに好ましくは30μm以下である。また厚みが薄くなりすぎると、蛍光体層の両面にある電極が短絡しやすくなるため、短絡を避けるために厚みは50nm以上が好ましく、さらに好ましくは100nm以上である。
蛍光体層の成膜方法としては、物理的蒸着法である抵抗加熱蒸着法や電子ビーム蒸着、スパッタリングやイオンプレーティング、CVD(Chemical Vapor Deposition)など無機材料を一般的に成膜する方法が用いられる。本発明に用いられる半導体は高温でも安定で高融点であることから、高融点材料を蒸着するのに適した電子ビーム蒸着法や、蒸着源をターゲット化できる場合はスパッタリング法が好適に用いられる。さらに電子ビーム蒸着の場合、半導体中に含有する金属の蒸気圧が、母体材料の蒸気圧と大幅に異なる場合には、それぞれ単独の蒸着源として複数の蒸着源を利用した蒸着方法も有用である。また結晶性を高めるという意味で、基板との格子マッチングを考慮したMBE(Molecular Beam Epitaxiy)法も好適である。
本発明の半導体はp型半導体であることが好ましく、n型半導体と組み合わせて発光層を形成することがより好ましい。
n型半導体としては公知のものが使用できるが、より好ましくは第12−16族化合物の少なくとも1種または2種以上の混晶を母体材料としハロゲン元素等をドープしてn型の導電性を付与したn型半導体などを用いる。
・透明電極
本発明に好ましく用いられる透明導電膜の表面抵抗率は、10Ω/□以下であることが好ましく、0.01Ω/□〜10Ω/□が更に好ましい。特に0.01Ω/□〜1Ω/□が好ましい。透明導電膜の表面抵抗率は、JIS K6911に記載の方法に準じて測定することができる。また、透明導電膜は、ガラス又はプラスチック基板上に形成されており、かつ酸化錫を含有していることが好ましい。
透明導電膜を形成させる基板としては、ガラス基板としては無アルカリガラス、ソーダライムガラスなど、一般的なガラスが用いられる。この場合、耐熱性が高く平坦性の高いガラスを用いることが好ましい。また、プラスチック基板としてはポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロースベース等の透明フィルムが好適に用いられる。これらの基板表面上に、インジウム・錫酸化物(ITO)や錫酸化物、酸化亜鉛等の透明導電性物質を蒸着、塗布、印刷等の方法で付着、成膜することができる。この場合、耐久性を上げる目的で透明導電膜表面を酸化錫主体の層とすることが好ましい。
透明導電膜を構成する透明導電性物質の好ましい付着量は、透明導電膜に対して、100質量%〜1質量%、より好ましくは、70質量%〜5質量%、さらに好ましくは、40質量%〜10質量%である。
透明導電膜の調製法はスパッター、真空蒸着等の気相法であっても良い。ペースト状のITOや酸化錫を塗布やスクリーン印刷で作成したり、膜全体を過熱したりレーザーにて加熱して成膜しても良い。
本発明の発光素子において、透明導電膜には一般的に用いられる任意の透明電極材料が用いられる。例えば錫ドープ酸化錫、アンチモンドープ酸化錫、亜鉛ドープ酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、酸化亜鉛などの酸化物、銀の薄膜を高屈折率層で挟んだ多層構造、ポリアニリン、ポリピロールなどの共役系高分子などが挙げられる。
更に素子を低抵抗化するには、例えば櫛型あるいはグリッド型等の網目状ないしストライプ状金属細線を配置して通電性を改善することが好ましい。金属や合金の細線としては、銅や銀、アルミニウム、ニッケル等が好ましく用いられる。この金属細線の太さは、任意であるが、0.5μm程度から20μmの間が好ましい。金属細線は、50μm〜400μmの間隔のピッチで配置されていることが好ましく、特に100μm〜300μmピッチが好ましい。金属細線を配置することで、光の透過率が減少するが、この減少は出来るだけ小さいことが重要で、80%以上100未満の透過率を確保することが好ましい。
金属細線は、メッシュを透明導電性フィルムに張り合わせてもよいし、予めマスク蒸着ないしエッチングによりフィルム上に形成した金属細線上に金属酸化物等を塗布、蒸着しても良い。また、予め形成した金属酸化物薄膜上に上記の金属細線を形成してもよい。
これとは、異なる方法となるが、金属細線の代わりに、100nm以下の平均厚みを有する金属薄膜を金属酸化物と積層して本発明に適した透明導電膜とすることができる。金属薄膜に用いられる金属としては、AuやIn、Sn、Cu、Niなど耐腐食性が高く、展延性等に優れたものが好ましいが、特にこの限りではない。
これらの複層膜は、高い光透過率を実現することが好ましく、具体的には70%以上の光透過率を有することが好ましく、80%以上の光透過率を有することが特に好ましい。光透過率を規定する波長は、550nmである。光の透過率に関しては、干渉フィルターを用いて550nmの単色光を取り出し、一般に用いられる白色光源を用いた積分型光量測定やスペクトル測定装置を用いて測定することが出来る。
・背面電極
光を取り出さない側の背面電極は、導電性の有る任意の材料が使用出来る。金、銀、白金、銅、鉄、アルミニウムなどの金属、グラファイトなどの中から、作製する素子の形態、作製工程の温度等により適時選択されるが、その中でも熱伝導率が高いことが重要で、2.0W/cm・deg以上であることが好ましい。また、EL素子の周辺部に高い放熱性と通電性を確保するために、金属シートや金属メッシュを用いることも好ましい。
・半導体材料
本発明の半導体は、当業界で広く用いられる焼成法(固相法)で半導体材料とすることができる。例えば、硫化亜鉛の場合、液相法で10nm〜50nmの微粒子粉末(生粉と呼ぶ)を作成し、これを一次粒子として用い、これに付活剤と呼ばれる不純物を混入させて融剤とともに坩堝にて900℃〜1300℃の高温で30分〜10時間、第1の焼成をおこない、粒子を得る。
第1の焼成によって得られる中間蛍光体粉末をイオン交換水で繰り返し洗浄してアルカリ金属ないしアルカリ土類金属及び過剰の付活剤、共付活剤を除去する。
次いで、得られた中間体蛍光体粉末に第2の焼成をほどこす。第2の焼成は、第1の焼成より低温の500〜800℃で、また短時間の30分〜3時間の加熱(アニーリング)をする。
上記製法により半導体材料を得ることができるが、直流型無機EL素子に用いる場合には上記製法により得られた半導体材料を加圧成型し、電子ビーム蒸着等の物理蒸着によってEL素子を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
母体材料100gに対して、ドーパントとなる化合物を下記表1に示す量になるように秤量した。秤量した試料を乳鉢に入れ20分以上混合した後、金型を使用して直径20mm、高さ10mmのペレット状に成型した。このペレットを真空雰囲気中で1100℃、3時間焼成し、半導体材料を得た。
得られた蛍光体材料を蒸着源として、電子ビーム蒸着法により石英基板上に薄膜を形成した。真空チャンバーの真空度は1×10-4Pa、基板温度は200℃とし、0.50nm/secのレートで膜厚が1μmになるまで成膜した。成膜終了後、同一チャンバー内で600℃、1時間の熱処理を施した。得られた薄膜表面に電極として抵抗加熱蒸着法によりAuを蒸着した。
上記のサンプルを用いて、ホール測定により得られた伝導型およびキャリア濃度を下記表1に示す。
Figure 2010050421
ホール測定の結果、ドーパントをドープしていないサンプル1では、キャリア濃度が低く、絶縁体(キャリア濃度:1×105〜1×1010cm−3)であるのに対して、サンプル2〜8ではp型の伝導型を示すことがわかる。
特に、サンプル4〜サンプル6では、キャリア濃度が半導体の領域(1E+15〜1E+20cm−3)であり、n型の伝導層と組み合わせることにより、直流駆動の発光素子に用いる半導体材料として好ましいと考えられる。サンプル7および8では、ドープ量が増えているにも関わらずキャリア濃度が減少しているが、これは電子をひきつける酸素が増えたことで、生じた正電荷が局在化しやすくなるためと考えられる。サンプル6に対して母体材料を変えたサンプル9および10でも、p型の伝導型を示すことがわかる。本発明により、p型の伝導性を示す新たな半導体が得られる。
〔実施例2〕
実施例1の半導体を用いて直流駆動型無機EL素子を作製した。該直流駆動型無機EL素子の構造の概略を図1に示す。
第1電極2として厚さ200nmのITO層が形成されたガラス基板1に対して、ITO層の上に実施例1で作製した半導体(サンプル4〜6)を蒸着源として、電子ビーム蒸着法により蒸着成膜することで発光層3を形成した。
具体的には、実施例1で得られた本発明の蛍光体材料を第1の蒸着源に、ドナー元素としてClをドープしてn型の伝導性を付与したZnSを第2の蒸着源に配置し、第1の蒸着源を用いて蒸着成膜した後に、第2の蒸着源を用いて成膜することで発光層3を積層した。形成した発光層3の総厚みは合計で2μmであった。そのときの蒸着チャンバー内の真空度は1×10-4Pa、基板1温度は200℃に設定した。さらに、結晶性を向上させるために、成膜した発光層3に対して同一チャンバー内で600℃、1時間熱処理を施した後、発光層3の上に抵抗加熱蒸着法により第2電極4としてAgを蒸着し、発光素子を得た。
得られた発光素子に、Agを負極、ITOを正極として直流電流を流したところ、発光が確認された。
実施例2の直流駆動型無機EL素子の構造の概略を示す図である。
符号の説明
1 ガラス基板
2 第1電極
3 発光層
4 第2電極

Claims (7)

  1. 第12−16族化合物の少なくとも1種または2種以上の混晶を母体材料とする半導体であって、母体材料を構成する第16族元素とは異なる第16族元素をドーパントとして含むことを特徴とする、半導体。
  2. 母体材料を構成する第16族元素が第n周期(2≦n≦4)であり、ドーパントとして第16族の第n−x周期(1≦x<n)に属する元素を含み、p型半導体であることを特徴とする、請求項1に記載の半導体。
  3. 母体材料を構成する第16族元素がTeであり、ドーパントとしてO、S、Seの少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項2に記載の半導体。
  4. 母体材料を構成する第16族元素がSeであり、ドーパントとしてO、Sの少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項2に記載の半導体。
  5. 母体材料を構成する第16族元素がSであり、ドーパントとしてOを含むことを特徴とする、請求項2に記載の半導体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体を含むことを特徴とする発光素子。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体を含むことを特徴とする薄膜無機EL素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11374054B2 (en) 2018-03-19 2022-06-28 Ricoh Company, Ltd. Inorganic el element, display element, image display device, and system

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