JP2010042982A - 合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラス - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、耐貫通性、耐湿性、及び、遮音性に優れる合わせガラス用中間膜に関する。また、本発明は、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスに関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全である。そのため、合わせガラスは、自動車等の車両、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。例えば、合わせガラスとして、一対のガラス間に、ポリビニルブチラール樹脂と可塑剤とを含有する合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させた合わせガラスが挙げられる。
近年、エンジンの駆動音や、風きり音等を効果的に遮蔽できる合わせガラスが要求されている。遮音性に優れた合わせガラスとして、例えば、特許文献1には、可塑化されたポリビニルアセタール樹脂膜が2層以上積層された合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスが開示されている。
しかしながら、可塑化されたポリビニルアセタール樹脂膜が2層以上積層された合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスは、光学歪みが生じるという問題があった。また、時間の経過に伴って樹脂膜間において、可塑剤の移行が起こることがあった。その結果、合わせガラスの遮音性能が低下するという問題もあった。そのため、単層構造であっても充分な遮音性能を有する合わせガラス用中間膜が求められていた。
遮音性に優れた合わせガラス用中間膜を製造する方法として、例えば、水酸基量が少ないポリビニルブチラール樹脂を用いる方法や、ポリビニルブチラール樹脂に対する可塑剤の含有量を多くする方法や、分子量が低い可塑剤を使用する方法等が考えられる。
しかしながら、水酸基量が少ないポリビニルブチラール樹脂を使用する方法を用いると、合わせガラスの耐湿性が低下するという問題があった。また、水酸基量が少ないポリビニルブチラール樹脂を含有する合わせガラス用中間膜は、充分な強度が得られないため、合わせガラスの耐貫通性が低下するという問題もあった。
また、ポリビニルブチラール樹脂に対する可塑剤の含有量を多くする方法や、分子量が低い可塑剤を使用する方法を用いると、可塑剤がブリードアウトすることにより、合わせガラス用中間膜とガラスとの接着力の制御が困難になるという問題があった。また、可塑剤の含有量が増加すると、合わせガラスの耐貫通性が大きく低下するという問題もあった。
本発明は、耐貫通性、耐湿性、及び、遮音性に優れる合わせガラス用中間膜を提供することを目的とする。また、本発明は、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明は、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤とを含有する合わせガラス用中間膜であって、前記可塑剤は、下記一般式(1)で表され、かつ、前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記可塑剤の含有量が25〜85重量部である合わせガラス用中間膜である。
本発明者らは、水酸基を有する可塑剤を含有する合わせガラス用中間膜は、優れた遮音性を有し、かつ、ブリードアウトが抑制できることを見出した。しかしながら、水酸基を有する可塑剤を含有する合わせガラス用中間膜は、ガラス転移温度が低くなるために、合わせガラスの耐貫通性が低下することがあった。特に、25℃を超える高温領域において、合わせガラスの耐貫通性が著しく低下するという問題があった。更に、合わせガラスの耐湿性が低下するという問題もあった。
そこで、本発明者らは、ポリビニルアセタール樹脂、及び、水酸基を有し、所定の構造で表される可塑剤を所定量含有させることにより、遮音性、耐湿性を有し、かつ、25℃を超える高温領域において優れた耐貫通性を有する合わせガラス用中間膜が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
そこで、本発明者らは、ポリビニルアセタール樹脂、及び、水酸基を有し、所定の構造で表される可塑剤を所定量含有させることにより、遮音性、耐湿性を有し、かつ、25℃を超える高温領域において優れた耐貫通性を有する合わせガラス用中間膜が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の合わせガラス用中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂を含有する。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は特に限定されないが、好ましい下限は25モル%、好ましい上限は35モル%である。上記水酸基の含有率が25モル%未満であると、合わせガラス用中間膜の耐湿性が低下することがある。また、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記水酸基の含有率が35モル%を超えると、合わせガラス用中間膜が硬くなりすぎるため、合わせガラスの遮音性が低下することがある。上記水酸基の含有率のより好ましい下限は28モル%、より好ましい上限は32モル%である。
なお、ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除して求めたモル分率である。水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K 6726「ポリビニルアルコール試験方法」を用いて原料となるポリビニルアルコールの水酸基が結合しているエチレン基量を測定することにより求めることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は特に限定されないが、好ましい下限は25モル%、好ましい上限は35モル%である。上記水酸基の含有率が25モル%未満であると、合わせガラス用中間膜の耐湿性が低下することがある。また、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記水酸基の含有率が35モル%を超えると、合わせガラス用中間膜が硬くなりすぎるため、合わせガラスの遮音性が低下することがある。上記水酸基の含有率のより好ましい下限は28モル%、より好ましい上限は32モル%である。
なお、ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除して求めたモル分率である。水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K 6726「ポリビニルアルコール試験方法」を用いて原料となるポリビニルアルコールの水酸基が結合しているエチレン基量を測定することにより求めることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度は特に限定されないが、好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は3モル%である。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が0.1モル%未満であると、可塑剤がブリードアウトすることがある。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が3モル%を超えると、合わせガラス用中間膜の耐湿性が低下することがある。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度のより好ましい下限は0.5モル%、より好ましい上限は1.5モル%である。
なお、アセチル化度とは、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除して求めたモル分率である。
なお、アセチル化度とは、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除して求めたモル分率である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は特に限定されないが、ガラスに対する接着力が優れるため、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は特に限定されないが、好ましい下限は63モル%、好ましい上限は73モル%である。上記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度が63モル%未満であると、可塑剤がブリードアウトすることがある。上記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度が73モル%を超えると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度のより好ましい下限は65モル%、より好ましい上限は69モル%である。
なお、ブチラール化度とは、ブチラール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除して求めたモル分率である。ブチラール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K 6728「ポリビニルブチラール試験方法」を用いて測定できる。
上記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は特に限定されないが、好ましい下限は63モル%、好ましい上限は73モル%である。上記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度が63モル%未満であると、可塑剤がブリードアウトすることがある。上記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度が73モル%を超えると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度のより好ましい下限は65モル%、より好ましい上限は69モル%である。
なお、ブチラール化度とは、ブチラール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除して求めたモル分率である。ブチラール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K 6728「ポリビニルブチラール試験方法」を用いて測定できる。
上記ポリビニルブチラール樹脂は、通常、ポリビニルアルコールをブチラール化することにより製造できる。
上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより製造できる。
上記ポリビニルアルコールの重合度は特に限定されないが、好ましい下限は200、好ましい上限は5000である。上記ポリビニルアルコールの重合度が200未満であると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記ポリビニルアルコールの重合度が5000を超えると、得られたポリビニルアセタール樹脂の剛性が大きくなり過ぎるため、合わせガラス用中間膜の成形が困難になることがある。上記ポリビニルアルコールの重合度のより好ましい下限は500、より好ましい上限は4000である。
上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより製造できる。
上記ポリビニルアルコールの重合度は特に限定されないが、好ましい下限は200、好ましい上限は5000である。上記ポリビニルアルコールの重合度が200未満であると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記ポリビニルアルコールの重合度が5000を超えると、得られたポリビニルアセタール樹脂の剛性が大きくなり過ぎるため、合わせガラス用中間膜の成形が困難になることがある。上記ポリビニルアルコールの重合度のより好ましい下限は500、より好ましい上限は4000である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、下記一般式(1)で表される可塑剤を含有する。下記一般式(1)で表される可塑剤は水酸基を有するため、含有量が少なくても遮音性に優れる合わせガラス用中間膜が得られる。この理由は、ポリビニルアセタール樹脂の分子内の水素結合や、ポリビニルアセタール樹脂の分子間の水素結合が弱まることが原因であると考えられる。
上記脂肪族アルキル基の炭素数の下限は7、上限は9である。上記脂肪族アルキル基の炭素数が7〜9の範囲内であると、耐湿性に優れた合わせガラス用中間膜が得られる。上記脂肪族アルキル基は直鎖構造を有する脂肪族アルキル基であってもよいし、分岐構造を有する脂肪族アルキル基であってもよいが、分岐構造を有する脂肪族アルキル基であることが好ましい。特に、上記脂肪族アルキル基が炭素数8の2−エチルヘキシル基であることが好ましい。
また、上記一般式(1)におけるnは8〜10の範囲内の数である。上記nが8未満であると、合わせガラス用中間膜の耐貫通性が低下したり、耐湿性が低下したりする。上記nが10を超えると、合わせガラス用中間膜の耐湿性が低下したり、遮音性が低下したりする。なお、上記一般式(1)におけるnは平均付加モル数を示す。平均付加モル数nの値は、ガスクロマトグラフィー分析により、各々の付加モル数に対応するピーク面積の比を算出することにより決定できる。
本発明の合わせガラス用中間膜が押出機を用いて成形される場合、一般的には、140℃以上の温度で合わせガラス用中間膜が押出成形される。そのため、上記一般式(1)で表される可塑剤の引火点は、押出成形時の温度よりも高いことが好ましい。
上記可塑剤の含有量は、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して下限が55重量部、上限が85重量部である。上記可塑剤の含有量が55重量部未満であると、合わせガラス用中間膜の遮音性が低下する。上記可塑剤の含有量が85重量部を超えると、可塑剤がブリードアウトするため、合わせガラス用中間膜とガラスとの接着力の制御が困難となる。上記可塑剤の含有量の好ましい下限は60重量部、好ましい上限は80重量部である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、ガラスに対する接着力を調整するために、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等の金属塩を含有してもよい。上記金属塩は特に限定されず、例えば、2−エチル酪酸マグネシウムや酢酸マグネシウム等が挙げられる。また、上記金属塩の含有量は特に限定されないが、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.0002重量部、好ましい上限が0.02重量部である。
更に、本発明の合わせガラス用中間膜は、ガラスに対する接着力を調整するために、シリコンオイルを含有してもよい。上記シリコンオイルの含有量は特に限定されないが、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.001重量部、好ましい上限が1重量部である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、耐湿剤、顔料、染料、赤外線吸収剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は0.5mm、好ましい上限は1.5mmである。本発明の合わせガラス用中間膜の厚さが0.5mm未満であると、合わせガラス用中間膜の耐貫通性が低下することがある。本発明の合わせガラス用中間膜の厚さが1.5mmを超えると、合わせガラスに適した厚みを超えてしまうことがある。本発明の合わせガラス用中間膜の厚さのより好ましい下限は0.7mm、より好ましい上限は1.45mmである。
本発明の合わせガラス用中間膜は、単層の合わせガラス用中間膜であってもよいし、2層以上の樹脂膜が積層された合わせガラス用中間膜であってもよい。なかでも、本発明の合わせガラス用中間膜は、光学歪みが防止できることから、単層の合わせガラス用中間膜であることが好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜を製造する方法は特に限定されず、例えば、可塑剤と、任意成分である添加剤と、ポリビニルアセタール樹脂とを混練した後、合わせガラス用中間膜を成形する方法等が挙げられる。上記混練の方法は特に限定されず、例えば、押出機、プラストグラフ、ニーダー、バンバリーミキサー、カレンダーロール等を用いる方法等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスもまた、本発明の1つである。
本発明の合わせガラスに用いられるガラス板は特に限定されず、一般に使用されている透明板ガラスが挙げられる。上記透明板ガラスは特に限定されず、例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ポリカーボネートやポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
本発明の合わせガラスの製造方法は特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。
本発明の合わせガラスは、自動車用ガラスとして使用する場合は、フロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラスとして用いることができる。
本発明によれば、耐貫通性、耐湿性、及び、遮音性に優れる合わせガラス用中間膜を提供することができる。また、本発明は、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されない。
(実施例1)
(1)合わせガラス用中間膜の作製
可塑剤として、上記一般式(1)におけるRが2−エチルヘキシル基であり、平均付加モル数nが8である可塑剤60重量部と、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.2重量部と、紫外線吸収剤(共同薬品社製「バイオソーブ55」)0.2重量部との混合物を80℃で攪拌し、可塑剤溶液を作製した。
次いで、ポリビニルブチラール樹脂(ブチラール化度68.5モル%、アセチル化度0.9モル%、水酸基30.6モル%)100重量部と、可塑剤溶液60.4重量部とを充分に混合し、押出機を用いて合わせガラス用中間膜を作製した。合わせガラス用中間膜の膜厚は850μmであった。
(1)合わせガラス用中間膜の作製
可塑剤として、上記一般式(1)におけるRが2−エチルヘキシル基であり、平均付加モル数nが8である可塑剤60重量部と、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.2重量部と、紫外線吸収剤(共同薬品社製「バイオソーブ55」)0.2重量部との混合物を80℃で攪拌し、可塑剤溶液を作製した。
次いで、ポリビニルブチラール樹脂(ブチラール化度68.5モル%、アセチル化度0.9モル%、水酸基30.6モル%)100重量部と、可塑剤溶液60.4重量部とを充分に混合し、押出機を用いて合わせガラス用中間膜を作製した。合わせガラス用中間膜の膜厚は850μmであった。
(2)合わせガラスの作製
得られた合わせガラス用中間膜を2枚の透明なフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.3mm)で挟み込み積層体とした。得られた積層体を、230℃の加熱ロールを用いて仮圧着させた。仮圧着された合わせガラスを、オートクレーブを用いて135℃、圧力1.2MPaの条件で20分間圧着し、合わせガラスを作製した。
得られた合わせガラス用中間膜を2枚の透明なフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.3mm)で挟み込み積層体とした。得られた積層体を、230℃の加熱ロールを用いて仮圧着させた。仮圧着された合わせガラスを、オートクレーブを用いて135℃、圧力1.2MPaの条件で20分間圧着し、合わせガラスを作製した。
(実施例2〜12、比較例1〜8)
上記一般式(1)における平均付加モル数nの値と、可塑剤の含有量とを表1及び表2に示す数値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
上記一般式(1)における平均付加モル数nの値と、可塑剤の含有量とを表1及び表2に示す数値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
(比較例9〜13)
上記一般式(1)におけるRをメチル基に変更し、上記一般式(1)における平均付加モル数nの値と、可塑剤の含有量とを表2に示す数値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
上記一般式(1)におけるRをメチル基に変更し、上記一般式(1)における平均付加モル数nの値と、可塑剤の含有量とを表2に示す数値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
(比較例14〜15)
上記一般式(1)におけるRをn−ブチル基に変更し、上記一般式(1)における平均付加モル数nの値と、可塑剤の含有量とを表2に示す数値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
上記一般式(1)におけるRをn−ブチル基に変更し、上記一般式(1)における平均付加モル数nの値と、可塑剤の含有量とを表2に示す数値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
(比較例16〜20)
上記一般式(1)におけるRをn−ヘキシル基に変更し、上記一般式(1)における平均付加モル数nの値と、可塑剤の含有量とを表2に示す数値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
上記一般式(1)におけるRをn−ヘキシル基に変更し、上記一般式(1)における平均付加モル数nの値と、可塑剤の含有量とを表2に示す数値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
(比較例21〜26)
上記一般式(1)におけるRをベンジル基に変更し、上記一般式(1)における平均付加モル数nの値と、可塑剤の含有量とを表2に示す数値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
上記一般式(1)におけるRをベンジル基に変更し、上記一般式(1)における平均付加モル数nの値と、可塑剤の含有量とを表2に示す数値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
(比較例27〜30)
上記一般式(1)におけるRをn−デシル基に変更し、上記一般式(1)における平均付加モル数nの値と、可塑剤の含有量とを表2に示す数値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
上記一般式(1)におけるRをn−デシル基に変更し、上記一般式(1)における平均付加モル数nの値と、可塑剤の含有量とを表2に示す数値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを作製した。
<評価>
実施例1〜12、及び、比較例1〜30で得られた合わせガラス用中間膜及び合わせガラスについて以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
実施例1〜12、及び、比較例1〜30で得られた合わせガラス用中間膜及び合わせガラスについて以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
(1)合わせガラスの遮音性評価
得られた合わせガラスを縦4cm×横4cmの大きさに切断し、遮音性評価用合わせガラスを作製した。遮音性評価用合わせガラスをダンピング試験用の振動発生機(振研社製「加振機G21−005D」)を用いて振動させた。遮音性評価用合わせガラスの振動特性を機械インピーダンスアンプ(リオン社製「XG−81」)にて増幅し、振動スペクトルをFFTスペクトラムアナライザー(横河ヒューレットパッカード社製「FFTアナライザー HP3582A」)により解析し、損失係数を算出した。
得られた損失係数と、ガラスの共振周波数との比から、20℃における音周波数(Hz)と音響透過損失(dB)との関係を示すグラフを作成し、音周波数2000Hz付近の極小の音響透過損失(TL値)を求めた。TL値が30dB以上の遮音性評価用合わせガラスを合格とした。
得られた合わせガラスを縦4cm×横4cmの大きさに切断し、遮音性評価用合わせガラスを作製した。遮音性評価用合わせガラスをダンピング試験用の振動発生機(振研社製「加振機G21−005D」)を用いて振動させた。遮音性評価用合わせガラスの振動特性を機械インピーダンスアンプ(リオン社製「XG−81」)にて増幅し、振動スペクトルをFFTスペクトラムアナライザー(横河ヒューレットパッカード社製「FFTアナライザー HP3582A」)により解析し、損失係数を算出した。
得られた損失係数と、ガラスの共振周波数との比から、20℃における音周波数(Hz)と音響透過損失(dB)との関係を示すグラフを作成し、音周波数2000Hz付近の極小の音響透過損失(TL値)を求めた。TL値が30dB以上の遮音性評価用合わせガラスを合格とした。
(2)合わせガラスの耐貫通性評価
得られた合わせガラスの表面温度が30℃となるように加熱した。次いで、得られた合わせガラスを、JIS R 3212に準拠して、質量2260±20g、直径82mmの剛球を、4mの高さから合わせガラスの中心部分に落下させた。剛球が貫通しなかった合わせガラスを○、剛球が貫通した合わせガラスを×とした。
得られた合わせガラスの表面温度が30℃となるように加熱した。次いで、得られた合わせガラスを、JIS R 3212に準拠して、質量2260±20g、直径82mmの剛球を、4mの高さから合わせガラスの中心部分に落下させた。剛球が貫通しなかった合わせガラスを○、剛球が貫通した合わせガラスを×とした。
(3)合わせガラスの耐湿性評価
得られた合わせガラスを、JIS R 3212に準拠して、50℃、相対湿度95%の恒温恒湿槽に2週間保管した。保管後の合わせガラスの周辺部の白化距離を測定した。白化距離が5mm以下であった合わせガラスを○、白化距離が5mmを超え、10mm以下であった合わせガラスを△、白化距離が10mmを超えた合わせガラスを×とした。
得られた合わせガラスを、JIS R 3212に準拠して、50℃、相対湿度95%の恒温恒湿槽に2週間保管した。保管後の合わせガラスの周辺部の白化距離を測定した。白化距離が5mm以下であった合わせガラスを○、白化距離が5mmを超え、10mm以下であった合わせガラスを△、白化距離が10mmを超えた合わせガラスを×とした。
本発明によれば、耐貫通性、耐湿性、及び、遮音性に優れる合わせガラス用中間膜を提供することができる。また、本発明は、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することができる。
Claims (7)
- Rは分岐構造を有する脂肪族アルキル基であることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
- Rは2−エチルヘキシル基であることを特徴とする請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜。
- ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率が25〜35モル%であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の合わせガラス用中間膜。
- ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が0.1〜3モル%であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の合わせガラス用中間膜。
- ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂であり、かつ、前記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度が63〜73モル%であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の合わせガラス用中間膜。
- 請求項1、2、3、4、5又は6記載の合わせガラス用中間膜を用いてなることを特徴とする合わせガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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