JP2010044029A - 表示部材、およびその表示部材の製造方法、ならびにその表示部材を用いた表示装置 - Google Patents

表示部材、およびその表示部材の製造方法、ならびにその表示部材を用いた表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】見栄えに優れる表示部材、およびその表示部材の製造方法、ならびにその表示部材を用いた表示装置の提供。
【解決手段】指標を表示するコンビネーションメータ100において、コンビネーションメータ100が備える文字板発光用LED72aから入射される光源光を、貫通孔31a,31b,31cに通過させることにより指標となる意匠部21pと、光源光を遮蔽させることによりなる背景部21dとを重ねて表示する文字板30の製造方法であって、文字板30の主要部をなすとともに、遮光性の繊維によって形成されて、文字板30に入射される光源光を遮蔽させるカーボンクロス31を準備し、カーボンクロス31の表示方向に貫通することによって光源光を通過させる貫通孔31a,31b,31cを、繊維を融解する融解加工によって穿設する穿設工程を実施する。
【選択図】図5

Description

本発明は、指標を表示する表示装置において、当該表示装置が備える光源から入射される光源光を貫通孔に通過させることにより指標となる意匠部と、光源光を遮蔽させることによりなる背景部と、を重ねて表示する表示部材、およびその表示部材の製造方法、ならびにその表示部材を用いた表示装置に関するものである。
従来、車両の内装に、見栄えに優れる繊維からなる繊維シートを用いることによって、車内の雰囲気を演出する手法が知られている。例えば特許文献1には、車両のインスツルメントパネルの外表面に繊維シートを用いることにより見栄えを向上させ、車内の雰囲気を演出する装飾用パネルが開示されている。
また、例えば特許文献2には、車両の内装を構成する表示装置の一種であるコンビネーションメータの表示部材として、当該表示部材に光源から入射される光源光を遮蔽させてなる背景部に、繊維シートの柄が印刷されたものが開示されている。繊維シートの柄を印刷により、表示部材の見栄えの向上を試みている。
さて、繊維シートの柄の印刷は平面的であるため、本物の繊維シートが有する繊維の立体的な見栄えに及ばない。故に、特許文献2のような繊維シートの柄が印刷された表示部材の見栄えでは、車内の雰囲気の演出を損ねるおそれがある。そこで、本物の繊維シートを表示部材の表示方向前側に設け、当該繊維シートの外観によって背景部を表示する構成を想到した。
しかし、光源から入射される光源光を通過させることによりなる意匠部を背景部に重ねて表示する表示部材においては、光源光を通過させるための貫通孔を繊維シートに形成する必要がある。繊維によって形成される本物の繊維シートでは、貫通孔の穿設工程において、貫通孔の周囲に位置する繊維の状態を乱してしまう懸念がある。繊維の状態の乱れによって、当該繊維による遮光作用が不十分となり、表示部材には、光源光を通過させることによりなる意匠部と、光源光を遮蔽させることによりなる背景部との境界がぼやけて表示されてしまう。したがって、表示部材の見栄えを向上できないのである。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、見栄えに優れる表示部材、およびその表示部材の製造方法、ならびにその表示部材を用いた表示装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、指標を表示する表示装置において、表示装置が備える光源から入射される光源光を貫通孔に通過させることにより指標となる意匠部と、光源光を遮蔽させることによりなる背景部とを重ねて表示する表示部材の製造方法であって、表示部材の主要部をなすとともに、遮光性の繊維によって形成されて、表示部材に入射される光源光を遮蔽させる繊維シートを準備し、繊維シートの表示方向に貫通することによって光源光を通過させる貫通孔を、繊維を融解する融解加工によって穿設する穿設工程を含むことを特徴とする。
この発明によれば、表示部材は、繊維シートを表示方向に貫通する貫通孔を通過した光源光によって意匠部を、繊維シートの外観によって背景部を、それぞれ表示する。繊維によって形成される繊維シートに、繊維を融解する融解加工によって貫通孔を形成するため、貫通孔の周囲に位置する繊維に穿設工程において負荷される応力を低減することができる。故に、貫通孔の周囲に位置する繊維の状態を乱すことなく、当該貫通孔を端整に形成することができる。
貫通孔が端整に形成されることより、繊維シートにおける貫通孔の周囲に位置する遮光性の繊維によって、表示部材に入射される光源光が確実に遮光される。したがって、表示部材には、光源光を通過させることによりなる意匠部と、光源光を遮蔽させることによりなる背景部との境界が鮮明に表示されるので、優れた見栄えを確保できるのである。
請求項2に記載の発明では、融解加工は、レーザーを照射することにより繊維を融解するレーザー加工である。この発明によれば、一般にレーザーは制御性がよく、所望の貫通孔の形状を高精度で穿設することができる。故に、レーザーの照射により貫通孔が形成されることで、貫通孔をさらに端整に形成することができる。
請求項3に記載の発明では、穿設工程前において、表示部材の基材の表示方向前面に接着層を形成し、繊維シートを基材の表示方向前面に貼り付けた状態下、接着層によって繊維シートを基材の表示方向前面へ接着する接着工程を含む。この発明によれば、穿設工程前において、繊維シートは、表示部材の基材の表示方向前面に形成される接着層によって、基材の表示方向前面へ接着されている。故に、穿設工程において貫通孔の周囲に位置する繊維に応力が負荷された場合においても、当該繊維の乱れは低減されるので、貫通孔をさらに端整に形成することができる。
請求項4に記載の発明では、繊維シートは、複数本の繊維を織ってなる繊維布である。この発明によれば、複数本の繊維を織ってなる繊維布は、繊維の復元力等に起因して、織り目のほつれを生じやすい。しかし、穿設工程において貫通孔の周囲に位置する繊維に負荷される応力を低減する作用の発揮によれば、貫通孔の周囲の織り目のほつれの発生を回避して、当該貫通孔を端整に形成することができる。
請求項5に記載の発明では、穿設工程後において、繊維布における表示方向前側の外表面部および貫通孔の周壁部に、透光性の固着層を被覆した後、固着層を硬化させ、繊維布の繊維を相互に固着させる被覆工程を含む。この発明によれば、穿設後においても、複数本の繊維を織ってなる繊維布は、繊維の復元力等に起因して、ほつれを生じ易い。そこで、穿設工程後において、繊維布における表示方向前側の外表面部および貫通孔の周壁部に、透光性の固着層を被覆した後、固着層を硬化させ、繊維布の繊維を相互に固着させることにより、繊維のほつれが防止される。これにより、端整に形成される貫通孔の周壁部が維持されるので、表示部材は、意匠部と背景部との境界を鮮明に表示しつづけることができる。したがって、優れた見栄えを長期に亘り確保できるのである。
請求項6に記載の発明では、被覆工程後において、表示部材の外縁形状をプレス加工により成形するプレス工程を含む。この発明によれば、繊維布の繊維を相互に固着させる被覆工程後に表示部材の外縁形状をプレス加工により成形する。故に、プレス加工によって表示部材の外縁に位置する繊維に応力が負荷される場合においても、当該繊維のほつれは抑制される。これにより、表示部材の外縁においても、繊維のほつれによる光源光の漏れを回避して、優れた見栄えを確保し得るのである。
請求項7に記載の発明では、穿設工程において、繊維布に複数個分の表示部材に相当する貫通孔を穿設し、プレス工程において、一回のプレス加工によって、同時に複数個の表示部材の外縁形状を成形することを特徴とする。この発明によれば、一回のプレス加工によって、同時に複数個の表示部材を同時に得ることができるので、表示部材の生産性を向上させることができるのである。
請求項8に記載の発明では、接着工程において、接着層は紫外線硬化性樹脂からなり、紫外線を基材の表示方向後側から照射して、接着層を硬化させる。この発明によれば、表示部材の基材が透光性材料からなることから、基材の表示方向後側から照射される紫外線は接着層まで達し得る。故に、基材と繊維シートとの間に位置する接着層であっても、紫外線の照射によって短時間で硬化する紫外線硬化性樹脂を用いることができる。したがって、表示部材の生産性を向上させることができるのである。
請求項9に記載の発明では、被覆工程において、固着層は紫外線硬化性樹脂からなり、紫外線を繊維布の表示方向前側から照射して、固着層を硬化させる。この発明によれば、固着層が、紫外線の照射によって短時間で硬化する紫外線硬化性樹脂からなるので、穿設工程によって穿設された直後に、貫通孔の周壁部に位置する繊維同士を固着させることができる。故に、穿設後の繊維のほつれが確実に抑制されて、端整に形成された貫通孔の周壁部の状態がそのまま維持されるのである。
請求項10に記載の発明では、繊維は、炭素繊維である。この発明によれば、一般に炭素繊維は暗色であることから、レーザーのエネルギーが効率良く熱に変換される。故に、貫通孔の穿設を容易に行うことができる。これにより、表示部材の生産性を向上させることができるのである。
請求項11に記載の発明では、請求項4〜10のいずれか一項に記載の表示部材の製造方法によって製造された表示部材であって、繊維布は、等間隔にずれるように配置される複数の貫通孔を形成し、意匠部は、複数の貫通孔を通過した光源光によりなる目盛意匠を含むことを特徴とする。この発明によれば、繊維布には、複数の貫通孔が等間隔にずれて穿設されている。故に、隣接する貫通孔の間に位置する繊維には、穿設工程における応力が当該繊維の両端部から負荷されることとなり、繊維の状態が乱されやすい。しかし、穿設工程において、貫通孔の周囲に位置する繊維に負荷される応力を低減する作用発揮によれば、隣接する貫通孔の間に位置する繊維の乱れを回避して、見栄えに優れる表示部材を提供することができるのである。
請求項12に記載の発明では、請求項1〜10のいずれか一項に記載の表示部材の製造方法によって製造された表示部材であって、繊維布は、数字が模られる貫通孔を形成し、意匠部は、数字が模られる貫通孔を通過した光源光によりなる、物理量を示すための数字意匠を含むことを特徴とする。この発明によれば、意匠部が、物理量を示すための数字が模られる数字意匠を含む場合、「0」,「4」,「6」,「8」,「9」のいずれか一つでも含む可能性が高い。例えば「0」を模った数字を貫通孔として繊維布に穿設する場合、「0」の中央に位置し、繊維布の本体から離間する楕円形状の微小片を生じる。同様に、「4」,「6」,「8」,「9」を模った数字を繊維布に穿設する場合においても、繊維布の本体から離間する微小片を生じる。このような微小片においては、穿設工程において負荷される応力よって繊維の状態が乱されやすい。しかし、穿設工程において、貫通孔の周囲に位置する繊維に負荷される応力を低減する作用発揮によれば、微小片における繊維の乱れをも回避して、見栄えに優れる表示部材を提供することができるのである。
請求項13に記載の発明によれば、貫通孔が端整に形成される表示部材は、表示方向後側からの光源光を通過させることにより、意匠部を鮮明に表示することができる。指標となる意匠部が鮮明に表示されるので、表示装置によって表示される指標の見栄えも向上し得る。したがって、見栄えに優れる表示装置を提供することができるのである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
以下、本発明による表示装置の表示部材を、コンビネーションメータ100の文字板30に適用した場合を例に説明する。図1は、本発明の第一実施形態によるコンビネーションメータ100の正面図である。コンビネーションメータ100は、車両の車室内に設けられたインスツルメントパネル内に収容され、図1に示す正面側が運転席側に向けて配置されている。
(構成)
図1に示すように、コンビネーションメータ100は、車両の情報に関する指標を表示する領域である例えばスピードメータ21等の指標部20と、当該指標部20以外の領域である地部29と、により構成されている。スピードメータ21以外の指標部20としては、タコメータ、水温計、油温計、燃料計、および電圧計等が含まれている(図示しない)。
スピードメータ21は、コンビネーションメータ100が搭載された車両の速度情報を指標として表示する。スピードメータ21の正面像は、指示部21e、意匠部21p、背景部21dおよび装飾部21f等を有している。指示部21eは、スピードメータ21の正面像の中央に回転中心を具備し、当該回転中心から径方向外側へ突出している。意匠部21pは、目盛意匠21a、数字意匠21b、および文字意匠21c等により構成されている。目盛意匠21aは、矩形形状であって、指示部21eの回転中心を基準にして、放射状かつ等間隔にずれて表示されている。目盛意匠21aに対して指示部21eの回転中心側には、車両の速度を示すための数字を模った数字意匠21bが表示されている。また、目盛意匠21aおよび数字意匠21bが表示されていない領域である指示部21eの回転中心の表示方向下側には、速度の単位を示す文字意匠21cが表示されている。これら意匠部21pの表示方向前面に沿って指示部21eが回転することにより、スピードメータ21の指標が表示される。また、これら意匠部21pと重ねられて背景部21dが表示されるとともに、当該背景部21dの外縁には、スピードメータ21と地部29との境界を形成する装飾部21fが表示されている。
図2は、コンビネーションメータ100の機械的構成を示している。コンビネーションメータ100は、筐体50、回路基板70、文字板30、指針37、および装飾パネル39等を備えている。
筐体50は、構造部材55、リヤカバー57、見返し部材53、およびフロントパネル51等の複数の部材を互いに組み付けることによりにより構成されている。構造部材55は、ポリプロピレン等の樹脂材料により形成されている。構造部材55は、表示方向前側で文字板30および装飾パネル39を支持するとともに、表示方向後側で回路基板70を保持している。構造部材55の表示方向後側には、ポリプロピレン等の樹脂材料により形成される有底容器であるリヤカバー57が組み付けられている。リヤカバー57は、構造部材55に保持されている回路基板70を収容するとともに、回路基板70への表示方向後側からの塵および埃等の付着を防止している。
見返し部材53は、ポリプロピレン等の樹脂材料により筒状に形成されている。見返し部材53の内面側には、光の反射を抑制する黒色の塗装と、光を乱反射させるシボとにより、防眩のための防眩部53aが形成されている。見返し部材53は、構造部材55とともに装飾パネル39を挟んで支持している。見返し部材53の表示方向前側には、フロントパネル51が組み付けられている。フロントパネル51は、無色透明のアクリル樹脂等の透光性材料により形成され、表面には外来光等の反射を防止する反射防止膜が形成されている。
回路基板70は、紙フェノール系またはガラスエポキシ系の硬質の基板からなる。回路基板70は、両面に所定の銅箔材料からなる配線パターン(図示しない)が形成されている。回路基板70の表示方向後側には、ステッパーモータ71、メータ制御回路75、メータ電源回路76、CAN通信インターフェース77、およびLED駆動回路78が実装されている。ステッパーモータ71は、回路基板70の開口部70aおよび文字板30の開口部30aから、文字板30の表示方向前面側に延出する指針軸71aを有している。また、回路基板70の表示方向前側には、文字板発光用LED72aおよび指針発光用LED72bが実装されている。文字板発光用LED72aおよび指針発光用LED72bは、チップタイプの発光ダイオードである。文字板発光用LED72aは、例えば彩度の低い白色の光源光を放射する。対して、指針発光用LED72bは、例えば彩度の高い橙色の光源光を放射する。
文字板30は、基材33、カーボンクロス31、および装飾リング36を有している。基材33は、円板形状であって、例えばポリカーボネート樹脂又アクリル樹脂等の透光性材料から形成されている。基材33の表示方向前側には、透光性の接着層34によってカーボンクロス31が接着されている。カーボンクロス31は、文字板30に文字板発光用LED72aから入射される光源光を遮蔽させるための、遮光性の複数本の炭素繊維を織ってなる繊維シートである。カーボンクロス31は、炭素繊維の経糸と緯糸との交点が、経糸に対して斜め方向に配列されている綾織の繊維布であって、炭素繊維の繊維色である暗色の織り目からなる外観を呈している。カーボンクロス31には、当該カーボンクロス31を表示方向に貫通することによって、文字板発光用LED72aから文字板30に入射される光源光を通過させる貫通孔31a,31b(図1参照),31cが、表示方向に貫通するよう穿設されている。貫通孔31aは、放射状かつ等間隔にずれるように形成されており、貫通孔31bは、数字を模って形成されている。また、貫通孔31cは、文字を模って形成されている。加えて、カーボンクロス31には、透光性の固着層35が被覆されている。カーボンクロス31の外縁部の表示方向前側には、装飾リング36が設けられている。装飾リング36は、例えばABS樹脂等の樹脂材料からなる円環形状の部材であって、外表面には誘目性を高めるためのメッキ等が施された外観を呈している。また装飾リング36は、文字板30の外縁部を表示方向前側から隠している。尚、第一実施形態では、カーボンクロス31が請求項に記載の繊維シートおよび繊維布に相当する。
指針37は、固定部37aおよびポインタ部37bを有している。指針37は、固定部37aによってステッパーモータ71が有する指針軸71aに固定されており、指針軸71aと一体で、文字板30の表示方向前面に沿って回転する。固定部37aは、例えば黒色のABS樹脂等の透光性の無い材料により形成されている。固定部37aからは、文字板30に沿って、当該文字板30の径方向外側に向けてポインタ部37bが突出している。ポインタ部37bは、例えばアクリル樹脂等の透光性の樹脂材料からなり、文字板30の開口部30aを通過した指針発光用LED72bを入射させて、表示方向前側に放射する。
装飾パネル39は、文字板30の外縁形状に沿った開口部39aが設けられた板状の部材であり、基材39bおよびカーボンクロス39c等により構成されている。開口部39a内には文字板30が設置されている。開口部39aの周縁に位置する装飾パネル39は、文字板30の外縁部とともに装飾リング36によって表示方向から隠されている。装飾パネル39の基材39bは、例えばABS樹脂等から形成されている。基材39bの表示方向前側には、カーボンクロス39cが設けられている。カーボンクロス39cには、文字板30の有するカーボンクロス39cと同様の炭素繊維を綾織した繊維布が用いられている。これにより装飾パネル39は、炭素繊維の繊維色である暗色の織り目からなる外観を呈している。
以上によれば、コンビネーションメータ100が明るい環境下である場合、図1に示すように、貫通孔31a,31b,31cによって、意匠部21pである目盛意匠21a、数字意匠21b、および文字意匠21cが表示されている。加えて、ポインタ部37bによって指示部21eが、カーボンクロス31の外観によって背景部21dが、それぞれ表示されている。また、装飾リング36の外観によって装飾部21fが、カーボンクロス39cの外観によって地部29が、それぞれ表示されている。
対して、コンビネーションメータ100が暗い環境下である場合、文字板発光用LED72aおよび指針発光用LED72bが光源光を放射する。これにより、貫通孔31aを通過した文字板発光用LED72aの光源光によって目盛意匠21aが、貫通孔31bを通過した文字板発光用LED72aの光源光によって数字意匠21bが、それぞれ発光表示される。同様に、貫通孔31cを通過した文字板発光用LED72aの光源光によって文字意匠21cが発光表示される。加えて、カーボンクロス31によって文字板発光用LED72aから放射された光源光を遮蔽することにより、背景部21dが表示される。また、ポインタ部37bが表示方向前側に放射する指針発光用LED72bの光源光によって、指示部21eが発光表示される。
図3は、コンビネーションメータ100の電気的構成を示している。コンビネーションメータ100は、メータ制御回路75を中心に、当該メータ制御回路75に接続されたメータ電源回路76、CAN通信インターフェース77、LED駆動回路78、およびステッパーモータ71等により構成されている。またコンビネーションメータ100は、外部のバッテリ95、イグニッション・リレー94、および車載されているController Area Network(CAN)91に接続されている。加えて、コンビネーションメータ100に供給される電源のアースである電源アース98aと、各回路間における信号のノイズを除去するための信号アース98bとが設けられている。
メータ電源回路76は、常に電力が供給される給電系統と、イグニッション・リレー94がON時に電力が供給される給電系統とによって、バッテリ95等から電力が供給されている。メータ電源回路76は、メータ制御回路75が駆動するために必要な電力を、当該回路75に供給している。
CAN通信インターフェース77は、車載されているCAN91に接続されている。CAN通信インターフェース77に加えて、CAN91には、イグニッション・スイッチ200、バッテリ95等によって電力が供給されている電力供給制御回路92、各車輪のハブに取り付けられた回転速度センサが接続されている滑り制御回路96、およびエンジン制御回路(図示しない)等が接続されている。CAN通信インターフェース77は、電力供給制御回路92によってCAN91上に出力された車両のイグニッション・スイッチ200のON/OFF状態に関する情報を取得する。また、CAN通信インターフェース77は、各車輪の回転速度センサからの出力に基づいて滑り制御回路96が算出してCAN91上に出力した車両の速度に関する情報を取得する。CAN通信インターフェース77は、取得した情報をメータ制御回路75に伝達する。
メータ制御回路75は、プログラムによって作動するマイクロコンピュータからなる。メータ制御回路75は、CAN通信インターフェース77から取得した車両のイグニッションのON/OFF状態に関する情報に基づいて発光すべきLEDを判定し、LED駆動回路78に発光指令信号と電力を出力する。加えてメータ制御回路75は、CAN通信インターフェース77から取得した車両の速度に関する情報に基づいて、指針軸71aが回転すべき回転方向、回転角度、回転速度を算出し、算出結果に対応したパルス電力をステッパーモータ71に出力する。
LED駆動回路78は、文字板発光用LED72a、指針発光用LED72b、および種々の警告用インジケータを発光させるための他のLED(図示しない)と接続されている。LED駆動回路78は、メータ制御回路75から取得した発光指令信号に基づいて、メータ制御回路75から供給された電力を、発光させるべきLEDに供給して発光させる。
ステッパーモータ71は、入力されたパルス電力に同期して回転する回転子を具備する。ステッパーモータ71の指針軸71aは、回転子と一体であって、メータ制御回路75から入力されたパルス電力に応じて、回転すべき方向へ所望の角度まで回転する。
以上の構成によれば、電力供給制御回路92は、イグニッション・スイッチ200が操作されることにより、車両のイグニッションの状態をONにする。このとき電力供給制御回路92は、イグニッション・リレー94に電圧を印加して、バッテリ95とメータ電源回路76とを導通させる。同時に、車両のイグニッションの状態がONであるという情報をCAN91上に出力する。CAN通信インターフェース77は、車両のイグニッションの状態がONであるという情報を取得した後、CAN91を通じて車両の速度に関する情報の取得を開始する。CAN通信インターフェース77から取得した情報に基づいて、メータ制御回路75は、文字板発光用LED72aおよび指針発光用LED72b等の発光指令信号をLED駆動回路78に出力するとともに、メータ電源回路76からの電力を供給する。加えて、メータ制御回路75は、ステッパーモータ71へパルス電力を出力し、指針軸71aを車速に応じた角度に回転させる。
これらの動作によれば、図1に示す、目盛意匠21a、数字意匠21b、文字意匠21c、および指示部21eが発光表示されるとともに、当該指示部21eは車両の速度に応じた角度まで回転する。したがって、コンビネーションメータ100のスピードメータ21は、車両の速度情報を指標として表示し始める。
また図3に示す、イグニッション・スイッチ200が再度操作されると、電力供給制御回路92は、車両のイグニッションの状態をOFFにする。このとき電力供給制御回路92は、イグニッション・リレー94への電圧の印加を中止して、バッテリ95とメータ電源回路76との導通を停止する。同時に、車両のイグニッションの状態がOFFであるという情報をCAN91上に出力する。CAN通信インターフェース77は、イグニッションの状態がOFFであるという情報を取得して、メータ制御回路75へ伝達する。メータ制御回路75は、CAN通信インターフェース77から取得した情報に基づいて、LED駆動回路78への文字板発光用LED72aおよび指針発光用LED72b等の発光指令信号を停止して、当該LED72a,72b等を消灯するとともに、ステッパーモータ71へ指針軸71aがゼロ点位置まで戻るようなパルス電力を出力する。
これらの動作によれば、図1に示す、目盛意匠21a、数字意匠21b、文字意匠21c、および指示部21eが消灯されるとともに、当該指示部21eはゼロ点位置まで回転する。したがって、コンビネーションメータ100のスピードメータ21は、車両の速度情報の指標としての表示を停止する。
(製造方法)
以下、本発明の第一実施形態による文字板30の製造方法について、詳細に説明する。
(接着工程)
接着工程では、図4に示すように、まず文字板30の透光性材料からなる基材33の表示方向前面に、バインダー塗料を吹き付けて接着層34を形成する。ここで、バインダー塗料はアクリル系の樹脂であって、透光性を有する紫外線硬化性樹脂である。接着層34を形成した後、カーボンクロス31を基材33の表示方向前面に、ローラー圧着等により貼り付ける。カーボンクロス31を基材33に貼り付けた状態下、紫外線UVを基材33の表示方向後側から短時間(例えば2〜3秒程度)照射して接着層34を硬化させ、カーボンクロス31を基材33の表示方向前面へ接着する。
第一実施形態による接着工程では、カーボンクロス31が基材33にローラー圧着によって貼り付けられることにより、カーボンクロス31と基材33との間に、気泡が混入することを防止できる。加えて、基材33が透光性材料からなることから、基材の表示方向後側から照射される紫外線UVは接着層34まで達し得る。故に、基材33とカーボンクロス31との間に位置する接着層34であっても、紫外線UVの照射によって短時間で硬化する紫外線硬化性樹脂を用いることができ、文字板30の生産性を向上させることができるのである。
(穿設工程)
穿設工程では、図5に示すように、カーボンクロス31を表示方向に貫通する貫通孔31a,31b,31cを、炭素繊維を融解する融解加工によって穿設する。融解加工は、レーザーLSを照射することにより炭素繊維を融解するレーザー加工、所謂レーザーマーキングである。カーボンクロス31に照射するレーザーLSには、例えばYAGレーザー等を用いる。また、穿設工程においてカーボンクロス31には、複数個分の文字板30に相当する貫通孔31a,31b,31cを穿設する。
第一実施形態による穿設工程では、炭素繊維によって形成されるカーボンクロス31に、炭素繊維を融解する融解加工によって貫通孔31a,31b,31cを形成するため、貫通孔31a,31b,31cの周囲に位置する炭素繊維に、穿設工程において負荷される応力を低減することができる。故に、貫通孔31a,31b,31cの周囲に位置する炭素繊維の状態を乱すことなく、当該貫通孔31a,31b,31cを端整に形成することができる。加えて、第一実施形態による穿設工程で用いるレーザーは制御性がよいので、所望の貫通孔31a,31b,31cの形状を高精度で穿設することができ、貫通孔31a,31b,31cをさらに端整に形成することができる。
また第一実施形態による接着工程後の穿設工程では、カーボンクロス31は、文字板30の基材33の表示方向前面に形成される接着層34によって、基材33の表示方向前面へ接着されている。故に、穿設工程において貫通孔31a,31b,31cの周囲に位置する炭素繊維に応力が負荷された場合においても、当該繊維の乱れは低減されるので、貫通孔31a,31b,31cをさらに端整に形成することができる。
さらに第一実施形態による穿設工程では、複数本の炭素繊維を織ってなるカーボンクロス31に貫通孔31a,31b,31cを穿設する。カーボンクロス31は、炭素繊維の復元力等に起因して、織り目のほつれを生じやすい。しかし、穿設工程において貫通孔の周囲に位置する繊維に負荷される応力を低減する作用の発揮によれば、貫通孔31a,31b,31cの周囲の織り目のほつれの発生を回避して、当該貫通孔31a,31b,31cを端整に形成することができる。
また加えて、一般に炭素繊維が暗色であることから、レーザーLSのエネルギーが効率良く熱に変換される。加えて、レーザーLSによって溶融された炭素繊維は、その大部分が直ちに微細化して四散するので、貫通孔31a,31b,31cに残留し難い。故に、貫通孔31a,31b,31cの穿設を容易に行うことができる。これにより、文字板30の生産性を向上させることができるのである。
さらに加えて第一実施形態による穿設工程では、等間隔にずれるように配置される複数の貫通孔31aを穿設する。この場合、隣接する貫通孔31aの間に位置する炭素繊維には、穿設工程における応力が当該繊維の両端部から負荷されることとなり、炭素繊維の状態が乱されやすい。しかし、穿設工程において、貫通孔31aの周囲に位置する炭素繊維に負荷される応力を低減する作用発揮によれば、隣接する貫通孔31aの間に位置する炭素繊維の乱れを回避することができる。
またさらに第一実施形態による穿設工程では、数字が模られた貫通孔31bを穿設する。この場合、数字が模られた貫通孔31bのうち、「0」,「4」,「6」,「8」,「9」のいずれかを穿設する場合、カーボンクロス31の本体から離間する微小片を生じる。具体的には、「0」を模った貫通孔31bを穿設する場合、「0」の中央に位置し、カーボンクロス31の本体から離間する楕円形状の微小片31tを生じる(図1参照)。このような微小片31tにおいては、穿設工程において負荷される応力よって炭素繊維の状態が乱されやすい。しかし、穿設工程において、貫通孔31bの周囲に位置する炭素繊維に負荷される応力を低減する作用発揮によれば、微小片における繊維の乱れをも回避することができる。
(被覆工程)
被覆工程では、穿設工程後において、カーボンクロス31における表示方向前側の外表面部31dおよび貫通孔31a,31b,31cの周壁部31eに、オーバーコート塗料を吹き付けて固着層35を形成する。ここで、オーバーコート塗料はアクリル系の樹脂であって、透光性を有する紫外線硬化性樹脂である。固着層35を形成した後、紫外線UVをカーボンクロス31の表示方向前側から短時間(例えば2〜3秒程度)照射して固着層35を硬化させ、カーボンクロス31の炭素繊維を相互に固着させる。
複数本の繊維を織ってなるカーボンクロス31は、穿設工程後においても、炭素繊維の復元力等に起因して、ほつれを生じ易い。そこで第一実施形態による被覆工程では、カーボンクロス31における表示方向前側の外表面部31dおよび貫通孔の周壁部31eに、固着層35を被覆した後、固着層35を硬化させ、カーボンクロス31の炭素繊維を相互に固着させる。これにより、炭素繊維のほつれは防止される。故に、穿設工程において端整に形成された貫通孔31a,31b,31cの周壁部31eを維持しつづけることができる。
加えて第一実施形態による被覆工程では、固着層35が、紫外線UVの照射によって短時間で硬化する紫外線硬化性樹脂からなるので、穿設工程において貫通孔31a,31b,31cが穿設された直後に、貫通孔31a,31b,31cの周壁部31eに位置する炭素繊維同士を固着させることができる。故に、穿設後の炭素繊維のほつれが確実に抑制されて、端整に形成された貫通孔31a,31b,31cの周壁部31eの状態をそのまま維持しつづけることができるのである。
(プレス工程)
プレス工程では、図6に示すように、被覆工程後において、文字板30の外縁形状を金型11を用いたプレス加工により成形する。加えて第一実施形態による穿設加工では、カーボンクロス31に複数個分の文字板30に相当する貫通孔31a,31b,31cが穿設されているので、一回のプレス加工によって、同時に複数個の文字板30の外縁形状を成形する。
第一実施形態によるプレス工程では、カーボンクロス31の炭素繊維を相互に固着させた被覆工程後に、文字板30の外縁形状をプレス加工により成形する。故に、プレス加工によって文字板30の外縁に位置する炭素繊維に応力が負荷される場合においても、当該繊維のほつれは抑制される。これにより、文字板30の外縁においても、炭素繊維のほつれによる光源光の漏れを回避できる。加えて、第一実施形態によるプレス工程では、一回のプレス加工によって、同時に複数個の文字板30を同時に得ることができるので、文字板の生産性を向上させることができるのである。
以上説明した第一実施形態によれば、図1に示す貫通孔31a,31b,31cが端整に形成されるので、カーボンクロス31における貫通孔31a,31b,31cの周囲に位置する遮光性の炭素繊維によって、文字板30に入射された光源光が確実に遮光される。したがって、文字板30には、文字板発光用LED72aの光源光を通過させることによりなる意匠部21pと、当該光源光を遮蔽させることによりなる背景部21dとの境界が鮮明に表示されるので、優れた見栄えを獲得することができるのである。さらには、端整に形成された貫通孔31a,31b,31cの周壁部31eが維持されるので、炭素繊維の復元力や、車両の振動等にかかわらず、優れた見栄えを長期に亘り確保しつづけられるのである。
そして、文字板30がスピードメータ21の指標となる意匠部21pを鮮明に表示するので、スピードメータ21によって表示される当該指標の見栄えも向上し得る。したがって、見栄えに優れるコンビネーションメータ100を提供することができるのである。
(第二実施形態)
以下、本発明による表示装置の表示部材を、イグニッション・スイッチ200の操作部材230に適用した場合を例に説明する。図7は、本発明の第二実施形態によるイグニッション・スイッチ200の正面図である。イグニッション・スイッチ200は、車両の車室内に設けられたインスツルメントパネルに設置され、図7に示す正面側が運転席側に向けて配置されている。
(構成)
図7に示すように、イグニッション・スイッチ200は、当該スイッチ200の機能に関する指標を表示する領域である指標部220と、当該指標部220以外の領域である地部229と、により構成されている。
イグニッション・スイッチ200の正面像は、意匠部221p、背景部221dおよび装飾部221f等を有している。意匠部221pは、主に文字意匠221cにより構成されている。文字意匠221cは、イグニッション・スイッチ200の機能に関する文字を表示している。また、意匠部221pと重ねられて背景部221dが表示されるとともに、当該背景部221dの外縁には、イグニッション・スイッチ200と地部229との境界を形成する装飾部221fが表示されている。
図8は、イグニッション・スイッチ200の機械的構成を示している。イグニッション・スイッチ200は、ケース体250、回路基板270、操作部材230、スプリング239、および装飾リング236等を備えている。
ケース体250は、インスツルメントパネルに設けられた円筒形状の収容部255、およびリヤカバー257等の部材を組み付けることによりにより構成されている。インスツルメントパネルと同じ樹脂材料により形成される収容部255は、操作部材230を収容している。収容部255の内周面には、表示方向と直交する方向に突出するストッパ部255aが設けられている。収容部255の表示方向後側には、ポリプロピレン等の樹脂材料により形成される有底容器であるリヤカバー257が組み付けられている。リヤカバー257は、収容部255とともに回路基板270を収容するとともに、回路基板270への表示方向後側からの塵および埃等の付着を防止している。またリヤカバー257が収容部255に組み付けられることにより、リヤカバー257と収容部255とによって回路基板270を挟持している。
回路基板270は、紙フェノール系またはガラスエポキシ系の硬質の基板からなり、表示方向前面に所定の銅箔材料からなる配線パターン(図示しない)が形成されている。回路基板270の表示方向前側には、スイッチ部279と、操作部材発光用LED272cが実装されている。スイッチ部279は押圧部279aを有しており、表示方向後側に押圧されることにより導通を形成する。スイッチ部279は、回路基板270に形成されている配線パターン等を介して電力供給制御回路92(図3参照)と接続されており、導通の形成は電力供給制御回路92によって検知される。操作部材発光用LED272cは、チップタイプの発光ダイオードである。操作部材発光用LED272cは、回路基板270に形成されている配線パターン等を介して電力供給制御回路92と接続されており、電力供給制御回路92から電力が供給されて、例えば緑色の光源光を放射する。
操作部材230は、収容部255の表示方向後側から当該収容部255内に挿入され、表示方向に往復変位自在である。操作部材230は、当接面230a、凸部230b、および操作面230cを有している。当接面230aは、スイッチ部279近傍へ延出しており、操作部材230の往復変位によって、押圧部279aに当接して押圧する。加えて、当接面230aは、操作部材発光用LED272cから放射される光源光を操作部材230内へ入射させる。凸部230bは、操作部材230の側面から表示方向と直交する方向に突出している。凸部230bの表示方向前面は、操作部材230の往復変位によって、ストッパ部255aと当接自在である。また、凸部230bの表示方向後面は、スプリング239により表示方向前側に付勢されている。操作面230cは、表示方向前側に凸の緩い曲面により形成されている。
また操作部材230は、基材233、カーボンクロス231等により構成されている。基材233の表示方向前側には、透光性の接着層34によってカーボンクロス231が接着されている。カーボンクロス231は、操作部材発光用LED272cから操作部材230に入射される光源光を遮蔽させるための、繊維シートである。カーボンクロス231には、当該カーボンクロス231を表示方向に貫通することによって、操作部材発光用LED272cから操作部材230に入射される光源光を通過させる貫通孔231cが、表示方向に貫通するよう穿設されている。この貫通孔231cは、文字を模って形成されている。尚、第二実施形態では、カーボンクロス231が請求項に記載の繊維シートおよび繊維布に相当する。
スプリング239は、細い金属材料よりなる線材を同心螺旋状に形成した弾性変形可能な部材である。スプリング239は、凸部230bの表示方向後面と、回路基板270の表示方向前面との間に設置されている。スプリング239は、操作部材230の操作面230cに表示方向後側の押圧力が印加されることにより、凸部230bの表示方向後面と回路基板270の表示方向前面との間に挟まれて表示方向に圧縮されるようになっている。
装飾リング236は、例えばABS樹脂等の樹脂材料からなる円環形状の部材であって、外表面にメッキ等が施さることにより誘目性が高められた外観を呈している。装飾リング236は、インスツルメントパネルに表示方向前側から嵌め込まれ、操作面230cの外縁を装飾している。
以上の構成によれば、操作部材233の操作面230cが表示方向後側に押圧されることにより、操作部材230の当接面230aがスイッチ部279の押圧部279aを押圧して、導通が形成される。すると、図3に示すように、スイッチ部279の導通を検知した電力供給制御回路92が、車両のイグニッションの状態をONにする。また、イグニッションがONの状態で再び操作面230cが表示方向後側に押圧されて、スイッチ部279の導通を検知した電力供給制御回路92は、車両のイグニッションの状態をOFFにする。
また以上によれば、イグニッション・スイッチ200が明るい環境下である場合、図7に示すように、貫通孔231cによって意匠部221pである文字意匠221cが表示されているとともに、カーボンクロス231の外観によって背景部221dが表示されている。加えて、装飾リング236の外観によって装飾部221fが表示されている。
対して、イグニッション・スイッチ200が暗い環境下である場合、操作部材発光用LED272cは、電力供給制御回路92から供給される電力により光源光を放射する。これにより、貫通孔231cを通過した操作部材発光用LED272cの光源光によって文字意匠221cが発光表示される。加えて、カーボンクロス231によって操作部材発光用LED272cが放射する光源光を遮蔽することにより背景部221dが表示される。
(製造方法)
このような本発明の第二実施形態についての製造方法は、第一実施形態とは異なるものとなり、接着工程前に成形工程が実施されるとともに、プレス工程が実施されない。以下、第二実施形態による操作部材230の製造方法について、詳細に説明する。
(成形工程)
成形工程では、基材233を射出成形等により所望の形状に成形する。加えて成形工程では、カーボンクロス231を、操作面230cの形状に倣った外縁形状に成形する。カーボンクロス231の外縁形状の成形には、例えばYAGレーザー等を照射するレーザー加工を用いる。
(接着工程)
接着工程では、まず操作部材230の透光性材料からなる基材233の表示方向前面に、バインダー塗料を吹き付けて接着層34を形成する。接着層34を形成した後、外縁形状が成形されたカーボンクロス231を、基材233の表示方向前面に位置合わせをして、貼り付ける。カーボンクロス231を基材33に貼り付けた状態下、紫外線UVを基材233の表示方向後側の当接面230aから短時間(例えば2〜3秒程度)照射して接着層34を硬化させ、カーボンクロス231を基材233の表示方向前面へ接着する。
(穿設工程)
穿設工程では、カーボンクロス231を表示方向に貫通する貫通孔231cを、レーザーLSを照射することにより炭素繊維を融解するレーザー加工によって穿設する。
(被覆工程)
被覆工程では、カーボンクロス231における表示方向前側の外表面部231dおよび貫通孔231cの周壁部231eに、オーバーコート塗料を吹き付けて固着層35を形成する。固着層35を形成した後、紫外線UVをカーボンクロス231の表示方向前側から短時間(例えば2〜3秒程度)照射して固着層35硬化させ、カーボンクロス231の炭素繊維を相互に固着させる。
以上説明した第二実施形態によれば、第一実施形態と同様に、貫通孔231cの周囲の炭素繊維の乱れ、および織り目のほつれの発生を回避して、当該貫通孔231cを端整に形成できるとともに、端整に形成された貫通孔231cの周壁部231eの状態を維持しつづけることができる。故に、カーボンクロス231における貫通孔231cの周囲に位置する遮光性の炭素繊維によって、操作部材230に入射された光源光が確実に遮光される。したがって、操作部材230には、操作部材発光用LED272cの光源光を通過させることによりなる意匠部221pと、当該光源光を遮蔽させることによりなる背景部221dとの境界が鮮明に表示されるので、優れた見栄えを獲得することができるのである。さらには、端整に形成された貫通孔231cの周壁部231eが維持されるので、炭素繊維の復元力や、車両の振動等にかかわらず、優れた見栄えを長期に亘り確保しつづけられるのである。
そして、操作部材230が指標となる意匠部221pを鮮明に表示するので、イグニッション・スイッチ200によって表示される当該指標の見栄えも向上し得る。したがって、見栄えに優れるイグニッション・スイッチ200を提供することができるのである。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
第一および第二実施形態では、融解加工としてYAGレーザーを照射するレーザー加工を用いたが、レーザーの種類をYAGレーザーに限定するものではなく、例えばCOレーザー等を用いてもよい。さらには、融解加工はレーザー加工に限定するものではなく、貫通孔31a,31b,31c,231cの周囲へ作用する応力が低減できる加工であれば、放電加工やエッチング、その他の手段を用いてもよい。
第一および第二実施形態では、繊維布として、炭素繊維を織ってなるカーボンクロス31,231を用いたが、繊維は炭素繊維に限定するものではなく、ガラス繊維やアラミド樹脂等からなる繊維であってもよい。また、繊維の表面に例えばアルミ等の金属の蒸着による塗装が施されていてもよい。加えて、繊維の織り方も綾織に限定するものではなく、平織、朱子織等であってもよい。さらには、繊維が織られていない繊維シート、例えば単一方向に繊維を並べた繊維シートや、繊維が編まれた繊維シート、あるいは不織布であってもよい。
第一および第二実施形態では、接着工程において、カーボンクロス31,231は基材33,233の表示方向前側へ接着されていたが、カーボンクロス31,231は基材33,233に接着されなくてもよい。また第一実施形態では、文字板30が基材を有さない構成であってもよい。さらには、第一および第二実施形態では、被覆工程において、固着層35は、カーボンクロス31,231の外表面部31d,231d又は周壁部31e,231eいずれかのみに被覆されてもよい。また、接着層34および固着層35を形成するためのバインダー塗料およびオーバーコート塗料は、紫外線硬化性樹脂に限定するものではなく、透光性を有していれば熱硬化性樹脂であってもよい。
そして、第一実施形態においては、本発明をコンビネーションメータ100に適用し、車両の速度に関する指標をなす意匠部21pを表示する文字板30を例に説明した。また、第二実施形態では、本発明をイグニッション・スイッチ200に適用し、当該スイッチ200の機能に関する指標をなす意匠部221pを表示する操作部材230を例に説明した。しかし、本発明は、車両の内装において種々の指標を表示する表示装置の表示部材、例えば空調装置の操作スイッチ等に適用してもよい。
本発明の第一実施形態によるコンビネーションメータの正面図である。 本発明の第一実施形態によるコンビネーションメータの機械的構成を示す図であって、図1のII−II線断面図である。 本発明の第一実施形態によるコンビネーションメータ、および本発明の第二実施形態によるイグニッション・スイッチの電気的構成を示すブロック図である。 本発明の第一実施形態による文字板の製造方法の接着工程について説明するための模式図である。 本発明の第一実施形態による文字板の製造方法の接着工程について説明するための模式図である。 本発明の第一実施形態による文字板の製造方法の接着工程について説明するための模式図である。 本発明の第二実施形態によるイグニッション・スイッチの正面図である。 本発明の第二実施形態によるイグニッション・スイッチの機械的構成を示す図であって、図7のVIII−VIII線断面図である。
符号の説明
20,220 指標部、21 スピードメータ、21p,221p 意匠部、21a 目盛意匠、21b 数字意匠、21c,221c 文字意匠、21d,221d 背景部、21e 指示部、21f,221f 装飾部、29,229 地部、30 文字板(表示部材)、30a 開口部、230 操作部材(表示部材)、230a 当接面、230b 凸部、230c 操作面、31,231 カーボンクロス(繊維シート・繊維布)、31a,31b,31c,231c 貫通孔、31d,231d 外表面部、31e,231e 周壁部、33,233 基材、34、 接着層、35 固着層、36,236 装飾リング、37 指針、37a 固定部、37b ポインタ部、39 装飾パネル、39a 開口部、39b 基材、39c カーボンクロス、239 スプリング、50 筐体、250 ケース体、51 フロントパネル、53 見返し部材、53a 防眩部、55 構造部材、255 収容部、255a ストッパ部、57,257 リヤカバー、70,270 回路基板、70a 開口部、71 ステッッパーモータ、71a 指針軸、72a 文字板発光用LED、72b 指針発光用LED、72c 操作部材発光用LED、75 メータ制御回路、76 メータ電源回路、77 CAN通信インターフェース、78 LED駆動回路、279 スイッチ部、279a 押圧部、91 CAN、92 電力供給制御回路、94 イグニッション・リレー、95 バッテリ、96 滑り制御回路、98a 電源アース、98b 信号アース、UV 紫外線、LS レーザー、100 コンビネーションメータ(表示装置)、200 イグニッション・スイッチ(表示装置)

Claims (13)

  1. 指標を表示する表示装置において、前記表示装置が備える光源から入射される光源光を貫通孔に通過させることにより前記指標となる意匠部と、前記光源光を遮蔽させることによりなる背景部とを重ねて表示する表示部材の製造方法であって、
    前記表示部材の主要部をなすとともに、遮光性の繊維によって形成されて、前記表示部材に入射される前記光源光を遮蔽させる繊維シートを準備し、
    前記繊維シートを表示方向に貫通して前記光源光を通過させる前記貫通孔を、前記繊維を融解する融解加工によって穿設する穿設工程を含むことを特徴とする表示部材の製造方法。
  2. 前記融解加工は、レーザーを照射することにより前記繊維を融解するレーザー加工であることを特徴とする請求項2に記載の表示部材の製造方法。
  3. 前記穿設工程前において、前記表示部材の基材の表示方向前面に接着層を形成し、前記繊維シートを前記基材の表示方向前面に貼り付けた状態下、前記接着層によって前記繊維シートを前記基材の表示方向前面へ接着する接着工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示部材の製造方法。
  4. 前記繊維シートは、複数本の繊維を織ってなる繊維布であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の表示部材の製造方法。
  5. 前記穿設工程後において、前記繊維布における表示方向前側の外表面部および前記貫通孔の周壁部に、透光性の固着層を被覆した後、前記固着層を硬化させ、前記繊維布の前記繊維を相互に固着させる被覆工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の表示部材の製造方法。
  6. 前記被覆工程後において、前記表示部材の外縁形状をプレス加工により成形するプレス工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の車両用表示装置の製造方法。
  7. 前記穿設工程において、前記繊維布に複数個分の前記表示部材に相当する前記貫通孔を穿設し、
    前記プレス工程において、一回のプレス加工によって、同時に複数個の前記表示部材の外縁形状を成形することを特徴とする請求項6に記載の車両用表示装置の製造方法。
  8. 前記接着工程において、前記接着層は紫外線硬化性樹脂からなり、紫外線を前記基材の表示方向後側から照射して前記接着層を硬化することで、前記繊維シートを前記基材の表示方向前面へ接着することを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載の表示部材の製造方法。
  9. 前記被覆工程において、前記固着層は紫外線硬化性樹脂からなり、紫外線を前記繊維布の表示方向後側から照射して、前記固着層を硬化させることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の表示部材の製造方法。
  10. 前記繊維は、炭素繊維であることを特徴とする請求項2〜9のいずれか一項に記載の表示部材の製造方法。
  11. 請求項4〜10のいずれか一項に記載の表示部材の製造方法によって製造された表示部材であって、
    前記繊維布は、等間隔にずれるように配置される複数の前記貫通孔を形成し、
    前記意匠部は、複数の前記貫通孔を通過した光源光によりなる目盛意匠を含むことを特徴とする表示部材。
  12. 請求項4〜10のいずれか一項に記載の表示部材の製造方法によって製造された表示部材であって、
    前記繊維布は、数字が模られる前記貫通孔を形成し、
    前記意匠部は、数字が模られる前記貫通孔を通過した光源光によりなり、物理量を示すための数字意匠を含むことを特徴とする表示部材。
  13. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の表示部材の製造方法によって製造された表示部材と、
    前記表示部材に表示方向後側から照射する前記光源と、を備える表示装置。
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JP2008210114A Pending JP2010044029A (ja) 2008-08-18 2008-08-18 表示部材、およびその表示部材の製造方法、ならびにその表示部材を用いた表示装置

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016203646A1 (ja) * 2015-06-19 2016-12-22 本田技研工業株式会社 鞍乗り型車両の表示装置
JP2017219442A (ja) * 2016-06-08 2017-12-14 矢崎総業株式会社 表示装置
US11440301B2 (en) 2020-03-27 2022-09-13 Faurecia Interior Systems, Inc. Light permeable vehicle interior panel
WO2023153256A1 (ja) * 2022-02-09 2023-08-17 東レ株式会社 一体化成形体

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