JP2010046324A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のパンツ型使い捨ておむつ1は、腹側部A及び背側部Bの両側部に伸縮部G,Hを有する吸収性物品である。伸縮部G,Hは、その肌当接面側に配置された親水性の肌当接面形成シート21と、その非肌当接面側に配された疎水性の非肌当接面形成シート22と、それら両シート間に胴回り方向に伸張した状態で配された弾性部材23a,23b、24a,24b、26aとを有している。パンツ型使い捨ておむつ1は、肌当接面形成シート21及び非肌当接面形成シート22が、胴回り方向に長い形状の横長接合部27により接合されており、横長接合部27が、胴回り方向に間欠的に形成されてなる。
【選択図】図1
Description
また、特許文献2に記載の使い捨ておむつは、立体ギャザーを越えて流れ出た体液により、肌や衣服を汚さないように、ウエストフラップの肌当接面側に親水性シートを配し、体液の広がりを抑制した使い捨ておむつであり、汗の蒸散性等を向上させるために親水性シートを肌当接面側に配したものではない。また、特許文献2に記載の使い捨ておむつにおいては、疎水性シートと親水性シートとの接合について、詳細には記載されていない。
上記外包材2の肌当接面形成シート21は親水性のシートであり、本来的に親水性を有する繊維から形成されていてもよく、本来的には親水性を有さないが、親水化処理が施されることによって親水性が付与された繊維から形成されていてもよい。親水性シートの坪量は、5〜50g/m2、特に7〜30g/m2であることが好ましい。
本来的には親水性を有さない繊維に対する親水化処理としては、親水化処理剤による繊維の表面処理、繊維への親水化処理剤の練り込み等が挙げられる。本来的には親水性を有さない繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂を単独で用いた繊維又はこれら複数の樹脂を用いた複合繊維(芯鞘型、サイドバイサイド型等)等を原料とするものが挙げられる。芯鞘型複合繊維としては、相対的に低融点の成分を鞘、相対的に高融点の成分を芯とする芯鞘型複合繊維が好ましく、特に低融点の成分がポリエチレン、高融点の成分がポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートの芯鞘型複合繊維が好ましい。
アクリル板の上に、10cm×10cm四方に切断した親水性シートのサンプルを置き、その上に、30mm上方から着色した水0.05mLを滴下する。10分後、画像解析装置を用いて、着色した水の拡散面積を測定する。
10cm×10cm四方に切断した親水性シートのサンプルの質量を量り、該サンプルを、蒸留水500mLの入ったビーカーの中に入れ、1分間放置する。その後、サンプルを取り出し、該サンプルを、竿に吊した状態で10分間放置する。その後、該サンプルを10分間、遠心脱水(800rpm)した後に、その質量を測定し、以下に示す式から液保持量を求める。
液保持量(g/m2)={遠心脱水後のサンプルの質量(g)−初期のサンプルの質量(g)}/初期のサンプルの面積(m2)
垂直に連ねた2つの直径35mmの円筒管の間にサンプルシートを挟みこみ、上側の円筒管に4g/分の速度で生理食塩水を流し込む。生理食塩水がサンプルシートを透過し、下側の円筒管に流れ始める時間を測定する。生理食塩水の流速と、サンプルシートを透過するまでの時間とから液量(重量)を算出する。算出 された液量(gf)を円筒管の断面積(cm2)で除した値を耐水圧(gf/cm2)とする。
本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1は、図2,図3,図4に示すように、外包材2に親水性の肌当接面形成シート21を有している。また、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1は、図2,図5に示すように、外包材2の腹側部A及び背側部Bの伸縮部G,G’,H,H’それぞれに、肌当接面形成シート21及び非肌当接面形成シート22を接合する横長接合部27を有している。
従って、パンツ型使い捨ておむつ1を着用した着用者が汗をかいた場合には、親水性の肌当接面形成シート21によって汗が吸収される。肌当接面形成シート21の吸収能力以上の汗をかいた場合には、親水性の肌当接面形成シート21と疎水性の非肌当接面形成シート22との間に汗が保持される。保持された汗は、横長接合部27により、おむつの縦方向へ拡散され難く、胴回り方向に拡散されるので、伸縮部G,G’,H,H’の面積全体を有効に利用して汗の蒸散性を向上させることができる。よって、かぶれ等の発生を軽減することができる。また、保持できなかった汗が縦方向に流れる不快感を軽減することができる。
従って、着用者の汗が、さらに胴回り方向に拡散され易く、伸縮部G,G’,H,H’の面積全体を有効に利用して汗の蒸散性を向上させることができる。
従って、横長接合部列270aを構成する、中心線WLに平行な方向に隣り合う27aどうしの間から、着用者の汗が、おむつの縦方向に流れたとしても、横長接合部列270bを構成する横長接合部27bによって、縦流れを防止することができる。このような、横長接合部列270aと横長接合部列270bとの関係が、縦方向に複数存在するため、汗がおむつの縦方向に流れていく時間を稼ぐことができる。その結果、汗の蒸散性を更に向上させることができるとともに縦方向に流れる不快感を更に軽減することができる。
従って、胴回り方向に拡散する汗の拡散時間を更に稼ぐことができる。その結果、汗の蒸散性を更に向上させることができるとともに縦方向に流れる不快感を更に軽減することができる。
従って、弾性部材と肌当接面形成シート21と非肌当接面形成シート22の固定部において、着用者の汗がさらに胴回り方向に拡散され易く、また、弾性部材が有する厚みにより形成される肌当接面形成シート21と非肌当接面形成シート22の間の微少に形成される空間により汗の保持性も更に向上させることができる。その結果、汗の蒸散性を更に向上させることができるとともに縦方向に流れる不快感を更に軽減することができる。
実施例1は、肌当接面形成シートとしてPET/PE繊維からなるスパンボンド不織布を親水化処理した不織布(16g/m2、縦幅60mm横幅60mm)を使用し、非肌当接面形成シートとしてPET繊維とPE繊維とからなる疎水性のエアスルー不織布(20g/m2、縦幅60mm横幅60mm)を使用した。実施例1は、肌当接面形成シート及び非肌当接面形成シートの左右方向と繊維の配向方向とを一致させ、肌当接面形成シート及び非肌当接面形成シートをヒートシールにより固定して得た複合シートである。複合シートは、表1に示すとおり、長さ(水平方向の長さ)2mm、幅(垂直方向の長さ)1mmの横長接合部を複数個有している。複合シートは、水平方向に隣り合う横長接合部どうしの間隔を7mmにして水平方向に複数個の横長接合部からなる横長接合部列を有している。また複合シートは、垂直方向に隣り合う横長接合部列どうしの間隔を5mmにして横長接合部列を複数列有している。尚、垂直方向に隣り合う横長接合部列を構成する横長接合部どうしは、半ピッチずつずれており、いわゆる交互柄を形成している(図5の複数列の横長接合列270を構成する横長接合部27の配置参照)。
実施例2、3は、実施例1の横長接合部の長さ(水平方向の長さ)及び実施例1の水平方向に隣り合う横長接合部どうしの間隔を、表1に示すように、それぞれ変更し、それ以外は、実施例1と同様にして得た複合シートである。
実施例4は、実施例1の垂直方向に隣り合う横長接合部列どうしの間隔を、表1に示すように変更し、それ以外は、実施例1と同様にして得た複合シートである。
実施例5は、実施例4の交互柄を、垂直方向に隣り合う横長接合部列を構成する横長接合部どうしが同じ位置にある並行柄(図7,図8の複数列の横長接合列270を構成する横長接合部27の配置参照)に変更し、それ以外は、実施例4と同様にして得た複合シートである。
実施例6は、表2に示すとおり、実施例1の肌当接面形成シート及び非肌当接面形成シートの左右方向と繊維の配向方向とを一致させたものを、肌当接面形成シート及び非肌当接面形成シートの上下方向と繊維の配向方向とを一致させたものに変更し、それ以外は、実施例1と同様にして得た複合シートである。
実施例7、8は、実施例6の横長接合部の長さ(水平方向の長さ)及び実施例6の水平方向に隣り合う横長接合部どうしの間隔を、表2に示すように変更し、それ以外は、実施例6と同様にして得た複合シートである。
実施例9は、実施例6の垂直方向に隣り合う横長接合部列どうしの間隔を、表2に示すように変更し、それ以外は、実施例6と同様にして得た複合シートである。
実施例10は、表2に示すとおり、実施例9の交互柄を、垂直方向に隣り合う横長接合部列を構成する横長接合部どうしが同じ位置にある並行柄(図7,図8の複数列の横長接合列270を構成する横長接合部27の配置参照)に変更し、それ以外は、実施例9と同様にして得た複合シートである。
比較例1は、表1に示すとおり、実施例1の横長接合部を設けていない複合シートである。即ち、肌当接面形成シートと非肌当接面形成シートとは固定されていない。
比較例2は、表1に示すとおり、実施例1の横長接合部の長さ(水平方向の長さ)2mmを、1mmに変更し、実施例1の水平方向に隣り合う横長接合部どうしの間隔7mmを、8mmに変更し、それ以外は、実施例1と同様にして得た複合シートである。
比較例3は、表2に示すとおり、実施例6の横長接合部を設けていない複合シートである。即ち、肌当接面形成シートと非肌当接面形成シートとは固定されていない。
比較例4は、表2に示すとおり、実施例6の横長接合部の長さ(水平方向の長さ)2mmを、1mmに変更し、実施例6の水平方向に隣り合う横長接合部どうしの間隔7mmを、8mmに変更し、それ以外は、実施例6と同様にして得た複合シートである。
実施例及び比較例で得られた各複合シートについて、以下の方法により、拡散時間を評価した。これらの結果を下記表1及び表2に示す。
複合シートをアクリル板上に配置した。複合シートは肌当接面形成シートがアクリル板と接するように配置した。次に複合シートを配置したアクリル板を60°傾斜させた。
アクリル板を60°傾斜させた状態で、複合シートの肌当接面形成シート及び非肌当接面形成シートの間に、チューブを用いて水を25.1μl/minの流速で注入した。チューブはISMATEC社製:TYGON R3607(内径0.13mm、外径1.93mm)を使用した。尚、流出口にはTIFAマイクロチューブ(内径0.5mm、外径0.7mm)を設けて使用した。液送ポンプはISMATEC社製:MCP Standard(ISM404)、ポンプヘッドはISMATEC社製:MS/CA 4−12を使用した。
複合シートに水を注入した箇所から、複合シートの縦方向に50mm拡散するまでの平均時間を測定した。平均値はn=5の値である。
従って、実施例1〜10で得られた複合シートを、腹側部及び背側部の少なくとも一方の伸縮部の構成材料として用いた吸収性物品は、汗が吸収性物品の縦方向に流れていく時間を稼ぐことができるので、その結果、汗の蒸散性を向上させることができる。
従って、実施例1〜5で得られた複合シートを、腹側部及び背側部の少なくとも一方の伸縮部の構成材料として用いた吸収性物品は、実施例6〜10で得られた複合シートを用いたものに比べ、胴回り方向に拡散されるので、伸縮部の面積全体を有効に利用して汗の蒸散性を向上させることができる。よって、かぶれ等の発生を軽減することができる。
2 外包材
2a,2a’ 腹側部Aの側縁部
2b,2b’ 背側部Bの側縁部
21 肌当接面形成シート
22 非肌当接面形成シート
23a,23a’ 腹側部Aのウエスト部弾性部材
23b,23b’ 背側部Bのウエスト部弾性部材
24a,24a’ 腹側部Aの胴回り部弾性部材
24b,24b’ 背側部Bの胴回り部弾性部材
25a,25a’ 腹側部Aのレッグ部弾性部材
25b,25b’ 背側部Bのレッグ部弾性部材
26a,26a’ 腹側部Aの前股部弾性部材
27 横長接合部
270 横長接合部列
28 縦長接合部
280 縦長接合部列
3 吸収性本体
32 表面シート
33 裏面シート
34 吸収性コア
35 側方カフス
36 側方カフス弾性部材
37 側方カフス形成用シート
4 ウエスト開口部
5,5’ レッグ開口部
6,6’ サイドシール部
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
D 胴回り領域
E 前股部領域
F ウエストフラップ領域
G,G’ 腹側部Aの弾性伸縮部
H,H’ 背側部Bの弾性伸縮部
Claims (6)
- 腹側部及び背側部の少なくとも一方の両側部に伸縮部を有する吸収性物品であって、
前記伸縮部は、その肌当接面側に配置された親水性の肌当接面形成シートと、その非肌当接面側に配された疎水性の非肌当接面形成シートと、それら両シート間に胴回り方向に伸張した状態で配された弾性部材とを有し、
前記肌当接面形成シート及び前記非肌当接面形成シートが、胴回り方向に長い形状の横長接合部により接合されており、該横長接合部は、胴回り方向に間欠的に形成されている吸収性物品。 - 前記肌当接面形成シート及び前記非肌当接面形成シートが、胴回り方向と交差する方向に長い形状の縦長接合部により接合され、該縦長接合部は、胴回り方向に間欠的に形成されており、
前記伸縮部に、前記横長接合部及び前記縦長接合部が混在している請求項1に記載の吸収性物品。 - 前記横長接合部の複数個が胴回り方向に直列配置されてなる横長接合部列が胴回り方向と交差する方向に複数列形成されており、
前記縦長接合部の複数個が胴回り方向に直列配置されてなる縦長接合部列が胴回り方向と交差する方向に複数列形成されており、
前記横長接合部列及び前記縦長接合部列が、胴回り方向と交差する方向に、交互に形成されている請求項1又は2に記載の吸収性物品。 - 隣り合う前記横長接合部列において、別の前記横長接合部列を形成する隣り合う前記横長接合部の末端どうしが、前記吸収性物品を胴回り方向と直交する方向から見て、重なっている請求項3に記載の吸収性物品。
- 前記弾性部材が、前記横長接合部において前記肌当接面形成シートと前記非肌当接面形成シートとの間に固定されている請求項1〜6の何れかに記載の吸収性物品。
- 前記肌当接面形成シート及び前記非肌当接面形成シートの少なくとも一方を構成する繊維の配向方向が、胴回り方向である請求項1〜7の何れかに記載の吸収性物品。
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