JP2010049065A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像剤、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コアを構成する樹脂のガラス転移温度とシェルを構成する樹脂のガラス転移温度との差が20℃以上であるコアシェル構造を有する樹脂粒子、及び、主鎖に環状構造を含む非結晶性ポリエステルブロックと、主鎖に環状構造を含まない結晶性ポリエステルブロックとを含む、重量平均分子量3,000以下のポリエステルブロック共重合体よりなる離型剤粒子を凝集して得たことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【選択図】なし
Description
特許文献1には、粒子径が約0.5ないし約1,000ミクロンの範囲にありかつその集塊温度が少なくとも約37.8℃であるトナー微粒子からなり、着色剤と、接着性のある軟質の固体ポリマーの核材料と、磁性粒子とをポリマーからなる殻材料でカプセル被覆してなる、静電複写磁性トナー材料が開示されている。
また、特許文献2には、ビス脂肪酸アミド類を30〜70重量部含有する組成物を、結着剤成分として含むことを特徴とする圧力定着トナーが開示されている。
特許文献3には、密度0.94g/cm3以上のポリエチレンとC12〜C99の炭素連鎖を有する長鎖化合物とを含有するトナー材料を溶融状態で噴霧して微粒化したことを特徴とするトナーが開示されている。
特許文献4には、芯材と該芯材を被覆するための外壁とを有するマイクロカプセル型トナーにおいて、該芯材が重量平均分子量/数平均分子量の値が3.5〜20のビニル系重合体を主成分として含有することを特徴とするマイクロカプセル型トナーが開示されている。
上記のように、静電荷像現像用トナーの圧力定着に関して、ワックス類、固体コアカプセル構造、液体コアカプセル構造などを用いた様々な試みがなされている。
<1>コアを構成する樹脂のガラス転移温度とシェルを構成する樹脂のガラス転移温度との差が20℃以上であるコアシェル構造を有する樹脂粒子、及び、主鎖に環状構造を含む非結晶性ポリエステルブロックと、主鎖に環状構造を含まない結晶性ポリエステルブロックとを含む、重量平均分子量3,000以下のポリエステルブロック共重合体よりなる離型剤粒子を凝集して得たことを特徴とする静電荷像現像用トナー、
<2>前記コアを構成する樹脂及び/又はシェルを構成する樹脂が、非結晶性の付加重合型樹脂である、前記<1>に記載の静電荷像現像用トナー、
<3>前記シェルを構成する樹脂が、酸性若しくは塩基性の極性基、又は、アルコール性水酸基を有する、前記<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用トナー、
<4>前記樹脂粒子及び前記離型剤粒子を水系媒体中に分散する分散工程、分散した樹脂粒子及び離型剤粒子を凝集して凝集粒子を得る凝集工程、並びに、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程を含むことを特徴とする、前記<1>〜<3>いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法、
<5>前記<1>〜<3>いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー又は前記<4>に記載の製造方法により製造された静電荷像現像用トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤、
<6>潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記トナー像を被記録材表面に転写して転写トナー像を得る転写工程、及び、前記転写トナー像を加圧して定着する定着工程を含み、前記トナーが前記<1>〜<3>いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーもしくは前記<4>に記載の製造方法により製造された静電荷像現像用トナー、又は、前記現像剤が前記<5>に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成方法、
<7>前記定着工程における定着温度が15℃以上50℃以下である、前記<6>に記載の画像形成方法、
<8>記定着工程における定着圧力が0.1MPa以上5MPa以下である、前記<6>又は<7>に記載の画像形成方法、
<9>潜像保持体、前記潜像保持体を帯電させる帯電手段、帯電した前記潜像保持体を露光して前記潜像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段、現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段、前記トナー像を前記潜像保持体から被記録材に転写する転写手段、及び、転写したトナー像を加圧して定着する定着手段を有し、前記トナーが前記<1>〜<3>いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーもしくは前記<4>に記載の製造方法により製造された静電荷像現像用トナー、又は、前記現像剤が前記<5>に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
上記<2>に記載の発明によれば、より圧力定着性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することができた。
上記<3>に記載の発明によれば、より優れた画像を得られる静電荷像現像用トナーを提供することができた。
上記<4>に記載の発明によれば、圧力定着性に優れ、高湿度環境下においても優れた定着時離型性、通紙信頼性を有し、優れた画像を得られる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することができた。
上記<5>に記載の発明によれば、圧力定着性に優れ、高湿度環境下においても優れた定着時離型性、通紙信頼性を有し、優れた画像を得られる静電荷像現像剤を提供することができた。
上記<6>に記載の発明によれば、圧力定着性に優れ、高湿度環境下においても優れた定着時離型性、通紙信頼性を有し、優れた画像を得られる画像形成方法を提供することができた。
上記<7>に記載の発明によれば、より圧力定着性に優れ、高湿度環境下においても優れた定着時離型性、通紙信頼性を有し、優れた画像を得られる画像形成方法を提供することができた。
上記<8>に記載の発明によれば、より圧力定着性に優れ、高湿度環境下においても優れた定着時離型性、通紙信頼性を有し、優れた画像を得られる画像形成方法を提供することができた。
上記<9>に記載の発明によれば、圧力定着性に優れ、高湿度環境下においても優れた定着時離型性、通紙信頼性を有し、優れた画像を得られる画像形成装置を提供することができた。
また加圧下におけるトナーの流動性も不十分なために、さらに高い圧力を加えることとなり、より転写紙等の被記録材への応力が高まるとともに、被記録材と定着手段との付着性がさらに高まって通紙信頼性を低下させる問題が発生した。
以下、本発明で使用する静電荷像現像用トナーについて説明した後、本発明の画像形成方法等について説明する。
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、コアを構成する樹脂のガラス転移温度(以下、「ガラス転移温度」を「Tg」ともいう。)とシェルを構成する樹脂のガラス転移温度との差が20℃以上であるコアシェル構造を有する樹脂粒子、及び、主鎖に環状構造を含む非結晶性ポリエステルブロックと、主鎖に環状構造を含まない結晶性ポリエステルブロックとを含む、重量平均分子量3,000以下のポリエステルブロック共重合体よりなる離型剤粒子を凝集して得たことを特徴とする。
トナーに一定以上の圧力が印加された場合には流動性を付与し、それ以下の圧力においては、極めて固体的に振舞わせることにより、電子写真プロセスにおける熱圧力定着時以外の工程、例えば現像工程、転写工程、クリーニング工程などにおいては、高い信頼性を確保することできる。
(コアシェル構造を有する樹脂粒子)
本発明において使用される静電荷像現像用トナーは、コアを構成する樹脂のガラス転移温度とシェルを構成する樹脂のガラス転移温度との差が20℃以上であるコアシェル構造を有する樹脂粒子(以下、単に「コアシェル粒子」ともいう。)を凝集して得られる静電荷像現像用トナーである。前記コアを構成する樹脂又はシェルを構成する樹脂が、非結晶性の付加重合型樹脂を含むことが好ましく、コアとシェルとを構成する樹脂がいずれも非結晶性の付加重合型樹脂であることがより好ましい。
高Tg相のTgは、40℃以上80℃以下(本発明において、「40℃以上80℃以下」等を「40〜80℃」等又は「40℃〜80℃」等とも記載することとする。以下、他の数値範囲の表記においても同様とする。)であることが好ましく、45〜70℃の範囲にあることがより好ましい。
高Tg相のTgが40℃以上であると、トナーとしての保管性に優れ、輸送時やプリンターなどの機内においてケーキングが発生しにくく、さらに、連続プリント時などに感光体へのフィルミングが発生しにくく、また、画質欠陥も起こりにくいため好ましい。
また、高Tg相のTgが80℃以下であると、定着時の定着温度が適度であり、定着圧力を適切な範囲に調整できるためカールなど、被記録体へのダメージを生じにくい。また、加熱せずに室温(25℃)の使用環境下で加圧のみで定着することができるので好ましい。
なお、「結晶性樹脂」に示すような「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを示し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が15℃以内であることを意味する。
一方、吸熱ピークの半値幅が15℃を越える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非結晶性(非晶質)であることを意味する。非結晶性樹脂のDSCによるガラス転移温度は、自動接線処理システムを備えた(株)島津製作所製の示差走査熱量計(DSC−50)等により、ASTM D3418に準拠して測定する。測定条件の一例を以下に示す。
試料:3〜15mg、好ましくは5〜10mg
測定法:試料をアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。
温度曲線:昇温I(20℃〜180℃、昇温速度10℃/min)
上記温度曲線において昇温時に測定される吸熱曲線から、ガラス転移温度を測定する。ガラス転移温度とは、吸熱曲線の微分値が極大となる温度である。
より具体的には、スチレン、ビニルナフタレンや、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン等のアルキル鎖を持つアルキル置換スチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン、4−フルオロスチレン、2,5−ジフルオロスチレン等のフッ素置換スチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、β−カルボキシエチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;イソプレン、ブテン、ブタジエンなどのオレフィン類などが好ましく例示できる。これらの単量体からなる単独重合体、又はこれらを2種以上共重合して得られる共重合体、さらにはこれらの混合物を使用することができる。
ここでいう、「ポリスチレンとポリブチルアクリレート」等とは、スチレンをモノマー単位として50重量%以上含む単独重合体又は共重合体と、ブチルアクリレートをモノマー単位として50重量%以上含む単独重合体又は共重合体との組合せを意味し、他の組合せにおいても同様である。
コアが低Tg相である場合において、コアに用いられる樹脂を構成するモノマー単位の80重量%以上が、(メタ)アクリル酸エステル類から構成されることが好ましく、コアに用いられる樹脂を構成するモノマー単位の80重量%以上が、アクリル酸エステル類から構成されることがより好ましい。
また、シェルに用いられる樹脂は、スチレン類の他に、(メタ)アクリル酸エステル類をモノマー単位として含むことが好ましい。
例えば、スチレン系単量体60重量%以上と、(メタ)アクリル酸エステル類10〜40重量%を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体を好ましく使用することができる。前記(メタ)アクリル酸エステル類は、コアの主成分(50重量%以上)である(メタ)アクリル酸エステル類と同一のものであることが好ましい。シェルを構成する樹脂が、コアと同一のモノマー単位を含有することにより加圧時に高Tg相と低Tg相とが容易に相溶するため好ましい。
コアシェル構造を有する樹脂粒子をトナー中の組成として20重量%以上、好ましくは50重量%以上用いるためには、粒子への水系媒体中におけるトナー化時の制御性、即ち、粒子径、粒子径分布制御性を付与することが好ましい。凝集剤の添加によってこれらの制御をしやすくするために、粒子の樹脂中に酸性若しくは塩基性の極性基、又は、アルコール性水酸基を含有させることが有効である。これらの基の導入は、例えばシェル成分として、これら極性基等を有する単量体(モノマー)を共重合した樹脂を用いることによって実現される。
樹脂に酸性極性基を形成するための単量体(モノマー)としては、カルボキシ基又はスルホン基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物などが挙げられ、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、スルホン化スチレン、アリルスルホコハク酸などを好ましく挙げることができる。
中でも、カルボキシ基を有する単量体が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
樹脂に塩基性極性基を形成するための単量体(モノマー)としては、窒素原子を有するモノマー(以下、「含窒素モノマー」と称することがある。)が挙げられる。含窒素モノマーとして用いられる好ましい化合物としては、(メタ)アクリル酸アミド化合物、(メタ)アクリル酸ヒドラジド化合物又は(メタ)アクリル酸アミノアルキル化合物が好ましく挙げられる。
(メタ)アクリル酸ヒドラジド化合物としては、アクリル酸ヒドラジド、メタクリル酸ヒドラジド、アクリル酸メチルヒドラジド、メタクリル酸メチルヒドラジド、アクリル酸ジメチルヒドラジド、アクリル酸フェニルヒドラジド等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸アミノアルキル化合物としては、アクリル酸2−アミノエチル、メタクリル酸2−アミノエチルなども挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸アミノアルキル化合物は、(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル化合物又は(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル化合物であってもよく、これらの例としては(メタ)アクリル酸2−ジエチルアミノエチルが例示できる。
中でも、(メタ)アクリル酸アミノアルキル化合物が好ましく、(メタ)アクリル酸2−ジエチルアミノエチルがより好ましい。
前記極性基を有する単量体の好ましい含有量は、シェル層に使用した重合性単量体総重量の0.01〜20重量%の範囲が好ましく、0.1〜10重量%の範囲がより好ましい。上記範囲であると、コアシェル構造を有する樹脂粒子に対し、水系媒体中におけるトナー化時の制御性を付与することができるので好ましい。
さらに、本発明に用いることができる結着樹脂は、前述した単量体の単独重合体、上述した単量体を含む単量体を2種以上組合せた共重合体、又はそれらの混合物、グラフト重合体、一部枝分かれや架橋構造などを有していてもよい。
このような架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族の多ビニル化合物類;フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、テレフタル酸ジビニル、ホモフタル酸ジビニル、トリメシン酸ジビニル/トリビニル、ナフタレンジカルボン酸ジビニル、ビフェニルカルボン酸ジビニル等の芳香族多価カルボン酸の多ビニルエステル類;ピリジンジカルボン酸ジビニル等の含窒素芳香族化合物のジビニルエステル類;ピロムチン酸ビニル、フランカルボン酸ビニル、ピロール−2−カルボン酸ビニル、チオフェンカルボン酸ビニル等の不飽和複素環化合物カルボン酸のビニルエステル類;ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、オクタンジオールジメタクリレート、デカンジオールジアクリレート、ドデカンジオールジメタクリレート等の直鎖多価アルコールの多官能(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類;コハク酸ジビニル、フマル酸ジビニル、マレイン酸ビニル/ジビニル、ジグリコール酸ジビニル、イタコン酸ビニル/ジビニル、アセトンジカルボン酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、3,3’−チオジプロピオン酸ジビニル、trans−アコニット酸ジビニル/トリビニル、アジピン酸ジビニル、ピメリン酸ジビニル、スベリン酸ジビニル、アゼライン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル、ドデカン二酸ジビニル、ブラシル酸ジビニル等の多価カルボン酸の多官能ビニルエステル類等が挙げられる。
前記架橋剤の好ましい含有量は、重合性単量体総量の0.05〜5重量%の範囲が好ましく、0.1〜1.0重量%の範囲がより好ましい。
シェルに用いられる樹脂の重量平均分子量は、3,000〜50,000であることが好ましく、5,000〜40,000であることがより好ましい。上記範囲であると、定着性と感光体へのフィルミング抑制を両立しやすい。
なお、前記コアシェル構造を有する樹脂粒子のメジアン径は、公知の方法により測定することができ、例えば、レーザー回析式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−920)で測定することができる。
乳化重合において、2ステージフィードと呼ばれる、単量体(モノマー)を段階的に重合系へ供給する方法等を用いることがより好ましい。2ステージフィードによると、コアとシェルとが異なるTgの樹脂からなるコアシェル構造を有する樹脂粒子を容易に得ることができる。
ここで得られた樹脂を結着樹脂として、溶解懸濁法や乳化重合凝集法によってトナー化するには、従来から公知の製法を用いることができる。
ここで用いるラジカル重合開始剤としては、公知のものを用いることができ特に制限はない。具体的には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸tert−ブチルヒドロペルオキシド、過蟻酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル等の過酸化物類、2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)硝酸塩、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス2−メチルプロピオン酸メチル、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスブタン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリル、2−(4−ブロモフェニルアゾ)−2−アリルマロノジニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロへプタンニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’−アゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4’−アゾビス−4−シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−アゾビスイソブチレート)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド等のアゾ化合物類、1,4−ビス(ペンタエチレン)−2−テトラゼン、1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−2−テトラゼン等が挙げられる。
本発明に用いることのできる水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水や、エタノール、メタノール等のアルコール類、及び、前記水とアルコール類との混合物などが挙げられる。これらの中でも、エタノールや水又はこれらの混合物であることが好ましく、蒸留水及びイオン交換水等の水が特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、水系媒体には、水混和性の有機溶媒を含んでいてもよい。水混和性の有機溶媒としては、例えば、アセトンや酢酸等が挙げられる。本発明においては、水混和性の有機溶媒を含まない態様が好ましい。
本発明に用いることができる有機溶剤の具体例としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、ジクロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、p−クロロトルエン等のハロゲン系溶媒、3−ヘキサノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン系溶媒、ジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、o−ジメトキシベンゼン、p−ジメトキシベンゼン、3−メトキシトルエン、ジベンジルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、メトキシナフタレン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、フェニルスルフィド、チオアニソール等のチオエーテル溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、安息香酸メチル、フタル酸メチル、フタル酸エチル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶媒、ジフェニルエーテル、又は、4−メチルジフェニルエーテル、3−メチルジフェニルエーテル、3−フェノキシトルエン等のアルキル置換ジフェニルエーテル、又は、4−ブロモジフェニルエーテル、4−クロロジフェニルエーテル、4−ブロモジフェニルエーテル、4−メチル−4’−ブロモジフェニルエーテル等のハロゲン置換ジフェニルエーテル、又は、4−メトキシジフェニルエーテル、3−メトキシジフェニルエーテル、4−メチル−4’−メトキシジフェニルエーテル等のアルコキシ置換ジフェニルエーテル、又は、ジベンゾフラン、キサンテン等の環状ジフェニルエーテル等のジフェニルエーテル系溶媒が挙げられ、これらは、混合して用いてもよい。
好適な共界面活性剤の例としては、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の炭素数8〜30のアルカン類、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数8〜30のアルキルアルコール類、ラウリルメルカプタン、セチルメルカプタン、ステアリルメルカプタン等の炭素数8〜30のアルキルメルカプタン類、及び、その他、アクリル酸エステル類やメタクリル酸エステル類とこれらのポリマー、ポリスチレン、ポリエステル等のポリマー又はポリアダクト類、カルボン酸類、ケトン類、アミン類等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記共界面活性剤に使用できる、重合体、重合体を含む組成物には、例えば、他の単量体との共重合体、ブロック共重合体、混合物等を含むことができる。また、複数の共界面活性剤を併用することもできる。
共界面活性剤は、油相及び水相のいずれにも添加することができる。
本発明において、トナーは、結着樹脂として、前記コアシェル構造を有する樹脂粒子以外に他の結着樹脂を用いることもできる。
この場合の、コアシェル粒子の比率は、トナーに使用した全結着樹脂中の30重量%以上であることが、目的の達成のために好ましく、40〜100重量%の範囲であることがより好ましく、50〜100重量%の範囲であることがさらに好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、主鎖に環状構造を含む非結晶性ポリエステルブロックと、主鎖に環状構造を含まない結晶性ポリエステルブロックとを含む、重量平均分子量3,000以下のポリエステルブロック共重合体よりなる離型剤を含有する。
前記離型剤は、通常ポリ酸、ポリアルコールなどを用いる重縮合などによって合成される。特にビスフェノールA誘導体など主鎖に芳香環構造等の環状構造を含有する非結晶性重縮合体からなるブロックと、脂肪族酸、脂肪族アルコールの結晶性重縮合体からなる主鎖に環状構造を含まないブロックを有することが特に有効となる。
本発明に用いることができる多価カルボン酸は、1分子中にカルボキシ基を2個以上含有する化合物である。
このうち、ジカルボン酸は1分子中にカルボキシ基を2個含有する化合物であり、例えば、シュウ酸、グルタル酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−カルボン酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロルフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等を挙げることができる。また、ジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等を挙げることができる。また、これらカルボン酸のカルボキシ基を酸無水物、混合酸無水物、酸塩化物、又は、エステル等に誘導したものを用いてもよい。
これらのポリオールは水系媒体に難溶あるいは不溶であるため、ポリオールが水系媒体に分散したモノマー滴中でエステル合成反応が進行する。
本発明に用いることができるポリエステルは、これらの重縮合性単量体の組合せにより非結晶性ポリエステルや結晶性ポリエステルを容易に得ることができる。
また、カプロラクトンなど環状単量体を開環重合することにより得られる結晶性ポリエステルは、結晶融点が60℃近傍とトナーとして好適な領域にあるため好ましい。
これらの中でも特に1,9−ノナンジオールと1,10−デカンジカルボン酸、及び、1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸とを反応させて得られるポリエステルがさらに好ましい。
多価カルボン酸と多価アルコールとを重縮合することにより、主鎖に環状構造を含む非結晶性ポリエステルを得る場合、多価カルボン酸の少なくとも一部若しくは多価アルコールの少なくとも一部のいずれか又はその両方が環状構造を含むことが好ましく、多価カルボン酸及び多価アルコールの両方が環状構造を有することがより好ましい。
前記環状構造としては、環状構造を有する基であればよく、芳香環、脂環式炭化水素等を好ましく例示できる。
本発明における主鎖に環状構造を含む非結晶性ポリエステルを得るために使用される多価カルボン酸としては、ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロルフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸を挙げることができる。また、ジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等を挙げることができる。また、これらカルボン酸のカルボキシ基を酸無水物、酸塩化物、又は、エステル等に誘導したものを用いてもよい。
これらの中でも、テレフタル酸やその低級エステル、ジフェニル酢酸、シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることが好ましい。なお、低級エステルとは、炭素数1から8の脂肪族アルコールのエステルをいう。
ここで、非結晶性樹脂のガラス転移点は、ASTM D3418−82に規定された方法(DSC法)で測定した値のことをいう。
また、本発明におけるガラス転移点の測定は、例えば、示差走査熱量測定法(DSC)に従い、例えば、「DSC−20」(セイコー電子工業(株)製)によって測定でき、具体的には、試料約10mgを一定の昇温速度(10℃/min)で加熱し、ベースラインと吸熱ピークの傾線との交点よりガラス転移点を得ることができる。
また、ブロック共重合体の融点は50〜100℃であることが好ましく、50〜80℃であることがより好ましい。ブロック共重合体の融点が上記範囲内であると、厚紙などに対する定着性と帯電性、感光体へのフィルミング耐久性などが両立しやすくなるので好ましい。
尚、ブロック共重合体において、融点及びガラス転移温度が明確に観察されない場合がある。
また、主鎖に環状構造を含まない混合する非結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は700〜2,000であることが好ましく、1,000〜1,500であることがより好ましい。
本発明において、ブロック共重合体の重量平均分子量は3,000以下であり、2,500以下であることが好ましい。重量平均分子量が3,000を超えると、定着時離型性が得られない。また、重量平均分子量は500以上であることが好ましく、1,000以上であることがより好ましい。重量平均分子量が500以上であると、トナーとして保管又は輸送する際に固まりが発生したり、定着画像のべたつき感が生じたりしないため好ましい。
また本発明に用いることができるブロック共重合体は、単量体のカルボン酸価数、アルコール価数の選択、架橋剤の添加などによって一部枝分かれや架橋などを有していてもよい。
具体的には、上記多価アルコールと多価カルボン酸、必要に応じて触媒を入れ、温度計、撹拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の分子量に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物を取得することによって製造することができる。
硫黄酸触媒としては、例えばドデシルベンゼンスルホン酸、イソプロピルベンゼンスルホン酸、しょうのうスルホン酸、などのアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルジスルホン酸、アルキルフェノールスルホン酸、アルキルナフタリンスルホン酸、アルキルテトラリンスルホン酸、アルキルアリルスルホン酸、石油スルホン酸、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸、高級アルコールエーテルスルホン酸、アルキルジフェニルスルホン酸、モノブチルフェニルフェノール硫酸、ジブチルフェニルフェノール硫酸、ドデシル硫酸などの高級脂肪酸硫酸エステル、高級アルコール硫酸エステル、高級アルコールエーテル硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキロール硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキル化硫酸エステル、ナフテニルアルコール硫酸、硫酸化脂肪、スルホ琥珀酸エステル、スルホン化高級脂肪酸、樹脂酸アルコール硫酸、及びこれらすべての塩化合物などが使用できるが、これらに限定されない。またこれらの触媒は、構造中に官能基を有していてもよい。これらの触媒は必要に応じて複数を組合せることもできる。好ましく使用される硫黄酸触媒としては、アルキルベンゼンスルホン酸が例示でき、これらの中でも特にドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、しょうのうスルホン酸等が好ましい。
本発明において、トナーには、必要に応じて、主鎖に環状構造を含む非結晶性ポリエステルブロックと、主鎖に環状構造を含まない結晶性ポリエステルブロックとを含む、重量平均分子量3,000以下のポリエステルブロック共重合体よりなる離型剤の他に、その他の離型剤を添加してもよい。
前記その他の離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;パルミチン酸等の長鎖脂肪酸、加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックスなどが例示できる。本発明において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、トナーには、必要に応じて帯電制御剤が添加されていてもよい。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度(%)の制御と廃水汚染の低減との点で、水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。なお、本発明において、トナーは、磁性材料を内包する磁性トナー及び磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
本発明に用いることができる着色剤としては特に制限はなく公知の着色剤が挙げられ、目的に応じて適宜選択することができる。着色剤を1種単独で用いてもよいし、同系統の着色剤を2種以上混合して用いてもよい。また異系統の着色剤を2種以上混合して用いてもよい。さらに、これらの着色剤を表面処理して用いてもよい。
黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等の有機、無機系着色剤類が例示できる。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化カルシウム、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ファストイエロー、ファストイエロー5G、ファストイエロー5GX、ファストイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG等が例示できる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等が例示できる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等が例示できる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、ウルトラマリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の等の有機、無機系着色剤類が例示できる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の有機、無機系着色剤類が例示できる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーンG等の有機、無機系着色剤類が例示できる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等が例示できる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレイ、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等が例示できる。
上記の着色剤は、懸濁重合法によるトナー作製にそのまま用いることができ、懸濁重合法においては、樹脂中に分散させた着色剤を重合性単量体中に溶解、又は分散させることにより、造粒粒子中に着色剤を分散することができる。
機械的な衝撃等による着色剤分散の具体例としては、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等を用いて着色剤粒子の分散液を調製することができる。また、これらの着色剤は極性を有する界面活性剤を用いて、ホモジナイザー等の機械的な衝撃等によって水系に分散することもできる。
本発明において、トナーは、必要に応じ磁性体を含有していてもよい。
前記磁性体としては、フェライト、マグネタイトを始めとする鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属若しくは合金又はこれらの元素を含む化合物、あるいは強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのマンガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、又は二酸化クロム、その他を挙げることができる。例えば黒色のトナーを得る場合においては、それ自身黒色であり着色剤としての機能をも発揮するマグネタイトを特に好ましく用いることができる。またカラートナーを得る場合においては、金属鉄などのように黒みの少ないものが好ましい。またこれらの磁性体の中には着色剤としての機能をも果たすものがあり、その場合には着色剤として兼用してもよい。これらの磁性体の含有量は、磁性トナーとする場合にはトナー100重量部当り20〜70重量部が好ましく、より好ましくは40〜70重量部である。
本発明において、トナー内部に内添剤を添加してもよい。内添剤は一般に定着画像の粘弾性制御の目的で使用される。
前記内添剤の具体例としては、シリカ、チタニアのような無機粒子や、ポリメチルメタクリレート等の有機粒子などが例示でき、また、分散性を高める目的で表面処理されていてもよい。またそれらは単独でも、2種以上の内添剤を併用してもよい。
本発明において、トナーには流動化剤や帯電制御剤等の外添剤を添加処理してもよい。
外添剤としては、表面をシランカップリング剤などで処理したシリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、カーボンブラック等の無機粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー粒子、アミン金属塩、サリチル酸金属錯体等、公知の材料を用いることができる。本発明に用いることができる外添剤は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
また、本発明においてトナーの体積平均粒度分布指標GSDvは1.30以下であることが好ましい。GSDvが1.30を以下であると解像性が良好であり、トナー飛散やカブリ等が起こりにくく、画像欠陥が生じにくいため好ましい。
SF1は、トナー粒子表面の凹凸の度合いを示す形状係数であり、以下のようにして算出される。トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナー粒子についてトナー粒子の最大長の2乗/投影面積((ML)2/A)から、下記式のSF1を計算し、平均値を求めることにより得られたものである。
本発明において、トナーの製造方法としては、結着樹脂を使用して樹脂粒子分散液を製造し、樹脂粒子分散液からトナーを製造する、いわゆる化学製法によりトナーを製造する方法を挙げることができる。本発明において、トナーは、重合トナーであることが好ましい。
本発明において、トナーの製造方法としては、混練粉砕法、凝集合一法、懸濁重合法等、公知の方法であれば、特に制限はないが、凝集合一法が好ましく、その中でも特に好ましいのは乳化重合凝集法である。
前記分散工程において、結着樹脂及び離型剤は、結着樹脂粒子分散液及び離型剤粒子分散液を用いることが好ましい。
結着樹脂及び離型剤を水系媒体中に分散、粒子化する方法としては、例えば、強制乳化法、自己乳化法、転相乳化法など、既知の方法からも選択することができる。これらのうち、乳化に要するエネルギー、得られる乳化物の粒子径制御性、安定性等を考慮すると、自己乳化法、転相乳化法が好ましく適用される。
自己乳化法、転相乳化法に関しては、「超微粒子ポリマーの応用技術((株)シーエムシー出版)」に記載されている。自己乳化に用いる極性基としては、カルボキシ基、スルホン基等を用いることができる。
また、後述するように、ミニエマルション法等で乳化重合させた結着樹脂の分散液を結着樹脂粒子分散液として使用することも好ましい。
非イオン系界面活性剤は、前記アニオン系界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用することが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、常温で固体の水性ポリマー等も分散安定剤として用いることができる。具体的には、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系化合物、ポリビニルアルコール、ゼラチン、デンプン、アラビアゴム等が使用できる。
例えば、結着樹脂含有物等を乳化後、有機溶剤の一部を除去することにより粒子として固形化するのが好ましい。固形化の具体的方法としては、重縮合樹脂含有物を水系媒体中に乳化分散した後、溶液を撹拌しながら空気、あるいは窒素等の不活性ガスを送り込みながら、気液界面での有機溶剤の乾燥を行う方法(廃風乾燥法)、又は、減圧下に保持し必要に応じて不活性ガスをバブリングしながら乾燥を行う方法(減圧トッピング法)、さらには、重縮合樹脂含有物を水系媒体中に乳化分散した乳化分散液若しくは重縮合樹脂含有物の乳化液を細孔からシャワー状に放出し例えば皿状の受けに落としこれを繰り返しながら乾燥させる方法(シャワー式脱溶剤法)などがある。使用する有機溶剤の蒸発速度、水への溶解度などからこれら方式を適時選択、あるいは組合せて脱溶剤を行うのが好ましい。
該凝集剤としては一価以上の電荷を有する化合物が好ましく、その化合物の具体例としては、前述のイオン性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の水溶性界面活性剤類、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化アルミニウム(ポリ塩化アルミニウムを含む)、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩、酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸、芳香族酸の金属塩、ナトリウムフェノレート等のフェノール類の金属塩、アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の脂肪族、芳香族アミン類の無機酸塩類等が挙げられる。
これらの凝集剤の添加量は、電荷の価数により異なるが、いずれも少量であって、一価の場合トナーの全量に対して3重量%以下程度、二価の場合は1重量%以下程度、三価の場合は0.5重量%以下程度である。凝集剤の量は少ない方が好ましいため、価数の多い化合物を用いることが好ましい。
前記融合工程においては、前記凝集粒子中の結着樹脂又は離型剤が、その融点又はガラス転移温度以上の温度条件で溶融し、凝集粒子は不定形からより球形へと変化する。
コアシェル構造を有する樹脂粒子によるトナー中の相分離構造を維持するためには、高Tg相がシェルである場合には、シェルに用いる樹脂のガラス転移温度の+50℃以内の条件で溶融すること好ましい。シェルに用いる樹脂のガラス転移温度の+50℃以内の条件で融合すると、コア成分の低粘度化が起こりにくく、コア用樹脂同士の合一が進行しにくく、ミクロな相分離構造が維持でき、圧力可塑挙動が十分となるため好ましい。
その後、凝集物を水系媒体から分離、必要に応じて洗浄、乾燥させることによってトナー粒子を形成する。
以上説明した静電荷像現像用トナーは、静電荷像現像剤(現像剤)として使用することができる。この現像剤は、このトナーを含有することのほかは特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。トナーを単独で用いると一成分系の現像剤として調製され、また、キャリアと組合せて用いると二成分系の現像剤として調製される。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記トナー像を被記録材表面に転写して転写トナー像を得る転写工程、及び、前記転写トナー像を加圧して定着する定着工程を含み、前記トナーが本発明の静電荷像現像用トナーもしくは本発明の製造方法により製造された静電荷像現像用トナー、又は、前記現像剤が本発明の静電荷像現像剤であることを特徴とする。
本発明の画像形成方法においては、前記定着工程における定着温度が15℃以上50℃以下であることが好ましい。また、前記定着工程における定着圧力が0.1MPa以上5MPa以下であることが好ましい。
以下、本発明の画像形成方法及び画像形成装置について説明する。
さらに、前記画像形成方法は、例えば、潜像保持体表面をクリーニングするクリーニング工程等、上記した工程以外の工程を含むものであってもよく、前記画像形成装置は潜像保持体表面をクリーニングするクリーニング手段等を含むものであってもよい。
感光体が好ましい。
本発明において、定着工程は好ましくは加熱なしに加圧することによって行われる。また、定着手段は加熱手段を有していないことが好ましい。
定着圧力は、0.1〜5MPaであることが好ましく、より好ましくは0.15〜3MPaであり、さらに好ましくは0.2〜2MPaである。定着時の圧力(定着圧力)が0.1MPa以上であると、十分な定着性が得られるので好ましい。また、5MPa以下であると、定着後の用紙が曲がる(用紙カールという。)といった問題を生じ難いので好ましい。
定着ロールとしては、上記定着圧力が印加可能である範囲で、従来公知の定着ロールを適宜選択して使用することができる。
例えば、円筒の芯金上にフッ素系樹脂(例えばテフロン(登録商標))、シリコーン系樹脂、パーフルオロアルキレート等が被覆された定着ロールが例示でき、また、高い定着圧力を得るためには、SUS製の定着ロールを使用することもできる。定着工程は、一般に2つのロール間に被記録材を通過させることにより行われるが、2つのロールを同一の材料で形成することもできるし、異なる材料で形成してもよい。例えば、SUS/SUS、SUS/シリコーン樹脂、SUS/PFA、PFA/PFA等の組合せが挙げられる。
定着温度が上記範囲内であると、良好な定着性を得ることができるので好ましい。
分子量の測定には、ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィ(GPC)によって以下に記す条件で重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnを測定した。温度40℃において、溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1.2mlの流速で流し、濃度0.2g/20mlのテトラヒドロフラン試料溶液を試料重量として3mg注入し測定を行った。試料の分子量測定にあたっては、当該試料の有する分子量が数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含される測定条件を選択する。なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン標準試料が、
重量平均分子量Mw=28.8×104
数平均分子量 Mn=13.7×104
となることにより確認することができる。
また、GPCのカラムとしては、前記条件を満足するTSK−GEL、GMH(東ソー(株)製)を用いた。
メジアン径は、測定する粒子の粒径により異なり、1μm未満の場合はレーザー回析式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−920)、1μm以上の場合は、マルチサイザーII(ベックマン・コールター(株)製)により測定した。
樹脂のガラス転移温度、及び、融点は、示差走査熱量計(DSC−50、(株)島津製作所製)を用いて測定した。
<トナーの評価>
トナーの評価には富士ゼロックス(株)製のDocuCentreColor f450の改造機を用いた。また、定着機については最大定着圧力を調整できる2ロール型の定着機を改造し、さらに、画像側圧力ロールをSUS管にテフロン(登録商標)をコートした高硬度ロールに変更した。被記録材としては上記の富士ゼロックス(株)製S紙を用いた。
丸型ガラスフラスコ中に、300部のイオン交換水と1.5部のTTAB(テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、(株)シグマ製)を入れ、20分間、窒素バブリングを実施し、撹拌しながら65℃まで昇温した。n−ブチルアクリレートモノマー40部を加え、さらに20分間撹拌を行った。開始剤V−50(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、和光純薬工業(株)製)0.5部を予め、10部のイオン交換水に溶解後、フラスコ中に投入した。65℃で、3時間保持し、スチレンモノマー50部と、n−ブチルアクリレートモノマー20部、アクリル酸2.5部及び0.8部のドデカンチオールを0.5部のTTABを溶解したイオン交換水100部に乳化した乳化液を2時間かけて定量ポンプを用いてフラスコ中に連続的に投入した。温度を70℃に昇温し、さらに2時間保持して、重合を完了した。重量平均分子量Mwは22,000、平均粒子径は170nm、固形分量が25重量%のコアシェル型樹脂粒子分散液(A1)を得た。
なお、コアシェル型樹脂粒子であることはエポキシ樹脂に包埋し、ダイアモンドナイフにより樹脂粒子の断面切片を作製し、その後ルテニウム蒸気中で染色し、透過型電子顕微鏡観察により確認した。
樹脂を40℃で風乾後、−150℃から示差走査熱量計(DSC、(株)島津製作所製)でTg挙動を分析すると、−48℃付近にポリブチルアクリレートによるガラス転移が観測され、また、56℃付近にスチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体からなると考えられる共重合体によるガラス転移が観測された(ガラス転移温度差:104℃)。
丸型ガラスフラスコ中に、300部のイオン交換水と1.5部のTTAB(テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、(株)シグマ製)を入れ、20分間、窒素バブリングを実施し、撹拌しながら65℃まで昇温した。2−エチルヘキシルアクリレートモノマー40部を加え、さらに20分間撹拌を行った。開始剤V−50(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、和光純薬工業(株)製)0.5部を予め、10部のイオン交換水に溶解後、フラスコ中に投入した。65℃で、3時間保持し、スチレンモノマー50部と、2−エチルヘキシルアクリレートモノマー20部、アクリル酸ジエチルアミノエチル1.2部及び0.8部のドデカンチオールを0.5部のTTABを溶解したイオン交換水100部に乳化した乳化液を2時間かけて定量ポンプを用いてフラスコ中に連続的に投入した。温度を70℃に昇温し、さらに2時間保持して、重合を完了した。重量平均分子量Mwは25,000、平均粒子径は130nm、固形分量が25重量%のコアシェル型樹脂粒子分散液(A2)を得た。
なお、コアシェル型樹脂粒子であることはエポキシ樹脂に包埋し、ダイアモンドナイフにより樹脂粒子の断面切片を作製し、その後ルテニウム蒸気中で染色し、透過型電子顕微鏡観察により確認した。
樹脂を40℃で風乾後、−150℃から示差走査熱量計(DSC、(株)島津製作所製)でTg挙動を分析すると、−60℃付近にポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)によるガラス転移が観測され、また55℃付近にスチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸ジエチルアミノエチル共重合体からなると考えられる共重合体によるガラス転移が観測された(ガラス転移温度差:115℃)。
丸型ガラスフラスコ中に、300部のイオン交換水と1.5部のTTAB(テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、(株)シグマ製)を入れ、20分間、窒素バブリングを実施し、撹拌しながら65℃まで昇温した。n−ブチルメタクリレートモノマー40部を加え、さらに20分間撹拌を行った。開始剤V−50(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、和光純薬工業(株)製)0.5部を予め、10部のイオン交換水に溶解後、フラスコ中に投入した。65℃で、3時間保持し、スチレンモノマー50部と、n−ブチルアクリレートモノマー20部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部及び0.8部のドデカンチオールを0.5部のTTABを溶解したイオン交換水100部に乳化した乳化液を2時間かけて定量ポンプを用いてフラスコ中に連続的に投入した。温度を70℃に昇温し、さらに2時間保持して、重合を完了した。重量平均分子量Mwは21,000、平均粒子径は、260nm、固形分量が25重量%のコアシェル型樹脂粒子分散液(A3)を得た。
なお、コアシェル型樹脂粒子であることはエポキシ樹脂に包埋し、ダイアモンドナイフにより樹脂粒子の断面切片を作製し、その後ルテニウム蒸気中で染色し、透過型電子顕微鏡観察により確認した。
樹脂を40℃で風乾後、−150℃から(株)島津製作所製示差走査熱量計(DSC)でTg挙動を分析すると、25℃付近にポリブチルメタクリレートによるガラス転移が観測され、また48℃付近にスチレン−ブチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体からなると考えられる共重合体によるガラス転移が観測された(ガラス転移温度差:23℃)。
丸型ガラスフラスコ中に、300部のイオン交換水と1.5部のTTAB(テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、(株)シグマ製)を入れ、20分間、窒素バブリングを実施し、撹拌しながら65℃まで昇温した。n−ブチルメタクリレートモノマー40部を加え、さらに20分間撹拌を行った。開始剤V−50(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、和光純薬工業(株)製)0.5部を予め、10部のイオン交換水に溶解後、フラスコ中に投入した。65℃で、3時間保持し、スチレンモノマー50部と、n−ブチルアクリレートモノマー30部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部及び0.8部のドデカンチオールを0.5部のTTABを溶解したイオン交換水100部に乳化した乳化液を2時間かけて定量ポンプを用いてフラスコ中に連続的に投入した。温度を70℃に昇温し、さらに2時間保持して、重合を完了した。重量平均分子量Mwは25,000、平均粒子径は、280nm、固形分量が25重量%のコアシェル型樹脂粒子分散液(A4)を得た。
なお、コアシェル型樹脂粒子であることはエポキシ樹脂に包埋し、ダイアモンドナイフにより樹脂粒子の断面切片を作製し、その後ルテニウム蒸気中で染色し、透過型電子顕微鏡観察により確認した。
樹脂を40℃で風乾後、−150℃から(株)島津製作所製示差走査熱量計(DSC)でTg挙動を分析すると、25℃付近にポリブチルメタクリレートによるガラス転移が観測され、また40℃付近にスチレン−ブチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体からなると考えられる共重合体によるガラス転移が観測された(ガラス転移温度差:15℃)。
<離型剤粒子分散液(B1)の調製>
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 175部
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 310部
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.5部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、窒素雰囲気下100℃で1時間重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂を得た。
GPCによる重量平均分子量は1,000であった。
カプロラクトン 90部
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.2部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、窒素雰囲気下90℃で1時間重縮合を実施したところ、均一透明な結晶性ポリエステル樹脂を得た。
GPCによる重量平均分子量は1,200、結晶融点は60℃であった。
さらに、上記ポリエステル樹脂2種を100℃にて混合して、撹拌機を備えたリアクターにて2時間加熱することにより、ポリエステルブロック共重合体を形成した。ポリエステルブロック共重合体としてのDSCによるガラス転移温度(オンセット)は50℃であり、融点は60℃近傍に小さく観測された。
また、GPCによる重量平均分子量は2,400であった。
この樹脂100部に界面活性剤としてソフト型ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を加え、さらにイオン交換水300部を加え、80℃に加熱しながら丸型ガラス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。
その後、さらに0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.0に調整した後、ホモジナイザーによる撹拌を継続しながら90℃まで加熱してポリエステルブロック共重合体の離型剤粒子分散液を得た。離型剤粒子の中心径が210nm、固形分量が20%の離型剤粒子分散液(B1)を得た。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 175部
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 310部
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.5部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、窒素雰囲気下100℃で1時間重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂を得た。GPCによる重量平均分子量は1,100であった。
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.36部
1,9−ノナンジオール 80部
1,10−デカメチレンジカルボン酸 115部
上記の材料を混合し、80℃で加熱し融解した後、80℃で30分保持し、GPCによる重量平均分子量が1,000、結晶融点が62℃の結晶性ポリエステル樹脂を得た。
さらに上記ポリエステル樹脂2種を100℃にて混合して、撹拌機を備えたリアクターにて30分加熱することにより、ポリエステルブロック共重合体を形成した。ポリエステルブロック共重合体としてのDSCによるガラス転移温度(オンセット)は52℃であり、融点は60℃近傍に観測された。GPCによる重量平均分子量は1,900であった。
この樹脂100部に界面活性剤としてソフト型ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を加え、さらにイオン交換水300部を加え、80℃に加熱して、かつ加熱しながら丸型ガラス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。
その後、さらに0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.0に調整した後、ホモジナイザーによる撹拌を継続しながら90℃まで加熱してポリエステルブロック共重合体の離型剤粒子分散液を得た。離型剤粒子の中心径が180nm、固形分量が20%の離型剤粒子分散液(B2)を得た。
1,4−フェニレンジプロパン酸 222部
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 344部
p−トルエンスルホン酸 0.7部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、窒素雰囲気下80℃で1時間重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂を得た。GPCによる重量平均分子量は900であった。
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.36部
1,9−ノナンジオール 80部
1、10−デカメチレンジカルボン酸 115部
上記材料を混合し、120℃で加熱し融解した後、80℃で30分保持し、GPCによる重量平均分子量が1,500、結晶融点が62℃の結晶性ポリエステル樹脂を得た。
さらに上記ポリエステル樹脂2種を100℃にて混合して、撹拌機を備えたリアクターにて30分加熱することにより、ポリエステルブロック共重合体を形成した。ポリエステルブロック共重合体としてのDSCによるガラス転移温度(オンセット)は50℃であり、融点は60℃近傍に観測された。GPCによる重量平均分子量は2,700であった。
この樹脂100部に界面活性剤としてソフト型ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を加え、さらにイオン交換水300部を加え、80℃に加熱して、かつ加熱しながら丸型ガラス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。
その後、さらに0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.0に調整した後、ホモジナイザーによる撹拌を継続しながら90℃まで加熱してポリエステルブロック共重合体の離型剤粒子乳化分散液を得た。離型剤粒子の中心径が200nm、固形分量が20%である離型剤粒子分散液(B3)を得た。
さらに(B3)の作製段階で非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを混合し加熱する時間を1時間とすることにより重量平均分子量が3,500のポリエステルブロック共重合体を得た。ポリエステルブロック共重合体としてのDSCによるガラス転移温度(オンセット)は50℃であり、融点は60℃近傍に観測された。上記離型剤粒子分散液(B3)と同様に分散液として離型剤粒子分散液(B4)を得た。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 175部
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 310部
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.1部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、窒素雰囲気下100℃で30分重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂を得た。
GPCによる重量平均分子量は600であった。
カプロラクトン 90部
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.1部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、窒素雰囲気下90℃で30分重縮合を実施したところ、均一透明な結晶性ポリエステル樹脂を得た。
GPCによる重量平均分子量は500、結晶融点は60℃であった。
さらに、上記ポリエステル樹脂2種を100℃にて混合して、撹拌機を備えたリアクターにて1時間加熱することにより、ポリエステルブロック共重合体を形成した。ポリエステルブロック共重合体としてのDSCによるガラス転移温度(オンセット)は48℃であり、融点は55℃近傍に小さく観測された。
また、GPCによる重量平均分子量は1,200であった。
この樹脂100部に界面活性剤としてソフト型ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を加え、さらにイオン交換水300部を加え、80℃に加熱しながら丸型ガラス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。
その後、さらに0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.0に調整した後、ホモジナイザーによる撹拌を継続しながら90℃まで加熱してポリエステルブロック共重合体の離型剤粒子分散液を得た。離型剤粒子の中心径が200nm、固形分量が20%の離型剤粒子分散液(B5)を得た。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 175部
1,4−シクロヘキサンジオール 160部
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.3部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、窒素雰囲気下100℃で1時間重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂を得た。
GPCによる重量平均分子量は950であった。
カプロラクトン 90部
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.1部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、窒素雰囲気下90℃で1時間重縮合を実施したところ、均一透明な結晶性ポリエステル樹脂を得た。
GPCによる重量平均分子量は900、結晶融点は60℃であった。
さらに、上記ポリエステル樹脂2種を100℃にて混合して、撹拌機を備えたリアクターにて1時間加熱することにより、ポリエステルブロック共重合体を形成した。ポリエステルブロック共重合体としてのDSCによるガラス転移温度(オンセット)は50℃であり、融点は58℃近傍に小さく観測された。
また、GPCによる重量平均分子量は1,800であった。
この樹脂100部に界面活性剤としてソフト型ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を加え、さらにイオン交換水300部を加え、80℃に加熱しながら丸型ガラス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。
その後、さらに0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.0に調整した後、ホモジナイザーによる撹拌を継続しながら90℃まで加熱してポリエステルブロック共重合体の離型剤粒子分散液を得た。離型剤粒子の中心径が180nm、固形分量が20%の離型剤粒子分散液(B6)を得た。
サイアン顔料 50部
(大日精化工業(株)製、銅フタロシアニン C.I.Pigment Blue15:3)
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンR) 5部
イオン交換水 200部
前記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)5分と
超音波バスにより10分間分散し、中心径190nm、固形分量21.5%のサイアン着
色剤粒子分散液(1)を得た。
(トナー粒子1の調製)
・樹脂粒子分散液(A1) 168部(樹脂42部)
・着色剤粒子分散液(1) 40部(顔料8.6部)
・離型剤粒子分散液(B1) 40部(離型剤8.6部)
・ポリ塩化アルミニウム 0.15部
・イオン交換水 300部
上記配合に従って、成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら42℃まで加熱し、42℃で60分間保持した後、樹脂粒子分散液(A1)を105部(樹脂21部)追加して緩やかに撹拌した。
その後、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6.0に調整した後、撹拌を継続しながら95℃まで加熱した。95℃までの昇温の間、通常の場合、系内のpHは、5.0以下まで低下するが、ここでは水酸化ナトリウム水溶液を追加滴下し、pHが5.5以下とならない様に保持した。
反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。そして、40℃のイオン交換水3リットル中に再分散し、15分、300rpmで撹拌、洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離し、次いで、真空乾燥を12時間行い、トナー粒子1を得た。
このトナー粒子1の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が4.5μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.23であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は128のポテト形状であった。
上記トナー粒子50部に対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)1.5部を添加し、サンプルミルで混合して外添トナーを得た。
そして、ポリメチルメタアクリレート(綜研化学(株)製)を1%被覆した平均粒径50μmのフェライトキャリアを用い、トナー濃度が5%になるように前記の外添トナーを秤量し、両者をボールミルで5分間撹拌・混合して現像剤を調製した。
上記現像剤を使用し、富士ゼロックス(株)製のDocuCenterColor f450の改造機において、最大定着圧力が、0.4MPaとなるように2ロール型の定着機を改造し、被記録材として富士ゼロックス(株)指定のS紙を使用し、プロセススピードを180mm/secに調整してトナーの定着性を調べたところ、圧力定着性は良好であり、布摺擦評価では画像は充分な定着均一性を示した(機内温度30℃)。
また、23℃、80%の高湿度下で15時間、用紙とともに放置後、上記改造機において、実験室環境で5万枚の連続プリント試験を行ったが、定着剥離性は良好であり、初期の良好な画質を最後まで維持した(連続試験維持性○)。連続走行時の機内温度は40℃前後が最高温度であった。
以下トナー実施例2〜7、比較例1及び2について表3に示す成分の組合せでトナーを作製し、表3に示す定着圧力で定着した。表3に評価結果を示した。
なお、トナー実施例1〜2は、最大定着圧力が、0.4MPa、実施例3〜4は4MPa、実施例5〜7は0.2MPaとなるように設定した。また、比較例1は、最大定着圧力が4.0MPa、比較例2が0.2MPaとなるように設定した。
Claims (9)
- コアを構成する樹脂のガラス転移温度とシェルを構成する樹脂のガラス転移温度との差が20℃以上であるコアシェル構造を有する樹脂粒子、及び、
主鎖に環状構造を含む非結晶性ポリエステルブロックと、主鎖に環状構造を含まない結晶性ポリエステルブロックとを含む、重量平均分子量3,000以下のポリエステルブロック共重合体よりなる離型剤粒子を凝集して得たことを特徴とする
静電荷像現像用トナー。 - 前記コアを構成する樹脂及び/又はシェルを構成する樹脂が、非結晶性の付加重合型樹脂を含む、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記シェルを構成する樹脂が、酸性若しくは塩基性の極性基、又は、アルコール性水酸基を有する、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記樹脂粒子及び前記離型剤粒子を水系媒体中に分散する分散工程、
分散した樹脂粒子及び離型剤粒子を凝集して凝集粒子を得る凝集工程、並びに、
前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程を含むことを特徴とする、
請求項1〜3いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 請求項1〜3いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー又は請求項4に記載の製造方法により製造された静電荷像現像用トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤。
- 潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、
前記静電潜像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、
前記トナー像を被記録材表面に転写して転写トナー像を得る転写工程、及び、
前記転写トナー像を加圧して定着する定着工程を含み、
前記トナーが請求項1〜3いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーもしくは請求項4に記載の製造方法により製造された静電荷像現像用トナー、又は、
前記現像剤が請求項5に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする
画像形成方法。 - 前記定着工程における定着温度が15℃以上50℃以下である、請求項6に記載の画像形成方法。
- 前記定着工程における定着圧力が0.1MPa以上5MPa以下である、請求項6又は7に記載の画像形成方法。
- 潜像保持体、
前記潜像保持体を帯電させる帯電手段、
帯電した前記潜像保持体を露光して前記潜像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段、
現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段、
前記トナー像を前記潜像保持体から被記録材に転写する転写手段、及び、
転写したトナー像を加圧して定着する定着手段を有し、
前記トナーが請求項1〜3いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーもしくは請求項4に記載の製造方法により製造された静電荷像現像用トナー、又は、
前記現像剤が請求項5に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする
画像形成装置。
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