JP2010047975A - 上部体及びこれを備えた建設機械 - Google Patents

上部体及びこれを備えた建設機械 Download PDF

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慎太郎 崎谷
Yoshiaki Murakami
良昭 村上
Shigeyuki Oda
重之 小田
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Abstract

【課題】通路の高さを低くしながらタンク容量の確保を図ることができる上部体及びこれを備えた建設機械を提供すること。
【解決手段】旋回フレーム15と、旋回フレーム15の前部に設けられ、作業アタッチメント6を起伏可能に取り付けるためのブームフットピン23と、ブームフットピン23の後方で旋回フレーム15上に設けられたエンジン17と、ブームフットピン23の側方に設けられたキャブ18と、ブームフットピン23を挟んでキャブ18と反対側となる旋回フレーム15上の位置で前後に並ぶ燃料タンク19及び作動油タンク20とを備え、上部旋回体3の上面には、燃料タンク19及び作動油タンク20の上で前後方向に延びる部分と、この部分の後部からエンジン17とブームフットピン23との間の位置まで延びる部分を有する通路R2を形成するための凹部40が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、油圧ショベル等の建設機械の上部体及びこれを備えた建設機械に関する。
従来から、自走式の下部走行体と、走行体上に搭載された上部体とを備えた建設機械が知られている。
図6に示すように、上部体は、ベースフレーム101と、ベースフレーム101の前部に設けられ、図外のブームを起伏可能に取り付けるための取付部102と、取付部102の側方位置で前記ベースフレーム101上に設けられたキャブ103と、前記ベースフレーム101上を覆うためのガード104とを備えている。
前記ガード104は、前記取付部102の後方に配置されたエンジンを覆うボンネット105と、前記取付部102を挟んでキャブ103と反対側の位置で前後に並んで配置された燃料タンク及び作動油タンク(それぞれ図示せず)を覆う第1被覆部106と、前記ボンネット105と前記取付部102との間に設けられた第2被覆部107とを備えている。
この種の上部体において、例えばエンジンのメンテナンスを行う場合、作業者は、ガード104の上に乗り、ボンネット105を開放する。具体的に、第1被覆部106の前方からガード104上に昇り、第1及び第2被覆部106、107上の通路R1(同図のハッチング範囲)を通ってボンネット105まで歩いていくことになる。
ガード104上に昇るのに際し、第1被覆部106は、ベースフレーム101上に設けられた燃料タンク又は作動油タンクのさらに上である高い位置に設けられているため、当該第1被覆部106に昇り易くすることが要求される。そこで、例えば、特許文献1に示されるように、後部が高位置となり前部が低位置となる段差状のステップ部を前部に有する車体カバー構造(例えば、特許文献1)も知られている。
特開2000−45332号公報
特許文献1を含む従来の上部体においては、作業者がガード104上に設定された通路を歩行することを要するため、作業者の安全性を確保する観点から通路の高さをできるだけ低くすることが望まれる。そこで、例えば、ガード104を低くすることが考えられる。
しかしながら、ガード104の配置を単に低くすると、第1被覆部106の下に配置された燃料タンク及び作動油タンクの高さも低くすることが必要となり、当該燃料タンク及び作動油タンクのタンク容量が必要以上に少なくなるという問題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、通路の高さを低くしながらタンク容量の確保を図ることができる上部体及びこれを備えた建設機械を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、作業アタッチメントを有する建設機械の下部走行体上に設けられた上部体であって、ベースフレームと、前記ベースフレームの前部に設けられ、前記作業アタッチメントを起伏可能に取り付けるための取付部と、前記取付部の後方で前記ベースフレーム上に設けられたエンジンと、前記取付部の側方に設けられたキャブと、前記取付部を挟んで前記キャブと反対側となるベースフレーム上の位置で前後に並ぶ燃料タンク及び作動油タンクとを備え、前記上部体の上面には、燃料タンク及び作動油タンクの上で前後方向に延びる部分と、この部分の後部から前記エンジンと取付部との間の位置まで延びる部分とを有する通路を形成するための凹部が設けられていることを特徴とする上部体を提供する。
本発明によれば、上部体の上面に設けられた凹部を通路として利用するため、上部体の上面自体(凹部以外の部分)を通路として利用する場合と比較して、通路の高さを低くすることができる。
しかも、本発明では、上部体の全体を低くするのではなく、上部体の上面の一部に凹部を設け、これを通路として利用しているため、当該上部体の上面の下に配置される燃料タンク及び作動油タンクの高さを必要以上に低くすることが不要となる。
また、上部体の上面に形成された凹部を通路として利用することとしている、つまり、通路が通路以外の部分よりも低くされているため、このように低くされた部分が通路であることを作業者に対して視覚的に強調することができる。
したがって、本発明によれば、通路の高さを低くしながらタンク容量の確保を図ることができる。
具体的に、前記ベースフレーム上を覆うことにより前記上部体の上面を構成するガードを備え、前記ガードは、前記エンジンを覆うボンネットと、前記燃料タンク及び作動油タンクを覆う第1被覆部と、前記第1被覆部の後部から前記キャブ側に延び、前記ボンネットと前記取付部との間に配置された第2被覆部とを備え、前記凹部は、前記第1被覆部及び第2被覆部の上面に設けられている構成とすることができる。
なお、前記「凹部」とは、第1及び第2被覆部の厚み寸法の範囲内で当該第1及び第2被覆部の上面を凹ませて形成することだけでなく、板材に曲げ加工を施すことによって板材自体を凹部状にすることも含まれる。
具体的に、前記第1被覆部は、前記凹部に対応する部分が内方へ曲げ加工された板材からなり、前記燃料タンク、作動油タンクの少なくとも一方は、前記第1被覆部における内方に曲げ加工された部分の下に配置される低背部と、前記内方に曲げ加工された部分以外の部分の下に配置され、前記低背部よりも高い部分である高背部とを有している構成とすることができる。
このようにすれば、板材に曲げ加工を施すことによって、第1被覆材の上面に凹部を容易に形成することができる。このように曲げ加工を施す場合には、前記凹部に対応して第1被覆部の内方に曲げ加工した部分が形成されることになり、この部分の下に配置される範囲で燃料タンク又は作動油タンクの高さが制限を受けるものの、前記構成では、板材の内方に曲げ加工された部分以外の部分の下に配置された部分を高背部としているので、タンク容量が必要以上に制限されるのを回避することができる。
前記上部体において、前記第1被覆部の前後方向の少なくとも一部の範囲には、当該第1被覆部の上面の左右の縁部うち前記キャブから遠い方の縁部に沿って上方に突出する突出部が形成され、前記第1被覆部の上面のうち前記突出部よりも前記キャブ側の範囲内に前記凹部が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、第1被覆部の上面の縁部に沿って突出部が形成されているので、当該突出部が第1被覆部の上面の縁であることを作業者に認識させることができ、当該縁部を越えた作業者の移動を規制することができる。
前記上部体において、前記突出部上に立設された柵をさらに備えていることが好ましい。
この構成によれば、前記突出部からさらに柵が立設されているので第1被覆部の縁部を越えた作業者の移動をさらに有効に規制することが可能となる。なお、前記「柵」とは、作業者の移動を規制することができることを前提として、ハンドレールも包含する趣旨である。
前記上部体において、前記第1被覆部、第2被覆部の少なくとも一方の上面のうち前記通路に対応する範囲には、当該範囲が通路であることを識別するための識別部材が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、識別部材によって作業者に対してより明確に通路を認識させることができる。
また、本発明は、前記上部体と、前記上部体を下から支持する自走式の下部走行体とを有し、前記上部体の上面には、前記燃料タンク及び作動油タンクの上で前後方向に延びる部分と、この部分の後部から前記エンジンと取付部との間の位置まで延びる部分とを有する通路を形成するための凹部が設けられていることを特徴とする建設機械を提供する。
本発明によれば、通路の高さを低くしながらタンク容量の確保を図ることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る油圧ショベルの全体構成を示す側面図である。
図1を参照して、建設機械の一例としての油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2と、この下部走行体2上に旋回可能に設けられた上部旋回体3とを備えている。
下部走行体2は、ロワフレーム4と、このロワフレーム4の両側に設けられた一対のクローラ5(図1では1つ示している)とを備えている。各クローラ5は、駆動輪5aと、遊動輪5bと、これら両輪5a、5bに巻回されたクローラベルト5cとをそれぞれ備え、前記クローラベルト5cの循環動作に応じて走行するようになっている。
図2は、図1の油圧ショベルの上部旋回体を拡大して示す斜視図である。なお、以下の説明では、図2中のキャブ18内のオペレータから見た前後左右方向を用いて説明する。
図1及び図2を参照して、上部旋回体3は、作業アタッチメント6と、この作業アタッチメント6を起伏可能に保持する旋回体本体7とを備えている。
作業アタッチメント6は、ブーム8と、このブーム8の先端部に揺動可能に軸支されたアーム9と、このアーム9の先端部に揺動可能に軸支されたバケット10とを備えている。ブーム8は、旋回体本体7との間に設けられたブームシリンダ11の伸縮に応じて旋回体本体7に対して起伏する。アーム9は、ブーム8との間に設けられたアームシリンダ12の伸縮に応じてブーム8に対して揺動する。バケット10は、アーム9との間に設けられたバケットシリンダ14の伸縮に応じてアーム9に対して揺動する。
旋回体本体7は、旋回フレーム(ベースフレーム)15と、この旋回フレーム15の前部に設けられた左右一対の縦板16a、16bと、旋回フレーム15の後部に設けられたエンジン17と、各縦板16a、16bの左側に設けられたキャブ18と、各縦板16a、16bの右側で旋回フレーム15の前部に設けられた燃料タンク19と、各縦板16a、16bの右側で燃料タンク19の後ろに設けられた作動油タンク20と、各縦板16a、16bの右側で燃料タンク19の前に設けられたトランクボックス21と、旋回フレーム15上を覆うことにより前記旋回体本体7の上面を構成するガード22とを備えている。
旋回フレーム15は、前記下部走行体2上に旋回可能に設けられている。この旋回フレーム15の右前端面には、前記トランクボックス21に昇るためのステップ15aが設けられている。
縦板16a、16bは、前記ブーム8を起伏可能に取り付けるためのものである。具体的に、縦板16a、16b、及び当該各縦板16a、16bの間に配置されたブーム8の基端部に対して左右方向に延びる図外のブームフットピン23を挿入することにより、ブーム8が旋回フレーム15に対して起伏可能に取り付けられる。本実施形態においては、各縦板16a、16bに形成された孔と、前記ブームフットピン23とが取付部を構成する。
エンジン17は、その長手方向を左右方向に向けた姿勢で、前記ブームフットピン23の後方となる旋回フレーム15上の位置に設けられている。
キャブ18は、その前面が各縦板16a、16bより若干前となり、その後面が作動油タンク20よりも若干前となる旋回フレーム15上の位置に設けられている。
ガード22は、前記エンジン17を収容するエンジン収容部24と、このエンジン収容部24の上部開口を開閉可能なボンネット25と、燃料タンク19を覆う燃料タンク被覆部26と、作動油タンク20を覆う作動油タンク被覆部27と、前記ボンネット25とブームフットピン23との間に設けられた中央被覆部(第2被覆部)28とを備えている。
エンジン収容部24は、前記旋回フレーム15の後部で左右方向に延びる箱状の体をなし、エンジンルームを形成する。このエンジン収容部24の上面には、エンジン17を上方に露出させる図外の開口が形成されている。
ボンネット25は、図外の蝶番を介して前記エンジン収容部24に開閉可能に取り付けられている。したがって、作業者は、ボンネット25を開放することにより、エンジン収容部24の上部開口を介してエンジン17のメンテナンスを行うことができる。
エンジン17のメンテナンスを行うために、作業者は、後述する燃料タンク被覆部26、作動油タンク被覆部27及び中央被覆部28上をボンネット25まで歩いていくことを要する。そこで、燃料タンク被覆部26、作動油タンク被覆部27及び中央被覆部28には、前記トランクボックス21からボンネット25までを繋ぐように、燃料タンク19及び作動油タンク20の上で前後方向に延びる部分と、この部分の後部からエンジン17とブームフットピン23との間の位置まで延びる部分とを有するL字型の通路R2(図2のハッチング部分)が設定されている。本実施形態では、燃料タンク被覆部26、作動油タンク被覆部27及び中央被覆部28の上面には、前記通路R2を形成するための凹部40が設けられているので(本実施形態では、落差約10cm)、通路R2の高さを低くしながら燃料タンク19及び作動油タンク20のタンク容量の確保を図ることができる。以下、燃料タンク被覆部26、作動油タンク被覆部27及び中央被覆部28について説明する。
図3は、図2のIII−III線断面図である。
図2及び図3を参照して、燃料タンク被覆部26は、燃料タンク19の上面及び左右の側面を覆うように構成されている。また、燃料タンク被覆部26の上面のうち、通路R2に対応する左側の通路部分26aは低く、通路R2以外である右側の非通路部分(突出部)26bは通路部分26aよりも高く形成されている。本実施形態に係る燃料タンク被覆部26は、その肉厚が略一定とされた金属板を曲げ加工することにより形成されているため、燃料タンク被覆部26の下面についても、通路部分26aは低く、非通路部分26bは通路部分26aよりも高くなっている。一方、燃料タンク19は、燃料タンク被覆部26の下面に合わせた形状とされている。つまり、燃料タンク19は、左右方向における通路部分26aに対応する部分が背の低い低背部19aとされているとともに、非通路部分26bに対応する部分が低背部19aよりも背の高い高背部19bとされている。したがって、通路部分26aの下に配置された低背部19aにおいて燃料タンク19の容積が制限されるものの、非通路部分26bの下に配置された高背部19bにおいて燃料タンク19の容量を確保することができる。
図1及び図2を参照して、作動油タンク被覆部27は、前記燃料タンク被覆部26の後ろに設けられ、当該燃料タンク被覆部26と第1被覆部を構成する。この作動油タンク被覆部27は、作動油タンク20の上面及び左右の側面を覆うように構成されている。また、作動油タンク被覆部27の上面のうち、通路R2に対応する通路部分27aは低く、通路R2以外の非通路部分27bは通路部分27aよりも高く形成されている。本実施形態において、作動油タンク被覆部27は、通路R2の曲がり角に相当する部分に位置していることに応じて、前方左角の部分が通路部分27aとされている。図示は省略するが、作動油タンク被覆部27内に配置される作動油タンク20についても、作動油タンク被覆部27の下面の形状に合わせて低背部と高背部を有する形状とすることにより、その容量をできるだけ大きく確保することができる。
中央被覆部28は、前記作動油タンク被覆部27の後部から左方に延び、ボンネット25とブームフットピン23との間に配置されている。この中央被覆部28のうち、前側の約半分の範囲は、前記通路R2に対応する範囲である通路部分28aとされている一方、後側の約半分の範囲はボンネット25によって一部が被覆される非通路部分28bとされている。通路部分28aは、非通路部分28bよりも低くされている。
そして、前記燃料タンク被覆部26、作動油タンク被覆部27及び中央被覆部28の通路部分26a、27a、28a同士、及び非通路部分26b、27b、28b同士は、それぞれ同じ高さとされている。これにより、燃料タンク被覆部26、作動油タンク被覆部27及び中央被覆部28の上面には、同じ深さの凹部40が設けられることになる。
次に、エンジン17のメンテナンス時における作業者の動作について説明する。作業者は、まず、ステップ15a(図2参照)に足を掛けてトランクボックス21上に昇り、次いで、トランクボックス21から燃料タンク被覆部26の通路部分26aに登る。本実施形態では、燃料タンク被覆部26の通路部分26aが非通路部分26bよりも低くなっているので、非通路部分26bに昇る場合よりも昇り易くなる。そして、作業者は、作動油タンク被覆部27の通路部分27aを通り、中央被覆部28の通路部分28aまで歩いて、ボンネット25を開放する。ここで、本実施形態に係るガード22は、通路R2に対応する通路部分26a〜28aが非通路部分26b〜28bよりも低くされているので、作業者は、通路R2を明確に認識することができる。
以上説明したように、前記実施形態によれば、燃料タンク被覆部26、作動油タンク被覆部27及び中央被覆部28の上面に設けられた凹部40を通路R2として利用するため、燃料タンク被覆部26、作動油タンク被覆部27及び中央被覆部28の上面自体を通路として利用する場合と比較して、通路R2の高さを低くすることができる。
しかも、前記実施形態では、燃料タンク被覆部26、作動油タンク被覆部27及び中央被覆部28の全体を低くするのではなく、これらの一部に凹部40を設け、これを通路R2として利用しているため、燃料タンク被覆部26及び作動油タンク被覆部27の下に配置される燃料タンク19及び作動油タンク20の高さを必要以上に低くすることが不要となる。
したがって、本発明によれば、通路R2の高さを低くしながらタンク容量の確保を図ることができる。
前記実施形態のように、燃料タンク被覆部26及び燃料タンク被覆部27が内方(下方)に曲げ加工された板材からなる構成とすれば、板材に曲げ加工を施すことによって、燃料タンク被覆部26及び作動油タンク被覆部27の上面に凹部40を容易に形成することができる。そして、前記実施形態のように、燃料タンク19が低背部19aと高背部19bとを有する構成とすることにより、燃料タンク被覆部26の通路部分26aの下に配置された範囲で燃料タンク19の高さが制限を受けるものの、非通路部分26bの下に配置された部分を高背部としているので、タンク容量が必要以上に制限されるのを回避することができる。
一方、燃料タンク19又は作動油タンク20の背の高さをそのまま維持して、通路R2以外の部分を突出させることも可能である。以下その実施形態について説明する。
図4は、本発明の別の実施形態に係る図2相当図である。図5は、図4のV−V線断面図である。
本実施形態に係る上部旋回体3は、燃料タンク被覆部30及び作動油タンク被覆部31の構成が前記実施形態とは異なる。
具体的に、燃料タンク被覆部30は、燃料タンク19の右側面を隠すように配置された側部カバー32と、燃料タンク19の上面及び左側面を覆うように配置された上部カバー33とを備えている。側部カバー32は、燃料タンク19の上面よりも高い位置まで延びる延出部32aを有している。上部カバー33は、燃料タンク19の上面及び左側面に沿う形状とされた平坦部33aと、この平坦部33aから上に突出するとともに前記延出部32aを上から覆うことが可能な突出部33bとを備えている。そして、燃料タンク被覆部30(上部カバー33)の上面のうち、突出部33b以外の部分が通路R2に対応している。このような燃料タンク被覆部30に覆われる燃料タンク19の上面は、前記実施形態と異なり平坦にされている。本実施形態では、前記突出部33bのキャブ18側(左側)の範囲が凹部40とされている。
図4を参照して、作動油タンク被覆部31は、作動油タンク20の右側面を隠すように配置された側部カバー34と、作動油タンク20の上面を覆うように配置された上部カバー35とを備えている。側部カバー32は、作動油タンク20の上面よりも高い位置まで延びる延出部(図示せず)を有している。上部カバー35は、作動油タンク20の上面に沿う平坦部35aと、この平坦部35aから上に突出するとともに前記延出部を上から覆うことが可能な突出部35bと、この突出部35bの後部から当該突出部35bと同じ高さで左方に延びる同高部35cとを備えている。そして、作動油タンク被覆部31(上部カバー35)の上面のうち平坦部35aの範囲が通路R2に対応している。作動油タンク被覆部31に覆われる作動油タンク20の上面は、前記燃料タンク19と同様に平坦にされていてもよいが、同高部35cに対応する部分を上方に突出させてタンク容量を確保することもできる。本実施形態では、突出部35bの左側で、かつ、同高部35cの前の範囲に凹部40とされている。
この実施形態によれば、燃料タンク被覆部30及び作動油タンク被覆部31の上面の右縁部に沿って突出部33b、35bが形成されているので、当該突出部33b、35bが右側の縁部であること作業者に認識させることができ、当該右縁部を越えた作業者の移動を規制することができる。
なお、前記実施形態では、燃料タンク被覆部30の右側の縁部にのみ突出部33bを設けているが、燃料タンク被覆部30の左側の縁部に突出部を設けることもできる。この場合、左右の突出部の間の範囲に凹部40が形成されることになる。
また、図5に二点鎖線で示すように、燃料タンク被覆部30の突出部33bに柵36を設けた構成とすれば、突出部33bを超えた作業者の移動をさらに有効に規制することができる。前記柵としては、手摺としても利用可能なハンドレールを設けることもできる。柵36を設ける箇所は、燃料タンク被覆部30の突出部33bに限定されず、作動油タンク被覆部31の突出部35bでもよく、さらに、図1〜図3に示す実施形態に係る燃料タンク被覆部26及び作動油タンク被覆部27の非通路部分26b、27bでもよい。
さらに、前記各実施形態における通路R2に対応するガード22の上面に、蛍光シール等の識別部材を設けることもできる。このようにすれば、識別部材によって作業者に対してより明確に通路R2を認識させることができる。
なお、前記各実施形態では、燃料タンク19を覆う燃料タンク被覆部26、30の上面を旋回体本体7の上面として利用する構成を例示したが、燃料タンク19の上面をそのまま旋回体本体7の上面として利用することもできる。つまり、前記燃料タンク被覆部26、30を省略して、燃料タンク19の上面に通路R2を形成するための凹部40を直接設けることもできる。
本発明の実施形態に係る油圧ショベルの全体構成を示す側面図である。 図1の油圧ショベルの上部旋回体を拡大して示す斜視図である。 図2のIII−III線断面図である。 本発明の別の実施形態に係る図2相当図である。 図4のV−V線断面図である。 従来の油圧ショベルの上部旋回体を拡大して示す斜視図である。
符号の説明
R2 通路
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体(上部体)
6 作業アタッチメント
15 旋回フレーム(ベースフレーム)
16a、16b 縦板(取付部)
17 エンジン
18 キャブ
19 燃料タンク
19a 低背部
19b 高背部
20 作動油タンク
22 ガード
23 ブームフットピン(取付部)
25 ボンネット
26、30 燃料タンク被覆部(第1被覆部)
26a、27a、28a 通路部分
26b、27b、28b 非通路部分
27、31 作動油タンク被覆部(第1被覆部)
28 中央被覆部(第2被覆部)
33b、35b 突出部
36 柵
40 凹部

Claims (7)

  1. 作業アタッチメントを有する建設機械の下部走行体上に設けられた上部体であって、
    ベースフレームと、
    前記ベースフレームの前部に設けられ、前記作業アタッチメントを起伏可能に取り付けるための取付部と、
    前記取付部の後方で前記ベースフレーム上に設けられたエンジンと、
    前記取付部の側方に設けられたキャブと、
    前記取付部を挟んで前記キャブと反対側となるベースフレーム上の位置で前後に並ぶ燃料タンク及び作動油タンクとを備え、
    前記上部体の上面には、燃料タンク及び作動油タンクの上で前後方向に延びる部分と、この部分の後部から前記エンジンと取付部との間の位置まで延びる部分とを有する通路を形成するための凹部が設けられていることを特徴とする上部体。
  2. 前記ベースフレーム上を覆うことにより前記上部体の上面を構成するガードを備え、
    前記ガードは、前記エンジンを覆うボンネットと、前記燃料タンク及び作動油タンクを覆う第1被覆部と、前記第1被覆部の後部から前記キャブ側に延び、前記ボンネットと前記取付部との間に配置された第2被覆部とを備え、
    前記凹部は、前記第1被覆部及び第2被覆部の上面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の上部体。
  3. 前記第1被覆部は、前記凹部に対応する部分が内方へ曲げ加工された板材からなり、
    前記燃料タンク、作動油タンクの少なくとも一方は、前記第1被覆部における内方に曲げ加工された部分の下に配置される低背部と、前記内方に曲げ加工された部分以外の部分の下に配置され、前記低背部よりも高い部分である高背部とを有していることを特徴とする請求項2に記載の上部体。
  4. 前記第1被覆部の前後方向の少なくとも一部の範囲には、当該第1被覆部の上面の左右の縁部うち前記キャブから遠い方の縁部に沿って上方に突出する突出部が形成され、前記第1被覆部の上面のうち前記突出部よりも前記キャブ側の範囲内に前記凹部が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の上部体。
  5. 前記突出部上に立設された柵をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載の上部体。
  6. 前記第1被覆部、第2被覆部の少なくとも一方の上面のうち前記通路に対応する範囲には、当該範囲が通路であることを識別するための識別部材が設けられていることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の上部体。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の上部体と、前記上部体を下から支持する自走式の下部走行体とを有し、前記上部体の上面には、前記燃料タンク及び作動油タンクの上で前後方向に延びる部分と、この部分の後部から前記エンジンと取付部との間の位置まで延びる部分とを有する通路を形成するための凹部が設けられていることを特徴とする建設機械。
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