JP2010045957A - モータ制御装置とバックラッシ同定方法 - Google Patents

モータ制御装置とバックラッシ同定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 バックラッシを含む制御対象を駆動するモータ制御装置と、簡単に高精度にバックラッシを同定できるバックラッシ同定方法を提供する。
【解決手段】 トルク指令を生成するトルク指令生成器(101)と、トルク指令に基づいて制御対象を駆動するトルク制御器(102)と、制御対象の周波数応答を生成する周波数応答生成器(105)と、制御対象のバックラッシを同定するバックラッシ同定器(106)と、を備えるモータ制御装置において、周波数応答生成器は、制御対象の生成するモータの位置に基づいて周波数応答を生成するとともに、周波数応答に基づいて総慣性モーメントと共振周波数と減衰係数を生成し、バックラッシ同定器は、モータ位置と共振周波数に基づいてモータ位置スペクトルを生成する周波数解析器(107)と、モータ位置スペクトルと減衰係数に基づいてバックラッシを同定するバックラッシ演算器(108)とを備え、バックラッシ同定値を生成するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バックラッシを含む制御対象を駆動するモータ制御装置とバックラッシを同定するバックラッシ同定方法に関する。
バックラッシやロストモーションは一般産業機械をはじめ、工作機械やロボットなどの精密な機械にも存在し、精度を悪化させるだけではなく、リミットサイクルや発振など制御系を不安定にする要因になっている。このため、従来からバックラッシを同定し、位置補正をして精度を高めるなどの対策がなされている。第1従来技術としてとりあげたモータ制御装置とバックラッシ同定装置は、バックラッシの記述関数を調整しシミュレーションにおけるリミットサイクルの振幅と周期が、実際の振幅と周期と一致するようにしバックラッシ幅を同定している(例えば、特許文献1参照)。また、第2従来技術としてとりあげたモータ制御装置とバックラッシ同定装置は、遺伝的アルゴリズムを用いてバックラッシを含むシステムモデルと実際の制御対象の応答との適合度を最小とするようにバックラッシ幅を探索し同定している(例えば、特許文献2参照)。
図8は第1従来技術のモータ制御装置とバックラッシ同定装置である。図8の801は指令発生器、802はコントローラ、803はバックラッシ、804は制御対象、805は制御器用調整装置である。また、806はリミットサイクル分析装置、807はバックラッシ幅同定装置、808はパラメータチューニング装置である。指令発生器801は制御対象804の動作を表す被制御変数の目標値を出力する。コントローラ802は前記目標値から前記被制御変数を減算した制御偏差と、制御器用調整装置805の出力であるコントロールパラメータに基づいて操作変数を出力する。バックラッシ803は前記操作変数を入力し真の操作を発生し制御対象804を駆動する。制御対象804は前記真の操作により駆動され前記被制御変数を出力する。制御器用調整装置805は前記制御偏差を入力し前記コントロールパラメータを出力する。制御器用調整装置805において、リミットサイクル分析装置806は前記制御偏差を入力しその入力信号のリミットサイクルの振幅と周期であるリミットサイクル振幅周期を出力する。バックラッシ幅同定装置807は前記リミットサイクル振幅周期を入力し、バックラッシの記述関数を用いたシミュレーションにおいて得られたリミットサイクルの振幅と周期が、前記リミットサイクル振幅周期と一致するようにバックラッシ幅を探索して得られたバックラッシ同定結果を出力する。パラメータチューニング装置808は前記バックラッシ同定結果を入力し、記述関数法に基づいて前記バックラッシの振幅を減少させるような前記コントロールパラメータを算出し、コントローラ802に設定する。
図9は第2従来技術のモータ制御装置とバックラッシ同定装置である。図9の901は制御器、902はトルク制御手段、903は電動機、904は負荷機械系である。また、905は記録手段、906は第3システムモデル、907は評価重み設定手段、908は評価手段、909は第3モデル修正手段である。図9において、制御器901は位置指令値と電動機位置を入力しトルク指令を出力する。トルク制御手段902は前記トルク指令を入力し電流指令を出力する。電動機903は前記電流指令により駆動され前記電動機位置を出力する。負荷機械系904は電動機903に連結しており、前記電動機位置に基づいて動作する。記録手段905は前記トルク指令を記録しトルク指令保存値として出力し、前記電動機位置を記録し電動機位置保存値として出力する。第3システムモデル906は前記トルク指令保存値と適合度最小システムパラメータを入力し、擬似電動機位置を出力する。評価重み設定手段907は前記電動機位置と前記擬似電動機位置の適合度の算出に用いる重みを出力する。評価手段908は前記電動機位置保存値と前記擬似電動機位置と前記重みを入力し前記適合度を出力する。第3モデル修正手段909は前記適合度を入力し前記適合度を最小とする前記適合度最小システムパラメータを遺伝的アルゴリズムを用いて探索し出力する。
このように、従来技術のモータ制御装置とバックラッシ同定装置は、シミュレーションと実際の制御対象の応答が一致するようにバックラッシ幅を探索し同定するのである。
特開平10−171504号公報(第6頁、第1図) 特開2004−030065号広報(第11頁、第5図)
第1従来技術のモータ制御装置バックラッシ同定装置は、そのブロック線図がバックラッシと線形の制御対象の直列に記述できない場合にはバックラッシ同定をすることができないという問題があった。
また、第2従来技術のモータ制御装置とバックラッシ同定装置は、遺伝的アルゴリズムを利用してバックラッシ幅を探索するので、遺伝計算において長期的に適合度を最小にするために短期的な適合度の大きさを犠牲にすることが出来ず、結果として前記適合度を最小にする前記バックラッシ幅を探索し同定することが出来ない場合が多い問題があり、また突然変異確率や遺伝子組み替え確率などのパラメータの設定の良し悪しにバックラッシ幅同定結果が大きく左右される問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、一般産業用機械などのバックラッシを含む制御対象に対して、簡単に高精度にバックラッシ幅を同定できるモータ制御装置とバックラッシ同定方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、トルク指令を生成するトルク指令生成器と、前記トルク指令に基づいて制御対象を駆動するトルク制御器と、前記制御対象の周波数応答を生成する周波数応答生成器と、前記制御対象のバックラッシを同定するバックラッシ同定器と、を備えるモータ制御装置において、前記周波数応答生成器は、前記制御対象の生成するモータ位置に基づいて周波数応答を生成するとともに、前記周波数応答に基づいて総慣性モーメントと共振周波数と減衰係数を生成し、前記バックラッシ同定器は、前記モータ位置と前記共振周波数に基づいてモータ位置スペクトルを生成する周波数解析器と、前記モータ位置スペクトルと前記減衰係数に基づいてバックラッシを同定するバックラッシ演算器とを備え、バックラッシ同定値を生成することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のモータ制御装置において、前記周波数解析器は、高速フーリエ変換(FFT)を用いて前記モータ位置スペクトルを生成することを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載のモータ制御装置において、前記バックラッシ演算器は、前記モータ位置スペクトルの振幅であるモータ位置スペクトル振幅とバックラッシとの比のモータ位置スペクトル振幅バックラッシ比と前記粘性摩擦の反比例係数をあらかじめ記憶しておき、前記減衰係数に基づいて前記モータ位置スペクトル振幅バックラッシ比を算出し、前記モータ位置スペクトル振幅の前記モータ位置スペクトル振幅バックラッシ比による除算値を前記バックラッシ同定値とすることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1記載のモータ制御装置において、前記トルク指令生成器は、前記総慣性モーメントと前記共振周波数に基づいて前記トルク指令を生成することを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項4記載のモータ制御装置において、前記トルク指令生成器は、バックラッシ同定時に、前記共振周波数より十分に低い周波数で、前記総慣性モーメントと前記トルク指令周波数の2乗の積に比例する振幅を持つトルク指令を生成することを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1記載のモータ制御装置において、前記制御対象の周波数応答取得時に、前記トルク指令を掃引正弦波信号とすることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1記載のモータ制御装置において、前記周波数応答生成器は、前記制御対象の周波数応答生成時に、前記周波数応答と誤差の最も小さい周波数応答の線形多慣性系モデルを生成することにより前記総慣性モーメントと前記共振周波数と前記減衰係数を同定することを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、トルク指令を生成するトルク指令生成器と、前記トルク指令に基づいて制御対象を駆動するトルク制御器と、前記制御対象の周波数応答を生成する周波数応答生成器と、前記制御対象のバックラッシを同定するバックラッシ同定器と、を備えるモータ制御装置のバックラッシ同定方法において、
前記トルク指令により前記制御対象を駆動するステップと、
前記制御対象の生成するモータ位置に基づいて周波数応答を生成するステップと、
前記周波数応答に基づいて総慣性モーメントと共振周波数と減衰係数を算出するステップと、
前記総慣性モーメントと前記共振周波数に基づいて生成した制御対象を駆動するステップと、
前記モータ位置と前記共振周波数に基づいて前記位置スペクトルを算出するステップと、
前記モータ位置スペクトルと前記減衰係数に基づいてバックラッシ同定値を算出するステップと、
を備えることを特徴とするモータ制御装置のバックラッシ同定方法。
請求項1、3、4、5、8に記載の発明によると、一般産業用機械のバックラッシを簡単に確実に同定することができる。
また、請求項2および6に記載の発明によると、一般産業用機械のバックラッシを短時間に同定することができる。
また、請求項7に記載の発明によると、一般産業用機械のバックラッシを高精度に同定することができる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施例のモータ制御装置である。図1において、101はトルク指令生成器、102はトルク制御器、103は制御対象、104は切替器、105は周波数応答生成器、106はバックラッシ同定器、107は周波数解析器、108はバックラッシ演算器、109は外部機器である。
図1に基づき動作を説明する。トルク指令生成器101は制御対象103の周波数応答取得時に、周波数応答用のトルク指令をトルク制御器102に出力する。トルク制御器102はトルク指令に基づき制御対象103に含まれるモータに電流を流す。制御対象103はモータとバックラッシのある伝達系と負荷で構成されており、モータが発生したトルクを伝達系を介して負荷に伝達する。切替器104は制御対象103の出力するモータ位置を周波数応答用モータ位置として周波数応答生成器105に出力する。周波数応答生成器105は前記周波数応答用モータ位置に基づいて制御対象103の周波数応答を算出し、周波数応答に基づいて制御対象103の総慣性モーメント、共振周波数、減衰係数を生成する。制御対象103のバックラッシ同定時に、トルク指令生成器101は総慣性モーメントと共振周波数を入力し、共振周波数より十分に低い周波数(たとえば、1/100)であるトルク指令周波数を周波数とし、総慣性モーメントとトルク指令周波数の2乗の積に比例する振幅を持つ正弦波のトルク指令を制御対象103に出力する。切替器104は制御対象103のモータ位置をバックラッシ同定用モータ位置としてバックラッシ同定器106に出力する。バックラッシ同定器106は前記バックラッシ同定用モータ位置と共振周波数と減衰係数に基づいて制御対象103のバックラッシ幅であるバックラッシ同定値を算出する。外部機器109はバックラッシ同定値に基づいて位置補正などをして制御対象の動作精度を向上させる。
バックラッシ同定器106について説明する。周波数解析器107は共振周波数とバックラッシ同定用モータ位置から共振周波数近傍のモータ位置スペクトルを算出する。バックラッシ演算器108は減衰係数とモータ位置スペクトルからあらかじめ数値解析で求めたモータ位置スペクトル振幅のバックラッシに対する比と減衰係数の関係に基づいてバックラッシ同定値を算出する。
本発明が従来技術と異なる部分は、共振周波数とバックラッシ同定用モータ位置からモータ位置スペクトルを生成する周波数解析器107と、減衰係数とモータ位置スペクトルからバックラッシ同定値を生成するバックラッシ演算器108とを備える部分である。
以下、バックラッシ同定器106が制御対象103のバックラッシ幅を算出する詳細原理をシミュレーションを用いて説明する。
本実施例では、制御対象103はバックラッシを含む伝達系を介してモータに負荷が連結した2慣性メカとする。シミュレーションに用いた数値は以下のとおりである。
Jm=0.116×10^−4[kg・m^2]、J1=2*Jm、J2=18*Jm、J=J1+J2、Je=J1*J2/(J1+J2)、ζ=0.05、ωr=200*2*π[rad/s]、k=ωr^2*Je[N・m/rad]、D=2*ζ*√(Je*k)[N・m・s/rad]、ω=1*2*π[rad/s]、A0=2*π/10[rad]、S0=J*ω^2*A0[N・m]
ただし、Jmはモータ慣性モーメント、J1はモータ側慣性モーメント、J2は負荷側慣性モーメント、Jは総慣性モーメント、Jeは有効慣性モーメント、ζは減衰係数、kは剛性、Dは粘性摩擦、ωはトルク指令周波数、A0は目標モータ位置振幅、S0はトルク指令振幅である。J1はバネ要素よりもモータ側の慣性モーメントであり、J2はバネ要素よりも負荷側の慣性モーメントである。また、目標モータ位置振幅は定常状態でのモータ位置振幅の許容上限値に設定し、本実施例のバックラッシ同定時に用いるバックラッシ同定用トルク指令は振幅S0で共振周波数ωrより十分低い周波数ωの正弦波とする。
図2は本発明の第1実施例のバックラッシ同定用モータ位置である。図2は図1のトルク指令をバックラッシ同定用トルク指令とし、バックラッシ幅が2*π/(360*60)*10[rad]である場合のバックラッシ同定用モータ位置である。バックラッシ同定用トルク指令はトルク指令周波数ωを共振周波数ωrより十分に低くしているので、図2に示すように制御対象103は剛体モードの動作をするが、バックラッシが制御対象103の共振を励起するためバックラッシに起因する減衰共振周波数ωr*√(1−ζ^2)の振動を含む。
図3は本発明の第1実施例のバックラッシ同定用モータ位置スペクトルを示す。バックラッシ同定用モータ位置スペクトルは、図2のバックラッシ同定用モータ位置に高速フーリエ変換(FFT)を適用して求めたスペクトルである。バックラッシは図1の制御対象103の共振を励起するため、バックラッシ同定用モータ位置は共振周波数ωrより少し低い周波数である減衰共振周波数にバックラッシに起因する周波数成分を含む。周波数解析器107はバックラッシ同定用モータ位置の共振周波数ωr周辺のスペクトルを抽出しモータ位置スペクトルとしてバックラッシ演算器108に出力する。
図4は本発明の第1実施例のバックラッシとモータ位置スペクトル振幅の関係を示す。図4において、実線は減衰係数ζ=0.02の場合、破線はζ=0.04の場合、一点鎖線はζ=0.06の場合である。バックラッシ同定用トルク指令はトルク指令周波数ωを基本周波数とする周期的信号であり、バックラッシに起因する振動も周期的信号である。また、一般的に減速機やボールねじなどはバックラッシを極力小さくするように設計するので、バックラッシは微小量である。したがって、バックラッシに起因する振動を微小振幅の周期的外乱信号と考えることができる。
次にバックラッシ幅とモータ位置スペクトル振幅の関係を導出する。図5は本発明の第1実施例のバックラッシの観念図である。図5に示すように負荷側の歯がモータ側のバックラッシ幅の中間点にある状態から一定加速度で回転し、モータ側の歯に衝突する場合を考え、バックラッシ同定用モータ位置の含むバックラッシに起因する振動のパワーが、衝突によって負荷側からモータ側に与えるパワーと等しいとして、バックラッシ幅とモータ位置スペクトル振幅の関係を導出する。まず、バックラッシに起因する振動Δθは式(1)のように表される。


ただし、Aはモータ位置スペクトル振幅、ωrは前記共振周波数とする。バックラッシに起因する振動のパワーは式(2)と表される。



図5に示す前記負荷側の歯が、モータ側のバックラッシ幅(角度)の中間点から回転し始め前記モータ側の歯に衝突するまでの間、前記負荷側の前記モータ側に対する相対的加速度である衝突加速度aimpは一定であると仮定すると、式(3)の関係が成り立つ。



ただし、timpは前記負荷側の歯がバックラッシ幅の中間点から回転し始めモータ側の歯に衝突するまでの時間、bはバックラッシ幅(角度)である。式(3)より衝突加速度aimpは式(4)で表される。



また、衝突速度vimpは式(5)で表される。



式(4)と式(5)より負荷側の歯がモータ側の歯に与えるパワーは式(6)と求められる。



式(2)と式(6)よりモータ位置スペクトル振幅Aとバックラッシ幅bは比例することが分かる。実際、図4に示すようにバックラッシとモータ位置スペクトル振幅は比例する。減衰係数ζが小さくなるほどモータ位置スペクトル振幅が大きくなるので、図4の直線の傾きであるモータ位置スペクトル振幅バックラッシ比が大きくなる。
図6は本発明の第1実施例の減衰係数とモータ位置スペクトル振幅バックラッシ比の関係を示す。一般に共振周波数におけるメカの応答振幅はその共振ピークのQ値すなわちQ=1/(2*ζ)に比例するので、図6に示すように、モータ位置スペクトル振幅バックラッシ比は減衰係数ζに反比例する。負荷側慣性モーメントJ2のモータ側慣性モーメントJ1に対する比である慣性モーメント比rJ=J2/J1がrJ<5の場合に慣性モーメント比rJを増加するにつれ徐々にバックラッシに起因する振動が増加し、rJ≧5においてほぼ一定値に収束する。したがって、rJ≧5において目標モータ位置振幅A0と減衰係数ζを決定すると、図6よりモータ位置スペクトル振幅バックラッシ比が決まり、モータ位置スペクトル振幅とモータ位置スペクトル振幅バックラッシ比よりバックラッシを算出できる。複数の目標モータ位置振幅A0に対する減衰係数とモータ位置スペクトル振幅バックラッシ比の反比例係数をあらかじめ数値計算により求め、バックラッシ演算器108に記憶させておくことで上記のようにバックラッシ同定を実施する。本シミュレーションの場合にはバックラッシ同定値は0.0029[rad]となり、バックラッシの真値である2*π/(360*60)*10=0.0029[rad]に対して0[%]誤差であった。
図7は本発明の第2実施例のバックラッシ同定方法のフローチャートである。図7において、トルク指令生成器101から出力した周波数応答用トルク指令により制御対象103を駆動する(ステップ1)。ステップ1の結果得られる周波数応答用モータ位置に基づいて周波数応答生成器105により、制御対象103の周波数応答を取得する(ステップ2)。ステップ2の結果得られた前記周波数応答に線形多慣性系モデルをカーブフィットさせて総慣性モーメント、共振周波数、減衰係数を同定する(ステップ3)。総慣性モーメントと共振周波数に基づいて、トルク指令生成器101によってバックラッシ同定用トルク指令を生成し、制御対象103を駆動する(ステップ4)。ステップ4の結果得られたバックラッシ同定用モータ位置と共振周波数に基づいて、周波数解析器107によってそのスペクトルであるモータ位置スペクトルを算出する(ステップ5)。モータ位置スペクトルと減衰係数とバックラッシの関係を表す情報をバックラッシ演算器108にあらかじめ持たせ、その情報とモータ位置スペクトルと減衰係数によりバックラッシの同定値であるバックラッシ同定値を算出する(ステップ6)。
カーブフィットは線形多慣性系モデルの総慣性モーメントと共振周波数と減衰係数を変化させ、周波数応答との誤差が最小となるように実施することができる。また、モータ位置スペクトルの算出はFFTによって実施することができる。
このように、本発明によるとブロック図がバックラッシとそれ以外の線形系が直列に記述できないバックラッシを含む制御対象に対しても、簡単に確実に高精度にバックラッシを同定できる。
バックラッシを含む制御対象の共振周波数に対して十分に低い周波数(たとえば、100分の1程度)のトルク指令を与え、モータ位置振幅の共振周波数成分から減衰係数とモータ位置およびバックラッシの関係を用いてバックラッシを同定することができるので、バックラッシの存在する一般産業用機械の振動抑制という用途にも適用できる。
本発明の第1実施例のモータ制御装置 本発明の第1実施例のバックラッシ同定用モータ位置 本発明の第1実施例のバックラッシ同定用モータ位置スペクトル 本発明の第1実施例のバックラッシとモータ位置スペクトル振幅の関係 本発明の第1実施例のバックラッシの観念図 本発明の第1実施例減衰係数とモータ位置スペクトル振幅バックラッシ比の関係 本発明の第2実施例のバックラッシ同定方法のフローチャート 第1従来技術のモータ制御装置とバックラッシ同定装置 第2従来技術のモータ制御装置とバックラッシ同定装置
符号の説明
101 トルク指令生成器
102 トルク制御器
103 制御対象
104 切替器
105 周波数応答生成器
106 バックラッシ同定器
107 周波数解析器
108 バックラッシ演算器
109 外部機器
801 指令発生器
802 コントローラ
803 バックラッシ
804 制御対象
805 制御器用調整装置
806 リミットサイクル分析装置
807 バックラッシ幅同定装置
808 パラメータチューニング装置
901 制御器
902 トルク制御手段
903 電動機
904 負荷機械系
905 記録手段
906 第3システムモデル
907 評価重み設定手段
908 評価手段
909 第3モデル修正手段

Claims (8)

  1. トルク指令を生成するトルク指令生成器と、前記トルク指令に基づいて制御対象を駆動するトルク制御器と、前記制御対象の周波数応答を生成する周波数応答生成器と、前記制御対象のバックラッシを同定するバックラッシ同定器と、を備えるモータ制御装置において、
    前記周波数応答生成器は、前記制御対象の生成するモータ位置に基づいて周波数応答を生成するとともに、前記周波数応答に基づいて総慣性モーメントと共振周波数と減衰係数を生成し、
    前記バックラッシ同定器は、前記モータ位置と前記共振周波数に基づいてモータ位置スペクトルを生成する周波数解析器と、前記モータ位置スペクトルと前記減衰係数に基づいてバックラッシを同定するバックラッシ演算器とを備え、バックラッシ同定値を生成することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記周波数解析器は、高速フーリエ変換(FFT)を用いて前記モータ位置スペクトルを生成することを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 前記バックラッシ演算器は、前記モータ位置スペクトルの振幅であるモータ位置スペクトル振幅とバックラッシとの比のモータ位置スペクトル振幅バックラッシ比と粘性摩擦の反比例係数をあらかじめ記憶しておき、前記減衰係数に基づいて前記モータ位置スペクトル振幅バックラッシ比を算出し、前記モータ位置スペクトル振幅の前記モータ位置スペクトル振幅バックラッシ比による除算値を前記バックラッシ同定値とすることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  4. 前記トルク指令生成器は、前記総慣性モーメントと前記共振周波数に基づいて前記トルク指令を生成することを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  5. 前記トルク指令生成器は、バックラッシ同定時に、前記共振周波数より十分に低い周波数で、前記総慣性モーメントと前記トルク指令周波数の2乗の積に比例する振幅を持つトルク指令を生成することを特徴とする請求項4記載のモータ制御装置。
  6. 前記制御対象の周波数応答取得時に、前記トルク指令を掃引正弦波信号とすることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  7. 前記周波数応答生成器は、前記制御対象の周波数応答生成時に、前記周波数応答と誤差の最も小さい周波数応答の線形多慣性系モデルを生成することにより前記総慣性モーメントと前記共振周波数と前記減衰係数を同定することを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  8. トルク指令を生成するトルク指令生成器と、前記トルク指令に基づいて制御対象を駆動するトルク制御器と、前記制御対象の周波数応答を生成する周波数応答生成器と、前記制御対象のバックラッシを同定するバックラッシ同定器と、を備えるモータ制御装置のバックラッシ同定方法において、
    前記トルク指令により前記制御対象を駆動するステップと、
    前記制御対象の生成するモータ位置に基づいて周波数応答を生成するステップと、
    前記周波数応答に基づいて総慣性モーメントと共振周波数と減衰係数を算出するステップと、
    前記総慣性モーメントと前記共振周波数に基づいて生成したトルク指令により前記制御対象を駆動するステップと、
    前記モータ位置と前記共振周波数に基づいて前記モータ位置スペクトルを算出するステップと、
    前記モータ位置スペクトルと前記減衰係数に基づいてバックラッシ同定値を算出するステップと、
    を備えることを特徴とするモータ制御装置のバックラッシ同定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102355193A (zh) * 2011-09-30 2012-02-15 哈尔滨工业大学 交流永磁伺服系统的在线转动惯量辨识装置及辨识方法
CN105089776A (zh) * 2014-05-23 2015-11-25 福特环球技术公司 废气门控制
CN112880617A (zh) * 2021-01-12 2021-06-01 西北工业大学 一种基于谱估计的自由间隙实时监测方法

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