JP2010046783A - クランプ用治具 - Google Patents

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Yoshihiro Matsumoto
吉弘 松本
Masahiro Nakayama
真洋 中山
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Abstract

【課題】クランプ爪部を作業者から向かって奥側に配置する場合に簡単且つ安全に取扱うことが可能なクランプ用治具を提供すること。
【解決手段】バネ性の帯状部材について両端を交叉させた状態で環状部を形成し、両端を径方向の外側に向け折曲起立させて一対の爪部を形成したクランプを取扱うクランプ用治具であって、上記クランプの一対の爪部を相互に引き寄せるように掴持する掴持部と、該掴持部に連設され、上記クランプの環状部を保持する保持部とを有すとともに、上記掴持部は、先端部に形成されているクランプ用治具。上記掴持部における上記クランプの爪部が接する部分が平坦となっているクランプ用治具。上記保持部における、上記掴持部と対向する位置が、略平坦であるクランプ用治具。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ホース等を固定するために使用されるクランプを着脱するための治具に関するもので、特に、クランプ爪部を作業者から向かって奥側に配置する場合に簡単且つ安全に取扱うことが可能なものに関する。
従来より、ホースを継手に接続する際、このホースが継手から抜けないように、クランプによる固定がなされている。このクランプとしては、一般に、図4に示すような、バネ性の帯状部材について両端を交叉させた状態で環状部13を形成し、両端を径方向の外側に向け折曲起立させて一対の爪部12を形成したものが知られている。これは、クランプ爪部12を相互に引き寄せるように掴持することで、クランプ環状部12が拡径するとともに縮径する方向に付勢されるもので、この状態でクランプ11をホース21に嵌め込んで掴持を解除すれば、ホース21を緊縮することになる。
このようなクランプを着脱する際に使用する治具としては、例えば図6に示すように、プライヤー101の先端でクランプ爪部12を掴持するものがある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような形態のものであると、作業中にクランプ環状部13が周囲のものに触れた際に、クランプ爪部12がずれて、容易にクランプ11が外れてしまうことになる。この場合、クランプ11は付勢された状態にあるため、クランプ11は大きく飛ぶことになり、クランプ11の紛失のみならず、作業者が負傷したり、周辺機器に傷をつけたりすることになってしまう。また、昨今ではクランプ爪部12が目立たないように、あるいは、クランプ爪部12によって他の機器等に傷が付かないように、クランプ爪部12を作業者から向かって奥側に配置するよう要求がなされている。このような要求に対し、上記の治具では、クランプ爪部12を奥側に配置させることは非常に困難であった。
これらのような問題に対し、図7に示すような、クランプ爪部12を係合する挟持部202を形成するとともに、クランプ環状部13を覆う案内部203を形成し、この案内部203でクランプ11の飛び出しを防止するプライヤー状工具201が知られている(特許文献2参照)。
また、図8に示すように、ホース21を跨いで挟む構成の作動部303を有し、先端に位置する挟支杆302によりクランプ爪部12を掴持する構成の工具301が知られている(特許文献3参照)。
特開平6−71570号公報:スリーピークス技研 実開昭59−34964号公報:日野自動車工業 特開平6−143156号公報:室本鉄工、前田機工
しかしながら、上記特許文献2によるプライヤー状工具201であると、その形状からどうしてもクランプ爪部12が作業者側を向いてしまうため、クランプ爪部12を奥側に配置することが非常に困難である。
また、上記特許文献3による工具301については、クランプ爪部12を掴持するのみであるため、作業中にクランプ環状部13が周囲のものに触れた際に、クランプ爪部12がずれて、容易にクランプ11が外れてしまうという問題を克服できていない。
本発明はこのような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、クランプ爪部を作業者から向かって奥側に配置する場合に簡単且つ安全に取扱うことが可能なクランプ用治具を提供することにある。
前記目的を達成するべく、本発明の請求項1によるクランプ用治具は、バネ性の帯状部材について両端を交叉させた状態で環状部を形成し、両端を径方向の外側に向け折曲起立させて一対の爪部を形成したクランプを取扱うクランプ用治具であって、上記クランプの一対の爪部を相互に引き寄せるように掴持する掴持部と、該掴持部に連設され、上記クランプの環状部を保持する保持部とを有すとともに、上記掴持部は、先端部に形成されていることを特徴とするものである。
又、請求項2記載のクランプ用治具は、上記保持部における、掴持部を閉じた状態の径Dが、下式に示す範囲であることを特徴とするものである。
+2t≦D≦(d +w0.5
D:掴持部を閉じた状態における保持部の径
:ホースの外径
t:クランプの厚さ
:クランプ環状部の最大外径
w:クランプの幅
又、請求項3記載のクランプ用治具は、上記掴持部における上記クランプの爪部が接する部分が平坦となっていることを特徴とするものである。
又、請求項4記載のクランプ用治具は、上記保持部における、上記掴持部と対向する位置が、略平坦であることを特徴とするものである。
請求項1によるクランプ用治具によれば、掴持部に連設された保持部によりクランプ環状部が保持されるため、クランプ環状部が周辺のものに触れることはない。また、爪部を斜めに掴持してしまったり、力の掛かり方が不均一だったりした場合でも、クランプ環状部が保持されるため、クランプがずれてしまうことはない。従って、クランプが不用意に治具から外れてしまうようなことはなく、安全にクランプを取扱うことができる。また、先端に掴持部が形成されていることから、クランプ爪部は作業者から最も離れた位置となるため、クランプ爪部を作業者から向かって奥側に配置することが容易となる。
また、請求項2のように、保持部の径が所定の範囲とされていれば、クランプの着脱に支障を与えることはなく、且つ、クランプ用治具からクランプが外れてしまうことを確実に防止することができる。
また、クランプ爪部を掴持する際、クランプ爪部の先端は、掴持部をスライドしていくことになる。この際、請求項3のように、掴持部におけるクランプ爪部が接する部分が平坦となっていれば、このクランプ爪部のスライドがスムーズとなり、作業性が向上することともに、無理な力を掛けることによるクランプの変形を防止することができる。
また、上記特許文献2の場合、構造上、クランプ爪部を掴持する際に、クランプの位置を注意深く定めないと、クランプ環状部までも掴持してしまい、クランプ環状部を変形させてしまう可能性がある。本発明においては、請求項4に示すような、保持部における掴持部と対向する位置が、略平坦となるような構造も容易に設計できる。このような構造であれば、クランプ環状部を掴持するようなことを防止することができる。
以下に、本発明を、その実施の形態を示す図面を参照しながら説明する。図1及び図2は本発明によるクランプ用治具を示す平面図であり、図1はクランプ爪部を掴持する前の状態(クランプが縮径した状態)、図2はクランプ爪部を掴持した状態(クランプが拡径した状態)を示す。また、図4には、本実施の形態で使用されるクランプの斜視図を示す。
本実施の形態によるクランプ用治具1は、所謂プライヤー状のものであり、ハンドル5を把持することで、先端の掴持部2が閉じる構成となっている。この掴持部2は、その全面が平坦となっている。また、この掴持部2には、保持部3が連設されている。この保持部3における掴持部2と対向する位置は、若干の段差はあるものの略平坦となっており、この段差によってクランプの環状部を掴持してしまうことはない。
このようなクランプ用治具1に、クランプ爪部12が掴持部2に、クランプ環状部13が保持部3に位置するよう、クランプ11を嵌装する。この状態で、クランプ用治具1のハンドル5を把持することで、クランプ爪部12が掴持され、クランプ11は拡径することになる。そして、クランプ環状部13の内側に所望とするホース21等を挿通し、クランプ爪部12の掴持を解除すれば、クランプ11は縮径し、ホース21が固定されることになる。
掴持部2は、上記のように、クランプ爪部12が接する部分が平坦であることが好ましい。これは、掴持の際に、クランプ爪部12の先端が掴持部2をスライドするためである。このスライドは、クランプ11の径が変化すること、それに伴い、クランプ爪部12の角度が変わることによって起こるものである。掴持部2に溝等が形成されていると、これにクランプ爪部12の先端が引っかかってしまうため、スライドが阻害されてしまうこととなる。その場合は、クランプ11に無理な力が掛かり、クランプ11が変形してしまうこともある。但し、掴持部2のクランプ爪部12が接しない部分、例えば、掴持部2を十分な長さとしてその先端部に溝や凹凸等を設けることは一向に差し支えない。
保持部3の寸法について、掴持部2を閉じた状態の径Dが、下式に示す範囲であることが好ましい。
+2t≦D≦(d +w0.5
D:掴持部を閉じた状態における保持部の径
:ホースの外径
t:クランプの厚さ
:クランプ環状部の最大径
w:クランプの幅
このような範囲であれば、クランプの着脱に支障を与えることはなく、且つ、クランプ用治具からクランプが外れてしまうことを確実に防止することができる。このことについて図3を使用してより詳細に説明する。図3(A)は、図2を90°回転した状態を示す図である。クランプ11が外れる形態としては、クランプ爪部12と掴持部2の接触部を支点としてクランプ11が回転をし、それによって、クランプ爪部12を掴持する力に不均一を生じ、クランプ11が外れてしまうという形態がある。上記のように、クランプの最大径をd、クランプの幅をwとしたとき、掴持部2を閉じた状態における保持部3の径Dが、(d +w0.5以下であれば、図3(b)に示すように、クランプ環状部13が保持部3に接することで、クランプ11の回転を止められるため、クランプ11が外れてしまう可能性は格段に低くなる。尚、図3(a)及び図3(b)において、鎖線は、透視した線を表す。また、ホースの外径をd、クランプの厚さをtとしたとき、掴持部2を閉じた状態における保持部3の径Dが、(d+2t)よりも小さいと、クランプを所望とする径にまで拡径することができなくなってしまう。
また、全体構成として、上記のようなプライヤー状のものに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、所謂ピンセットのようにして先端を開閉するような構成のものであっても良い。また、ハンドル5を把持することで掴持部2が閉じる構成のみでなく、常時には掴持部2が閉じており、ハンドル5を把持することにより掴持部2が開くような構成としても良い。勿論、人力によって掴持部2を開閉するようなもののみでなく、例えば、圧縮空気やモーターなどにより掴持部2を開閉するような機構を組み入れても良い。
以上詳述したように本発明によれば、特に、クランプ爪部を作業者から向かって奥側に配置する場合に簡単且つ安全に取扱うことが可能なクランプ用治具を提供することができる。このようなクランプ用治具は、ホースへのクランプの着脱や、クランプの位置合わせ等に好適に使用することができる。また、クランプと同様の構成を有する他の部材にも応用することが十分可能である。
本発明によるクランプ用治具の構造を示す平面図である(クランプ爪部を掴持する前の状態)。 本発明によるクランプ用治具の構造を示す平面図である(クランプ爪部を掴持した状態)。 本発明によるクランプ用治具の構造を示す一部透視平面図である。 クランプの構成を示す斜視図である。 本発明によるクランプ用治具の他の形態を示す平面図である。 従来技術を示す図である。 従来技術を示す図である。 従来技術を示す図である。
符号の説明
1 クランプ用治具
2 掴持部
3 保持部
5 ハンドル
11 クランプ
12 クランプ爪部
13 クランプ環状部
21 ホース

Claims (4)

  1. バネ性の帯状部材について両端を交叉させた状態で環状部を形成し、両端を径方向の外側に向け折曲起立させて一対の爪部を形成したクランプを取扱うクランプ用治具であって、上記クランプの一対の爪部を相互に引き寄せるように掴持する掴持部と、該掴持部に連設され、上記クランプの環状部を保持する保持部とを有すとともに、上記掴持部は、先端部に形成されていることを特徴とするクランプ用治具。
  2. 上記保持部における、掴持部を閉じた状態の径Dが、下式に示す範囲であることを特徴とする請求項1記載のクランプ用治具。
    +2t≦D≦(d +w0.5
    D:掴持部を閉じた状態における保持部の径
    :ホースの外径
    t:クランプの厚さ
    :クランプ環状部の最大外径
    w:クランプの幅
  3. 上記掴持部における上記クランプの爪部が接する部分が平坦となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のクランプ用治具。
  4. 上記保持部における、上記掴持部と対向する位置が、略平坦であることを特徴とする請求項1〜請求項3記載のクランプ用治具。
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